JP2006251327A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは、感光層に特定のビスアゾ顔料を含有する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
従来、電子写真感光体としては、セレン、硫化カドミウム及び酸化亜鉛等の無機光導電性物質が広く用いられていた。一方、有機光導電性物質を用いた電子写真感光体としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールに代表される光導電性ポリマーや2,5−ビス−(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールのような低分子の光導電性物質を用いたもの、更にはこのような有機光導電性物質と各種染料や顔料を組み合わせたもの等が知られている。有機光導電性物質を用いた電子写真感光体は成膜性が良く、塗工によって生産できるため、極めて生産性が高く、安価な電子写真感光体を提供できる利点を有している。また、使用する染料や顔料等の選択により、感色性を自在にコントロールできる等の利点を有し、これまで幅広い検討がなされてきた。特に最近では、有機光導電性ポリマーや低分子の光導電性物質を含有した電荷輸送層を積層した機能分離型電子写真感光体の開発により、従来の有機電子写真感光体の欠点とされていた感度や耐久性に著しい改善がなされてきた。
中でも、アゾ顔料は優れた光導電性を示し、しかもアミン成分とカプラー成分の組み合わせ方で様々な特性を有する化合物が容易に得られることから、これまで多数の化合物が提案されている。従来から用いられているアゾ顔料のカプラーは、そのほとんどが2−ヒドロキシナフタレン−3−カルボン酸を原料として合成される誘導体である(例えば、特許文献1)。本発明において用いる2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の誘導体を用いたビスアゾ顔料は、感度や繰り返し特性の面で実用化には十分なものではなかった(例えば、特許文献2〜4参照)。
特開平1−315755号公報
国際公開第00/23525号パンフレット
国際公開第98/17728号パンフレット
国際公開第01/087859号パンフレット
本発明者等は、2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジカルボン酸の誘導体をカプラー成分として用いて得られるアゾ顔料に関して鋭意検討した結果、該カプラー成分と特定のアゾ成分とから合成されるビスアゾ顔料を用いた電子写真感光体が、優れた感度特性と繰り返し特性を有することを見いだし、本発明に至ったものである。
本発明の目的は、新規ビスアゾ顔料を用いて、実用的な高感度特性と繰り返し使用時の安定した電位特性を有する電子写真感光体を提供することである。
本発明の別の目的は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することである。
本発明に従って、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体であって、該感光層が下記式(1)で示されるビスアゾ顔料を含有することを特徴とする電子写真感光体が提供される。
本発明に従って、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置が提供される。
上記、R1及びR2で表される基の表現において、アルキル基としては、メチル、エチル及びプロピル等の基、アリール基としてはフェニル、ナフチル及びアンスリル等の基、複素環基としてはピリジル、チエニル、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル及びベンゾチアゾリル等の基、窒素原子を環内に含む環状アミノ基としてはピロール、ピロリン、ピロリジン、ピロリドン、インドール、インドリン、カルバゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリゾリン、オキサジン及びフェノキサジン等が挙げられる。
これらの基が有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基及びプロポキシ基等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等のハロゲン原子、ジメチルアミノ及びジエチルアミノ等のジアルキルアミノ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基、フェニルカルバモイル基、ハロメチル基及びハロメトキシ基等が挙げられる。
上述したように、本発明の電子写真感光体は、感光層に特定構造のビスアゾ顔料を用いたことにより、感度や繰り返し使用時の電位安定性に優れた特性が得られるという顕著な効果を奏し、また、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置においても同様の顕著な効果を奏する。
以下に、本発明に用いられる、ビスアゾ顔料の化合物例を列挙するが、これらに限定されるものではない。ビスアゾ顔料に関する基本型に対して前記式(1)のAr、A1〜A4に相当する部分のみを表1〜表5(例示化合物1−1〜5−14)に記載した。
なお、本発明において用いられる前記式(1)で示されるビスアゾ顔料において、A1〜A4が下記式(4)又は式(5)で表される有機残基を有するビスアゾ顔料が好ましく、特にはA1〜A4が下記式(4)で表される有機残基を有し、R3が置換又は無置換のフェニル基であり、mが0であるビスアゾ顔料が、電子写真特性上特に好ましい。
本発明において用いる一般式(1)で示されるビスアゾ顔料は、相当するジアミンを常法によりテトラゾ化し、アルカリの存在下にカプラーと水系でカップリングするか、テトラゾニウム塩をホウフッ化塩や塩化亜鉛複塩等に変換し単離した後、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の有機溶剤中で酢酸ソーダ、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン等の塩基の存在下、カプラーとカップリングすることによって容易に合成できる。一般式(1)中の2つのカプラー成分が異なるビスアゾ顔料を合成する場合は、前述のテトラゾニウム塩1モルに対し、初めに一方のカプラー1モルをカップリングさせ、次いで、もう一方のカプラー1モルをカップリングさせて合成するか、あるいは、ジアミンの一方のアミノ基をアセチル基等で保護しておき、これをジアゾ化し一方のカプラーをカップリングさせた後、保護基を塩酸等で加水分解し、これを再びジアゾ化しもう一方のカプラーをカップリングさせて合成することができる。
ビスアゾ顔料の合成例(例示化合物1−7の合成)
下記式で示されるアミン化合物18g(0.062モル)を
下記式で示されるアミン化合物18g(0.062モル)を
次に、300mlビーカーにN,N−ジメチルホルムアミド100mlを入れ、下記カプラー2.9gを溶解し液温0℃に冷却した後、上記で得たホウフッ化塩化合物1.5gを添加後、1分間攪拌した後に、N−メチルモルホリン0.72gを3分間かけて滴下した。
その後、液温0〜5℃で2時間撹拌、更に室温で1時間攪拌した後、吸引濾過した。N,N−ジメチルホルムアミド150mlでろ過器上で洗浄を2回行った。取り出したろ過物を、N,N−ジメチルホルムアミド150mlで2時間分散洗浄した後に吸引ろ過した。この工程を4回繰り返し、更にイオン交換水200mlで2時間分散洗浄した後に吸引ろ過した。この工程を4回繰り返した後、凍結乾燥して例示化合物1−7を得た(収量2.60g、収率69.4%)。得られた化合物のIR吸収スペクトルを図3に示す。IR(KBr)cm−1=3435、1685、1593、1531、1485。なお、以上の製造工程は全て黄色光下で実施した。
上記ビスアゾ顔料は、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。更に、必要に応じて、ピリリウム系染料、チアピリリウム系染料、アズレニウム系染料、チアシアニン系染料及びキノシアニン系染料等のカチオン染料、スクエアリウム塩系染料、上記ビスアゾ顔料以外のアゾ系顔料、アントアントロン系顔料、ジベンズピレンキノン系顔料及びピラントロン系顔料等の多環キノン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、ペリレン系顔料、フタロシアニン系顔料等の電荷発生材料を混ぜて用いてもよい。
電荷発生層の結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂あるいは有機光導電性ポリマーから選択されるが、ポリビニルブチラール、ポリビニルベンザール、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、フェノキシ樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂及びポリウレタン等やこれら2つ以上の共重合体等が好ましく、これらの樹脂は、置換基を有してもよく、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基及びトリフルオロメチル基等が好ましい。また、結着樹脂の使用量は、電荷発生層全質量に対して80質量%以下であることが好ましく、更には60質量%以下であることがより好ましい。
電荷発生層は、電荷発生材料を結着樹脂及び溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター及びロールミル等を用いた方法が挙げられる。電荷発生材料と結着樹脂との割合は、1:0.1〜1:4(質量比)の範囲が好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生材料の溶解性や分散安定性から選択され、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテルや、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、ペンタノン等のケトンや、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミンや、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステルや、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族や、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコールや、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエチレン、四塩化炭素、トリクロロエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
電荷発生層用塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法及びブレードコーティング法等の塗布方法を用いることができる。また、電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.1〜2μmであることがより好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、増粘剤等を必要に応じて添加することもできる。
電荷発生層上には、電荷輸送層が設けられる。電荷輸送層は、電界の存在下にて電荷発生層から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有している。電荷輸送層は、電荷輸送材料を必要に応じて適当な結着樹脂と共に溶剤中に溶解した塗布液を塗布することによって形成される。その膜厚は、3〜40μmであることが好ましく、特には5〜35μmであることがより好ましい。
電荷輸送材料には、電子輸送材料と正孔輸送材料がある。
電子輸送材料としては、例えば、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、クロラニル及びテトラシアノキノジメタン等の電子吸引性材料やこれらの電子吸引性材料を高分子化したもの等が挙げられる。
正孔輸送材料としては、例えば、ピレン及びアントラセン等の多環芳香族化合物、カルバゾール系、インドール系、オキサゾール系、チアゾール系、オキサジアゾール系、ピラゾール系、ピラゾリン系、チアジアゾール系及びトリアゾール系化合物等の複素環化合物、ヒドラゾン系化合物、スチリル系化合物、ベンジジン系化合物、トリアリールメタン系化合物、フェニレンジアミン系化合物、ビスシクロヘキシルアミン系化合物及びトリフェニルアミン系化合物が挙げられる。
また、これらの電荷輸送材料は、1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。電荷輸送材料が成膜性を有していない場合には、適当な結着樹脂を用いることができる。
電荷輸送層の結着樹脂としては、アクリル樹脂、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩素化ゴム等の絶縁性樹脂あるいはポリ−N−ビニルカルバゾール及びポリビニルアントラセン等の有機光導電性ポリマー等が挙げられる。これらは単独、混合又は共重合体として1種又は2種以上用いることができる。
また、上記電荷輸送材料から誘導される基を主鎖又は側鎖に有する高分子(例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン等)等の電荷輸送材料と結着樹脂の機能を兼ね備えた光導電性樹脂を用いてもよい。
ただし、図2(a)に示すように、感光層21が支持体側から電荷発生層23、電荷輸送層24をこの順に積層した層構成の電子写真感光体に使用する場合は、使用するイメージ露光光源に対して透過性が高い電荷輸送材料や結着樹脂を選択する必要がある。
電荷輸送層用塗布液に用いる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、テトラヒドロフラン、ジメトキシメタン等のエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン原子で置換された炭化水素等が用いられる。
電荷輸送層用塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法等の塗布方法を用いることができる。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、フィラー等を必要に応じて添加することもできる。
また、感光層が単層型である場合、該単層型の感光層は、上記電荷発生材料及び上記電荷輸送材料を上記結着樹脂及び上記溶剤と共に分散して得られる単層型の感光層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
感光層上には、該感光層を機械的外力や化学的外力等から保護することを目的として、また、転写性やクリーニング性の向上を目的として、保護層を設けてもよい。
保護層は、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリウレタン、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマー及びスチレン−アクリロニトリルコポリマー等の樹脂を有機溶剤によって溶解して得られる保護層用塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。
また、保護層に電荷輸送能を併せ持たせるために、電荷輸送能を有するモノマー材料や高分子型の電荷輸送材料を種々の架橋反応を用いて硬化させることによって保護層を形成してもよい。硬化させる反応としては、ラジカル重合、イオン重合、熱重合、光重合、放射線重合(電子線重合)、プラズマCVD法及び光CVD法等が挙げられる。
更に、保護層中に導電性粒子、紫外線吸収剤及び耐摩耗性改良剤等を含ませてもよい。導電性粒子としては、例えば、酸化錫粒子等の金属酸化物が好ましい。耐摩耗性改良剤としては、フッ素系樹脂微粉末、アルミナ、シリカ等が好ましい。保護層の膜厚は0.5〜20μmであることが好ましく、特には1〜10μmであることが好ましい。
感光層が形成される導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル、インジウム、金や白金等が用いられる。また、こうした金属あるいは合金を真空蒸着したプラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート及びアクリル樹脂等)や導電性粒子(例えば、カーボンブラックや銀粒子等)を適当な結着樹脂と共にプラスチック又は金属基板上に被覆した支持体あるいは導電性粒子をプラスチックや紙に含浸した支持体等を用いることができる。
導電性支持体と感光層の中間にバリヤー機能と接着機能を有する下引き層を設けることもできる。下引き層は、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン等)、ポリウレタン、酸化アルミニウム等によって形成できる。下引き層の膜厚は5μm以下、好ましくは0.1〜3μmが適当である。
有機電子写真感光体の表面層とは、図2(a)では電荷輸送層、図2(b)では電荷発生層、図2(c)では感光層を意味し、また、これらに保護層を設けた場合は保護層が表面層となる。
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成を示す。
図1において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、原稿からの反射光であるスリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に対し、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
形成された静電潜像は、次いで現像手段5内の荷電粒子(トナー)で正規現像又は反転現像により可転写粒子像(トナー像)として顕画化され、不図示の給紙部から電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材7に、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が転写手段6により順次転写されていく。この時、転写手段にはバイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。
トナー画像の転写を受けた転写材7(最終転写材(紙やフィルム等)の場合)は、電子写真感光体面から分離されて像定着手段8へ搬送されてトナー像の定着処理を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。転写材7が一次転写材(中間転写材等)の場合は、複数次の転写工程の後に定着処理を受けてプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナー等の付着物の除去を受けて清浄面化される。近年、クリーナレスシステムも研究され、転写残りトナーを直接、現像器等で回収することもできる。更に、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9等の構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくとも1つを電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール等の案内手段12を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動又は液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応し得るが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用し得るものである。
以下に電子写真感光体の製造方法を示した。以下、「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
アルミニウムシート上にメトキシメチル化ナイロン樹脂(数平均分子量32000)5部と、アルコール可溶性共重合ナイロン樹脂(数平均分子量29000)10部を、メタノール180部/ブタノール90部の混合溶媒中に溶解した中間層用溶液をマイヤーバーで塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
アルミニウムシート上にメトキシメチル化ナイロン樹脂(数平均分子量32000)5部と、アルコール可溶性共重合ナイロン樹脂(数平均分子量29000)10部を、メタノール180部/ブタノール90部の混合溶媒中に溶解した中間層用溶液をマイヤーバーで塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
次に、ビスアゾ顔料(例示化合物1−7)5部をシクロヘキサノン95部にブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業(株)製)2部を溶かした液に加え、直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で20時間分散した後、酢酸エチル160部で希釈して分散液を調製した。この分散液を中間層上にマイヤーバーで塗布し、80℃で10分間乾燥して膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式で示される構造を有する電荷輸送材料(A)5部とポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ−200、三菱瓦斯化学(株)製)5部をクロロベンゼン35部に溶解し、この液を電荷発生層上にマイヤーバーで塗布し120℃で60分間乾燥して膜厚が25μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
作製した電子写真感光体を静電複写紙試験装置(EPA−8100、川口電機(株)製)を用いて−5KVのコロナ放電で負に帯電させた後、ハロゲンランプを用いて照度10ルックスの光で露光し、表面電位が初期表面電位の半分に減衰するために必要な露光量を求めた。このようにして求めた半減露光量(E1/2)は1.4lux・secであった。
次に、上記静電複写試験紙装置を用いて帯電(Vd)及び明電位(Vl)をそれぞれ−700V、−200V付近に設定し、ハロゲンランプを用いて帯電、露光を3000回繰り返した結果、Vdが−695V、Vlが−205V(変動量ΔVd=−5V、ΔVl=+5Vと表記、以下同様)であった。
(実施例2〜40)
実施例1に使用した電子写真感光体中のビスアゾ顔料を表6〜表10に示す例示化合物にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にしてE1/2、ΔVd、ΔVlを求めた。結果を表6〜表10に示す。
実施例1に使用した電子写真感光体中のビスアゾ顔料を表6〜表10に示す例示化合物にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にしてE1/2、ΔVd、ΔVlを求めた。結果を表6〜表10に示す。
(比較例1〜15)
実施例1に使用した電子写真感光体中のビスアゾ顔料を下記式で示される構造を有する比較例ビスアゾ顔料(1)〜(15)にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にしてE1/2、ΔVd、ΔVlを求めた。結果を表6〜表10に示す。
実施例1に使用した電子写真感光体中のビスアゾ顔料を下記式で示される構造を有する比較例ビスアゾ顔料(1)〜(15)にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にしてE1/2、ΔVd、ΔVlを求めた。結果を表6〜表10に示す。
これらの結果から、本発明の電子写真感光体はいずれもハロゲンランプ等の白光源に対し高感度かつ耐久電位変動が小さいことがわかる。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
20 支持体
21 感光層
22 電荷発生材料
23 電荷発生層
24 電荷輸送層
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
20 支持体
21 感光層
22 電荷発生材料
23 電荷発生層
24 電荷輸送層
Claims (6)
- 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体であって、該感光層が下記式(1)で示されるビスアゾ顔料を含有することを特徴とする電子写真感光体:
- 前記感光層が前記式(1)で示されるビスアゾ顔料を含む電荷発生層と電荷輸送層の少なくとも2層からなる請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現像する現像手段及び転写工程後の電子写真感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段とを共に一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した電子写真感光体に対し露光を行い静電潜像を形成する露光手段、静電潜像の形成された電子写真感光体にトナーで現像する現像手段及び電子写真感光体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段を備えることを特徴とする電子写真装置。
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Cited By (1)
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EP2977374A1 (en) * | 2014-07-21 | 2016-01-27 | Université de Strasbourg | Molecules presenting dual emission properties |
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