JP4911945B2 - 車両運動制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両運動制御装置に関する。
従来より、車両の運動状態を制御する車両運動制御装置が知られている。この制御装置は、例えば、コーナリングといった走行状況において、各種のアクチュエータを制御し、ドライバーの操作に起因する車両の運動状態の変化を抑制する或いは助長することにより、操安性の向上を図ることができる。例えば、特許文献1には、車両の運動状態を示す状態方程式のシステム行列を構成する各要素基づいて、車両の運動状態を制御する手法が開示されている。システム行列を構成する各要素は、車両の運動状態に影響を与えるゲインとして機能するため、この要素に着目することにより適切な走行制御を行うことができる。また、特許文献2には、摩擦力利用率に基づいて、車輪の作用力を最適化する車両制御方法が開示されている。
特開平11−102499号公報 特開2004−249971号公報
摩擦力利用率に着目した制御は、個々の車輪の作用力を最適化することはできるものの、車両全体としては挙動が発散的になってしまうという不都合がある。一方、システム行列に着目した場合、車両の運動状態を種々の観点から制御することができるので、車両挙動が発散的になることを抑制することも可能である。しかしながら、個々の要素に着目し、それをどのような形で制御に反映させるかといった点については未だ検討の余地があり、制御則の確立が望まれている。
本発明の目的は、車両の運動状態を制御する新規な手法を提供することである。
また、本発明の別の目的は、システム行列を構成する要素に基づいて、車両の運動状態の最適化を図ることである。
かかる課題を解決するために、第1の発明は、車両運動制御装置を提供する。この車両運動制御装置は、車両に加えられる運転操作量を検出する第1の検出部と、車両の状態を示す車両状態量を検出する第2の検出部と、検出された運転操作量に基づいて、車両の運動状態を示す状態方程式のシステム行列を構成する行列要素であって車両の運動状態の特性を示す特性値の目標値を設定する設定部と、検出された車両状態量に基づいて、特性値の現在値を算出し、設定された特性値の目標値と算出された特性値の現在値とに基づいて、車両の鉛直軸回りのヨーモーメントである付加モーメントを車両に付加するための制御量を算出する演算部と、算出された制御量に基づいて、ヨーモーメントを調整可能なアクチュエータを制御する制御部とを有する。この場合、システム行列は、車体すべり角の時系列応答に影響を与えるゲイン及びヨーレートの時系列応答に影響を与えるゲインを行列要素に含んで構成され、特性値は、システム行列を構成するゲインのうち、ヨーレートの時系列応答に影響を与えるゲインを含む。
ここで、第1の発明において、演算部は、特性値の目標値と特性値の現在値との差が小さくなるように、制御量を算出することが好ましい。
また、第1の発明において、特性値は、操舵に対する車両の応答性に影響を与える第1のゲインを含むことが好ましい。この場合、特性値は、車両のヨー運動の収束性に影響を与える第2のゲインを含むことが好ましい。
また、第1の発明において、演算部は、特性値の現在値から制御量だけ変化した特性値の推定値が目標値となるような制御量を、最適化演算を用いて算出することが好ましい。この場合、演算部は、制御量が微少量であることを拘束条件として、最適化演算を行うことが好ましい。また、演算部は、検出された車両状態量としての車体速度、車両諸元、車輪の非線形性を考慮したコーナリングパワーに基づいて、ゲインの現在値を算出することが好ましい。
さらに、第1の発明において、アクチュエータは、記車輪のそれぞれに与えられる駆動力または制動力を設定する第1のアクチュエータと、車輪の操舵角を設定する第2のアクチュエータとを有していてもよい。この場合、演算部は、制御量として、車輪のそれぞれの駆動力制御量と、操舵車輪の操舵角制御量とを算出しており、制御部は、算出された制御量に基づいて、第1のアクチュエータと第2のアクチュエータとを統合的に制御することが好ましい。
第2の発明は、車両運動制御装置を提供する。この車両運動制御装置は、車両に加えられる運転操作量を検出する第1の検出部と、車両の状態を示す車両状態量を検出する第2の検出部と、検出された運転操作量に基づいて、車両の運動状態の特性を示す特性値の目標値を設定する設定部と、検出された車両状態量に基づいて、特性値の現在値を算出し、設定された特性値の目標値と算出された特性値の現在値とに基づいて、車両の制御量を算出する演算部とを有する。このとき、特性値は、車両の運動状態のうち操舵に対する車両の応答性に係わる操舵ゲインと、車両のヨー運動の収束性に係わる減衰を含む。

ここで、第2の発明において、設定された特性値の目標値と算出された特性値の現在値とに基づいて、車両の鉛直軸回りのヨーモーメントである付加モーメントを車両に付加するための制御量を算出し、算出したヨーモーメントを調整可能なアクチュエータを制御することが好ましい。
本発明によれば、システム行列を構成する各要素が車両の運動状態に影響を与えるゲインであることを考慮して、付加モーメントを与えることにより、このゲインを補っている。付加モーメントによってゲインが補填されることにより、例えば、車両の特性を示す特性値を目標値へ近づけることができるので、これにより、車両の運動状態の最適化を図ることができる。
本実施形態にかかる車両運動制御装置に関するシステム構成およびシステム処理の説明に先立ち、まず、その制御概念について説明する。以下、本明細書では、制動力を駆動力の逆方向成分(マイナス成分)と考え、駆動力という用語を制動力も含む意味で用いる。また、必要に応じて、前輪を表す「f」および後輪を表す「r」のアルファベットを用いて、各状態量が示す車輪(前後輪)を明示的に区別する。この場合、一般的な四輪車両において、前輪(または後輪)の状態量は、例えば、左右前輪(または左右後輪)の状態量の平均値といったように、前輪(または後輪)の一輪あたりの状態量を示すこととする。さらに、必要に応じて、左前輪を表す「fl」、右前輪を表す「fr」、左後輪「rl」および右後輪を表す「rr」のアルファベットを用いて、各状態量が示す車輪(前後左右)を明示的に区別する。
図1は、車両モデルの説明図である。同図に示す車両モデルは、車両の運動状態を前後輪の二輪で表現した二輪モデルである。この車両モデルでは、車両の運動状態が、鉛直軸(Z軸)まわりの回転運動(ヨー運動)と、横方向(Y軸方向)への並進運動とで表現される。車両の運動状態は、以下に示す状態方程式で表される。
Figure 0004911945
ここで、βbは車体すべり角、γはヨーレート、δfは操舵輪である前輪の操舵角である。また、ΔMzは、車両のZ軸回りに付加されるヨーモーメント(以下「付加モーメント」という)であり、IzはZ軸回りの車両の慣性ヨーモーメント(以下単に「慣性モーメント」という)である。本明細書では、記号「'」によって状態量の時間微分を表す。βb'は車体すべり角βbの時間微分としての車体すべり角速度であり、γ'はヨーレートγの時間微分としてのヨー角加速度である。
a11〜a22およびb1,b2を要素とする各行列は、状態方程式のシステム行列と呼ばれている。システム行列の要素a11〜b2は、車速V、車両諸元(車両質量M、前輪軸と重心との間の距離lf、後輪軸と重心との間の距離lrなど)、車輪のコーナリングパワーkaに基づいて算出される。コーナリングパワーkaは、車輪のすべり角(以下「車輪すべり角」という)βwの微少変化に対するコーナリングフォースFcの変化率であり、コーナリングフォースFcを車体すべり角βwによって偏微分することで算出される。コーナリングフォースFcは、ある車輪すべり角βwで旋回する時に、車輪の接地面に発生する摩擦力のうち車輪進行方向に直角な方向に発生する分力である。ところで、横力Fyは、車輪の接地面に発生する摩擦力のうち車輪中心面に直角な方向(y軸)に発生する分力であるが、実用上車輪が取り得る車輪すべり角βwの範囲内において、両者の力Fc,Fyは値的に類似する。そこで、本実施形態では、コーナリングパワーkaを横力Fyをベースに算出する。
横力Fyは、車輪の力学特性を示すタイヤモデル、例えば、車輪の非線形性の影響を考慮できるフィアラ(fiala)のタイヤモデル(二次式近似モデル)を用いることにより、車輪すべり角βwの二次式で表される。車輪一輪あたりのコーナリングパワーkaは、数式2に示すように、車輪と路面との間の摩擦係数μ、前後力Fx、上下力Fz、車輪すべり角βwに基づいて算出される。ここで、前後力Fxは車輪の接地面に発生する摩擦力のうち車輪中心面に平行な方向(x軸)に発生する分力であり、上下力Fzは車輪の鉛直方向(z軸)に作用する力、いわゆる、垂直荷重である。
Figure 0004911945
車輪の非線形性を考慮したコーナリングパワーkaの算出式である同数式において、係数kは、実験的に求めることができる定数であり、以下、基準コーナリングパワーと呼ぶ。基準コーナリングパワーkは、一般に、車輪すべり角βwが「0」における横力Fy(コーナリングフォースFc)の微分値として定義されており、車輪の特性を示す値である。具体的には、基準コーナリングパワーkは、その値が大きい程車輪の剛性が高いことを意味し、その値が小さい程車輪の剛性が低いことを意味する。このような車輪の非線形性を考慮したコーナリングパワーkaに関する算出手法の詳細については、特開2004−149107号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
図2は、数式1の状態方程式を示すブロック図である。このブロック図は、「1/s」で示す積分を要素とするブロックを含み、車体すべり角βbおよびヨーレートγの時系列応答を示している。すなわち、システム行列を構成する各要素a11〜b2は、車両の運動状態の時系列応答に影響を与える、車両の運動状態の特性を示す特性値として機能する。
要素a11,a22は、車両の安定性(挙動の収束し易さ)に影響を与えるゲインであり、システム行列の対角要素と呼ばれる。特に、要素a11は、横運動を自律的に安定させ、要素a22は、ヨー運動を自律的に安定させる。また、要素a12,a21は、車両の応答性(挙動の振動し易さ)に影響を与えるゲインであり、システム行列の連成要素と呼ばれる。要素a11,a22に対して要素a12,a21が相対的に小さい場合、高速走行時における車両の安定性が向上する。これに対して、要素a11,a22に対して要素a12,a21が相対的に大きい場合、操舵に対する車両の応答性が向上する。また、要素b1,b2は、操舵に対する車両の応答性に影響を与えるゲインである。要素b1,b2は、その値が大きい程操舵に対する車両の応答性が向上し、その値が小さい程操舵に対する車両の応答性が低下する。
また、この状態方程式によって運動状態が表現される車両は、2次遅れ系となる1自由度の振動系と同視することができる。この振動系は、減衰(ダンパー)を考慮した自由振動でモデル化することができ、その系の収束性(安定性)は、角固有振動数および減衰比の2つの状態量の積算値(以下「減衰」という)によって評価可能である。車両をこのような振動系と捉えた場合、車両の収束性を示す状態量としての減衰は、対角要素a11,a22の和に比例し、具体的には、対角要素a11,a22の平均値となる。減衰は、その値が大きい程車両の収束性が高く、その値が小さい程車両の収束性が低いことを意味する。すなわち、減衰は、その値が大きい程車両の姿勢変化(車体すべり角βb)が小さくなり、その値が小さい程車両の姿勢変化が大きくなる。
車両運動制御では、収束性の向上、応答性の向上、および、定常走行時における車両の姿勢制御といった点に着目することが重要である。車両の安定性の向上といった観点からは、減衰(すなわち、要素a11,a22)を大きくすることが好ましく、車両の応答性の向上といった観点からは、要素a12,a21、或いは、要素b1,b2を大きくすることが好ましい。しかしながら、要素a12,a21を大きくした場合には車両挙動が振動的になる可能性があるので、応答性の向上を図るためには、要素b1,b2を大きくすることが望ましい。さらに、車両の挙動制御といった観点では、例えば、コーナリングといった走行状況において、車体すべり角βbは小さな値に抑えておくことが好ましく、減衰(すなわち、要素a11,a22)を大きくすることが好ましい。
再び数式1を参照する。付加モーメントΔMzは、例えば、操舵角を制御する、或いは、各車輪に与えられる駆動力を制御することで、車両に付加的に与えることのできるヨーモーメントである。数式1から理解されるように、この付加モーメントΔMzは、システム行列中の要素a21,a22,b2と同様に、ヨーレートγの時系列応答に影響を与える要素であり、この値によって要素a21,a22,b2のいずれかの値を補う補填機能を担う。例えば、要素a22に着目してこの付加モーメントΔMを与えることにより、要素a22の値があたかも大きくなるように作用し、車両の安定性の向上を図ることができる。そこで、本実施形態では、付加モーメントΔMzによって補填可能な要素a21,a22,b2のうち、安定性と応答性との向上、および姿勢制御といった観点から要素a22,b2に着目し、車両に付加モーメントΔMを与える。
付加モーメントΔMを与える上で目標となる特性値、すなわち、操舵角ゲインである要素b2の目標値(以下「目標操舵角ゲイン」という)をb2*、ヨーレートγのネガティブフィードバックゲインである要素a22の目標値(以下「目標ヨーレートゲイン」という)をa22*とする。以下、これらのゲインb2*,a22*をまとめ、ベクトル化したものを目標特性値λ*と呼ぶ。目標特性値λ*は、例えば、数式3で示される。
Figure 0004911945
同数式は、図1に示す二輪モデルに基づいて、これを線形領域内で拡張した式である。具体的には、操舵角ゲインb2は、前輪に関する重心距離lfと、前輪一輪あたりの基準コーナリングパワーkfとを積算し、この積算値を2倍した値を慣性モーメントIzで除算した値である。また、ヨーレートゲインa22は、前輪に関する重心距離lrの二乗値と前輪一輪あたりの基準コーナリングパワーkfとの積算値に、後輪に関する重心距離lfの二乗値と後輪一輪あたりの基準コーナリングパワーkrとの積算値を加算し、この加算値を2倍した値を、慣性モーメントIzと車速Vとでそれぞれ除算した値である。
また、本実施形態では、後述する最適化演算において、解が不定となることを回避すべく、さらに、車両の挙動を評価する状態量としての挙動値Fを設定する。この挙動値Fは、車両のヨーモーメントMzと、各輪の駆動力の総和である総駆動力Fa_xとを含む。ヨーモーメントMzの目標値(以下「目標ヨーモーメント」という)Mz*と、総駆動力Fa_xの目標値(以下「目標総駆動力」という)Fa_x*とをまとめて目標挙動値F*とした場合、この目標挙動値F*は数式4で示される。
Figure 0004911945
同数式において、δdはドライバー操舵角である。目標ヨーモーメントMz*は、目標操舵角ゲインb2*とドライバー操舵角δdとの積算値から、目標ヨーレートゲインa22*とヨーレートγとの積算値を減算した値となる。
つぎに、付加モーメントΔMzによって、このような目標特性値λ*、および、目標挙動値F*を得るための制御量δFの算出概念について説明する。付加モーメントΔMzを車両に与える手法としては、駆動力制御および操舵角制御が考えられる。そこで、最適化演算により、四輪駆動力制御量δFfl_x〜δFrr_x(本実施形態では、各輪駆動力の現在値Ffl_x〜Frr_xからの変化量)、および、操舵角制御量δc(本実施形態では、操舵角の絶対値)を要素とするベクトルδFを求める。
ここで、現在の特性値λから制御量δFだけ変化した後の特性値λ^は、テーラー展開を用いることにより、数式5で推定される。
Figure 0004911945
ここで、特性値λとしての操舵角ゲインb2およびヨーレートゲインa22の現在値は、数式6より算出される。
Figure 0004911945
操舵角ゲインb2は、前輪軸に関する重心間距離lfと、非線形性を考慮した前輪一輪あたりのコーナリングパワー(以下「前輪コーナリングパワー」という)kf_aとを積算し、この積算値を2倍した値を慣性モーメントIzで除算した値である。また、ヨーレートゲインa22は、前輪軸に関する重心間距離lfの二乗値と前輪コーナリングパワーkf_aとの積算値を、後輪軸に関する重心間距離lrの二乗値と非線形性を考慮した後輪一輪あたりのコーナリングパワー(以下「後輪コーナリングパワー」という)kr_aとの積算値に加算し、この加算値を2倍した値を慣性モーメントIzと車速Vとでそれぞれ除算した値である。各ゲインb2,a22の算出式のそれぞれにおいて、下段に示す式は、各ゲインb2,a22を車輪の非線形性を考慮したコーナリングパワーka(数式2)によって展開した式である。ここで、r_fl〜r_rrは、数式7よりそれぞれ求められる値である。
Figure 0004911945
なお、各ゲインb2,a22を展開する際には、数式2に示すように、車輪すべり角βwを用いる必要がある。しかしながら、車輪すべり角βwが小さい範囲では、基準コーナリングパワー(等価コーナリングパワー)kと車輪すべり角βwとの積算値は、横力Fyと見なすことができる。そこで、本実施形態では、車輪すべり角βwを横力Fyで置換した上で、各ゲインb2,a22を展開している。
一方、現在の挙動値Fから制御量δFだけ変化した後の挙動値F^は、テーラー展開を用いることにより、数式8で推定される。
Figure 0004911945
ここで、挙動値FとしてのヨーモーメントMzの現在値(以下「実ヨーモーメント」という)は、数式9で求められる。
Figure 0004911945
数式9において、ΔMzは、制御によって付加される制御ヨーモーメントである。実ヨーモーメントMzは、操舵角ゲイン(現在値)b2とドライバー操舵角δdとの積算値から、ヨーレートゲイン(現在値)a22とヨーレートγとの積算値を減算し、この減算値に制御ヨーモーメントΔMzを加算した値である。また、δcは、制御によって付加される操舵角(以下「制御操舵角」という)である(それ故に、実際の車輪の操舵角δfは、ドライバー操舵角δdと制御操舵角δcとの和となる)。Mz_xは、各輪に与えられる駆動力によって生じるヨーモーメントである。したがって、制御ヨーモーメントΔMzは、操舵角ゲインb2に制御操舵角δcを積算した積算値と、駆動力によるヨーモーメントMz_xから慣性モーメントIzを減算した減算値との和である。一方、駆動力によるヨーモーメントMz_xは、各輪の前後力Ffl_x〜Frr_x、前輪のトレッドdf、後輪のトレッドdrに基づいて、例えば、数式10で与えられる。
Figure 0004911945
また、挙動値Fとしての総駆動力Fa_xの現在値(以下「実総駆動力」という)は、例えば、数式11に示すように、各輪の前後力Ffl_x〜Frr_xの総和として算出される。
Figure 0004911945
求めるべき制御量δFは、数式5に示す推定特性値λ^と目標特性値λ*との差が最小、かつ、数式8に示す推定挙動値F^と目標挙動値F*との差が最小となるような値となる。そこで、最小二乗法を利用して、特性値λおよび挙動値Fに関するそれぞれの目的値と推定値との差を考慮した目的関数Lを設定し(数式12)、この目的関数Lが最小となる制御量δFを決定する。
Figure 0004911945
ここで、Wλは、操舵ゲインb2の重み係数Wb2とヨーレートゲインa22の重み係数Wa22とを含む重み関数であり、WFは、ヨーモーメントMzの重み係数WMzと総駆動力Fa_xの重み係数WFa_xとを含む重み関数である。また、WδFは、各輪駆動力(前後力)Ffl_x〜Frr_xに対する重み係数WFfl_x〜Frr_xと、制御操舵角δcの重み係数Wδcとを含む重み関数である。これらの重み関数Wλ〜WδFは、走行条件または運転操作量操作量などにより変化する。走行条件は、例えば、車速Vおよび摩擦係数μなどが該当し、運転操作量は、例えば、ハンドル角、アクセル開度、ブレーキ開度などが該当する。
なお、制御量δFの最適化を求める場合、一般には、推定値(特性値λ^、挙動値F^)と目標値(特性値λ*、挙動値F*)との差を考慮して、目的関数Lを設定すれば足りる。具体的には、目的関数Lは、数式12の右辺における、左側の第一項(特性値λに関する目的関数)と、中央の第二項(挙動値Fに関する目的関数)との和であればよい。しかしながら、数式5,8は、制御量δFが十分に小さい場合に成立する式であるため、第一項と第二項との和だけでは最適解が得られにくい。そこで、本実施形態では、第一および第二項に、第三項(制御量δFに関する目的関数)を加えることにより、制御量δFが微少量であることを拘束条件とした目的関数Lが設定されている。
目的関数Lが最小となる制御量δFは、二次関数である目的関数Lの変化量が「0」となることを条件として(∂L/∂F=0)、数式13で算出される。
Figure 0004911945
以上の概念説明を踏まえた上で、本実施形態にかかる車両運動制御装置のシステム構成について説明する。図3は、本実施形態にかかる車両運動制御装置が適用された車両の説明図である。駆動源であるエンジン1のクランクシャフト(図示せず)からの動力は、自動変速機2を介し、センターディファレンシャル(以下「センターデフ」という)3に伝達される。センターデフ3に伝達された動力は、一方の駆動系を介して前輪4fに伝達されるとともに、これとは異なる他方の駆動系を介して後輪4rに伝達される。
センターデフ3は、複合プラネタリギヤ式の差動装置であり、その2つの出力要素、すなわち、サンギヤ3aとキャリア3bとの間には、油圧多板式のセンタークラッチが設けられている。このセンタークラッチには、ソレノイドバルブ5が介装された流路を介して油圧装置(図示せず)が連結されており、ソレノイドバルブ5のデューティ制御を行うことにより、センタークラッチの係合力が調整される。センターデフ3の差動は、このセンタークラッチの係合力に応じて制限され、これにより、前輪4fと後輪4rとに対する駆動力の配分比が可変に設定される。
センターデフ3からの動力は、後輪側の駆動系において、ドライブ軸等を介してリヤディファレンシャル(以下単に「リヤデフ」という)6に伝達される。リヤデフ6は、ベベルギヤ式の差動装置である。このリヤデフ6の2つの出力要素、すなわち、デフケース6aと一方のサイドギヤ6bとの間には、油圧多板式のリヤクラッチが設けられている。このリヤクラッチ用のソレノイドバルブ7のデューティ制御を行うことにより、リヤクラッチの係合力が調整される。リヤデフ6の差動は、このリヤクラッチの係合力に応じて制限され、これにより、左右の後輪4rに対する駆動力の配分比が可変に設定される。そして、リヤデフ6からの動力は、車軸8を介して左右の後輪4rにそれぞれ伝達される。
一方、センターデフ3からの動力は、前輪側の駆動系において、ドライブ軸等を介してフロントディファレンシャル(以下「フロントデフ」という)9に伝達される。フロントデフ9は、図1において省略して記載されているが、上述したリヤデフ6と同様、ベベルギヤ式の差動装置である。フロントクラッチ用のソレノイドバルブ10のデューティ制御を行うことにより、フロントクラッチの係合力が調整される。フロントデフ9の差動は、このフロントクラッチの係合力に応じて制限され、これにより、左右の前輪4fに対する駆動力の配分比が可変に設定される。そして、フロントデフ9からの動力は、車軸8を介して左右の前輪4fにそれぞれ伝達される。
ドライバーによってハンドル11が操作された場合、操舵輪である前輪4fは、ステアバイワイヤ機構を用いたステアリング装置によって操舵される。このステアバイワイヤ機構では、ハンドル11から前輪4fへと至る操舵系が機械的に分離されており、ハンドル角Ha、すなわち、ドライバー操舵角δdと、前輪4fの操舵角δfとの関係が任意に設定される。通常、操舵角δfの目標値(以下「目標操舵角」という)は、ドライバー操舵角δdと対応した値になるが、後述する制御の必要性に応じて、ドライバー操舵角δdと制御操舵角δcとの和に対応した値になる。そして、この目標操舵角に基づいて、第1の電動モータ12の出力制御が行われ、前輪4fの操舵角が目標操舵角に調整される。また、現在の車速Vに対応したトルク係数、ドライバー操舵角δd等に基づいて、第2の電動モータ13の出力制御が行われ、これにより、ドライバー操舵角δdと車速Vとに対応した操舵反力がハンドル11に付与される。
図4は、車両運動制御装置20の全体構成を示したブロック図である。車両運動制御装置20は、制御ユニット21を主体に構成されており、この制御ユニット21としては、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェースを主体に構成されるマイクロコンピュータを用いることができる。制御ユニット21は、ROMに格納された制御プログラムに従い、車両運動制御に関する演算を行う。この演算を行うために、制御ユニット21には、各種の検出部22,23(図2には図示せず)からの検出信号が入力されている。
第1の検出部22は、車両の運動状態を変化させる要因となる、ドライバーの運転操作量を検出する。第1の検出部22によって検出される運転操作量としては、例えば、ハンドル角Ha、アクセル開度Ac、ブレーキ開度Brが挙げられる。ハンドル角Haはハンドル11の回転角であり、アクセル開度Acはアクセルペダルの踏み込み量であり、ブレーキ開度Brはブレーキペダルの踏み込み量である。第2の検出部23は、車両の状態量を検出する。第2の検出部12によって検出される状態量としては、例えば、車速V、ヨーレートγ、車輪に作用する作用力(すなわち、前後力Fx、横力Fy、上下力Fz)が挙げられる。第2の検出部23によって検出される状態量は、車両の運動状態を直接的に表す状態量(車速、ヨーレート、作用力など)のみならず、車両の運動状態に影響する外的な状態を表す状態量をも含む。この外的な状態量としては、例えば、車輪と路面との間の摩擦係数μが挙げられる。これら第1および第2の検出部22,23は、各々が単体で該当する値を検出可能である必要はなく、個別のセンサの複合体であってよい。
マイクロコンピュータである制御ユニット21を機能的に捉えると、この制御ユニット21は、設定部21aと、演算部21bと、制御部21cとを有する。設定部21aは、第1の検出部22の検出結果である運転操作量に基づいて、目標特性値λ*と、目標挙動値F*とを設定し、設定した目標特性値λ*と目標挙動値F*とを演算部21bに出力する。

演算部21bは、第2の検出部23の検出結果である車両の状態量に基づいて、特性値λの現在値と、挙動値Fの現在値とを算出する。そして、目標特性値λ*と特性値λの現在値とに基づいて、さらには、目標挙動値F*と挙動値Fの現在値とに基づいて、付加モーメントΔMzを車両に付加するための制御量δFが算出される。算出された制御量δFが制御部21cに出力されると、制御部21cは、この制御量δFに基づいて、ヨーモーメントMzを調整可能な各種のアクチュエータ(例えば、ソレノイドバルブ5,8,10、電動モータ12,13)を制御する。
つぎに、本実施形態にかかる車両制御ルーチンを説明する。この制御ルーチンは、所定間隔毎に呼び出され、制御ユニット21によって実行される。まず、ステップ1において、各種の検出信号が読み込まれる。このステップ1において読み込まれる検出値としては、運転操作量Ha,Ac,Br、および、各種の状態量V,γ、Fx,Fy,Fz,μが挙げられる。
ステップ2において、目標特性値λ*および目標挙動値F*が設定される。目標特性値λ*は、基本的に、運転操作量(本実施形態では、ドライバー操舵角δd、アクセル開度Ac、ブレーキ開度Br)に基づいて決定される値であり、両者の対応関係が設定されたマップ等を参照することにより、一義的に特定される。このようなマップは、実験やシミュレーションを通じ、運転操作に応じた特性値λの適切値を予め対応付けておくことにより設定される。
このマップは、例えば、以下のような手法を用いて予め設定されている。まず、車両の運動状態が線形的に表現される車両モデルを用いて、システム行列の要素a22,b2から目標特性値λ*を設定する(数式3参照)。そして、線形ベースの目標特性値λ*は、例えば、運転操作量に応じて修正される。例えば、ドライバーの危険回避のサポートといった観点から、ハンドル角Haの時間微分であるハンドル角速度Ha’(絶対値)が大きい程、操舵角ゲインb2の目標値b2*を線形ベースの値よりも大きくするといった如くである。また、別の一例としては、同様の観点より、アクセル開度Acまたはブレーキ開度Brの増加に応じて、目標ヨーレートゲインb22の目標値b22*が線型ベースの値よりも小さく設定してもよい。
目標特性値λ*が設定されると、これに応じて、目標挙動値F*に含まれる目標ヨーモーメントMz*も一義的に設定される(数式4参照)。一方、目標挙動値F*に含まれるもう一つのパラメータである、目標総駆動力Fa_x*は、例えば、アクセル開度Ac或いはブレーキ開度Brに応じて設定される。具体的には、アクセル開度Acが全開時における総駆動力Fa_xを予め取得しておき、アクセル開度Acが50%であれば、この目標値Fa_x*は、全開時の総駆動力Fの50%に設定される。
ステップ3において、特性値λと挙動値Fとを処理対象として、現在値から制御量δFだけ変化した値が目標値となるような制御量δFが、最適化演算を用いて算出される。具体的には、この制御量δFは、上述した目的関数L(数式12)が最小値となるような制御量δFであり、数式13に基づいて算出される。なお、上述した目的関数Lは、制御量δFが微少量であることを拘束条件として成立する関数であり、換言すれば、制御量が微少量であることを拘束条件として、最適化演算が行われる。また、重み関数Wλ,WF,WδFは、第1および第2の検出部22,23によって検出される走行条件および運転操作量に基づいて一義的に決定することができる。重み関数Wλ,WδFと走行条件および運転操作量との対応関係は、シミュレーション或いは実験等を通じて作成された、マップにより予め設定されている。
制御量δFが算出されると、この制御量δFによって制御された後の車両の特性値λおよび挙動値Fが算出される。そして、この算出された特性値λおよび挙動値Fに基づいて目的関数Lを算出し、この値を、従前の演算において算出された制御量δFをベースに算出される目的関数Lと比較する。そして、両者の差の絶対値が所定の判定値よりも小さくなった場合に、収束したと判断し、この時の制御量δFを最適値として決定する。
ステップ4では、算出された制御量δF、すなわち、この制御量δFを構成する個々のパラメータδFfl_x〜δFrr_x,δcに基づいて、各種アクチュエータが制御される。具体的には、各ソレノイドバルブ5,8,10に対して、駆動力制御量δFfl_x〜δFrr_xを考慮した制御信号(締結トルクの指示値)SigFが出力される。また、第1の電動モータに対して、算出された制御操舵角δcとドライバー操舵角δdとを考慮した制御信号(前輪操舵角δfの指示値)Sigδが出力される。これにより、各輪の駆動力Ffl_x〜Frr_xが、算出された制御量δFfl_x〜δFrr_xだけ変化されるとともに、前輪の操舵角δfがドライバー操舵角δfと制御操舵角δcとの和に応じて変化させられる。なお、駆動力制御において、制御部21cは、必要に応じて、エンジン1の出力制御、或いは、ABS14を用いた制動力制御も行う。
このように本実施形態によれば、システム行列を構成する各要素が車両の運動状態の時系列応答に影響を与えるゲインであることに着目し、付加モーメントΔMzを与えることによりゲインを補っている。これにより、車両の運動状態を付加モーメントによって制御することができ、これにより、運動状態の最適化を図ることができる。操舵ゲインb2、減衰に着目した本実施形態では、このような付加モーメントΔMの補填効果により、車両の安定性を確保しながらも、応答性の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、車輪の非線形性を考慮した上で、各種の値の演算を行っている。そのため、現在の車両の運動状態を精度よく特定することができ、制御の信頼性の向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、特性値λとして操舵角ゲインb2とヨーレートゲインa22を用いたが、本発明はこれに限定されない。例えば、特性値λとしては、車両の特性を示すゲインを含んでいればよく、所望とする車両応答に応じて適宜選択すればよい。例えば、特性値λには、上述した減衰を用いてもよい。また、前後輪操舵可能な車両であれば、システム行列に新たに含まれる要素、すなわち、後輪の操舵角ゲインを特性値λに含めてもよい。なお、減衰は、対角要素a11,a22の平均値であり、単一の要素(ヨーレートゲイン)a22に着目しても、この値を大きくすることは、減衰を大きくすることであり、本実施形態では、これと同様の効果を奏する。
また、本実施形態では、運転操作量をドライバーの操作として説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、先行車に追従して自動的に走行する、或いは、設定された経路を自動的に走行するような自動操縦機能を備えた車両にも適用することができる。すなわち、第1の検出部22が検出する運転操作量は、自動操縦機能における制御量であってもよい。
また、本実施形態では、エンジン1を駆動源とする四輪駆動車について説明したが、駆動源としてモータを用いてもよい。この場合、上述したエンジン1と同様に、センターデフ3、リヤデフ6、フロントデフ9を介して、単一のモータによって四輪を駆動してもよい。また、各輪、或いは前後輪に対してそれぞれモータを設けてもよく、この場合、各モータの出力制御を行うことにより、駆動力制御を行うことができる。
なお、第2の検出部23が検出する状態量の一つに、摩擦係数μがある。この摩擦係数μは、直接的な計測手法を用いるのみならず、種々の推定手法を用いた間接的な検出であってもよい。摩擦係数μの推定演算としては、例えば、車両の運動理論に基づいて車両の挙動をモデル化した車両モデル(例えば、二輪モデル)を用いた手法を用いることができる。この手法では、実際の車両の運動状態(例えば、車体すべり角βb)に基づいて、例えば、高μ路を想定した車両モデルの運動状態と、低μ路を想定した車両モデルの運動状態とを比較することにより、現在の摩擦係数μを推定する。このような車両モデルベースの推定手法の詳細については、例えば、特開2000−071968号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。これ以外にも、例えば、特開2003−237558号公報に開示されているように、2つの車輪の速度差と、加速度とに基づいて摩擦係数μを推定してもよい。さらに、例えば、特開2002−27882号公報に開示されているように、車両の運動状態に、カメラから得られた道路の路面状況を検出した検出結果を考慮した上で摩擦係数μを推定してもよい。
また、第2の検出部23が検出する状態量の一つに、作用力がある。作用力の検出は、例えば、ひずみゲージと、このひずみゲージから出力される電気信号を処理し、作用力に応じた検出信号を生成する信号処理回路とを主体に構成した周知のセンサを用いることができる。車軸8に生じる応力は作用力に比例するという知得に基づき、ひずみゲージを個々の車軸8に埋設することにより、各々の車輪に関する作用力が直接的に検出される。なお、作用力の検出手法の具体的な構成については、例えば、特開平04−331336号公報、特開平10−318862号公報、特開2002−039744号公報または特開2003−104139号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。なお、作用力は、直接的に検出する以外にも、推定手法によって間接的に検出してもよい。例えば、横力Fyは、コーナリングフォースを推定することによって特定してもよいし(すなわち、間接的に検出する)、上下力Fzは、垂直荷重を推定することによって特定してもよい(すなわち、間接的に検出する)。
車両モデルの説明図 状態方程式を示すブロック図 本実施形態にかかる車両運動制御装置が適用された車両の説明図 車両運動制御装置の全体構成を示したブロック図
符号の説明
1 エンジン
2 自動変速機
3 センターデフ
4f 前輪
4r 後輪
5,7,10 ソレノイドバルブ
6 リヤデフ
8 車軸
9 フロントデフ
11 ハンドル
12 第1の電動モータ
13 第2の電動モータ
14 ABS
20 車両運動制御装置
21 制御ユニット
22 第1の検出部
23 第2の検出部

Claims (10)

  1. 車両運動制御装置において、
    車両に加えられる運転操作量を検出する第1の検出部と、
    前記車両の状態を示す車両状態量を検出する第2の検出部と、
    前記検出された運転操作量に基づいて、前記車両の運動状態を示す状態方程式のシステム行列を構成する行列要素であって前記車両の運動状態の特性を示す特性値の目標値を設定する設定部と、
    前記検出された車両状態量に基づいて、前記特性値の現在値を算出し、前記設定された特性値の目標値と前記算出された特性値の現在値とに基づいて、前記車両の鉛直軸回りのヨーモーメントである付加モーメントを車両に付加するための制御量を算出する演算部と、
    前記算出された制御量に基づいて、前記ヨーモーメントを調整可能なアクチュエータを制御する制御部とを有し、
    前記システム行列は、車体すべり角の時系列応答に影響を与えるゲイン及びヨーレートの時系列応答に影響を与えるゲインを行列要素に含んで構成され、
    前記特性値は、前記システム行列を構成するゲインのうち、前記ヨーレートの時系列応答に影響を与えるゲインを含むことを特徴とする車両運動制御装置。
  2. 前記演算部は、前記特性値の目標値と前記特性値の現在値との差が小さくなるように、前記制御量を算出することを特徴とする請求項1に記載された車両運動制御装置。
  3. 前記特性値は、操舵に対する前記車両の応答性に影響を与える第1のゲインを含むことを特徴とする請求項1または2に記載された車両運動制御装置。
  4. 前記特性値は、前記車両のヨー運動の収束性に影響を与える第2のゲインを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載された車両運動制御装置。
  5. 前記演算部は、前記特性値の現在値から前記制御量だけ変化した前記特性値の推定値が前記目標値となるような前記制御量を、最適化演算を用いて算出することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載された車両運動制御装置。
  6. 前記演算部は、前記制御量が微少量であることを拘束条件として、前記最適化演算を行うことを特徴とする請求項5に記載された車両運動制御装置。
  7. 前記演算部は、前記検出された車両状態量としての車体速度、車両諸元、前記車輪の非線形性を考慮したコーナリングパワーに基づいて、前記ゲインの現在値を算出することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載された車両運動制御装置。
  8. 前記アクチュエータは、前記車輪のそれぞれに与えられる駆動力または制動力を設定する第1のアクチュエータと、前記車輪の操舵角を設定する第2のアクチュエータとを有し、
    前記演算部は、前記制御量として、前記車輪のそれぞれの駆動力制御量と、操舵車輪の操舵角制御量とを算出しており、
    前記制御部は、前記算出された制御量に基づいて、前記第1のアクチュエータと前記第2のアクチュエータとを統合的に制御することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載された車両運動制御装置。
  9. 車両運動制御装置において、
    車両に加えられる運転操作量を検出する第1の検出部と、
    前記車両の状態を示す車両状態量を検出する第2の検出部と、
    前記検出された運転操作量に基づいて、前記車両の運動状態の特性を示す特性値の目標値を設定する設定部と、
    前記検出された車両状態量に基づいて、前記特性値の現在値を算出し、前記設定された特性値の目標値と前記算出された特性値の現在値とに基づいて、前記車両の制御量を算出する演算部と、を有し、
    前記特性値は、前記車両の運動状態のうち操舵に対する車両の応答性に係わる操舵ゲインと、車両のヨー運動の収束性に係わる減衰を含むことを特徴とする車両運動制御装置。
  10. 前記設定された特性値の目標値と前記算出された特性値の現在値とに基づいて、前記車両の鉛直軸回りのヨーモーメントである付加モーメントを車両に付加するための制御量を算出し、算出したヨーモーメントを調整可能なアクチュエータを制御することを特徴とする請求項9に記載された車両運動制御装置。
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