JP2006253714A - 窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子 Download PDF

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Abstract

【課題】p側オーミック電極とp型コンタクト層との接触幅を精度よく制御することができ、かつ素子特性の劣化の少ない信頼性の高い窒化物半導体レーザ素子を提供する。
【解決手段】p型窒化物半導体層と、p型窒化物半導体層の上に形成されたp側オーミック電極と、p側オーミック電極の上に形成されたp側パッド電極とを備えた窒化物半導体素子であって、p側オーミック電極がNi、Co、Fe、Ti、Cuよりなる群から選択された少なくとも1種とAuとその少なくとも1種とAuとの合金層を含んでなり、p側パッド電極がRh又はRhOからなりp側オーミック電極に接して形成された密着層と、その密着層上に接して又はTi、Pt、W、Ta、Mo、またはこれらの窒化物からなる群から選ばれた少なくとも1つを含んで成り密着層の上に形成されたバリア層を介して形成されたAu層とを含んでなる。
【選択図】図1

Description

本発明は窒化物半導体(AlbIncGa1-b-cN、0≦b、0≦c、b+c<1)よりなるレーザ素子に関する。
近年、青色の波長領域でレーザ発振可能な窒化物半導体レーザ素子が注目されている。また、最近では、高出力の窒化物半導体レーザ素子が求められ、その要求に応えるため、かつFFP(ファーフィールドパターン)が良好な単一の横モードとなるようにp型コンタクト層からp型クラッド層の一部までを部分的にエッチングしたリッジ構造のレーザ素子が検討されている。しかしながら、このリッジ幅は1μmから2μmと非常に狭く、このリッジ幅と同じだけのオーミック電極を形成するのは困難であった。そこでリッジの頂上の面と、n電極形成面だけを露出させて、端面をのぞくすべての窒化物半導体を絶縁膜で覆った上で、リッジ上に大まかな幅で電極を形成することで、リッジの頂上の面にのみ窒化物半導体と接したp側オーミック電極が形成されていた。また、p側オーミック電極の上には、Au単体又はNiを形成した上にAuを積層した2層構造のパッド電極を形成していた。
特開平08−279643号公報
しかしながら、従来の窒化物半導体レーザ素子は、端面をのぞくすべての窒化物半導体を覆う絶縁膜は素子を保護するために一定以上の膜厚が必要となるために、リッジの上面に精度よく開口部を形成することが困難であり、p側オーミック電極とp型コンタクト層との接触幅を精度よく制御することが困難であるという問題点があった。そのために素子特性の製造バラツキを少なくレーザ素子を作成することが困難であった。
また、レーザ素子に通電した時に発生する熱により、パッド電極のAuがしだいに下の層に拡散し、素子特性を劣化させるという問題点があった。特にレーザ素子をフェースダウンで実装する際、フェースダウンには350℃程度の熱を加えるのでAuの拡散は起こりやすい素子特性の劣化が顕著であった。
そこで、本発明は、p側オーミック電極とp型コンタクト層との接触幅を精度よく制御することができ、かつ素子特性の劣化の少ない信頼性の高い窒化物半導体レーザ素子を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するために、本発明に係る窒化物半導体レーザ素子は、p型窒化物半導体層と、該p型窒化物半導体層の上に形成されたp側オーミック電極と、該p側オーミック電極の上に形成されたp側パッド電極とを備えた窒化物半導体素子であって、
前記p側オーミック電極はNi、Co、Fe、Ti、Cuよりなる群から選択された少なくとも1種と、Auと、Auと、前記少なくとも1種とAuとの合金層とを含んでなり、
前記p側パッド電極は、Rh又はRhOからなり前記p側オーミック電極に接して形成された密着層と、その密着層上に接して又はTi、Pt、W、Ta、Mo、またはこれらの窒化物からなる群から選ばれた少なくとも1つを含んで成り前記密着層の上に形成されたバリア層を介して形成されたAu層とを含んでなることを特徴とする。
本発明に係る窒化物半導体素子において、p側オーミック電極及びp側パッド電極の耐熱特性をより向上させるために、前記p側オーミック電極は、最上層にRhO層を含み、前記密着層はRhOからなることが好ましい。
また、窒化物半導体素子の電極形成方法は、p型窒化物半導体層の上に電極を形成する方法であって、
p型窒化物半導体層の上に、Ni、Co、Fe、Ti、Cuよりなる群から選択された少なくとも1種からなる第1層と、Au層と、RhO層を順次形成することによりp側オーミック電極を形成することと、
前記p側オーミック電極を熱アニーリングすること、
前記アニーリングされたp側オーミック電極の上にRhO層を形成することと、Au層を形成することとを含み、前記p側オーミック電極の上にp側パッド電極を形成すること、とを含むことを特徴とする。
このように構成された本発明に係る窒化物半導体素子では、p型窒化物半導体層と該p型窒化物半導体層との間で良好なオーミック接触をさせることができ、かつp側オーミック電極及びp側パッド電極の耐熱特性を良好にでき、長寿命の窒化物半導体素子を実現できる。
また、このように構成された本発明に係る方法により作製された窒化物半導体素子では、p型窒化物半導体層と該p型窒化物半導体層との間で良好なオーミック接触をさせることができ、かつp側オーミック電極及びp側パッド電極の耐熱特性を良好にでき、長寿命の窒化物半導体素子を製造することができる。
本発明に係る実施の形態の半導体レーザダイオードについて説明する。
本発明に係る窒化物半導体レーザ素子は、基板上に、順次形成されたn型窒化物半導体層、活性層及びp型窒化物半導体層を備え、該p型窒化物半導体層において少なくとも最上層のp型コンタクト層を含むようにリッジ部が形成されかつそのリッジ部の上面のp型コンタクト層にオーミック接触するp側オーミック電極が共振方向に略平行に形成されてなる窒化物半導体レーザ素子において、
前記リッジ部の上面に開口部を有する第1の絶縁膜が少なくとも前記リッジ部の側面及びその側面の外側近傍を覆うように形成され、前記p側オーミック電極は前記開口部を介して前記p型コンタクト層と接するように形成されかつ、
前記第1の絶縁膜の上にさらに第2の絶縁膜が形成されていることを特徴とする。
このように構成することにより、前記第1の絶縁膜を精度良く形成することによりp側オーミック電極とp型コンタクト層との接触幅を精度よく制御し、その上に形成する第2の絶縁膜によってより効果的に素子を保護することが可能となり、安定した特性が得られかつ信頼性の高い窒化物半導体レーザ素子が実現できる。
また、本発明に係る窒化物半導体レーザ素子においては、前記第2の絶縁膜を共振端面に連続して形成し、該共振端面においてレーザ反射面を形成するようにしてもよい。
このようにすると、前記第2の絶縁膜とレーザ反射面とを1つの工程で形成することができる。
また、本発明に係る窒化物半導体レーザ素子では、前記第1および第2の絶縁膜は酸化物で構成することが好ましい。
さらに、本発明に係る窒化物半導体レーザ素子では、前記第1の絶縁膜はZrO2で構成することが好ましい。
また、本発明に係る窒化物半導体レーザ素子では、前記第2の絶縁膜はTiO2またはSiO2で構成することができ、これらの材料を用いると、前記第2の絶縁膜を共振端面に連続して形成し、該共振端面においてレーザ反射面を形成することができ、前記第2の絶縁膜とレーザ反射面とを1つの工程で形成することができる。
また、前記第2の絶縁膜を共振端面に連続して形成することにより共振単面にレーザ反射面を形成する場合、前記第2の絶縁膜はTiO2層とSiO2層とが交互に積層された多層膜であることがさらに好ましい。
また、本発明に係る窒化物半導体レーザ素子において、前記p側オーミック電極はNi、Co、Fe、Ti、Cuよりなる群から選択された少なくとも1種とAuとを積層した後、アニーリングされた合金とすることが好ましい。
本発明に係る窒化物半導体レーザ素子においては、前記第2の絶縁膜を前記p側オーミック電極上に開口部が形成されるように形成し、該開口部を介してp側オーミック電極に接するようにp側パッド電極を形成するようにできる。
また、本発明に係る窒化物半導体レーザ素子において、前記p側パッド電極をp側オーミック電極に接する層から順に、密着層、バリア層、Au層の3層を含むように形成し、前記密着層は前記Au層に比較して前記第2の絶縁膜および前記p側オーミック電極と密着性が良い材料とし、前記バリア層は前記Au層に比較して拡散の起こりにくい材料とすることが好ましい。
このような構造とすることで、p側オーミック電極とp側パッド電極との密着力を強くでき、かつp型窒化物半導体層側において、素子を通電した際に発生する熱による該パッド電極最上部に位置するAuの他の層への拡散を防ぐことができる。
さらに、本発明に係る窒化物半導体レーザ素子において、p側オーミック電極とp側パッド電極との密着力をより強くするために、前記p側パッド電極の密着層は、Ni、Cu、Ru、RuO2、Ti、W、Zr、Rh、RhOからなる群から選択された少なくとも1つを含むように形成することが好ましい。
また、本発明に係る窒化物半導体レーザ素子において、Auの他の層への拡散をより効果的に防ぐために、前記p側パッド電極のバリア層は、Ti、Pt、W、Ta、Mo、これらの窒化物及びRhOからなる群から選ばれた少なくとも1つを含むように形成することが好ましい。
また、本発明に係る窒化物半導体レーザ素子において、前記n型窒化物半導体層は一部が露出されたn型コンタクト層を含み、該露出されたn型コンタクト層上にn側オーミック電極を介してn側パッド電極が形成されている場合、前記n側パッド電極はp側パッド電極と同一材料とすることが好ましい。
このようにすると、前記n側パッド電極はp側パッド電極とを同一工程で形成することができる。
また、本発明に係る窒化物半導体レーザ素子において、前記p側オーミック電極はNi、Co、Fe、Ti、Cuよりなる群から選択された少なくとも1種とAuとを積層した後、アニーリングされた合金層を含むようにし、
前記第2の絶縁膜において前記p側オーミック電極上に開口部を形成し、該開口部を介して前記p側オーミック電極に接するようにp側パッド電極を形成するようにしてもよい。
この窒化物半導体レーザ素子において、前記p側パッド電極は、Rh又はRhOからなり前記p側オーミック電極に接して形成された密着層と、その密着層上に形成されたAu層とによって構成してもよい。
このようにすると、p側オーミック電極及びp側パッド電極の耐熱特性を良好にできる。
この場合さらに、前記p側パッド電極は、Rh又はRhOからなり前記p側オーミック電極に接して形成された密着層と、Ti、Pt、W、Ta、Mo、またはこれらの窒化物からなる群から選ばれた少なくとも1つを含んで成り前記密着層の上に形成されたバリア層と、そのバリア層の上に形成されたAu層とによって構成されていてもよい。
またさらに、p側オーミック電極及びp側パッド電極の耐熱特性をより良好にするために、前記p側オーミック電極において最上層にRhO層を含むように構成し、前記密着層をRhOにより構成することが好ましい。
以下に図面を参照しながら、本発明に係る実施の形態の半導体レーザダイオードについて説明する。図1は本実施の形態の半導体レーザダイオードの構成を示す模式的な断面図であり、レーザ光の共振方向に垂直な断面図を示している。
本実施の形態の半導体レーザダイオードは、図1に示すように、基板1上にバッファ層(図示せず)、n型コンタクト層2、n型クラッド層3、n型光ガイド層4、活性層5、p側キャップ層6、p型光ガイド層7、p型クラッド層8、p型コンタクト層9が順次積層された複数の半導体層を有し、共振方向に十分長いリッジ状とされたp型コンタクト層9上に第1の絶縁膜30の開口部30aを介してp型コンタクト層9と接するようにp側オーミック電極20が形成され、エッチングにより露出されたn型コンタクト層2上に第1の絶縁膜30の開口部30bを介してn型コンタクト層2と接するようにn側オーミック電極21がそれぞれ形成される。
そして、本実施の形態の半導体レーザダイオードにおいてはさらに、p側オーミック電極20及びn側オーミック電極21上にそれぞれ開口部31a,31bを有する第2の絶縁膜31が形成され、p側オーミック電極20及びn側オーミック電極21とそれぞれ開口部31a,31bを介して導通するp側パッド電極22とn側パッド電極23が形成される。
ここで、本実施の形態の半導体レーザダイオードにおいて、第1の絶縁膜30は、主としてp側オーミック電極20をp型コンタクト層9の上面に精度良く接触させるため(オーミック接触させる部分の形状の精度を確保する)に形成され、p側オーミック電極20が形成された後に熱アニールすることが必要であるためにそれに耐え得る耐熱性が要求される。
また、第1の絶縁膜30はリッジ部の両側面に形成されることから、リッジ部を構成するp型窒化物半導体より屈折率が低いものである必要がある(真空中の誘電率に近いほど好ましい。)。
さらに、第1の絶縁膜30は、リッジ部及びその周辺に形成されるものであり、かつ高い精度で開口部30aを形成する必要があるために、その膜厚は薄くする必要がある。例えば、通常リッジ部の幅及び高さはそれぞれ1.5μm,0.5μm程度であるため、第1の絶縁膜30の膜厚は、0.5μm又はそれ以下に設定される。
本実施の形態の半導体レーザダイオードにおいて、第2の絶縁膜31は、主として素子の保護を目的として形成されるものであり、保護機能を効果的に発揮できる材料で構成される。
また、本実施の形態では、第2の絶縁膜31において、p側オーミック電極20及びn側オーミック電極21の上にそれぞれ開口部31a,31bを形成して、その開口部31a,31bを介してp側オーミック電極20及びn側オーミック電極21とそれぞれ導通するp側パッド電極及びn側パッド電極を形成している。
しかしながら、p側オーミック電極20とp側パッド電極を導通させるための開口部31a及びn側オーミック電極21とn側パッド電極を導通させるための開口部31bの寸法精度は、第1の絶縁膜30の開口部30aほど高くする必要はないので、第2の絶縁膜31の膜厚は比較的厚く設定することが可能である。
さらに、第2の絶縁膜31は、第1の絶縁膜のように形成後に熱アニールの工程を経ることがないので、第1の絶縁膜30ほど高い耐熱性が要求されるものでもない。
したがって、第2の絶縁膜31は、保護機能を効果的に発揮できる材料の中から、自由に半導体レーザダイオードに適したもの選択することができる。
また、本実施の形態の半導体レーザダイオードにおいて、p側パッド電極22は、p側オーミック電極と接する密着層22aとバリア層22bとAu層22cの3層からなる。
本実施の形態においてp側パッド電極22の密着層22aはリッジ部に形成された第2の絶縁膜31およびp側オーミック電極20と密着性が良く、その材料自体は拡散の起こりにくい材料からなり、例えば好ましい材料としてはNi、Cu、Ru、RuO2、Ti、W、Zr、Rh、RhOなどが挙げられる。特に第2の絶縁膜を酸化物で形成する場合には、この第2の絶縁膜と密着性の高いNiが最も好ましい材料として挙げられる。また、p側パッド電極22の耐熱性を向上させるためには、密着層22aはRh、RhOで構成することが好ましい。
また、この密着層22aの好ましい膜厚は100Å〜5000Åであり、最も好ましくは500Å〜2000Åである。
密着層22aとして、Rh又はRhOを用いて構成する場合、そのRh層及びRhO層はそれぞれ、Au層22cの拡散を防止するバリア層22aとしても機能する。したがって、密着層22aをRh又はRhOを用いて構成する場合、バリア層22aを省略して、p側パッド電極22をRh層又はRhO層とAu層22cの2層で構成することができる。
このように、p側パッド電極22をRh層又はRhO層とAu層22cの2層で構成すると、p側パッド電極22の耐熱特性を本実施の形態で示した他の組み合わせしたがって構成したp側パッド電極22と同等又はそれ以上の耐熱特性を実現できる。
また、このような組み合わせで、p側パッド電極22を2層で構成する場合、Rh層又はRhO層の膜厚は、100Å〜10000Åの範囲、Au層22cの膜厚は、1000Å〜30000Åの範囲に設定することが好ましい。
本発明においてp側パッド電極22のバリア層22bは最上部のAuが密着層以下に拡散しないような高融点金属か、またはその窒化物からなり、例えば好ましい材料としてはTi、Pt、W、Ta、Mo、TiNなどが挙げられ、最も好ましくはTiが挙げられる。また、好ましい膜厚としては100Å〜5000Å、最も好ましくは500Å〜2000Åとする。
尚、上述したように、密着層22aをRh又はRhOを用いて構成する場合、バリア層22aを省略することができる。
本発明においてp側パッド電極22の最上部に位置するAu層22cは窒化物半導体レーザ素子をワイヤーとボンディングする際、もっとも適した材料といえる。このAuの好ましい膜厚としては1000Å〜20000Å、さらに好ましい膜厚としては5000Å〜10000Åとする。
本発明においてp側オーミック電極20はNi、Co、Fe、Ti、Cuよりなる群から選択した少なくとも1種とAuからなる。Ni、Co、Fe、Ti、Cuはいずれも2価イオンとなりうる金属である。これらNi、Co、Fe、Ti、Cuから選択した1種とAuとを順に積層後、アニーリングすることで合金化され、p型窒化物半導体層と良好なオーミック特性が得られる。アニーリング温度はオーミック電極を積層するまでに形成したInGaNのInが分解するなどの窒化物半導体に影響のない温度、好ましくは400℃以上700℃以下、さらに好ましくは500℃以上650℃以下とする。また、p側オーミック電極20は前記金属群の中でもNiを選択し、NiとAuとすることでもっとも良好なオーミック特性を得ることができる。Ni、Auを順に積層後、アニーリングした合金はNiを含むのでp側オーミック電極上に一部接触して形成されるp側パッド電極22の密着層22aをNiとした場合、Ni同士で密着力はさらに向上させることができるので、最も好ましい構造といえる。また、前記金属群またはNiとAuとの総膜厚は150Å〜5000Å、最も好ましくは1500Åとする。
ここで、密着層22aとしてRhO層を形成する場合、p側オーミック電極20のAuの上にさらにRhO層を形成してアニールした後にp側パッド電極を形成することが好ましい。
このように、p側オーミック電極20をNi−Au−RhO構造とし、密着層22aとしてRhO層を含むp側パッド電極22を形成するとp側パッド電極22の耐熱特性をさらに良好にできる。
以上説明したp側オーミック電極20の構成とp側パッド電極の構成とを各種組み合わせた場合の電極特性を、耐熱性の面から比較した結果を以下の表1に示す。
ここでは、p側パッド電極の耐熱特性は、オーミック特性が変化する温度を用いて評価した。
尚、オーミック特性変化は、p型窒化ガリウム系化合物半導体層の上にそれぞれ、p側オーミック電極とp側パッド電極からなる2つの電極を所定の間隔で形成して、その2つの電極間の抵抗を測定することにより観測した。
表1
Figure 2006253714
ここで、表1に示した検討に用いたp側パッド電極及びp側オーミック電極におけるNi,Au,RhO層の各膜厚は、つぎのように設定した。
No.1〜No.10のp側オーミック電極における、Niは100Å、Auは1300Åとした。
No.11〜No.16のp側オーミック電極における、Niは100Å、Auは660Å、RhOは1500Åとした。
また、表1に示したp側パッド電極については、密着層及びバリア層に相当する層の膜厚は1500Åとし、Au層は6000Åとした。
尚、表1において、No.1,2は、比較の為に示したものである。
また、AuSnの有無とは、通常、AuSnで半田付けした後においては耐熱特性が劣化することが多いので、p側パッド電極の上にAuSnを半田付けした場合(有り)としない場合(無し)とを示した。
このように、p側パッド電極をRhO−Au又はRhO−Pt−Auとすると、p側オーミック電極との間の合金化が防止でき、かつp側パッド電極と他の電極との間の接続に通常、用いられるAuSnのp側オーミック電極への拡散を防止することができる。
したがって、p側パッド電極をRhO−Au又はRhO−Pt−Auとすると、p側オーミック電極及びp側パッド電極に起因した寿命特性の劣化を防止でき、寿命の長い窒化物半導体レーザダイオードを実現できる。
このp側オーミック電極及びp側パッド電極の耐熱特性と寿命特性をとの関係を評価するために、表1のNo.7に示すp側オーミック電極とp側パッド電極とを備えたレーザダイオード(LD1)と、表1のNo.3に示すp側オーミック電極とp側パッド電極とを備えたレーザダイオード(LD2)とを作製して、50℃、5mWの連続発振条件で寿命を評価した。その結果、ワイヤーボンディングにより接続して試験をした場合、LD1では3つのサンプルの平均で5934時間、LD2では3つのサンプルの平均で1805時間であった。
フリップチップボンディングにより接続して試験をした場合、LD1では3つのサンプルの平均で3346時間であった。
また、n側パッド電極23は、密着層23a、バリア層23b、Au23cの3層からなる。
本実施の形態においてn側パッド電極23の密着層23aはn型コンタクト層上に一部に形成された第2の絶縁膜31およびn側オーミック電極21と密着性が良く、その材料自体は拡散の起こりにくい材料を用いて構成する。特に第2の絶縁膜を酸化物で形成する場合には、この第2の絶縁膜31と密着性の高いNiが最も好ましい材料である。また、好ましい膜厚としては100Å〜5000Å、最も好ましくは500Å〜2000Åとする。
本実施の形態においてn側パッド電極23のバリア層23bは最上部のAuが密着層以下に拡散しないような高融点金属か、またはその窒化物からなり、例えば好ましい材料としてはTi、Pt、W、Ta、Mo、TiNなどが挙げられ、最も好ましくはTiが挙げられる。また、好ましい膜厚としては100Å〜5000Å、最も好ましくは500Å〜2000Åとする。
本実施の形態においてn側パッド電極23の最上部に位置するAu23cは窒化物半導体レーザ素子をワイヤーとボンディングする際、もっとも適した材料といえる。このAuの好ましい膜厚としては1000Å〜20000Å、さらに好ましい膜厚としては5000Å〜10000Åとする。
これら示したn側パッド電極23の構成はp側パッド電極22の構成と同じでもよいし違っていてもよい。しかしながら、n側パッド電極とp側パッド電極との構成を同じにすることが、レーザ素子の製造工程が簡略化できるので好ましい。
本発明においてn側オーミック電極21はn型窒化物半導体とオーミック性および密着性が高い材料としてTi、Alを順に積層したものとすることができる。さらにオーミック性を良くするためにアニーリングして合金とすることが好ましい。アニーリング温度はp側オーミック電極形成の際と同様に、オーミック電極を積層するまでに形成したInGaNのInが分解するなどの窒化物半導体に影響のない温度、好ましくは400℃以上700℃以下、さらに好ましくは500℃以上650℃以下の範囲に設定する。また、n側オーミック電極の膜厚としてはTi/Alの総膜厚として150Å〜10000Å、最も好ましくは5000Åとする。また、その他にもオーミック性および密着性に関して適した材料としてW/Al、Ti/Au、V/Al、V/Au等を積層後にアニーリングした合金またはAl、Ti、Wの単体などが挙げられる。
本発明においてp側およびn側オーミック電極のアニーリングは、酸素雰囲気中でおこなうことが好ましく、酸素を供給することにより、より良好なオーミック特性が得られる。
本発明においてリッジを形成したp型窒化物半導体層等の窒化物半導体を覆っている第1の絶縁膜は酸化物を用い、これにはZrO2などが適した材料といえる。
本実施の形態において、リッジを形成したp型窒化物半導体等の窒化物半導体を覆う第1の絶縁膜30は熱アニール温度に耐える酸化物であることが好ましい。また、第2の絶縁膜31も酸化物を用いることが好ましく、SiO2、TiO2などが適した材料として挙げられる。このように第2の絶縁膜31を酸化物で構成すると、p側およびn側パッド電極の密着層との間で高い密着力を得ることができる。また、この第2の絶縁膜は、レーザ反射面を構成するために共振端面に形成される反射膜と共通の膜として、同一の材料、同一工程で形成することができ、その場合、SiO2とTiO2の多層膜とすることが好ましい。具体例を挙げれば、例えば、700ÅのSiO2膜と400ÅのTiO2のペアー(SiO2/TiO2)を2回繰り返して積層することにより、端面においては反射膜として機能させそれ以外の部分においては保護膜として用いることができる。
尚、本発明では(SiO2/TiO2)のペアーを2ペアー以上繰り返して積層するようにしてもよく、また、レーザ反射面を構成するための反射膜と共通化できる第2の絶縁膜は、(SiO2/TiO2)のペアーに限定されるものではない。
以下、本実施の形態における、他の構成について説明する。いうまでもないが、本発明は以下の構成に限られるものではない。
基板としてはサファイアなどの異種基板、または公知の方法によって得られたGaN基板を用いることができる。また基板上には、GaNよりなるバッファ層を形成することが好ましく、これによって後に基板上に形成する窒化物半導体の結晶性を良好にすることができる。このバッファ層は異種基板上に窒化物半導体を形成するときに特に有効である。なお、異種基板とは窒化物半導体とは異なる材料からなる基板のことをいう。
本発明における窒化物半導体はどのような層構成のものであっても構わない。窒化物半導体は有機金属気相成長法(MOVPE)、ハイドライド気相成長法(HDCVD)等の気相成長法を用いて成長される。
n型コンタクト層はn側電極を形成するための層であって、Siなどのn型不純物をドープすることで、オーミック特性が良好となるようにする。この層は、p側層を形成した後にp側層からエッチングしてn型コンタクト層の一部を露出させて、露出させたn型コンタクト層上にn側電極を形成する。
n型コンタクト層上に形成するクラック防止層はアンドープとすることで基板側からのクラックを低減させるために形成されている。またこのクラック防止層は、InGaNなどで形成し、上部n型クラッド層との屈折率差を設けることで、活性層から発せられた光が異種基板に当たって反射して再び窒化物半導体層に戻ってくるのを防ぐ層として機能させることができる。またこの層は省略してもよい。
n型クラッド層を活性層への電子の供給層であると共にキャリアおよび光を活性層に閉じ込める層としてはたらき、Siなどのn型不純物をドープした単層、また例えばアンドープ層とn型不純物ドープ層とを交互に積層した超格子構造とすることができる。
n型光ガイド層は、多重量子井戸構造などの膜厚が薄くなった活性層の膜厚を補うことで、活性層と共に光導波路を構成するものである。従って、上部活性層と屈折率差があまりなく、n型クラッド層との屈折率差を十分設けるような組成とする、またこの層は、n型不純物をドープしても良く、アンドープとしても良く、n型不純物がドープされた層とアンドープの層との超格子としてもよい。
活性層はInGaNからなる単一量子井戸構造か、InGaNからなる井戸層と障壁層を少なくとも含んでなる多重量子井戸構造とする。多重量子井戸構造とする場合、井戸層および障壁層のいずれか一方または両方に不純物をドープしてもよい。好ましくは障壁層に不純物をドープさせると、しきい値電流が低下し好ましい。井戸層の膜厚としては30〜60Å、障壁層の膜厚としては90〜150Åとする。
また、多重量子井戸からなる活性層は、障壁層から始まり井戸層で終わっても、障壁層から始まり障壁層で終わっても、また井戸層から始まり障壁層で終わっても、井戸層から始まり井戸層で終わってもよい。好ましくは障壁層から始まり、井戸層と障壁層とのペアを2〜5回繰り返してなるもの、好ましくは井戸層と障壁層とのペアを3回繰り返してなるものがしきい値を低くし寿命特性を向上させるのに好ましい。
活性層上にあるp側キャップ層はMgなどのp型不純物を高ドープとすることで活性層に供給されるn側からの電子に対して不足しがちな正孔を補うことができる。またp型光ガイド層、p型クラッド層よりもp型不純物濃度を高くすることで、p側キャップ層上に形成されるp側層にp型不純物が拡散するようになり好ましい。さらにこの層は活性層のInの分解を抑える効果もあり、その機能を主として発揮させる場合はアンドープでのよい。また、このp側キャップ層は省略することもできる。
p型光ガイド層はMgなどのp型不純物が含まれた層であるが、意図的にp型不純物をドープして形成するのはもちろんのこと、p側キャップ層をp型不純物をドープして形成した場合はp型不純物がp側キャップ層から拡散されるので、アンドープで形成してもよい。このp型光ガイド層はn型光ガイド層と同様に、光導波路を設けるための層で、下部活性層と屈折率差があまりなく、p型クラッド層との屈折率差を十分に設けるような組成とする。
p型クラッド層は活性層への正孔の供給層としてはたらき、例えばMgなどのp型不純物をドープした単層、また例えばアンドープ層とp型不純物ドープ層とを交互に積層した超格子構造を用いて構成することができる。
p型コンタクト層はp側電極を形成する層であり、Mgなどのp型不純物を比較的多くドープすることで、p側電極とのオーミック性が良好となるようにする。
以上のように構成された実施の形態の半導体レーザダイオードは、p側オーミック電極20とオーミック接触されるp型コンタクト層9の接触部分を寸法精度良く形成するための第1の絶縁膜30と、素子を保護するための第2の絶縁膜31とを形成するようにしている。これによって、第1の絶縁膜30及び第2の絶縁膜31に対してそれぞれその機能に応じて最適な材料及び形状(厚さ等)を選択して適用することができるので、安定したレーザ発振が可能で、かつ不充分な絶縁性に起因したショートの防止やリーク電流低減等が可能となり信頼性の高い半導体レーザダイオードを構成できる。
また、実施の形態の半導体レーザダイオードは、p側パッド電極22及びn側パッド電極23をそれぞれ、p又はn側のオーミック電極及び第2の絶縁膜31と密着性が良くかつ比較的高融点の金属又はその窒化物からなる密着層、上に形成されるAu層の拡散を防止するバリア層及びAu層の3層で構成している。
これにより、オーミック電極及び第2の絶縁膜31との密着性を高くでき、かつ通電時における熱によるAuの拡散を防止できるので、特性劣化を防止でき信頼性を向上させることができる。
変形例.
上述の実施の形態の窒化物半導体レーザ素子では、p側オーミック電極20はリッジ部の上面に形成するようにしたが、本発明はこれに限られず、図2に示すように、リッジ部の全体を覆いかつその両側のp型クラッド層8上に延在するように形成してもよい。
以上のように形成しても実施の形態と同様の作用効果を有する。
次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれだけに限定されるものではない。
(バッファ層)
2インチφ、C面を主面とするサファイア上に公知の方法によって得られたGaN基板をMOVPE反応容器内にセットし、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH3)を用い、GaNよりなる第1のバッファ層を200Åの膜厚で成長させる。第1のバッファ層成長後、昇温して同じくGaNより成る第2のバッファ層を1.5μmの膜厚で成長させる。
(n型コンタクト層)
次にアンモニアとTMG、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを1×1018/cm3ドープしたGaNよりなるn側コンタクト層を4μmの膜厚で成長させる。
(クラック防止層)
次に、TMG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニアを用い、温度を800℃にしてInGaNよりなるクラック防止層を0.15μmの膜厚で成長させる。
(n型クラッド層)
続いて、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMG、アンモニアを用い、1050℃でアンドープAlGaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMAを止めて、シランガスを流し、Siを1×1019/cm3ドープしたn型GaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させる。それらの層を交互積層して超格子層を構成し、総膜厚1.2μmの超格子よりなるn型クラッド層を成長させる。
(n型光ガイド層)
次に原料ガスにTMGおよびアンモニアを用い、同様の温度でアンドープのGaNよりなるn型光ガイド層を750Åの膜厚で成長させる。
(活性層)
次に、温度を800℃にして、原料ガスにTMG、TMIおよびアンモニアを用い、不純物ガスとしてシランガスを用い、Siを5×1018/cm3ドープしたInGaNよりなる障壁層を100Åの膜厚で成長させる。続いて、温度を820℃に下げ、シランガスを止め、アンドープのInGaNよりなる井戸層を50Åの膜厚で成長させる。この障壁層、井戸層をさらに2回繰り返して積層し、最後に障壁層を形成して、総膜厚550Åの多重量子井戸(MQW)からなる活性層を成長させる。
(p側キャップ層)
次にTMIを止め、Cp2Mgを流し、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp側キャップ層を100Åの膜厚で成長させる。
(p型光ガイド層)
続いてCp2Mgを止め、1050℃でアンドープGaNよりなるp型光ガイド層を0.1μmの膜厚で成長させる。このp型光ガイド層はアンドープとして成長させるが、p側キャップ層からのMgの拡散により、Mg濃度が5×1016/cm3となりp型を示す。
(p型クラッド層)
続いてCp2Mgを止め、TMAを流し、1050℃でアンドープAlGaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、続いてTMAを止め、Cp2Mgを流し、Mg濃度が1×1019/cm3からなるアンドープGaNよりなる層を25Åの膜厚で成長させ、総膜厚0.6μmの超格子層よりなるp型クラッド層を成長させる。
(p型コンタクト層)
最後にp型クラッド層上に、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp型コンタクト層を150Åの膜厚で成長させる。
(リッジ形成)
以上のようにして窒化物半導体を成長させたウエハーを反応容器から取り出し、n型窒化物半導体層を露出するためにp型窒化物半導体層の一部にSiO2マスクを形成し、RIE(反応性イオンエッチング)にてエッチングを行い、n型コンタクト層の表面を露出させる。
さらに最上層のp型コンタクト層の表面と、露出したn型窒化物半導体層の全面に、所定の形状のマスクを介して、p型窒化物半導体層上に、幅1.5μmのストライプからなるSiO2の保護膜を作成する。保護膜形成後、RIEを用い、図1に示すように、p型クラッド層とp型光ガイド層との界面付近までエッチングを行い、幅1.5μmのストライプ状の導波路(リッジ)を形成する。
(第1の絶縁膜)
リッジ形成後、SiO2マスクを付けたまま、p型窒化物半導体層の表面にZrO2よりなる第1の絶縁膜を形成する、この第1の絶縁膜は図1に示すように、まずn側オーミック電極形成面をマスクして第1の絶縁膜を窒化物半導体層の全面に形成してもよい。第1の絶縁膜形成後、バッファードフッ酸に浸漬して、p型コンタクト層上に形成したSiO2を溶解除去し、リフトオフ法によりSiO2と共に、p型コンタクト層上(さらにはn型コンタクト層上)にあるZrO2を除去する。
(オーミック電極)
次にp型コンタクト層上のリッジ最表面と、第1の絶縁膜に接してNi、Auよりなるp側オーミック電極をストライプ状に形成する。
一方、n型コンタクト層上の表面(および第1の絶縁膜に接して)にTi、Alよりなるn側オーミック電極をストライプ状に形成する。
これらを形成後、それぞれを酸素:窒素が80:20の割合で、600℃でアニーリングすることでp側、n側ともにオーミック電極を合金化し、良好なオーミック特性を得る。
(第2の絶縁膜)
次にSiO2よりなる第2の絶縁膜を全面に形成し、p側オーミック電極とn側オーミック電極の一部を除いた全面にレジストを塗布し、ドライエッチングすることで、p側オーミック電極とn側オーミック電極の一部を露出させる。
(パッド電極)
第2の絶縁膜形成後、パッド電極としてp側はp型窒化物半導体層上の第2の絶縁膜およびp側オーミック電極を覆うように、またn側は第2の絶縁膜の一部とn側オーミック電極を覆うように1つの工程でNiからなる密着層を1000Åの膜厚で形成する。
さらに密着層の上にTiからなるバリア層を1000Åの膜厚で、続けてAuを8000Åの膜厚で形成する。
以上のようにして、p側およびn側パッド電極形成後、窒化物半導体をチップサイズにするためにRIEによって網目状に窒化物半導体をサファイア基板が露出するまでエッチングする。このとき、レーザ出射面はレーザを発振させたときのFFP(ファーフィールドパターン)が良好となるようにレーザ出射端面の直前でエッチングをする。エッチング後、サファイアが露出された網目に沿って裏面からサファイアをスクライビングし、レーザチップを得る。このレーザのチップ化は出射面のみを、サファイア基板のA面に沿った、窒化物半導体のM面(窒化物半導体を六角柱で表した場合にその六角流の側面に相当する面)でGaNを劈開してもよい。
次にそれぞれの電極をワイヤーボンディングして、室温でレーザ発振を試みたところ、室温においてしきい値2.0kA/cm2、30mWの出力において発振波長405nmの連続発振が確認され、1000時間以上の寿命を示した。
実施例1において、第2の絶縁膜をTiO2とした他は同様にして窒化物半導体レーザ素子を作製した。
その結果、実施例1と同様に、室温においてしきい値2.0kA/cm2、30mWの出力において発振波長405nmの連続発振が確認され、1000時間以上の寿命を示した。
実施例1において、n側およびp側のパッド電極のバリア層をPtとした他は同様にして窒化物半導体レーザ素子を作製した。
その結果、実施例1とほぼ同等の、室温においてしきい値2.2kA/cm2、30mWの出力において発振波長405nmの連続発振が確認され、1000時間以上の寿命を示した。
実施例1において、n側およびp側のパッド電極の密着層をTi、バリア層をPtとした他は同様にして窒化物半導体レーザ素子を作製した。
その結果、実施例1とほぼ同等の、室温においてしきい値2.2kA/cm2、30mWの出力において発振波長405nmの連続発振が確認され、1000時間以上の寿命を示した。
実施例1において、p側のパッド電極の構成は同様にNi/Ti/Auとし、n側パッド電極を密着層がTi、バリア層がPtのTi/Pt/Auとしたほかは同様にして窒化物半導体レーザ素子を作製した。
この窒化物半導体レーザ素子は、実施例1と比べて製造工程は複雑になるが、 ほぼ同等の室温においてしきい値2.1kA/cm2、30mWの出力において発振波長405nmの連続発振が確認され、1000時間以上の寿命を示した。
実施例1において、オーミック電極を次のように作成した。
(オーミック電極)
次にp型コンタクト層上のリッジ最表面と、第1の絶縁膜に接してNi、Auよりなるp側オーミック電極をストライプ状に形成する。
一方、n型コンタクト層上の表面(および第1の絶縁膜に接して)にTi、Alよりなるn側オーミック電極をストライプ状に形成する。
これらを形成後、酸素100%の雰囲気中で、600℃でアニーリングした。
以上のように、アニーリングを酸素100%の雰囲気中でおこなった他は実施例1と同様にして作成したところ、この窒化物半導体レーザ素子は、ほぼ同等の室温においてしきい値2.2kA/cm2、30mWの出力において発振波長405nmの連続発振が確認され、1000時間以上の寿命を示した。
以上説明したように本発明に係る窒化物半導体レーザ素子は、上述のように絶縁膜を2層とする新規な構造により、p側オーミック電極とp型コンタクト層との接触幅を精度よく制御することができるので、特性の安定した窒化物半導体レーザ素子を提供することができる。
また、本発明に係る窒化物半導体レーザ素子は、窒化物半導体と十分なオーミック性が得られ、ワイヤーボンディングも容易にでき、さらに素子を通電させてもパッド電極のAuの他の層への拡散を防止できるので、素子特性の劣化の少ない信頼性の高い窒化物半導体レーザ素子を提供することができる。
本発明の一実施の形態である窒化物半導体レーザ素子の構造を示す模式断面図である。 本発明の変形例の窒化物半導体レーザ素子の構造を示す部分断面図である。 図1の窒化物半導体レーザ素子の斜視図である。
符号の説明
1 基板、2 n型コンタクト層、3 n型クラッド層、4 n型光ガイド層、5 活性層、6 p側キャップ層、7 p型光ガイド層、8 p型クラッド層、9 p型コンタクト層、20 p側オーミック電極、21 n側オーミック電極、22 p側パッド電極、22a 密着層、22b バリア層、22c,23c Au層、23 n側パッド電極、23a 密着層、23b バリア層、30 第1の絶縁膜、30a,30b,31a,31b 開口部、31 第2の絶縁膜。

Claims (3)

  1. p型窒化物半導体層と、該p型窒化物半導体層の上に形成されたp側オーミック電極と、該p側オーミック電極の上に形成されたp側パッド電極とを備えた窒化物半導体素子であって、
    前記p側オーミック電極は、Ni、Co、Fe、Ti、Cuよりなる群から選択された少なくとも1種と、Auと、前記少なくとも1種とAuとの合金層とを含んでなり、
    前記p側パッド電極は、Rh又はRhOからなり前記p側オーミック電極に接して形成された密着層と、その密着層上に接して又はTi、Pt、W、Ta、Mo、またはこれらの窒化物の窒化物からなる群から選ばれた少なくとも1つを含んで成り前記密着層の上に形成されたバリア層を介して形成されたAu層とを含んでなることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 前記p側オーミック電極は、最上層にRhO層を含んでなり、前記密着層はRhOからなる請求項1記載の窒化物半導体素子。
  3. p型窒化物半導体層の上に電極を形成する方法であって、
    p型窒化物半導体層の上に、Ni、Co、Fe、Ti、Cuよりなる群から選択された少なくとも1種からなる第1層と、Au層と、RhO層を順次形成することによりp側オーミック電極を形成することと、
    前記p側オーミック電極を熱アニーリングすることと、
    前記アニーリングされたp側オーミック電極の上にRhO層を形成することと、Au層を形成することとを含み、前記p側オーミック電極の上にp側パッド電極を形成することとを含むことを特徴とする含んでなることを特徴とする窒化物半導体発光素子の電極形成方法。
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CN102173115A (zh) * 2010-12-31 2011-09-07 东莞市东日光学科技有限公司 一种不导电装饰膜
JP2015167263A (ja) * 2009-06-03 2015-09-24 日亜化学工業株式会社 半導体レーザ素子

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