JP2006250850A - 振動ジャイロ - Google Patents

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Abstract

【課題】測定可能な角速度ωの範囲が広く、簡単な構造の振動ジャイロの提供。
【解決手段】振動子における駆動脚1および検出脚2の横断面形を同じにし、両脚の面垂直振動(検出振動)方向の厚みaと、面内振動(駆動振動)方向の厚みbとの大小関係を、a>bとする。駆動脚1の共振周波数をfD1とし、検出脚2の共振周波数をfS1とする。駆動脚1は厚みbの方向に面内振動をし、検出脚2は厚みaの方向に面垂直振動をする。a>bであるから、fD1<fS1となる。駆動脚1をfD1で駆動することにより、検出脚2はfD1±fωの周波数で面垂直振動をする。検出脚2は、ωに応じて、その周波数特性Gにおける平坦な周波数特性領域Bで振動をする。そこで、振動ジャイロは、広い周波数範囲において、安定した感度でωを検出できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、機械的な共振周波数で振動する振動子と、該振動子の角速度に応じたコリオリ力により該振動子に生じる振動を検出振動として検出し、その検出振動に基づき角速度を測定する振動ジャイロに関し、特に測定可能な角速度範囲の拡大手段に関する。
振動ジャイロの基本原理は、例えば非特許文献1に記載されている。この種の振動ジャイロで振動子として、U字形、4脚形、6脚形等の音叉型振動子や音辺形といった各種形状のものが用いられている。振動子をなす振動体の材料としては、エリンバ等の恒弾性材料、シリコン又は水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ランガサイト等の圧電性単結晶が用いられる。振動体が恒弾性材料やシリコンであるときは、振動体に圧電セラミックでなる圧電素子を貼付し、その圧電素子には電極を蒸着する。振動体が圧電性単結晶でなるときは、電極を蒸着する。電極としては、駆動信号を加えるための駆動電極および検出振動を取り出すための検出電極がある。
6脚形振動子の振動ジャイロの例が特許文献1又は特許文献2に記載されている。図8は、特許文献1又は特許文献2に記載の音叉型振動ジャイロの基本構造及びその作動を説明するための図である。但し、6脚形振動子は、矩形板状の胴部の両端部に駆動用の3脚および検出用の3脚をそれぞれ等間隔に配置してなるが、その3脚のうちの中央の脚は、振動の安定化のためものであり、作用原理の説明では重要ではないので、図8には中央脚を省略した4脚形の振動子を挙げた。図8の振動子は、胴部10と、駆動脚111a,111bと、駆動脚111a,111bとでなる。駆動脚111a及び111bは、1つの対をなしており、特許文献1では一対の駆動脚を駆動側アームと称している。検出脚112a及び112bは、1つの対をなしており、特許文献1では一対の検出脚を検出側アームと称している。
図8(A)は、駆動脚111a及び111bが励振されており、音叉型振動ジャイロに対する角速度ωの入力がないときの振動子の状態を表す。同図(B)は、駆動脚111a及び111bが励振されており、音叉型振動ジャイロに対し角速度ωの入力があるときの振動子の状態を表す。駆動脚111a及び111bは、互いに対をなし、逆位相で振動する。同様に、検出脚112a及び112bも、互いに対をなし、逆位相で振動する。胴部10は、直方体であり、その平面形(上面10aの形)は正方形である(正方形である必要は必ずしもない)。胴部10における各面は、上面を符号10aで表し、底面(図に表れていない)を符号10bで表し、一対の駆動脚111側の端面を符号10cで表し、一対の検出脚112側の端面(図に表れていない)を符号10dで表し、一方の側面を符号10eで表し、他方の側面(図に表れていない)を符号10fで表すこととする。上面10a及び底面10bを主面と称する
胴部10、駆動脚111a及び111b並びに検出脚112a及び112bは、1つの圧電単結晶体でなり、一枚の板状の圧電単結晶から切り出された形をなす。胴部10、駆動脚111a,111b及び検出脚112a,112bの厚みは同一である。駆動脚111a及び111bが励振されていない状態、即ち静止状態では、駆動脚111a,111bの軸及び検出脚112a,112bの軸は、胴部10の端面10c及び10dにそれぞれ垂直である。駆動脚111a,及び111b及び検出脚112a,112bの横断面(脚の長て軸に直交する面)は正方形である。駆動脚111a及び検出脚112aの軸は同一の軸線上にある。同様に、駆動脚111b及び検出脚112bの軸(長て軸)も同一の軸線上にある。また、胴部10の重心を通り、側面10eに平行な面に関し、駆動脚111a及び111bは対称であり、また検出脚112a及び112bも対称である。駆動脚111a,111b及び検出脚112a,112bには駆動用電極及び検出用電極がそれぞれ設けてある(これら電極の図示は省略されている。)。
このような図8の構造の音叉型振動ジャイロにおける駆動用電極に、励振用の交流電圧である駆動信号を印加すると、駆動脚111a及び111bは、上面10aに平行な平面内において互いに反対方向に、即ち逆位相に、振動する。この振動が、音叉型振動ジャイロにおける駆動振動である。駆動振動は、胴部10の主面(上面10a及び底面10b)に平行な平面内における振動であり、このような主面に平行な平面内における振動を面内振動と称する。面内振動は、図8(A)において矢印Da及びDbで表してある。
駆動脚111a及び111bが駆動信号で励振され、駆動振動をしているときに、角速度ωの回転が図(B)に示す方向に入力されると、駆動脚111a及び111bには脚端速度に比例するコリオリ力が作用する。駆動振動をしている駆動脚111a及び111bにコリオリ力が作用すると、駆動脚111a及び111bは駆動振動と90度位相がずれたほぼ同じ周波数でも振動する。駆動脚111a及び111bの振動は、駆動振動と、コリオリ力に起因する振動とを重畳した振動となる。このコリオリ力による脚の振動成分をコリオリ振動と定義する。駆動脚111a及び111bに生じるコリオリ振動は、それぞれ矢印Ca及びCbでもって図8に示してある。
駆動振動の周波数をf、振動子に加わる角速度をωとすると、コリオリ振動Ca,Cbの周波数はf+fAVとなる[周波数fAV=ω/(2π)]。一例を挙げれば、測定対象の角速度ωの周波数fAVの範囲が0〜200Hzであるとき、駆動振動周波数fは5,000Hzである。コリオリ振動Ca及びCbは、胴部10を介して、検出脚112a及び112bに検出振動Sa及びSbとして伝達される。コリオリ振動Ca及びCbの位相は互いに逆である。同様に、検出振動Sa及びSbの位相も互いに逆である。コリオリ振動Ca,Cb及び検出振動Sa,Sbは、胴部10の主面に直交する方向の振動であるので、面垂直振動と称する。検出振動Sa,Sbの周波数は、コリオリ振動Ca,Cbの周波数と同じであり、f+fAVとなり、駆動振動の周波数fから角速度ωの周波数fAVだけ偏移したものとなる。
胴部10は、板状であるので、その主面に平行な方向の振動、即ち面内振動に対しては極めて高い剛性を有し、他方主面に直交する方向の振動、即ち面垂直振動に対しては相対的に低い剛性を示す。そこで、駆動脚111a,111bに生じる振動のうちで、面内振動である駆動振動Da及びDbは、検出脚112a,112bには殆ど伝搬せず、他方面垂直振動であるコリオリ振動Ca及びCbは高い効率で検出脚112a,112bに伝搬する。検出脚112a及び112bに伝搬したコリオリ振動が、音叉型振動ジャイロにおける検出振動Sa及びSbである。音叉型振動ジャイロは、検出振動Sa及びSbにより検出脚112a及び112bの検出用電極に現れる電圧を検出信号として取り出し、駆動信号を基準位相信号として検出信号の同期検波をすることにより、角速度ωを測定する。角速度ωの大きさは検出振動の大きさ(検出信号の大きさ検出振動の大きさに比例)、ひいては同期検波出力の絶対値として現れる。また角速度ωの方向は、駆動信号にたいする検出振動の位相(=検出信号の位相)、ひいては同期検波出力の極性として現れる。
図4は、6脚形振動子の駆動モード振動をシミュレーションして作成した振動子の斜視図である。また図5は、図4の6脚形振動子の検出モード振動をシミュレーションして作成した振動子の斜視図である。図4及び図5では、面内振動の様子とともに振動変位の大きさが表している。その振動変位の大きさは、明度で表現され、明度の低い領域10xが振動変位の大きい領域を表し、明度の高い領域10nが振動変位の小さい領域を表す。図4、図5の6脚形振動子は、矩形板状の胴部10の両端部に駆動側脚11および検出側脚12を備える。駆動側脚11は駆動脚1a,1b及び安定化脚1cでなり、検出側脚12は検出脚2a,2b及び安定化脚2cでなる。脚1a,1b及び1c並びに脚2a,2b及び2cは等間隔に配置されている。一対の駆動脚1a及び1bは、図8における一対の駆動脚111a及び111bにそれぞれ対応する。また、一対の検出脚2a及び2bは、図8における一対の検出脚112a及び112bにそれぞれ対応する。図8の振動子に関し述べたように、駆動側脚11の中央の安定化脚1c及び検出側脚12の中央の安定化脚2cは駆動振動及び検出振動をそれぞれ安定化するために設けてある。
「超音波エレクトロニクス振動論―応用と基礎―」、宮川義朗著、朝倉書店 特開2001-255152 特開2001-208545 特開昭61−294311 特開平05−264282
図9は、特許文献3に記載された音叉型振動ジャイロを示す斜視図である。この音叉型振動ジャイロ(10)における駆動脚(12)および検出脚(13)は、圧電材料単体でなり、z軸方向に長て軸を有し、寸法を同じくする。これら駆動脚(12)および検出脚(13)の横断面(x−y平面)の形は正方形である。そして、駆動脚(12)の振動方向(駆動振動の方向)はy軸方向であり、検出脚(13)の振動方向(検出振動の方向)はx軸方向である。
図6は、特許文献3の音叉型振動ジャイロについて、駆動振動および検出振動の周波数特性を説明する図である。図6(A)は、図9に示した駆動脚(12)および検出脚(13)の横断面図である。特許文献3の音叉型振動ジャイロの振動子(10)では、駆動脚(12)および検出脚(13)の面内振動方向(駆動振動の方向)は共にa、駆動脚(12)および検出脚(13)の面垂直振動方向(検出振動の方向)は共にbである。即ち、駆動脚(12)および検出脚(13)は、正方形の横断面形を有する。
図6(B)は、図6(A)の駆動脚(12)および検出脚(13)の周波数特性を示す図である。ここで、Gは駆動脚の周波数特性、Gは検出脚の周波数特性、Bはジャイロの角速度測定が可能な振動周波数帯域、fは駆動脚(12)の面内振動(駆動振動)の共振周波数、fは検出脚(13)の面垂直振動(検出振動)共振周波数をそれぞれ示す。本図に示すとおり、駆動脚(12)の面内振動(駆動振動)の共振周波数fと検出脚(13)の面垂直振動(検出振動)共振周波数fとは同一(f=f)である。駆動脚(12)および検出脚(13)の横断面形が正方形であり、即ちa=bであり、長さが等しく、材質も同一であるからである。
振動ジャイロでは、振動子の形状や材質、振動子搭載構造等によって定まる駆動脚の共振周波数fで励振駆動される。また、検出振動は、駆動脚の共振周波数fを基底周波数とし、fに角速度ωの振動数fωを加算した周波数f±fωで振動する。検出振動の大きさは角速度ωに比例する。従って、広い範囲で角速度ωを計測するためには、駆動脚の共振周波数fより高い周波数帯域で検出脚の周波数特性Gが平坦であることが望ましい。振動ジャイロにおいて、検出脚の周波数特性Gが平坦であり、測定可能な角速度(周波数)範囲が広いことは、振動ジャイロの応答性が良いと言える。
特許文献3の音叉型振動ジャイロでは、図6(B)に示すように、f=fであるから、共振周波数fに比べて充分に小さい角速度ωの測定には、ゲインの極めて大きい領域を利用することになり、高い検出出力を得ることができる。 他方、共振周波数fDに比べて角速度ωが充分に小さくない場合には、共振点から離れた周波数領域を使用することになり、図6(B)に示すように、角速度ωの変化とともに検出感度が大きく変化する。そこで、特許文献3の音叉型振動ジャイロでは、スケールファクタの変動率が許容値内に収まる、角速度ωの範囲(ジャイロの角速度測定が可能な振動周波数帯域B)は極めて狭い。すなわち、特許文献3の音叉型振動ジャイロの測定可能角速度ωは、共振周波数fDに比べごく小さい値に限定される。
特許文献4は、駆動用素子と検知用素子を音叉型に組み合わせた図10の角速度センサを開示している。特許文献4では、小電力でかつ最大感度が得られる高性能の角速度センサを提供するために、駆動用圧電素子(3,7)を有する駆動用素子(4,8)の先端に検知用圧電素子(1,5)を有する検知用素子(2,6)を互いに直交させて配置し接合した直交体2個が構成してある。これら直交体は、接合部材(19)を介して音叉状に接合されている。図10の角速度センサでは、検知用素子(2,6)の厚みを駆動用素子(4,8)の厚みより薄くすることにより、検出感度が大きく、また駆動周波数(励振周波数+角速度)が多少ずれても検知用素子(2,6)の感度変化が少ないとしている。
図7は、特許文献4の音叉型振動ジャイロ(角速度センサ)について、駆動振動および検出振動の周波数特性を説明する図である。図7(A)は、図10に示した駆動用素子(4)および検知用素子(2)の横断面図である。本図に示すとおり、駆動振動方向における駆動脚(4)の厚みaは検出振動方向における検出脚(2)の厚みaより大きく(a>a)である。また、駆動振動方向に直交する方向における駆動用素子(4)の幅および、検出振動方向に直交する方向における検知用素子(2)の幅は、ともにbであり、等しい。
図7(B)は、図7(A)の駆動用素子(4)および検知用素子(2)の周波数特性を示す図である。駆動用素子(4)および検知用素子(2)は、前述の駆動脚および検出脚にそれぞれ相当するので、以下では駆動用素子(4)および検知用素子(2)は駆動脚(4)および検出脚(2)と称することとする。各符号の意味は図6(B)におけるものと同様であり、Gは駆動脚の周波数特性、Gは検出脚の周波数特性、Bはジャイロの角速度測定が可能な振動周波数帯域、fD2は駆動脚(12)の面内振動(駆動振動)の共振周波数、fS2は検出脚(2)の面垂直振動(検出振動)共振周波数をそれぞれ示す。本図に示すとおり、駆動脚(4)の面内振動(駆動振動)の共振周波数fD2は検出脚(2)の面垂直振動(検出振動)共振周波数fS2より大きい(fD2>fS2)である。駆動振動方向における駆動脚(4)の厚みaは検出振動方向における検出脚(2)の厚みaより大きい(a>a)からである。
図7(B)に示すように、検出脚(2)の周波数特性Gは、共振周波数fS2を超える領域で顕著な逓減傾向にある。そこで、特許文献4の音叉型振動ジャイロ(角速度センサ)では、図6に示した特許文献3の共振周波数f近傍ほど急峻ではないが、角速度ωの測定に利用する領域における周波数特性は平坦ではなく、角速度ωに応じて感度が変動し、ひいてはスケールファクタが変動する。このように特許文献4の音叉型振動ジャイロ(角速度センサ)における角速度測定可能な振動周波数帯域Bは、広くない。
そこで、本発明の目的は、広い帯域に亘って感度が安定しており、測定可能な角速度(周波数)の範囲が広い振動ジャイロの提供にある。
前述の課題を解決するために本発明は次の手段を提供する。
(1)振動子の1つの共振周波数を駆動信号として入力し、該振動子を駆動する駆動脚と、該振動子が受ける角速度に応じて該振動子に現れるコリオリ振動を検出する検出脚とを有する振動ジャイロにおいて、
前記駆動信号に基づく前記駆動脚の振動を駆動振動と称し、前記コリオリ振動に基づく前記検出脚の振動を検出振動と称し、該駆動脚および検出脚それぞれの該検出振動方向の厚みをa、該駆動振動方向の厚みをbとするとき、aがbよりも大であることを特徴とする振動ジャイロ。
(2)一対の駆動脚および一対の検出脚並びに該一対の駆動脚および該一対の検出脚を結合する板状の胴部で構成される振動子を有し、該駆動脚を励振する駆動信号により該駆動脚が駆動振動を励起されているときに、該振動子に加わる角速度によるコリオリ力に基づき該検出脚に生じる振動を検出振動として検出する振動ジャイロにおいて、
前記駆動脚および検出脚それぞれの前記検出振動方向の厚みをa、前記駆動振動方向の厚みをbとするとき、aがbよりも大であることを特徴とする振動ジャイロ。
面垂直振動(検出振動)方向の厚みaと面内振動(駆動振動)方向の厚みbとを、検出脚と駆動脚とで差異がないとしたとき、a>bの振動子では、aがこの振動子と同じでかつa=bの振動子(特許文献3の振動子、図9)に比べ、駆動脚では、駆動振動である面内振動方向での厚みが薄くなるので、共振周波数は低くなり、他方、検出脚では、検出振動である面垂直振動方向での厚みが厚くなるので、共振周波数は高くなる。
本発明では、特許文献4とは逆に、駆動脚の共振周波数を検出脚の固有周波数よりも低くすることで、測定可能な角速度(周波数)範囲の広い、すなわち応答性の良いジャイロを得ることができる。駆動脚の共振周波数が検出脚の固有周波数よりも低いとき、検出脚のゲインは広い周波数範囲で周波数(角速度ωの周波数)に関してフラットであり、検出脚の周波数特性が安定している。このことは、角速度ωを測定可能な周波数範囲が広いことを意味している。また、本発明の振動ジャイロは、測定可能な周波数範囲を広くするために振動子に格別な構造を追加するものではないので、制作費も低廉である。
次に本発明の実施の形態を挙げ、図面を参照し、本発明を一層具体的に説明する。図1は、本発明の一実施の形態の振動ジャイロにおける駆動振動および検出振動の周波数特性を説明する図である。図2は、図1の実施の形態の振動ジャイロにおける、駆動脚1及び検出脚2の面内及び面垂直方向の断面と駆動振動Dおよび検出振動Sの方向を示す図である。図1(A)及び図2は、いずれもその実施の形態における駆動脚1および検出脚2の横断面図であるが、図1(A)では駆動脚1および検出脚2それぞれの断面形が示してあり、図2では駆動脚1および検出脚2の断面形並びに駆動振動の方向Dおよび検出振動の方向Sが示してある。図1(A)及び図2に示されているように、駆動脚1および検出脚2は、駆動振動方向Dの厚みがaであり、検出振動方向Sにおける厚みがbであり、駆動脚1および検出脚2の断面形が同じである。駆動脚1は、図4及び図5における駆動脚1a,1b又は図8における駆動脚111a,111bに相当する。また、検出脚2は、図4及び図5における検出脚2a,2b又は図8における検出脚112a,112bに相当する。駆動脚1および検出脚2の材質は同じである。
図1(B)は、図1(A)及び図2の駆動脚1および検出脚2の周波数特性を示す図である。各符号の意味は図7(B)におけるものと同様であり、Gは駆動脚1の周波数特性、Gは検出脚2の周波数特性、Bはジャイロの角速度測定が可能な振動周波数帯域、fD1は駆動脚1の面内振動(駆動振動)の共振周波数、fS1は検出脚2の面垂直振動(検出振動)共振周波数をそれぞれ示す。本図に示すとおり、駆動脚1の面内振動(駆動振動)の共振周波数fD1は検出脚2の面垂直振動(検出振動)共振周波数fS1より小さい(fD1<fS1)である。駆動振動方向Dにおける駆動脚1の厚みbが検出振動方向Sにおける検出脚2の厚みaより小さい(b<a)からである。fD1,fS1は振動子の設計により任意に選択できるが、例えばfD1は5000Hz、fS1は6000Hzである。
駆動脚1や検出脚2といった片持ち梁型の振動脚の共振周波数をfすると、その振動脚の周波数特性(周波数に対するゲインの関係)は、一般的にその共振周波数fより小さい領域では平坦であり、その共振周波数fより大きい領域では急峻に低減する。図3は、共振周波数fが10000Hzよりやや大きい振動脚の周波数特性を示す図である。この図3の周波数特性を有する検出脚では、コリオリ振動が周波数帯域B1に現れれば、角速度ωによってゲインはほとんど変動しないから、この検出脚を持つ振動ジャイロの感度特性は平坦である。しかし、コリオリ振動が周波数帯域B2に現れれば、角速度ωによってゲインは相当に変動するので、同じ検出脚でありながら振動ジャイロの感度特性は角速度ωによって変動する。
図1(A)及び図2の駆動脚1および検出脚2の周波数特性は図1(B)に示す如くであり、図1(B)に示されるように、検出脚2の共振周波数fS1と駆動脚1共振周波数fD1との間隔は充分に広いので、図1におけるジャイロの角速度測定可能振動周波数帯域Bは図3の周波数帯域B1に相当するといえる。このような周波数特性の駆動脚1および検出脚2を備える本実施の形態の振動ジャイロにおいて、周波数fD1の駆動信号で駆動脚1を駆動すれば、角速度ωが入力されたとき、検出脚2にはfD1に角速度ωの周波数fωを加算した周波数fD1±fωのコリオリ振動が現れる。角速度ωの周波数fωは例えば0Hz 〜200Hzである。周波数帯域Bにおける検出脚2の周波数特性は平坦であるから、図1(A)及び図2の駆動脚1および検出脚2を供える振動ジャイロの感度は、広い帯域Bにおいて安定しており、その振動ジャイロによる測定可能な角速度(周波数)の範囲は広い。
また、本実施の形態の振動ジャイロは、測定可能な周波数範囲を広くするために振動子に格別な構造を追加するものではないので、制作費も低廉である。
なお、以上には図面を参照して本発明の実施の形態を具体的に説明したが、本発明がこれらの実施の形態に限定されるものでないことは勿論である。
本発明の一実施の形態の振動ジャイロにおける駆動脚及び検出脚の横断面形並びに駆動振動および検出振動の周波数特性を示す図である。 図1の実施の形態の振動ジャイロにおける、駆動脚1及び検出脚2の横断面形と駆動振動Dおよび検出振動Sの方向を示す図である。 共振周波数fが10000Hzよりやや大きい振動脚の周波数特性を示す図である。 6脚形振動子の駆動モード振動をシミュレーションして作成した振動子の斜視図である。 図4の6脚形振動子の検出モード振動をシミュレーションして作成した振動子の斜視図である。 特許文献3の音叉型振動ジャイロについて、駆動振動および検出振動の周波数特性を説明する図である。 特許文献4の音叉型振動ジャイロ(角速度センサ)について、駆動振動および検出振動の周波数特性を説明する図である。 特許文献1又は特許文献2に記載の音叉型振動ジャイロの基本構造及びその作動を説明するための図である。 特許文献3に記載された音叉型振動ジャイロを示す斜視図である。 特許文献4に記載された、駆動用素子と検知用素子を音叉型に組み合わせた角速度センサを示す斜視図である。
符号の説明
1,1a,1b,111a,111b 駆動脚
2,2a,2b,112a,112b 検出脚
1c,2c 安定化脚
10 胴部
10a 胴部上面
10b 胴部底面
10c,10d 胴部端面
10e,10f 胴部側面
11 駆動側脚
12 検出側脚
111 一対の駆動脚
112 一対の検出脚
ω 角速度
ジャイロの角速度測定が可能な振動周波数帯域
B1 周波数に対するゲインの変動が小さい検出脚の周波数特性領域
B2 周波数に対するゲインの変動が大きい検出脚の周波数特性領域
Ca,Cb コリオリ振動
D,Da,Db 駆動振動
S,Sa,Sb 検出振動
,fS1,fS2 検出脚共振周波数
,fD1,fD2 駆動脚共振周波数
a 駆動脚及び検出脚の面垂直振動方向の厚み
a 駆動振動方向における駆動脚(4)の厚み
a 検出振動方向における検出脚(2)の厚み
b 駆動脚及び検出脚の面内振動方向の厚み
駆動脚の周波数特性
検出脚の周波数特性

Claims (2)

  1. 振動子の1つの共振周波数を駆動信号として入力し、該振動子を駆動する駆動脚と、該振動子が受ける角速度に応じて該振動子に現れるコリオリ振動を検出する検出脚とを有する振動ジャイロにおいて、
    前記駆動信号に基づく前記駆動脚の振動を駆動振動と称し、前記コリオリ振動に基づく前記検出脚の振動を検出振動と称し、該駆動脚および検出脚それぞれの該検出振動方向の厚みをa、該駆動振動方向の厚みをbとするとき、aがbよりも大であることを特徴とする振動ジャイロ。
  2. 一対の駆動脚および一対の検出脚並びに該一対の駆動脚および該一対の検出脚を結合する板状の胴部で構成される振動子を有し、該駆動脚を励振する駆動信号により該駆動脚が駆動振動を励起されているときに、該振動子に加わる角速度によるコリオリ力に基づき該検出脚に生じる振動を検出振動として検出する振動ジャイロにおいて、
    前記駆動脚および検出脚それぞれの前記検出振動方向の厚みをa、前記駆動振動方向の厚みをbとするとき、aがbよりも大であることを特徴とする振動ジャイロ。
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