JP2006252616A - 光ピックアップ装置およびこれを用いた光ディスクドライブ装置 - Google Patents

光ピックアップ装置およびこれを用いた光ディスクドライブ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】規格のことなる種々の光ディスクについて、簡易な構成で互換性を確保する光ピックアップ装置並びに光ディスクドライブ装置を提供する。
【解決手段】共通の光源と、共通の対物レンズを用いて、基板厚の異なる複数種類の光ディスクに光源からの光束を集光させて記録、再生、消去等の動作を行なう光ピックアップ装置において、光ディスクの種類に対応して、対物レンズの実効的開口数を変更する開口変更手段と、対物レンズに入射する光束の収束発散状態を変更する光束変更手段と、対物レンズに入射する光束の波面形状を変更する収差補正手段とを備える。
【選択図】図8

Description

本発明は、基板厚の異なる複数種類の光ディスクに記録、再生、消去の少なくとも1つ以上の動作を行なう光ピックアップ装置に関する。
光ディスクシステムに対する高記録密度化及び大容量化の要求は、近年ますます強くなっている。記録密度向上のためには、光ピックアップに用いられる光の波長を短くするとともに、使用する対物レンズの開口数NAを大きくして集光される光のスポット径を小径化することが有効である。例えば、DVD規格の対物レンズの波長660nm、開口数NA0.65に対して、Blu−ray規格では波長405nm、開口数NA0.85の光ディスクシステムが実用化されている。Blu−ray規格では、傾き特性を劣化させないためにディスク基板厚さを0.1mmと薄くしている。
一方で、これまでのCD規格やDVD規格との互換性能を確保しやすくするために、HD−DVD規格が提案されている。HD−DVD規格では、波長405nmで記録密度を上げつつ、基板厚さをDVDと同じ0.6mmとすることにより下位互換性を確保している。つまり、CDでは波長780nm、基板厚1.2mm、DVDでは波長660nm、基板厚0.6mmとの条件のなかで、それぞれがさらにこまかな規格、例えばDVD+RWやDVD−RWなどに細分化されていたのでCDどうし、あるいはDVDどうしである程度の互換性は確保されていたが、次世代でBlu−ray規格とHD−DVD規格が両立してしまうと、波長405nmは同じであるが、基板厚や開口数が大きく異なるためにこれらの世代どうしの互換性を確保するのが困難になるという懸念があった。
近年の光ディスクドライブ製品の急激な売上増加の一因として、DVDの細分化された規格全てを互換するいわゆるマルチドライブの出現があげられるように、次世代においてもユーザー側に立ち互換性を第一に確保する開発が重要となる。さらに、次世代光ディスクドライブ装置においても、CDやDVDの従来メディアとの互換を確保することも重要である。
以上の課題に対する従来技術として、特許文献1が挙げられる。この特許文献1では、2つの絞りと2群対物レンズの間隔を変えることにより、2種類の基板厚の異なる光ディスクに対して、開口数を変えて基板厚の違いによる球面収差を補正している。特許文献1の光走査装置では、異なる開口数を有する走査ビームを必要とする2つの異なる形式の光記録担体を走査できる。装置は、2つの形式のディスクに対する放射ビームが通る経路の光軸に沿った異なる位置で、2つの絞りを有する。第1の絞りは、第1の形式の記録担体が走査されるときに放射ビームの開口数を制限する。第2の絞りは、第2の形式の記録担体が走査されるときに放射ビームの開口数を制限する。
この他、特許文献2では、偏光方向の異なる2つの光源と偏光フィルターにより、2種類の基板厚の異なる光ディスクに対して、開口数を変えるようにしている。すなわち、光ディスクの信号記録面に対物レンズを通してレーザ光を照射するとともに該信号記録面で反射されるレーザ光を光検出器へ導いて信号を再生する光学式再生装置。基板の厚さが異なる複数種類の光ディスクの各々について当該光ディスクの信号記録面にレーザスポットを合焦させ得るように、基板の厚さに応じて前記対物レンズの実効的開口数を偏光フィルタによって絞り、又は偏光フィルタにより絞らずに透過させるように切り換えることで、実効的開口数を調整する光学式再生装置。さらに、対物レンズの内周部と外周部とで焦点距離を変えた装置、が開示されている。
ところで、前述特許文献1の開示技術においては、a.)2群対物レンズの間隔を変える精度が厳しく、大きな収差を発生しやすい、b.) 対物レンズとディスク面間隔の作動距離を確保できない、c.)片方の開口位置が対物レンズの瞳位置と大きくずれてしまうため対物レンズの傾き特性が劣化しやすい、と言った欠点がある。また、前記特許文献2の開示技術においては、a.)複数の光源が必要である,b.) 開口数が大きくなった場合には基板厚のちがいによる球面収差を補正できない、という欠点がある。
なお、その他に本発明に関連するものとして、高転送レートを要する信号再生が可能な光ピックアップを実現するため等に利用される液晶レンズ(光路変更手段)がある(例えば特許文献3参照)。特許文献3に記載の光ピックアップでは、液晶レンズが、第1の偏光面を有する直線偏光である第1直線偏光あるいは第1の偏光面と直交する第2の偏光面を有する直線偏光である第2直線偏光のうちいずれか一方の直線偏光をそのまま透過し、他方の直線偏光を収束あるいは拡散し、集光手段は、第1直線偏光及び第2直線偏光のうちいずれか一方を第1記録面に集光し、他方を第2記録面に集光するようになっており、これにより、二つの読出ビームに対してフォーカスサーボ制御及びトラッキングサーボ制御を行うことができ、正確に記録情報をトレースして、二つの記録情報を同時に読み出すことが可能となり、従来と同一の駆動系を用いて、従来の2倍の速度で情報を読み出すことが可能となっている。例えば、HDTV等の高転送レートを要する信号再生が可能となっている。
特表2002−533860号公報 特開平09−50647号公報 特開平11−195240号公報
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、規格のことなる種々の光ディスクについて、簡易な構成で互換性を確保する光ピックアップ装置並びに光ディスクドライブ装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の本発明の光ピックアップ装置では、共通の光源と、共通の対物レンズを用いて、基板厚の異なる複数種類の光ディスク記録面上に光源からの光束を集光させて記録、再生、消去の少なくとも1つ以上の動作を行なう光ピックアップ装置において、光ディスクの種類に対応して対物レンズの実効的開口数を変更する開口変更手段と、光ディスクの種類に対応して対物レンズに入射する光束の収束発散状態を変更する光束変更手段と、光ディスクの種類に対応して対物レンズに入射する光束の波面形状を変更する収差補正手段とを有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光ピックアップ装置において、前記光束変更手段と収差補正手段とが同一の光学的手段であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の光ピックアップ装置において、前記光ディスクの種類には、基板厚0.1mm、開口数0.85のBlu−ray規格ディスクと基板厚0.6mm、開口数0.65のHD−DVD規格ディスクが含まれる、ことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記開口変更手段は、入射する光束の偏光方向によって透過する光束の直径が変わる偏光フィルターと、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板とで構成される、ことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記開口変更手段は、入射する光束の偏光方向によって透過する光束の直径が変わる偏光ホログラムと、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板とで構成される、ことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記開口変更手段は、光ディスクの種類に対応して透過する光束の直径を駆動条件により変えることのできる液晶シャッタで構成されることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置において、波長選択性の開口変更手段も更に備えたことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1または請求項3記載の光ピックアップ装置において、前記光束変更手段は、2群以上のレンズ系で構成されるエキスパンダレンズと、各レンズ群の間隔を光ディスクの種類に対応して変えることのできる移動機構とで構成される、ことを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の光ピックアップ装置において、前記移動機構は各レンズ群の間隔を、多層の記録層を持つ同一の光ディスクにおいて、各層に対応して更に変えることのできることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項8記載の光ピックアップ装置において、前記エキスパンダレンズは、光ディスク記録面上に形成される集光スポットの色収差を補正する色補正レンズであることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項1または請求項3記載の光ピックアップ装置において、前記光束変更手段は、光源と対物レンズとの光路中に配置されたコリメートレンズと、コリメートレンズを光ディスクの種類に対応して光軸方向に移動する移動機構とで構成されることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項11記載の光ピックアップ装置において、前記移動機構はコリメートレンズを、多層の記録層を持つ同一の光ディスクにおいて、各層に対応してさらに光軸方向に移動することができることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記光束変更手段は、入射する光束の偏光方向によって出射する光束の収束発散状態を変更する複屈折媒体と、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板とで構成されることを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記光束変更手段は、入射する光束の偏光方向によって出射する光束の収束発散状態を変更する偏光ホログラムと、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板とで構成されることを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記収差補正手段は、入射する光束の偏光方向によって出射する光束の波面形状を変更する複屈折媒体と、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板とで構成される、ことを特徴とする。
請求項16記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記収差補正手段は、入射する光束の偏光方向によって出射する光束の波面形状を変更する偏光ホログラムと、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板とで構成される、ことを特徴とする。
請求項17記載の発明は、請求項1または請求項3記載の光ピックアップ装置において、前記収差補正手段は、駆動条件により入射する光束の波面形状を変更することのできる液晶素子であることを特徴とする。
請求項18記載の発明は、請求項17記載の光ピックアップ装置において、前記液晶素子は多層の記録層を持つ同一の光ディスクにおいて、各層に対応してさらに駆動条件を変えて補正する収差量を変える、ことを特徴とする。
請求項19記載の発明は、光ディスクドライブ装置であって、請求項1〜18のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置を搭載したことを特徴とする。
請求項1、2、3の発明によれば、1)対物レンズの構成を変えずに対物レンズに入射する光束の開口変更手段と、光束変更手段とを独立に持つので、特許文献1のように2群対物レンズの間隔を変える方式よりもレンズ移動などの公差がゆるくできて集光スポットの劣化が少なくて記録再生品質が確保できる。2)対物レンズは単レンズでも実施可能である。従って特許文献1のように2群対物レンズとする必要がなく、対物レンズとディスク面間隔の作動距離を確保できる。3)偏光方向を利用した開口変更手段だけでなく光束変更手段も併用しているので、特許文献2と比較して開口数が大きな規格のディスクについても基板厚の球面収差を補正した開口制限が可能である。4)対物レンズに入射する光束の収束発散状態を変えてさらに収差補正を行なうのでどちらかだけを行なう場合と比較して、より集光スポットの劣化や対物レンズシフトによる影響が小さくて、記録再生品質が確保できる。5)収差補正素子を固定部に配置できるので、装置の薄型化や高速化が実現できる。また、請求項2の発明によれば、部品点数の削減に寄与し、低コスト化できる。
請求項4の発明によれば、1)偏光フィルターを開口とすることにより、λ/2板を固定部に配置して、アクチェータには軽量の偏光フィルターだけを搭載すればよくなるので、アクチェータの駆動負担が軽減し高速化が可能となる。2)特許文献2では2つの光源が必要だったが、λ/2板を用いることにより1つの光源で兼用できるので装置の小型化、低コスト化が実現される。3)液晶位相板を用いることにより移動機構が不用となり装置の小型化が実現される。
請求項5の発明によれば、1)請求項4と同様に、λ/2板を固定部に配置して、アクチェータには軽量の偏光ホログラムを搭載するだけでよくなり、アクチェータの駆動負担が軽減し高速化が可能となる。2)さらに、請求項4では61Aと61Bの間の輪帯領域の透過しない偏光を反射してしまい、信号検出部のフレア光となる場合があったが、偏光ホログラムはこのような光束を拡散するのでそのような悪影響を低減でき、信号品質が向上するメリットがある。3)液晶位相板を用いることにより移動機構が不用となり装置の小型化が実現される。
請求項6の発明によれば、透明電極が形成された液晶素子を用いて開口領域を選択することにより、アクチェータには614と615の両方(図5(d))を搭載する必要があるが、多層の蒸着膜が必要である偏光フィルターや微細な格子形状や複雑な層構成が必要である偏光ホログラムが不用となり、低コスト化が実現される。
請求項7の発明によれば、波長選択性の開口変更手段を加えることにより波長の異なるさらに多くの規格に対応できるようになる。また、請求項8の発明によれば、請求項1では凹レンズを光路中に抜き差しする機構が必要だったが、エキスパンダレンズを用いることにより、移動レンズをわずかに光軸方向に移動させるだけでよくなり、光学系全系の小型化が可能となる。また、請求項9の発明によれば、1)エキスパンダレンズを多層により発生する球面収差補正手段としても兼用できるので、さらに光学系全系の小型化や低コスト化が可能となる。
請求項10の発明によれば、2群以上のレンズ系で構成されるエキスパンダレンズは各レンズの硝材や焦点距離の組合せの自由度が大きく、対物レンズやコリメートレンズで発生する光ディスク記録面上の集光スポットの色収差を補正することができる。従って、装置の内部温度や光源の発光出力によって波長が変動した場合でも、光ディスク記録面上に形成されるスポットの集光位置が変わらないので、常に安定した記録再生が可能となる。また、請求項11の発明によれば、コリメートレンズを光束変更手段に用いることにより、余分な部品が不用となるため光学系全系の小型化が可能となる。
請求項12の発明によれば、コリメートレンズによる光束変更手段は、ディスクが多層の記録層の時には、コリメートレンズをそれぞれの位置でさらに移動させることにより、各記録層までの基板厚さにより発生する球面収差を補正することができる。すなはち、多層により発生する球面収差補正手段としても兼用できるので、さらに光学系全系の小型化や低コスト化が可能となる。
請求項13の発明によれば、1)複屈折媒体は薄くて軽量なので対物レンズとともに対物レンズアクチェータに搭載できる。従って発散光の時にも対物レンズの軸ずれによる集光スポット形状劣化などの悪影響が発生しないため、良好な記録再生性能が実現できる。2)液晶位相板を用いることにより移動機構が不用となり装置の小型化が実現される。
請求項14の発明によれば、1)偏光ホログラムは薄くて軽量なので対物レンズとともに対物レンズアクチェータに搭載できる。従って発散光の時にも対物レンズの軸ずれによる集光スポット形状劣化などの悪影響が発生しないため、良好な記録再生性能が実現できる。2)また、製造コストが安価であり、低コスト化が実現できる。
請求項15の発明によれば、1)複屈折媒体の形状を、光束変更手段のレンズ形状に収差補正形状をたし合わせた形状とすることにより光束変更手段と収差補正手段を一体化できるため部品点数が削減する。2)液晶位相板を用いれば、駆動電源でその駆動条件を切替えて2つの手段の効果を同時に切替えることができるため制御系の簡略化や切替の高速化ができる。
請求項16の発明によれば、1)ホログラムの位相伝達関数すなわちパターン形状を、光束変更手段の形状に収差補正形状をたし合わせた形状とすることにより光束変更手段と収差補正手段を一体化るため部品点数が削減する。2)液晶位相板を用いれば、駆動電源でその駆動条件を切替えて2つの手段の効果を同時に切替えることができるため制御系の簡略化や切替の高速化ができる。
請求項17、18の発明によれば、1)従来の液晶収差補正素子は、対物レンズと一体で駆動する必要があったが、光束変更手段と共に用いることにより、素子を固定部に配置できるようになる。従って対物レンズアクチェータ部が薄くなり軽量化するために装置の薄型化、高速化に寄与する。2)液晶素子は、ディスクが多層の記録層を持つ時には、駆動条件を変えることにより、各記録層までの基板厚さの違いにより発生する球面収差を補正することができる。すなはち、多層により発生する球面収差補正手段としても兼用できるので、さらに光学系全系の小型化や低コスト化が可能となる。
請求項19の光ディスクドライブ装置では、上述のような光ピックアップ装置を搭載して、共通の対物レンズを用いて、規格のことなる種々の光ディスクそれぞれについて、基板厚の違いによる収差を十分に補正して適切な開口を選定することができるので、簡易な構成で互換性を確保する光ディスクドライブ装置を実現することができる。
ここに、開口変更手段と光束変更手段により基板厚の異なる複数種類の光ディスクに記録再生を行なう課題解決のために、例えば、共通の光源と共通の対物レンズを用いて、基板厚の異なる複数種類の光ディスク記録面上に光源からの光束を集光させて記録、再生、消去の少なくとも1つ以上の動作を行なう光ピックアップ装置において、光ディスクの種類に対応して対物レンズの実効的開口数を変更する開口変更手段と、光ディスクの種類に対応して対物レンズに入射する光束の収束発散状態を変更する光束変更手段とを持つようにすることが考えられる。但し、このように対物レンズに入射する光束の収束発散状態を変更する光束変更手段だけでは、基板厚の違いで発生する収差を完全には補正できない。そのために、集光スポット形状が劣化してしまい記録再生性能が低下する難点を有する。
また、開口変更手段と光束変更手段を備えることにより基板厚の異なる複数種類の光ディスクに記録再生を行なうことが考えられる。すなわち、使用波長が略同一で、基板厚と開口数が異なる複数の光記録媒体に情報の記録或いは再生を行う光ピックアップにおいて、該光ピックアップは、光源と、各光記録媒体に集光するための対物レンズと、光記録媒体に応じて開口数を変化させる開口制限素子と、光記録媒体に応じて所定の収差を発生させる収差補正素子を備えるようにして、基板厚の異なる複数種類の光ディスクに記録再生を行なうことができる。但し、収差補正素子は対物レンズとの軸ずれを防ぐために、対物レンズと一体化する必要がある。そのために装置が大きくなり、高速化が困難である。本発明は、上記技術に見られる難点も解消した、新規な光ピックアップ装置を提供するものである。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施の形態について、図面に従って説明する。図1(a)は、本発明に係る光ピックアップ装置の第1の実施形態を要部で示す構成図である。図中、符号11の示すものは、ホログラムユニットであり、レーザ光源11Lと、ディスクからの反射光を回折して必要な信号を得るためのホログラム素子11h、各種信号を生成するための複数領域で構成された受光素子11pを持つ。図1(a)中の上図においてホログラムユニット11からの発散光束は、コリメートレンズ21で平行光となり、開口61Aで開口径を制限された後に対物レンズ7により光ディスク81Aの記録面上に集光する。ディスク81Aからの反射光は再びホログラムユニット11に入射して、受光素子11pによりトラック信号、フォーカス信号、情報信号などを生成する。対物レンズ7は図示しないアクチェータにより、トラック信号やフォーカス信号に従ってサーボがかけられて常にディスクの動きに追従してディスク記録面上に回折限界のスポットを集光する。
一方、下図において、上述の光ディスク81Aとは種類が異なっていて基板厚さ(ディスク表面と記録層の間隔)のちがう光ディスク81Bが装置に挿入された時には、開口変更手段により開口61Aは開口61Bと入れ替わる。さらに光束変更手段として凹レンズ3と、収差補正手段として厚さ形状が非球面形状であるような収差補正素子4がコリメートレンズの前方に挿入される。開口変更手段としては、例えば図1(b)において開口部材61は径のことなる開口61A、61Bと遮光領域61Cを持ち、矢印方向に移動して開口を切替える。この他、開口部材は、あるいはカメラなどで用いられている絞りシャッタなどであってもよい。これらの、開口変更手段、光束変更手段、および収差補正手段はそれぞれ、開口、凹レンズ、収差補正素子を移動するための図示しない適宜の移動機構を持つ。
ここで、例えば、対物レンズ7の形状は光ディスク81Aの基板厚に対して、記録面上にスポットを集光させるような設計になっているものとすると、基板厚のちがう光ディスク81Bに対しては、球面収差が発生してしまう。この収差は、凹レンズ3を用いて、対物レンズに入射する光束の収束発散状態を変えることによりある程度補正することができる。これについて図2と表1、表2を用いて詳述する。図2(a)は、Blu−ray規格相当の、(b)はHD−DVD規格相当の設計例をそれぞれ示している。
図2(a)において、対物レンズ7は、波長405nmの平行光束を基板厚0.1mmの光ディスク記録面上にNA0.85で集光するようなBlu−ray規格対応品である。焦点距離fは2.74mm、開口61Aの直径はφ4.66mm、軸上の波面収差は0.0057λrmsである。次の表1はそのレンズデータである。
Figure 2006252616
対物レンズの3面、4面の非球面形状Zは、中心軸からの距離をh、曲率半径をR、Rの逆数すなわち曲率をcとして下記一般式(1)で表される。
Figure 2006252616
図2(b)は、同一の光源と対物レンズを用いて基板厚0.6mmの光ディスクの時に、光源位置と作動距離を調整したものである。光源位置が無限遠の時には作動距離を調整しても軸上の波面収差は1.0λrms程度であるが、光源位置を47.432mm、作動距離を1.290mmとすることにより、軸上の波面収差を0.0221λrmsに低減できる。この時の開口61Bの直径はφ3.62mm、NA0.65である。次の表2はそのレンズデータである。
Figure 2006252616
つまり、光源位置を無限遠から47.432mmの有限位置にすることは、凹レンズ3により対物レンズに入射する波面形状を平面から球面にすることと同じであり、これによって基板厚の違いにより発生する球面収差の大部分を補正することができる。球面状の波面形状は、例えば上記一般式(1)と同じ式を用いた場合には、h項の係数cとして表される。
ところが、基板厚の違いで発生する球面収差にはh項以上の成分も含まれるために、0.0221λrmsの収差が残留することになる。図3(a)にこの時の残留収差による波面形状を示す。横軸は瞳直径、縦軸は波長を単位としたスケールである。形状の変化から高次項が含まれているのが分かる。この残留収差については収差補正手段で補正することができる。
図3(b)は収差補正素子を挿入した時の波面形状である。収差補正素子は1面が非球面形状でもう1面が平面のガラス板を想定した。この時のレンズデータを表3に示す。波面収差は0.0109λrmsに低減する。
Figure 2006252616
さらに図3(c)に示すように、従来例のような収差補正素子を用いた補正では、収差補正素子を固定部に配置してトラック追従動作のために対物レンズと開口を光軸直交方向にシフトさせた場合には、シフト量が大きくなると集光スポットの波面収差が著しく大きくなるために(“収差補正”ライン)、収差補正素子を対物レンズと一体で駆動する必要があった。これを光源を有限位置、すなわち凹レンズを挿入することで補正した場合には、ある程度のシフトを許容できるようになる(“有限系補正”ライン)が、説明してきたようにシフト量0mm付近の波面収差が残留してしまう。これにさらに収差補正素子を挿入することにより、波面収差はシフト領域全域にわたり低減する。特に相対的にはシフト量0mm付近の残留波面収差を低減することができる。(“有限系+収差補正”ライン)
以上のように基板厚と開口数の異なる規格について、対物レンズに入射する光束の収束発散状態を変えてさらに収差補正を行なうことにより、発生する球面収差を十分に小さくして対物レンズシフトによる影響も低減できることがわかる。光束の収束発散状態は、図1のように凹レンズの抜き差しや凹レンズの焦点距離によっても変わる、また基板厚毎にこれに対応した形状の収差補正素子を準備することによって基板厚の異なる様々な規格に対応できる。
〔第2実施形態〕
以上の例では説明の都合上、凹レンズと収差補正素子を分けて説明したが、凹レンズの面形状を非球面とすることにより凹レンズのみでも同様の効果が得られる。このように光束変更手段と収差補正手段を同一の光学的手段として形成した構成とすれば、部品点数の削減に寄与する。
〔第3実施形態〕
前述の開口変更手段として、有る領域について入射する光束の偏光方向により透過したりしなかったりする偏光フィルターを用いることができる。図4(a)の符号61は領域が形成された偏光フィルターであり、開口61Bの内側は、すべての偏光方向について透過する領域、61Aと61Bの間の輪帯領域は垂直方向の偏光を透過する領域、61Aの外側はすべての偏光方向について透過しない領域、とする。いま垂直方向の偏光を持つ光束が偏光フィルターに入射すると、61Aの開口で制限された光束が透過する。ここで、45度方向に遅延軸をもつλ/2板611を(b)のように挿入すると、偏光方向が水平方向に回転して偏光フィルターに入射する。従って偏光フィルターからは61Bの開口で制限された光束が透過する。
通常、対物レンズはアクチェータによりサーボがかけられて常にディスクの動きに追従するが、対物レンズに対して開口の軸ずれを起こさないためには開口も対物レンズと同じ動きをさせる必要がある。従って請求項1では図1(b)の61のような開口と、開口の移動機構をアクチェータに搭載する必要があったが、この実施形態のように偏光フィルターを開口とすれば、λ/2板を固定部に配置するようにして、アクチェータには図4の61のような軽量の部材を搭載するだけでよくなり、アクチェータの駆動負担が軽減し高速化が可能となる。
さらに、図4(c)のようにλ/2板を液晶素子612にして、駆動電源613でその駆動条件を切替えることにより液晶素子を透過する光束の偏光方向を垂直あるいは水平に変えることができる(液晶位相板)。このような液晶位相板を用いることにより移動機構が不用となり装置の小型化が実現される。
〔第4実施形態〕
開口変更手段として、有る領域について入射する光束の偏光方向により拡散したりしなかったりする偏光ホログラムを用いることができる。図5(a)の61は領域が形成された偏光ホログラムであり、開口61Bの内側はすべての偏光方向について透過する領域、61Aと61Bの間の輪帯領域は垂直方向の偏光を透過して、水平方向の偏光を回折により拡散する領域、61Aの外側はすべての偏光方向について透過しない領域、とする。
いま垂直方向の偏光を持つ光束が偏光ホログラムに入射すると、61Aの開口で制限された光束が透過する。ここで、45度方向に遅延軸をもつλ/2板611を(b)のように挿入すると、偏光方向が水平方向に回転して偏光ホログラムに入射する。従って偏光ホログラムからは61Bの開口で制限された光束が透過する。
第3実施形態と同様に、λ/2板を固定部に配置して、アクチェータには61のような軽量の部材を搭載するだけでよくなり、アクチェータの駆動負担が軽減し高速化が可能となる。さらに、第3実施形態では61Aと61Bの間の輪帯領域の透過しない偏光を反射してしまい、信号検出部のフレア光となる場合があったが、偏光ホログラムはこのような光束を拡散するのでそのような悪影響を低減でき、信号品質が向上するメリットがある。
〔第5実施形態〕
さらに、図5(c)のようにλ/2板を液晶素子612にして、駆動電源613でその駆動条件を切替えることにより液晶素子を透過する光束の偏光方向を垂直あるいは水平に変えることができる。この液晶位相板を用いることにより移動機構が不用となり装置の小型化が実現される。
〔第6実施形態〕
開口変更手段として、液晶素子と偏光板を組合せた液晶シャッタを用いることができる。図5(d)の61は液晶シャッタである。614は液晶素子であり、駆動電源613の制御により開口61Aと61Bの間の輪帯領域を透過する光束の偏光方向を変えることができる。すなはち、614は開口61Aと61Bの間の輪帯領域の形状に透明電極が形成されており、これに電界が印加されると液晶分子が回転して入射する偏光を素通りさせる。61Bの内側は電界が印加されないため入射する偏光は常に90度回転して出射される。61Aの外側はすべての偏光方向について透過しない領域、例えば通常の遮光板のような状態となっている。615は全面について水平方向の偏光を透過する偏光板である。
いま垂直方向の偏光を持つ光束が液晶シャッタに入射すると、61Aの開口で制限された水平方向の偏光をもつ光束が614から出射し、続いて615を透過する。
次に、駆動電源613により液晶素子に電界を印加すると、開口61Aと61Bの間の輪帯領域の垂直方向の偏光は偏光板615で遮光されて、61Bの径の光束が出射される。
このように、透明電極が形成された液晶素子を用いて開口領域を選択することにより、アクチェータには614と615の両方を搭載する必要があるが、多層の蒸着膜が必要である偏光フィルターや微細な格子形状や複雑な層構成が必要である偏光ホログラムが不用となり、低コスト化が実現される。
〔第7実施形態〕
上述したような光ピックアップ装置において、さらに波長選択性の開口変更手段を加えることにより、波長の異なるさらに多くの規格に対応できるようになる。
図5(e)は第4実施形態の偏光ホログラム61と液晶位相板612に波長選択性の開口616を用いた例である。波長選択性開口616は、多層膜あるいは回折格子によって領域が形成されていて、例えばBlu−rayやHD−DVDなどの405nm帯の波長は全領域で透過、DVDの660nm帯は領域62の内部のみ透過、CDの780nm帯は領域63の内部のみ透過する。
DVDとCDの時には、液晶位相板612を駆動電源613により偏光が素通りする状態にする。入射する偏光方向を図のように垂直方向とすることにより、DVDとCDの光束は61で61Aの開口制限を受けた後、616によりさらに小さく62、63に開口制限される。
〔第8実施形態〕
光束変更手段として、2群以上のレンズ系の群間隔を変えて出射光束の収束発散状態を変えるエキスパンダレンズを用いることができる。図6(a)の模式構成図で3はエキスパンダレンズであり、固定レンズ31と、エキスパンダアクチェータ33により光軸方向に移動する移動レンズ32によって構成される。エキスパンダレンズは図1(a)の凹レンズの代わりに配置されて、例えば81Aのディスクの場合には平行光束を、81Bのディスクの場合には移動レンズが移動して発散光束を出射する。前述実施形態の構成では凹レンズを光路中に抜き差しする機構が必要だったが、エキスパンダレンズを用いることにより、移動レンズをわずかに光軸方向に移動させるだけでよくなり、光学系全系の小型化が可能となる。
〔第9実施形態〕
エキスパンダレンズは、ディスクが多層の記録層を持つ時には、移動レンズをそれぞれの位置でさらに移動させることにより、各記録層までの基板厚さにより発生する球面収差を補正することができる。すなわち、多層により発生する球面収差補正手段としても兼用できるので、さらに光学系全系の小型化や低コスト化が可能となる。
〔第10実施形態〕
2群以上のレンズ系で構成されるエキスパンダレンズは各レンズの硝材や焦点距離の組合せの自由度が大きく、対物レンズやコリメートレンズで発生する光ディスク記録面上の集光スポットの色収差を補正することができる。従って、装置の内部温度や光源の発光出力によって波長が変動した場合でも、光ディスク記録面上に形成されるスポットの集光位置が変わらないので、常に安定した記録再生が可能となる。
〔第11実施形態〕
光束変更手段として、光源からの光束を平行光にするコリメートレンズを光軸方向に移動して出射光束の収束発散状態を変える手段を用いることができる。図6(b)の21はコリメートレンズであり、光軸方向にコリメートレンズを移動するアクチェータ22を持つ。コリメートレンズからの出射光は図1(a)の81Aのディスクの場合には平行光束、(b)の81Bのディスクの場合にはレンズが光軸方向に移動して発散光束を対物レンズに入射させる。コリメートレンズを光束変更手段に用いることにより、余分な部品が不用となるため光学系全系の小型化が可能となる。
〔第12実施形態〕
コリメートレンズによる光束変更手段は、ディスクが多層の記録層の時には、コリメートレンズをそれぞれの位置でさらに移動させることにより、各記録層までの基板厚さにより発生する球面収差を補正することができる。すなはち、多層により発生する球面収差補正手段としても兼用できるので、さらに光学系全系の小型化や低コスト化が可能となる。
〔第13実施形態〕
光束変更手段として、入射する光束の偏光方向によって出射する光束の収束発散状態を変更する複屈折媒体と、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板との組合せ手段を用いることができる。
図7(a)の34は複屈折媒体である。複屈折媒体は例えば特許文献3の液晶レンズのように、中心部(斜線部)に凹レンズ形状の液晶がガラス板によって挟まれた構成である。液晶の偏光選択性により(a)の紙面平行方向の偏光に対しては、液晶とガラスの屈折率が等しいため光束はレンズ作用を受けずに複屈折媒体を素通りする。一方、図7(b)のλ/2板35を挿入することにより偏光方向を紙面垂直方向に変えると、液晶とガラスの屈折率が異なるために、例えば液晶の屈折率の方が大きい時には光束は発散のレンズ作用を受けるので光ディスクの種類に対応して、球面収差補正が可能となる。
複屈折媒体は薄くて軽量なので対物レンズとともに対物レンズアクチェータに搭載できる。従って発散光の時にも対物レンズの軸ずれによる集光スポット形状劣化などの悪影響が発生しないため、良好な記録再生性能が実現できる。もちろん、固定部配置も可能である。
さらに、前述のようにλ/2板35を液晶素子にして、駆動電源でその駆動条件を切替えることにより液晶素子を透過する光束の偏光方向を垂直あるいは水平に変えることができる。従ってこの液晶位相板を用いることにより移動機構が不用となり装置の小型化が実現される。
〔第14実施形態〕
光束変更手段として、入射する光束の偏光方向によって出射する光束の収束発散状態を変更する偏光ホログラムと、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板との組合せ手段を用いることができる。
図7(c)の36は偏光ホログラムである。偏光ホログラムは回折効率について偏光選択性を持つので、(c)の紙面平行方向の偏光に対しては、1次以上の回折光が発生せずに入射光は0次光として素子を素通りする。一方、図7(d)のλ/2板35を挿入することにより偏光方向を紙面垂直方向に変えると、1次光の回折効率が大きくなり入射光は1次光としてホログラムの発散のレンズ作用を受ける。従って光ディスクの種類に対応して、球面収差補正が可能となる。
偏光ホログラムは薄くて軽量なので対物レンズとともに対物レンズアクチェータに搭載できる。従って発散光の時にも対物レンズの軸ずれによる集光スポット形状劣化などの悪影響が発生しないため、良好な記録再生性能が実現できる。もちろん、固定部配置も可能である。また、製造コストが安価であり、低コスト化が実現できる。
さらに、前述のようにλ/2板35を液晶素子にして、駆動電源でその駆動条件を切替えることにより偏光ホログラムに入射する光束の偏光方向を垂直あるいは水平に変えることができる。従ってこの液晶位相板を用いることにより移動機構が不用となり装置の小型化が実現される。
〔第15実施形態〕
第13実施形態の複屈折媒体は、封入する液晶の形状により収差補正手段としても用いることができる。動作は第13実施形態と同様であり説明は省略する。
さらに封入する液晶の形状を、第13実施形態の形状に収差補正形状をたし合わせた形状とすることにより光束変更手段と収差補正手段を一体化できる。液晶位相板を用いれば、駆動電源でその駆動条件を切替えて2つの手段の効果を同時に切替えることができる。
〔第16実施形態〕
第14実施形態の偏光ホログラムは回折格子のパターン形状により収差補正手段としても用いることができる。動作説明は第14実施形態と同様である。ホログラム格子のピッチや方向などのパターン形状は位相伝達関数として表され、入射する波面形状に付加した波面形状が回折光として出射する。従ってホログラムの位相伝達関数すなわちパターン形状を、請求項14の形状に収差補正形状をたし合わせた形状とすることにより光束変更手段と収差補正手段を一体化できる。さらに液晶位相板を用いれば、駆動電源でその駆動条件を切替えて2つの手段の効果を同時に切替えることができる。
〔第17実施形態〕
収差補正手段として、駆動条件により入射する光束の波面形状を変更することのできる公知の液晶素子を用いることができる。従来例の液晶収差補正素子は、対物レンズと一体で駆動する必要があったが、光束変更手段と共に用いることにより、図8の液晶素子4のように素子を固定部に配置できるようになる。
〔第18実施形態〕
液晶素子は、ディスクが多層の記録層を持つものの時には、駆動条件を変えることにより、各記録層までの基板厚さの違いにより発生する球面収差を補正することができる。すなわち、多層により発生する球面収差補正手段としても兼用できるので、さらに光学系全系の小型化や低コスト化が可能となる。
〔第19実施形態〕
次に、以上のような光ピックアップ装置を搭載した光ディスクドライブ装置の一例を図8に示す。図中の11、12、13はそれぞれBlu-rayまたはHD-DVD用青色ホログラムユニット、DVD用ホログラムユニット、CD用ホログラムユニットとする。2は光路変更手段であり、21はコリメートレンズ、22は光軸方向に可動なアクチェータである。42、43は固定のコリメートレンズである。
また、51は波長選択性プリズムであり、11の波長を透過、12の波長を反射する。52も波長選択性プリズムであり、11と12の波長を透過、13の波長を反射する。4は液晶素子による収差補正手段、41はその駆動電源である。612、61、616は図5(e)に示す構成の3波長についての開口である。偏光フィルタ61と波長選択性開口616は対物レンズ7と一体で移動する。
続いて、4種類のディスクが挿入された場合のそれぞれの動作を説明する。
1)ディスク81Aが挿入された時には、
ホログラムユニット11が点灯、
コリメートレンズ21は基準位置で平行光が出射、
液晶素子4は非駆動、
液晶位相板612は非駆動状態で開口61Aの光束が対物レンズに入射する。
2)ディスク81Bが挿入された時:
ホログラムユニット11が点灯、
コリメートレンズ21は基準位置から移動して発散光が出射、
液晶素子4は駆動状態となり、収差補正する、
液晶位相板612は駆動状態となり開口61Bの光束が対物レンズに入射する。
3)ディスク82が挿入された時:
ホログラムユニット12が点灯、
液晶素子4は非駆動、
液晶位相板612は非駆動、
616により開口制限された62の光束が対物レンズに入射する。
4)ディスク83が挿入された時:
ホログラムユニット13が点灯、
液晶素子4は非駆動、
液晶位相板612は非駆動、
開口616により開口制限された63の光束が対物レンズに入射する。
上記の、3)や4)の場合の液晶素子は、対物レンズがそれぞれ条件の収差補正を完全には行なえない時には、駆動して収差補正を行なう時もありうる。また、対物レンズの収差補正が完全であり、3)や4)の収差補正が不用な時には、駆動電源41、613は1つにすることもできる。
以上のような光ピックアップ装置を搭載した光ディスクドライブ装置は、共通の対物レンズを用いて、規格のことなる種々の光ディスクそれぞれについて、基板厚の違いによる収差を完全に補正して適切な開口を選定することができるので、簡易な構成で互換性を確保する光ディスクドライブ装置を実現することができる。
(a)は光ピックアップ装置の第1の実施形態を要部で示す構成図、(b)は開口変更手段である。 対物レンズ部の設計例を示す図で、(a)はBlu−ray規格、(b)はHD−DVD規格相当の場合を示す。 (a)〜(c)は、波面形状および波面収差を説明する図である。 (a)〜(c)は、それぞれ、開口変更手段の各種実施形態を説明する模式構成図である。 (a)〜(e)は、それぞれ、偏光ホログラム(開口変更手段)を説明する模式構成図である。 (a)〜(b)は、それぞれ、光束変更手段の各種実施形態を説明する模式構成図である。 (a)〜(d)は、光束変更手段の他の実施形態を説明する模式構成図である。 光ピックアップ装置を搭載した本発明の光ディスクドライブ装置の要部構成図である。
符号の説明
7…対物レンズ
11…ホログラムユニット
11L…レーザ光源
11h…ホログラム素子
11p…受光素子
12…ホログラムユニット
13…ホログラムユニット
2…光路変更手段
21,32…コリメートレンズ
20…光路変更手段
22…アクチェータ
3…凹レンズ(光束変更手段)、エキスパンダレンズ
31…固定レンズ
32…移動レンズ
33…エキスパンダアクチェータ
34…複屈折媒体
35…λ/2板
36…偏光ホログラム
4…ガラス板(収差補正素子)
41…駆動電源
42…コリメートレンズ
43…コリメートレンズ
51…波長選択性プリズム
52…波長選択性プリズム
6…開口部
61…偏光フィルタ(開口)
61A,61B…開口
61C…遮光領域
611…λ/2板
612…液晶素子(液晶位相板)
613…駆動電源
614…液晶素子
615…偏光板
616…波長選択性開口
81A,81B…光ディスク
82…光ディスク
83…光ディスク

Claims (19)

  1. 共通の光源と、共通の対物レンズを用いて、基板厚の異なる複数種類の光ディスク記録面上に光源からの光束を集光させて記録、再生、消去の少なくとも1つ以上の動作を行なう光ピックアップ装置において、
    光ディスクの種類に対応して対物レンズの実効的開口数を変更する開口変更手段と、光ディスクの種類に対応して対物レンズに入射する光束の収束発散状態を変更する光束変更手段と、光ディスクの種類に対応して対物レンズに入射する光束の波面形状を変更する収差補正手段とを有することを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記光束変更手段と収差補正手段とが同一の光学的手段であることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記光ディスクの種類には、基板厚0.1mm、開口数0.85のBlu−ray規格ディスクと基板厚0.6mm、開口数0.65のHD−DVD規格ディスクが含まれる、ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記開口変更手段は、入射する光束の偏光方向によって透過する光束の直径が変わる偏光フィルターと、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板とで構成される、ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記開口変更手段は、入射する光束の偏光方向によって透過する光束の直径が変わる偏光ホログラムと、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板とで構成される、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記開口変更手段は、光ディスクの種類に対応して透過する光束の直径を駆動条件により変えることのできる液晶シャッタで構成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  7. 波長選択性の開口変更手段も更に備えたことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記光束変更手段は、2群以上のレンズ系で構成されるエキスパンダレンズと、各レンズ群の間隔を光ディスクの種類に対応して変えることのできる移動機構とで構成される、ことを特徴とする請求項1または請求項3記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記移動機構は各レンズ群の間隔を、多層の記録層を持つ同一の光ディスクにおいて、各層に対応して更に変えることのできることを特徴とする請求項8記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記エキスパンダレンズは、光ディスク記録面上に形成される集光スポットの色収差を補正する色補正レンズであることを特徴とする請求項8記載の光ピックアップ装置。
  11. 前記光束変更手段は、光源と対物レンズとの光路中に配置されたコリメートレンズと、コリメートレンズを光ディスクの種類に対応して光軸方向に移動する移動機構とで構成されることを特徴とする請求項1または請求項3記載の光ピックアップ装置。
  12. 前記移動機構はコリメートレンズを、多層の記録層を持つ同一の光ディスクにおいて、各層に対応してさらに光軸方向に移動することができることを特徴とする請求項11記載の光ピックアップ装置。
  13. 前記光束変更手段は、入射する光束の偏光方向によって出射する光束の収束発散状態を変更する複屈折媒体と、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板とで構成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  14. 前記光束変更手段は、入射する光束の偏光方向によって出射する光束の収束発散状態を変更する偏光ホログラムと、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板とで構成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  15. 前記収差補正手段は、入射する光束の偏光方向によって出射する光束の波面形状を変更する複屈折媒体と、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板とで構成される、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  16. 前記収差補正手段は、入射する光束の偏光方向によって出射する光束の波面形状を変更する偏光ホログラムと、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板とで構成される、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  17. 前記収差補正手段は、駆動条件により入射する光束の波面形状を変更することのできる液晶素子であることを特徴とする請求項1または請求項3記載の光ピックアップ装置。
  18. 前記液晶素子は多層の記録層を持つ同一の光ディスクにおいて、各層に対応してさらに駆動条件を変えて補正する収差量を変える、ことを特徴とする請求項17記載の光ピックアップ装置。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置を搭載した、ことを特徴とする光ディスクドライブ装置。
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