JP2006250962A - 現像装置、現像方法及び画像形成装置 - Google Patents

現像装置、現像方法及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 トナーの非静電付着力の増加を抑制し、且つ進行波電界を用いた静電搬送部材の汚染除去が可能で、安定した静電搬送性を維持することが可能な現像装置を提供する。
【解決手段】 現像装置13は、トナーとキャリアの混在領域から像担持体11に対して現像を行う現像領域までの区間に進行波電界を用いた静電搬送部材13aを配置し、帯電状態のトナーを選択的に現像領域に搬送して現像する。静電搬送部材13aへのトナー供給がカスケード現像方式によって行われ、静電搬送部材13aのトナー供給部位下方に現像剤回収部13c、未使用トナーのトナー回収部13g、トナー補給部13hが配置され、回収した現像剤を回収トナー及び補給トナーと混合攪拌する混合攪拌部13d及び現像剤を循環させる循環手段13eが設けられている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子写真方式によって画像を現像する現像装置、現像方法及び現像装置が組み込まれた画像形成装置に関する。
特許文献1には、静電搬送手段を用いて現像する現像装置が開示されている。この装置は、エンドレスループ状の静電搬送手段を用いて現像を行うものである。また、特許文献2には、静電搬送手段と軸方向攪拌手段を備えた2成分現像方式を組み合わせた現像装置が開示されている。この特許文献2における2成分現像方式は、静電搬送手段を省略しても十分機能できるような軸方向攪拌手段を備えたものであり、小型化できるものではなく、却って静電搬送手段の分だけ大型化、大重量化している。
特開2002−99423号公報 特開平3−21967号公報
進行波電界である移相電界によってトナー粒子を移動させる現像装置(EH現像装置)では、従来の2成分現像における現像スリーブとは異なり静電搬送部材自体は移動しないため、トナー粒子が静電搬送部材に付着すると、これを物理的な力で引き剥がすことは困難である。このため付着したトナー粒子を移相電界によって静電搬送部材から除去されることが望ましいが、弱帯電トナーあるいは無帯電トナーが付着した場合には移相電界による除去は困難となっている。また、十分に帯電したトナーであっても、トナーの非静電付着力が大きい場合には、静電搬送部材に付着したトナーを電界によって搬送することができなくなるため、静電搬送部材の汚染が顕著となり、安定した画像形成ができなくなる。
このトナーの非静電付着力を抑制するため、トナー表層には外添剤が分散されていることが、キャリアとの攪拌・分散過程において外添剤はトナー母体への埋没によってその効果を失う問題がある。この外添剤の埋没抑制に最も効果的なのはトナーに過剰な力を与えないことである。
静電搬送部材へのトナー供給手段と汚染物質の除去手段を兼ね合わせた手段として、磁気ブラシ現像方式によるトナー供給・汚染物質除去手段が用いられているが、磁気ブラシを用いた手段では磁力によるトナーへの過剰な力の印加や磁気ブラシ接触部の搬送基盤へのダメージが大きいため、結果として経時的な安定性が損なわれる問題を有している。
本発明は、このような問題点を考慮して成されたものであり、トナーの非静電付着力の増加を抑制し、且つ静電搬送部材の汚染除去が可能であり、これにより安定した静電搬送性、すなわち安定な画像形成を維持することが可能な現像装置及び現像方法並びに画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明の現像装置は、トナーとキャリアの混在領域から像担持体に対して現像を行う現像領域までの区間に進行波電界を用いた静電搬送部材を配置し、帯電状態のトナーを選択的に現像領域に搬送して現像する現像装置において、前記静電搬送部材へのトナー供給がカスケード現像方式によって行われ、静電搬送部材のトナー供給部下方に現像剤回収部、未使用トナーのトナー回収部、トナー補給部が配置され、回収した現像剤を回収トナー及び補給トナーと混合攪拌する混合攪拌部及び現像剤を循環させる循環手段を有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の現像装置において、前記混合攪拌部から循環手段への経路が混合攪拌部の最下面であり、キャリア比重/トナー比重が2以上8以下であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の現像装置において、前記トナー補給部及びトナー回収部が現像剤回収部に配置されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の現像装置において、前記循環手段がモノポンプであることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の現像装置において、前記トナー回収部、循環手段及び静電搬送部材が一体的に組む込まれたカートリッジとなっていることを特徴とする。
請求項6記載の発明の現像方法は、トナーとキャリアの混在領域から像担持体に対して現像を行う現像領域までの区間に進行波電界を用いた静電搬送部材を配置し、帯電状態のトナーを選択的に現像領域に搬送して現像を行う方法において、カスケード方式によってトナーを静電搬送部材に供給し、回収した現像剤を静電搬送部材の下方で回収トナー及び補給トナーと共に混合攪拌し、混合攪拌した現像剤を循環させて静電搬送部材に供給することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の現像方法において、前記混合攪拌の最下部位から現像剤の循環を行うと共に、キャリア比重/トナー比重が2以上8以下に設定することを特徴とする。
請求項8記載の発明の画像形成装置は、請求項1から5のいずれか1項に記載の現像装置を少なくとも1つ用いていることを特徴とする。
本発明によれば、トナー帯電、供給手段でのトナーへのダメージが大幅に低減されるため、トナーの非静電付着力の増加や帯電不良により静電搬送部材がトナー粒子によって汚染されることを抑制できる。このため、メンテナンスを含む経時動作において現像特性の悪化を抑制することができる。
以下、本発明を図示する実施形態により具体的に説明する。なお、各実施の形態において、同一の部材には同一の符号を付して対応させてある。
[実施形態1]
図1から図8は、本発明の実施形態1を示し、図1は本発明の実施形態1の画像形成装置である。
図1に示す画像形成装置において、通常の画像形成動作モードでは、給紙装置5から供給される記録用紙等の転写材は吸着ローラ2aに所定の電圧が印加されることにより、転写材の搬送ベルト2に吸着させられる。この転写材は搬送ベルト2に担持された状態で搬送ベルト2とともに移動し、移動中に作像手段であるプロセスカートリッジ1K、1M、1C、1Yからトナー像が転写させられる。転写材が搬送ベルト2を通過して定着装置3に到達すると、転写材上のトナー像は加熱ローラ3aおよび加圧ローラ3bに挟まれながら加熱され、これにより転写材上に画像が定着されて転写材上に可視像が形成される。
一方、各色トナー像の色ずれやトナー濃度の調整を行なうモードにおいては、プロセスカートリッジ1K、1M、1C、1Yから転写材の搬送ベルト2上に直接に所定パターンのトナー像が形成され、Pセンサ2bによってトナーパターンが検出され、その検出結果に基づいて書込タイミングや現像バイアスの変更などが行なわれ、最適なカラー画像を得ることができる状態に調整される。転写材の搬送ベルト2上のトナーパターンは吸着ローラ2aに印加されたバイアスによって帯電極性を整えられた後、転写ローラ2bk、2bm、2bc、2byに印加された電圧によってプロセスカートリッジ1K、1M、1C、1Yに回収される。
プロセスカートリッジ1K、1M、1C、1Yはそれぞれブラック、マゼンタ、シアン、イエローのトナー像を形成するためのカートリッジである。このプロセスカートリッジは、少なくとも現像装置および像担持体を含んで一体に構成されており、画像形成装置本体に対して着脱可能となっている。かかるプロセスカートリッジは、図3に示すように転写材の搬送ベルト2が画像形成装置本体から退避することにより開放された空間から着脱可能となっており、ユーザーによる交換が可能となっている。画像形成時には書込装置4K、4M、4C、4Yからプロセスカートリッジ1K、1M、1C、1Yに対して、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの画像情報に応じた書込光がそれぞれ照射され、各プロセスカートリッジ1K、1M、1C、1Yはこの書込光に応じたトナー像を形成して転写材に転写する。
書込装置4K、4M、4C、4Yは画像情報に従って帯電後の像担持体11に潜像を書き込むものである。この書込装置4K、4M、4C、4Yとしては、ポリゴンを用いた光走査装置やLEDアレイ等の種々のものを選択することができる。
転写ローラ2bk、2bm、2bc、2byは転写材の搬送ベルト2を介して像担持体11と対向している。この転写ローラ2bk、2bm、2bc、2byは少なくとも芯金と芯金を被覆する導電性弾性層とを有している。導電性弾性層はポリウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)等の弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ等の導電性付与剤を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を10〜1010Ω・cmの中抵抗に調整した弾性体が使用される。
図2は、本実施形態のプロセスカートリッジを示す。なお、プロセスカートリッジ1K、1M、1C、1Yは同一構造であるので1つのみを説明する。
像担持体11は負帯電の有機感光体であり、図示を省略した回転駆動機構によって矢印方向すなわち反時計回り方向に回転されるようにして備えられている。この像担持体11に対し、クリーニング装置14、接触帯電部材12及び現像装置13が配置される。
図2に示すように、クリーニング装置14、接触帯電部材としての帯電ローラ12及び現像装置13が像担持体11との近接位置に配置されている。
クリーニング装置14は像担持体11の回転方向に対してカウンターにより当接させられたクリーニングブレード14aと、クリーニングされたトナー粒子を廃トナーとして収納する廃トナー格納部14bとを有する。
接触帯電部材としての帯電ローラ12は、芯金12a上に発泡ウレタン層12bが被覆された可撓性のローラ形状に形成されている。発泡ウレタン層12bはウレタン樹脂に対し、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗層から構成されている。芯金12a上に形成される中抵抗層の材質としては、上記に限定するものではなく、ウレタン、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴム、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材或いはこれらの樹脂を発泡させたものを用いることができる。
本実施形態の現像装置13は、粉体であるトナー粒子を搬送、現像、回収する電界を発生するための複数の電極を有したローラ状の静電搬送部材13aを備えている。静電搬送部材13aは、画像形成時には、像担持体11に対して50〜1000μm、好ましくは150〜400μmの間隙をあけて非接触に対向するものである。
静電搬送部材13aの構成を図4に示す。図4は静電搬送部材13aの像担持体11側表面を拡大した断面図である。静電搬送部材13aは、支持基板101上に複数の電極102、102、102……をn本を1セットとして、トナー移動方向に沿って所要の間隔で配置し、この上に表面保護層103を積層した構造となっている。表面保護層103は、電極102の表面を覆う保護膜となると共に搬送面を形成する絶縁性の搬送面形成部材となるものであり、無機又は有機の絶縁性材料によって形成されている。
本実施形態における支持基板101としては、ガラス基板、樹脂基板或いはセラミックス基板等の絶縁性材料からなる基板、或いはSUS(ステンレス)などの導電性材料からなる基板にSiO等の絶縁膜を成膜したもの、ポリイミドフィルムなどのフレキシブルで変形可能な材料からなる基板などを用いることができる。
電極102は支持基板101上にAl、Ni−Cr等の導電性材料を0.1〜10μmの厚さ、好ましくは0.5〜2.0μmの厚さで成膜し、これをフォトリソ技術等を用いて所要の電極形状にパターン化して形成される。これらの複数の電極102の粉体進行方向における幅Lは移動する粉体の平均粒径の1倍以上20倍以下とし、かつ、電極102、12の粉体進行方向の間隔Rも移動させる粉体の平均粒径の1倍以上20倍以下としている。
表面保護層103としては、例えばSiO、TiO、TiO、SiON、BN、TiN、Taなどを厚さ0.5〜10μm、好ましくは厚さ0.5〜3μmで成膜することにより形成される。
図4において各電極102から伸びる線は各電極102に電圧を印加するための導電線を表しており、各線の重なる部分のうち黒丸で示した部分だけが電気的に接続され、他の部分は電気的に絶縁状態である。各電極102に対しては、本体側の電源からn相の異なる駆動電圧が印加される。本実施形態では3相の駆動電圧が印加される場合(n=3)について説明するが、本発明はトナー粒子が搬送される限りにおいてn>2を満たす任意の自然数nについて適用可能である。本実施形態では、各電極102はプロセスカートリッジ側の接点S11、S12、S13,S21、S22、S23のいずれかに接続されており、各接点はプロセスカートリッジが画像形成装置本体に装着された状態においては、それぞれ駆動波形V11、V12、V13、V21、V22、V23を与える本体側電源と接続される。ここでプロセスカートリッジ側の接点S11、S12、S13,S21、S22、S23は、図8に示すようにプロセスカートリッジ外側に露出しており、プロセスカートリッジが装着されると本体側の接点と接続して本体側電源から電力が供給される。
静電搬送部材13aは、トナー粒子を像担持体11近傍まで移送し、また現像領域通過後の現像に寄与しなかったトナー粒子を回収するための搬送領域、像担持体11の潜像にトナー粒子を付着させてトナー像を形成するための現像領域とに分けられる。現像領域は像担持体11に近接した領域のみに存在し、搬送領域は静電搬送部材13aの周上における現像領域以外の全域に存在する。以下、トナー粒子が位相電界によって移動可能な領域を「静電搬送面」と記す。本実施形態の場合、静電搬送部材13aの表面全体が静電搬送面である。搬送領域では各電極102に駆動波形V11、V12、V13が印加され、現像領域では各電極102に駆動波形V21、V22、V23が印加される。
次に、静電搬送部材13aにおけるトナーの静電搬送の原理について図5を参照して説明する。静電搬送部材13aの複数の電極102に対してn相の駆動波形を印加することにより、複数の電極102によって移相電界(進行波電界)が発生し、静電搬送部材13a上の帯電したトナー粒子は反発力及び/又は吸引力を受けて移送方向に移動する。
例えば、静電搬送部材13aの複数の電極102に対して図5(A)に示すようにグランドG(0V)と正の電圧+との間で変化する3相のパルス状駆動波形をタイミングをずらして印加する。このとき、図5(B)に示すように、静電搬送部材13a上に負帯電トナーTがあり、静電搬送部材13aの連続した複数の電極102にそれぞれ「G」、「G」、「+」、「G」、「G」が印加された符号131の状態とすると、負帯電トナーTは「+」の電極102上に位置する。次のタイミングで複数の電極102にはそれぞれ「+」、「G」、「G」、「+」、「G」が印加されて符号132の状態となり、負帯電トナーTには左側の「G」の電極102との間で反発力が、右側の「+」の電極102との間で吸引力がそれぞれ作用する。このため、負帯電トナーTは右側の「+」の電極102側に移動する。さらに、符号133で示す次のタイミングでは、複数の電極102に示すようにそれぞれ「G」、「+」、「G」、「G」、「+」が印加され、負帯電トナーTには同様に反発力と吸引力がそれぞれ作用する。このため、負帯電トナーTは更に右側の「+」の電極102側に移動する。
このように複数の電極102に電圧の変化する複相の駆動波形を印加することにより、静電搬送部材13a上には進行波電界が発生し、負帯電トナーはこの進行波電界の進行方向に移動する。なお、正帯電トナーの場合には駆動波形の変化パターンを逆にすることで同様に同方向に移動する。
本実施形態において、静電搬送部材13aの搬送領域では、各電極102に対して図6に示すように各相の+100Vの印加時間taを繰り返し周期tfの1/3である約33%に設定したパターン(搬送電圧パターン)である3相の駆動波形(駆動パルス)V11、V12、V13を印加する。この駆動波形は搬送領域においてトナー粒子を高速搬送させるのに適した波形であることが、本発明者の研究から分かっている。
また現像領域では、各電極102に対して、図7に示すように各相の+100V又は0Vの印加時間taを繰り返し周期tfの2/3である約67%に設定したパターン(現像電圧パターン)である3相の駆動波形(駆動パルス)V21、V22、V23を印加する。現像領域ではトナー粒子を積極的に像担持体に向かって打ち上げることが好ましく、図7の駆動波形はトナー粒子を打ち上げるのに適していることが本発明者の研究から分かっている。
なお、現像電圧パターンの駆動波形を印加した場合でも、0V電極のセンターに位置したトナー以外は、横方向への力も受けるため、すべてのトナーがいっせいに高く打ち上げられるというものではなく、水平方向に移動するトナーもあり、逆に、搬送電圧パターンの駆動波形を印加した場合でも、トナーの位置によっては、大きな角度で斜めに打ち上げられて水平に移動するよりも上昇距離の方が大きいものがある。従って、搬送領域において各電極102に印加する駆動波形パターンは上述した図6に示す搬送電圧パターンに限られるものではなく、また、現像領域12の各電極102に印加する駆動波形パターンも上述した図7に示す現像電圧パターンに限られるものではない。
ここまで駆動波形は3層の場合について説明したが、これをn相に一般化する場合には、次のようになる。各電極に対してn相(nは3以上の整数)のパルス状電圧(駆動波形)を印加して進行波電界を発生させる場合、1相あたりの電圧印加時間が{繰り返し周期時間×(n−1)/n}未満となる電圧印加デューティとすることによって搬送、現像の効率を上げることができる。例えば、3相の駆動波形を用いる場合には、各相の電圧印加時間taを繰り返し周期時間tfの2/3である約67%未満に設定し、4相の駆動波形を用いる場合には、各相の電圧印加時間を繰り返し周期時間の3/4である75%未満に設定することが好ましい。
他方、電圧印加デューティーは{繰り返し周期時間/n}以上に設定することが好ましい。例えば、3相の駆動波形を用いる場合には、各相の電圧印加時間taを繰り返し周期時間tfの1/3である約33%以上に設定することが好ましい。すなわち、注目電極に印加する電圧と進行方向上流側の隣接電極及び下流側の隣接電極に印加する各電圧との間には、上流側の隣接電極が反発、下流側の隣接電極が吸引という時間を設定することによって効率を向上することができる。特に、駆動周波数が高い場合は、{繰り返し周期時間/n}以上で{繰り返し周期時間×(n−1)/n}未満の範囲内に設定することにより、注目電極上のトナーに対する初期速度が得られやすくなる。
なお、以上の静電搬送部材においてはベストモードの場合を説明しているが、所望の搬送/現像性能が得られるのであれば、現像領域と搬送領域とで電極102間の間隔を異ならせて電界の方向を調整しても良いし、あるいは現像領域と搬送領域で電極の間隔および駆動波形を同一としても良い。
図2に示すように、現像装置13は静電搬送部材13aへトナーを供給するためのカスケード基盤13bが配置されており、カスケード基盤13bの下流には現像剤回収部13cが設けられている。現像剤回収部13c下方にはカスケード基盤13bより落下した現像剤を回収トナー、補給トナーと混合して攪拌する混合攪拌部13dが配置されており、更に混合混合攪拌部13d最下面に現像剤を循環させる循環手段13eへの経路が配置されており、現像装置13内の現像剤はカスケード基盤13b上流より搬送部材13a、現像剤回収部13cの順で落下し、混合攪拌部13dを経て循環手段13eによりカスケード基盤13b上流へと循環する。このように混合攪拌部13dの最下面に現像剤を循環させる循環手段13eへの経路が配置されることにより、キャリアと遊離している(静電吸着されていない)未帯電トナーはキャリアとの比重差により混合攪拌部13dに上部に残留し、循環手段13eに供給されないため、安定帯電したトナーのみが現像剤の循環手段13eを通過し静電搬送部に供給される。特に、分散性の悪い球形トナー、5μm以下の小粒径トナーではこの効果は顕著である。
カスケード基盤13bのトナー供給部における現像剤の搬送方向には、現像剤量を規制するためのブレード13fが設置されており、カスケード基盤13bとのギャップは1〜5mmに設定されている。1mm以下だとギャップ部での現像剤詰りが発生し、5mm以上だと供給過剰となり搬送部材13aへの適切なトナー供給量が得られない。
上述した循環手段13eは現像剤をカスケード基盤13e上流に現像剤を循環させることができる手段であれば限定されるものではないが、モノポンプを用いることが好ましい。モノポンプを用いることによりトナーとキャリア間に適度な摺擦力が与えられトナー帯電の安定性が向上する。この場合、モノポンプ部位通過時間が3秒以上10秒以下に設定されていることが好ましい。3秒以下であるとモノポンプ内での摺擦力の十分な効果が得られず、10秒以上では安定したトナー帯電は得られるが外添剤の埋没が進行しやすくなる。このように循環手段13eとしてモノポンプを用いる場合には、トナー帯電に必要最低限の摺擦力をトナー供給部に供給される現像剤に均一に付与することができる。
現像手段13内には図示せぬトナー粒子およびキャリアが格納されている。本実施形態を実施する上では、特にキャリア粒子およびトナー粒子を限定する必要はないが、本実施形態におけるトナー粒子は、バインダー樹脂としてスチレン系またはアクリル系の重合性単量体を重合開始剤と共に水中に分散させた状態でラジカル重合させたもの、あるいはポリエステル系樹脂を水中に分散させ重付加反応により高分子化させたものを用い、これに着色剤、帯電制御剤などを加えて造粒することにより得られた重量平均粒径約5μmの非磁性のトナー粒子である。
またキャリアとしては、ガラスビーズを用いているが、トナーとの混合より適切な電荷を付与できるキャリアであればこれに限ったものではない。キャリア比重/トナー比重は2以上8以下が好ましい。キャリア比重/トナー比重が2以下のときは、遊離トナーが循環手段に取り込まれトナー飛散が発生しやすくなる。一方、キャリア比重/トナー比重が8以上の場合には、カスケード方式であっても現像剤落下時の衝撃が大きくトナーの外添剤埋没、帯電性能の劣化が顕著となる。例えば、現像装置内のみで現像剤を8時間循環させたトナー表面をSEM観察したところ、外添剤が完全に埋没するに至るものである。
静電搬送され現像領域で使用されなかったトナーはトナー回収部13gよって現像剤回収部13cに回収される。回収されたトナーはカスケード基盤13bより落下してきた現像剤と再混合され循環する。補給トナーの補給口13hは混合攪拌部13d上流の現像剤循環経路に配置される。
次に、以上のプロセスカートリッジの動作を説明する。本実施形態の画像形成装置としては、複写機およびプリンタとして機能することができる画像形成装置を用いることができる。複写機として機能する際にはスキャナから読み込まれた画像情報がA/D変換、MTF補正、階調処理等の種々の画像処理を施されて書込みデータに変換される。プリンタとして機能する際にはコンピュータ等から転送されるページ記述言語やビットマップ等の形式の画像情報に対して画像処理が施され書込みデータに変換される。
画像形成に先駆けて、像担持体11は表面の移動速度が所定の測度となるように図2の矢印方向すなわち反時計回り方向に回転を始める。また帯電ローラ12は像担持体11に対してつれまわることにより回転する。このとき帯電ローラ12の芯金12aには帯電バイアス印加電源から−100Vの直流電圧および振幅1200V周波数2kHzの交流電圧が印加され、これにより像担持体11の表面が約−100Vに帯電させられる。
帯電させられた像担持体11に対して書込装置4(4C、4M、4Y、4K)は書込みデータに応じた露光を行なう。すなわち、光照射によって画像部の電位を変化させることにより、光照射されなかった非画像部の電位との差を発生させ、この電位コントラストによる静電潜像を形成する。
書込装置4によって像担持体上に形成された静電潜像は現像装置13によって現像され、画像部にトナー粒子が付着することによってトナー像として像担持体11上に可視化される。移相電界による現像ではトナー粒子が静電搬送部材13a表面を跳びはねながら移動し、像担持体11に近接した際に画像部に吸着するように付着して現像が行なわれる。本実施形態では静電搬送基板13aに−50V、供給ローラ13bに−250Vの電圧が印加されることにより、供給ローラ13bから静電搬送基板13a、静電搬送基板13aから像担持体11上の画像部へとトナー粒子を導く電界が形成される。
像担持体11上に形成させられたトナー像が転写ローラ2bと像担持体11との対向部である転写部に到達するのとタイミングを合わせて給紙装置5から転写材が搬送され、像担持体11上のトナー像は転写ローラ2bに印加された電圧により転写材へと転写される。転写されたトナー像は定着装置3によって転写材に定着され画像が出力される。一方、転写されずに像担持体11上に残留したトナー(転写残トナー)はクリーニング装置14によって清掃され、清掃後の像担持体表面は次回の画像形成のために使用される。
このような実施の形態では、トナー帯電、供給手段でのトナーへのダメージが大幅に低減されるため、トナーの非静電付着力の増加や帯電不良により静電搬送部材がトナー粒子によって汚染されることを抑制することができ、メンテナンスを含む経時動作において現像特性の悪化を抑制することが可能となる。
[実施形態2]
図9から図11に、本発明の実施形態2を示す。
図9はこの実施形態の画像形成装置を示し、11は負帯電の有機感光体をベルト形状に構成した像担持体であり、図示を省略した回転駆動機構によって矢印方向に回転する。像担持体11には現像カートリッジ13K、13M、13C、13Yおよび後述する帯電装置が各色ごとに対向しており、像担持体11の移動にしたがって順次トナー像を像担持体11上に重ねていくように構成されている(1パスカラー)。
図9において、5は記録用紙等の転写材を格納し、また画像形成時に転写材を搬送開始させる給紙装置である。3は転写材上に形成された未定着のトナー像を固定するための定着装置である。画像形成時には、給紙装置5から送られた転写材が像担持体11と転写ローラ2bとの接触部へと搬送され、接触部において像担持体11上に形成されたフルカラー画像が転写ローラ2bに印加された電圧によって転写材上に転写される。その後、転写材が定着装置3に到達すると、転写材上のトナー像は加熱ローラ3aおよび加圧ローラ3bに挟まれながら加熱されることにより、転写材上に定着させられ、転写材上に可視像が形成される。
13K、13M、13C、13Yはそれぞれブラック、マゼンタ、シアン、イエローのトナー像を現像するための現像カートリッジである。かかる現像カートリッジは、図11に示すように像担持体11が退避することで開放された空間から着脱可能となっており、ユーザーによる交換が可能となっている。書込装置4K、4M、4C、4Yは、画像情報に従って帯電後の像担持体11にそれぞれブラック、マゼンタ、シアン、イエロー色に対応した潜像を書き込む。書込装置4K、4M、4C、4Yとしては、ポリゴンを用いた光走査装置やLEDアレイ等、種々のものを使用することができる。
図10は、実施形態2における現像カートリッジ等、像担持体上にトナー像を形成させる構造を示す。この場合、各色の現像カートリッジは同一構造であるので1つのみを説明する。
図10において、22は像担持体11の表面を一様帯電させるための帯電装置であり、本実施形態ではコロナ帯電を用いている。コロナ帯電のように非接触の帯電手段を用いることにより、上流側の現像カートリッジによって形成されたトナー像を乱すことなく像担持体11を帯電させることができる。13は現像カートリッジ、すなわち現像装置であり、多少の形状の変更はあるが実施の形態1で説明した現像装置と同じである。
像担持体上にトナー像を形成させる動作においては、まず帯電装置22によって像担持体11表面が一様に帯電させられる。すでに像担持体11上にトナー像が形成されている場合でも、トナー像を含め像担持体11の表面が一様に帯電させられる。次いで書込装置から画像情報に応じた光ビームが照射される。光ビームは帯電装置22と現像カートリッジ13の間を通過するため、すでに一様に帯電させられた像担持体11に対して光ビームが照射されることとなり、負帯電性の感光体である像担持体11の表面では画像部に対応する領域が除電されて潜像が形成される。
現像カートリッジ13は実施の形態1と同様に像担持体11上に形成された潜像の画像部にトナー粒子を付着させ、潜像をトナー像として可視化する。以上の帯電、光ビーム照射、現像の工程が前述のように各現像カートリッジとの対向部において繰り返され、像担持体11上に4色のトナー像が重ねられたフルカラー画像が形成される。
本実施形態の画像形成装置においては、像担持体11表面の転写残トナー粒子を回収するためのクリーニング部材は設けていない。従って、転写残トナー粒子は像担持体11表面に残留したままとなるが、4つの帯電装置22によって帯電され、やがて転写材に転写されて像担持体11上から除去される。転写残トナー粒子が転写材に転写されると多少の画像の乱れが生じるが、わずかの乱れであれば視覚的に認識されないためである。
本発明の実施形態1における画像形成装置の構造を示す断面図である。 本発明の実施形態1における現像装置を示す断面図である。 現像装置の交換状態を示す断面図である。 静電搬送部材の断面図である。 静電搬送部材の静電搬送の原理を説明する説明図である。 静電搬送部材における搬送領域への印加パターンを示す波形図である。 静電搬送部材における現像領域への印加パターンを示す波形図である。 プロセスカートリッジの接点配置を示す側面図である。 本発明の実施形態2における画像形成装置の構造を示す断面図である。 本発明の実施形態2における現像装置を示す断面図である。 本発明の実施形態2における現像装置の交換状態を示す断面図である。
符号の説明
1K、1M、1C、1Y プロセスカートリッジ
2 搬送ベルト
3 定着装置
4K、4M,4C,4Y 書込装置
5 給紙装置
11 像担持体
12 帯電ローラ
13 現像装置
13a 静電搬送部材
13b カスケード基盤
13c 現像剤回収部
13d 混合攪拌部
13e 循環手段
13g トナー回収部
13h トナーの補給口
14 クリーニング装置

Claims (8)

  1. トナーとキャリアの混在領域から像担持体に対して現像を行う現像領域までの区間に進行波電界を用いた静電搬送部材を配置し、帯電状態のトナーを選択的に現像領域に搬送して現像する現像装置において、
    前記静電搬送部材へのトナー供給がカスケード現像方式によって行われ、前記静電搬送部材のトナー供給部下方に現像剤回収部、未使用トナーのトナー回収部、トナー補給部が配置され、回収した現像剤を回収トナー及び補給トナーと混合攪拌する混合攪拌部及び現像剤を循環させる循環手段を有することを特徴とする現像装置。
  2. 前記混合攪拌部から前記循環手段への経路が前記混合攪拌部の最下面であり、キャリア比重/トナー比重が2以上8以下であることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  3. 前記トナー補給部及びトナー回収部が前記現像剤回収部に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の現像装置。
  4. 前記循環手段がモノポンプであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の現像装置。
  5. 前記トナー回収部、前記循環手段及び前記静電搬送部材が一体的に組む込まれたカートリッジとなっていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の現像装置。
  6. トナーとキャリアの混在領域から像担持体に対して現像を行う現像領域までの区間に進行波電界を用いた静電搬送部材を配置し、帯電状態のトナーを選択的に現像領域に搬送して現像を行う方法において、
    カスケード方式によってトナーを前記静電搬送部材に供給し、回収した現像剤を前記静電搬送部材の下方で回収トナー及び補給トナーと共に混合攪拌し、混合攪拌した現像剤を循環させて静電搬送部材に供給することを特徴とする現像方法。
  7. 前記混合攪拌の最下部位から現像剤の循環を行うと共に、キャリア比重/トナー比重を2以上8以下に設定することを特徴とする請求項6記載の現像方法。
  8. 請求項1から5のいずれか1項に記載の現像装置を少なくとも1つ用いていることを特徴とする画像形成装置。
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