JP2006250693A - 目標体運動解析方法及び装置 - Google Patents

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治 藤本
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Abstract

【課題】 受波センサ位置の誤差によって生じる目標体の状態量の推定値の誤差を抑制できる目標体運動解析方法及び装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、目標体から放射される信号を、目標体と相対的に運動可能な観測体に取り付けた、空間的に離れた3個以上の受波センサで受信し、目標体の位置や速度などの状態量を推定する目標体運動解析方法及び装置に関する。そして、各受波センサ間の信号到来時間差の測定結果である観測時間差時系列を得、この観測時間差時系列に対して、推定誤差を最小とする最適化手法を用いて、目標体の状態量を推定し、観測時間差時系列、及び、目標体について得られた状態量の推定結果から、推定誤差を最小とする最適化手法を用いて、少なくとも一部の受波センサの位置を推定し、推定されたセンサ位置に、該当する受波センサの位置を補正することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は目標体運動解析方法及び装置に関し、例えば、目標体から発信された信号(音響)を、水中航走体又は海上航走体などでなる観測体に取り付けた3個以上の受波センサで受信し、各受波センサ間の信号の到来時間差から、発信源(目標体)の方位、距離、針路、速力などの状態量を推定する方法及び装置に適用し得るものである。
従来の目標体運動解析方法として、非特許文献1に記載のものがある。図2は、非特許文献1に記載の従来の目標体運動解析方法における観測系及び運動系を示す幾何学的説明図である。
図2において、(X,Y,Z)は原点oの固定座標系、1は観測体、2は目標体、C1〜C3はそれぞれ、観測体1に取り付けられた受波センサである。X(t)は、時刻tにおける観測体1の基準位置の位置ベクトル(以下、観測体位置ベクトルと略記する)、S(t)、S(t)、S(t)はそれぞれ、時刻tにおける受波センサC1、C2、C3の位置ベクトル、X(t)は、時刻tにおける目標体2の位置ベクトルである。また、(x,y,z)は観測体1に固定され、観測体1の基準位置を原点とする座標系(以下、観測体固定座標系と略記する)である。観測体固定座標系において、受波センサC1、C2、C3のそれぞれの位置ベクトルをΔS、ΔS、ΔSとする。
従来の目標体運動解析方法は、目標体2から発信された信号を3個以上の受波センサ(C1〜C3)で受信し、雑音に乱された各受波センサ間の信号の観測時間差時系列から、目標体2が等速直線運動を行っていると仮定し、目標体2の位置、速度などの状態量を推定する。
(t)を任意の基準時刻tにおける目標体位置ベクトル、Vを等速直線運動する目標体2の速度ベクトルとすると、時刻tにおける目標体位置ベクトルX(t)は、(1)式に示すように、X(t)とVとの関数となる。時刻tにおける観測体位置ベクトルは既知であり、X(t)とする。観測体固定座標系は、観測体1の針路の変更に伴って回転する。時刻tにおいて、固定座標系(X,Y,Z)に対する観測体固定座標系(x,y,z)の回転行列をC(t)とする。このとき、時刻tにおける受波センサCi(iは1〜3のいずれか)の位置ベクトルS(t)は、(2)式で表すことができる。よって、時刻tにおける受波センサCiと目標体2間の距離R(t)は、(3)式に示すようになる。なお、(3)式における‖ ‖はベクトルのノルムを表している。従って、信号の伝搬速度をcとしたとき、目標体2から発信された信号を、受波センサCiと受波センサCjで受波したとき、両受波センサ間の信号の到来時間差τi,j(t)は、(4)式に示すようになる。受波センサが3個の場合を考え、時刻tにおける独立な時間差ベクトルτ(t)を(5)式で定義する。
Figure 2006250693
しかしながら、実際に観測される受波センサ間の到来時間差(以下、観測時間差と略記する)のベクトルτ(t)は、周囲の雑音等により誤差を持ち、(6)式に示すようになる。(6)式において、W(t)は時間的に無相関で、平均0、共分散行列Σ(t)のガウス雑音ベクトルとする。
Figure 2006250693
時刻t〜tにおいて得られた観測時間差ベクトルτ(t)〜τ(t)に対する目標体評価関数J(X(t),V)を(7)式で表す。なお、(7)式における中括弧の右肩に付与されているような括弧の右肩に付与されているTは、ベクトル、行列の転置を表しており、行列に対する右肩に付与している−1は付与されていない行列の逆行列であることを表している。目標体評価関数J(X(t),V)を最小にするようなX(t)及びVを、基準時刻tにおける目標体位置ベクトルの推定値推定値と^X(t)及び目標体の速度ベクトルの推定値^Vとする。
Figure 2006250693
D. Van Cappel, "Target Motion Analysis using Time Delays Measured from a nonlinear Array", in Proc. of Int. Conf. on Acoust., Speech, Signal Processing, pp.2724-2727, 1989.
従来の目標体運動解析方法では、観測体に取り付けられた受波センサの位置の微小な誤差が推定値の大きな誤差になるため、事前にセンサ位置を正確に測定するなどの方法がとられている。
しかしながら、受波センサ位置の測定誤差を完全に0に押さえ込むことは難しく、また、周囲の環境等の変化で受波センサ位置が測定位置からずれることがある。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、受波センサ位置の誤差によって生じる目標体の位置や速度などの状態量の推定値の誤差を抑制することができる目標体運動解析方法及び装置を提供しようとしたものである。
かかる課題を解決するため、第1の本発明は、目標体から放射される信号を、前記目標体と相対的に運動可能な観測体に取り付けた、空間的に離れた3個以上の受波センサで受信し、前記目標体の位置や速度などに関する状態量を推定する目標体運動解析方法において、前記各受波センサ間の信号到来時間差の測定結果である観測時間差時系列を得、この観測時間差時系列に対して、推定誤差を最小とする最適化手法を用いて、前記目標体の位置や速度などに関する状態量を推定する状態量推定工程と、前記観測時間差時系列、及び、前記目標体について得られた状態量の推定結果から、推定誤差を最小とする最適化手法を用いて、少なくとも一部の前記受波センサの位置を推定するセンサ位置推定工程と、推定されたセンサ位置に、該当する前記受波センサの位置を補正するセンサ位置補正工程とを含むことを特徴とする。
また、第2の本発明は、目標体から放射される信号を、前記目標体と相対的に運動可能な観測体に取り付けた、空間的に離れた3個以上の受波センサで受信し、前記目標体の位置や速度などに関する状態量を推定する目標体運動解析装置において、前記各受波センサ間の信号到来時間差の測定結果である観測時間差時系列を得、この観測時間差時系列に対して、推定誤差を最小とする最適化手法を用いて、前記目標体の位置や速度などに関する状態量を推定する状態量推定手段と、前記観測時間差時系列、及び、前記目標体について得られた状態量の推定結果から、推定誤差を最小とする最適化手法を用いて、少なくとも一部の前記受波センサの位置を推定するセンサ位置推定手段と、推定されたセンサ位置に、該当する前記受波センサの位置を補正するセンサ位置補正手段とを有することを特徴とする。
本発明の目標体運動解析方法及び装置によれば、推定した目標体の状態量に基づいて、受波センサの位置誤差を推定し、推定した受波センサの位置誤差に基づいて受波センサ位置を補正し、次の目標体の状態量の推定を行うようにしたので、受波センサの位置誤差によって生じる目標体の状態量の推定誤差を抑えることが可能となり、目標体運動解析の精度を向上させることができる。
(A)第1の実施形態
以下、本発明による目標体運動解析方法及び装置の第1の実施形態を説明する。
(A−1)第1の実施形態の目標体運動解析の原理
第1の実施形態の具体的な説明に先立って、図2を参照しながら、第1の実施形態における目標体運動解析方法の原理を説明する。
第1の実施形態及び後述する実施形態は、従来における目標体位置及び速度の推定値に大きな誤差が生じる問題を解決するため、観測時間差及び目標体位置と速度の推定値に基づいて受波センサ位置を推定し、該推定センサ位置で受波センサ位置を補正するものである。
従来の目標体運動解析方法では、観測体1に取り付けられた各受波センサCiの観測体固定座標系での位置ベクトルΔS(i=1,…,N)には誤差がないとして、時刻tにおける受波センサiの位置ベクトルを、前記(2)式を用いて算出している。ここで、受波センサCiにεの誤差があり、観測体固定座標系での実際の位置ベクトルが(ΔS+ε)とすると、時刻tにおける受波センサCiの実際の位置ベクトルSεm im(t)は、(8)式で表される。よって、時刻tにおける受波センサCiと目標体2との間の距離Rεm im(t)は、(9)式のようになる。
Figure 2006250693
ここで、全ての受波センサ位置に誤差があるとすると、受波センサ位置の推定ができない。そこで、N個の受波センサ位置のうち、2個には誤差がないと仮定する。以下では、受波センサC1と受波センサCNに誤差がないとして説明する。そうすると、目標体2から発信された信号を、受波センサC1と受波センサC2で受波したとき、これら受波センサ間の信号の到来時間差τε 1,2(t)は、(10)式で表され、受波センサCi(但し、2<i<N−2)と受波センサCj(但し、3<j<N−1,j≠i)で受波したとき、これら受信センサ間の信号の到来時間差τε i,j(t)は、(11)で表され、受波センサC(N−1)と受波センサCNで受波したとき、これら受波センサ間の信号の到来時間差τε N−1,N(t)は、(12)式で表される。
Figure 2006250693
時刻tにおける独立な時間差ベクトルτε(t)を(13)式で定義する。この場合において、時刻t〜tにおいて得られた観測時間差と、前記(7)式を最小にするように推定された目標体位置ベクトルの推定値^X(t)と、目標体の速度ベクトルの推定値^Vを用いてセンサ位置評価関数Jε(E)を、(14)式で定義する。なお、(14)式におけるベクトルEは、(15)式で表される、受波センサC2〜C(N−1)のそれぞれの位置ベクトルにおける誤差を要素とするベクトルである。以上のようなセンサ位置評価関数Jε(E)を最小にするようなベクトルEを、受波センサ位置誤差の推定値^Eとする。受波センサ位置誤差の推定値^Eは、(16)式で表される。
Figure 2006250693
なお、誤差がないと仮定する2個の受波センサは必ずしも受波センサC1と受波センサCNである必要はない。
(A−2)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態の目標体運動解析装置の構成を示すブロック図である。
図1において、第1の実施形態の目標体運動解析装置は、N個の受波センサC1〜CN、N−1個のセンサ間時間差算出部3−1〜3−(N−1)、センサ間時間差誤差共分散行列算出部4、N−1個のセンサ間時間差蓄積部5−1〜5−(N−1)、センサ間時間差誤差共分散行列蓄積部6、目標体評価関数構成部7、センサ位置評価関数構成部8、状態量推定部9、センサ位置推定部10、状態量推定値出力端子11及びセンサ位置補正部12を有する。
受波センサC1〜CNはそれぞれ、観測体1に取り付けられ、目標体2からの信号(例えば音波)を捕捉するものである。
各センサ間時間差算出部3−x(但しxは1〜N−1)は、受波センサCxと受波センサCx+1の受信信号の到来時間差を算出するものである。
センサ間時間差誤差共分散行列算出部4は、受波センサC1〜CNの受信信号から各センサ間時間差の推定誤差共分散行列Σ(t)を算出するものである。
各センサ間時間差蓄積部5−xは、各時刻の受波センサCxと受波センサCx+1の受信信号の到来時間差を蓄積するものである。
センサ間時間差誤差共分散行列蓄積部6は、各時刻のセンサ間時間差誤差共分散行列を蓄積するである。
目標体評価関数構成部7は、蓄積した各センサ間時間差及びセンサ間時間差誤差共分散行列から、目標体2の位置、速度に関する評価関数を構成するものである。
センサ位置評価関数構成部8は、蓄積した各センサ間時間差及びセンサ間時間差誤差共分散行列から、センサ位置に関する評価関数を構成するである。
状態量推定部9は、目標体評価関数を最小にするような目標体位置、速度を推定するである。
センサ位置推定部10は、センサ位置評価関数を最小にするようなセンサ位置誤差を推定するものである。
状態量推定値出力端子11は、目標体位置、速度の推定値の出力端子である。
センサ位置補正部12は、センサ位置誤差の推定値に基づいてセンサ位置を補正するものである。
(A−3)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態の目標体運動解析装置の動作(第1の実施形態の目標体運動解析方法)について説明する。
時刻tにおいて受波センサC1で受信された信号は、センサ間時間差算出部3−1に送られると共に、センサ間時間差誤差共分散行列算出部4に送られる。時刻tにおいて受波センサC2で受信された信号は、センサ間時間差算出部3−1及びセンサ間時間差算出部3−2に送られると共に、センサ間時間差誤差共分散行列算出部4に送られる。以下、同様に、時刻tにおいて受波センサCxで受信された信号は、センサ間時間差算出部3−x及びセンサ間時間差算出部3−(x+1)に送られると共に、センサ間時間差誤差共分散行列算出部4に送られる。時刻tにおいて受波センサCNで受信された信号は、センサ間時間差算出部3−(N−1)に送られると共に、センサ間時間差誤差共分散行列算出部4に送られる。
各センサ間時間差算出部3−1、…、3−(N−1)はそれぞれ、2個の受波センサから送られた受信信号間の到来時間差観測値τm1,2(t)、…、τmN−1(t)を算出し、対応するセンサ間時間差蓄積部5−1、…、5−(N−1)に送る。
一方、センサ間時間差誤差共分散行列算出部4は、受波センサC1〜CNから送られた受信信号から、各センサ間時間差の誤差共分散行列Σ(t)を算出し、センサ間時間差誤差共分散行列蓄積部6に送る。
各センサ間時間差蓄積部5−1、…、5−(N−1)はそれぞれ、対応するセンサ間時間差算出部3−1、…、3−(N−1)から送られた各時刻のセンサ間到来時間差観測値τm1,2(t)、…、τmN−1(t)を蓄積し、蓄積したセンサ間到来時間差観測値τm1,2(t)、…、τmN−1(t)(k=1,…,K)を目標体評価関数構成部7に送ると共に、センサ位置評価関数構成部8に送る。
センサ間時間差誤差共分散行列蓄積部6は、センサ間時間差誤差共分散行列算出部4から送られた各時刻の各センサ間時間差の推定誤差共分散行列Σ(t)を蓄積し、蓄積した各センサ間時間差の推定誤差共分散行列Σ(t)(k=1,…,K)を目標体評価関数構成部7に送ると共に、センサ位置評価関数構成部8に送る。
目標体評価関数構成部7は、各センサ間時間差蓄積部5−1、…、5−(N−1)から送られたτm1,2(t)、…、τmN−1(t)(k=1,…,K)、センサ間時間差誤差共分散行列蓄積部6から送られた各センサ間時間差の推定誤差共分散行列Σ(t)(k=1,…,K)及びセンサ位置補正部12から送られた観測体固定座標系における各受波センサの位置ベクトルΔS,…,ΔSから前記(7)式の目標体評価関数J(X(t),V)を構成し、状態量推定部9に送る。ここで、前記(7)式で必要となる観測体位置ベクトルX(t)(k=1,…,K)及び固定座標系に対する観測体固定座標系の回転行列C(t)(k=1,…,K)は、自身の位置、運動に関する情報であるので、ジャイロやコンパス等のセンサを用いて測定した値を用いる。
状態量推定部9は、目標体評価関数構成部7から送られた目標体評価関数J(X(t),V)が最小となるような基準時刻tにおける目標体位置ベクトルX(t)及び目標体の速度ベクトルVを探索し、目標体評価関数J(X(t),V)が最小となったX(t)及びVを基準時刻tにおける目標体位置ベクトルの推定値^X(t)及び目標体の速度ベクトルの推定値^Vとし、出力端子11から出力すると共に、センサ位置評価関数構成部8に送る。ここで、目標体評価関数J(X(t),V)を最小とするX(t)及びVの探索には、例えば、上述した非特許文献1に記載されているガウス−ニュートンアルゴリズムなどを用いれば良い。
センサ位置評価関数構成部8は、各センサ間時間差蓄積部5−1、…、5−(N−1)から送られたτm1,2(t)、…、τmN−1(t)(k=1,…,K)、センサ間時間差誤差共分散行列蓄積部6から送られた各センサ間時間差の推定誤差共分散行列Σ(t)(k=1,…,K)、状態量推定部9から送られた基準時刻tにおける目標体位置ベクトルの推定値^X(t)及び目標体の速度ベクトルの推定値^V、及び、センサ位置補正部12から送られた観測体固定座標系における各受波センサの位置ベクトルベクトルΔS,…,ΔSから、前記(14)式のセンサ位置評価関数Jε(E)を構成し、センサ位置推定部10に送る。
センサ位置推定部10は、センサ位置評価関数構成部8から送られたセンサ位置評価関数Jε(E)が最小となるような受波センサ位置誤差ベクトルEを探索し、センサ位置評価関数Jε(E)が最小となったEを受波センサ位置誤差の推定値^Eとし、センサ位置補正部12に送る。ここで、センサ位置評価関数Jε(E)を最小とするEの探索にも、例えば、非特許文献1に記載されているガウス−ニュートンアルゴリズムなどの非線形最適化手法を用いれば良い。
センサ位置補正部12は、センサ位置推定部10から送られた受波センサ位置誤差の推定値^Eを用いて、それまで設定されていた観測体固定座標系における各受波センサの位置ベクトルΔS(old) (i=2,…,N−1)を、(17)式に従って補正して、新たな観測体固定座標系における受波センサの位置ベクトルとしてΔS(i=2,…,N−1)を、目標体評価関数構成部7及びセンサ位置評価関数構成部8に送る。また、センサ位置補正部12は、センサ位置を補正しない受波センサC1及びCNについては、予め設定した観測体固定座標系における受波センサの位置ベクトルΔS、ΔSを目標体評価関数構成部7に送る。
Figure 2006250693
なお、センサ位置補正部12は、目標体2の位置や速度が推定されていない初期状態では、予め設定した観測体固定座標系における受波センサの位置ベクトルΔS(i=2,…,N−1)を目標体評価関数構成部7及びセンサ位置評価関数構成部8に送る。
(A−4)第1の実施形態の効果
以上詳細に説明したように、第1の実施形態によれば、推定した目標体位置、速度に基づいて、受波センサの位置誤差を推定し、推定した受波センサの位置誤差に基づいて受波センサ位置を補正し、次の目標体の位置、速度の推定を行うようにしているため、受波センサの位置誤差によって生じる目標体位置、速度の推定誤差を抑えることが可能となり、目標体運動解析の精度の向上を実現することが可能となる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明による目標体運動解析方法及び装置の第2の実施形態を説明する。
(B−1)第2の実施形態の目標体運動解析の原理
第2の実施形態の具体的な説明に先立って、第2の実施形態における目標体運動解析方法の原理を説明する。
上述した第1の実施形態で説明したように、センサ位置を推定するには、目標体位置、速度が必要であり、目標体位置、速度の誤差が大きいと、センサ位置の推定誤差が大きくなる。そこで、第2の実施形態では、目標体位置、速度の推定精度を算出し、充分な推定精度が得られている場合は推定センサ位置でセンサ位置を補正し、充分な推定精度が得られていない場合はセンサ位置の補正を行わないようにする。
前記(7)式の目標体評価関数J(X(t),V)を最小にするように推定した基準時刻tにおける目標体位置ベクトルの推定値^X(t)及び目標体の速度ベクトルの推定値^Vの推定誤差共分散行列P(X(t),V)は、(18)式で推定でき、これを利用して目標体位置、速度の推定精度を判定するようにする。
Figure 2006250693
(B−2)第2の実施形態の構成
図3は、第2の実施形態の目標体運動解析装置の構成を示すブロック図であり、上述した第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
第2の実施形態の目標体運動解析装置は、第1の実施形態に比較すると、状態量推定誤差共分散行列算出部13が追加して設けられていると共に、センサ位置補正部12に代えて、第1のセンサ位置補正判定/補正部14−1が設けられている点が異なっており、その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
状態量推定誤差共分散行列算出部13は、目標体2の位置や速度の推定精度を算出するものである。第1のセンサ位置補正判定/補正部14−1は、目標体2の位置、速度の推定精度に基づいて、センサ位置を補正するか否かを判断し、センサ位置誤差の推定値に基づいて、センサ位置を補正するものである。
(B−3)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態の目標体運動解析装置の動作(第2の実施形態の目標体運動解析方法)について説明する。
受波センサC1〜CN、センサ間時間差算出部3−1〜3−(N−1)、センサ間時間差誤差共分散行列算出部4、センサ間時間差蓄積部5−1〜5−(N−1)、目標体評価関数構成部7、センサ位置評価関数構成部8の動作は、第1の実施形態と同様である。
センサ間時間差誤差共分散行列蓄積部6は、蓄積した各センサ間時間差の推定誤差共分散行列Σ(t)(k=1,…,K)を、目標体評価関数構成部7及びセンサ位置評価関数構成部8に加え、状態量推定誤差共分散行列算出部13に送っている点が第1の実施形態と異なっている。
状態量推定部9は、第1の実施形態と同様な推定処理により得た基準時刻tにおける目標体位置ベクトルの推定値^X(t)及び目標体の速度ベクトルの推定値^Vを、状態量推定誤差共分散行列算出部13にも送っている点が第1の実施形態と異なっている。
センサ位置推定部10は、第1の実施形態と同様な推定処理により得た受波センサ位置誤差の推定値^Eを、センサ位置補正部12ではなく、第1のセンサ位置補正判定/補正部14−1に送っている点が第1の実施形態と異なっている。
状態量推定誤差共分散行列算出部13は、センサ間時間差誤差共分散行列蓄積部6から送られた各センサ間時間差の推定誤差共分散行列Σ(t)(k=1,…,K)及び状態量推定部9から送られた基準時刻tにおける目標体位置ベクトルの推定値^X(t)及び目標体の速度ベクトルの推定値^Vから、前記(18)式によって、これら推定値^X(t)及び^Vの推定誤差共分散行列P(X(t),V)を算出し、算出した推定誤差共分散行列P(X(t),V)を第1のセンサ位置補正判定/補正部14−1に送る。
第1のセンサ位置補正判定/補正部14−1は、状態量推定誤差共分散行列算出部13から送られた推定誤差共分散行列P(X(t),V)の位置に関する各成分の分散が、予め設定された位置に関する各成分の閾値以下で、かつ、速度に関する各成分の分散が予め設定された速度に関する各成分の閾値以下であるかどうかを判断し、全ての条件(閾値以下)が満たされた場合には、第1の実施形態のセンサ位置補正部12と同様な動作を行う。一方、いずれか1個でも条件を満たさない成分があれば、第1のセンサ位置補正判定/補正部14−1はセンサ位置の補正を実行しない。
(B−4)第2の実施形態の効果
以上詳細に説明したように、第2の実施形態によれば、推定した目標体位置、速度に基づいて受波センサの位置誤差を推定し、目標体位置、速度が予め設定された閾値以上の精度で推定されている場合のみ、推定した受波センサの位置誤差に基づいて受波センサ位置を補正し、次の目標体位置、速度の推定を行うようにしているため、受波センサの位置誤差によって生じる目標体位置、速度の推定誤差を抑えることが可能となり、かつ、目標体位置、速度の推定誤差の悪影響を排除した受波センサ位置の補正が可能となり、目標体解析精度の向上を実現することが可能となる。
(C)第3の実施形態
次に、本発明による目標体運動解析方法及び装置の第3の実施形態を説明する。
(C−1)第3の実施形態の目標体運動解析の原理
第3の実施形態の具体的な説明に先立って、第3の実施形態における目標体運動解析方法の原理を説明する。
第3の実施形態も、第2の実施形態と同様に、推定センサ位置の精度が低いと考えられるときには、センサ位置の補正を行わないようにするものである。上述した第2の実施形態では、目標体位置、速度の推定精度に基づいて、センサ位置の補正を実行するか否かを定めたものであったが、この第3の実施形態は、受波センサ位置誤差の推定値自体の精度に基づいて、センサ位置の補正を実行するか否かを定めるものである。
前記(14)式のセンサ位置評価関数Jε(E)を最小にするように推定した受波センサ位置誤差の推定値^Eの推定誤差共分散行列Pは、(19)式で推定できる。従って、推定誤差共分散行列Pから、受波センサ位置誤差の推定値^Eが一定以上の精度で推定できているか否かを判断し、センサ位置を補正するか否かを判断する。
Figure 2006250693
(C−2)第3の実施形態の構成
図4は、第3の実施形態の目標体運動解析装置の構成を示すブロック図であり、上述した第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
第3の実施形態の目標体運動解析装置は、第1の実施形態に比較すると、センサ位置推定誤差共分散行列算出部15が追加して設けられていると共に、センサ位置補正部12に代えて、第2のセンサ位置補正判定/補正部14−2が設けられている点が異なっており、その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
センサ位置推定誤差共分散行列算出部15は、センサ位置誤差の推定精度を表すセンサ位置推定誤差共分散行列を算出するものである。
第2のセンサ位置補正判定/補正部14−2は、センサ位置誤差の推定精度を表すセンサ位置推定誤差共分散行列に基づいて、センサ位置を補正するかを判断し、補正する場合には、センサ位置誤差の推定値に基づいてセンサ位置を補正するものである。
(C−3)第3の実施形態の動作
次に、第3の実施形態の目標体運動解析装置の動作(第3の実施形態の目標体運動解析方法)について説明する。
受波センサC1〜CN、センサ間時間差算出部3−1〜3−(N−1)、センサ間時間差誤差共分散行列算出部4、センサ間時間差蓄積部5−1〜5−(N−1)、目標体評価関数構成部7、状態量推定部9の動作は、第1の実施形態と同様である。
センサ間時間差誤差共分散行列蓄積部6は、蓄積した各センサ間時間差の推定誤差共分散行列Σ(t)(k=1,…,K)を、目標体評価関数構成部7及びセンサ位置評価関数構成部8に加え、センサ位置推定誤差共分散行列算出部15にも送っている点が第1の実施形態と異なっている。
センサ位置推定部10は、第1の実施形態と同様な推定処理により得た受波センサ位置誤差の推定値^Eを、センサ位置補正部12ではなく、第2のセンサ位置補正判定/補正部14−2に送っている点、及び、センサ位置推定誤差共分散行列算出部15に送っている点が第1の実施形態と異なっている。
センサ位置推定誤差共分散行列算出部15は、センサ間時間差誤差共分散行列蓄積部6から送られた各センサ間時間差の推定誤差共分散行列Σ(t)(k=1,…,K)及びセンサ位置推定部10から送られた受波センサ位置誤差の推定値^Eから、前記(19)式で推定した受波センサ位置誤差の推定値の推定誤差共分散行列Pを算出し、算出した推定誤差共分散行列Pを第2のセンサ位置補正判定/補正部15に送る。
第2のセンサ位置補正判定/補正部15は、センサ位置推定誤差共分散行列算出部15から送られた推定誤差共分散行列Pの分散が予め設定された閾値以下であるか否かを受波センサC1、…、CN毎に判断する。そして、第2のセンサ位置補正判定/補正部15は、条件が満たされた受波センサについては、センサ位置推定部10から送られた受波センサ位置誤差の推定値^Eを用いて、それまで設定されていた観測体固定座標系における条件が満たされた受波センサの位置ベクトルΔS(old) (i=2,…,N−1)を、(17)式に従って補正して、新たな観測体固定座標系における受波センサの位置ベクトルとしてΔS(i=2,…,N−1)を、目標体評価関数構成部7及びセンサ位置評価関数構成部8に送る。また、センサ位置補正部12は、センサ位置を補正しない受波センサC1及びCNについては、予め設定した観測体固定座標系における受波センサの位置ベクトルΔS、ΔSを目標体評価関数構成部7に送る。なお、センサ位置補正部12は、目標体2の位置や速度が推定されていない初期状態では、予め設定した観測体固定座標系における受波センサの位置ベクトルΔS(i=2,…,N−1)を目標体評価関数構成部7及びセンサ位置評価関数構成部8に送る。
(C−4)第3の実施形態の効果
以上詳細に説明したように、第3の実施形態によれば、推定した目標体位置、速度に基づいて受波センサの位置誤差を推定し、受波センサの位置誤差が予め設定された閾値以上の精度で推定されている場合のみ、推定した受波センサの位置誤差に基づいて受波センサ位置を補正し、次の目標体位置、速度の推定を行うようにしているため、受波センサの位置誤差によって生じる目標体位置、速度の推定誤差を抑えることが可能となり、かつ、受波センサの位置誤差の推定誤差の悪影響を排除した受波センサ位置の補正が可能となり、目標体解析精度の向上を実現することが可能となる。
(D)第4の実施形態)
次に、本発明による目標体運動解析方法及び装置の第4の実施形態を説明する。
(D−1)第4の実施形態の目標体運動解析の原理
第4の実施形態の具体的な説明に先立って、第4の実施形態における目標体運動解析方法の原理を説明する。
上述した第1の実施形態から第3の実施形態では、1個の目標体について推定した目標体位置、速度に基づいて、受波センサの位置誤差を推定するようにしている。しかし、複数個の目標体に対して、センサ間時間差の観測値、センサ間時間差誤差共分散行列、目標体位置、速度の推定値を蓄積しておけば、これらを用いて受波センサの位置誤差を推定することも可能となる。第4の実施形態は、このような観点からなされたものである。
(p) (t(p) )を第p目標体の任意の基準時刻t(p) における目標体位置ベクトル、V(p) を等速直線運動する第p目標体の速度ベクトルとすると、時刻における第p目標体の目標体位置ベクトルX(p) (t(p) )は、前記(1)式から、(20)式となる。
Figure 2006250693
時刻t(p) における観測体位置ベクトルは既知であり、X(t(p) )とする。観測体固定座標系は、観測体1の針路の変更に伴い、回転する。時刻t(p) において、固定座標系に対する観測体固定座標系の回転行列をC(t(p) )とする。時刻t(p) における受波センサCiの位置ベクトルS(t(p) )は、(21)式となる。
Figure 2006250693
従って、時刻t(p) における受波センサCiと第p目標体間の距離R(t(p) )は、(22)式で表され、その結果、第p目標体から発信された信号を、受波センサCiと受波センサCjで受波したときの両受波センサ間の信号の到来時間差τ(p) i,j(t(p) )は、(23)式で表される。受波センサがN個の場合を考え、時刻t(p) における独立な時間差ベクトルを(24)式で定義する。
Figure 2006250693
実際に観測される2個の受波センサ間の到来時間差(以下、観測時間差と略記する)τ(p) (t(p) )は、周囲の雑音等により誤差を持ち、(25)式のように表される。(25)式において、W(p)(t(p) )は時間的に無相関で、平均0、共分散行列Σ(p)(t(p) )のガウス雑音ベクトルとする。
Figure 2006250693
第p目標体について、時刻t(p) 〜t(p) K(p)において得られた観測時間差τ(p) (t(p) )、…、τ(p) (t(p) K(p))に対して、(26)式に示す目標体評価関数J(X(p) (t(p) ),V(p) )を最小にするような、X(p) (t(p) )及びV(p) が、基準時刻t(p) における第p目標体の位置ベクトルの推定値^X(p) (t(p) )及び第p目標体の速度ベクトルの推定値^V(p) となる。
Figure 2006250693
次に、受波センサCiにεの誤差があり、観測体固定座標系での実際の位置ベクトルが(ΔSim+ε)とすると、時刻t(p) における受波センサCiの実際の位置ベクトルSεm im(t(p) )は、(27)式で表される。従って、時刻t(p) における受波センサCiと第p目標体間の距離Rεm im(t(p) )は、(28)式で表される。
Figure 2006250693
ここで、全ての受波センサの位置に誤差があるとすると、受波センサ位置の推定ができない。そこで、N個の受波センサ位置のうち、2個は誤差がないと仮定する。ここでは、受波センサC1と受波センサCNには誤差がないとして説明する。そうすると、第p目標体から発信された信号を、受波センサC1と受波センサC2で受波したとき、これら受波センサ間の信号の到来時間差τε(p) 1,2(t(p) )は、(29)式で表され、受波センサCi(但し、2<i<N−2)と受波センサj(但し、3<j<N−1,j≠i)で受波したとき、これら受波センサ間の信号の到来時間差τε(p) i,j(t(p) )は、(30)式で表され、受波センサC(N−1)と受波センサCNで受波したとき、これら受波センサ間の信号の到来時間差τε(p) N−1,N(t(p) )は、(31)式で表される。時刻t(p) における独立な時間差ベクトルを(32)式で定義する。
Figure 2006250693
P個の目標体について、目標体位置、速度が推定されたとすると、第p目標体(p=1〜P)について、時刻t(p) 〜t(p) K(p)において得られた観測時間差と、前記(26)式を最小にするように推定された第p目標体の位置ベクトルの推定値^X(p) (t(p) )と、第p目標体の速度ベクトルの推定値^V(p) を用いて、(33)式に示す第2のセンサ位置評価関数Jε2(E)を定義する。そして、第2のセンサ位置評価関数Jε2(E)を最小にするようなベクトルEを受波センサ位置誤差の推定値^Eとする。
Figure 2006250693
なお、誤差がないと仮定する2個の受波センサは、必ずしも受波センサC1と受波センサCNである必要はない。
(D−2)第4の実施形態の構成
図5は、第4の実施形態の目標体運動解析装置の構成を示すブロック図であり、上述した第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
第4の実施形態の目標体運動解析装置は、第1の実施形態に比較すると、目標体別データ蓄積部16が追加して設けられていると共に、第1の実施形態のセンサ位置評価関数構成部8及びセンサ位置推定部10に代えて、第2のセンサ位置評価関数構成部8−2及び第2のセンサ位置推定部10−2が設けられている点が異なっており、その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
目標体別データ蓄積部16は、各目標体の各センサ間時間差及びセンサ間時間差誤差共分散行列、目標体位置ベクトル及び速度ベクトルの推定結果を蓄積するものである。
第2のセンサ位置評価関数構成部8−2は、蓄積した各目標体についての各センサ間時間差及びセンサ間時間差誤差共分散行列から、センサ位置に関する第2のセンサ位置評価関数を構成するものである。
第2のセンサ位置推定部10−2は、第2のセンサ位置評価関数を最小にするようなセンサ位置誤差を推定するものである。
(D−3)第4の実施形態の動作
次に、第4の実施形態の目標体運動解析装置の動作(第4の実施形態の目標体運動解析方法)について説明する。
受波センサC1〜CN、センサ間時間差算出部3−1〜3−(N−1)、センサ間時間差誤差共分散行列算出部4、センサ間時間差誤差共分散行列蓄積部6、目標体評価関数構成部7の動作は、第1の実施形態と同様である。
センサ間時間差蓄積部5−1〜5−(N−1)は、第1の実施形態のものとほぼ同様であるが、蓄積したセンサ間到来時間差観測値を、目標体評価関数構成部7及び目標体別データ蓄積部16に送っている点が、第1の実施形態と異なっている。
センサ間時間差誤差共分散行列蓄積部6も、第1の実施形態のものとほぼ同様であるが、蓄積した各センサ間時間差の推定誤差共分散行列を目標体評価関数構成部7及び目標体別データ蓄積部16に送っている点が、第1の実施形態と異なっている。
状態量推定部9は、第1の実施形態とほぼ同様の動作で、前記(26)式の目標体評価関数J(X(p) (t(p) ),V(p) )を構成し、状態量推定部9に送る。
状態量推定部9は、目標体評価関数構成部7から送られた目標体評価関数J(X(p) (t(p) ),V(p) )が最小となるような基準時刻t(p) における目標体位置ベクトルX(p) (t(p) )及び目標体の速度ベクトルV(p) を探索し、目標体評価関数J(X(p) (t(p) ),V(p) )が最小となった目標体位置ベクトルX(p) (t(p) )及び目標体の速度ベクトルV(p) を基準時刻t(p) における目標体位置ベクトルの推定値^X(p) (t(p) )及び目標体の速度ベクトルの推定値^V(p) とし、出力端子11から出力すると共に、目標体別データ蓄積部16に送る。
目標体別データ蓄積部16は、各センサ間時間差蓄積部5−1、…、5−(N−1)から送られた第p目標体の観測時間差τε(p) m1,2(t(p) )、…、τε(p) mN−1,N(t(p) )(k=1,…,K(p))と、センサ間時間差誤差共分散行列蓄積部6から送られた第p目標体の各センサ間時間差の推定誤差共分散行列Σ(p)(t(p) )(k=1,…,K(p))と、状態量推定部9から送られた第p目標体の位置ベクトルの推定値^X(p) (t(p) )と、第p目標体の速度ベクトルの推定値^V(p) と、基準時刻t(p) とを各目標体p(p=1〜P)について蓄積し、該蓄積した目標体別のデータを第2のセンサ位置評価関数構成部8−2に送る。
第2のセンサ位置評価関数構成部8−2は、目標体別データ蓄積部16から送られた第1目標体から第P目標体の観測時間差τε(p) m1,2(t(p) )、…、τε(p) mN−1,N(t(p) )(k=1,…,K(p))と、各センサ間時間差の推定誤差共分散行列Σ(p)(t(p) )(k=1,…,K(p))と、第p目標体の位置ベクトルの推定値^X(p) (t(p) )と、第p目標体の速度ベクトルの推定値^V(p) と、基準時刻t(p) と、センサ位置補正部12から送られた観測体固定座標系における各受波センサの位置ベクトルΔS,…,ΔSから、前記(33)式の第2のセンサ位置評価関数Jε2(E)を構成し、第2のセンサ位置推定部10−2に送る。
第2のセンサ位置推定部10−2は、第2のセンサ位置評価関数構成部8−2から送られた第2のセンサ位置評価関数Jε2(E)が最小となるような受波センサ位置誤差を探索し、第2のセンサ位置評価関数Jε2(E)が最小となったEを受波センサ位置誤差の推定値^Eとし、センサ位置補正部12に送る。ここで、センサ位置評価関数Jε2(E)を最小とするEの探索には、例えば、非特許文献1に記載されているガウス−ニュートンアルゴリズムなどの非線形最適化手法を用いれば良い。
センサ位置補正部12は、第2のセンサ位置推定部10−2から送られた受波センサ位置誤差の推定値^Eを用いて、第1の実施形態と同様に動作する。
(D−4)第4の実施形態の効果
以上詳細に説明したように、第4の実施形態では、推定した複数目標体の位置、速度に基づいて、受波センサの位置誤差を推定し、推定した受波センサの位置誤差に基づいて受波センサ位置を補正し、次の目標体位置、速度の推定を行うようにしているため、1目標体のみの目標体の位置、速度に基づいて受波センサの位置誤差を推定した場合よりも、受波センサの位置誤差の推定精度が向上する。これによって、受波センサの位置誤差によって生じる目標体位置、速度の推定誤差を抑えることが可能となり、解析精度の向上を実現することが可能となる。
(E)他の実施形態
前記第4の実施形態は、前記第1の実施形態の技術思想に対し、複数目標体の位置、速度に基づいて、受波センサの位置誤差を推定するという手法を適用したものであったが、前記第2や第3の実施形態の技術思想に対し、第4の実施形態の技術思想を組み合わせるようにしても良い。
また、前記第4の実施形態の説明では、物理的に別体の複数の目標体からの信号を処理するイメージで説明したが、同一の目標からの信号も、その受信タイミングなどが異なる場合であれば、異なる目標体からの信号として処理に含めるようにしても良い。
さらに、前記各実施形態では、観測体1及び目標体2共に運動物体であるように説明したが、いずれか一方が固定物であっても良い。
さらにまた、前記各実施形態においては、目標体2に関する状態量として、位置及び速度を推定するものを示したが、一方だけを推定するものであっても良く、さらには、位置及び加速度(速度の微分)を推定するものであっても良く、推定される状態量は前記実施形態のものに限定されない。
前記各実施形態では、受波センサN個に対して、位置誤差を推定する受波センサをN−2個にしていたが、位置誤差を推定する受波センサは、1〜N−2個の範囲であれば、任意に設定できるようにしても良い。例えば、前記(15)式において、受波センサ位置誤差ベクトルを推定したい受波センサだけを選択して構成すれば良い。受波センサC2だけを推定したいとすれば、(15)式を、(34)式のように構成して、センサ位置評価関数あるいは第2のセンサ位置評価関数を構成すれば良い。
Figure 2006250693
また、受波センサの推定位置の精度の評価方法として、上記第2の実施形態の評価方法と、上記第3の実施形態の評価方法とを併用するようにしても良い。
第1の実施形態の目標体運動解析装置の構成を示すブロック図である。 従来の目標体運動解析方法における観測系及び運動系を示す幾何学的説明図である。 第2の実施形態の目標体運動解析装置の構成を示すブロック図である。 第3の実施形態の目標体運動解析装置の構成を示すブロック図である。 第4の実施形態の目標体運動解析装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
C1〜CN…受波センサ、1…観測体、2…目標体、3−1〜3−(N−1)…センサ間時間差算出部、4…センサ間時間差誤差共分散行列算出部、5−1〜5−(N−1)…センサ間時間差蓄積部、6…センサ間時間差誤差共分散行列蓄積部、7…目標体評価関数構成部、8…センサ位置評価関数構成部、8−2…第2のセンサ位置評価関数構成部、9…状態量推定部、10…センサ位置推定部、10−2…第2のセンサ位置推定部、11…状態量推定値出力端子、12…センサ位置補正部、13…状態量推定誤差共分散行列算出部、14−1…第1のセンサ位置補正判定/補正部、14−2…第2のセンサ位置補正判定/補正部、15…センサ位置推定誤差共分散行列算出部、16…目標体別データ蓄積部16。

Claims (10)

  1. 目標体から放射される信号を、前記目標体と相対的に運動可能な観測体に取り付けた、空間的に離れた3個以上の受波センサで受信し、前記目標体の位置や速度などに関する状態量を推定する目標体運動解析方法において、
    前記各受波センサ間の信号到来時間差の測定結果である観測時間差時系列を得、この観測時間差時系列に対して、推定誤差を最小とする最適化手法を用いて、前記目標体の位置や速度などに関する状態量を推定する状態量推定工程と、
    前記観測時間差時系列、及び、前記目標体について得られた状態量の推定結果から、推定誤差を最小とする最適化手法を用いて、少なくとも一部の前記受波センサの位置を推定するセンサ位置推定工程と、
    推定されたセンサ位置に、該当する前記受波センサの位置を補正するセンサ位置補正工程と
    を含むことを特徴とする目標体運動解析方法。
  2. 前記センサ位置補正工程は、前記受波センサの推定位置の精度を評価し、前記受波センサの推定位置の精度が低い場合に、位置補正を実行しないことを特徴とする請求項1に記載の目標体運動解析方法。
  3. 前記センサ位置補正工程は、前記目標体の状態量の推定結果に対する推定精度を算出し、該推定精度が予め設定した閾値より良い場合には該推定位置で受波センサ位置を補正し、該推定精度が予め設定した閾値より悪い場合には受波センサ位置を補正しないことを特徴とする請求項2に記載の目標体運動解析方法。
  4. 前記センサ位置補正工程は、前記受波センサ位置の推定結果に対する推定精度を算出し、該推定精度が予め設定した閾値より良い場合には該推定位置で受波センサ位置を補正し、該推定精度が予め設定した閾値より悪い場合には受波センサ位置を補正しないことを特徴とする請求項2に記載の目標体運動解析方法。
  5. 前記状態量推定工程は、複数の目標体に対して、目標体毎に観測時間差時系列を得、各目標体の状態量を推定し、
    前記センサ位置推定工程は、目標体毎の観測時間差時系列、及び、推定された各目標体の状態量から、推定誤差を最小とする最適化手法を用いて、少なくとも一部の前記受波センサの位置を推定する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の目標体運動解析方法。
  6. 目標体から放射される信号を、前記目標体と相対的に運動可能な観測体に取り付けた、空間的に離れた3個以上の受波センサで受信し、前記目標体の位置や速度などに関する状態量を推定する目標体運動解析装置において、
    前記各受波センサ間の信号到来時間差の測定結果である観測時間差時系列を得、この観測時間差時系列に対して、推定誤差を最小とする最適化手法を用いて、前記目標体の位置や速度などに関する状態量を推定する状態量推定手段と、
    前記観測時間差時系列、及び、前記目標体について得られた状態量の推定結果から、推定誤差を最小とする最適化手法を用いて、少なくとも一部の前記受波センサの位置を推定するセンサ位置推定手段と、
    推定されたセンサ位置に、該当する前記受波センサの位置を補正するセンサ位置補正手段と
    を有することを特徴とする目標体運動解析装置。
  7. 前記センサ位置補正手段は、前記受波センサの推定位置の精度を評価し、前記受波センサの推定位置の精度が低い場合に、位置補正を実行しないことを特徴とする請求項6に記載の目標体運動解析装置。
  8. 前記センサ位置補正手段は、前記目標体の状態量の推定結果に対する推定精度を算出し、該推定精度が予め設定した閾値より良い場合には該推定位置で受波センサ位置を補正し、該推定精度が予め設定した閾値より悪い場合には受波センサ位置を補正しないことを特徴とする請求項7に記載の目標体運動解析装置。
  9. 前記センサ位置補正手段は、前記受波センサ位置の推定結果に対する推定精度を算出し、該推定精度が予め設定した閾値より良い場合には該推定位置で受波センサ位置を補正し、該推定精度が予め設定した閾値より悪い場合には受波センサ位置を補正しないことを特徴とする請求項7に記載の目標体運動解析装置。
  10. 前記状態量推定手段は、複数の目標体に対して、目標体毎に観測時間差時系列を得、各目標体の状態量を推定し、
    前記センサ位置推定手段は、目標体毎の観測時間差時系列、及び、推定された各目標体の状態量から、推定誤差を最小とする最適化手法を用いて、少なくとも一部の前記受波センサの位置を推定する
    ことを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の目標体運動解析装置。

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