JP2006248314A - 車両運動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の操安性の向上を図る。
【解決手段】車両の運動状態を表す状態方程式としてのシステム行列Xを構成するそれぞれの要素a11〜a22が、車輪6の線形性を要因として変化する線形項a11L〜a22Lと、車輪6の非線形性を要因として変化する非線形項a1NL1〜a22NLとの和で表される。算出部10aは、このシステム行列Xに基づいて、それぞれの要素a11〜a22の非線形項a11NL〜a22NLによって構成される非線形行列ANLの行列式|ANL|を算出する。設定部10bは、算出された行列式|ANL|に基づいて、それぞれの車輪に対する駆動力配分比rの目標値r*を設定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、車両運動制御装置に関する。
従来より、それぞれの車輪に対する駆動力配分比(または荷重配分比)を制御することにより、車両の運動状態を制御する技術が知られている。例えば、コーナリングといった走行状況では、車両の運動状態が適切となるように駆動力配分比を制御することで、操安性の向上を図ることができる。このような技術の一つに、車輪摩擦力利用率を用いて車両の運動状態を制御する手法がある(例えば、特許文献1参照)。この手法では、それぞれの車輪の車輪摩擦力利用率を求め、この車輪摩擦力利用率が目標車輪摩擦力利用率に近づくように、それぞれの車輪の車輪状態が制御される。また、車両の運動状態を表す状態方程式において、この状態方程式のシステム行列を構成する各要素は車両の運動状態に影響を与えるという知得に基づいて、この要素に着目して車両の運動状態を制御する手法もある(例えば、特許文献2参照)。
特許第3132190号公報 特開平11−102499号公報
ところで、車両挙動は、車両に設けられた車輪の運動と高い相関を有しているため、車輪の非線形性に起因して車両の応答性が低下するという問題がある。すなわち、操安性の向上を図るためには、車輪の非線形性に着目して車両の運動状態を制御することが好ましい。
本発明の目的は、車両の運動状態を制御する新規な手法を提供することである。
また、本発明の別の目的は、車両の操安性の向上を図ることである。
かかる課題を解決するために、第1の発明は、車両運動制御装置を提供する。この制御装置は、算出部と、設定部とを有する。車両の運動状態を表す状態方程式のシステム行列を構成する要素のそれぞれが、車輪の線形性を要因として変化する線形項と、車輪の非線形性を要因として変化する非線形項との和で表されており、算出部は、システム行列に基づいて、要素のそれぞれの非線形項によって構成される非線形行列の行列式を算出する。設定部は、算出された行列式に基づいて、車輪のそれぞれに対する駆動力配分比または荷重配分比の目標値を設定する。
ここで、第1の発明において、要素のそれぞれは、車両の安定性に影響を与える一対の対角要素と、車両の応答性に影響を与える一対の連成要素とを含むことが好ましい。この場合、算出部は、一対の対角要素に関する非線形項の積算値から、一対の連成要素に関する非線形項の積算値を減算した減算値を、行列式として算出することが望ましい。
また、第1の発明において、車両運動制御装置は、車輪のそれぞれを検出対象として、車輪に作用する上下力を検出する検出部と、車両の状態に基づいて、車輪と路面との間の摩擦係数を推定するとともに、車輪のそれぞれに与えられる駆動力の総和を総駆動力として推定する推定部とをさらに有していてもよい。この場合、算出部は、車輪のそれぞれの上下力と、摩擦係数と、総駆動力とに基づいて、それぞれが異なる駆動力配分比に応じた複数の行列式を算出し、設定部は、算出された複数の行列式に基づいて、行列式が現在の値よりも小さくなる駆動力配分比を目標値として設定することが好ましい。また、車両運動制御装置は、車輪のそれぞれを検出対象として、車輪に作用する前後力と上下力とを検出する検出部と、車両の状態に基づいて、車輪と路面との間の摩擦係数を推定する推定部とをさらに有していてもよい。この場合、算出部は、車輪のそれぞれの前後力と、車輪のそれぞれの上下力と、摩擦係数とに基づいて、それぞれが異なる荷重配分比に応じた複数の行列式を算出し、設定部は、算出された複数の行列式に基づいて、行列式が現在の値よりも小さくなる荷重配分比を目標値として設定することが望ましい。
第2の発明は、車両運動制御装置を提供する。この制御装置は、算出部と、設定部とを有する。算出部は、車両の運動状態を表す状態量を軸とするベクトル場で表現される状態面において、車両の運動状態を線形的に表現した第1の車両モデルによって規定される第1のベクトルと、車輪の非線形性を考慮した車両の運動状態を表現する第2の車両モデルによって規定される第2のベクトルとの対応関係を評価する評価値を算出する。設定部は、算出された評価値に基づいて、第2のベクトルが第1のベクトルに対応するように、車輪のそれぞれに対する駆動力配分比の目標値または荷重配分比の目標値を設定する。
ここで、第2の発明において、算出部は、車両の運動状態を表す状態方程式のシステム行列に基づいて、評価値を算出していることが好ましい。この場合、システム行列は、車両の安定性に影響を与える一対の対角要素と、車両の応答性に影響を与える一対の連成要素とを含んでもよく、要素のそれぞれは、車輪の線形性を要因として変化する線形項と、車輪の非線形性を要因として変化する非線形項との和で表されてもよい。評価値は、一対の対角要素に関する非線形項の積算値から、一対の連成要素に関する非線形項の積算値を減算した減算値であることが好ましい。
本発明によれば、状態面におけるベクトル変化を抑制するといった観点から、駆動力配分比または荷重配分比の目標値が設定される。そのため、設定された目標値に基づいて、それぞれの車輪に対する駆動力配分比または荷重配分比を制御することで、例えば、車輪の非線形性を要因とする車両の応答変化を抑制することができる。その結果、走行環境に拘わらず安定した車両応答を得ることが可能となり、操安性の向上を図ることができる。
本実施形態にかかる車両運動制御装置に関するシステム構成およびシステム処理の説明に先立ち、まず、制御概念を明確にすべく、状態方程式におけるシステム行列について説明する。なお、制動力は、駆動力の逆方向成分(マイナス成分)と考えることができるので、本実施形態では、駆動力という用語を制動力も含む意味で用いる。
図1は、車両モデルの説明図である。同図に示す車両モデルは、車両の運動状態を前後輪の二輪で表現した二輪モデルである。この車両モデルでは、車両の運動状態が、鉛直軸(Z軸)まわりの回転運動(ヨー運動)と、横方向(Y軸方向)への並進運動とで表現される。車両の運動状態は、以下に示す状態方程式で表される。
Figure 2006248314
図2は、数式1の状態方程式を示すブロック図である。ブロック図は、「1/s」で示す積分を要素とするブロックを含み、この状態方程式(車両の運動状態)の時系列的な変化を示している。βbは車体のすべり角(以下「車体すべり角」という)、γはヨーレート、δfは前輪の操舵角(以下「前輪舵角」という)である。また、本明細書では、「'」によって時間微分を表すこととし、βb'は車体すべり角βbの時間微分としての車体すべり角速度であり、γ'はヨーレートγの時間微分としてのヨー角加速度である。同数式において、a11〜a22およびb1,b2を要素とする各行列は、状態方程式のシステム行列と呼ばれている。
一対の要素a11,a22は、車両の安定性(挙動の収束し易さ)に影響を与えるパラメータであり、システム行列の対角要素と呼ばれる。特に、要素a11は、横運動を自律的に安定させ、要素a22は、ヨー運動を自律的に安定させる。また、一対の要素a12,a21は、車両の応答性(挙動の振動し易さ)に影響を与えるパラメータであり、システム行列の連成要素と呼ばれる。要素a11,a22に対して要素a12,a21が相対的に小さい場合、高速走行時における車両の安定性が向上する。これに対して、要素a11,a22に対して要素a12,a21が相対的に大きい場合、操舵に対する車両の応答性が向上する。一方、要素b1,b2は、ドライバーの操舵に対する車両挙動のゲインであり、ステアリングギヤ比などにより調整可能である。システム行列の個々の要素a11〜b2は、以下に示す各式で表すことができる。
Figure 2006248314
同数式において、Vは車速、Mは車両質量、lfは前輪軸と重心との間の距離、lrは後輪軸と重心との間の距離、IzはZ軸回りの車両の慣性モーメント、kaは車輪の非線形性を考慮したコーナリングパワーである。本明細書では、前輪を表す「f」および後輪を表す「r」のアルファベットを用いることにより、必要に応じて、各状態量が示す車輪(前後輪)を明示的に区別する。例えば、kf_aは前輪のコーナリングパワーkaを示し、kr_aは後輪のコーナリングパワーkaを示すといった如くである。なお、四輪車を想定した場合、アルファベット「f」(または「r」)によって示される前輪(または後輪)の状態量は、例えば、左右前輪(または左右後輪)の状態量の平均値と考えることができる。
コーナリングパワーkaは、車輪のすべり角(以下「車輪すべり角」という)βwの微小変化に対するコーナリングフォースの変化率である。コーナリングフォースは、ある車輪すべり角βwで旋回する時に、車輪の接地面に発生する摩擦力のうち車輪進行方向に直角な方向に発生する分力である。換言すれば、コーナリングパワーkaは、ある車輪すべり角βwにおけるコーナリングフォースの微分値である。このコーナリングパワーkaは車両の操安性に大きな影響を与えるパラメータであり、この値が大きい場合には挙動変化の応答性が速くなり、この値が小さい場合には挙動変化の応答性が遅くなる。
図3は、車輪に作用する作用力の説明図である。車輪に作用する作用力としては、上述したコーナリングフォースの他にも、前後力Fx、横力Fy、上下力Fzなどが挙げられる。前後力Fxは、車輪すべり角βwで旋回するときに、接地面に発生する摩擦力のうち車輪中心面に平行な方向に発生する分力であり、横力Fyは、接地面に発生する摩擦力のうち車輪中心面に直角な方向に発生する分力である。また、上下力Fzは、垂直方向の荷重、いわゆる、垂直荷重である。作用力として挙げられるこれらの力のうち、コーナリングフォースと横力Fyとは、類似した力として扱うことができる。これらの力は、値的に厳密に一致することはないが、車両がとり得る車輪すべり角βwの範囲内において、近似する傾向となる。本明細書では、コーナリングフォースと横力Fyとを実質的に同じ値と見なし、横力Fyをベースとしてコーナリングパワーkaを考える。
横力Fyは、車輪の力学特性を示すタイヤモデル、例えば、車輪の非線形性の影響を考慮できるフィアラ(fiala)のタイヤモデル(二次式近似モデル)を用いることにより、車輪すべり角βwの二次式で表される。車輪のコーナリングパワーkaは、車輪すべり角βwの微小変化に対する横力Fyの変化率(微分値)であり、以下に示す関係を満たす。
Figure 2006248314
同数式において、係数kは、実験的に求めることができる定数であり、以下、基準コーナリングパワーと呼ぶ。基準コーナリングパワーkは、車輪の特性を示す値であり、路面と車輪との間の摩擦係数μ、上下力Fxなどに依存して変化する。具体的には、この値kが大きい場合には、車輪の剛性が高いことを意味し、この値kが小さい場合には、車輪の剛性が低いことを意味する。基準コーナリングパワーkは、車輪すべり角βwが「0」における横力Fyの微分値として定義される。
車輪の非線形性を考慮した場合、要素a11〜b2は、下式で書き換えることができる。
Figure 2006248314
同数式において、kfは前輪の基準コーナリングパワーkにサスペンションの弾性変形を考慮した等価コーナリングパワーであり、krは後輪の基準コーナリングパワーkにサスペンションの弾性変形を考慮した等価コーナリングパワーである。また、βfは前輪のすべり角βw、例えば、左右前輪のすべり角βwの平均値であり、βrは後輪のすべり角βw、例えば、左右後輪のすべり角βwの平均値である。
車輪の非線形性に影響される車両の運動状態のように、制御入力が不連続的に変化する非線形制御系には、状態面と呼ばれる解析手法が有効である。二輪モデルベースの状態方程式によって運動状態を表す本実施形態において、その状態面は、例えば、車体すべり角βbとヨーレートγとを軸とするベクトル場S(βb'(βb,γ),γ'(βb,γ))で表現される。このベクトル場Sでは、ベクトルが外側に向かう程、状態面(車両挙動)が発散傾向にあると考えられ、ベクトルが内側に向かう程、状態面(車両挙動)が安定傾向にあると考えられる。
この状態面において、数式1および数式4に示す車両モデル、すなわち、車輪の非線形性を考慮した車両モデルを用いて状態面の変化を検討する。具体的には、それぞれの車輪(本実施形態では、前後輪)に対する駆動力配分比rを「0.00」から「1.00」の間でステップ的に変化させ、駆動力配分比毎に状態面を設け、それぞれにベクトルを描画する。その際、車両モデルとの比較といった観点から、車両の運動状態を線形的に表現した車両モデル(以下「線形車両モデル」という)も状態面に記述する。
このような状態面において、各種の走行場面において実験的に或いは経験的に適当と考えられている駆動力配分比rは、線形車両モデルと車両モデルとの間のベクトル変化が比較的に少ないことが考察された。したがって、状態面のベクトル変化を抑制することにより、すなわち、車両モデルによって規定されるベクトルを線形車両モデルによって規定されるベクトルに対応させることにより、ドライバーにとってコントロールしやすい駆動力配分比rを特定することができる。
数式1に示す車両モデルにおいて、前輪舵角δfが「0」の場合、状態面はシステム行列の要素a11〜a22に依存するので、以下、これらの要素a11〜a22に着目する。数式4から分かるように、個々の要素a11〜a22は、車輪の線形性を要因として変化する線形項a11L〜a22Lと、車輪の非線形性を要因として変化する非線形項a11NL〜a22NLとの和で表される。具体的には、個々の線形項a11L〜a22Lは、車両諸元および等価コーナリングパワーkf,krに依存し、個々の非線形項a11NL〜a22NLは、車輪すべり角βf,βr、垂直荷重Fz、摩擦係数μに依存する。状態面において、車両モデルのベクトルXは、その向きと大きさとがシステム行列によって決まり、具体的には、以下に示す関係を満足する。
Figure 2006248314
同数式において、ALは、各要素a11〜a22の線形項a11L〜a22NLによって構成される行列(以下「線形行列」という)である。ANLは、各要素a11〜a22の非線形項a11NL〜a22NLによって構成される行列(以下「非線形行列」という)である。
図4は、状態面におけるベクトルの説明図である。ベクトルXLは、その向きと大きさとが線形行列ALによって決まるベクトルであり(以下「線形ベクトル」という)、線型モデルによって規定されるベクトルと一致する。ベクトルXNLは、その向きと大きさとが非線形行列ANLによって決まるベクトルである(以下「非線形ベクトル」という)。同図および数式5から分かるように、車両モデルのベクトルXは、線形ベクトルXLと、非線形ベクトルXNLとの合成ベクトル(ベクトル和)となる。すなわち、ベクトル変化の抑制は、非線形ベクトルXNLの大きさを最小化することにより可能となる。なお、本明細書では、「最小化」という用語を、ベクトルXの大きさを最小値(好ましくは「0」)にする意味で用いるばかりでなく、少なくとも、現在の大きさよりも小さくすることを含む意味で用いる。
非線形ベクトルXNLの大きさは、非線形行列ANLの行列式|ANL|を算出することで評価可能であり、この行列式|ANL|はその値が大きいほど非線形ベクトルXNLの大きさが大きいことを意味する。非線形ベクトルXNLの行列式|ANL|は、下式によって算出される。
Figure 2006248314
行列式|ANL|は、システム行列を構成する各要素a11〜a22において、一対の対角要素a11,a22に関する非線形項a11NL,a22NLの積算値から、一対の連成要素a12,a21に関する非線形項a12NL,a21NLの積算値を減算した減算値となる。この行列式|ANL|を最小化するためには、平方根の中の分母を最大化すればよい。
各車輪に加えられる駆動力の総和である総駆動力をFa、この総駆動力Faの前輪に対する駆動力配分比をrとした場合、前輪の前後力Ff_x(例えば、左右前輪の前後力Fxの平均値)と、後輪の前後力Fr_x(例えば、左右後輪の前後力Fxの平均値)とは、以下に示す数式で表すことができる。
Figure 2006248314
行列式|ANL|を最小化する、すなわち、行列式|ANL|における平方根の中の分母を最大化する駆動力配分比rは、下式を最小にするような駆動力配分比rとして特定可能である。
Figure 2006248314
以上の概念説明を踏まえた上で、本実施形態にかかる車両運動制御装置のシステム構成について説明する。図5は、本実施形態にかかる車両運動制御装置が適用された車両の説明図である。この車両運動制御装置1が適用された車両は、前後四輪で駆動する四輪駆動車である。駆動源であるエンジン2のクランクシャフト(図示せず)からの動力は、自動変速機3、後述するセンタディファレンシャル装置4を介して、前輪側および後輪側の駆動軸(車軸)5へとそれぞれ伝達される。駆動軸5に動力が伝達されると、前輪6fおよび後輪6rのそれぞれに回転トルクが加えられ、前後輪6f,6rが回転し、これにより、前後輪6f,6rに駆動力が与えられる。なお、本明細書において、前輪6f、後輪6rを総称する場合には、単に「車輪6」という用語を用いる。
センタディファレンシャル装置4は、複合プラネタリギヤ式の差動装置である。このセンタディファレンシャル装置4の2つの出力要素、すなわち、前輪側の出力部材(キャリア4a)と、後輪側の出力部材(サンギヤ4b)との間には、油圧多板クラッチ4cが設けられている。この油圧多板クラッチ4cは、自己の係合状態が、ソレノイドバルブ4dの油圧調整(例えば、増圧、保持および減圧)を行うことにより、制御可能となっている。油圧多板クラッチ4cが係合していない状態では、前後輪の駆動軸5が互いに差動するため、駆動力配分比rは予め設定された装置4に依存した値となる(例えば、r=0.35)。一方、油圧多板クラッチ4cが完全に係合した状態では、前後輪の駆動軸5の差動が制限されるため、前後直結状態の駆動力配分比rとなる。すなわち、油圧多板クラッチ4cの係合状態により、駆動力配分比rが可変に設定されることとなる。
図6は、車両運動制御装置1の全体構成を示したブロック図である。車両運動制御装置1は、制御部10を主体に構成されている。制御部10としては、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェースを主体に構成されるマイクロコンピュータを用いることができる。制御部10は、ROMに格納された制御プログラムに従い、非線形行列ANLの行列式|ANL|の最小化に関する演算を行う。具体的には、この制御部10としてのマイクロコンピュータを機能的に捉えると、制御部10は、算出部10aと、設定部10bとを有する。算出部10aは、システム行列に基づいて、非線形行列ANLの行列式|ANL|を算出する。設定部10bは、算出された行列式|ANL|に基づいて、駆動力配分比rの目標値r*を設定する。このような演算を行うために、制御部10には、検出部11を含む各種センサからの検出信号が入力されているとともに、推定部12(図5では省略)によって推定された各種の演算値(本実施形態では、摩擦係数μ、総駆動力Fa)も入力されている。
検出部11は、車輪6に作用する作用力を検出するセンサである。図6では、説明の便宜上、検出部11に該当するブロックを一つのみ示しているが、この検出部11は、4つの車輪6にそれぞれ設けられている。個々の検出部11は、作用力として、前後力Fx、横力Fyおよび上下力Fzを個別の力として検出可能である。検出部11は、ひずみゲージと、このひずみゲージから出力される電気信号を処理し、作用力に応じた検出信号を生成する信号処理回路とを主体に構成されている。検出部11は、駆動軸(車軸)5に生じる応力は作用力に比例するという知得に基づき、ひずみゲージを車軸5内に埋設することにより、作用力を直接的に検出する。なお、検出部11の具体的な構成については、例えば、特開平04−331336号公報および特開平10−318862号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。推定部12は、後述するように、図示しない各種センサからの検出結果に基づいて、摩擦係数μ、総駆動力Faを推定する。
図7は、本実施形態にかかる車両運動制御手順を示したフローチャートである。このフローチャートに示した処理は、所定間隔毎に呼び出され、車両運動制御装置1によって実行される。まず、ステップ1において、各種の検出信号が読み込まれる。このステップ1において読み込まれる検出値としては、各車輪6に作用する作用力(本実施形態では、横力Fy)等が挙げられる。
ステップ2において、摩擦係数μと、総駆動力Faとが推定される。摩擦係数μの推定方法としては、例えば、車両モデルを用いた手法が周知である。この手法では、実際の車両の運動状態(一例として、運動状態を表す状態量の一つである車体すべり角)に基づいて、高μ路を想定した車両運動モデルの運動状態と、低μ路を想定した車両運動モデルの運動状態とを比較する。そして、この比較結果に基づいて、現在の摩擦係数μが推定される。このような摩擦係数μの推定手法の詳細については、例えば、特開2000−071968号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。また、これ以外にも、例えば、特開2003−237558号公報に開示されているように、2つの車輪6の速度差と、加速度とに基づいて摩擦係数μを推定してもよい。さらに、例えば、特開2002−27882号公報に開示されているように、車両の運動状態に、カメラから得られた道路の路面状況を検出した検出結果を考慮した上で摩擦係数μを推定してもよい。このように、本実施形態では、車両の状態に基づいて摩擦係数を推定する手法を広く用いることができる。ここで、車両の状態は、上述したように、すべり角、ヨーレートといった車両の運動状態や車輪速度といった状態量ばかりでなく、車輪6と接する路面の状態をも広く含む。
一方、総駆動力Faは、エンジン回転数に応じたエンジン2の出力トルクと、シフトポジション等に応じた自動変速機3の出力トルクとに基づいて算出される。具体的には、まず、自動変速機3におけるトルクコンバータのタービン回転数と、エンジン回転数とに基づいて、トルクコンバータの速度比が算出される。これにともない、トルクコンバータの速度比と、ポンプ容量係数との対応関係を示すマップが参照され、算出された速度比に対応するポンプ容量係数が特定される。一方、トルクコンバータの速度比と、トルクコンバータの入力側のトルクとトルクコンバータの出力側のトルクとの比(以下「トルク比」という)との対応関係を示すマップに基づいて、トルクコンバータの速度比に対応するトルク比が特定される。
つぎに、特定されたポンプ容量係数と、エンジン回転数とに基づいて、ポンプトルクが算出され、このポンプトルクと、トルク比とに基づいて、タービンから出力されるタービントルクが算出される。そして、このタービントルクに、現在のギヤポジションに相当するギヤ比を乗算することにより、自動変速機3の出力トルクが算出される。最後に、自動変速機3の出力トルクに自動変速機3のファイナルギヤ比を乗算することにより、駆動トルクが算出される。これにより、車輪半径と駆動トルクとに基づいて、総駆動力Faが算出される。
ステップ3において、駆動力配分比rの目標値r*が算出される。具体的には、駆動力配分比rを「0.00」から「1.00」までの間で段階的に変化させ、摩擦係数μ、総駆動力Fa、前輪6fおよび後輪6rの上下力Ff_zFr_zに基づいて、行列式|ANL|の値を順次算出する。ここで、前輪6fの上下力Ff_zは、左右前輪6fの検出値(上下力Fz)の平均値として、後輪6rの上下力Fr_zは左右後輪6rの検出値(上下力Fz)の平均値として、それぞれの車輪6の上下力Fzに基づいて特定可能である。上述したように、行列式|ANL|は、この値自体を厳密に算出しなくとも、例えば、その傾向は数式6における平方根の中の分母(数式8)によって特定される。そのため、本実施形態では、数式8に示す分母の算出(或いは、これと類似する演算)を、行列式|ANL|の算出と同じ意味で用いる。そして、算出された行列式|ANL|の中でその値が最も小さくなる駆動力配分比r、すなわち、算出された分母(数式8)の中でその値が最も大きくなる駆動力配分比rが、目標値r*として設定される。
ステップ4において、駆動力配分比rの現在値rcと目標値r*とが比較され、両者の差が判定値rthよりも大きいか否かが判断される。判定値rthは、制御のハンチングを抑制するといった観点から、制御の必要がないとみなせる程度の現在値rcと目標値r*との差(絶対値)の最大値として、実験やシミュレーションを通じて予め設定されている。このステップ4において肯定判定された場合、すなわち、両者の差が判定値rthよりも大きい場合には(|rc−r*|>rth)、ステップ4に続くステップ5に進む。一方、このステップ4において否定判定された場合、すなわち、両者の差が判定値rth以下の場合には(|rc−r*|<rth)、ステップ5をスキップして本ルーチンを抜ける。
ステップ5では、駆動力配分比rと係合状態(締結トルク)との対応関係が記述されたマップ、計算式等を参照することにより、設定された目標値r*に応じた制御信号(締結トルクの指示値)Sigrがソレノイドバルブ4dに対して出力され、本ルーチンを抜ける。制御信号Sigrに応じてソレノイドバルブ4dのデューティ比が制御され、油圧多板クラッチ4cの係合状態が調整される。これにより、駆動力配分比rが、現在値rcから目標値r*に変更される。
このように本実施形態によれば、非線形行列ANLの行列式|ANL|に基づいて、この行列式|ANL|が最小となる駆動力配分比rが目標値r*として設定される。そして、この決定された目標値r*に基づいて、前輪6fと後輪6rとに対する駆動力配分比を可変に設定するセンタディファレンシャル装置4(具体的には、ソレノイドバルブ4d)が制御される。これにより、車両モデルのベクトルXが線形車両モデルのベクトル(線形ベクトルXL)に対応し、状態面のベクトル変化が抑制される。そのため、車輪6の非線形性を要因とする車両の応答変化を抑制することができる。その結果、走行環境に拘わらず、安定した車両応答を実現することができ、操安性の向上を図ることができる。
また、検出部11は、車輪6に作用する作用力を直接的に検出している。このため、例えば、限界コーナリングといった走行状況であったとしても、或いは、摩擦係数が低い路面といった走行状況であったとしても、その作用力を精度よく特定することができる。その結果、非線形行列ANLの行列式|ANL|の算出精度の向上を図ることができるので、より有効に車両の運動状態を制御することができる。
なお、上述の実施形態では、行列式|ANL|の最小化を目的として、その値が最小となる駆動力配分比rを一義的に目標値r*として用いた。しかしながら、制御の安定性といった観点では、行列式|ANL|が現在の値よりも小さくなるように、目標値r*を設定すれば足りる。例えば、現在の駆動力配分比rを基準とした行列式|ANL|が、その値(現在値)よりも小さくなるように、ステップ値だけ駆動力配分比rを変化させた値を目標値r*として用いるといった如くである。この手法であっても、車輪6に作用する非線形的な要素が現在の状態よりも抑制されるため、安定した車両の応答性を得ることができる。
なお、上述したように、車両モデルのベクトルXは、線形車両モデルのベクトルXLと、非線形行列ANLによって規定されるベクトルXNLとのベクトル和となる。すなわち、非線形行列ANLの行列式|ANL|の値が小さい程、両ベクトルX,XLが対応していることを意味し、その値|ANL|が大きい程、両ベクトルX,XLが対応していないことを意味する。したがって、この非線形行列ANLの行列式|ANL|は、車両モデルのベクトルXと線形車両モデルのベクトルXLとの対応関係を評価する評価値と考えることができる。したがって、本制御は、評価値としての行列式|ANL|を算出し、この評価値|ANL|に基づいて、車両モデルのベクトルXが線型モデルのベクトルXLに対応するように(すなわち、その評価値が小さくなるように)、駆動力配分比rの目標値r*を決定する手法であると言い換えることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態が、上述した第1の実施形態と相違する点は、前後輪に対する荷重配分比r’を制御することにより、非線形行列ANLの行列式|ANL|の最小化を行う点である。荷重配分制御の概念については、上述した駆動力配分制御と同様であり、本実施形態では、その相違点を中心に説明する。
各車輪の荷重の総和である総荷重をW、前後輪に対する荷重配分比をr’とする。前輪の平均上下力Ff_zと、後輪の上下力Fr_xとは、以下に示す数式で表すことができる。
Figure 2006248314
行列式|ANL|を最小化する荷重配分比r’は、第1の実施形態における説明の数式9を数式22に変更することにより、数式6,7,22に基づいて、下式より一義的に特定可能である。
Figure 2006248314
具体的には、荷重配分比r’を「0.00」から「1.00」までの間で段階的に変化させ、摩擦係数μ、総荷重W、前輪および後輪の平均前後力Ff_x,Fr_xに基づいて、平方根の中の分母(数式10)を順次算出する。そして、算出された分母の中で、その値が最も大きい荷重配分比r’が目標値r*として設定される。総荷重Wは、各輪6に作用する荷重の総和であり、各輪6に関する検出値(上下力Fz)の総和として特定可能である。また、前輪6fの前後力Ff_xは、左右前輪6fの検出値(前後力Fx)の平均値として、後輪6rの前後力Fr_xは、左右後輪6rの検出値(前後力Fx)の平均値として、それぞれの車輪6の前後力Fxに基づいて特定可能である。
上述した各実施形態と同様の効果を奏するとともに、制御手法に多様性を具備することができる。これにより、本制御を広く種々の車両に適用することができる。なお、それぞれの車輪に対する荷重配分は、例えば、電子制御式のサスペンション装置を用いることにより動的に変化させることができる。
なお、上述した各実施形態では、前後輪6f,6rに対する配分比制御について説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。例えば、前後輪のみならず、左右輪の配分比制御といったように、それぞれの車輪6に対する駆動力配分制御または荷重配分制御を行ってもよい。また、二輪モデルをベースとした状態方程式との関連性で、状態面を表現するベクトル場の軸に、車体すべり角βbおよびヨーレートγの状態量を用いている。しかしながら、横力Fzおよびヨーモーメント、車体すべり角βbおよび車体すべり角速度βb’といったように、車両の運動状態を表す状態量を用いる限り、その軸として取り得るパラメータは任意に設定することができる。
上述した各実施形態では、エンジン2を駆動源とする四輪駆動車について説明したが、駆動源としては、モータを用いることもできる。この場合、エンジン2と同様に、自動変速機3、センタディファレンシャル装置4を介して、単一のモータによって四輪を駆動してもよいし、各輪、或いは前後輪に対してそれぞれモータを設けてもよい。かかる手法であっても、システム行列の要素の非線形項に着目して、センタディファレンシャル装置4、或いは、モータの出力を直接的に制御することにより、配分比rを達成する。これにより、上述した各実施形態と同様の効果を奏することができる。また、制動時に制御を行うためには、配分比rに応じて、エンジン2の出力制御およびアンチロックブレーキシステム等を用いることも可能である。
さらに、上述した各実施形態において、検出部11は、三方向に作用する作用力を検出する構成であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、必要となる分力方向に作用する作用力を検出可能であれば足りる。また、三方向の分力成分のみならず、この三方向回りのモーメントをも含む六分力を検出する六分力計であってもよい。かかる構成であっても、必要となる作用力は少なくも検出することができるので、当然ながら問題はない。なお、車輪6に作用する六分力を検出する手法については、例えば、特開2002−039744号公報、特開2002−022579号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
また、検出部11を車軸5に埋設するケースを説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他のバリエーションも考えられる。作用力を検出するという観点でいえば、車輪6を保持する部材、例えば、ハブやハブキャリア等に検出部11を設けてもよい。なお、検出部11をハブに設ける手法については、例えば、特開2003−104139号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
三方向に作用する作用力を直接的に検出することにより、上下力Fz、前後力Fxを検出しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、上下力Fzは、垂直荷重の荷重移動量を推定することによって特定してもよいし(すなわち、間接的に検出する)、前後力Fxは、前後方向に働く加速度、総駆動力等から特定してもよい(すなわち、間接的に検出する)。この推定手法では、各車輪6の車輪速を検出する車輪速センサ、車両重心位置に設けられた横加速度センサおよび前後加速度センサ、ヨーレートセンサ等が検出部11として用いられる。
車両モデルを示す説明図 車両運動の状態方程式を示すブロック図 車輪に作用する作用力の説明図 状態面におけるベクトルの説明図 車両運動制御装置が適用された車両の説明図 車両運動制御装置1の全体構成を示したブロック図 車両運動制御手順を示したフローチャート
符号の説明
1 車両運動制御装置
2 エンジン
3 自動変速機
4 センタディファレンシャル装置
4a キャリア
4b サンギヤ
4c 油圧多板クラッチ
5 駆動軸
6 車輪
6f 前輪
6r 後輪
7 ソレノイドバルブ
10 制御部
10a 算出部
10b 設定部
11 検出部
12 推定部

Claims (6)

  1. 車両運動制御装置において、
    車両の運動状態を表す状態方程式のシステム行列を構成する要素のそれぞれが、車輪の線形性を要因として変化する線形項と、前記車輪の非線形性を要因として変化する非線形項との和で表されており、当該システム行列に基づいて、前記要素のそれぞれの非線形項によって構成される非線形行列の行列式を算出する算出部と、
    前記算出された行列式に基づいて、前記車輪のそれぞれに対する駆動力配分比または荷重配分比の目標値を設定する設定部と
    を有することを特徴とする車両運動制御装置。
  2. 前記要素のそれぞれは、前記車両の安定性に影響を与える一対の対角要素と、前記車両の応答性に影響を与える一対の連成要素とを含み、
    前記算出部は、前記一対の対角要素に関する前記非線形項の積算値から、前記一対の連成要素に関する前記非線形項の積算値を減算した減算値を、前記行列式として算出することを特徴とする請求項1に記載された車両運動制御装置。
  3. 前記車輪のそれぞれを検出対象として、前記車輪に作用する上下力を検出する検出部と、
    前記車両の状態に基づいて、前記車輪と路面との間の摩擦係数を推定するとともに、前記車輪のそれぞれに与えられる駆動力の総和を総駆動力として推定する推定部とをさらに有し、
    前記算出部は、前記車輪のそれぞれの上下力と、前記摩擦係数と、前記総駆動力とに基づいて、それぞれが異なる前記駆動力配分比に応じた複数の前記行列式を算出し、
    前記設定部は、前記算出された複数の行列式に基づいて、前記行列式が現在の値よりも小さくなる前記駆動力配分比を前記目標値として設定することを特徴とする請求項1または2に記載された車両運動制御装置。
  4. 前記車輪のそれぞれを検出対象として、前記車輪に作用する前後力と上下力とを検出する検出部と、
    前記車両の状態に基づいて、前記車輪と路面との間の摩擦係数を推定する推定部とをさらに有し、
    前記算出部は、前記車輪のそれぞれの前後力と、前記車輪のそれぞれの上下力と、前記摩擦係数とに基づいて、それぞれが異なる前記荷重配分比に応じた複数の前記行列式を算出し、
    前記設定部は、前記算出された複数の行列式に基づいて、前記行列式が現在の値よりも小さくなる前記荷重配分比を前記目標値として設定することを特徴とする請求項1または2に記載された車両運動制御装置。
  5. 車両運動制御装置において、
    車両の運動状態を表す状態量を軸とするベクトル場で表現される状態面において、車両の運動状態を線形的に表現した第1の車両モデルによって規定される第1のベクトルと、車輪の非線形性を考慮した前記車両の運動状態を表現する第2の車両モデルによって規定される第2のベクトルとの対応関係を評価する評価値を算出する算出部と、
    前記算出された評価値に基づいて、前記第2のベクトルが前記第1のベクトルに対応するように、前記車輪のそれぞれに対する駆動力配分比の目標値または荷重配分比の目標値を設定する設定部と
    を有することを特徴とする車両運動制御装置。
  6. 前記算出部は、前記車両の運動状態を表す状態方程式のシステム行列に基づいて、前記評価値を算出しており、
    前記システム行列は、前記車両の安定性に影響を与える一対の対角要素と、前記車両の応答性に影響を与える一対の連成要素とを含み、
    前記要素のそれぞれは、前記車輪の線形性を要因として変化する線形項と、前記車輪の非線形性を要因として変化する非線形項との和で表され、
    前記評価値は、前記一対の対角要素に関する前記非線形項の積算値から、前記一対の連成要素に関する前記非線形項の積算値を減算した減算値であることを特徴とする請求項5に記載された車両運動制御装置。
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