JP2006246221A - カスケードa/d変換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 8ビットのデジタル値を得るためには基本構成要素を7段カスケード接続しなければならないためセトリングに時間がかかり、高速化が困難であったという課題を解決する。
【解決手段】 比較器、±4LSBの検出範囲を有するウインドウ・コンパレータ、D/A変換器、減算器からなる基本構成要素を4段カスケード接続する。これらの基本構成要素の出力を4つのウインドウ・コンパレータを有し、これらのウインドウ・コンパレータの出力を前記基本構成要素中のウインドウ・コンパレータの出力で選択する3個のマルチプレクサに入力して、これらマルチプレクサ内のウインドウ・コンパレータの検出範囲をそれぞれ±3LSB、±2LSB、±1LSBに設定する。高速化が可能でかつ構成が簡単になる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、デジタルオシロスコープのようなデジタル測定器等に使用するカスケードA/D変換器に関するものである。
カスケードA/D変換器は、基本構成要素(ADA)を複数段カスケード接続する構成のA/D変換器であり、例えば特許文献1に記載されている。以下、この特許文献1に基づいてカスケードA/D変換器を簡単に説明する。
図8はカスケードA/D変換器の構成図である。この図において、100a〜100gは基本構成要素(ADA)であり、これらの基本構成要素100a〜100gがカスケード接続されている。これらの基本構成要素100a〜100gは、ほぼ同じ構成になっている。
基本構成要素100aは、その非反転入力端子に入力信号AINが入力され、反転入力端子に比較電圧0が入力される比較器110a,この比較器110aの出力をアナログ信号に変換するD/A変換器130a,入力信号AINとD/A変換器130aの出力を減算する減算器140aおよび2つの比較器とANDゲートで構成されるウインドウ・コンパレータ120aで構成される。
ウインドウ・コンパレータ120aは入力信号AINが±1LSBの範囲にあるかどうかを判定する。ここにおいて、1LSBとは、このカスケードA/D変換器の最下位ビットに対応する電圧である。比較器110aの出力はB7として、ウインドウ・コンパレータ120aの出力はW7としてエラー補正・エンコーダ回路200に入力される。なお、入力信号AINは0を基準として+FS/2〜−FS/2の範囲にあるものとする。ここにおいて、FSはこのカスケードA/D変換器のフルスケールである。
基本構成要素100bもほぼ同じ構成を有する。但し、入力信号AINの代わりに基本構成要素100aの出力であるA1が入力される。また、そのウインドウ・コンパレータのANDゲートには、基本構成要素100aのウインドウ・コンパレータの出力を反転した信号が入力される。この基本構成要素100bの比較器の出力はB6として、ウインドウ・コンパレータの出力はW6としてエラー補正・エンコーダ回路200に入力される。
基本構成要素100c〜100fも基本構成要素100bと同様の構成を有する。但し、これらの基本構成要素には直前の基本構成要素の出力が入力される。また、そのウインドウ・コンパレータ内のANDゲートには、上位側全ての基本構成要素中のウインドウ・コンパレータの出力を反転した信号が入力される。これら基本構成要素中の比較器の出力はB5〜B2およびウインドウ・コンパレータの出力W5〜W2はエラー補正・エンコーダ回路200に入力される。
基本構成要素100gも同様の構成を有するが、最下位段であるので、D/A変換器および減算器を有しない。この基本構成要素100g内の比較器の出力B1およびウインドウ・コンパレータの出力W1はエラー補正・エンコーダ回路200に入力される。
エラー補正・エンコーダ回路200は、入力された信号B7〜B1およびW7〜W1から下記(1)〜(8)に基づいてデジタル値D7〜D0を演算して出力する。
D7=B7 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1)
D6=(B7 xor B6) or W7 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2)
D5={(B6 xor B5) or W6} and (not W7) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (3)
D4={(B5 xor B4) or W5} and (not W7) and (not W6) ・・・・・・・・・・・・・ (4)
D3={(B4 xor B3) or W4} and (not W7) and (not W6) and (not W5) ・・・・・・・ (5)
D2={(B3 xor B2) or W3} and (not W7) and (not W6) and (not W5) and (not W4) ・(6)
D1={(B2 xor B1) or W2} and (not W7) and (not W6) and (not W5) and (not W4)
and (not W3) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (7)
D0=W1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (8)
このようにすることにより、8ビットのグレイコード(Gray Code)を得ることができる。なお、各基本構成要素のウインドウ・コンパレータは、マスク信号を発生して比較器の0から1への遷移点および1から0への遷移点におけるエラーの発生を抑止する。
特開平9−238077号公報
しかし、このようなカスケードA/D変換器は、8ビットのデジタル値を得るためには基本構成要素を7段カスケード接続しなければならない。そのためセトリングに長い時間がかかり、高速化が困難であるという課題があった。
従って本発明が解決しようとする課題は、高速化が可能でかつ構成が簡単なカスケードA/D変換器を提供することにある。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
入力された信号と比較電圧とを比較する第1の比較器と、前記入力された信号が所定の検出範囲に入っていることを検出する第1のウインドウ・コンパレータと、この第1の比較器の出力をアナログ信号に変換するD/A変換器と、前記入力された信号とこのD/A変換器の出力の差を演算して出力する減算器とで構成され、前記減算器の出力をそのアナログ出力とする基本構成要素を複数個カスケード接続し、前記第1の比較器および前記第1のウインドウ・コンパレータの出力に基づいて入力アナログ信号をデジタル値に変換するカスケードA/D変換器において、
前記入力アナログ信号および前記基本構成要素のうち最終段の基本構成要素以外の基本構成要素の出力が入力され、この入力された信号が所定の検出範囲にあるかどうかを検出し、かつ前記第1のウインドウ・コンパレータの出力によってこの検出結果を選択して出力するマルチプレクサと、
最終段の前記基本構成要素の出力が入力され、比較電圧と比較する第2の比較器と、
最終段の前記基本構成要素の出力が入力され、この入力された信号が所定の検出範囲にあるかどうかを検出する第2のウインドウ・コンパレータと、
前記第1および第2の比較器の出力、前記第1および第2のウインドウ・コンパレータの出力および前記マルチプレクサの出力が入力され、これらの入力値から前記入力アナログ信号に対応するデジタル値を演算して出力するエラー補正・エンコーダ回路と、
を具備したものである。高速化が可能で、かつ構成が簡単になる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、
前記第1のウインドウ・コンパレータは、前段の基本構成要素に内蔵される第1のウインドウ・コンパレータの出力のいずれかがアクティブのときは、その出力がアクティブにならないようにしたものである。マルチプレクサの構成を簡単にできる。
請求項3記載の発明は、請求項1若しくは請求項2記載の発明において、
前記比較電圧を0とするようにしたものである。構成が簡単になる。
請求項4記載の発明は、請求項1若しくは請求項3いずれかに記載の発明において、
前記マルチプレクサを複数個有し、これらのマルチプレクサの検出範囲を±1LSBから順次増加させ、前記第1のウインドウ・コンパレータの検出範囲を前記マルチプレクサに設定した検出範囲より高くするようにしたものである。構成が簡単になる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、
前記マルチプレクサおよび前記第2のウインドウ・コンパレータを各々3個有し、これらのマルチプレクサおよび第2のウインドウ・コンパレータの検出範囲をそれぞれ±1LSB、±2LSB、±3LSBとし、前記第1のウインドウ・コンパレータの検出範囲を±4LSBとしたものである。構成が簡単になる。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、
前記エラー補正・エンコード回路は、下式に基づいてデジタル値の下位3ビットD2、D1,D0を演算するようにしたものである。正確にデジタル変換できる。
D2=not (W74 or W64 or W54 or W44)
D1=not (W2 or W32)
D0=(W3 or W33) and (not (W1 or W31))
ここにおいて、W74、W64、W54、W44はそれぞれ初段、2段目、3段目、4段目の基本構成要素に内蔵された第1のウインドウ・コンパレータの出力、W31、W32、W33はそれぞれ検出範囲が±3LSB、±2LSB、±1LSBの第2のウインドウ・コンパレータの出力、W3,W2,W1はそれぞれ検出範囲が±3LSB、±2LSB、±1LSBのマルチプレクサの出力である。
請求項7記載の発明は、請求項4記載の発明において、
前記マルチプレクサを4個有し、これらのマルチプレクサの検出範囲をそれぞれ±1LSB、±2LSB、±3LSB、±4LSBとし、前記第1のウインドウ・コンパレータの検出範囲を±6LSBとしたものである。ノイズで誤動作することがなくなる。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、
前記エラー補正・エンコード回路は、下式に基づいてデジタル値の下位3ビットD2、D1,D0を演算するようにしたものである。正確にデジタル変換できる。
D2=not W4
D1=not (W2 or W32)
D0=(W3 or W33) and (not (W1 or W31))
ここにおいて、W4、W3、W2、W1はそれぞれ検出範囲が±4LSB、±3LSBの±2LSB、±1LSBのマルチプレクサの出力、W33、W32、W31はそれぞれ検出範囲が±1LSB、±2LSB、±3LSBの第2のウインドウ・コンパレータの出力である。
請求項9記載の発明は、請求項1若しくは請求項4いずれかに記載の発明において、
前記第2のウインドウ・コンパレータを前記マルチプレクサに内蔵するようにしたものである。構成が簡単になる。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明において、
前記エラー補正・エンコード回路は、下式に基づいてデジタル値の下位3ビットD2、D1,D0を演算するようにしたものである。正確にデジタル変換できる。
D2=not (W74 or W64 or W54 or W44)
D1=not W2
D0=not (W3 and W1)
ここにおいて、W74、W64、W54、W44はそれぞれ初段、2段目、3段目、4段目の基本構成要素に内蔵された第1のウインドウ・コンパレータの出力、W3,W2,W1はそれぞれ検出範囲が±3LSB、±2LSB、±1LSBのマルチプレクサの出力である。
請求項11記載の発明は、請求項1若しくは請求項10いずれかに記載の発明において、ラッチを第1および第2のウインドウ・コンパレータの後段に配置するようにしたものである。回路規模を小さくできる。
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次のような効果がある。
請求項1,2,3,4、5、6、7,8,9、10および請求項11の発明によれば、入力アナログ信号と基本構成要素の出力をマルチプレクサに入力し、このマルチプレクサ内のウインドウ・コンパレータで入力した信号が所定の検出範囲に入っているかどうかを判定し、その結果を基本構成要素内のウインドウ・コンパレータの出力で選択するようにした。
基本構成要素の接続段数を7段から4段に削減することができるので、セトリング時間が短くなり、高速化が可能になるという効果がある。また、ウインドウ・コンパレータをマルチプレクサに内蔵し、その出力を選択できるようにしたので、構成が簡単になり、回路規模が大幅に小さくなるという効果もある。
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に係るカスケードA/D変換器の一実施例を示す構成図である。このカスケードA/D変換器には+FS/2〜−FS/2の入力信号AINが入力される。図1において、310aは比較器であり、入力信号AINと比較電圧0を比較する。
320aはウインドウ・コンパレータであり、2つの比較器321a、322aおよびANDゲート323aで構成される。比較器321aと322aの非反転入力端子には入力信号AINが入力され、反転入力端子には大きさ−4LSBと+4LSBの信号が入力される。なお、1LSBはこのカスケードA/D変換器の最下位ビットに相当する電圧である。比較器321aの出力および比較器322aの出力を反転した信号はANDゲート323aに入力される。このウインドウ・コンパレータ320aは、入力信号AINが±4LSBの範囲にあると1すなわちアクティブになる。
330aはD/A変換器であり、比較器310aの出力をアナログ信号に変換する。340aは減算器であり、入力信号AINとD/A変換器330aの出力が入力され、前者から後者を減算する。比較器310a、ウインドウ・コンパレータ320a、D/A変換器330aおよび減算器340aで基本構成要素を構成している。比較器310aの出力はラッチ610aを介して信号B7としてエラー補正・エンコーダ回路700に入力され、ウインドウ・コンパレータ320aの出力はラッチ620aを介して信号W74としてエラー補正・エンコーダ回路700に入力される。
比較器310b、ウインドウ・コンパレータ320b、D/A変換器330b、減算器340bで次段の基本構成要素が構成される。この基本構成要素には減算器340aの出力が入力される。また、ANDゲート323bには、比較器321bと322bの出力の他にANDゲート323aの出力を反転した信号が入力される。従って、ウインドウ・コンパレータ320aの出力が1すなわちアクティブになると、ウインドウ・コンパレータ320bの出力は1すなわちアクティブにならない。比較器310bの出力はラッチ610bを介して信号B6としてエラー補正・エンコーダ回路700に入力され、ウインドウ・コンパレータ320bの出力はラッチ620bを介して信号W64としてエラー補正・エンコーダ回路700に入力される。
比較器310c、ウインドウ・コンパレータ320c、D/A変換器330c、減算器340cでその次の段の基本構成要素が構成される。この基本構成要素には減算器340bの出力が入力される。また、ANDゲート323cには、比較器321cと322cの出力の他にウインドウ・コンパレータ320a、320bの出力を反転した信号が入力される。比較器310cの出力はラッチ610cを介して信号B5としてエラー補正・エンコーダ回路700に入力され、ウインドウ・コンパレータ320cの出力はラッチ620cを介して信号W54としてエラー補正・エンコーダ回路700に入力される。
比較器310d、ウインドウ・コンパレータ320d、D/A変換器330d、減算器340dでその次の段の基本構成要素が構成される。この基本構成要素には減算器340cの出力が入力される。また、ANDゲート323dには、比較器321dと322dの出力の他にウインドウ・コンパレータ320a、320b、320cの出力を反転した信号が入力される。比較器310dの出力はラッチ610dを介して信号B4としてエラー補正・エンコーダ回路700に入力され、ウインドウ・コンパレータ320dの出力はラッチ620dを介して信号W44としてエラー補正・エンコーダ回路700に入力される。すなわち、この実施例では4段の基本構成要素がカスケード接続されている。
400aはマルチプレクサであり、4つのウインドウ・コンパレータ410a、420a、430a、440aおよびこれらのウインドウ・コンパレータの出力を選択するセレクタ(図示せず)で構成されている。ウインドウ・コンパレータ410a〜440aの構成はウインドウ・コンパレータ320aと同じく、2つの比較器とこの比較器の出力が入力されるANDゲートで構成される。
ウインドウ・コンパレータ410aを構成する2つの比較器の非反転入力端子には入力信号AINが、420aを構成する2つの比較器の非反転入力端子には減算器340aの出力が入力される。同様に、ウインドウ・コンパレータ430aを構成する2つの比較器の非反転入力端子には減算器340bの出力が、440aを構成する2つの比較器の非反転入力端子には減算器340cの出力が入力される。また、これら4つのウインドウ・コンパレータ410a〜440aを構成する2つの比較器の反転入力端子には、図1に示すようにそれぞれ−3LSB、+3LSBの電圧が入力される。なお、1LSBはこのカスケードA/D変換器の最下位ビットに相当する電圧である。
マルチプレクサ400aには、SEL−A、SEL−B、SEL−C、SEL−Dの4つの選択端子が設けられる。選択端子SEL−Aにはウインドウ・コンパレータ320aの出力が、SEL−Bにはウインドウ・コンパレータ320bの出力が、SEL−Cにはウインドウ・コンパレータ320cの出力が、SEL−Dにはウインドウ・コンパレータ320dの出力が入力される。
選択端子SEL−Aが1すなわちアクティブになるとウインドウ・コンパレータ410aの出力が選択され、OUT端子に出力される。同様に、SEL−Bが1になるとウインドウ・コンパレータ420aの出力が選択され、SEL−Cが1になるとウインドウ・コンパレータ430aの出力が選択され、SEL−Dが1になるとウインドウ・コンパレータ440aの出力が選択される。また、全ての選択端子が0になると、OUT端子の出力も0になる。OUT端子から出力された信号は、ラッチ630aを介して信号W3としてエラー補正・エンコーダ回路700に入力される。
なお、2つ以上の選択端子が同時に1になることは禁止される。前述したように、ANDゲート323b〜323dには、それより前段のウインドウ・コンパレータの出力を反転した信号が入力されるので、2つ以上の選択端子が同時に1になることはない。
マルチプレクサ400bの構成および接続関係は、マルチプレクサ400aと同じである。但し、このマルチプレクサ400bを構成するウインドウ・コンパレータ内の比較器の反転入力端子には、図1に示すように+2LSBと−2LSBの電圧が入力される。選択された信号はOUT端子から出力され、ラッチ630bを介して信号W2としてエラー補正・エンコーダ回路700に入力される。
マルチプレクサ400cの構成および接続関係は、マルチプレクサ400aと同じである。但し、このマルチプレクサ400cを構成するウインドウ・コンパレータ内の比較器の反転入力端子には、図1に示すように+1LSBと−1LSBの電圧が入力される。選択された信号はOUT端子から出力され、ラッチ630cを介して信号W1としてエラー補正・エンコーダ回路700に入力される。
310eは比較器であり、その非反転入力端子には減算器340dの出力が、反転入力端子には比較電圧0が入力される。この比較器310eの出力はラッチ610eを介して信号B3としてエラー補正・エンコーダ回路700に入力される。
500a、500b、500cはウインドウ・コンパレータである。これらのウインドウ・コンパレータの構成は、ウインドウ・コンパレータ320aと同じである。これらのウインドウ・コンパレータを構成する比較器の非反転入力端子には、減算器340dの出力が入力される。
また、ウインドウ・コンパレータ500aを構成する比較器の反転入力端子には、図1に示すように+3LSBと−3LSBの電圧が入力される。同様に、ウインドウ・コンパレータ500bを構成する比較器の反転入力端子には+2LSBと−2LSBの電圧が、ウインドウ・コンパレータ500cを構成する比較器の反転入力端子には+1LSBと−1LSBの電圧が入力される。
ウインドウ・コンパレータ500aの出力は、ラッチ640aを介して、信号W31としてエラー補正・エンコーダ回路700に入力される。同様に、ウインドウ・コンパレータ500bの出力はラッチ640bを介して信号W32としてエラー補正・エンコーダ回路700に入力され、ウインドウ・コンパレータ500cの出力はラッチ640cを介して信号W33としてエラー補正・エンコーダ回路700に入力される。
エラー補正・エンコーダ回路700は、これら入力された信号B7〜B3およびW74、W64、W54、W44、W3〜W1,W31〜W33から、下記(9)〜(16)式に基づいてグレーコードのデジタル出力D7〜D0を演算して出力する。
D7=B7 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (9)
D6=(B7 xor B6) or W74 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (10)
D5={(B6 xor B5) or W64} and (not W74) ・・・・・・・・・・・・・・・ (11)
D4={(B5 xor B4) or W54} and (not W74) and (not W64) ・・・・・・・・ (12)
D3={(B4 xor B3) or W44} and (not W74) and (not W64) and (not W54) ・ (13)
D2=not (W74 or W64 or W54 or W44) ・・・・・・・・・・・・・・・ (14)
D1=not (W2 or W32) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (15)
Do=(W3 or W33) and (not (W1 or W31)) ・・・・・・・・・・・・・・・ (16)
図8従来例では8ビットのグレーコードを得るのに基本構成要素を7段カスケード接続しなければならなかったのに対して、この実施例では4段の基本構成要素をカスケード接続するだけで8ビットのグレーコードを得ることができる。
次に、図2および図3に基づいてこの実施例の動作を説明する。図2はエラー補正・エンコーダ回路700に入力される信号の変化を表したものであり、横軸は入力信号AINの値を表す。この図では、入力信号AINは−FS/4〜+FS/4の範囲を示している。なお、FSはこの実施例のフルスケールである。
図2(1)はB7,(2)はB6、(3)はB5、(4)はB4、(5)はB3の入力信号AINに対する変化を表したものである。この図からわかるように、信号B7〜B3で±4LSBの単位で入力信号AINをデジタル値に変換できることを示している。また、これらの信号B7〜B3の1から0への遷移点で1LSBの不定領域P1が存在する。
図2(6)はW74,(7)はW64,(8)はW54,(9)はW44の入力信号AINに対する変化を表したものである。それぞれB7〜B4の0から1の遷移点で±4LSBの間1になる。なお、ANDゲート323b、323c、323dによって上位側のウインドウ・コンパレータの出力でマスクしているので、不定領域は存在しない。
図2(10)はW1〜W3の入力信号AINに対する変化を表したものである。B3の1から0への遷移点で、それぞれ±1LSB、±2LSB、±3LSBの間1になる。
図3はエラー補正・エンコード回路700が出力するグレーコードの、入力信号AINに対する変化を表したものであり、(1)はD7(最上位ビット)、(2)はD6、(3)はD5、(4)はD4、(5)はD3、(6)はD2、(7)はD1、(8)はD0(最下位ビット)である。8ビットのグレーコードが得られていることがわかる。
図4にマルチプレクサ400aの内部構成の一例を示す。なお、図1と同じ要素には同一符号を付し、説明を省略する。SEL−Aが1のときに、トランジスタQ28、Q29で構成される2つの電流源の電流はトランジスタQ1,Q6に流れる。そのため、トランジスタQ11とQ12の差動ペア、トランジスタQ19とQ20の差動ペアが有効になる。
入力信号AINが−3LSBより小さいときは、Q12とQ20がオンになり、負荷抵抗Rに電流が流れて出力端子OUTが0になる。AINが−3LSBと+3LSBの間のときはQ11とQ20がオンになり、負荷抵抗Rに電流が流れずOUT端子は1になる。AINが+3LSB以上のときはQ11とQ19がオンになり、負荷抵抗Rに電流が流れてOUT端子は0になる。
SEL−B〜SEL−D端子が1のときも同様に考えることができる。なお、SEL−A〜SEL−Dの全てが0のときは、トランジスタQ28,Q29に流れる電流IはそれぞれQ5、Q10に流れる。そのため負荷抵抗Rに電流が流れてOUT端子は0になる。
なお、マルチプレクサ400b、400cも同じ構成であるので、説明を省略する。400bは±2LSB、400cは±1LSBの間のときに、OUT端子が1になる。
図5に本発明の他の実施例を示す。なお、図1と同じ要素には同一符号を付し、説明を省略する。この実施例は、ウインドウ・コンパレータ500a、500b、500cをマルチプレクサに内蔵するようにしたものである。
図5において、800a、800b、800cはマルチプレクサであり、それぞれ図1実施例のマルチプレクサ400a、400b、400cに対応するものである。マルチプレクサ800aには5つのウインドウ・コンパレータ810a、820a、830a、840a、850aおよびこれらのウインドウ・コンパレータの出力を選択するセレクタ(図示せず)が内蔵されている。これらのウインドウ・コンパレータは、ウインドウ・コンパレータ320aと同じ構成を有している。
ウインドウ・コンパレータ810aを構成する2つの比較器の非反転入力端子には、入力信号AINが入力される。同様に、ウインドウ・コンパレータ820aを構成する比較器の非反転入力端子には減算器340aの出力が、ウインドウ・コンパレータ830aを構成する比較器の非反転入力端子には減算器340bの出力が、ウインドウ・コンパレータ840aを構成する比較器の非反転入力端子には減算器340cの出力が、ウインドウ・コンパレータ850aを構成する比較器の非反転入力端子には減算器340dの出力が入力される。また、これらのウインドウ・コンパレータ810a〜850aを構成する比較器の反転入力端子には、図5に示すように−3LSBと+3LSBの電圧が入力される。
マルチプレクサ800bと800cもマルチプレクサ800aと同様の構成であり、ウインドウ・コンパレータを構成する比較器の非反転入力端子にはマルチプレクサ800aと同じ信号が入力される。また、それらの反転入力端子には、マルチプレクサ800bには−2LSBと+2LSBの電圧が、マルチプレクサ800cには−1LSBと+1LSBの電圧が入力される。
マルチプレクサ800aの出力端子OUTには、選択端子SEL−A、SEL−B、SEL−C、SEL−Dによって選択されたウインドウ・コンパレータの出力が出力される。すなわち、SEL−Aが1になるとウインドウ・コンパレータ810aの出力が、SEL−Bが1になるとウインドウ・コンパレータ820aの出力が、SEL−Cが1になるとウインドウ・コンパレータ830aの出力が、SEL−Dが1になるとウインドウ・コンパレータ840aの出力がOUT端子に出力される。また、全ての選択端子が0になると、ウインドウ・コンパレータ850aの出力が出力される。なお、複数の選択端子を1にすることは禁止される。マルチプレクサ800b、800cもマルチプレクサ800aと同じ動作を行う。
動作は図1実施例と同じなので、説明を省略する。この実施例では、ウインドウ・コンパレータ500a〜500cをマルチプレクサ800a〜800cに内蔵することができるので、構成を簡単にすることができる。
図6にマルチプレクサ800aの構成を示す。なお、図4と同じ要素には同一符号を付し、説明を省略する。選択端子SEL−A〜SEL−Dのいずれかが1になったときの動作は図4実施例と同じなので、説明を省略する。選択端子の全てが0になると、トランジスタQ28、Q29で構成される2つの電流源の電流はそれぞれトランジスタQ5,Q10に流れる。そのため、Q31とQ32で構成される差動ペアと、Q33とQ34で構成される差動ペアが有効になり、減算器340dの出力が選択される。なお、マルチプレクサ800b、800cも同様の構成を有する。
図7に他の実施例を示す。なお、図1と同じ要素には同一符号を付し、説明を省略する。図1実施例ではウインドウ・コンパレータ320a〜320dは±4LSBの範囲で検出を行い、これらのウインドウ・コンパレータの出力でマルチプレクサ400aを制御している。マルチプレクサ400aは±3LSBで検出を行っているので、ウインドウ・コンパレータ320a〜320dの検出範囲とマルチプレクサ400aの検出範囲よ1LSBしか外側にない。
しかし、マルチプレクサ400aの選択端子に入力する信号はラッチする前の信号であるので、回路定数によってはノイズによって誤動作する危険性がある。この実施例ではこのような誤動作の危険性を回避することができるものである。
図7において、400dはマルチプレクサであり、マルチプレクサ400aと同様の構成を有する。すなわち、4つのウインドウ・コンパレータを内蔵し、選択端子SEL−A〜SEL−Dによってこれらのウインドウ・コンパレータの出力を選択することができる。
マルチプレクサ400d内のウインドウ・コンパレータを構成する比較器の非反転入力端子には、マルチプレクサ400aと同じ信号、すなわち減算器340a〜340cの出力が入力される。また、反転入力端子には、図7に示すように−4LSBと+4LSBの電圧が入力される。さらに、ウインドウ・コンパレータ320a〜320dを構成する比較器の反転入力端子には、図7に示すように−6LSBと+6LSBの電圧が入力される。
選択端子SEL−A〜SEL−Dには、マルチプレクサ400aと同じ信号が入力される。また、選択された出力はラッチ630dを介して信号W4としてエラー補正・エンコーダ回路700に入力される。また、ラッチ620aの出力をW76、ラッチ620bの出力をW66、ラッチ620cの出力をW56とする。
エラー補正・エンコーダ回路700は、下記(17)〜(24)式に基づいて8ビットのグレーコードD7〜D0を出力する。
D7=B7 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (17)
D6=(B7 xor B6) or W76 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (18)
D5={(B6 xor B5) or W66} and (not W76) ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (19)
D4={(B5 xor B4) or W56} and (not W76) and (not W66) ・・・・・・・・・・ (20)
D3={(B4 xor B3) or W46} and (not W76) and (not W66) and (not W56) ・・・ (21)
D2=not W4 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (22)
D1=not (W2 or W32) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (23)
D0=(W3 or W33) and {not (W1 or W31)} ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(24)
このようにすることにより、マルチプレクサ400a〜400dの選択端子には±6LSBの検出結果が入力され、かつマルチプレクサ400d内のウインドウ・コンパレータの検出範囲は±4LSBになる。そのため、2LSBの差があるので、誤動作の危険性はなくなる。
なお、図1,図5、図7実施例では、ラッチ610a〜610e、620a〜620d、630a〜630d、640a〜640cを比較器の後段ではなく、ウインドウ・コンパレータを構成するANDゲートの後段に挿入するようにした。これによってラッチの数を半分に減らすことができ、更に回路規模を小さくすることができる。
また、図7の実施例は、第1のウインドウ・コンパレータの検出範囲を±6LSBとするものであったが、これとは別に、図7の実施例において、第1のウインドウ・コンパレータの検出範囲を±3LSBから±8LSBのいずれかにする場合を説明する。
このときの動作は、図7の実施例の動作と同等となり、A/D変換の結果は同じとなる。即ち、ノイズによる誤動作を防ぐために、±3LSBよりも絶対値が大きいウインドウ幅であれば、同等の作用効果を得ることができる。ただし、第1のウインドウ・コンパレータの検出範囲は、±8LSBを超えないようにする。
本発明の一実施例を示す構成図である。 本発明の一実施例の動作を示す特性図である。 本発明の一実施例の動作を示す特性図である。 マルチプレクサの構成図である。 本発明の他の実施例を示す構成図である。 マルチプレクサの構成図である。 本発明の他の実施例を示す構成図である。 従来のカスケードA/D変換器の構成図である。
符号の説明
310a〜310e 比較器
320a〜320d、500a〜500c ウインドウ・コンパレータ
321a〜321d、322a〜322d 比較器
330a〜330d D/A変換器
340a〜340d 減算器
323a〜323d ANDゲート
400a〜400d マルチプレクサ
410a〜440a ウインドウ・コンパレータ
610a〜610e、620a〜620d ラッチ
630a〜630d、640a〜640c ラッチ
700 エラー補正・エンコード回路
800a〜800c マルチプレクサ

Claims (11)

  1. 入力された信号と比較電圧とを比較する第1の比較器と、前記入力された信号が所定の検出範囲に入っていることを検出する第1のウインドウ・コンパレータと、この第1の比較器の出力をアナログ信号に変換するD/A変換器と、前記入力された信号とこのD/A変換器の出力の差を演算して出力する減算器とで構成され、前記減算器の出力をそのアナログ出力とする基本構成要素を複数個カスケード接続し、前記第1の比較器および前記第1のウインドウ・コンパレータの出力に基づいて入力アナログ信号をデジタル値に変換するカスケードA/D変換器において、
    前記入力アナログ信号および前記基本構成要素のうち最終段の基本構成要素以外の基本構成要素の出力が入力され、この入力された信号が所定の検出範囲にあるかどうかを検出し、かつ前記第1のウインドウ・コンパレータの出力によってこの検出結果を選択して出力するマルチプレクサと、
    最終段の前記基本構成要素の出力が入力され、比較電圧と比較する第2の比較器と、
    最終段の前記基本構成要素の出力が入力され、この入力された信号が所定の検出範囲にあるかどうかを検出する第2のウインドウ・コンパレータと、
    前記第1および第2の比較器の出力、前記第1および第2のウインドウ・コンパレータの出力および前記マルチプレクサの出力が入力され、これらの入力値から前記入力アナログ信号に対応するデジタル値を演算して出力するエラー補正・エンコーダ回路と、
    を具備したことを特徴とするカスケードA/D変換器。
  2. 前記第1のウインドウ・コンパレータは、前段の基本構成要素に内蔵される第1のウインドウ・コンパレータの出力のいずれかがアクティブのときは、その出力がアクティブにならないようにしたことを特徴とする請求項1記載のカスケードA/D変換器。
  3. 前記比較電圧を0としたことを特徴とする請求項1若しくは請求項2記載のカスケードA/D変換器。
  4. 前記マルチプレクサを複数個有し、これらのマルチプレクサの検出範囲を±1LSBから順次増加させ、前記第1のウインドウ・コンパレータの検出範囲を前記マルチプレクサに設定した検出範囲より高くするようにしたことを特徴とする請求項1若しくは請求項3いずれかに記載のカスケードA/D変換器。なお、1LSBとは、このカスケードA/D変換器の最下位ビットに相当する電圧である。
  5. 前記マルチプレクサおよび前記第2のウインドウ・コンパレータを各々3個有し、これらのマルチプレクサおよび第2のウインドウ・コンパレータの検出範囲をそれぞれ±1LSB、±2LSB、±3LSBとし、前記第1のウインドウ・コンパレータの検出範囲を±4LSBとしたことを特徴とする請求項4記載のカスケードA/D変換器。
  6. 前記エラー補正・エンコード回路は、下式に基づいてデジタル値の下位3ビットD2、D1,D0を演算するようにしたことを特徴とする請求項5記載のカスケードA/D変換器。
    D2=not (W74 or W64 or W54 or W44)
    D1=not (W2 or W32)
    D0=(W3 or W33) and (not (W1 or W31))
    ここにおいて、W74、W64、W54、W44はそれぞれ初段、2段目、3段目、4段目の基本構成要素に内蔵された第1のウインドウ・コンパレータの出力、W31、W32、W33はそれぞれ検出範囲が±3LSB、±2LSB、±1LSBの第2のウインドウ・コンパレータの出力、W3,W2,W1はそれぞれ検出範囲が±3LSB、±2LSB、±1LSBのマルチプレクサの出力である。
  7. 前記マルチプレクサを4個有し、これらのマルチプレクサの検出範囲をそれぞれ±1LSB、±2LSB、±3LSB、±4LSBとし、前記第1のウインドウ・コンパレータの検出範囲を±3LSBから±8LSBのいずれかとしたことを特徴とする請求項4記載のカスケードA/D変換器。
  8. 前記エラー補正・エンコード回路は、下式に基づいてデジタル値の下位3ビットD2、D1,D0を演算するようにしたことを特徴とする請求項7記載のカスケードA/D変換器。
    D2=not W4
    D1=not (W2 or W32)
    D0=(W3 or W33) and (not (W1 or W31))
    ここにおいて、W4、W3、W2、W1はそれぞれ検出範囲が±4LSB、±3LSBの±2LSB、±1LSBのマルチプレクサの出力、W33、W32、W31はそれぞれ検出範囲が±1LSB、±2LSB、±3LSBの第2のウインドウ・コンパレータの出力である。
  9. 前記第2のウインドウ・コンパレータを前記マルチプレクサに内蔵するようにしたことを特徴とする請求項1若しくは請求項4いずれかに記載のカスケードA/D変換器。
  10. 前記エラー補正・エンコード回路は、下式に基づいてデジタル値の下位3ビットD2、D1,D0を演算するようにしたことを特徴とする請求項9記載のカスケードA/D変換器。
    D2=not (W74 or W64 or W54 or W44)
    D1=not W2
    D0=not (W3 and W1)
    ここにおいて、W74、W64、W54、W44はそれぞれ初段、2段目、3段目、4段目の基本構成要素に内蔵された第1のウインドウ・コンパレータの出力、W3,W2,W1はそれぞれ検出範囲が±3LSB、±2LSB、±1LSBのマルチプレクサの出力である。
  11. ラッチを第1および第2のウインドウ・コンパレータの後段に配置するようにしたことを特徴とする請求項1若しくは請求項10いずれかに記載のカスケードA/D変換器。
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US9840573B2 (en) 2010-08-31 2017-12-12 Mitsubishi Chemical Corporation Acrylic composition, formed body, key sheet of mobile telephone, and light guide

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