JP2006248130A - 液滴吐出装置および液滴吐出装置の微振動印加制御方法 - Google Patents

液滴吐出装置および液滴吐出装置の微振動印加制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ノズルの目詰まりの発生を起きにくくすることができる液滴吐出装置および液滴吐出装置の微振動制御方法を提供する。
【解決手段】 機能液を吐出するためのノズル27を有する吐出ヘッド26と、機能液がリフレッシュされたときからの所定時間を計時するタイマ89と、経過時間に対応した微振動電圧波形をノズル27におけるメニスカスに印加するデータが記憶されたROM73またはRAM74と、経過時間に対応したデータに基づいて吐出ヘッド26に微振動電圧波形を印加するように指示するCPU72とを備える。さらに、微振動電圧波形は、経過時間に伴って、徐々に大きくなるように設定されている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、液滴吐出装置および液滴吐出装置の微振動印加制御方法に関する。
液滴吐出装置は、吐出ヘッドに備えられた複数のノズルと、該ノズルに連通する圧力発生室等を備え、機能液は、機能液タンクから管路を介して吐出ヘッドに供給される。そして、吐出信号に対応して圧力発生室を膨張、収縮させて液滴を発生させるように構成されている。このような液滴吐出装置を用いて、揮発性溶媒が含まれている機能液を吐出する場合において、液滴吐出装置がしばらく停滞すると、ノズル近傍の機能液が溶媒分の揮発により増粘し、目詰まり等の不具合を生じるという問題があった。このような問題を解決するために、特許文献1に記載の液滴吐出装置では、装置の使用状態に対応する規定時間を設け、規定時間を経過したときに一定パルスを吐出ヘッドに印加し、ノズル近傍の機能液に微振動を与えることにより目詰まりを起こしにくくしている。
特開平9―3007号公報
しかしながら、上記の先行技術の液滴吐出装置は、機能液の状態に関らず、装置の使用状況に基づいて一定時間毎に一定パルスを印加して微振動を与えるものであった。このため、過度に微振動を与えると機能液の溶媒分が揮発して粘性が高くなり、ノズルの目詰まり等が発生するという問題があった。
本発明では、上記の問題を解決するためになされたものであって、機能液の状況を考慮して、ノズルの目詰まりの発生を起きにくくすることができる液滴吐出装置および液滴吐出装置の微振動印加制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の液滴吐出装置では、機能液を吐出するノズルを有する吐出ヘッドと、機能液がリフレッシュされたときからの経過時間を計時する計時手段と、ノズルにおけるメニスカスに、経過時間に対応した微振動を印加するデータを記憶する記憶手段と、経過時間に対するデータに基づき、吐出ヘッドに微振動を印加する微振動印加手段と、を備えたことを要旨とする。
これによれば、機能液の吐出動作、フラッシングや吸引によるノズルクリーニング動作等によってノズルにおける機能液がリフレッシュされると、計時手段によって経過時間が計時される。この間は、ノズルから機能液が吐出されず、ノズルにおける機能液は大気に曝されているので、徐々に機能液は増粘していく。経過時間に対する機能液の粘度に応じた適切な強さの微振動を印加するデータが記憶手段によって記憶されており、該データに基づき微振動印加手段によって、吐出ヘッドに微振動が印加される。微振動が印加されると、吐出ヘッド内の機能液に微振動が伝わり、ノズルにおけるメニスカスが微細な振動を起こす。従って、経過時間によって微振動の強さを可変して印加するので、ノズルの目詰まりを起きにくくすることができる。
本発明の液滴吐出装置は、ノズルの近傍の環境温度を測定する温度センサを備え、ノズルにおけるメニスカスに、経過時間と環境温度に対応した微振動を印加するデータを記憶する記憶手段とを備えてもよい。
これによれば、経過時間と環境温度に対応した微振動の印加パラメータが記憶されているので、機能液の状況に応じてさらに適切な条件で微振動を印加させることができる。
本発明の液滴吐出装置の微振動印加手段は、経過時間に伴って、印加電圧を徐々に高くしてもよい。
これによれば、吐出ヘッドは、低い電圧から高い電圧へと印加電圧を可変して印加される。従って、経過時間の経過に対する機能液の増粘に対応して、所定の粘度を維持することができる。
本発明の液滴吐出装置の微振動印加手段は、経過時間に伴って、印加周波数を徐々に高くしてもよい。
これによれば、吐出ヘッドは、低い周波数から高い周波数へと印加周波数を可変して印加される。従って、経過時間の経過に対する機能液の増粘に対応して、所定の粘度を維持することができる。
本発明の液滴吐出装置は、機能液を吐出するノズルを有する吐出ヘッドと、機能液がリフレッシュされたときからの経過時間を計時する計時手段と、ノズルにおけるメニスカスの挙動を測定するメニスカス測定装置と、ノズルにおけるメニスカスに対して、所定の強さの微振動が得られるように、経過時間に対応した微振動を印加するデータを記憶する記憶手段と、データに基づいて吐出ヘッドに微振動を印加する微振動印加手段とを備えたことを要旨とする。
これによれば、メニスカス測定装置によって経過時間に伴う吐出ヘッドのノズルにおけるメニスカスの挙動の測定情報が取得される。メニスカスの所定の強さの微振動が得られるように経過時間に対応した微振動を印加するデータが記憶手段によって記憶されおり、微振動印加手段は、測定したメニスカスの情報から上記データに基づいて吐出ヘッドに微振動を印加する。従って、経過時間に対応してノズルにおけるメニスカスの挙動に応じた適切な条件で微振動を与えることによりノズルの目詰まりを起きにくくすることができる。
本発明の液滴吐出装置のメニスカス測定装置は、ノズルにおけるメニスカスの変位または速度の情報を取得してもよい。
これによれば、メニスカス測定装置は、メニスカスの変位または速度の測定値を取得する。変位または速度とも、メニスカスの挙動に対応して変化するので、的確にメニスカスの状態を表すことができる。
本発明の液滴吐出装置は、メニスカス測定装置によって測定された情報に基づいて、必要な変位または速度が得られるように微振動の印加を制御し、そのとき得られた情報をデータとしてもよい。
これによれば、メニスカスの測定によって得られた情報に基づいて、微振動の印加を制御し、その測定で得られた情報をデータとして記録することにより、その都度機能液の特性を測定し、データ化するので、より適切な微振動を付与することができる。
本発明の液滴吐出装置のメニスカス測定装置は、メニスカスに対してレーザ光を照射し、メニスカスで反射したレーザ光が戻ってくる時間を測定してメニスカスの変位または速度を測定するレーザードップラ計を用いてもよい。
これによれば、直進性が良く拡散しないレーザー光を用いたレーザードップラ計でメニスカスの挙動を測定するので、微細なメニスカスの変位または速度情報を取得することができる。
本発明の液滴吐出装置の微振動印加手段は、メニスカスの変位が減少するに連れ、または速度が遅くなるに連れて、印加電圧を徐々に高くしてもよい。
これによれば、メニスカスの変位または速度の変化状態に伴って、低い電圧から高い電圧へと印加電圧が変化して印加される。従って、メニスカスの状態に応じて適正な微振動を印加させることができる。
本発明の液滴吐出装置の微振動印加手段は、メニスカスの変位が減少するに連れ、または速度が遅くなるに連れて、印加周波数を徐々に高くしてもよい。
これによれば、メニスカスの変位または速度の変化状態に伴って、低い周波数から高い周波数へと印加周波数が変化して印加される。従って、メニスカスの状態に応じて適正な微振動を印加させることができる。
本発明では、機能液を吐出する吐出ヘッドのノズルにおけるメニスカスに微振動を印加する液滴吐出装置の微振動印加制御方法であって、機能液がリフレッシュされたときからの経過時間を計時する計時工程と、ノズルにおけるメニスカスに、経過時間に対応した微振動を印加するデータを読み出すデータ読出工程と、経過時間に対するデータに基づいて吐出ヘッドに微振動を印加する微振動印加工程とを有することを要旨とする。
これによれば、まず、機能液がリフレッシュされたときからの経過時間の計時を開始する。ノズルにおける機能液は、大気に曝されているので、経過時間に伴って粘度が増粘していく。次に、経過時間に対応した微振動を印加するデータを読み出す。データは、予め記憶手段によって記憶されたデータであり、経過時間に伴う機能液の増粘に対して、ノズルにおけるメニスカスの振動量が維持されるように規定された微振動印加データである。そして、経過時間に対するデータに基づいて吐出ヘッドに微振動を印加する。従って、所定の強さの微振動が得られるように経過時間に対して微振動を印加することにより、ノズルにおけるメニスカスの振動量が維持され、ノズルの目詰まりを起きにくくすることができる。
本発明では、機能液を吐出する吐出ヘッドのノズルにおけるメニスカスに微振動を印加する液滴吐出装置の微振動印加制御方法であって、機能液がリフレッシュされたときからの経過時間を計時する計時工程と、ノズルにおけるメニスカスの挙動を測定するメニスカス測定工程と、ノズルにおけるメニスカスに対して、所定の強さの微振動が得られるように、経過時間に対応する微振動を印加するデータを読み出すデータ読出手段と、データに基づいて吐出ヘッドに微振動を印加する微振動印加工程とを有することを要旨とする。
これによれば、まず、機能液がリフレッシュされたときからの経過時間の計時を開始する。これと同時期に、メニスカスの挙動の測定を開始する。例えば、ノズルにおけるメニスカスの変位や速度等を測定することにより、経過時間に伴う粘度の増粘していく様子を測定することができる。次に、経過時間に対応した微振動を印加するデータを読み出す。データは、予め記憶手段によって記憶されたデータであり、経過時間に伴う機能液の増粘に対して、ノズルにおけるメニスカスの振動量が維持されるように規定された微振動印加データである。そして、経過時間に対するデータに基づいて吐出ヘッドに微振動を印加する。従って、メニスカスの挙動を測定して、所定の強さの微振動が得られるように経過時間に対して微振動を印加するので、ノズルにおけるメニスカスの振動量が維持され、ノズルの目詰まりを起きにくくすることができる。
以下、本発明を具体化した第1〜第3実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。
図1は、液滴吐出装置1の斜視図である。図1において、機能液を液滴として吐出するヘッド部20を有するヘッド機構部2と、ヘッド部20から吐出された液滴の吐出対象であるワーク30を載置するワーク機構部3と、通常、ヘッド部20に液滴となる機能液を供給する機能液供給部4と、ヘッド部20の保守を行うメンテナンス機構部5と、これら各機構部および供給部を統括的に制御する制御部6等を備えている。
液滴吐出装置1は、床上に設置された複数の支持脚11と、支持脚11の上側に設置された定盤12を備えている。定盤12の上側には、ワーク機構部3が定盤12の長手方向(X軸方向)に延在するように配置されている。ワーク機構部3の上方には、定盤12に固定された2本の支持柱22で支持されているヘッド機構部2が、ワーク機構部3と直交する方向(Y軸方向)に延在して配置されている。また、定盤12の一方の端部には、ヘッド機構部2のヘッド部20から連通して機能液を供給する機能液供給部4が配置されている。そして、ヘッド機構部2の一方の支持柱22近傍には、メンテナンス機構部5がワーク機構部3と並んでX軸方向に延在するように配置されている。さらに、定盤12の下側には、制御部6が備えられている。
ヘッド機構部2は、機能液を吐出するヘッド部20と、ヘッド部20を懸架したヘッドキャリッジ21と、ヘッドキャリッジ21のY軸方向への移動をガイドするY軸ガイド23と、Y軸ガイド23の側方にY軸ガイド23と平行に設置されたY軸リニアモータ24等を備えている。
ワーク機構部3は、ヘッド機構部2の下方に位置し、ヘッド機構部2とほぼ同様の構成でX軸方向に延在するように配置されており、ワーク30を載置しているワーク載置台31と、ワーク載置台31の移動をガイドするX軸ガイド33と、X軸ガイド33の側方にX軸ガイド33と平行に設置されたX軸リニアモータ34等を備えている。
これらの構成により、ヘッド部20とワーク30とは、それぞれY軸方向およびX軸方向に往復自在に移動することができる。最初に、ヘッド部20の移動について説明する。ヘッド部20を懸架したヘッドキャリッジ21は、Y軸ガイド23に移動可能に取り付けられている。図示しないが、ヘッドキャリッジ21からY軸リニアモータ24側へ張り出している突起部が、Y軸リニアモータ24と係合して駆動力を得ることにより、ヘッドキャリッジ21がY軸ガイドに沿って任意の位置に移動する。同様に、ワーク載置台31に搭載されたワーク30もX軸方向に自在に移動する。
このように、ヘッド部20は、Y軸方向の吐出位置まで移動して停止し、下方にあるワーク30のX軸方向の移動に同調して、液滴を吐出する構成となっている。X軸方向に移動するワーク30と、Y軸方向に移動するヘッド部20とを相対的に制御することにより、ワーク30上に描画等を行うことができる。
次に、ヘッド部20に機能液を供給する機能液供給部4は、機能液タンク45と、機能液ポンプ44と、機能液タンク45から機能液ポンプ44を経てヘッド部20までを接続する流路チューブ49とを備えている。機能液タンク45は一個だけでなく複数個備えることも可能である。この場合、複数のタンクは、それぞれ専用の流路チューブおよび機能液ポンプによって、ヘッド部20へ接続する。これにより、機能の異なる機能液を選択してヘッド部20へ供給することができる。
次に、ヘッド部20の構成について説明する。図2は、ヘッド部の構成を示し、図2(a)は平面図であり、同図(b)はノズル部の平面図である。ヘッド部20は、図2(a)に示すように、互いに同じ構造を有する12個の吐出ヘッド26を保持している。また、機能液を吐出するための吐出ヘッド26は、図2(b)に示すように、それぞれが吐出ヘッド26の長手方向に延びる2つのノズル列28を有している。1つのノズル列は、それぞれ180個のノズル27が一列に並んだ列のことである。なお、複数の機能液を使用する場合には、12個の吐出ヘッド26に、吐出する機能液を個別に設定する。
次に、吐出ヘッド部20の構造について説明する。図3は、吐出ヘッド20の構造を示し、図3(a)は一部破断した斜視図であり、同図(b)は断面図である。それぞれの吐出ヘッド26は、振動板63と、ノズルプレート64を備えている。振動板63とノズルプレート64との間には、機能液タンク45から孔67を介して供給される機能液が常に充填される液たまり65が位置している。また、振動板63と、ノズルプレート64との間には、複数の隔壁61が位置している。そして、振動板63と、ノズルプレート64と、1対の隔壁61とによって囲まれた部分がキャビティ60である。キャビティ60はノズル27に対応して設けられているため、キャビティ60の数とノズル27の数とは同じである。キャビティ60には、1対の隔壁61間に位置する供給口66を介して、液たまり65から機能液が供給される。
振動板63上には、それぞれのキャビティ60に対応して振動子62が取り付けられている。振動子62は、ピエゾ素子62cと、ピエゾ素子62cを挟む1対の電極62a、62bを有する。この1対の電極62a、62bに駆動電圧を与えることで、対応するノズル27から機能液が液滴68となって吐出される。ノズル27の周辺部には、液滴68の飛行曲がりやノズル27の孔詰まり等を防止するために、例えばNi−テトラフルオロエチレン共析メッキ層からなる撥機能液層69が設けられている。なお、材料液を吐出させるために、振動子62の代わりに電気熱変換素子を用いてもよく、これは電気熱変換素子による材料液の熱膨張を利用して、材料液を吐出する構成である。
図1に示すように、メンテナンス機構部5は、キャッピングユニット56、ワイピングユニット57、およびフラッシングユニット58のメンテナンスユニットを備えている。さらに、メンテナンスユニットを載置するメンテキャリッジ51と、メンテキャリッジ51の移動をガイドするメンテキャリッジガイド52と、メンテキャリッジ51と一体の螺合部55と、螺合部55が螺合するボールねじ54と、ボールねじ54を回転させるメンテモータ53とを備えている。これにより、メンテモータ53が正逆回転すると、ボールねじ54が回転し、螺合部55を介してメンテキャリッジ51が、X軸方向に移動する。メンテキャリッジ51がヘッド部20のメンテナンスのために移動するときには、Y軸ガイド23に沿ってヘッド部20が移動して、メンテナンスユニットの直上部に臨んでいる。
メンテナンスユニットのキャッピングユニット56は、液滴吐出装置1が稼動していない時に、ヘッド部20の12個の吐出ヘッド26のそれぞれと密着してキャッピングし、機能液が乾燥してノズル27が詰まるなどの不具合が生じないようにする。ワイピングユニット57は、機能液の連続吐出後やキャッピング時にノズル27に付着した機能液などを、洗浄液を含むワイピング布で拭い、全ノズルの清浄な状態を維持する。フラッシングユニット58は、液滴吐出装置1の稼動開始時やワーク30への加工前に、ノズル27から吐出される機能液を受け、ノズル27の吐出状態を常に良好な状態にする。
これらのメンテナンスユニットにより、液滴吐出装置1の非稼動時やワーク30を交換載置している加工待ち時などに、吐出ヘッド26の状態を保全して良好な吐出状態を保つことができる。
次に、以上述べた構成を制御する制御部の構成について説明する。図4は、制御部の構成を示すブロック図である。制御部6は、指令部70と駆動部80とを備え、指令部70は、CPU72,記憶手段としてのROM73,RAM74および入出力インターフェース71からなり、CPU72が入出力インターフェース71を介して入力される各種信号を、ROM73、RAM74のデータに基づき処理し、入出力インターフェース71を介して駆動部80へ制御信号を出力する。
駆動部80は、微振動印加手段としてのヘッドドライバ81、モータドライバ82、ポンプドライバ83、およびメンテドライバ85から構成されている。モータドライバ82は、指令部70の制御信号により、X軸リニアモータ34、Y軸リニアモータ24を制御し、ワーク30、ヘッド部20の移動を制御する。さらに、メンテモータ53を制御してメンテナンス機構部5の必要なユニットをメンテナンス位置へ移動させる。ヘッドドライバ81は、吐出ヘッド26からの機能液の吐出を制御し、モータドライバ82の制御と同調して、ワーク30上に所定の描画などが行えるようにする。また、ポンプドライバ83は、機能液の吐出状態に対応して機能液ポンプ44を制御し、吐出ヘッド26への機能液供給を最適に制御する。そして、メンテドライバ85は、メンテナンス機構部5のキャッピングユニット56、ワイピングユニット57およびフラッシングユニット58を制御する。そして、計時手段としてのタイマ89が入出力インターフェース71へ接続されている。
指令部70は、ヘッドドライバ81を介して、複数の振動子62のそれぞれに互いに独立な信号を与えるように構成されている。このため、ノズル27から吐出される液滴68の体積は、ヘッドドライバ81からの信号に応じてノズル27毎に制御され可変である。
次に、ヘッドドライバ81による振動子62の制御について説明する。図5は、ヘッドドライバ81による振動子62の制御ブロック図を示し、図5(a)は、ヘッドドライバの電圧波形生成回路の一例を示す回路図であり、同図(b)は、信号のタイミングを示すタイムチャートである。駆動信号等の波形は、印加される電圧波形を表している。これら回路図およびタイムチャートにより吐出ヘッド26における吐出制御について説明する。制御信号発生回路220、駆動信号発生回路230は、制御部6のヘッドドライバ81に備えられている。また、フリップフロップ226、フリップフロップ227、アナログスイッチ229は、吐出ヘッド26の振動子62の各々に対応して設けられていて、制御信号発生回路220、駆動信号発生回路230と各信号線223,224,225,231で接続されている。
制御信号発生回路220は、データバス222を介して送られてくる図5(b)に示すデータ信号を取り込み、吐出ヘッド26が吐出位置に達したことを示す吐出タイミング信号が端子221に入力された段階で、取り込んだデータ信号を1ビットずつ信号線224に出力する。この信号線224に出力されたデータ信号は、カスケードに接続されシフトレジスタを構成するフリップフロップ226のデータ端子に入力される。また、信号線225にはシフトクロック信号が出力され、このシフトクロック信号によってシリアル転送されたデータ信号がシフトされながら、フリップフロップ226に転送される。
そして、すべての振動子62に対するデータ(ノズルのON/OFF情報)が転送された段階で、信号線223にラッチ信号が送られ、データがフリップフロップ227の出力側に現れる。そして、吐出動作を行うべき振動子62に対応するアナログスイッチ229がON状態となる。一方、駆動信号発生回路230は、制御信号発生回路220、信号線260を介して吐出タイミング信号が入力されると、駆動信号を信号線231から出力し、ON状態となったアナログスイッチ229に対応する振動子62を駆動する。
なお、駆動信号発生回路230が生成する駆動信号の形状や、データ信号のデータ、吐出タイミング信号の印加タイミング、周波数などは、指令部70からの命令により、自由に設定することが可能である。このように、吐出ヘッド26の任意のノズル27から、任意のタイミングで、任意の駆動信号によって液滴68を吐出させることが可能となる。
図5(b)には、振動子62の駆動によりノズル27から液滴68が吐出される吐出タイミングTeを示している。この吐出タイミングTeは、駆動信号に依存して決まるタイミングであり、図からわかるように、吐出タイミング信号の立ち上がりタイミングとも、ラッチ信号の立ち上がりタイミングであるラッチタイミングTlとも異なったタイミングである。しかし、吐出タイミングTeとラッチタイミングTlとは、常に一定の時間間隔Tiだけずれて同期している。
次に、吐出ヘッド26の振動子62へ印加される電圧波形(信号)について説明する。図6は、機能液を吐出あるいは微振動させるための電圧波形を示すタイムチャートである。図6に示すように、電圧波形には、駆動電圧波形と、微振動電圧波形があり、駆動電圧波形は、ノズル27から機能液を吐出するために振動子62を振動させる信号であり、微振動電圧波形は、ノズル27から機能液が吐出されない程度に振動子62を振動させる信号である。
微振動電圧波形を印加するためのデータは、予めROM73やRAM74に記憶されており、CPU72がタイマ89の入力信号を受信して、データから経過時間に対応した電圧印加割合を演算処理し、入出力インターフェース71を介してヘッドドライバ81へ制御信号を出力する。ヘッドドライバ81は、吐出ヘッド26の振動子62に駆動電圧を送信するようになっている。
図7は、データの作成方法を示す。縦軸は最大電圧Vhに対する印加電圧割合V0〜Vn(%)であり、横軸は印加周波数f0〜fn(KHz)であり、各パラメータがマトリクス状に表されている。これらのデータに基づいて、経過時間に対する印加電圧割合(図8参照),経過時間に対する印加周波数(図9参照),経過時間に対する印加電圧割合と印加周波数の組み合わせ(図10参照)により微振動が印加される。
図6において、まず、液滴吐出装置1の電源が入れられると、振動子62には、中間電位Vmが印加される。次いで、駆動電圧波形が印加されて液滴68を吐出する前に、微振動電圧波形(印字前微振動電圧波形)が印加される。微振動電圧波形は、ノズル27から機能液が吐出されない程度に振動子62を振動させる信号であり、機能液のリフレッシュから経過した時間tとともに徐々に大きくなるように印加される。微振動は、図8に示すように、例えば、経過時間の1,2,5,10(分)に対して、最大印加電圧Vhに対する印加電圧割合を40,45,52,60(%)となるように設定して、液滴68の吐出前に経過時間に応じた微振動電圧波形を印加すれば、ノズル27部分の大気に接する機能液が滞留せずに流動し、経過時間による増粘に対応して印加を可変して印加することによりノズル27の目詰まり等が起き難い状態となる。そのため、最初の液滴68の吐出であっても、安定して吐出可能である。
その後、電圧値が、中間電位VmのP10の状態から最大電位VhのP11まで上昇し、P11の状態を数マイクロ秒維持する。次に、最大電位Vhから最低電位Vlまで降下する。P11からP12への電圧降下の勾配は、P10からP11への電圧上昇よりも大きく急激な電圧降下となる。次に、P12の状態を数マイクロ秒維持し、再び中間電位Vmまで上昇する。P11からP12への電圧降下に対応して、振動子62が、液滴68をノズル27から押し出し、液滴が吐出される。このメカニズムの詳細は後述する。
最初の液滴吐出後、次の吐出までの非吐出時間TS1が生じる場合、この非吐出時間TS1の間、非吐出ノズル27の振動子62へ微振動電圧波形を印加する。他のノズル27は液滴を吐出しており、この微振動電圧波形を印字内微振動電圧波形と称する。印字内微振動電圧波形も、印字前微振動電圧形と同様に図8に示すデータに基づき、機能液がリフレッシュしてからの経過時間tに対して印加電圧が徐々に大きくなるように印加される。これにより、ノズル27部分の大気に接する機能液が滞留せずに流動し、経過時間による機能液の増粘に対応して電圧を可変して印加することによりノズル27の目詰まり等が起き難い状態となる。非吐出時間TS1が終了し、再び振動子62へ駆動電圧波形が印加されるとノズル27から液滴が吐出される。
液滴の吐出が終了し、全ノズル27が非吐出状態になると、電圧値が待機電位Vwに降下する。この状態で次の駆動電圧波形が印加されるまで微振動電圧波形が全振動子62へ印加される。この微振動電圧波形を待機時微振動電圧波形と称する。待機時微振動電圧波形も、前記同様に図8に示すデータに基づき、機能液がリフレッシュしてからの経過時間tに対して印加電圧が徐々に大きくなるように印加される。これにより、ノズル27部分の大気に接する機能液が滞留せずに流動し、経過時間による増粘に対応して電圧を可変して印加することによりノズル27の目詰まり等が起き難い状態となる。
また、上記の微振動電圧波形は、フラッシングや吸引によるノズルクリーニング動作等によってノズルにおける機能液がリフレッシュされた後にも同様に印加される。
また、上述のデータは、経過時間と経過時間に対する印加電圧を規定する他に、例えば、図9に示すように経過時間と経過時間に対する周波数をパラメータとして、微振動電圧波形を印加することも可能である。この場合、経過時間とともに徐々に周波数を高くなるように設定する。これにより、ノズル27部分の大気に接する機能液が滞留せずに流動し、経過時間による増粘に対応して分離力を増大させてノズル27の目詰まり等が起き難い状態となる。周波数の設定は、0.5〜5kHzが適当であり、機能液の種類等に応じて適宜規定される。
さらに、経過時間と印加電圧と周波数とを組み合わせたデータを設定し、例えば、図10に示すように、微振動を印加することも可能である。この場合、微振動の印加に対する最適条件を考慮すべく、経過時間tとともに印加電圧と周波数をそれぞれ単に増大させるのではなく、印加電圧と周波数のいずれかを経過時間tに対して不変として、他方の因子を増大させることもできる。これにより、より的確な微振動を印加させ、経過時間による増粘に対応して電圧または周波数を可変して印加することによりノズル27の目詰まり等が起き難い状態となる。
また、微振動を印加する手順としては、図7に示すように、例えば、印加電圧V0を維持した状態で、印加周波数をf0からfnまで可変する(Step1)。Step1による微振動を印加してもノズル27におけるメニスカスの振動量が維持されない場合は、Step2に移行し、印加電圧をV0からV1に可変した状態で維持し、印加周波数をf0からfnまで可変する。このようにして、さらにStep3〜Stepnへ可変する。このように印加電圧を維持した状態で、周波数を可変することにより、ノズル27におけるメニスカスに最適な振動を与えることができるので、消費電力を低減することができる。
次に、駆動電圧波形の印加によるノズル27における機能液の状態(メニスカス)の変化について説明する。図11は、ノズルにおける駆動電圧波形に対応した機能液の状態を示す断面図である。中間電位VmにあるP10の状態において、メニスカスは、ノズル27に形成された撥水膜の撥水性と機能液との表面張力等によって、ノズル27の内側(キャビティ60側)に引き込まれて凹形状をなしている。このときのメニスカスの状態が図11(a)に示されている。中間電位VmのP10の状態から最大電位Vhへ上昇してP11に至る状態では、振動子62がキャビティ60を拡張する方向へ撓み、メニスカスがノズル27の内側に引き込まれ、最大電位VhのP11においては、図11(b)に示すように引き込まれ量が最大となる。ここで、一旦引き込まれたメニスカスが、引き込まれる直前の位置に復帰しない程度の時間、例えば3マイクロ秒だけ最大電位Vhを維持する。
次に、P11の最大電位Vhの状態から最低電位Vlまで急速に電圧を降下させる。これにより、振動子62がキャビティ60を収縮する方向へ撓み、メニスカスがノズル27から突出し始め、最低電位VlのP12において、図11(c)に示すように機能液が突出した状態となる。3マイクロ秒程度維持されるP12の状態においても、慣性によりメニスカスの突出が若干続いている。そして、P12の状態からを再び中間電位Vmまで電位を上昇させる。これにより、振動子62がキャビティ60を拡張する方向へ撓み、中間電位Vmに至った時点のP13では、図11(d)に示すように、ノズル27から外側に突出した機能液が離反する状態となり、ノズル27から液滴68として吐出される。
一方、微振動電圧波形は、図12の微振動電圧波形を示すタイムチャートに示すように、駆動電圧波形と同様に、中間電位VmのP20の状態から微振動電位VvのP21まで上昇する。そして、この微振動電位Vvを例えば7マイクロ秒維持した後、中間電位Vmまで下降する。ここで、微振動電圧波形は、機能液の液滴を吐出しない程度の微振動を与えるものであるから、微振動電位Vvは、駆動電圧波形の最大電位Vhよりも小さい。具体的には、VvはVhの40〜60%程度である。なお、微振動電圧波形のP20からP21への電圧上昇の勾配と、P21からP22への電圧降下の勾配とはほぼ等しい。
続いて、微振動電圧波形の印加によるノズル27におけるメニスカスの変化を説明する。図13は、ノズルにおける微振動電圧波形に対応した機能液の状態を示す断面図である。中間電位VmのP20では、上記のP10の状態と同様に、図13(a)に示すようにメニスカスは、ノズル27から若干引き込まれた位置にある。次に、中間電位Vmから微振動電位Vvまで電圧が上昇すると、振動子62がキャビティ60を拡張する方向へ撓み、図13(b)に示すように、メニスカスがノズル27の内側にさらに引き込まれる。もっとも、微振動電位Vvは最大電位Vhに比べて小さいため、メニスカスの引き込み量は僅かである。微振動電位Vvを短時間保持するP21の状態では、メニスカスはノズル27の内側に少しだけ引き込まれた状態を維持している。
そして、微振動電位Vvから中間電位Vmまで電圧を降下させたP22の状態では、キャビティ60が収縮するため、図13(c)に示すように、メニスカスはノズル27の外側に向けて押し出された後、図13(a)の状態に戻る。このように、微振動電圧波形は、電圧変動が少なく、キャビティ60内の圧力変化も少なく、ノズル27から機能液を液滴として吐出させずにメニスカスの変化を起こさせることができる。微振動電圧波形を振動子62へ印加することにより、ノズル27部の機能液を振動させて、機能液の吐出不良の原因となる機能液の粘度増加等を抑えることができる。
従って、第1の実施形態によれば、以下に示す効果がある。
(1)機能液の吐出動作、フラッシングや吸引によるノズルクリーニング動作等によってノズルにおける機能液がリフレッシュされると、タイマ89によって経過時間が計時される。この間は、ノズル27から機能液が吐出されず、ノズル27における機能液は大気に曝されているので、徐々に機能液は増粘していく。経過時間に対する機能液の粘度に応じた適切な強さの微振動を印加するデータがROM73やRAM74に記憶されており、該データに基づき吐出ヘッド26に微振動を印加する。微振動が印加されると、吐出ヘッド26内の機能液に振動が伝わり、ノズル27におけるメニスカスに微細な振動が起こる。従って、経過時間によって微振動の強さを可変して印加することにより、ノズル27の目詰まりを起きにくくすることができる。
(2)吐出ヘッド27の振動子62は、図8の例では、経過時間に伴って低い電圧から高い電圧へと印加電圧が可変して印加される。従って、経過時間に対する機能液の増粘に対応した電圧の印加により、所定のメニスカスの振動を維持することができる。
(3)吐出ヘッド27の振動子62は、図9の例では、経過時間に伴って低い周波数から高い周波数へと印加周波数が可変して印加される。従って、経過時間に対する機能液の増粘に対応した周波数の印加により、所定のメニスカスの振動を維持することができる。
(4)吐出ヘッド27の振動子62は、図9の例では、印加電圧を一定にした状態で、経過時間に伴って低い周波数から高い周波数へと印加周波数が変化して印加される。従って、周波数を可変することにより微振動を印加させるので、消費電力を低減させることができる。
(5)吐出ヘッド27の振動子62は、図10の例では、経過時間に伴って電圧と周波数が可変して印加されるので、さらに機能液の状態に適した微振動を印加させることができる。
[第2の実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
まず、液滴吐出装置1について説明する。図14は、液滴吐出装置の斜視図である。メンテキャリッジ51の上にメニスカス測定ユニット59が備えられている。メニスカス測定ユニット59は、ノズル27におけるメニスカスの挙動を観測して、観測して得られた情報を取得するユニットである。その他の構成は、第1の実施形態と同様なので説明を省略する。また、ヘッド部20およびノズル27の構成も第1の実施形態と同じなので説明を省略する。
次に、メニスカス測定ユニット59を備えた液滴吐出装置1の制御部について説明する。図15は、制御部の構成を示すブロック図である。指令部70には、CPU72と、記憶手段としてのROM73,RAM74と、タイマ89および入出力インターフェース71からなり、駆動部80には、メニスカスを測定するためのレーザドップラ計90を制御するドップラ計ドライバ86を備えている。また、レーザドップラ計90によりメニスカス測定ユニット59が構成されている。
次に、メニスカス測定装置10について説明する。図16は、メニスカスの測定を行うための装置構成を示すブロック図である。メニスカス測定装置10のメニスカス測定ユニット59は、メニスカスを測定するレーザドップラ計(メニスカス測定部)90を有する。メニスカス測定ユニット59は、制御部6の指令部70および指令部70と接続され既述した各種ドライバを有する駆動部80とによって制御されている。レーザドップラ計90によりメニスカスを測定されるノズル27を備えた吐出ヘッド26は、ヘッドドライバ81を介して指令部70と接続されており、メニスカス測定装置10と連動して作動する。また、指令部70は、機能液のリフレッシュからの経過時間を計時するためのタイマ89を備えている。
このような構成において、レーザドップラ計90によるノズル27のメニスカスの測定方法について説明する。図17は、ノズル27におけるメニスカスの測定方法を示す説明図である。まず、吐出ヘッド26から機能液が吐出され、機能液がノズル27においてリフレッシュされる。リフレッシュ後、計時を開始し、直ちにノズル27とレーザドップラ計90を対峙させる。メニスカスの測定時には、ノズル27を備えたヘッド部20が、ヘッドキャリッジ21によってY軸ガイド23に沿って、メンテナンス機構部5の上方へ移動する。メンテナンス機構部5は、メニスカス測定ユニット59をヘッド部20の下方へ移動させる。双方の移動調整により、ヘッド部20のメニスカスを測定するノズル27とレーザドップラ計90とが対峙するように位置する。
ノズル27とレーザドップラ計90とが対峙すると、レーザドップラ計90からレーザ光95がメニスカスへ照射される。レーザドップラ計90は、メニスカスを経時的に複数回に亘って測定し、この複数回の測定結果からメニスカスの状態を求め、さらに、ノズル27におけるメニスカスの所定の振幅が得られるように電圧または周波数を可変させるものである。メニスカスへ照射されたレーザ光は、メニスカスで反射して再びレーザドップラ計90に戻って来る。このとき、経過時間とともに機能液は増粘していくので、ノズル27におけるメニスカスは、吐出等で機能液がリフレッシュされた時点に比べて、徐々に振動による振幅が小さくなるとともに、大気に曝されている箇所が増粘によって固くなっていく。これらの変位によりレーザ光に時間差が生じる。この時間差からメニスカスの振動状態を測定する。メニスカスの振動状態は、メニスカスの変位の量として測定する。あるいは、変位の量ではなく、メニスカスの振動する速度として測定することも可能である。測定した時間差の換算方法により、測定値としてメニスカスの変位または速度が選択できる。
メニスカス測定ユニット59によって測定された変位量の情報は、指令部70に送信され、CPU72は、タイマ89の入力信号と上記の変位量信号を受信し、予めROM73やRAM74に記憶されている微振動印加データから経過時間に対応した電圧印加割合を演算処理し、入出力インターフェース71を介してヘッドドライバ81へ制御信号を出力する。ヘッドドライバ81は、吐出ヘッド26の振動子62に駆動電圧を送信するようになっている。なお、機能液を吐出あるいは微振動させるための電圧波形を示すタイムチャートおよびノズルにおける機能液の状態については、第1の実施形態と同じなので説明を省略する。
従って、第2の実施形態によれば、第1の実施形態における同様の効果に加えて以下に示す効果がある。
(1)メニスカス測定装置10によって経過時間に伴う吐出ヘッド26のノズル27におけるメニスカスの挙動の測定情報が取得される。メニスカスの所定の強さの微振動が得られるように経過時間に対応した微振動を印加するデータがROM73やRAM74に記憶されており、測定したメニスカスの情報から上記データに基づいて吐出ヘッド26に微振動を印加する。従って、経過時間に対応してノズルにおけるメニスカスの挙動に応じた適切な条件で微振動を与えることによりノズルの目詰まりを起きにくくすることができる。
(2)メニスカス測定ユニット59は、メニスカスの変位または速度の測定値を取得する。変位または速度とも、メニスカスの挙動に対応して変化するので、的確にメニスカスの状態を表すことができる。
(3)メニスカスの測定は、直進性が良く拡散しないレーザー光95を用いたレーザードップラ計90で測定されるので、微細なメニスカスの変位または速度情報を取得することができる。
(4)メニスカス測定装置10によって、その都度機能液のメニスカスの特性を測定するので、より適切な微振動を印加できる。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について説明する。なお、液滴吐出装置1の構成,ヘッド部20およびノズル27の構成は第1の実施形態と同じなので説明を省略する。
図18は、制御部の構成を示すブロック図である。温度センサ96が、入出力インターフェース71に接続されている。温度センサ96は、液滴吐出装置1の使用環境における温度を測定するものである。なお、他の制御部の構成は、第1の実施形態と同じなので説明を省略する。
温度センサ96は、測定した温度データを入出力インターフェース71に送信する。指令部70のROM73あるいはRAM74には、例えば、図19に示すような使用環境温度における経過時間に対する印加電圧を規定したデータが予め用意されており、CPU72は、ソフトプログラムに従って入力された温度からデータの温度に対する印加電圧を演算処理して、ヘッドドライバ81に駆動信号を送信する。ヘッドドライバ81は、駆動信号を吐出ヘッド26に送信することにより吐出ヘッド26の振動子62に微振動電圧波形が印加されるようになっている。
図19において、データは、使用環境温度に応じて経過時間,最大印加電圧Vhに対する電圧印加割合,印加周波数が規定されており、使用環境温度における経過時間に対して、印加電圧および印加周波数が徐々に大きくなるように設定されている。なお、該データは、使用する機能液の種類等により適宜設定することができる。
なお、機能液を吐出あるいは微振動させるための電圧波形を示すタイムチャートおよびノズルにおける機能液の状態については、第1の実施形態と同じなので説明を省略する。
従って、第3の実施形態によれば、第1の実施形態における同様の効果に加えて以下に示す効果がある。
(1)温度センサ96によって、液滴吐出装置1の使用環境温度を測定し、測定温度に適した微振動電圧波形を印加することにより、ノズル27における機能液の目詰まりを起こしにくくすることができる。
また、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下のような変形例が挙げられる。
(変形例1)図6において、微振動電圧印加波形における電圧保持時間を一定としたが、これに限定されない。例えば、経過時間に伴って保持時間を長くするように可変してもよい。このようにしても、経過時間に伴う機能液の増粘に対応した電圧の印加により、所定のメニスカスの振動を維持することができる。
(変形例2)第2の実施形態において、メニスカス測定装置10は、液滴吐出装置1と一体としたが、単体の装置であってもよい。単体であれば、他の液滴吐出装置1にも設置でき、異なる液滴吐出装置1によるメニスカスの挙動を測定することができる。
(変形例3)第3の実施形態において、液滴吐出装置1の使用環境温度に対する印加電圧を規定したパラメータを作成したが、経過時間または印加周波数を組み合わせたパラメータを作成してもよい。これにより、さらに適した微振動を印加させることができる。
第1の実施形態における液滴吐出装置を示す斜視図。 ヘッド部の構成を示し、(a)はヘッド部の平面図、(b)はノズル部の平面図。 ノズル部の構造を示し、(a)は一部破断した斜視図、(b)は断面図。 第1の実施形態における制御部の構成を示すブロック図。 ヘッドドライバによる振動子の制御ブロック図を示し、(a)は、ヘッドドライバの電圧波形生成回路の一例を示す回路図であり、(b)は、信号のタイミングを示すタイムチャート。 機能液を吐出あるいは微振動させるための電圧波形を示すタイムチャート。 経過時間に対する微振動印加データの作成方法を示す模式図。 経過時間に対する印加電圧を示すデータ。 経過時間に対する印加周波数を示すデータ。 経過時間に対する印加電圧および印加周波数のデータ。 ノズルにおける駆動電圧波形に対応した機能液の状態を示す断面図。 微振動電圧波形を示すタイムチャート。 ノズルにおける微振動電圧波形に対応した機能液の状態を示す断面図。 第2の実施形態における液滴吐出装置を示す斜視図。 第2の実施形態における制御部の構成を示すブロック図。 メニスカス測定装置の構成を示すブロック図。 ノズルにおけるメニスカスの測定方法を示す説明図。 第3の実施形態における制御部の構成を示すブロック図。 使用環境温度における経過時間に対する印加電圧および印加周波数のデータ。
符号の説明
1…液滴吐出装置、2…ヘッド機構部、5…メンテナンス機構部、6…制御部、10…メニスカス測定装置、20…ヘッド部、26…吐出ヘッド、27…ノズル、59…メニスカス測定ユニット、62…振動子、68…液滴、70…指令部、71…入出力インターフェース、72…CPU、73…記憶手段としてのROM、74…記憶手段としてのRAM、80…駆動部、81…微振動印加手段としてのヘッドドライバ、86…ドップラ計ドライバ、89…計測手段としてのタイマ、95…レーザ光、96…温度センサ、Vm…中間電位、Vh…最大電位、Vl…最低電位、Vw…待機電位、TS1…非吐出時間。

Claims (12)

  1. 機能液を吐出するノズルを有する吐出ヘッドと、
    前記機能液がリフレッシュされたときからの経過時間を計時する計時手段と、
    前記ノズルにおけるメニスカスに、前記経過時間に対応した微振動を印加するデータを記憶する記憶手段と、
    前記経過時間に対する前記データに基づき、前記吐出ヘッドに微振動を印加する微振動印加手段と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液滴吐出装置において、
    前記ノズルの近傍の環境温度を測定する温度センサを備え、
    前記ノズルにおけるメニスカスに、前記経過時間と前記環境温度に対応した微振動を印加するデータを記憶する記憶手段と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  3. 請求項1または2に記載の液滴吐出装置において、
    前記微振動印加手段は、前記経過時間に伴って、印加電圧を徐々に高くすることを特徴とする液滴吐出装置。
  4. 請求項1または2に記載の液滴吐出装置において、
    前記微振動印加手段は、前記経過時間に伴って、印加周波数を徐々に高くすることを特徴とする液滴吐出装置。
  5. 機能液を吐出するノズルを有する吐出ヘッドと、
    前記機能液がリフレッシュされたときからの経過時間を計時する計時手段と、
    前記ノズルにおけるメニスカスの挙動を測定するメニスカス測定装置と、
    前記ノズルにおけるメニスカスに対して、所定の強さの微振動が得られるように、前記経過時間に対応した微振動を印加するデータを記憶する記憶手段と、
    前記データに基づいて前記吐出ヘッドに微振動を印加する微振動印加手段と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  6. 請求項5に記載の液滴吐出装置において、
    前記メニスカス測定装置は、前記ノズルにおけるメニスカスの変位または速度の情報を取得することを特徴とする液滴吐出装置。
  7. 請求項5または6に記載の液滴吐出装置において、
    前記メニスカス測定装置によって測定された情報に基づいて、必要な前記変位または速度が得られるように前記微振動の印加を制御し、そのとき得られた情報を前記データとすることを特徴とする液滴吐出装置。
  8. 請求項5〜7のいずれか一項に記載の液滴吐出装置において、
    前記メニスカス測定装置は、前記メニスカスに対してレーザ光を照射し、前記メニスカスで反射した前記レーザ光が戻ってくる時間を測定して前記メニスカスの変位または速度を測定するレーザードップラ計を用いることを特徴とする液滴吐出装置。
  9. 請求項5〜8のいずれか一項に記載の液滴吐出装置において、
    前記微振動印加手段は、前記メニスカスの前記変位が減少するに連れ、または前記速度が遅くなるに連れて、印加電圧を徐々に高くすることを特徴とする液滴吐出装置。
  10. 請求項5〜8のいずれか一項に記載の液滴吐出装置において、
    前記微振動印加手段は、前記メニスカスの前記変位が減少するに連れ、または前記速度が遅くなるに連れて、印加周波数を徐々に高くすることを特徴とする液滴吐出装置。
  11. 機能液を吐出する吐出ヘッドのノズルにおけるメニスカスに微振動を印加する液滴吐出装置の微振動印加制御方法であって、
    前記機能液がリフレッシュされたときからの経過時間を計時する計時工程と、
    前記ノズルにおけるメニスカスに、前記経過時間に対応した微振動を印加するデータを読み出すデータ読出工程と、
    前記経過時間に対する前記データに基づいて前記吐出ヘッドに微振動を印加する微振動印加工程と、を有することを特徴とする液滴吐出装置の微振動印加制御方法。
  12. 機能液を吐出する吐出ヘッドのノズルにおけるメニスカスに微振動を印加する液滴吐出装置の微振動印加制御方法であって、
    前記機能液がリフレッシュされたときからの経過時間を計時する計時工程と、
    前記ノズルにおけるメニスカスの挙動を測定するメニスカス測定工程と、
    前記ノズルにおけるメニスカスに対して、所定の強さの微振動が得られるように、前記経過時間に対応する微振動を印加するデータを読み出すデータ読出手段と、
    前記データに基づいて前記吐出ヘッドに微振動を印加する微振動印加工程と、を有することを特徴とする液滴吐出装置の微振動印加制御方法。

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