JP2006251540A - 切り文字用シート、シートカートリッジ、シート処理装置およびシート処理方法 - Google Patents

切り文字用シート、シートカートリッジ、シート処理装置およびシート処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 切り抜いたキャラクタを貼着するためのアプリケーションシートを兼ねることができる切り文字用シート、シートカートリッジ、シート処理装置、およびシート処理方法を提供する。
【解決手段】 被着体113に貼着される所望のキャラクタ25を切り抜くための記録シートSrと、記録シートSrの裏面に塗着した粘着剤110と、粘着剤110を介して記録シートSrに貼着した剥離シートSpと、を備えた切り文字用シートTであって、記録シートSrの表面に対する粘着剤110の単位面積あたりの粘着力が、剥離シートSpに対する粘着剤110の単位面積あたりの粘着力よりも強く、且つ被着体113に対する粘着剤110の単位面積あたりの粘着力よりも弱く構成されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、いわゆる切り文字(記号や図形も含む)を形成するために用いられる切り文字用シート、シートカートリッジ、シート処理装置およびシート処理方法に関するものである。
従来、この種のカッティング装置(シート処理装置)として、裏面に粘着剤を塗着した記録テープと、粘着剤を介して記録テープに貼着した剥離テープと、で構成したカッティングテープ(切り文字用テープ)に対し、繰り出されたカッティングテープを切断し、切断したテープ片を切り抜き動作により、記録テープのみをキャラクタ形状に切抜きカットするものが知られている(特許文献1参照)。
そして、このカッティング装置によって得られたテープ片を、被着体に貼着するときは、切抜きカットされた記録テープのキャラクタ(切り文字)以外の不要部分を除去し、別途に用意した粘着性テープであるアプリケーションテープをキャラクタの表面に貼着し、カッティングテープの剥離テープを剥がして、キャラクタおよびアプリケーションテープを被着体に貼着する。そして、アプリケーションテープを剥がすと、キャラクタのみが被着体に整列配置して貼着される。これにより、アプリケーションテープを用いることで、ガラス等の被着体には、切り抜き文字等の装飾や表示が、整列配置して貼着することができる。
特開2004−114210号公報
しかしながら、上記のようにアプリケーションテープを別途に用意することは、ユーザにとって、煩雑となっていた。すなわち、カッティングテープとアプリケーションテープの双方が必要なため、どちらか一方がなくなった場合には、新たにテープ購入が必要となり、作業を中断せざるを得ない問題があった。また、アプリケーションテープが余るとテープ本体やこれに係る梱包資材が無駄になりゴミ等を増すこととなるので環境問題ともなる。また、定尺のシートから必要部分をカットして使用する場合には、不要な部分が多く発生し、ゴミ等の発生の原因となる。
本発明は、切り抜いたキャラクタを貼着するためのアプリケーションシートを兼ねることができる切り文字用シート、シートカートリッジ、シート処理装置およびシート処理方法を提供することを課題としている。
被着体に貼着される所望のキャラクタを切り抜くための記録シートと、記録シートの裏面に塗着した粘着剤と、粘着剤を介して記録シートに貼着した剥離シートと、を備えた切り文字用シートであって、記録シートの表面に対する粘着剤の単位面積あたりの粘着力が、剥離シートに対する粘着剤の単位面積あたりの粘着力よりも強く、且つ被着体に対する粘着剤の単位面積あたりの粘着力よりも弱く構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、記録シートの表面に対する粘着剤の粘着力が、剥離シートに対する粘着力よりも強く、且つ被着体に対する粘着力よりも弱いため、切り文字用シート自身をアプリケーションシートとして活用することができる。すなわち、切り文字用シートの記録シートに切抜き処理を行った処理用シートと、これと略同形で切り抜き処理がなされていない非処理用シートとを用意して、被着体に貼着する場合、先ず、処理用シートの記録シートのキャラクタ部分以外の不要部分を除去する。次に、処理用シートの記録シートの表面に、剥離シートを除去した非処理用シートの記録シートを貼着する。この際、記録シートの表面に対する粘着剤の粘着力が、剥離シートに対する粘着力よりも強いため、処理用シートの剥離シートを優先的に剥がすことができる。ここで、これを被着体に貼着すると、記録シートの表面に対する粘着剤の粘着力が、被着体に対する粘着力よりも弱いため、被着体にキャラクタ部分を残して非処理用シートのみを剥がすことができる。よって、被着体には、キャラクタ部分(切り文字)のみが貼着される。これにより、アプリケーションシートとカッティングシートとの双方を用意する必要がなく、どちらか一方がなくなった場合に新たに購入するといった煩雑さがなくなる。また、アプリケーションシートが余り、これが無駄になるということもなく、不要なゴミを発生させることはない。なお、被着体としては、鉄、銅、アルミ、ステンレス等の金属類、ガラス、アクリル樹脂、ABS樹脂等のプラスチック類、ナイロンビニール、セラミック、陶器、石等がある。
本発明のシートカートリッジは、カートリッジケースに、上記の切り文字用シートをロール状に且つ繰出し自在に収容したことを特徴とする。
この構成によれば、切り文字用シートをロール状に且つ繰出し自在に収容したことで、シートカートリッジから、切抜き処理される切り文字用シートおよびアプリケーションシートの役割を果たす切り文字用シートを得ることができる。
本発明のシート処理装置は、上記のシートカートリッジが着脱自在に装着され、シートカートリッジから繰り出された切り文字用シートに対し、カット処理するシート処理装置であって、切り文字用シートを正逆送りしながら、切り文字用シートの記録シートに対しキャラクタの切抜きカットを行う切抜きカット手段と、切抜き処理する処理部と処理部に連なりこれと略同長の非処理部とを併せた切り文字用シートを切断するフルカット手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、記録シートに所望のキャラクタが切り抜かれた切り文字用シートの処理部と、処理部と略同長且つ処理をしていない切り文字用シートの非処理部とを同時に得ることができる。つまり、定尺のアプリケーションシート等から必要部分をカットする必要がなく、アプリケーションシートとして用いる非処理部を、処理部と共に作成することができる。
この場合、フルカット手段は、処理部と非処理部とを個々に切り離すことが、好ましい。
この構成によれば、処理部と非処理部とを個々に切り離すことで、ユーザによる切断作業の手間を省くことができる。
この場合、切り文字用シートの記録シートのみを横断カットするハーフカット手段を、更に備え、ハーフカット手段は、処理部と非処理部とをその境界部分で横断カットすることが、好ましい。
この構成によれば、キャラクタ以外の不要部分を除去する作業を、処理部のみにおいて行うことができると共に、カットした境界部分を手がかりにして、容易に記録シートを剥がすことができる。また、剥離シートにおいて処理部と非処理部とは一体になっているため、どちらか一方を紛失するということはない。
この場合、切抜きカット手段は、ハーフカット手段を兼ねていることが、好ましい。
この構成によれば、切り抜きカット手段がハーフカット手段を兼ねることにより、別途ハーフカット手段を設ける必要がなく、装置構成を単純化することができる。
この場合、処理部と非処理部とを併せた長さの切り文字用シートをフルカットした後、切抜きカット手段により切抜きカットするようになっており、切り文字用シートのシート送り方向において、処理部は尾端側に、非処理部は先端側に設けられていることが、好ましい。
この構成によれば、シート送り方向尾端側から切り抜き処理がされるので、切抜きカット手段とフルカット手段との距離が短い場合に、フルカット後の処理シートを大きく引き戻す必要がなく、切抜きカット動作に迅速に移行することができる。
本発明のシート処理方法は、上記のシートカートリッジが着脱自在に装着され、シートカートリッジから繰り出された切り文字用シートに対し、カット処理するシート処理装置のシート処理方法であって、切り文字用シートの記録シートに対しキャラクタの切抜きカットを行う切抜きカット工程と、切抜き処理する処理部と処理部に連なりこれと略同長の非処理部とを併せた切り文字用シートを切断するフルカット工程と、処理部と非処理部との境界部分を切断する境界フルカット工程と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、記録シートに所望のキャラクタが切り抜かれた切り文字用シートの処理部と、処理部と略同長且つ処理をしていない切り文字用シートの非処理部とを同時に得ることができると共に、処理部と非処理部とを個々に切り離した状態で得ることができる。
この場合、境界フルカット工程に代えて、境界部分の記録シートのみをカットする境界ハーフカット工程を備えたことが、好ましい。
この構成によれば、剥離シートにおいて処理部と非処理部とが一体になっている切り文字用シートを得ることができるため、どちらか一方を紛失するということはない。また、カットした境界部分を手がかりにして、容易に記録シートを剥がすことができる。
以下、添付の図面を参照して、本発明の切り文字用シート、シートカートリッジおよびシート処理装置を、テープカートリッジに収容した切り文字用テープを処理するテープ処理装置に適用した実施形態について説明する。このテープ処理装置は、記録テープおよび剥離テープから成る切り文字用テープ(剥離紙付きテープ)をテープカートリッジから繰出して印刷処理を行った後、印刷済み部分をフルカット処理によりこれを切り離すと共に、切り離したテープ片に対してカッティング処理をさらに行うことにより、いわゆる切り文字(記号および図形を含む)を形成したテープ片を作成するものである。
図1は、テープ処理装置の外観斜視図である。同図に示すように、このテープ処理装置1は、上部ケース2および下部ケース3から成る装置ケース4により外郭を構成されている。上部ケース2の上面前方には、複数のキーを有し、各種データ入力用のキーボード5が配設されている。上部ケース2の上面後方には、その右部にディスプレイ6が組み込まれていると共に、ディスプレイ6の図示左側に隣接して、カートリッジ用開閉蓋7が開閉自在に設けられている。カートリッジ用開閉蓋7の内部には、テープカートリッジCを着脱自在に装着するカートリッジ装着部8(図2参照)が形成されている。また、上部ケース2の左側面には、処理済みの切り文字用テープTが排出されるテープ排出口9が形成されている。
なお、図中の符号10は、カッティング処理で用いられるカッティングバイト64(図2参照)を交換するためのバイト交換蓋であり、符号11は、カッティング処理でテープバッファとして用いられるテープ収容部61(図2参照、詳しくは後述する)を開放するための収容部開閉蓋である。
図2に示すように、装置ケース4の内部には、ユニット化された装置アッセンブリ15が収容されている。装置アッセンブリ15は、装置ケース4に固定された支持フレーム16と、支持フレーム16に組み込まれた内部装置17と、で構成されている。支持フレーム16は、カートリッジ装着部8を構成するカートリッジフレーム18と、これに添設された共通支持フレーム19と、を備えている。
なお、支持フレーム16および装置ケース4により、テープカートリッジCから繰出された切り文字用テープTを送るためのテープ送り経路20が形成されている。テープ送り経路20は、テープカートリッジCのテープ繰出し口(図示省略)からテープ排出口9にかけて直線的に形成された第1送り経路20aと、第1送り経路20aから略直角に分岐し、テープ収容部61に連通する第2送り経路20bと、で構成されている。
図2に示すように、内部装置17は、カートリッジフレーム18内に組み込まれ、切り文字用テープTに印刷処理を行う印刷ユニット21と、テープ送り経路20に臨むように共通支持フレーム19に支持され、切り文字用テープTにフルカット処理を行うフルカットユニット22と、位置共通支持フレーム19のフルカットユニット22下流側に支持され、切り文字用テープT(テープ片Ta)にカッティング処理を行うカッティングユニット23と、これら各ユニットを統括制御する図外の制御手段と、を備えている。
そして、このテープ処理装置1では、切り文字用テープTに対して、制御手段の制御に基づいて、印刷ユニット21を用いて印刷処理を行った後、フルカットユニット22およびカッティングユニット23を用いて、フルカット処理、カッティング処理を順次行うことにより、所望のキャラクタが印刷され、かつ所望のキャラクタ(切り文字)25が切抜きカットされたテープ片Taを作成できるようになっている(図4(a)参照)。
なお、図2に示すように、このテープ処理装置1に用いられるテープカートリッジCは、カートリッジケース30により全体をカバーリングされており、切り文字用テープTをロール状に巻回したテープリール31と、インクリボンRをロール状に巻回したリボン繰出しリール32と、繰り出したインクリボンRを巻き取るリボン巻取りリール33と、を備えている。また、テープカートリッジCには、後述する印刷ユニット21の印刷ヘッド40を遊挿する貫通開口34が形成されており、この貫通開口34に臨むように回転自在のプラテンローラ35が立設されている。
切り文字用テープTは、貫通開口34に臨んでおり、その先端は、貫通開口34の近傍に形成されたテープ繰出し口(図示省略)からテープカートリッジCの外部(テープ送り経路20)に引き出されている。インクリボンRは、貫通開口34の位置で切り文字用テープTと相互に重なり合った後、貫通開口34を周回して、リボン巻取りリール33に巻き取られる。
詳細は後述するが、切り文字用テープTは、粘着剤110を有し、印刷および切り抜き加工が為される記録テープSrに剥離テープSpを積層した切り文字用のものであり、処理後に切り抜きカットしたキャラクタ25を貼付できるようになっている。テープカートリッジCには、切り文字用テープTの地色や幅の異なる複数種のものが用意されており、テープカートリッジCの裏面には、これらを識別するための識別孔(図示省略)が複数設けられている。
一方、カートリッジ装着部8(の底板)には、テープ識別センサ36(図示省略)が配設されており、テープカートリッジCをカートリッジ装着部8にセットすると、テープカートリッジCの裏面に設けられた識別孔の配列(ビットパターン)から、切り文字用テープTの種類を識別できるようになっている。
なお、カートリッジ装着部8には、ラベル用テープを収容したテープカートリッジもセット可能に構成されており、テープ処理装置1により、ラベル用テープに印刷を行った後これを切断して、ラベルとして貼付可能なテープ片Taを得ることができる。そして、テープ識別センサ36は、切り文字用のテープカートリッジCが装着されたのか、ラベル作成用のテープカートリッジが装着されたのか、すなわちテープカートリッジCに収容されたテープの種類も検出できるようになっている。
次に、内部装置17の各手段について説明する。図2に示すように、印刷ユニット21は、テープカートリッジCから切り文字用テープTを繰り出して、印刷送りしながら印刷を行うものであり、印刷ヘッド(サーマルヘッド)40と、テープカートリッジCから切り文字用テープTを繰出しながら、テープ送り経路20に沿ってこれを送っていく印刷送り機構41と、を備えている。
印刷ヘッド40は、ヘッドカバーに覆われた状態で、カートリッジ装着部8に立設されており、カートリッジ装着部8にテープカートリッジCをセットすると、テープカートリッジCの貫通開口34に印刷ヘッド40が遊挿される。これにより、貫通開口34に位置する切り文字用テープTおよびインクリボンRを挟んで、印刷ヘッド40がプラテンローラ35に対峙する。
なお、印刷ヘッド40は、ヘッドリリース機構(図示省略)により、カートリッジ用開閉蓋7を閉じると、切り文字用テープTおよびインクリボンRを介して印刷ヘッド40がプラテンローラ35に当接し、切り文字用テープT(記録テープSr)に熱転写が可能な状態となる。
印刷送り機構41は、テープカートリッジCに配設されたプラテンローラ35と、プラテンローラ35を回転させるプラテン駆動軸43と、プラテン駆動軸43を回転させるための印刷送りモータ44と、減速歯車列を介して、印刷送りモータ44の動力をプラテン駆動軸43に減速して伝達する動力伝達機構(図示省略)と、を備えている。プラテン駆動軸43は、カートリッジ装着部8に立設され、カートリッジ装着部8にセットされたテープカートリッジCのプラテンローラ35に係合する。印刷送りモータ44を駆動すると、プラテン駆動軸43を介してプラテンローラ35が回転し、切り文字用テープTの繰出し送りが為されると共に、上記したテープ送り経路20に沿って、(印刷済みの)切り文字用テープTが順次フルカットユニット22、カッティングユニット23側へ送り出されてゆく。
なお、カートリッジ装着部8には、プラテン駆動軸43と共に、上記したリボン巻取りリール33に係合するリボン巻取り駆動軸45が立設されている。印刷送りモータ44の動力は、動力伝達機構を介してリボン巻取り駆動軸45にも伝達されており、プラテン駆動軸43およびリボン巻取り駆動軸45は、互いに同期して回転する。すなわち、切り文字用テープTの送りとインクリボンRの巻取りが同期して行われるようになっている。
次に、フルカットユニット22について説明する。図2に示すように、フルカットユニット22は、テープ送り経路20に臨み、印刷ユニット21から送られてきた切り文字用テープTをハサミ形式で切断するフルカッタ50と、フルカットモータ51と、フルカットモータ51の動力をフルカッタ50に伝達する動力伝達機構(図示省略)と、から成り、フルカッタ50に動力を供給して、これに切断動作(フルカット処理)させるフルカット駆動機構52と、を備えている。
フルカットユニット22(フルカッタ50)は、カートリッジ装着部8に隣接し、印刷ユニット21のテープ送り方向下流側に配設されている。そして、フルカット駆動機構52を駆動させてフルカッタ50を切り文字用テープTに切り込ませるフルカット処理により、印刷ユニット21から送られてきた切り文字用テープTを、設定された寸法にフルカットする。詳細は後述するが、このフルカットでは、カッティングユニット23にカット処理される処理部55と、これと同長の処理がされない非処理部56とを併せた長さにフルカットされる。
カッティングユニット23は、フルカットユニット22を経て切断された切り文字用テープT(テープ片Ta)に対して、記録テープSrのみ(厳密には剥離テープSpの表面まで切り込む)を切断するカッティング処理を行うものである。なお、この場合、カッティング処理には、切り文字用テープTのテープ幅方向を横断するように記録テープSrのみを切断する、いわゆるハーフカット処理を含む概念である。なお、詳細は後述するが、上記テープ片Taの処理部55と非処理部56との境界には、このハーフカット処理が行われる。
図2に示すように、カッティングユニット23は、テープ送り経路20(第1送り経路20a)に臨んで配設され、テープ送り経路20に沿って正逆送りしながら、記録テープSrのみをカッティングするカッティング処理を行うカッティング機構60と、第2送り経路20bに連なるテープ収容部61を有し、カッティング処理により正逆送りされる切り文字用テープTの尾端側を出し入れ自在に収容するテープ収容機構62と、カッティング処理のために、フルカットされた切り文字用テープTの尾端を第2送り経路20bに導くための経路変更機構63と、を備えている。
すなわち、カッティングユニット23では、先ずフルカットされた切り文字用テープTの尾端を経路変更機構63により第2送り経路20bに導くと共に、切り文字用テープTの尾端側を一旦テープ収容機構62に収容させた後、カッティング機構60により、テープ収容機構62からテープ排出口9に至るテープ送り経路20の間で切り文字用テープTを正逆送させて、カッティング処理を行うようになっている。
カッティング機構60は、第1送り経路20aに臨みかつ第2送り経路20bの下流側に配設され、記録テープSrに切り込みを行うカッティングバイト64と、カッティングバイト64をテープ幅方向に対して移動自在に支持するバイトキャリッジ65と、テープ送り方向と直交したテープ幅方向に往復動させるためのバイト移動機構66と、カッティングバイト64を上下方向にアップダウンさせることにより、記録テープSrからカッティングバイト64を離接させるバイトアップダウン機構67と、フルカットユニット22から送られてきた切り文字用テープTをテープ送り経路20に沿って正逆送りさせるカッティング送り機構68と、を備えている。
カッティングバイト64は、バイト70と、これを先端に保持するバイトホルダ71と、で構成されている。バイドキャリッジ65は、バイトホルダ71を着脱可能に支持している。装置ケース4には、カッティングバイト64の収容位置に対応させて、バイト交換蓋10が開閉自在に設けられており、ここからカッティングバイト64を適宜交換できるようになっている。
バイト移動機構66は、バイトキャリッジ65を介してカッティングバイト64を移動させるための動力源となるキャリッジ移動モータ72と、減速歯車列およびタイミングベルト(いずれも図示省略)を介して、キャリッジ移動モータ72の動力をバイトキャリッジ65に伝達する動力伝達機構(図示省略)と、を有している。
バイトアップダウン機構67は、アップダウンモータ73を有し、モータ駆動で(バイトキャリッジ65を介して)記録テープSrに対する切込み位置となるカッティング位置と記録テープSrから離間する待機位置との間でカッティングバイド64を移動させている。
カッティング送り機構68は、第1送り経路20aのテープ送り方向において、カッティングバイト64を挟むように設けられた一対の送りローラ74と、正逆回転可能に構成されたカッティング送りモータ75と、カッティング送りモータ75の動力を一対の送りローラ74に伝達する図外の動力伝達機構と、を有している。
一対の送りローラ74はいずれも、カッティング送りモータ75に接続された駆動ローラ76と、切り文字用テープTを介して駆動ローラ76に当接し、駆動ローラ76の回転に従って回転する従動ローラ(フリーローラ)77と、から成るグリップローラで構成されている。そして、従動ローラ77は、当該従動ローラ77を駆動ローラ76とのグリップ位置と非グリップ状態となる退避位置との間で移動させる退避機構(図示省略)が組み込まれた従動ローラ支持フレーム78に回転自在に軸支されている。したがって、印刷処理時には、退避機構を駆動して従動ローラ77を退避位置に移動させることにより、印刷中の切り文字用テープTのテープ送り経路20を適切に確保することが可能である。なお、本実施形態では、上記したアップダウンモータ73が退避機構を駆動させるための動力源として兼用になっている。
カッティング機構60では、バイト移動機構66、バイトアップダウン機構67、およびカッティング送り機構68をそれぞれ同期して駆動させることによりカッティング処理を行っている。すなわち、カッティング処理において、バイトアップダウン機構67によりカッティングバイト64を適宜アップダウンさせると共に、カッティング送り機構68による切り文字用テープTの正逆送りとバイト移動機構66によるカッティングバイト64のテープ幅方向への(往復)移動と、を同期させて行うことで、切り文字用テープT(の記録テープSr)に対し、所望の形状の切抜きカットを行うことができる。詳細は後述するが、上記のテープ片Taにおいて、処理部55はテープ送り方向の尾端側に、非処理部56は先端側に設定されており、尾端側の処理部55にキャラクタ25の切抜きカットが行われる。
テープ収容機構62は、カッティング処理により正逆送りされる切り文字用テープTの尾端が、印刷ユニット21(およびフルカットユニット22)に干渉することを防止するために、切り文字用テープTの尾端側を出し入れ自在に収容するものであり、第1送り経路20aを挟んで、カッティング機構60に対向した位置に設けられ、第2送り経路20bに連なるテープ収容部61と、テープ収容部61に配設され、第2送り経路20bを送られてきた切り文字用テープT(の尾端側)を順次巻き取ってゆく巻取りドラム80と、テープ収容部61に送られた切り文字用テープTを巻取りドラム80に付勢するテープ付勢機構81と、カッティング送りモータ75の動力を用いて、巻取りドラム80を切り文字用テープTの巻取り方向に回転させるための動力機構(図示省略)と、を備えている。
経路変更機構63は、第1送り経路20aと、第2送り経路20bとの分岐部分を遮断するための経路変更部材82と、第1送り経路20aを遮断する経路変更位置と第1送り経路20aを開放する待機位置との間で、経路変更部材82を移動可能に構成したモータ駆動の経路変更部材移動機構(図示省略)と、を備えている。そして、カッティング処理の開始に先立って、切り文字用テープTの尾端をテープ収容機構62に向かって送る際には、経路変更部材移動機構を駆動して、待機位置に臨む経路変更部材82を経路変更位置に移動させて第1送り経路20aの分岐部分を遮断することにより、第1送り経路20aからテープ収容機構62に向かって送られる切り文字用テープTの尾端を第2送り経路20bに導くようになっている。なお、アップダウンモータ73の動力は、動力伝達機構を介して経路変更部材移動機構にも伝達されており、経路変更部材移動機構は、退避機構と同期して経路変更部材82を移動させている。すなわち、退避機構により、送りローラ74が非グリップ状態になると、経路変更部材82が待機位置に臨み、送りローラ74がグリップ状態になると経路変更部材82が経路変更位置に臨むように構成されている。
制御手段は、テープ処理装置1の各手段に接続されており、テープ処理装置1全体を統括的に制御している。
次に、テープ処理装置1の主制御系について説明する。図3に示すように、テープ処理装置1は、キーボード5やディスプレイ6等を有し、印刷処理およびカッティング処理のための各種情報や各種指令を入出力するためのデータ入出力部90と、印刷ヘッド40および印刷送りモータ44を有し、印刷ヘッド40および印刷送りモータ44を同期させて駆動することにより、切り文字用テープTに印刷処理を行う印刷部91と、フルカットモータ51を有し、印刷済みの切り文字用テープTにフルカット処理を行うフルカット部92と、アップダウンモータ73、カッティング送りモータ75、キャリッジ移動モータ72を有し、これらを同期させて駆動することにより、フルカットされた切り文字用テープTにカッティング処理を行うカッティング部93と、テープ識別センサ36等の各種センサを有し、各種検出を行う検出部94と、印刷ヘッド40を駆動するヘッドドライバ95、ディスプレイ6を表示するディスプレイドライバ89、印刷送りモータ44を駆動する印刷送りドライバ98、フルカットモータ51を駆動するフルカットドライバ106、キャリッジ移動モータ72を駆動するキャリッジ移動ドライバ107、カッティング送りモータ75を駆動するカッティング送りドライバ108およびアップダウンモータ73を駆動するアップダウンドライバ109を有し、各部を駆動する駆動部96と、これら各部に接続され、テープ処理装置1全体の制御を行う制御部97と、を備えている。
制御部97は、一時的に記憶可能な記憶領域を有する他、制御処理のための作業領域として使用されるRAM100と、各種記憶領域を有し、制御プログラムや制御データ(色変換テーブルや文字修飾テーブル等)を記憶するROM101と、各種データを演算処理するCPU102と、周辺回路とのインタフェース信号を取り扱うための論理回路が組み込まれると共に、時間制御を行うためのタイマー103が組み込まれた周辺制御回路(P−CON)104と、これらを互いに接続するバス105と、が備えられている。
RAM100には、ユーザから入力されたキャラクタ情報が記憶されるキャラクタデータ領域120を有しており、ROM101には、切抜き処理される切り文字用テープTのテープ長を設定する処理テープ長設定プログラム121と、処理されるテープ長およびこれと同長のテープ長を併せたテープ長を繰出し設定する繰出しテープ長設定プログラム122と、繰り出されたテープ長の中央にハーフカットを行う中央カットプログラム123と、テープ送り方向尾端側に処理を行う尾端処理プログラム124と、を有している。
CPU102は、ROM101に記憶されている各種プログラムを読み出して起動させると共に、RAM100キャラクタデータ領域120に記憶させているキャラクタ情報を読み出して、演算処理を行う。これにより、テープ片Taの先端側半部(非処理部56)には、カッティング処理は為されず、尾端側半部(処理部55)には、カッティング処理が為され、かつ、処理部55と非処理部56との境界にハーフカット処理がなされる。
本実施形態のテープ処理装置1では、印刷ユニット21およびカッティングユニット23を備えているため、上記のように単一のテープ片Taに、印刷処理およびカッティング処理を行うことができるが、印刷処理のみ、あるいはカッティング処理のみを行うことも可能である。なお、上記の説明は、カッティング処理のみを行うことを前提としている。
次に、本実施形態に係る切り文字用テープTについて詳細に説明する。上述したように、裏面に粘着剤110を塗着した記録テープSrと、粘着剤110を介して記録テープSrの裏面に貼着した剥離テープSpと、で構成されている。記録テープSrは、表面に易接着処理がなされたPET(ポリエチレンテレフタレート)を基材とし、その裏面側に着色塗工層を積層して構成されている。着色塗工層に塗着された粘着剤110は、アクリル系粘着剤で構成されている。剥離テープSpは、PETを基材とし、表面にシリコン樹脂層を積層して構成されている。この場合、記録テープSrの表面に対する粘着剤110の単位面積あたりの粘着力は、剥離テープSpに対する粘着剤110の単位面積あたりの粘着力と、被着体113に対する粘着剤110の単位面積あたりの粘着力とを比べると、前者の方が粘着力は強く、後者のほうが弱く調節されている。すなわち、処理部55および非処理部56を有したテープ片Taを例にすると、処理部55の記録テープSr(以下、処理記録テープ片111という)の表面に、非処理部56の記録テープSr(以下、非処理記録テープ112という)を貼着して、剥離テープSpを剥がす場合、剥離テープSp表面にはシリコン樹脂が塗布されているため、剥がれやすくなっている。一方、表面に非処理記録テープ片112が貼着された処理記録テープ片111を、貼着する対象物である被着体113に貼着して、非処理記録テープ片112を剥がす場合、処理記録テープ片111の表面には易接着処理がなされているため、非処理記録テープ片112が、剥がれやすくなっている。なお、本実施形態における記録テープSrの厚さは43〜53μmに、粘着剤の厚さは10〜20μmに、そして剥離テープSpの厚さは50μmに形成されている。
ここで、被着体113として対象となるものは、鉄、銅、アルミ、ステンレス等の金属類、ガラス、アクリル樹脂、ABS樹脂等のプラスチック類、ナイロンビニール、セラミック、陶器、石等が含まれる。一方、被着体113として対象とならないものは、紙類、革、布類、木材、ゴム、シリコン製品、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、石膏ボード、畳、じゅうたん、ろうそく、コンクリート、氷、生物、塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、テフロン(登録商標)が含まれる。
ここで、図4および図5を参照し、上記のテープ処理装置1から得られたテープ片Taについて説明する。テープ片Taには、テープ送り方向の尾端側にキャラクタ25が切り抜かれた処理部55と、先端側に処理が為されていない非処理部56と、処理部55と非処理部56との境界部分に横断カットされたハーフカットライン57とが、設けられており、処理部55と非処理部56とは同長(同形)に形成されている(図4(a)参照)。
次に、このテープ片Taを用いて、処理部55に形成されたキャラクタ25を被着体113に貼着する貼着手順について説明をする。ユーザは、先ず、処理部55の処理記録テープ片111に形成されたキャラクタ25以外の不要部分115を、ハーフカットライン57を手がかりとして剥離テープSpから除去する(図4(b)参照)。次に、非処理記録テープ片112も、ハーフカットライン57を手がかりとして剥離テープSpから引き剥がす。今度は、引き剥がした非処理記録テープ片112を、キャラクタ25を覆うようキャラクタ25表面、すなわち処理記録テープ片111の表面に貼着する(図4(c)参照)。
続いて、非処理記録テープ片112を貼着した処理記録テープ片111から剥離テープSpを剥がす(図5(a)参照)。この状態で、キャラクタ25は非処理記録テープ片に貼着された状態になる。次に、これを被着体113に貼着する(図5(b)参照)。すなわち、被着体113には、キャラクタ25と、キャラクタ25表面に貼着された非処理記録テープ片111と、が貼着される。この後、非処理記録テープ片112のみを剥がし、これにより、被着体113には、キャラクタ25のみが貼着される(図5(c)参照)。
以上の構成によれば、切り文字用テープTをいわゆるアプリケーションテープとして用いることができ、アプリケーションテープを別途用意する必要がなくなる。すなわち、ユーザは、テープ処理装置1から繰出された処理部55と非処理部56が一体のテープ片Taだけで所望のキャラクタ25を被着体113に貼着することができる。これにより、別途アプリケーションテープを用意するという煩雑さがなくなる。なお、本実施形態では、処理部55と非処理部56との境界部分において、記録テープSrのみをハーフカットしたが、記録テープSrおよび剥離テープSpをフルカットしてもよい。かかる場合には、処理部55への切抜きカットに先立ち、非処理部56をテープ処理装置1から排出しておく。
実施形態に係るカッティング装置の外観斜視図である。 走行経路周りの平面図である。 カッティング装置の制御ブロック図である。 (a)は処理後のテープ片であり、(b)および(c)は貼着手順の前半部である。 (a)、(b)および(c)は貼着手順の後半部である。
符号の説明
1 テープ処理装置 22 フルカットユニット
23 カッティングユニット 25 キャラクタ
50 フルカッタ 55 処理部
56 非処理部 57 ハーフカットライン
64 カッティングバイト 110 粘着剤
113 被着体 115 不要部分
T 切り文字用テープ Ta テープ片
R インクリボン C テープカートリッジ
Sr 記録テープ Sp 剥離テープ

Claims (9)

  1. 被着体に貼着される所望のキャラクタを切り抜くための記録シートと、前記記録シートの裏面に塗着した粘着剤と、前記粘着剤を介して前記記録シートに貼着した剥離シートと、を備えた切り文字用シートであって、
    前記記録シートの表面に対する前記粘着剤の単位面積あたりの粘着力が、前記剥離シートに対する前記粘着剤の単位面積あたりの粘着力よりも強く、且つ前記被着体に対する前記粘着剤の単位面積あたりの粘着力よりも弱く構成されていることを特徴とする切り文字用シート。
  2. カートリッジケースに、請求項1に記載の切り文字用シートをロール状に且つ繰出し自在に収容したことを特徴とするシートカートリッジ。
  3. 請求項2に記載のシートカートリッジが着脱自在に装着され、前記シートカートリッジから繰り出された前記切り文字用シートに対し、カット処理するシート処理装置であって、
    前記切り文字用シートを正逆送りしながら、前記切り文字用シートの前記記録シートに対し前記キャラクタの切抜きカットを行う切抜きカット手段と、
    切抜き処理する処理部と前記処理部に連なりこれと略同長の非処理部とを併せた前記切り文字用シートを切断するフルカット手段と、
    を備えたことを特徴とするシート処理装置。
  4. 前記フルカット手段は、前記処理部と前記非処理部とを個々に切り離すことを特徴とする請求項3に記載のシート処理装置。
  5. 前記切り文字用シートの前記記録シートのみを横断カットするハーフカット手段を、更に備え、
    前記ハーフカット手段は、前記処理部と前記非処理部とをその境界部分で横断カットすることを特徴とする請求項3に記載のシート処理装置。
  6. 前記切抜きカット手段は、前記ハーフカット手段を兼ねていることを特徴とする請求項5に記載のシート処理装置。
  7. 前記処理部と前記非処理部とを併せた長さの前記切り文字用シートをフルカットした後、前記切抜きカット手段により切抜きカットするようになっており、
    前記切り文字用シートのシート送り方向において、前記処理部は尾端側に、前記非処理部は先端側に設けられていることを特徴とする請求項3、5または6に記載のシート処理装置。
  8. 請求項2に記載のシートカートリッジが着脱自在に装着され、前記シートカートリッジから繰り出された前記切り文字用シートに対し、カット処理するシート処理装置のシート処理方法であって、
    前記切り文字用シートの前記記録シートに対し前記キャラクタの切抜きカットを行う切抜きカット工程と
    切抜き処理する処理部と前記処理部に連なりこれと略同長の非処理部とを併せた前記切り文字用シートを切断するフルカット工程と、
    前記処理部と前記非処理部との境界部分を切断する境界フルカット工程と、
    を備えたことを特徴とするシート処理方法。
  9. 前記境界フルカット工程に代えて、境界部分の前記記録シートのみをカットする境界ハーフカット工程を備えたことを特徴とする請求項8に記載のシート処理方法。
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JP2013075370A (ja) * 2011-09-29 2013-04-25 Casio Electronics Co Ltd ラベル作成装置およびラベル作成方法

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