JP2006252655A - 集光光学素子及び光ピックアップ並びに情報記録再生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】異なる4種類の情報記録媒体に1つの対物レンズで集光スポット,差動距離を確保して情報処理を可能にする光利用効率を得る。
【解決手段】1つの対物レンズ6と液晶素子15からなる集光光学素子を構成する。この集光光学素子により、情報記録媒体7(BD,HD,DVD)に平行光で入射し、情報記録媒体7(CD)に緩い発散光で入射させる。液晶素子15によって、形成される第1,第2の回折面によりHD,BDにそれぞれ異なる収束光に変換した光束を対物レンズ6に入射する。また、DVD,CDは光束をそのまま透過させて対物レンズ6に入射する。これにより、各規格において、波面収差を0.01λrmsに抑えた集光スポットを形成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、Blu-ray Disc,HD−DVD(AOD:Advanced Optical Disc),DVD,CDといった規格が異なる情報記録媒体(具体的には、基板厚、光の波長、集光光のNAが異なる)の記録面に対して、1つの共通の対物レンズにより回折限界の集光スポットを形成するための互換技術に係る集光光学素子及び光ピックアップ並びに情報記録再生装置に関するものである。
情報記録再生装置では、情報記録媒体のスパイラル状または同心円状にトラックが形成された記録面にレーザー光を照射することにより情報の記録を行い、記録面からの反射光に基づいて情報の記録,再生,消去の動作を行っている。
そして、情報記録再生装置の光学系である光ピックアップは、概略的には、図17に示すように、光源1とカップリングレンズ2、立上げミラー4、対物レンズ6とを含み、情報記録媒体7に対して形成される微小な集光スポットを制御するために、対物レンズ6をフォーカス,トラック制御するためのアクチュエータ5を備えている。また、情報記録媒体7からの反射光を入射光から分離して受光素子9に導くための光分岐手段3(ビームスプリッタ)を備えている。
近年、情報記録媒体の種類として、記録容量がCD(Compact Disc)よりも飛躍的に大きなDVD(Digital Versatile Disc)や、さらに大容量化を実現したHD−DVD(以下、HDという)やBlu-ray Disc(以下、BDという)の規格が提唱されている。
・BDは、情報記録媒体の基板厚が0.1mmであり、波長が405nmの光源を用いて、対物レンズによりNA(開口数)が0.85の集光スポットを形成し、情報の記録、再生及び消去を行う。
・HDは、情報記録媒体の基板厚が0.6mmであり、波長が405nmの光源を用いて、対物レンズによりNA(開口数)が0.65の集光スポットを形成し、情報の記録、再生及び消去を行う。
・DVDは、情報記録媒体の基板厚が0.6mmであり、波長が660nmの光源を用いて、対物レンズによりNA(開口数)が0.65の集光スポットを形成し、情報の記録、再生及び消去を行う。
・CDは、情報記録媒体の基板厚が1.2mmであり、波長が785nmの光源を用いて、対物レンズによりNAが0.5の集光スポットを形成し、情報の記録、再生及び消去を行う。
以上の各規格に対する基板厚、波長、NAの関係を(表1)に示す。
Figure 2006252655
このように、基板厚、波長、NAが異なる規格において、1つの対物レンズで各情報記録媒体に微小な集光スポットを形成しようとした場合、基板厚誤差による球面収差の補正、対物レンズ出射面と情報記録媒体との間で差動距離の確保が問題となる。特に、BDとCDの互換を考えた場合、差動距離の確保は困難になる。
これら問題に対して、BD,DVD,CDの3つの規格に対しては、以下の技術により、球面収差の補正、差動距離の確保、を実現している。
また、本件の発明者により出願の特願2005−48596には、液晶内部の位相格子により収差の最適化を行うことについて記載している。BDで最適化された対物レンズに対して、DVDとCDの対物レンズに入射する光束の発散具合を変えることで収差を最適化する。DVD,CDの発散光は、液晶素子の回折作用によって、平行光から発散光に変換する。この時、液晶素子の枚数を減らすために、両面電極を用いた液晶内部の位相格子を利用して、2つの回折面を1枚の液晶素子に集約化している。
また、本件の発明者による別の特願2005−58821には、BD収束光に最適化された対物レンズを用いることについて記載している。BDの対物レンズに入射する光束を収束光にして最適化されたレンズを用いることによって、DVDは平行光、CDは緩い発散光として収差を最適化する。この液晶素子の回折作用によって、BDの光束は平行光から収束光に変換し、またCDの光束は弱い発散光のまま透過することで最適化している。
その他、特許文献1,2に記載されるように、BD,DVD,CDの3つ異なる規格の情報記録媒体に対して、各収差の補正、差動距離の確保等を実現している。
特開2003−323735号公報 特開2004−111012号公報
しかしながら、このような従来構成の液晶素子では、軸ずれなどによりコマ収差が発生するので、対物レンズと一体に駆動する必要がある。ところが、情報記録媒体の基板厚、対物レンズのNA、光束の波長の組み合わせがそれぞれ異なるBD,HD,DVD,CDの全ての規格に対して、1つの対物レンズで各情報記録媒体に微小な集光スポットを形成しようとした場合、これまでの前述した特願2005−48596、特願2005−58821の技術では、少なくともさらにもう1枚の液晶素子を追加する必要がある。
すなわち、特願2005−48596の構成においては、DVD,CDの平行光を各所定の発散光に回折する2枚の回折面のほかに、HD用の回折面が必要になる。また、特願2005−58821の構成においては、BDの平行光を所定の収束光に回折する回折面のほかに、HD用の回折面が必要である。
このため、対物レンズを駆動する筐体の重量が増加し、適切な制御を行うことは難しいという問題があった。
本発明は、前記従来技術の問題を解決することに指向するものであり、最も少ない回折面の数によって、BD,HD,DVD,CDの異なる4種類の情報記録媒体における全規格に対して、1枚の対物レンズにより情報の再生を可能にする集光スポットを形成し、また、十分な差動距離(0.3mm以上)を確保すること、さらに、全規格に対する情報の記録,消去を可能にする光利用効率を得る集光スポットを形成する集光光学素子を得ること、この集光光学素子の重量を軽量化のために、可能な限り透明部材を減らし、また、同一波長の規格であるBD,HDに対して、開口制限機能を同時に持たせることにある。
また、BD,HD,DVD,CDの全規格の情報記録媒体に対して、記録,再生,消去でき、さらに光学部品の点数を極限まで削減した光ピックアップ及びこの光ピックアップを用いた情報記録再生装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載された集光光学素子は、透明基板の厚さt1,t2,t3,t4(t1>t2=t3>t4)の4つの情報記録媒体に対して、波長λ1の光束を厚さt1の情報記録媒体の記録層、波長λ2の光束を厚さt2の情報記録媒体の記録層、波長λ3の光束を厚さt3の情報記録媒体の記録層、さらに波長λ3の光束を厚さt4の情報記録媒体の記録層に集光するための対物レンズと、液晶素子とからなる集光光学素子であって、液晶素子は、厚さt1の情報記録媒体の記録層に集光時及び厚さt2の情報記録媒体の記録層に集光時は、液晶素子内の位相差を均一にすることで波長λ1及び波長λ2の光束をそのまま透過し、厚さt3の情報記録媒体の記録層に集光時は、液晶素子内の位相差を光束中心から円環状に発生させることで生じる第1の回折面によって、波長λ3の光束を収束光に回折し、厚さt4の情報記録媒体の記録層に集光時は、第1の回折面とは異なる第2の回折面によって、波長λ3の光束を収束光に回折することを特徴とする。
また、請求項2,3に記載された集光光学素子は、請求項1の集光光学素子であって、液晶素子は、鋸刃状もしくは鋸刃に近似される段差形状の輪帯を連続して形成した面を持つ第1透明部材層と、第1透明部材層の輪帯面に沿って形成した第1電極層と、均一な平面を持つ第2透明部材層と、第2透明部材層に沿って形成した第2電極層と、第1電極層と第2電極層で挟持した第1液晶層と、第1透明部材層とは異なる間隔の輪帯を形成した面を持つ第3透明部材層と、第3透明部材層の輪帯面に沿って形成した第3電極層と、均一な平面を持つ第4透明部材層と、第4透明部材層に沿って形成した第4電極層と、第3電極層と第4電極層で挟持した第2液晶層とを備えたこと、さらに、液晶素子は、第1電極層と第2電極層に与える電圧差により第1透明部材層と第1液晶層に屈折率差を与えて第1の回折面を形成し、第3電極層と第4電極層に与える電圧差により第3透明部材層と第2液晶層に屈折率差を与えて第2の回折面を形成し、第1の回折面を形成時には、第3電極層と第4電極層の電圧を揃えることで第3透明部材層と第2液晶層に屈折率差を与えずに平行平板を形成し、第2の回折面を形成時には、第1電極層と第2電極層の電圧を揃えることで第1透明部材層と第1液晶層に屈折率差を与えずに平行平板を形成することを特徴とする。
また、請求項4,5に記載された集光光学素子は、請求項1の集光光学素子であって、液晶素子は、均一な平面を持つ第1透明部材層と、第1透明部材層に沿って形成した2つの電極を交互に円環状配列した第1電極層と、均一な平面を持つ第2透明部材層と、第2透明部材層に沿って形成し、第1電極層とは異なる間隔で2つの電極を交互に円環状配列した第2電極層と、第1電極層と第2電極層で挟持した液晶層とを備えたこと、さらに、液晶素子は、第1電極層の電極間に電位差を与えて、第2電極層の電極間に電位差を与えないことで生じる液晶層の屈折率分布によって第1の回折面を形成し、第1電極層の電極間に電位差を与えずに、第2電極層の電極間に電位差を与えることで生じる液晶層の屈折率分布によって第2の回折面を形成し、第1電極層の電極間及び第2電極層の電極間に電位差を与えないことで液晶層の屈折率分布を均一にして平行平板を形成することを特徴とする。
また、請求項6に記載された集光光学素子は、透明基板の厚さt1,t2,t3,t4(t1>t2=t3>t4)の4つの情報記録媒体に対して、波長λ1の光束を厚さt1の情報記録媒体の記録層、波長λ2の光束を厚さt2の情報記録媒体の記録層、波長λ3の光束を厚さt3の情報記録媒体の記録層、さらに波長λ3の光束を厚さt4の情報記録媒体の記録層に集光するための対物レンズと、少なくとも波長λ3の光束に対して光源から情報記録媒体へ向かう往路光の直線偏光を略円偏光にする波長板と、往路光の直線偏光に対して回折作用を引き起こす第1の液晶素子と、情報記録媒体で反射し波長板を介して得た復路光の直線偏光に対して回折作用を引き起こす第2の液晶素子とからなる集光光学素子であって、第1の液晶素子と第2の液晶素子は、厚さt1の情報記録媒体の記録層に集光時及び厚さt2の情報記録媒体の記録層に集光時は、第1,第2の液晶素子内の位相差を均一にすることで波長λ1及び波長λ2の光束をそのまま透過し、厚さt3の情報記録媒体の記録層に集光時は、第1の液晶素子内の位相差を光束中心から円環状に発生させることで生じる第1の回折面によって、波長λ3の往路光を収束光に回折し、第2の液晶素子内の位相差を光束中心から円環状に発生させることで生じる第3の回折面によって、波長λ3の復路光を略平行光に回折し、厚さt4の情報記録媒体の記録層に集光時には、第1の回折面とは異なる第2の回折面によって、波長λ3の往路光を収束光に回折し、第2の液晶素子内の位相差を光束中心から円環状に発生させることで生じる第4の回折面によって、波長λ3の復路光を略平行光に回折することを特徴とする。
また、請求項7,8に記載された集光光学素子は、請求項6の集光光学素子であって、第1の液晶素子は、鋸刃状もしくは鋸刃に近似される段差形状の輪帯を連続して形成した面を持つ第1透明部材層と、第1透明部材層の輪帯面に沿って形成した第1電極層と、均一な平面を持つ第2透明部材層と、第2透明部材層に沿って形成した第2電極層と、第1電極層と第2電極層で挟持した第1液晶層と、第1透明部材層とは異なる間隔の輪帯を形成した面を持つ第3透明部材層と、第3透明部材層の輪帯面に沿って形成した第3電極層と、均一な平面を持つ第4透明部材層と、第4透明部材層に沿って形成した第4電極層と、第3電極層と第4電極層で挟持した第2液晶層とを備え、第2の液晶素子は、鋸刃状もしくは鋸刃に近似される段差形状の輪帯を連続して形成した面を持つ第5透明部材層と、第5透明部材層の輪帯面に沿って形成した第5電極層と、均一な平面を持つ第6透明部材層と、第6透明部材層に沿って形成した第6電極層と、第5電極層と第6電極層で挟持した第3液晶層と、第5透明部材層とは異なる間隔の輪帯を形成した面を持つ第7透明部材層と、第7透明部材層の輪帯面に沿って形成した第7電極層と、均一な平面を持つ第8透明部材層と、第8透明部材層に沿って形成した第8電極層と、第7電極層と第8電極層で挟持した第4液晶層とを備えたこと、さらに、第1の液晶素子は、往路光に作用する、第1電極層と第2電極層に与える電圧を切り換えることで第1透明部材層と第1液晶層に屈折率差を与えて第1の回折面を形成し、第3電極層と第4電極層に与える電圧を切り換えることで第3透明部材層と第2液晶層に屈折率差を与えて第2の回折面を形成し、第1の回折面を形成時には、第3電極層と第4電極層の電圧を揃えることで第3透明部材層と第2液晶層に屈折率差を与えずに平行平板を形成し、第2の回折面を形成時には、第1電極層と第2電極層の電圧を揃えることで第1透明部材層と第1液晶層に屈折率差を与えずに平行平板を形成し、第2の液晶素子は、復路光に作用する、第5電極層と第6電極層に与える電圧を切り換えることで第5透明部材層と第3液晶層に屈折率差が生じる第3の回折面を形成し、第7電極層と第8電極層に与える電圧を切り換えることで第7透明部材層と第4液晶層に屈折率差が生じる第4の回折面を形成し、第3の回折面を形成時には、第7電極層と第8電極層の電圧を揃えることで第7透明部材層と第4液晶層に屈折率差を与えずに平行平板を形成し、第4の回折面を形成時には、第5電極層と第6電極層の電圧を揃えることで第5透明部材層と第3液晶層に屈折率差を与えずに平行平板を形成することを特徴とする。
また、請求項9,10に記載された集光光学素子は、請求項6の集光光学素子であって、第1の液晶素子は、均一な平面を持つ第1透明部材層と、第1透明部材層に沿って形成した2つの電極を交互に円環状配列した第1電極層と、均一な平面を持つ第2透明部材層と、第2透明部材層に沿って形成し、第1電極層とは異なる間隔で2つの電極を交互に円環状配列した第2電極層と、第1電極層と第2電極層で挟持した第1液晶層とを備え、第2の液晶素子は、均一な平面を持つ第3透明部材層と、第3透明部材層に沿って形成した2つの電極を交互に円環状配列した第3電極層と、均一な平面を持つ第4透明部材層と、第4透明部材層に沿って形成し、第3電極層とは異なる間隔で2つの電極を交互に円環状配列した第4電極層と、第3電極層と第4電極層で挟持した第2液晶層とを備えたこと、さらに、第1の液晶素子は、往路光に作用する、第1電極層の電極間に電位差を与えて、第2電極層の電極間に電位差を与えないことで生じる第1液晶層の屈折率分布によって第1の回折面を形成し、第1電極層の電極間に電位差を与えずに、第2電極層の電極間に電位差を与えることで生じる第1液晶層の屈折率分布によって第2の回折面を形成し、第1電極層の電極間及び第2電極層の電極間に電位差を与えないことで屈折率分布を均一にして平行平板を形成し、第2の液晶素子は、復路光に作用する、第3電極層の電極間に電位差を与えて、第4電極層の電極間に電位差を与えないことで生じる第2液晶層の屈折率分布によって第3の回折面を形成し、第3電極層の電極間に電位差を与えずに、第4電極層の電極間に電位差を与えることで生じる第2液晶層の屈折率分布によって第4の回折面を形成し、第3電極層の電極間及び第4電極層の電極間に電位差を与えないことで第2液晶層の屈折率分布を均一にして平行平板を形成することを特徴とする。
また、請求項11〜14に記載された集光光学素子は、請求項1〜10の集光光学素子であって、液晶素子において、厚さt3の情報記録媒体の記録層への光束集光時に第1の回折面を形成する液晶層は、光束の通過する開口径の内側領域に第1の回折面を形成し、開口径の外側領域に第1の回折面の回折方向とは異なる方向に光束を回折する別の回折面を形成したこと、液晶素子において、液晶素子を構成する透明部材層のうち隣接する透明部材層を一体化して形成したこと、液晶素子の回折面において回折される波長λ3の光束は、最も強度の強い回折光が2次より大きな回折次数であること、液晶素子と、対物レンズ及び波長板を1つの筐体に一体化したことを特徴とする。
また、請求項15に記載された光ピックアップは、波長760〜800nmの光束を出射する第1の光源と、波長640〜680nmの光束を出射する第2の光源と、波長380〜420nmの光束を出射する第3の光源と、各光源からの光束を1つに合成する光束合成手段と、光源から情報記録媒体へ向かう光束と情報記録媒体で反射した光束を分離するための光分岐手段と、情報記録媒体で反射した光束を検出する受光素子とを備えた光ピックアップにおいて、光分岐手段と情報記録媒体との間に、請求項1〜14のいずれか1項に記載の集光光学素子を備えたことを特徴とする。
また、請求項16に記載された情報記録再生装置は、請求項15記載の光ピックアップを用いて、4つの情報記録媒体に対して、情報の記録,再生,消去のいずれか1以上の処理を行うための制御手段を備えたことを特徴とする。
前記構成によれば、少ない回折面数により、BD,HD,DVD,CDの全規格の情報記録媒体に対して、1つの対物レンズで情報処理する集光スポットと、十分な差動距離(0.3mm以上)の確保及び光利用効率を得ることができ、また、集光光学素子を構成する透明部材を減らして軽量化し、同一波長の規格のBD,HDに対して開口制限機能を同時に持たせることができる。
本発明によれば、最も少ない回折面数により、BD,HD,DVD,CDの全規格の情報記録媒体に対して、1つの対物レンズにより情報処理する回折限界の集光スポットと、十分な差動距離(0.3mm以上)を確保して、十分な光利用効率を得ることができ、また、構成する透明部材を極限まで減らして軽量化と、同一波長の規格のBD,HDに対しては開口制限機能を同時に持たせることができる集光光学素子と、これを用いた光ピックアップ及び情報記録再生装置を得ることができるという効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態1におけるBD,HD,DVD,CD互換を行う基本構成を示す光路図である。ここで、図1に示すように、CDの情報記録媒体7cの透明基板の厚さはt1、DVDの情報記録媒体7dの透明基板の厚さはt2、HDの情報記録媒体7hの透明基板の厚さはt3、BDの情報記録媒体7bの透明基板の厚さはt4であって、t4<t3=t2<t1の関係が成り立つ。各情報記録媒体7の下には1つの対物レンズ6と液晶素子15が設けられている。
情報記録媒体7にCDが選択された場合、開口部16に波長λ1(≒785nm)の光束が弱い発散光として入射される。開口部16は波長選択性の多層膜が形成され、対物レンズ6に集光した光束がNA0.5に相当するビーム径に制限され、液晶素子15に入射する。この時、液晶素子15は液晶内の位相差を均一化することで、平行平板としての役割を果たす。これによって、CDの光束はそのまま透過される。対物レンズ6は、波長λ1の弱い発散光と、基板厚t1の情報記録媒体7cに最適に設計されているのでCDの波面収差は0.01λrms以下に設計でき、これにより情報記録媒体7cの記録層には再生するのに十分な集光スポットが形成される。
情報記録媒体7にDVDが選択された場合、開口部16に波長λ2(≒660nm)の光束が平行光として入射される。開口部16は波長選択性の多層膜が形成され、対物レンズ6に集光した光束がNA0.65に相当するビーム径に制限され、液晶素子15に入射する。液晶素子15は液晶内の位相差を均一化することで、平行平板としての役割を果たす。これによって、DVDの光束はそのまま透過される。対物レンズは、波長λ2の平行光と、基板厚t2の情報記録媒体7dに最適に設計されているのでDVDの波面収差は0.01λrms以下に設計でき、これにより情報記録媒体7dの記録層には再生するのに十分な集光スポットが形成される。
情報記録媒体7にHDが選択された場合、開口部16に波長λ3(≒405nm)の光束が平行光として入射される。開口部16は波長選択性の多層膜が形成され、対物レンズ6に集光した光束がNA0.65に相当するビーム径よりも大きなビーム径として抜け、液晶素子15に入射する。液晶素子15は、NA0.65に相当するビーム径の内側の領域において位相差を光束中心から円環状に発生させ、第1の回折面を形成する。これと同時に、NA0.65に相当するビーム径の外側の領域において、第1の回折面とは異なる方向に光束が抜ける領域を形成する。これによって、第1の回折面で回折された光束は、NA0.65に相当するビーム径に制限される。波長λ3の光束は、第1の回折面によって収束光に回折され、対物レンズ6に入射する。対物レンズ6は、波長λ3の回折光と、基板厚t3の情報記録媒体7hに最適に設計されているのでHDの波面収差は0.01λrms以下に設計でき、これにより情報記録媒体7hの記録層には再生するのに十分な集光スポットが形成される。
情報記録媒体7にBDが選択された場合、開口部16に波長λ3(≒405nm)の光束が平行光として入射される。開口部16は波長選択性の多層膜が形成され、対物レンズ6に集光した光束がNA0.85に相当するビーム径に制限され、液晶素子15に入射する。液晶素子15は、位相差を光束中心から円環状に発生させ、第2の回折面を形成する。波長λ3の光束は、第2の回折面によって収束光に回折され、対物レンズ6に入射する。対物レンズ6は、波長λ3の回折光と、基板厚t4の情報記録媒体7bに最適に設計されているのでBDの波面収差は0.01λrms以下に設計でき、これにより情報記録媒体7bの記録層には再生するのに十分な集光スポットが形成される。
(表2)〜(表7)は、本実施の形態1の構成における具体的なレンズデータである。(表2)に示すように、対物レンズは、入射面(番号8)、出射面(番号9)共に非球面であり、その形状は、(数1)
Figure 2006252655
で表す。(数1)において、zは光軸方向の距離、hはレンズ中心から外周に向かう半径位置に相当する。また、cは曲率であり、曲率半径(RDY)の逆数で定義され、A〜Dは非球面係数(表3)であり半径位置の各次数における係数である。また、kは円錐係数と呼ばれ、「k=0」は球面、「−1<k<0」では光軸上に長軸がある楕円面、「k=−1」では放物面、「k<−1」では双曲面を意味する。
Figure 2006252655
Figure 2006252655
Figure 2006252655
液晶素子の回折面は、外部からの制御信号に基づき、切り換えられる。回折面(番号5)は、位相関数と呼ばれる(数2)
Figure 2006252655
で表される。位相関数の各係数は(表5)で表される。
Figure 2006252655
Figure 2006252655
Figure 2006252655
以上のレンズデータを基に、各規格(BD,HD,DVD,CD)における光学特性を計算したものを(表8)に示す。いずれの規格においても、波面収差が0.01λrms以下に抑えられ、かつ差動距離が0.3mm以上確保できた。
ただし、本対物レンズはメニスカス形状をしているので、差動距離は、出射面(番号8)における最もビーム径の広いBDの最外周光の位置から、情報記録媒体までの距離と定義した。
Figure 2006252655
図2は本発明の実施の形態2におけるBD,HD,DVD,CD互換を行う基本構成を示す光路図である。
図2に示すように、情報記録媒体7にCDが選択された場合、開口部16に波長λ1(≒785nm)の光束が弱い発散光として入射される(往路光)。開口部16は波長選択性の多層膜が形成され、対物レンズに集光した光束がNA0.5に相当するビーム径に制限され、第2の液晶素子15bに入射する。この時、第2の液晶素子15bは液晶内の位相差を均一化することで、平行平板としての役割を果たす。これによって、CDの光束はそのまま透過される。次に、波長λ1の光束は第1の液晶素子15aに入射する。ここでも、第1の液晶素子15aは液晶内の位相差を均一化することで、平行平板としての役割を果たす。これによって、CDの光束はそのまま透過される。対物レンズ6は、波長λ1の弱い発散光と、基板厚t1の情報記録媒体7cに最適に設計されているのでCDの波面収差は0.01λrms以下に設計でき、これにより情報記録媒体7cの記録層には再生するのに十分な集光スポットが形成される。また、情報記録媒体7cで反射された復路光においても、往路光と同様に第1,第2の液晶素子15a,15bは平行平板として役割を果たすことから、CDの復路光はそのまま透過する。
情報記録媒体7にDVDが選択された場合、開口部16に波長λ2(≒660nm)の光束が平行光として入射される(往路光)。開口部16は波長選択性の多層膜が形成され、対物レンズに集光した光束がNA0.65に相当するビーム径に制限され、第2の液晶素子15bに入射する。第2の液晶素子15bは液晶内の位相差を均一化することで、平行平板としての役割を果たす。これによって、DVDの光束はそのまま透過される。次に波長λ2の光束は第1の液晶素子15aに入射する。ここでも、第1の液晶素子15aは液晶内の位相差を均一化することで、平行平板としての役割を果たす。これによって、DVDの光束はそのまま透過される。対物レンズ6は、波長λ2の平行光と、基板厚t2の情報記録媒体7dに最適に設計されているのでDVDの波面収差は0.01λrms以下に設計でき、これにより情報記録媒体7dの記録層には再生するのに十分な集光スポットが形成される。また、情報記録媒体7dで反射された復路光においても、往路光と同様に第1,第2の液晶素子15a,15bは平行平板として役割を果たすことから、DVDの復路光はそのまま透過する。
情報記録媒体7にHDが選択された場合、開口部16に波長λ3(≒405nm)の直線偏光の光束が平行光として入射される(往路光)。開口部16は波長選択性の多層膜が形成され、対物レンズ6に集光した光束がNA0.65に相当するビーム径よりも大きなビーム径(0.85に相当するビーム径)として抜け、第2の液晶素子15bに入射する。第2の液晶素子15bは液晶内の位相差を往路光に対して均一化することで、平行平板としての役割を果たす。これによって、HDの往路光はそのまま透過される。次に波長λ3の光束は第1の液晶素子15aに入射する。第1の液晶素子15aは、往路光の直線偏光に対して、NA0.65に相当するビーム径の内側の領域において位相差を光束中心から円環状に発生させ、第1の回折面を形成する。これと同時に、NA0.65に相当するビーム径の外側の領域において、第1の回折面とは異なる方向に光束が抜ける領域を形成する。これによって、第1の回折面で回折された往路光は、NA0.65に相当するビーム径に制限される。往路光は第1の回折面によって収束光に回折され、波長板19に入射する。波長板19で直線偏光から略円偏光に変わり、対物レンズ6に入射する。対物レンズ6は、波長λ3の回折光と、基板厚t3の情報記録媒体7hに最適に設計されているのでHDの波面収差は0.01λrms以下に設計でき、これにより情報記録媒体7hの記録層には再生するのに十分な集光スポットが形成される。
また、情報記録媒体7hで反射した復路光は、往路光の円偏光に対して逆周りの円偏光になり、波長板19を抜けることで往路光に対して90度旋光した直線偏光になる。このため、第1の液晶素子15aは液晶内の位相差が復路光に対して均一化され、平行平板としての役割を果たす。これによって、HDの復路光はそのまま透過される。次に波長λ3の光束は第2の液晶素子15bに入射する。第2の液晶素子15bは、復路光の直線偏光に対して、位相差を光束中心から円環状に発生させ、第2の回折面を形成する。復路光は第2の回折面によって略平行光に回折され、受光素子(図示せず)へと向かう。
情報記録媒体7にBDが選択された場合、開口部16に波長λ3(≒405nm)の直線偏光の光束が平行光として入射される(往路光)。開口部16は波長選択性の多層膜が形成され、対物レンズ6に集光した光束がNA0.85に相当するビーム径に制限され、第2の液晶素子15bに入射する。第2の液晶素子15bは液晶内の位相差を往路光に対して均一化することで、平行平板としての役割を果たす。これによって、BDの往路光はそのまま透過される。次に波長λ3の光束は第1の液晶素子15aに入射する。第1の液晶素子15aは、往路光の直線偏光に対して、位相差を光束中心から円環状に発生させ、第2の回折面を形成する。往路光は第2の回折面によって収束光に回折され、波長板19に入射する。波長板19で直線偏光から略円偏光に変わり、対物レンズ6に入射する。対物レンズ6は、波長λ3の回折光と、基板厚t4の情報記録媒体7bに最適に設計されているのでBDの波面収差は0.01λrms以下に設計でき、これにより情報記録媒体7bの記録層には再生するのに十分な集光スポットが形成される。
また、情報記録媒体7bで反射した復路光は、往路光の円偏光に対して逆周りの円偏光になり、波長板19を抜けることで往路光に対して90度旋光した直線偏光になる。このため、第1の液晶素子15aは液晶内の位相差が復路光に対して均一化され、平行平板としての役割を果たす。これによって、BDの復路光はそのまま透過される。次に波長λ3の光束は第2の液晶素子15bに入射する。第2の液晶素子15bは、復路光の直線偏光に対して、位相差を光束中心から円環状に発生させ、第2の回折面を形成する。復路光は第2の回折面によって略平行光に回折され、受光素子(図示せず)へと向かう。
これにより、往復で偏光方向が直交するので、偏光ビームスプリッタなどのデバイスを用いることで、情報の記録,再生に必要な光強度を得るのに十分な光学系を実現できる。
以下、前述した各実施の形態1,2の集光光学素子に用いる液晶素子の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
図3は本実施の形態1の集光光学素子に使われる実施例1の液晶素子の構成を示す図である。図3に示す液晶素子15は、鋸刃状もしくは鋸刃に近似される段差形状の輪帯が連続して形成された面を持つ第1透明部材層111と、第1透明部材層111の輪帯面に沿って形成された第1電極層121と、均一な平面を持つ第2透明部材層112と、第2透明部材層112に沿って形成された第2電極層122と、第1電極層121と第2電極層122とに挟持された第1液晶層131と、第1透明部材層111とは異なる間隔の輪帯が連続して形成された面を持つ第3透明部材層113と、第3透明部材層113の輪帯面に沿って形成された第3電極層123と、均一な平面を持つ第4透明部材層114と、第4透明部材層114に沿って形成された第4電極層124と、第3電極層123と第4電極層124とに挟持された第2液晶層132とから構成される。
情報記録媒体にBDが選択された場合、第2液晶層132に入射する波長λ3の光束の偏光方向に沿って、第3透明部材層113の屈折率と第2液晶層132の屈折率に差が生じるように、第3電極層123と第4電極層124との間に電位差を与える。このため、波長λ3の光束が入射した時は、第2液晶層132には、第3透明部材層113の輪帯に沿って位相差が生じ、第2の回折面が形成される。この時、第1透明部材層111の屈折率と第1液晶層131の屈折率を等しくするため、第1電極層121と第2電極層122の間には電位差を与えない。このため、次の第1液晶層131は均一な位相差になり、平行平板として作用する。したがって、情報記録媒体にBDが選択された場合、第2の回折面により、波長λ3の光束は回折されて収束光になる。
情報記録媒体にHDが選択された場合、第2液晶層132に入射する波長λ3の光束の偏光方向に沿って、第3透明部材層113の屈折率と第2液晶層132の屈折率を等しくするため、第3電極層123と第4電極層124の間には電位差を与えない。このため、第2液晶層132は均一な位相差になり、平行平板として作用する。次の第1透明部材層111の屈折率と第1液晶層131の屈折率に差が生じるように、第1電極層121と第2電極層122との間に電位差を与える。第1透明部材層111は、NA0.65に相当するビーム径の範囲に対して輪帯が形成されている。このため、波長λ3の光束が入射した時は、第1液晶層131には、第1透明部材層111の輪帯に沿って位相差が生じ、第1の回折面が形成される。これと同時に、NA0.65に相当する光束のみが収束光になり、その外側の光束は別の方向に拡散される。したがって、情報記録媒体にHDが選択された場合、第1の回折面により、波長λ3の光束は回折され、収束光になる。
また、情報記録媒体にDVDやCDが選択された場合、第1透明部材層111の屈折率と第1液晶層131の屈折率、及び第3透明部材層113の屈折率と第2液晶層132の屈折率を等しくするように、第1電極層121と第2電極層122の間には電位差を与えないと共に、第3電極層123と第4電極層124の間にも電位差を与えない。このため、各液晶層は均一な位相差になり、平行平板として作用する。
図4は本実施の形態2の集光光学素子に使われる実施例2の液晶素子の構成を示す図である。図4に示す液晶素子は、鋸刃状もしくは鋸刃に近似される段差形状の輪帯が連続して形成された面を持つ第1透明部材層111と、第1透明部材層111の輪帯面に沿って形成された第1電極層121と、均一な平面を持つ第2透明部材層112と、第2透明部材層112に沿って形成された第2電極層122と、第1電極層121と第2電極層122とに挟持された第1液晶層131と、第1透明部材層111とは異なる間隔の輪帯が連続して形成された面を持つ第3透明部材層113と、第3透明部材層113の輪帯面に沿って形成された第3電極層123と、均一な平面を持つ第4透明部材層114と、第4透明部材層114に沿って形成された第4電極層124と、第3電極層123と第4電極層124とに挟持された第2液晶層132とから構成される第1の液晶素子15aを備える。
また、鋸刃状もしくは鋸刃に近似される段差形状の輪帯が連続して形成された面を持つ第5透明部材層115と、第5透明部材層115の輪帯面に沿って形成された第5電極層125と、均一な平面を持つ第6透明部材層116と、第6透明部材層116に沿って形成された第6電極層126と、第5電極層125と第6電極層126とに挟持された第3液晶層133と、第5透明部材層115とは異なる間隔の輪帯が連続して形成された面を持つ第7透明部材層117と、第7透明部材層117の輪帯面に沿って形成された第7電極層127と、均一な平面を持つ第8透明部材層118と、第8透明部材層118に沿って形成された第8電極層128と、第7電極層127と第8電極層128とに挟持された第4液晶層134とから構成される第2の液晶素子15bを備えている。さらに、集光光学素子は、第1の液晶素子15a及び第2の液晶素子15bと対物レンズとの間に配置されている少なくとも波長λ3の光束に対してλ/4の偏光位相差を与える波長板19とにより形成されている。
また、第1液晶層131と第2液晶層132からなる第1の液晶素子15aと、第3液晶層133と第4液晶層134からなる第2の液晶素子15bは、液晶分子の配向方向が直交するように形成され、波長λ3の光束が選択された時の位相差の発生による回折面は、往路光の直線偏光に対しては第1の液晶素子15aが作用し、復路光の直線偏光に対しては第2の液晶素子15bが作用する。この時の各作用については、前述した図3の説明と重複するので省略する。
なお、図3及び図4の説明では、隣接する透明部材層を分けて記載してある。しかし、実施する際には、図5,図6に記載したように隣接する透明部材層を、同一の透明部材層として一体化しても良い。このような構成にすることで、透明部材層の薄型化,枚数削減が可能になり、本実施例2における集光光学素子の重量を軽量化することが可能になる。図5に示す構成では、透明部材層の溝形状が常に片側に加工すれば良いので、加工工程が容易になる。このような構成では、各円環状の溝形状の中心合わせが必要なため、液晶封入時に中心合わせが容易な装置を用いる際に適している。また図6に示す構成では、透明部材層の溝形状を両側に形成する必要があり、両面の位置合わせが容易な加工装置を用いる際に適している。このような構成をとることで、液晶封入時の位置合わせが不用になり、液晶封入工程が容易になる。
図7は本実施の形態1の集光光学素子に使われる実施例3の液晶素子の構成を示す図である。図7に示す液晶素子15は、第1透明部材層24、第1電極層21、配向膜26、第1液晶層21、配向膜27、第2電極層22、第2透明部材層25からなる。第1電極層21は、電極21a及び電極21bが交互に環状配列した2つの電極からなる。第2電極層22も、電極22a及び電極22bが交互に環状配列した2つの電極からなる。各電極間は、電気的抵抗を持つITO28と、電気的抵抗を持たない隙間29が形成されている。
図8(a)は第1電極層21と第2電極層22の電極パターンを示す図である。図8(a)の左側に示す第1電極層21には、電極21aが、同一方向(図面下向き)に開口した大きさの違うCの字が円環状に連続して配列され、それらを導通させるように、Cの字を2分する引出し線を備えている。同時に、電極21bも、同一方向(図面上向き)に開口した大きさの違うCの字が円環状に連続して配列され、それらを導通させるように、Cの字を2分する引出し線を備えている。電極21aと電極21bは、互いに交わることが無いように、Cの字の開口部を逆向きに向かせ配置している。電極21aと電極21bの狭い間隔の部位が電気的抵抗を持たない隙間29であり、電極21bと電極21aの広い間隔の部位が電気的抵抗を持つITO28で構成される。
また、図8(a)の右側に示す第2電極層22には、電極22aが、同一方向(図面下向き)に開口した大きさの違うCの字が内側から円環状に連続して配列され、それらを導通させるように、Cの字を2分する引出し線を備えている。同時に、電極22bも、同一方向(図面上向き)に開口した大きさの違うCの字が円環状に連続して配列され、それらを導通させるように、Cの字を2分する引出し線を備えている。電極22aと電極22bは、互いに交わることが無いように、Cの字の開口部を逆向きに向かせ配置している。
ただし、Cの字の開口の向きは、波長λ3でNA0.65の光束が透過する開口において、開口内側の領域と開口外側の領域では上下反転させる。電極22aと電極22bの狭い間隔の部位が電気的抵抗を持たない隙間29であり、電極22bと電極22aの広い間隔の部位が電気的抵抗を持つITO28で構成される。
次に、図7に示す液晶素子の各電極層を利用して回折面を形成する方法について説明する。電極21aの電位をV1a、電極21bの電位をV1b、電極22aの電位をV2a、電極22bの電位をV2bとすると、(数3)
Figure 2006252655
とすることで、第1液晶層23には、第1電極層21のITO28に応じた領域に電界強度が発生する。一方、電気的抵抗を持たない隙間29に応じた領域には電界強度が生じない。このため、図8(b)の左側に示すような第1電極層21における電極配置に応じた円環状のブレーズ形状(鋸波)の電界強度分布が生じる。
一方、(数4)
Figure 2006252655
とすることで、第1液晶層23には、第2電極層22のITO28に応じた領域に電界強度が発生する。また、電気的抵抗を持たない隙間29に応じた領域には電界強度が生じないことから、図8(b)の右側に示すような第2電極層22における電極配置に応じた円環状のブレーズ形状(鋸波)の電界強度分布が生じる。
第1電極層21と第2電極層22の間に挟まれた第1液晶層23に電界強度が発生すると、液晶分子が傾斜する。図9は液晶分子の屈折率構造体(楕円長軸が屈折率の高い軸)が電界によって傾斜する様子を示している。通常、液晶分子は一方向の屈折率が大きな細長い棒状の屈折率異方性を持っている。このため、第1電極層21と第2電極間22に電界強度が存在しない場合、液晶分子は、長軸が配向膜26,27に沿った方向に傾斜した状態になる。ところが、電界が掛かる領域では液晶分子は起き上がり、最も電界強度の高い状態では垂直に立ち上がる。このため、図9に示すように電界強度分布が存在すると、その電界強度とは逆向きに屈折率分布が発生する。
したがって、情報記録媒体にBDが設置された場合、電極21a、電極21bの電位の大きさを変えることで、図8(c)の左側に示す屈折率分布のブレーズ型の第2の回折面を形成することが可能である。この回折面によって、波長λ3の光束は回折,収束しながら対物レンズに入射する。
また、情報記録媒体にHDが設置された場合、電極22a、電極22bの電位の大きさを変えることで、図8(c)の右側に示す屈折率分布のブレーズ型の第1の回折面を形成することが可能である。この回折面によって、波長λ3の光束は回折,収束すると共に、NA0.65の外側の光束は発散する開口制限作用を生じさせながら対物レンズに入射する。
図10は本実施の形態2の集光光学素子に使われる実施例4の液晶素子の構成を示す図である。図10に示す液晶素子は、第1透明部材層24、第1電極層21、配向膜26、第1液晶層23、配向膜27、第2電極層22、第2透明部材層25とからなる第1の液晶素子15aと、第3透明部材層34、第3電極層31、配向膜36、第2液晶層33、配向膜37、第4電極層32、第4透明部材層35とからなる第2の液晶素子15bとを備えている。さらに、集光光学素子は、第1の液晶素子15a及び第2の液晶素子15bと対物レンズとの間に配置されている少なくとも波長λ3の光束に対してλ/4の偏光位相差を与える波長板19とにより形成されている。
第1電極層21は、電極21a及び電極21bが交互に環状配列した2つの電極からなる。第2電極層22も、電極22a及び電極22bが交互に環状配列した2つの電極からなる。各電極間は、電気的抵抗を持つITO28と、電気的抵抗を持たない隙間29が形成されている。また、第3電極層31は、電極31a及び電極31bが交互に環状配列した2つの電極からなる。第4電極層32も、電極32a及び電極32bが交互に環状配列した2つの電極からなる。各電極間は、電気的抵抗を持つITO28と、電気的抵抗を持たない隙間29が形成されている。各電極パターンについては、図8(a),(b),(c)の説明と重複するので省略する。
本構成の液晶素子は、第1の液晶素子15aと第2の液晶素子15bにより、往路光及び復路光について、偏光方向が直交する直線偏光に対して位相差を発生させる。図11(a),(b)は、各偏光方向に位相差(屈折率分布)が生じる液晶素子の分子配向状態を表している。
第1の液晶素子15aは、図11(a)に示すように、光束のx方向(往路光の偏光方向)に位相差が生じるのに対して、光束のy方向(復路光の偏光方向)には位相差が生じない。これに対して、第2の液晶素子15bは、図11(b)に示すように、光束のy方向(復路光の偏光方向)に位相差が生じるのに対して、光束のx方向(往路光の偏光方向)には位相差が生じない。したがって、第1の液晶素子と第2の液晶素子を用いることで、往復で偏光方向が変わるような場合でも、特定の光束(波長λ3の光束)に対して位相差が生じ、回折面を形成することが可能になる。
ブレーズ回折素子の回折効率ηは、液晶の複屈折をΔn、厚さをd、入射する光束の波長をλ、回折する回折次数をmとすると、(数5)
Figure 2006252655
で与えられる。
図12は、波長λ3=405nm、液晶素子の複屈折Δn=0.263とした時の、回折効率を計算した結果を示す図である。ここで、一般的に液晶層の厚さは、ギャップ材と呼ばれる粒径状のもので制御される。実用化されている高精度なギャップ材は2μm以上であり、回折効率90%以上を達成するには、回折次数を2次以上で設計することが望ましい。このような回折次数をとることで、液晶素子の製造プロセスが容易になる。本実施の形態における設計では、液晶素子の厚さを6.16μmとし、回折次数を4次の条件を用いた。
図13,図14は、(表2)〜(表7)に示した設計結果と、前述の液晶層の厚さを6.16μmとした時の液晶素子(実施例1〜4に示した構成)の回折格子形状を示している。回折格子形状は、実施例1,2の構成においては、第1,第2透明部材層111,112(図3参照)の溝形状に該当し、実施例3,4の構成においては、第1,第2電極層21,22(図7参照)の隙間29のパターンに該当する。
図13のBD用の回折格子形状は、中心部のピッチが360μm程度であり、外周部に行くに従い密になり、最外周では35μm程度のピッチになる。一方、図14のHD用の回折格子形状は、中心部のピッチは370μm程度であり、外周部に行くに従い密になり、最外周では30μm程度のピッチになる。
図15は本発明の実施の形態3における光ピックアップの基本構成の概略を示す図である。図15において、波長(λ3)380〜420nmの短波長の光束(BD,HD)を発する光源11と、波長(λ2)640〜680nmの中波長の光束(DVD)を発する光源11dと、波長(λ1)760〜800nmの長波長の光束(CD)を発する光源11cと、各光源からの光束を略平行光にするためのカップリングレンズ2,2d,2cと、各光束を同一光路に合成する光束合成手段12,13が設けられている。
この光束合成手段12、光束合成手段13により合成された光束の光路上には、光束の向きを変える立上げミラー4及びその光束を情報記録媒体7(BD,HD,DVD,CD)の記録面上に集光させる集光光学素子14が設けられている。集光光学素子14の対物レンズ6により集光された光束は、光源11(380〜420nm)からの光束に対しては、第2の回折面の作用によって、基板厚が最も薄い情報記録媒体7b(BD)の記録面に集光スポットを形成し、また、光源11(380〜420nm)からの光束に対しては、第1の回折面の作用によって、基板厚が中間の情報記録媒体7h(HD)の記録面に集光スポットを形成し、光源11d(640〜680nm)からの光束に対しては基板厚が中間の情報記録媒体7d(DVD)の記録面に集光スポットを形成し、光源11c(760〜800nm)からの光束に対しては基板厚が最も厚い情報記録媒体7c(CD)の記録面に集光スポットを形成するように設定されている。
なお、対物レンズ6及び液晶素子15からなる集光光学素子14は、集光スポットを情報記録媒体7の記録層に追従するために、フォーカス制御,トラック制御をする必要があるので、筐体14aに固定され、一体駆動する構成になっている。
いま、情報記録媒体にBDの情報記録媒体7bが置かれた場合、光源11が発光し、カップリングレンズ2で平行光に変換され、集光光学素子14に入射される。集光光学素子14では、液晶素子15の第2の回折面によって波長λ3の平行光を収束光に変換する。その収束光は対物レンズ6に入射し、BDの情報記録媒体7bの記録面に微小な集光スポットを形成する。BDの記録面で反射された光束は、再び対物レンズ6、液晶素子15によって平行光に戻り、検出レンズ,光束分割素子等からなる検出レンズ群10を介して受光素子9により信号が検出される。
情報記録媒体にHDの情報記録媒体7hが置かれた場合、光源11が発光し、カップリングレンズ2で平行光に変換され、集光光学素子14に入射される。集光光学素子14では、液晶素子15の第1の回折面によって波長λ3の平行光を収束光に変換する。その収束光は対物レンズ6に入射し、HDの情報記録媒体7hの記録面に微小な集光スポットを形成する。HDの記録面で反射された光束は、再び対物レンズ6、液晶素子15によって平行光に戻り、検出レンズ群10を介して受光素子9により信号が検出される。
情報記録媒体にDVDの情報記録媒体7dが置かれた場合、光源11dが発光し、カップリングレンズ2dで平行光に変換され、集光光学素子14に入射される。集光光学素子14では、平行光が液晶素子15をそのまま透過し、対物レンズ6に入射し、DVDの情報記録媒体7dの記録面に微小な集光スポットを形成する。DVDの記録面で反射された光束は、再び対物レンズ6、液晶素子15によって平行光に戻り、受光素子9dにより信号が検出される。
情報記録媒体にCDの情報記録媒体7cが置かれた場合、光源11cが発光し、カップリングレンズ2cで緩い発散光束に変換され、集光光学素子14に入射される。集光光学素子14では、緩い発散光束が液晶素子15をそのまま透過し、対物レンズ6に入射し、CDの情報記録媒体7cの記録面に微小な集光スポットを形成する。CDの記録面で反射された光束は、再び対物レンズ6、液晶素子15によって緩い発散光束に戻り、受光素子9cにより信号が検出される。
以上に説明した本実施の形態の集光光学素子を備えた光ピックアップでは、3つの波長の異なる光源と4つの基板厚の異なる情報記録媒体とにより構成される各組合せに対して、波面収差を低減させ、良好な集光スポットを得ることが可能になる。
図16は本発明の実施の形態4における情報記録再生装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態4の情報記録再生装置は前述した実施の形態3の光ピックアップを搭載した一般的な構成を示すものである。
図16において、情報記録再生装置40は、シークモータ41,情報記録媒体7を回転駆動するためのスピンドルモータ42、光ピックアップ43、レーザー制御回路44、エンコーダ45、ドライバ46、再生信号処理回路47、バッファRAM48、バッファマネージャ49、インターフェース50、フラッシュメモリ51、CPU52及びRAM53などを備えている。なお、図16における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
光ピックアップ43は、図15に示す集光光学素子14を備えたものであり、情報記録媒体7のスパイラル状または同心円状のトラック(記録領域)が形成された記録面の所定位置に光束を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置である。
再生信号処理回路47は、I/Vアンプ47a、サーボ信号検出回路47b、ウォブル信号検出回路47c、RF信号検出回路47d及びデコーダ47eなどから構成されている。サーボ信号検出回路47bの出力に基づいて、フォーカスエラー信号に基づいてフォーカスずれを補正するための制御信号(フォーカス制御信号)を生成し、トラックエラー信号に基づいてトラックずれを補正するための制御信号(トラッキング制御信号)を生成し、各制御信号はそれぞれドライバ46に出力される。
ドライバ46は、PU(ピックアップ)制御回路46a、液晶制御回路46d、シークモータ制御回路46b及びSP(スピンドルモータ)制御回路46cを備えており、PU(ピックアップ)制御回路46aはフォーカス制御信号に応じた駆動電流、及びトラッキング制御信号に応じた駆動電流等を光ピックアップ43に出力する。また、シークモータ制御回路46bはCPU52からのシーク制御信号に応じた駆動信号を光ピックアップ43に出力する。さらに、SP(スピンドルモータ)制御回路46cは、CPU52の指示に基づいてスピンドルモータ42に駆動信号を出力する。
バッファマネージャ49は、バッファRAM48へのデータの入出力を管理し、蓄積されたデータ量が所定量になるとCPU52に通知する。また、エンコーダ45は、CPU52の指示に基づいてバッファRAM48に蓄積されているデータを、バッファマネージャ49を介して取り出し、データの変調及びエラー訂正コードの付加等を行い、情報記録媒体7への書き込み信号を生成するとともに、再生信号処理回路47からの同期信号に同期して書き込み信号をレーザー制御回路44に出力する。液晶制御回路46dは、情報記録媒体7の種類を判別した信号に基づいて、液晶素子15(図15参照)の各電極層に出力する電流を制御するものである。
レーザー制御回路44は、エンコーダ45からの書き込み信号及びCPU52の指示に基づいて、情報記録媒体7に照射する光束の出力を制御する制御信号を光ピックアップ43に出力する。
以上のように構成された情報記録再生装置40に情報記録媒体7としてBDに相当する情報記録媒体7bが置かれた場合、レーザー制御回路44は380nm〜420nmの波長(λ3)の光束を出射する光源を点灯させると同時に、液晶制御回路46dによって、図15に示す液晶素子15の該当する各電極層に電位を与え、液晶素子15に第2の回折面を形成し、対物レンズ6に収束光を入射し、情報記録媒体7bの記録面に微小な集光スポットを形成する。
また、情報記録媒体7にHDに相当する情報記録媒体7hが置かれた場合、レーザー制御回路44は380nm〜420nmの波長(λ3)の光束を出射する光源を点灯させると同時に、液晶制御回路46dによって、液晶素子15の該当する各電極層に電位を与え、液晶素子15に第1の回折面を形成し、対物レンズ6に収束光を入射し、情報記録媒体7hの記録面に微小な集光スポットを形成する。
情報記録媒体7にDVD規格に相当する情報記録媒体7dが置かれた場合、レーザー制御回路44は640nm〜680nmの波長(λ2)の光束を出射する光源を点灯させると同時に、液晶制御回路46dによって液晶素子15の該当する各電極層に電位を与えず、液晶素子15を平行平板として作用させ、微小な集光スポットを形成する。
情報記録媒体7にCD規格に相当する情報記録媒体7cが置かれた場合、レーザー制御回路44は760nm〜800nmの波長(λ1)の光束を出射する光源を点灯させると同時に、液晶制御回路46dによって、液晶素子15の該当する各電極層に電位を与えず、液晶素子15を平行平板として作用させ、微小な集光スポットを形成する。
以上のことから、BD,HD,DVD,CDの全規格の情報記録媒体に対して、1つの対物レンズで情報処理する集光スポットと、十分な差動距離の確保及び光利用効率を得ることができる。
本発明に係る集光光学素子及び光ピックアップ並びに情報記録再生装置は、最も少ない回折面数により、BD,HD,DVD,CDの全規格の情報記録媒体に対して、1つの対物レンズにより回折限界の集光スポットと、十分な差動距離を確保及び光利用効率を得ることができ、また、構成する透明部材を極限まで減らして軽量化と、同一波長の規格のBD,HDに対しては開口制限を同時に持たせることができ、BD、HD、DVD、CDの4つの規格が異なる情報記録媒体の記録面に対して、情報処理する互換技術に係り集光光学素子及び光ピックアップ並びに情報記録再生装置として有用である。
本発明の実施の形態1におけるBD,HD,DVD,CD互換を行う基本構成を示す光路図 本発明の実施の形態2におけるBD,HD,DVD,CD互換を行う基本構成を示す光路図 実施例1の液晶素子の構成を示す図 実施例2の液晶素子の構成を示す図 液晶素子の隣接する透明部材層を一体化した例1を示す図 液晶素子の隣接する透明部材層を一体化した例2を示す図 実施例3の液晶素子の構成を示す図 実施例3の液晶素子の(a)は電極パターン、(b)は電界強度、(c)は屈折率を示す図 液晶分子の屈折率構造体(楕円長軸が屈折率の高い軸)が電界によって傾斜する様子を示す図 実施例4の液晶素子の構成を示す図 各偏光方向に位相差(屈折率分布)が生じる(a)はx方向、(b)はy方向の液晶素子の分子配向状態を表す図 波長λ3=405nm、液晶素子の複屈折Δn=0.263の回折効率の計算結果を示す図 BD用の回折格子形状を示す図 HD用の回折格子形状を示す図 本発明の実施の形態3における光ピックアップの基本構成の概略を示す図 本発明の実施の形態4における情報記録再生装置の構成を示すブロック図 従来の情報記録再生装置の光ピックアップの概略構成を示す図
符号の説明
1 光源
2,2c,2d カップリングレンズ
3,3c,3d 光分岐手段
4 立上げミラー
5 アクチュエータ
6 対物レンズ
7 情報記録媒体
7b 情報記録媒体(BD)
7c 情報記録媒体(CD)
7d 情報記録媒体(DVD)
7h 情報記録媒体(HD)
8 λ/4板
9,9c,9d 受光素子
10 検出レンズ群
11 光源(BD,HD)
11c 光源(CD)
11d 光源(DVD)
12,13 光束合成手段
14 集光光学素子(アクチュエータ)
14a 筐体
15 液晶素子
15a 第1の液晶素子
15b 第2の液晶素子
19 波長板
21 第1電極層
21a,21b,22a,22b,31a,31b,32a,32b 電極
22 第2電極層
23 第1液晶層
24 第1透明部材層
25 第2透明部材層
26,27,36,37 配向膜
28 ITO
29 隙間
31 第3電極層
32 第4電極層
33 第2液晶層
34 第3透明部材層
35 第4透明部材層
44 レーザー制御回路
46d 液晶制御回路
111 第1透明部材層
112 第2透明部材層
113 第3透明部材層
114 第4透明部材層
115 第5透明部材層
116 第6透明部材層
117 第7透明部材層
118 第8透明部材層
121 第1電極層
122 第2電極層
123 第3電極層
124 第4電極層
125 第5電極層
126 第6電極層
127 第7電極層
128 第8電極層
131 第1液晶層
132 第2液晶層
133 第3液晶層
134 第4液晶層

Claims (16)

  1. 透明基板の厚さt1,t2,t3,t4(t1>t2=t3>t4)の4つの情報記録媒体に対して、波長λ1の光束を厚さt1の情報記録媒体の記録層、波長λ2の光束を厚さt2の情報記録媒体の記録層、波長λ3の光束を厚さt3の情報記録媒体の記録層、さらに前記波長λ3の光束を厚さt4の情報記録媒体の記録層に集光するための対物レンズと、液晶素子とからなる集光光学素子であって、
    前記液晶素子は、前記厚さt1の情報記録媒体の記録層に集光時及び前記厚さt2の情報記録媒体の記録層に集光時は、前記液晶素子内の位相差を均一にすることで前記波長λ1及び前記波長λ2の光束をそのまま透過し、
    前記厚さt3の情報記録媒体の記録層に集光時は、前記液晶素子内の位相差を光束中心から円環状に発生させることで生じる第1の回折面によって、前記波長λ3の光束を収束光に回折し、
    前記厚さt4の情報記録媒体の記録層に集光時は、前記第1の回折面とは異なる第2の回折面によって、前記波長λ3の光束を収束光に回折することを特徴とする集光光学素子。
  2. 前記液晶素子は、鋸刃状もしくは鋸刃に近似される段差形状の輪帯を連続して形成した面を持つ第1透明部材層と、前記第1透明部材層の輪帯面に沿って形成した第1電極層と、均一な平面を持つ第2透明部材層と、前記第2透明部材層に沿って形成した第2電極層と、前記第1電極層と前記第2電極層で挟持した第1液晶層と、前記第1透明部材層とは異なる間隔の前記輪帯を形成した面を持つ第3透明部材層と、前記第3透明部材層の輪帯面に沿って形成した第3電極層と、均一な平面を持つ第4透明部材層と、前記第4透明部材層に沿って形成した第4電極層と、前記第3電極層と前記第4電極層で挟持した第2液晶層とを備えたことを特徴とする請求項1記載の集光光学素子。
  3. 前記液晶素子は、第1電極層と第2電極層に与える電圧差により第1透明部材層と第1液晶層に屈折率差を与えて第1の回折面を形成し、第3電極層と第4電極層に与える電圧差により第3透明部材層と第2液晶層に屈折率差を与えて第2の回折面を形成し、前記第1の回折面を形成時には、前記第3電極層と前記第4電極層の電圧を揃えることで前記第3透明部材層と前記第2液晶層に屈折率差を与えずに平行平板を形成し、前記第2の回折面を形成時には、前記第1電極層と前記第2電極層の電圧を揃えることで前記第1透明部材層と前記第1液晶層に屈折率差を与えずに平行平板を形成することを特徴とする請求項2記載の集光光学素子。
  4. 前記液晶素子は、均一な平面を持つ第1透明部材層と、前記第1透明部材層に沿って形成した2つの電極を交互に円環状配列した第1電極層と、均一な平面を持つ第2透明部材層と、前記第2透明部材層に沿って形成し、前記第1電極層とは異なる間隔で2つの電極を交互に円環状配列した第2電極層と、前記第1電極層と前記第2電極層で挟持した液晶層とを備えたことを特徴する請求項1記載の集光光学素子。
  5. 前記液晶素子は、第1電極層の電極間に電位差を与えて、第2電極層の電極間に電位差を与えないことで生じる液晶層の屈折率分布によって第1の回折面を形成し、前記第1電極層の電極間に電位差を与えずに、前記第2電極層の電極間に電位差を与えることで生じる前記液晶層の屈折率分布によって第2の回折面を形成し、前記第1電極層の電極間及び前記第2電極層の電極間に電位差を与えないことで前記液晶層の屈折率分布を均一にして平行平板を形成することを特徴とする請求項4記載の集光光学素子。
  6. 透明基板の厚さt1,t2,t3,t4(t1>t2=t3>t4)の4つの情報記録媒体に対して、波長λ1の光束を厚さt1の情報記録媒体の記録層、波長λ2の光束を厚さt2の情報記録媒体の記録層、波長λ3の光束を厚さt3の情報記録媒体の記録層、さらに前記波長λ3の光束を厚さt4の情報記録媒体の記録層に集光するための対物レンズと、少なくとも前記波長λ3の光束に対して光源から情報記録媒体へ向かう往路光の直線偏光を略円偏光にする波長板と、前記往路光の直線偏光に対して回折作用を引き起こす第1の液晶素子と、情報記録媒体で反射し前記波長板を介して得た復路光の直線偏光に対して回折作用を引き起こす第2の液晶素子とからなる集光光学素子であって、
    前記第1の液晶素子と前記第2の液晶素子は、前記厚さt1の情報記録媒体の記録層に集光時及び前記厚さt2の情報記録媒体の記録層に集光時は、前記第1,第2の液晶素子内の位相差を均一にすることで前記波長λ1及び前記波長λ2の光束をそのまま透過し、
    前記厚さt3の情報記録媒体の記録層に集光時は、前記第1の液晶素子内の位相差を光束中心から円環状に発生させることで生じる第1の回折面によって、前記波長λ3の往路光を収束光に回折し、前記第2の液晶素子内の位相差を光束中心から円環状に発生させることで生じる第3の回折面によって、前記波長λ3の復路光を略平行光に回折し、
    前記厚さt4の情報記録媒体の記録層に集光時には、前記第1の回折面とは異なる第2の回折面によって、前記波長λ3の往路光を収束光に回折し、第2の液晶素子内の位相差を光束中心から円環状に発生させることで生じる第4の回折面によって、前記波長λ3の復路光を略平行光に回折することを特徴とする集光光学素子。
  7. 前記第1の液晶素子は、鋸刃状もしくは鋸刃に近似される段差形状の輪帯を連続して形成した面を持つ第1透明部材層と、前記第1透明部材層の輪帯面に沿って形成した第1電極層と、均一な平面を持つ第2透明部材層と、前記第2透明部材層に沿って形成した第2電極層と、前記第1電極層と前記第2電極層で挟持した第1液晶層と、前記第1透明部材層とは異なる間隔の輪帯を形成した面を持つ第3透明部材層と、前記第3透明部材層の輪帯面に沿って形成した第3電極層と、均一な平面を持つ第4透明部材層と、前記第4透明部材層に沿って形成した第4電極層と、前記第3電極層と前記第4電極層で挟持した第2液晶層とを備え、
    前記第2の液晶素子は、鋸刃状もしくは鋸刃に近似される段差形状の輪帯を連続して形成した面を持つ第5透明部材層と、前記第5透明部材層の輪帯面に沿って形成した第5電極層と、均一な平面を持つ第6透明部材層と、前記第6透明部材層に沿って形成した第6電極層と、前記第5電極層と前記第6電極層で挟持した第3液晶層と、前記第5透明部材層とは異なる間隔の輪帯を形成した面を持つ第7透明部材層と、前記第7透明部材層の輪帯面に沿って形成した第7電極層と、均一な平面を持つ第8透明部材層と、前記第8透明部材層に沿って形成した第8電極層と、前記第7電極層と前記第8電極層で挟持した第4液晶層とを備えたことを特徴とする請求項6記載の集光光学素子。
  8. 前記第1の液晶素子は、往路光に作用する、第1電極層と第2電極層に与える電圧を切り換えることで第1透明部材層と第1液晶層に屈折率差を与えて第1の回折面を形成し、第3電極層と第4電極層に与える電圧を切り換えることで第3透明部材層と第2液晶層に屈折率差を与えて第2の回折面を形成し、
    前記第1の回折面を形成時には、前記第3電極層と前記第4電極層の電圧を揃えることで前記第3透明部材層と前記第2液晶層に屈折率差を与えずに平行平板を形成し、前記第2の回折面を形成時には、前記第1電極層と前記第2電極層の電圧を揃えることで前記第1透明部材層と前記第1液晶層に屈折率差を与えずに平行平板を形成し、
    前記第2の液晶素子は、復路光に作用する、第5電極層と第6電極層に与える電圧を切り換えることで第5透明部材層と第3液晶層に屈折率差が生じる第3の回折面を形成し、第7電極層と第8電極層に与える電圧を切り換えることで第7透明部材層と第4液晶層に屈折率差が生じる第4の回折面を形成し、
    前記第3の回折面を形成時には、前記第7電極層と前記第8電極層の電圧を揃えることで前記第7透明部材層と前記第4液晶層に屈折率差を与えずに平行平板を形成し、前記第4の回折面を形成時には、前記第5電極層と前記第6電極層の電圧を揃えることで前記第5透明部材層と前記第3液晶層に屈折率差を与えずに平行平板を形成することを特徴とする請求項7記載の集光光学素子。
  9. 前記第1の液晶素子は、均一な平面を持つ第1透明部材層と、前記第1透明部材層に沿って形成した2つの電極を交互に円環状配列した第1電極層と、均一な平面を持つ第2透明部材層と、前記第2透明部材層に沿って形成し、前記第1電極層とは異なる間隔で2つの電極を交互に円環状配列した第2電極層と、前記第1電極層と前記第2電極層で挟持した第1液晶層とを備え、
    前記第2の液晶素子は、均一な平面を持つ第3透明部材層と、前記第3透明部材層に沿って形成された2つの電極を交互に円環状配列した第3電極層と、均一な平面を持つ第4透明部材層と、前記第4透明部材層に沿って形成され、前記第3電極層とは異なる間隔の2つの電極を交互に円環状配列した第4電極層と、前記第3電極層と第4電極層とに挟持された第2液晶層とを備えたことを特徴とする請求項6記載の集光光学素子。
  10. 前記第1の液晶素子は、往路光に作用する、第1電極層の電極間に電位差を与えて、第2電極層の電極間に電位差を与えないことで生じる第1液晶層の屈折率分布によって第1の回折面を形成し、前記第1電極層の電極間に電位差を与えずに、前記第2電極層の電極間に電位差を与えることで生じる前記第1液晶層の屈折率分布によって第2の回折面を形成し、前記第1電極層の電極間及び前記第2電極層の電極間に電位差を与えないことで屈折率分布を均一にして平行平板を形成し、
    前記第2の液晶素子は、復路光に作用する、第3電極層の電極間に電位差を与えて、第4電極層の電極間に電位差を与えないことで生じる第2液晶層の屈折率分布によって第3の回折面を形成し、前記第3電極層の電極間に電位差を与えずに、前記第4電極層の電極間に電位差を与えることで生じる前記第2液晶層の屈折率分布によって第4の回折面を形成し、前記第3電極層の電極間及び前記第4電極層の電極間に電位差を与えないことで前記第2液晶層の屈折率分布を均一にして平行平板を形成することを特徴とする請求項9記載の集光光学素子。
  11. 前記液晶素子において、厚さt3の情報記録媒体の記録層への光束集光時に第1の回折面を形成する液晶層は、前記光束の通過する開口径の内側領域に前記第1の回折面を形成し、前記開口径の外側領域に前記第1の回折面の回折方向とは異なる方向に前記光束を回折する別の回折面を形成したことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の集光光学素子。
  12. 前記液晶素子において、前記液晶素子を構成する透明部材層のうち隣接する前記透明部材層を一体化して形成したことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の集光光学素子。
  13. 前記液晶素子の回折面において回折される波長λ3の光束は、最も強度の強い回折光が2次より大きな回折次数であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の集光光学素子。
  14. 前記液晶素子と、対物レンズ及び波長板を1つの筐体に一体化したことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の集光光学素子。
  15. 波長760〜800nmの光束を出射する第1の光源と、波長640〜680nmの光束を出射する第2の光源と、波長380〜420nmの光束を出射する第3の光源と、前記各光源からの光束を1つに合成する光束合成手段と、光源から情報記録媒体へ向かう光束と情報記録媒体で反射した光束を分離するための光分岐手段と、前記情報記録媒体で反射した光束を検出する受光素子とを備えた光ピックアップにおいて、
    前記光分岐手段と前記情報記録媒体との間に、請求項1〜14のいずれか1項に記載の集光光学素子を備えたことを特徴とする光ピックアップ。
  16. 請求項15記載の光ピックアップを用いて、4つの情報記録媒体に対して、情報の記録,再生,消去のいずれか1以上の処理を行うための制御手段を備えたことを特徴とする情報記録再生装置。
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CN107422570A (zh) * 2017-08-16 2017-12-01 集美大学 双层结构液晶透镜装置及其制备方法

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