JP2006253950A - デバイスの特性劣化判定方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 デバイスの個体に応じて精度良く特性劣化を判定することができる方法及び装置を提供する。
【解決手段】デバイスの初期値を、好ましくは温度毎に記憶し、運用中の該デバイスの現状値を、好ましくは温度に対応して記憶し、該初期値及び現状値を温度に対応して読み出し該現状値を該初期値で正規化すると共に、該正規化した値が正常範囲内に在るか否かを判断する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、デバイスの特性劣化判定方法及び装置に関し、特に光トランシーバー等のデバイスにおける特性劣化を判定する方法及び装置に関するものである。
図7は、従来より知られているデバイスの特性劣化判定方法を概略的に示したものである。この従来例においては、例えば光トランシーバーの運用動作中の現状値をRAM(Random Access Memory)に一旦記憶し(ステップS41)、さらにこのRAMから現状値yを読出し(ステップS42)、この現状値yが正常範囲(下限値yminと上限値ymaxとの間)内にあるか否かを判定する(ステップS43)。
すなわち、現状値が下限値yminと上限値ymaxとの間にある場合には正常なものとしてアラーム通知を発生せず(ステップS44)、この正常範囲を逸脱している場合には、異常であるとしてアラーム通知を行なう(ステップS45)。
なお、測定手段により測定された電動機へ供給される電流、電圧又は電力の値が、電動機と制御棒とをつなぐ磁気継手が脱調する限界値よりも小さい所定値に到達した場合に、電動機への電力供給の停止、前記所定値に到達した旨の表示、及び警報の発生の内少なくとも1つを実行する制御装置を備えた制御棒駆動装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001-99974号公報
光トランシーバー等のデバイスは、メーカー或いは個体によって特性が異なっており、その運用動作中で特性劣化と判断される値はメーカー或いは個体によってバラツキがあるので、図7に示すような従来例の如く、現状値yを一般的な規格値である下限値ymin及び上限値ymaxで判定してしまうと、個体に応じた特性劣化を判定出来なくなり判定精度が悪いという課題があった。
従って本発明は、デバイスの個体に応じて精度良く特性劣化を判定することができる方法及び装置を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係るデバイスの特性劣化判定方法は、デバイスの初期値を記憶する第1ステップと、運用中の該デバイスの現状値を記憶する第2ステップと、該初期値及び現状値を読み出して該現状値を該初期値で正規化すると共に該正規化した値が正常範囲内に在るか否かを判断する第3ステップと、を備えたことを特徴としている。
このような本発明の方法を、図1に示した概念図を参照して以下に説明する。
まず、デバイスの初期値xを例えばメモリに書き込む(ステップS1)。この後、デバイスの現状値yを、例えば別のメモリに書き込む(ステップS2)。そして、このように各メモリに書き込まれた初期値x及び現状値yを該メモリから読み出す(ステップS3)。
そして、ステップS3で読み出した現状値yを初期値xで正規化した値a=y/xを求める(ステップS4)。このようにして求めた正規化値aが、例えば経験的に求められる正常範囲(判定値a1とa2との間)に入るか否かを判定する(ステップS5)。
この結果、a1<a<a2であることが分かった時には、正規化値aは正常範囲にあるとしてアラーム通知は発生させないが(ステップS6)、それ以外の場合には、正規化値aは正常範囲に無いとして、アラーム通知を発生する(ステップS7)。
このように、個体毎に異なる初期値xに基づく正規化値によって特性劣化の判定を行なうので、個体に応じた判定が可能となり判定制精度が高まることとなる。
ここで、上記の第1ステップでは、例えば、デバイスの工場出荷時において所定範囲(xmin<x<xmax)の値である該初期値を、温度等の外部環境条件毎に記憶し、該第3ステップでは、該現状値を該外部環境条件に対応して読み出してもよい。
これにより、デバイスの種々の温度に対応して種々の初期値を記憶しておき、実際の温度に対応する現状値を読み出すことができ、より判定精度を高めることができる。
また、上記の第1ステップで、該初期値に、記憶確認用又は正常性確認用のデータを付加して記憶し、該第3ステップで、該データを確認できた該初期値のみを読み出してもよい。これにより、誤った初期値を排除することができる。
上記の本発明に係るデバイスの特性劣化判定方法を実現する装置は、デバイスの初期値を記憶する第1手段と、運用中の該デバイスの現状値を記憶する第2手段と、該初期値及び現状値を読み出して該現状値を該初期値で正規化すると共に該正規化した値が正常範囲内に在るか否かを判断する第3手段と、を備えたことを特徴としている。
上記の第1手段は、該初期値を外部環境条件毎に記憶し、該第3手段は、該外部環境条件に対応して該現状値を読み出すことができる。
また上記の第1手段は、該初期値に、記憶確認用又は正常性確認用のデータを付加して記憶し、該第3手段は、該データを確認できた該初期値のみを読み出すことができる。
本発明の効果を図2を参照して以下に説明する。
同図に示すように、ステップS4から求められる一次曲線P:y=axに、ステップS5による一次係数a1、a2(a1<a<a2)を当てはめると、一次曲線O:y=a1x、及び一次曲線Q:y=a2xが得られる。
ここで、或るデバイスの初期値xが所定範囲(xmin<x<xmax)に在るとすると、現状値yは、下記の範囲となる。
ymin(=a1xmin)<y<ymax(a2xmax) ・・・式(1)
従って、初期値と現状値の双方で決まる最大範囲は図示の斜線で示すとおりとなる。
図7に示した従来例の場合には、初期値を用いずに現状値yのみで正常性を確認しているので、初期値xに関係無く現状値yの正常範囲を下限値yminと上限値ymaxの間に規定していることになる。
これに対し、本発明では、初期値xがxmin<x<xmaxの範囲内を変動するので、例えば初期値xが図示の値をとるとすれば、現状値yは下記の範囲をとる。
y1<y<y2 ・・・式(2)
従って、式(1)の方が式(2)よりも正常と見なす範囲が狭くなるので、アラーム判定の制度が良くなり、デバイスの個体のアナログ特性に応じた判定が可能となる。
図3は、本発明に係るデバイスの特性劣化判定方法を実現する装置の一実施例を示したブロック図である。この実施例は、光インタフェースユニット1に適当したものであり、この光インタフェースユニット1は、特性劣化判定対象となるデバイスであり、光信号を電気信号に、または電気信号を光信号に変換する光トランシーバー(O/E,E/O)2と、この光トランシーバー2による電気信号を主信号処理ユニット(図示せず)への電気信号に変換するための主信号処理LSI3と、光トランシーバー2のクロックCLK及びデータDATAに基づき監視制御ユニット(図示せず)へデータを与えるFPGA(Field Programmable Gate Array)4とで構成されている。
また、光トランシーバー2は、メモリとしてのEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)21とRAM22とで構成され、FPGA4は、光トランシーバー2からのデータを正規化する正規化部41と、この正規化部41の出力信号を監視制御ユニットに送るアラーム処理部42とで構成されている。
動作実施例(1)
図4は、図3に示した構成例の動作実施例(1)を示したものであり、以下、この図4のフローチャートを参照してこの動作実施例(1)を説明する。
まず、光トランシーバー2において、光トランシーバーを工場出荷する時のアナログモニター値(光パワー値、LDカレント値など)を初期値xとしてEEPROM21に書き込む(ステップS1’)。この時、初期値xに対して或る規格(xmin<x<xmax)を設けて規格外の個体は初期段階で異常と判定し除いておく。
次に、RAM22に対し、光トランシーバー2を運用している時のアナログモニター値を現状値yとして書き込む(ステップS2’)。
次に、光トランシーバー2は、EEPROM21から初期値xを読み出すと共に、RAM22から現状値yを読み出して共にFPGA4における正規化部41に送る。なお、光トランシーバー2からFPGA4へのデータDATAはI2Cインタフェースを用いる。
正規化部41においては、光トランシーバー2から読み込んだアナログモニター値の初期値xと現状値yから正規化した値a=y/xを算出し(ステップS4)、この正規化値aが正常規格範囲内(a1<a<a2)であるか否かを判定し(ステップS5)、範囲外であればアラームとしてアラーム処理部42から監視制御ユニットへ通知を行なう(ステップS7)。
実施例(2)
アナログモニター値(光パワー、LDカレントなど)は外部環境条件、特に温度によって変動する。従って、アナログモニター値の正常性の判定には外部環境条件の変動分を考慮することが好ましい。
そこで、外部環境条件として温度を例に取り、温度変動を考慮してデバイスの特性劣化を判定する実施例を以下に説明する。
図5に、外部環境条件として温度を用いた場合の実施例(2)のフローチャートを示す。まず、光トランシーバー2内に熱伝対などの温度測定器を装着して温度データをモニター出来るようにする。そして、光トランシーバー2の工場出荷時に、温度条件を変化させながらステップS11の右側に示す表のように、温度とアナログモニター値(初期値x)のデータテーブルTBLをEEPROM21に書き込む(ステップS11)。この場合、温度をt、アナログモニター初期値をxとし、温度tを変化させた時の初期値データテーブルをステップS11に示すように表す。但し、xmin<x<xmaxである。
また、光インタフェースユニット1の運用動作中は、アナログモニター値の現状値yと光トランシーバー2内の温度測定器からの現状の温度データの両方を組にしてRAM22に書き込む。今、現状値yの時温度t=tiとすると、RAM22に書き込まれるデータをステップS12に示すように表す。
そして、I2Cインタフェースを使用して、初期値テーブルTBLをEEPROM21より読み出し、現状の温度と、これと組になった現状値yをRAM22から読み出し、FPGA4の正規化部41へ与える(ステップS13)。
そして、正規化部41では、現状値yのデータと、温度データを読み取り、この温度データに一致する初期値x(ti)を初期値データテーブルTBLから抽出し(ステップS14)、動作運用時の温度条件に応じた正規化値a(ti)を演算する。
すなわち、温度t=tiの時の初期値x(ti)を抽出し、正規化値a(ti)をステップS15に示すように演算する。
そして、正規化値の正常範囲を、a1<a(ti)<a2とすると、正規化値a(ti)がこの式を満足しない時には正規化部41は、アラーム処理部42を経由して監視制御ユニットに対しアラーム通知を行なう(ステップS18)。
なお、初期値規格値a1,a2は温度tに依存しない値とする。
初期値書込正常性確認の実施例
図6には、EEPROM21に初期値xを書き込む時の正常性を確認するためのフローチャートを示す。まず、上述の如く、各個体に特有なアナログモニター値の初期値xは、光トランシーバー2の工場出荷の際に取り込まれる(ステップS21)。この時、初期値の書き忘れを防止するため、この初期値に固定データを付加する(ステップS22)。さらには、初期値の正常性を確認するために、データにパリティー又はCRC値などを付加しても良い(ステップS23)。
このように、書込確認データや正常性確認データが付加された初期値xをEEPROM21に書き込む(ステップS24)。
そして、このEEPROM21から読み出す時(ステップS25)、まずステップS23に対応してパリティー/CRC値のチェック結果が正常であったか否かを判定する(ステップS26)。この結果、判定結果が“NG”であった場合にはEEPROM21への書き込みが不良であったものと判定する(ステップS27)。
ステップS26で、パリティー/CRCが正常であることが分かった時には、さらにステップS22に対応して書込確認用固定データをチェックする(ステップS28)。この結果、固定データのチェック結果が“NG”であった時には、やはりEEPROM21への書き込み不良であったものと判定する(ステップS29)。
ステップS28で、固定データが正常であったことが分かった時には、初期値xの規格確認のチェックを行なう(ステップS30)。これは、上述したように、初期値xがその下限値xminと上限値xmaxとの範囲に含まれるか否かを判定するものであり、この判定の結果“NG”であった場合には、光トランシーバー2のアナログモニター初期値は不良であるものと判定し(ステップS31)、このチェック結果が正常であった場合のみ、EEPROM21への書込が正常に行われたとして(ステップS32)、図4に示すステップS1’又は図5に示すステップS11以降を実行することになる。
(付記1)
デバイスの初期値を記憶する第1ステップと、
運用中の該デバイスの現状値を記憶する第2ステップと、
該初期値及び現状値を読み出して該現状値を該初期値で正規化すると共に、該正規化した値が正常範囲内に在るか否かを判断する第3ステップと、
を備えたことを特徴とするデバイスの特性劣化判定方法。
(付記2)付記1において、
該第1ステップが、該初期値を外部環境条件毎に記憶し、該第3ステップが、該外部環境条件に対応して該現状値を読み出すことを特徴としたデバイスの特性劣化判定方法。
(付記3)付記1において、
該第1ステップが、該初期値に、記憶確認用又は正常性確認用のデータを付加して記憶し、該第3ステップが、該データを確認できた該初期値のみを読み出すことを特徴としたデバイスの特性劣化判定方法。
(付記4)付記1において、
該初期値が、該デバイスの工場出荷時において所定範囲の値であることを特徴としたデバイスの特性劣化判定方法。
(付記5)付記1において、
該外部環境条件が温度であることを特徴としたデバイスの特性劣化判定方法。
(付記6)
デバイスの初期値を記憶する第1手段と、
運用中の該デバイスの現状値を記憶する第2手段と、
該初期値及び現状値を読み出して該現状値を該初期値で正規化すると共に該正規化した値が正常範囲内に在るか否かを判断する第3手段と、
を備えたことを特徴とするデバイスの特性劣化判定装置。
(付記7)付記6において、
該第1手段が、該初期値を外部環境条件毎に記憶し、該第3手段が、該外部環境条件に対応して該現状値を読み出すことを特徴としたデバイスの特性劣化判定装置。
(付記8)付記6において、
該第1手段が、該初期値に、記憶確認用又は正常性確認用のデータを付加して記憶し、該第3手段が、該データを確認できた該初期値のみを読み出すことを特徴としたデバイスの特性劣化判定装置。
(付記9)付記6において、
該初期値が、該デバイスの工場出荷時において所定範囲の値であることを特徴としたデバイスの特性劣化判定装置。
(付記10)付記6において、
該外部環境条件が温度であることを特徴としたデバイスの特性劣化判定装置。
本発明に係るデバイスの特性劣化判定方法及び装置の動作概念を示したフローチャート図である。 本発明と従来例のアラーム判定における正常範囲の相違を説明するためのグラフ図である。 本発明に係るデバイスの特性劣化判定装置の構成実施例を示したブロック図である。 本発明に係るデバイスの特性劣化判定方法及び装置の動作実施例(1)を示したフローチャート図である。 本発明に係るデバイスの特性劣化判定方法及び装置の動作実施例(2)(外部環境条件を温度とした場合)を示したフローチャート図である。 本発明に係るデバイスの特性劣化判定方法及び装置における各実施例においてEEPROMへ初期値を書き込む際の正常性確認を行なうための実施例を示したフローチャート図である。 従来例を示したフローチャート図である。
符号の説明
1 光インタフェースユニット
2 光トランシーバー
21 EEPROM
22 RAM
3 主信号処理LSI
4 FPGA
41 正規化部
42 アラーム処理部
図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (5)

  1. デバイスの初期値を記憶する第1ステップと、
    運用中の該デバイスの現状値を記憶する第2ステップと、
    該初期値及び現状値を読み出して該現状値を該初期値で正規化すると共に該正規化した値が正常範囲内に在るか否かを判断する第3ステップと、
    を備えたことを特徴とするデバイスの特性劣化判定方法。
  2. 請求項1において、
    該第1ステップが、該初期値を外部環境条件毎に記憶し、該第3ステップが、該外部環境条件に対応して該現状値を読み出すことを特徴としたデバイスの特性劣化判定方法。
  3. 請求項1において、
    該第1ステップが、該初期値に、記憶確認用又は正常性確認用のデータを付加して記憶し、該第3ステップが、該データを確認できた該初期値のみを読み出すことを特徴としたデバイスの特性劣化判定方法。
  4. デバイスの初期値を記憶する第1手段と、
    運用中の該デバイスの現状値を記憶する第2手段と、
    該初期値及び現状値を読み出して該現状値を該初期値で正規化すると共に該正規化した値が正常範囲内に在るか否かを判断する第3手段と、
    を備えたことを特徴とするデバイスの特性劣化判定装置。
  5. 請求項4において、
    該第1手段が、該初期値を外部環境条件毎に記憶し、該第3手段が、該外部環境条件に対応して該現状値を読み出すことを特徴としたデバイスの特性劣化判定装置。
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