JP2006249629A - 斑加工原糸、その処理方法、及び編織物 - Google Patents

斑加工原糸、その処理方法、及び編織物 Download PDF

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Abstract

【課題】 特殊な外観を与えることができることができるようにする。
【解決手段】 本発明の斑加工原糸Spは、表層と芯とで組成及び/又は構造の異なる原糸Sにおける表層を機械的に削除又は摺擦したことを特徴としている。また、この斑加工原糸Spの処理方法は、原糸Sを連続送給しつつ、その送給路上において原糸Sに回転研削工具4を接触させることにより、原糸Sの表層を機械的に削除又は摺擦したことを特徴としている。回転研削工具4は、その外周に周方向へ並んだ凹凸を有するロール状に形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原糸の外観に斑加工を施してなる斑加工原糸、その処理方法、及び編織物(編み物又は織物)に関するものである。
近年、繊維業界では、安価な輸入品(量産品)に対抗するとともに、消費者の個性化、好みの多様化に対応するために、個性的で多様な製品の一つとして、特殊な外観(風合い・質感等)の原糸や編織物等の素材からなる製品の需要が高まっている。また、近年における消費者の健康に対する関心の高まりから、化学薬剤の使用が抑えられた可及的身体への刺激が少ない素材からなる製品の需要も高まっている。
特殊な外観の原糸として、外観に斑を持たせた原糸を用いる手法は、古くは絣(かすり)などの公知のものがある(特許文献1参照)。また、外観に斑を持たせた原糸に類似する効果を狙うものとして、編織物又はそれを縫製してなる製品(縫製衣料等)の表面を擦る手法もある(特許文献2〜5参照)。
特開2001−32179号公報 特公昭45−39077号公報 特公昭62−28235号公報 特許第2677139号公報 特許第3593218号公報
ところが、従来の外観に斑を持たせた原糸は、(1)斑に染める、(2)斑に脱色する等の技術により実現されているが、いずれも、斑を持たせる工程が複雑で、こまかく短い斑を付けることができないという課題がある。しかも、斑に脱色するときには、多くの場合、効率やコストの面から化学薬剤の使用が避けられない。
また、編織物又はそれを縫製してなる製品(縫製衣料等)の表面を擦る手法の場合、それによる外観は、「着古し感」に限定されるという課題がある。また、織り目等の表面から盛り上がっている部位が擦れやすく、外観の斑がそのような部位に拘束されてしまうという課題もある。
本発明の斑加工原糸は、これまで業界では不可能・非常識とされてきた「原糸段階での削除又は摺擦」によって、細かく短い斑をつけることに成功したものである。また、本発明の斑加工原糸の開発の過程で予期しない成果も得られた。それは、削り取った糸くずが原糸本体から離散せずに小さな集積体として原糸上に絡みつくという現象が認められたことである。この現象を詳しく調べた結果、操業条件を選ぶことによって糸くずの集積とからみ具合を制御することが可能となり、同一の製造装置を用いてネップを有する原糸を製造できるようになった。
すなわち、上記課題を解決するために、第1の発明の斑加工原糸は、表層と芯とで組成及び/又は構造の異なる原糸における前記表層を機械的に削除又は摺擦したことを特徴としている。
前記「表層と芯とで組成及び/又は構造の異なる原糸」としては、特に限定されないが、次の態様を例示する。
(1)前記表層と芯とで組成の異なる原糸として、前記表層と芯とで繊維の材質、繊維の着色、又は繊維への染料の付着程度が異なる原糸である態様。
(2)前記表層と芯とで構造の異なる原糸として、前記表層と芯とで繊維太さ、繊維方向、又は繊維密度が異なる原糸である態様。
ここで、前記(1)における染料の付着程度の異なる原糸について、さらに詳説する。本法の素材である原糸の代表例は染色を施した糸である。たとえば藍染めの木綿糸であれば無色の木綿繊維の表面に染料が付着したものである。染料の付着程度は紡糸の形態と染色方法によって異なるが、糸の外周部分と芯の部分では差がある。このような染色糸に本法を適用した研削部分では、マクロ的には外周にある染料濃度の高い糸が除かれて芯部の染料濃度の低い淡色糸が露出して淡色の斑点となり、ミクロ的には繊維の表層部が削除されることによって染料濃度が低下して繊維の地色が現れる。かくして研削された部分は藍色の濃度を減じて、脱色の程度が無段階に異なる淡青ないし白色の斑となる。
染色を多重に施した原糸に本法を適用すると、研削部分において上層の染料が除かれて下層の染料が顔を出すので地色とは異なる色彩の斑を得ることが出来る。また合成繊維では繊維自体を着色しておけば、1層の染色であっても研削によって繊維の色が現れるので上記と同様の効果がある。
この斑加工法によれば、前記原糸の表層を断続的に削除又は摺擦するので、細かく短い斑をつけることができる。前記原糸は、表層と芯とで組成及び/又は構造の異なっているので、表層が削除又は摺擦されることによって組成及び/又は構造が異なる芯が露出し、より特殊な外観となる。また、前記原糸を削除又は摺擦するという純粋に機械的な工程のみによって実現でき、従来の絣とは異なりムラ染めや脱色などの複雑な工程が必要ない。また、化学薬剤を使用する必要がないので、可及的身体への刺激が少ない素材を得ることができる。
第2の発明の斑加工原糸としては、前記第1の発明において、前記削除又は摺擦によって生じた糸くずからなるネップを有する態様を例示する。
この斑加工原糸によれば、前記ネップにより色彩のみならず形状的な変化を設けることができる。
第3の発明の編織物としては、前記第1又は2の発明の斑加工原糸を使用している。
この編織物によれば、前記斑加工原糸に付与した色調の変化を面的な拡がりとして衣料品に表現することができる。
第4の発明の斑加工原糸の処理方法は、
原糸を連続送給しつつ、その送給路上において前記原糸に回転研削工具を接触させることにより、前記原糸の表層を機械的に削除又は摺擦することを特徴としている。
第5の発明の斑加工原糸の処理方法としては、前記第4の発明において、前記回転研削工具と前記原糸との接触状態を所望の間隔で変化させることにより、斑を発生させる態様を例示する。この具体例としては、次の態様を例示する。なお、下記進退機構は特に限定されるものではなく公知のものが利用できる。
(a)回転研削工具の外周に1又は2以上の凹部及び/又は凸部が設けられていることによる態様。
(b)別途付加したピンチロールにて前記送給路上に保持された前記原糸に対して、前記回転研削工具を所望の周期で進退接触させることによる態様。
(c)(b)とは逆にピンチロールを進退させて回転研削工具に対して前記原糸を進退させることによる態様。
この処理方法によれば、前記原糸の表層に、それを機械的に削除又は摺擦した部分とそうでない部分とを交互にかつ連続的に形成することができる。
本法においては回転研削工具が中心的な役割を果たす。切断しやすい原糸を、表層のみ効果的に削除又は摺擦することができる工具は未だ存在せず、本法のための工具を試作しては試用と改良を重ねてようやく実用に耐える工具を完成させた。
多数の走行する原糸を同時に研削するには回転研削工具を略円筒状にし、断面が菊花状の多角形とするのが良い。突出部(前記多角形のコーナ部)にはダイヤモンドなどの微細な砥粒を分散させて刃先とする。刃先と刃先のあいだは軸方向の溝とする必要がある。この溝形状と、後述する工具上での原糸の転動および弦振動との相乗効果によって、研削にともなう研削くずや染料による工具の目詰まりを抑制することができる。
第6の発明の斑加工原糸の処理方法としては、前記第4又は第5の発明において、
前記原糸を所定の張力のもとに連続送給しつつ、その送給路上の支点間において前記原糸に弦振動を起こさせるように前記回転研削工具を接触させる態様を例示する。
この処理方法によれば、前記弦振動に応じて、前記回転研削工具の研削面に対して前記原糸が当接する強さに変動が生じるので、前記原糸の表層に、より変化に富んだ斑及びネップを形成することができる。すなわち機械的に等間隔に形成された斑ではなく、間隔も斑の脱色程度もランダムに変化させることができる。
本発明に係る斑加工原糸、その処理方法、及び編織物によれば、斑加工原糸に機械的な方法で斑を付与するので、斑の密度や色濃度を任意に設定することが出来る。また、斑の形態はグラデュエーション効果のあるおだやかな色彩変化であるとともに濃度も無段階であり、落ち着いた好ましい質感の編織物を作ることが出来る。また、同じ工程にて生成可能なニップを付加すれば更に豊かな手触り感のある衣料が得られる。
以下、本発明を具体化した一実施形態の斑加工原糸Sp、その処理方法、及び編織物について、図面を参照しながら説明する。図1〜図6は、連続供給される原糸Sに斑加工の処理を行うための斑加工処理装置1を示している。この斑加工処理装置1は、複数の原糸Sが巻かれた分繊リール2を装着する分繊リール軸2aと、該分繊リール2から供給される複数の原糸Sをそれぞれ軸長さ方向に揺動させながら一定間隔に整列させて案内する揺動案内ロール3と、該揺動案内ロール3を経た複数の原糸Sの表層を削除又は摺擦(以下、「削除等」という。)する回転研削工具4と、該回転研削工具4を経ることにより斑加工が施された複数の斑加工原糸Spが互いにもつれないように整列状態を維持する櫛状ガイド部材5と、該櫛状ガイド部材5を経た複数の斑加工原糸Spを案内する案内ロール6と、該案内ロール6を経た複数の斑加工原糸Spに対して研削張力から巻き取り張力に移行させる張力切換え装置7と、回転研削工具4の側方に配設され、削除等された糸くずを吸引して集塵するための集塵装置8とを備えており、張力切換え装置7を経た複数の斑加工原糸Spは、図示しない巻取装置により複数のボビンにそれぞれ巻き取られるようになっている。
原糸Sとしては、単糸や双糸などの公知のものを適宜採用することができるが、表層と芯とで組成及び/又は構造の異なるものを使用すると、表層が削除等されることによって組成及び/又は構造の異なる芯が露出し、より特殊な外観となる。
分繊リール2は、複数の原糸Sがそれぞれ一本ごとに独立した状態で取り出し可能に巻かれている。駆動軸2aは図示しない制御モータに連結されており、電気的に制動をかけることによって原糸の張力を制御する。
揺動案内ロール3は、軸3aにより回転自在に軸支されている。図2に示すように、揺動案内ロール3の周面には、複数の原糸Sにそれぞれ対応する環状溝3bが互いに平行に設けられている。この環状溝3bは、軸3aの長さ方向に傾斜して設けられている。そして、揺動案内ロール3の回転に伴って、環状溝3b中を通過する原糸Sは軸3aの長さ方向に往復移動させられるようになっている。これにより、原糸Sの削除等において、後述する回転研削工具4の周面に形成された研削面4aを、その軸長さ方向に広く有効利用するようにしている。また、この往復移動により、原糸Sがねじれながら回転研削工具4の研削面4aの上を転動しつつ研削される。これにより、原糸Sの表層に、より変化に富んだ斑を形成するとともに研削くずの集積を適当な大きさで分断してネップの形成を助ける。
回転研削工具4は、図2及び図6に示すように、回転駆動されるようになっており、その周面を原糸Sの送給方向と反対方向に移動させながら原糸Sに接触させることにより、該原糸Sの表層を機械的に削除等し、これにより原糸Sの外観に斑を形成する(即ち、斑加工原糸Spを生成する)。回転研削工具4の外周の略全面には、研削手段として無数のダイヤモンド粒子が電着又は溶着されてなる研削面4aが設けられている。また、回転研削工具4は、外周にその周方向へ並んだ凹凸を有するロール状に形成されている。この回転研削工具の具体的な態様としては、次のものを例示する。
(1)図3に示すように、略8角柱体状に形成されるとともに、前記凹凸として、外周の各かどに柱体長さ方向に延びる凸条11が刃先として形成された態様。
(2)図4に示すように、略円柱体状に形成されるとともに、前記凹凸として、外周面に柱体長さ方向に延びる凸条12の刃先及び凹溝13が周方向へ並んで形成された態様。
(3)図5に示すように、略円柱体状に形成されるとともに、前記凹凸として、外周面に斜子目状(ローレット状)の刻み目14が形成された態様。なお、図5においては斜子目の外観を模式的に略記してあるが、現物はピラミッド状の刃先となる突起が千鳥状にびっしり詰まった状態に配列されている。
櫛状ガイド部材5は、図2に示すように、案内ロール6の軸長さ方向に列設された多数の櫛歯5aを備えており、各櫛歯5aの隙間に、各斑加工原糸Spが一本ずつ通されるようになっている。
案内ロール6は、図1、図2、及び図6に示すように、揺動案内ロール3とともに原糸Sの支点となり、原糸Sの研削処理域16を形成するようになっている。この研削処理域16において、原糸Sに回転研削工具4が接触されるようになっている。
張力切換え装置7は、図1に示すように、原糸Sを蛇行させて送るように配設された5つの駆動ロール18a〜18eを備えている。この張力切換え装置7の上流側ロール18aは分繊リール軸2aの制動と釣り合いを保って研削域張力を維持するとともに、ライン張力は5つの駆動ロール18a〜18eの中で徐々に弱められ下流端ロール18eの出側にて巻き取り張力となる。
以上のように構成された斑加工処理装置1により、原糸Sを連続送給しつつ、その送給路上の研削処理域16において原糸Sに回転研削工具4を接触させることにより、原糸Sの表層を機械的に削除等すると、斑加工原糸Spが生成される。このとき、原糸Sを所定の張力のもとに連続送給しつつ、その研削処理域16において原糸Sに弦振動を起こさせるように回転研削工具4を接触させることが好ましい。本実施例では、揺動案内ロール3と案内ロール6の支点間隔を適宜選び、所定のライン張力のもとに断面多角形の回転研削工具4を接触させると図6のように原糸Sが振動する。回転工具の刃先(前記多角形のコーナ部における研削面4a)は砥粒がランダムに分散固着されているので原糸Sの接触範囲のレベルでは該刃先の状況は均一ではない。これに前述の揺動案内ロール3による、原糸Sの刃先上での揺動・転動が加わるので、並進する原糸Sは個別にばらばらの不規則な弦振動をしつつ研削される。これによって原糸Sの研削状況は1本ごとに異なり、脱色の程度、脱色範囲、間隔がランダムとなる。
次に、斑加工原糸Spの処理方法の具体例について説明する。
(1)原糸Sとしては、例えば、綿番手20の双糸を使用する。この原糸Sの引張強度は約900〜1050gである。
(2)原糸Sの引張強度の約30〜50%の範囲で最適の弦振動を生じさせる条件を選ぶ。これは原糸S自体が引張強度のバラツキが大きいので、50%程度で押さえておかないと表層の削除等の最中に切れるおそれがあるからである。従って、本例の原糸Sの場合、送給路上における研削処理域16におけるライン張力は、約300〜500gの範囲内で調節するとよい。
(3)送給路上におけるライン送り速度は、例えば、約20〜30m/minの範囲内で調節する。
(4)回転研削工具4としては、例えば、最大外径が約40mmのものを使用する。
(5)回転研削工具4の回転数としては、例えば、約2000rpm〜10000rpmの範囲内で調節すればよく、例えば約7000rpmとする。
(6)具体的な操業条件としては、(a)原糸Sに許容される張力範囲であって、(b)送給路上の研削処理域16において、回転研削工具4との接触により原糸Sに弦振動を生じ、かつ、削り取り効果(脱色)としての斑が得られるように、「ライン張力」、「ライン送り速度」、「回転研削工具4」、及び「回転研削工具4の回転数」の組み合わせを選ぶようにする。このとき、ライン張力等を常時モニタする手段を設けておけば、次回以降、同様の斑を簡単に再現できるようにすることができる。
なお、操業条件の設定によっては、斑加工原糸Spに、削除等によって生じた糸くずからなるネップがランダムに生成される。軽研削(ライン張力及び回転研削工具4の回転数が低い研削)となるように操業条件を設定すると、各ネップが小さく、かつ、ネップ同士の間隔が広く空く。また、重研削(ライン張力及び回転研削工具4の回転数が高い研削)になるにしたがって各ネップが大きく、かつ、ネップ同士の間隔が狭くなる。図7はネップ(同図に符号Aで示す。)が生成された斑加工原糸Spの例を示している。
本発明になる斑加工原糸を使用してニット生地および織布を製作した。図8に本発明の斑加工原糸Spを使用した編織物としてのデニム生地の一例を示す。この製品の外観は、次のように従来品には見られない色調と質感を呈している。
(1)霜降り模様の脱色スポット(図8に符号Bで示す。)がランダムに多様な色調・濃度で分布している。とくに脱色の程度が無段階に異なる諧調で存在するので、輪郭の目立たないおだやかな模様となっている。従来の霜降り模様は無色あるいは淡色の原糸を、わずかな配合率で混紡または混織することによって現出させているので濃淡が明瞭であり単調であるのと対照的である。(2)ネップによって嵩が高くなった編み目・織り目(図8に符号Cで示す。)が随所に散りばめられているので、肌触りが良く、一種の着古し感に似た質感を呈する。
また、本発明品を100%使用せず、他の糸と混織することによって効果を調整することできる。
以上のように本発明の斑加工原糸Spは、表層と芯とで組成及び/又は構造の異なる原糸Sにおける表層を機械的に削除等しているので、細かく短い斑をつけることができる。原糸Sとしては、表層と芯とで組成及び/又は構造の異なっているものを使用すると、表層が削除等されることによって組成及び/又は構造の異なる芯が露出し、より特殊な外観となる。また、原糸Sを機械的に削除等するという工程で実現でき、従来の絣とは異なり複雑な工程が必要ない。また、化学薬剤を使用する必要がないので、可及的身体への刺激が少ない素材を得ることができる。
また、斑加工原糸Spとしては、削除等によって生じた糸くずからなるネップが生成されるように操業条件を設定すれば、色彩の変化のみならず形状的にも顕著な変化を付与することができる。
また、本発明の斑加工原糸Spを使用して編織物を形成することによって、斑加工原糸Spの斑模様を2次元に展開し、従来の繊維業界には存在しない新規な色調と質感を備えた生地ならびに衣料を提供することが出来る。
また、本発明の斑加工原糸Spの処理方法で使用する回転研削工具4は、その外周に周方向へ並んだ凹凸を有するロール状に形成されているので、原糸Sの表層に、それを機械的に削除等した部分とそうでない部分とを交互にかつ連続的に形成することができる。
また、本発明の斑加工原糸Spの処理方法では、原糸Sを所定の張力のもとに連続送給しつつ、その送給路上の研削処理域16において原糸Sに弦振動を起こさせるように回転研削工具4を接触させるので、弦振動に応じて、回転研削工具4の研削面に対して原糸Sが当接する強さに変動が生じる。このため、原糸Sの表層に、より変化に富んだ斑を形成することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)原糸Sを2層に染色して本法を適用し、研削部分に第1層(芯側の層)を露出させる。あるいは合成繊維の原糸S自体を着色して紡糸し、染色のうえ本法を適用する。これにより色彩の異なる斑模様を形成させる。
(2)例えば、図9に示すように、研削処理域16にて原糸Sに弦振動を生じさせず、別途付加するピンチロール20及び揺動案内ロール3により原糸Sの位置を拘束し、回転研削工具4と、ピンチロール20及び揺動案内ロール3との相対位置を周期的(又は任意的)に変化させる(例えば図9における矢印方向)。この相対位置の変化は、例えば、回転研削工具4、あるいは、ピンチロール20及び揺動案内ロール3を移動させることにより実現する。これによって並進する全ての原糸Sに同時に等間隔(又は任意間隔)に研削を行う。原糸Sに弦振動を生じさせない場合には図4又は図5の工具形状のように凹凸が小さい形状や、凹凸の無い形状(断面円形)が適する場合がある。等間隔(又は任意間隔)の脱色スポットを有する斑加工原糸Spを使用すれば伝統的(又は新規的)な絣模様を織り出すことができる。
(3)本法で作った斑を別の色に染めること。
本発明を具体化した一実施形態に係る斑加工原糸を生成するための斑加工処理装置の全体構成を示す断面図である。 同装置の要部を示す斜視図である。 同装置の回転研削工具の第一例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は断面図である。 同装置の回転研削工具の第二例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は断面図である。 同装置の回転研削工具の第三例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は断面図である。 同回転研削工具が原糸を削除又は摺擦する様子を示す断面図である。 同斑加工原糸の平面図である。 同斑加工原糸を使用した編織物の平面図である。 同斑加工処理装置の変更例を示す断面図である。
符号の説明
1 斑加工処理装置
2 分繊リール
2a 分繊リール軸
3 揺動案内ロール
4 回転研削工具
5 櫛状ガイド部材
6 案内ロール
7 張力切換え装置
8 集塵装置
16 研削処理域
20 ピンチロール
S 原糸
Sp 斑加工原糸

Claims (6)

  1. 表層と芯とで組成及び/又は構造の異なる原糸における前記表層を機械的に削除又は摺擦したことを特徴とする斑加工原糸。
  2. 前記削除又は摺擦によって生じた糸くずからなるネップを有する請求項1記載の斑加工原糸。
  3. 請求項1又は2記載の斑加工原糸を使用した編織物。
  4. 原糸を連続送給しつつ、その送給路上において前記原糸に回転研削工具を接触させることにより、前記原糸の表層を機械的に削除又は摺擦することを特徴とする斑加工原糸の処理方法。
  5. 前記回転研削工具は、その外周に1又は2以上の凹部及び/又は凸部が設けられた請求項4記載の斑加工原糸の処理方法。
  6. 前記原糸を所定の張力のもとに連続送給しつつ、その送給路上の支点間において前記原糸に弦振動を起こさせるように前記回転研削工具を接触させる請求項4又は5記載の斑加工原糸の処理方法。
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