JP2006245535A - 固体撮像素子及びその製造方法、撮像装置 - Google Patents

固体撮像素子及びその製造方法、撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】不具合を発生することなく入射光の波長変換を行うことにより、可視光の短波長領域の感度が高い固体撮像素子を提供する。
【解決手段】シリコン層1に、フォトダイオードから成る光電変換部2が形成されて、画素が構成され、複数の画素が配置されて撮像領域が構成された固体撮像素子であって、少なくとも一部の画素において、光電変換部2の表面付近に、波長変換層3が形成され、この波長変換層3が、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成る固体撮像素子を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体撮像素子及びその製造方法、並びに固体撮像素子を備えた撮像装置(カメラ等)に係わる。
最近、固体撮像素子の多画素化に伴い、各画素のセルサイズが小さくなってきている。
その結果、各画素の単位面積当たりの受光量に対して感度が低下する傾向にある。
特に、短波長光の感度が低下する傾向が顕著であり、イメージセンサとして問題になってきている。
また、光電変換膜がシリコンで形成されるイメージセンサでは、シリコン自体の分光感度の影響により、一般的に可視光領域の短波長領域に対して感度が低くなる傾向にある。
このため、青色と緑色の感度の差が大きくなる。
このような問題に対して、解決方法が数多く考案されている。
最も本質的な改善方法は、光電変換面をシリコンで構成しないことである。
例えば、非晶質セレン系の材料等を、シリコン上に積層することが提案されている。
しかしながら、このようにシリコン上に他の材料を積層する場合には、安定して積層膜を形成するには技術的な課題が多い。
これに対して、シリコンで形成した光電変換膜から成る固体撮像素子の上部に、蛍光発光膜を形成する方法が数多く提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
この蛍光発光膜は、感度改善を図ろうとする所望の波長域に吸収があり、その波長域よりも長波長側であり光電変換膜での感度が高い波長域で発光する性質を有するため、光電変換膜の中で効率良く光電変換を行うことができる。
特開平4−326763号公報 特開平4−322467号公報 特開平10−150177号公報
上記特許文献1では、シリコン基板に受光領域を形成し、その上に、保護膜を介して、蛍光発光膜を形成した構成が示されている。
そして、蛍光発光膜は、感度を改善しようとしている所望の波長領域に吸収があり、その波長領域よりも長波長側で、且つ光電変換膜の感度が高い波長領域で発光する特徴を有している。
上記特許文献2では、シリコン基板に形成されたフォトダイオードの上に、薄膜層を介して、蛍光物質を含有するマイクロレンズを形成した構成が示されている。
このように構成することにより、感度を上げたい領域の光を、蛍光物質を含有するマイクロレンズで長波長側の光に波長変換すると共に、レンズ作用により効率良く集光することができる。
また、蛍光物質を含有するマイクロレンズの上に蛍光反射膜を設けることにより、波長変換した光をフォトダイオードの側に向かわせるようにしている。
上記特許文献3では、フォトダイオードの上層で遮光膜上端よりも下層に蛍光発光膜を形成した構成が示されている。
このように構成することにより、蛍光発光層で発光した光が隣接する画素のフォトダイオードに入射することを抑制することができる。
また、蛍光発光膜の上層に、蛍光発光膜の吸収波長(感度を上げたい光の領域)は透過して、発光波長は反射する干渉フィルタ(1層又は多層構造)を設けることにより、蛍光発光膜から発光した光を効率良く利用することが示されている。
また、フォトダイオードの光電変換膜領域を基板内により深く形成することにより、蛍光発光層から発光した光を効率良く利用することが示されている。
しかしながら、上記特許文献1及び上記特許文献2に示されている構造では、波長変換により発光した光が全方位に散乱するため、光電変換膜に入射しない分がロスになる。
また、隣接した画素の光電変換膜に入射した光は誤信号となるため、解像度が劣化するおそれがある。
一方、上記特許文献3に示されている構造では、遮光膜によって、波長変換により発光した光が隣接した画素の光電変換膜に入射することを防ぐことができる。
しかしながら、上記特許文献3において具体的に提案されている構造では、遮光膜まで形成した後に、フォトダイオードの上に蛍光発光膜を形成することになるため、製造工程が複雑になる。
さらに、蛍光発光層を形成した場合には、蛍光発光層からの不純物の拡散により、不具合を発生するおそれがある。例えば、不純物の金属元素がシリコン基板に拡散することにより、シリコン基板の表面に結晶欠陥や界面準位、欠陥準位を生じることが考えられる。
上述した問題の解決のために、本発明においては、不具合を発生することなく入射光の波長変換を行うことにより、可視光の短波長領域の感度が高い固体撮像素子及びその製造方法、並びにこの固体撮像素子を備えた撮像装置を提供するものである。
本発明の固体撮像素子は、シリコン層に、フォトダイオードから成る光電変換部が形成されて、画素が構成され、複数の画素が配置されて撮像領域が構成された固体撮像素子であって、少なくとも一部の画素において、光電変換部の表面付近に、波長変換層が形成され、この波長変換層が、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成るものである。
上述の本発明の固体撮像素子の構成によれば、シリコン層に、フォトダイオードから成る光電変換部が形成されて、画素が構成され、複数の画素が配置されて撮像領域が構成され、少なくとも一部の画素において、光電変換部の表面付近に、波長変換層が形成され、この波長変換層が、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成ることにより、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成る波長変換層が、可視光の短波長領域の光を吸収して、長い波長の光を発生する性質を有するため、シリコン層に形成された光電変換部における感度の低い可視光の短波長領域の光を、感度の高い長波長領域の光に変換して、感度良く光電変換することが可能になる。
即ち、可視光の短波長領域に対する感度を向上することができる。
また、波長変換層が、光電変換層が形成されているシリコン層と同じシリコン材料から成るため、従来の固体撮像素子の製造方法の延長で製造することが可能であり、また蛍光材料を使用した場合のように金属等の不純物が拡散して不具合を生じるおそれがない。
本発明の固体撮像素子の製造方法は、シリコン層に、フォトダイオードから成る光電変換部が形成されて、画素が構成され、複数の画素が配置されて撮像領域が構成された固体撮像素子を製造する際に、シリコン層に光電変換部を形成する工程と、シリコン層の光電変換部の表面付近に、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成る波長変換層を形成する工程と、波長変換層が形成されたシリコン層の表面側の界面におけるダングリングボンドを終端化する工程とを少なくとも有するものである。
上述の本発明の固体撮像素子の製造方法によれば、シリコン層の光電変換部の表面付近に、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成る波長変換層を形成する工程を有するので、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成る波長変換層を形成することによって、可視光の短波長領域に対して高い感度を有する固体撮像素子を製造することができる。
また、波長変換層が形成されたシリコン層の表面側の界面におけるダングリングボンドを終端化する工程を有するので、シリコン層にあったダングリングボンドや、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成る波長変換層を形成する際に生じたダングリングボンドを、終端化して、波長変換層において短波長で励起された電子が非発光再結合する確率を低減することができるため、波長変換された(長波長の)光の発光効率を向上させることができる。これにより、可視光の短波長領域に対する感度をさらに向上させることが可能になる。
本発明の撮像装置は、シリコン層に、フォトダイオードから成る光電変換部が形成されて、画素が構成され、複数の画素が配置されて撮像領域が構成され、少なくとも一部の画素において、光電変換部の表面付近に、波長変換層が形成され、この波長変換層が、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成る固体撮像素子と、撮像対象からの光を固体撮像素子に導く手段と、固体撮像素子の駆動手段とを少なくとも備えたものである。
上述の本発明の撮像装置の構成によれば、固体撮像素子と、撮像対象からの光を固体撮像素子に導く手段と、固体撮像素子の駆動手段とを少なくとも備え、固体撮像素子が上記本発明の固体撮像素子の構成であることにより、可視光の短波長領域に対する感度を向上することができるため、色再現性が良く、画質の良好な画像を得ることが可能になる。
上記本発明の固体撮像素子及び上記本発明の撮像装置において、固体撮像素子は、波長変換層が形成された画素において、波長変換層の周囲に、波長変換層の発光波長及びその近傍の波長の光を吸収又は反射する遮光層が設けられている構成とすることも可能である。
このような構成としたときには、遮光層によって、波長変換層の発光波長及びその近傍の波長の光を吸収又は反射することができるため、波長変換層から発生する光が、隣接する画素の光電変換部や信号電荷の転送路に入射しないようにすることができる。
さらに、遮光層が、一部がシリコン層に埋め込まれた配線層又は電極層により形成されている構成とすることも可能であり、このような構成としたときには、配線層又は電極層で遮光層を兼ねるため、これら配線層又は電極層とは別に遮光層を設けるよりも構成を簡略化することができる。
本発明の固体撮像素子は、シリコン層内に光電変換領域が形成されて画素が構成され、複数の画素が配置されて撮像領域が構成され、シリコン層の表面側に設けられた絶縁層内に配線層が形成され、光電変換領域に、シリコン層の裏面側より光が照射される構成の固体撮像素子であって、少なくとも一部の画素において、光電変換領域が形成された部分のシリコン層の裏面側の界面近傍に、波長変換層が形成され、この波長変換層が、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成るものである。
上述の本発明の固体撮像素子の構成によれば、シリコン層内に光電変換領域が形成されて画素が構成され、複数の画素が配置されて撮像領域が構成され、シリコン層の表面側に設けられた絶縁層内に配線層が形成され、光電変換領域に、シリコン層の裏面側より光が照射される構成であることにより、いわゆる裏面照射型構造の固体撮像素子が構成されている。
また、少なくとも一部の画素において、光電変換領域が形成された部分のシリコン層の裏面側の界面近傍に、波長変換層が形成され、この波長変換層が、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成ることにより、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成る波長変換層が、可視光の短波長領域の光を吸収して、長い波長の光を発生する性質を有するため、シリコン層に形成された光電変換領域における感度の低い可視光の短波長領域の光を、感度の高い長波長領域の光に変換して、感度良く光電変換することが可能になる。
即ち、可視光の短波長領域に対する感度を向上することができる。
また、波長変換層が、光電変換領域が形成されているシリコン層と同じシリコン材料から成るため、従来の固体撮像素子の製造方法の延長で製造することが可能であり、また蛍光材料を使用した場合のように金属等の不純物が拡散して不具合を生じるおそれがない。
本発明の固体撮像素子の製造方法は、シリコン層内に光電変換領域が形成されて画素が構成され、複数の画素が配置されて撮像領域が構成され、シリコン層の表面側に設けられた絶縁層内に配線層が形成され、光電変換領域にシリコン層の裏面側より光が照射される構成の固体撮像素子を製造する際に、シリコン層に光電変換領域を形成する工程と、少なくとも一部の画素において、光電変換領域が形成された部分の、シリコン層の裏面側の界面近傍に、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成る波長変換層を形成する工程と、波長変換層が形成された、シリコン層の裏面側の界面におけるダングリングボンドを終端化する工程とを少なくとも有するものである。
上述の本発明の固体撮像素子の製造方法によれば、少なくとも一部の画素において、光電変換領域が形成された部分の、シリコン層の裏面側の界面近傍に、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成る波長変換層を形成する工程を有するので、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成る波長変換層を形成することによって、可視光の短波長領域に対して高い感度を有する固体撮像素子を製造することができる。
また、波長変換層が形成された、シリコン層の裏面側の界面におけるダングリングボンドを終端化する工程を有するので、シリコン層にあったダングリングボンドや、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成る波長変換層を形成する際に生じたダングリングボンドを、終端化して、波長変換層において短波長で励起された電子が非発光再結合する確率を低減することができるため、波長変換された(長波長の)光の発光効率を向上させることができる。これにより、可視光の短波長領域に対する感度をさらに向上させることが可能になる。
本発明の撮像装置は、シリコン層内に光電変換領域が形成されて画素が構成され、複数の画素が配置されて撮像領域が構成され、シリコン層の表面側に設けられた絶縁層内に配線層が形成され、光電変換領域に、シリコン層の裏面側より光が照射される構成であって、少なくとも一部の画素において、光電変換領域が形成された部分のシリコン層の裏面側の界面近傍に、波長変換層が形成され、この波長変換層が、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成る固体撮像素子と、撮像対象からの光を固体撮像素子に導く手段と、固体撮像素子の駆動手段とを少なくとも備えたものである。
上述の本発明の撮像装置の構成によれば、固体撮像素子と、撮像対象からの光を固体撮像素子に導く手段と、固体撮像素子の駆動手段とを少なくとも備え、固体撮像素子が上記本発明の固体撮像素子の構成であることにより、可視光の短波長領域に対する感度を向上することができるため、色再現性が良く、画質の良好な画像を得ることが可能になる。
上記本発明の固体撮像素子及び上記本発明の撮像装置において、固体撮像素子は、波長変換層が形成された画素において、波長変換層の周囲に、波長変換層の発光波長及びその近傍の波長の光を吸収又は反射する遮光層が設けられている構成とすることも可能である。
このような構成としたときには、遮光層によって、波長変換層の発光波長及びその近傍の波長の光を吸収又は反射することができるため、波長変換層から発生する光が、隣接する画素の光電変換領域に入射しないようにすることができる。
本発明の固体撮像素子及び撮像装置の構成によれば、シリコン層に光電変換部を形成した場合に問題となる可視光領域の短波長成分の感度を向上させることができる。
これにより、画素が微細化されても、充分な感度を得ることが可能になる。
従って、画素の微細化を図り、多画素化や小型化を図ることが可能になる。
また、本発明によれば、光電変換部と同じ材料のシリコンで波長変換層を構成するため、蛍光材料等の他の材料を付加する必要がなく、従来の固体撮像素子の製造方法の延長で製造することが可能であり、蛍光材料のように不具合を生じるおそれがない。
従って、感度の良好な固体撮像素子を、安価に歩留まり良く製造することが可能である。
特に、固体撮像素子の波長変換層が形成された画素において、波長変換層の周囲に、波長変換層の発光波長及びその近傍の波長の光を吸収又は反射する遮光層が設けられている構成としたときには、波長変換層で発生した光が隣接する画素や信号電荷の転送路に入射して誤信号を発生することを防止することができる。
本発明の固体撮像素子の製造方法によれば、固体撮像素子の可視光の短波長領域に対する感度をさらに向上させることが可能になるため、可視光領域の短波長成分の感度のさらに高い固体撮像素子を製造することが可能になる。
第1の本発明においては、固体撮像素子の少なくとも一部の画素において、画素を構成する光電変換部(フォトダイオード)のシリコン層の表面付近に、波長変換層が形成された構成とする。
また、波長変換層は、歪みシリコン層又はナノスケールのシリコン粒子から成り、即ちシリコン材料により形成されている構成とする。
即ち、第1の本発明では、図1の概略断面図に示すように、シリコン層1に形成された、受光センサ部の光電変換領域2の表面近傍に、波長変換層3を設ける。
シリコン層1としては、シリコン基板、シリコン基板上にエピタキシャル成長させた半導体エピタキシャル層、その他基板上に堆積されたシリコン層(多結晶層や非晶質層を含む)が挙げられる。
波長変換層3は、上述のように、歪みシリコン層から成る構成、或いはナノスケールのシリコン粒子から成る構成とする。
これら歪みシリコン層やナノスケールのシリコン粒子は、従来の波長変換層に用いられていた蛍光材料と同様に、短い波長の光を吸収してより長い波長の光を発生する、即ち入射光を波長変換して出力する性質を有している。
例えば、ナノスケールのシリコン粒子は、量子効果によるバンド構造の変化により、擬似直接遷移型の特徴を示し、室温で発光する性質を有する。また、シリコン粒子のスケールを制御することにより、吸収波長領域及び発光波長領域を制御することが可能である。
なお、波長変換層3は、光電変換領域の形成されたシリコン層1の、表面から数十nmの深さまでに形成することが望ましい。
また、第1の本発明の固体撮像素子のより好ましい形態としては、図2の概略断面図に示すように、波長変換層3の周囲に遮光層4を設ける。
この遮光層4は、波長変換層3で発生する光の波長及びその近傍の波長の光に対して、吸収又は反射する性質を有する材料で構成する。
このように、波長変換層3の周囲に遮光層4を設けることにより、波長変換層3で発生した光が、隣接する他の画素の光電変換領域2や信号電荷の転送路に入射することを防ぐことができる。
図2に示す遮光層4は、例えば、シリコン層1をエッチングして凹部や穴を形成し、凹部や穴に遮光層4の材料を埋め込むことにより製造することができる。
また、図示しないが、シリコン層に埋め込まれて形成された、電極層又は配線層を、この遮光層として用いることも可能である。
そして、上述した構成の第1の本発明の固体撮像素子を備えて、撮像装置、例えばスチルカメラやビデオカメラ等のカメラを構成することができる。
固体撮像素子と、撮像対象からの光を固体撮像素子に導く手段(例えば、レンズ等の光学系)と、固体撮像素子の駆動手段(駆動回路等)とを少なくとも備えて撮像装置を構成する。
さらに、必要に応じて、その他の手段も設ける。例えば、撮像装置内で固体撮像素子により得られた画像信号の信号処理を行う必要がある場合には、信号処理回路等の信号処理手段を設ける。
第2の本発明においては、シリコン層内に光電変換領域が形成されて画素が構成され、複数の画素が配置されて撮像領域が構成され、シリコン層の表面側に設けられた絶縁層内に配線層が形成され、光電変換領域にシリコン層の(配線層とは反対側の)裏面側より光が照射される構成の固体撮像素子、即ちいわゆる裏面照射型構造を有する固体撮像素子を構成する。
このように裏面照射型構造としたことにより、配線層によって入射光が遮られることがないため、光電変換領域に入射する光を多くして、感度を向上することができる。
そして、第2の本発明では、裏面照射型構造の固体撮像素子の少なくとも一部の画素において、画素を構成する光電変換領域が形成された部分の、シリコン層の裏面側の界面近傍に、波長変換層が形成された構成とする。
また、波長変換層は、歪みシリコン層又はナノスケールのシリコン粒子から成り、即ちシリコン材料により形成されている構成とする。
即ち、第2の本発明の構成は、第1の本発明の波長変換層を、裏面照射型構造に適用した構成とも考えることができる。
光電変換領域が形成されたシリコン層としては、シリコン基板や半導体エピタキシャル層、その他のシリコン層(多結晶層や非晶質層を含む)が挙げられる。
波長変換層は、上述のように、歪みシリコン層から成る構成、或いはナノスケールのシリコン粒子から成る構成とする。
これら歪みシリコン層やナノスケールのシリコン粒子は、従来の波長変換層に用いられていた蛍光材料と同様に、短い波長の光を吸収してより長い波長の光を発生する、即ち入射光を波長変換して出力する性質を有している。
例えば、ナノスケールのシリコン粒子は、量子効果によるバンド構造の変化により、擬似直接遷移型の特徴を示し、室温で発光する性質を有する。また、シリコン粒子のスケールを制御することにより、吸収波長領域及び発光波長領域を制御することが可能である。
なお、波長変換層は、光電変換領域が形成されたシリコン層の、裏面側の界面から数十nmの深さまでに形成することが望ましい。
また、第2の本発明の固体撮像素子において、より好ましくは、波長変換層の周囲に遮光層を設ける。
この遮光層は、波長変換層で発生する光の波長及びその近傍の波長の光に対して、吸収又は反射する性質を有する材料で構成する。
このように、波長変換層の周囲に遮光層を設けることにより、波長変換層で発生した光が、隣接する他の画素の光電変換領域に入射することを防ぐことができる。
このような遮光層は、例えば、シリコン層をエッチングして凹部や穴を形成し、凹部や穴に遮光層の材料を埋め込むことにより製造することができる。
そして、上述した構成の第2の本発明の固体撮像素子を備えて、撮像装置、例えばスチルカメラやビデオカメラ等のカメラを構成することができる。
固体撮像素子と、撮像対象からの光を固体撮像素子に導く手段(例えば、レンズ等の光学系)と、固体撮像素子の駆動手段(駆動回路等)とを少なくとも備えて撮像装置を構成する。
さらに、必要に応じて、その他の手段も設ける。例えば、撮像装置内で固体撮像素子により得られた画像信号の信号処理を行う必要がある場合には、信号処理回路等の信号処理手段を設ける。
続いて、第1の本発明の具体的な実施の形態を説明する。
第1の本発明の一実施の形態として、固体撮像素子の概略構成図を図3及び図4に示す。図3は平面図、図4は図3のA−Aにおける断面図(一画素の断面図)を示している。
本実施の形態は、本発明をCCD固体撮像素子に適用したものである。
図3に示すように、この固体撮像素子は、マトリクス状(行列状)に配置された受光センサ部12の各列の一側に、垂直転送レジスタ13が形成されて、撮像領域11が構成されている。
受光センサ部12は、それぞれ画素を構成するものであり、本実施の形態では、1画素に1つずつ設けられている。
撮像領域11外においては、垂直転送レジスタ13の一端に接続して水平転送レジスタ14が設けられ、水平転送レジスタ14の一端に出力部15が設けられている。
図4の断面図に示すように、シリコン基板1に、N型の半導体領域から成る光電変換領域2が形成されていることにより、受光センサ部12を構成するフォトダイオードが形成されている。
受光センサ部12と図中右側の垂直転送レジスタ13の間には、P型(P)のチャネルストップ領域6が形成されている。また、受光センサ部1(12,13)と左側の垂直転送レジスタ2との間は、読み出しゲート部16となり、この読み出しゲート16部を通じて、受光センサ部12の光電変換領域2から垂直転送レジスタ13の転送チャネル領域5に信号電荷が読み出される。
転送電極7は、チャネルストップ領域6及び読み出しゲート部16上にわたって形成されている。
また、垂直転送レジスタ13は、シリコン基板1内に形成された転送チャネル領域5と、ゲート絶縁膜と、転送電極(電荷転送電極)7とにより構成される。
転送電極7上には、層間絶縁膜を介して遮光膜8が形成されている。この遮光膜8は、受光センサ部12の光電変換領域2上に開口が形成されている。
さらに、遮光膜8よりも上方には、層内レンズ21、カラーフィルタ22、オンチップレンズ23が形成されている。
オンチップレンズ23は、固体撮像素子に入射した光を収束させて受光センサ部12の光電変換領域2に集めるものである。
カラーフィルタ22は、画素毎に所定の色のフィルタが設けられている。
層内レンズ21は、周囲の絶縁層よりも屈折率の高い材料により形成され、入射した光をさらに収束させて受光センサ部12の光電変換領域2に効率良く集めるものである。
本実施の形態では、特に、光電変換領域2が形成されている受光センサ部12において、シリコン基板1の表面近傍に、波長変換層3が形成されている。
そして、この波長変換層3を、波長の短い光を吸収して、波長の長い光を発光する性質を有するシリコン材料により構成する。これにより、可視光の短波長領域に対する感度を向上することができる。このような性質を有するシリコン材料としては、前述した歪みシリコン層やナノスケールのシリコン粒子を用いることができる。
このようなシリコン材料は、例えば350nm〜450nmの入射光に対して強い吸収を有し、粒子等のサイズに依存した500nm〜700nmの発光をする。この長波長領域に変換された光は、光電変換領域2内で吸収される。
従って、波長変換層3を設けたことにより、従来は感度の低かった350nm〜450nmの入射光からも充分な信号電荷を得ることができ、可視光の短波長領域の感度を向上することができる。
なお、波長変換層3は、全ての画素に形成する必要はなく、感度を向上させたい画素、例えば青色領域の画素のみに形成することも有効である。
本実施の形態の固体撮像素子は、例えば次のようにして、製造することができる。
まず、従来の固体撮像素子の製造方法と同様にして、シリコン基板1に、転送チャネル領域5や光電変換領域2を形成すると共に、転送電極7や遮光膜8等の各層を形成する。
次に、厚膜レジストを用いて、受光センサ部12の光電変換領域2の上方の遮光膜8に形成された、開口領域以外の場所を覆う。
続いて、遮光膜8に形成された開口を通じて、光電変換領域2の表面近傍(表面から100nm以内)に、歪みシリコン層やナノスケールのシリコン粒子から成る波長変換層3を形成する。
波長変換層3は、例えば、不活性イオン(Ar,Ne等)や活性イオン(P,B,Si等)を用いて、シリコン層1に対してイオンインプランテーションを行うことにより、形成することができる。
このとき、使用するイオンの種類に対応して、適切な加速電圧とドーズ量とを選定することにより、波長変換層3として、表面近傍に1nm〜10nmの厚さのシリコン発光層を形成することができる。例えば、加速電圧を15keVとし、通常の半導体領域をイオンインプランテーションで形成する場合と比較してドーズ量を1015/cmと多くする。
歪みシリコン層やナノスケールのシリコン粒子は、その粒子等のサイズに依存したバンドギャップの変化を示し、サイズにより吸収領域や発光領域が変化する。
そのため、イオンインプランテーションの条件を変更すれば、容易に感度を上げたい波長領域を変更することができる。
続いて、例えば500℃・30分で、高温熱処理工程を行うことにより、波長変換層3を結晶化させて安定化させる。
その後は、従来の固体撮像素子の製造方法と同様にして、層内レンズ21、カラーフィルタ22、オンチップレンズ23を形成する。
このようにして、図4に示した構成の固体撮像素子を製造することができる。
上述の本実施の形態の固体撮像素子の構成によれば、光電変換領域2の表面近傍に波長変換層3が設けられていることにより、分光感度の低い、可視光の短波長領域の入射光を、波長変換層3により(分光感度の高い)長い波長に変換することができる。
これにより、可視光の短波長領域の入射光を充分に光電変換領域2に吸収させることができるため、可視光の短波長領域の入射光に対する感度を向上することができる。
また本実施の形態の固体撮像素子の構成によれば、波長変換層3が、歪みシリコン層又はナノスケールのシリコン粒子から形成されていて、シリコンにより形成されていることから、高価な材料を用いる必要がなく、またシリコン層1に対する不純物(金属元素等)を含まないように形成することが可能である。
これにより、短波長領域に対しても高い感度を有する固体撮像素子を、比較的安価に製造することが可能である。また、不純物による影響を回避することができるため、特性が良好で信頼性の高い固体撮像素子を実現することができ、良好な特性を有する固体撮像素子を歩留まり良く製造することが可能になる。
そして、本実施の形態の固体撮像素子の構成により、画素が微細化されても、充分な感度を得ることが可能になる。
従って、画素の微細化を図り、多画素化や小型化を図ることが可能になる。
次に、第1の本発明の他の実施の形態として、固体撮像素子の概略構成図(断面図)を図5に示す。
本実施の形態は、転送電極7をシリコン層1に埋め込んで形成した構成(埋め込み転送電極)である。
図5に示すように、シリコン層1に凹部が形成され、この凹部内にゲート絶縁膜を介して転送電極7が形成されている。
また、転送電極7の上方を覆っている遮光膜8が、シリコン層1に埋め込まれた転送電極7の側方まで延在されているため、波長変換層3の周囲に遮光膜8がある。
これにより、この波長変換層3の周囲に延在する遮光膜8を、図2に示した遮光層4として作用させて、波長変換層3で発生した光が隣接する画素や転送チャネル領域5に入射することを防ぐことが可能になる。
なお、図5では、転送電極7全体がシリコン層1に埋め込まれているが、転送電極7の一部がシリコン層1に埋め込まれた構成としてもよい。
本実施の形態の固体撮像素子は、例えば、次のようにして製造することができる。
シリコン層1にエッチング等により凹部を形成する。
次に、この凹部内に、ゲート絶縁膜を介して転送電極7を所定のパターンで形成する。
さらに、転送電極7の上に、層間絶縁層を介して遮光膜8を形成する。このとき、転送電極7の受光センサ部12側にも延在して遮光膜8が形成されるようにする。
続いて、受光センサ部12上の遮光膜8に開口を形成する。
その後は、図4に示した先の実施の形態の固体撮像素子の製造工程と同様にして、図5に示す本実施の形態の固体撮像素子を製造することができる。
上述の本実施の形態の固体撮像素子の構成によれば、先の実施の形態と同様に、光電変換領域2の表面近傍に波長変換層3が設けられていることにより、可視光の短波長領域の入射光に対する感度を向上することができる。
また、短波長領域に対しても高い感度を有する固体撮像素子を、比較的安価に製造することが可能である。また、不純物による影響を回避することができるため、特性が良好で信頼性の高い固体撮像素子を実現することができ、良好な特性を有する固体撮像素子を歩留まり良く製造することが可能になる。
そして、本実施の形態の固体撮像素子の構成により、画素が微細化されても、充分な感度を得ることが可能になる。
従って、画素の微細化を図り、多画素化や小型化を図ることが可能になる。
さらに、本実施の形態の固体撮像素子の構成によれば、遮光膜8が転送電極7の側方にも延在していることにより、受光センサ部12の光電変換領域2の表面近傍に形成された波長変換層3の周囲を遮光膜8の延在した部分が囲っている。
これにより、遮光膜8の延在した部分を、図2に示した遮光層4と同様に作用させて、波長変換層3により発生した光が、隣接する他の画素の光電変換領域2や転送チャネル領域5に入射することを防ぐことができる。
次に、第1の本発明のさらに他の実施の形態として、固体撮像素子の概略構成図(断面図)を図6に示す。
本実施の形態は、図2に示した遮光層4を設けた構成である。
図6に示すように、波長変換層3の周囲に遮光層4が形成されている。
遮光層4の材料には、波長変換層3から発生する光の波長及びその近傍の波長の光に対して、吸収又は反射する性質の材料を用いる。これにより、波長変換層3から発生する光が隣接する画素や転送チャネル領域5に入射しないようにすることもできる。
その他の構成は、図4に示した実施の形態と同様であるので、同一符号を付して重複説明を省略する。
なお、遮光層4には、転送電極7上にある遮光膜8と同じ材料を使用してもよい。
本実施の形態の固体撮像素子を製造するには、例えば、光電変換領域2の周囲のシリコン層1に、ドライエッチングで溝を形成し、続いて、この溝内に、CVD法により、遮光層4の材料を埋め込む。
その他の工程は、図4に示した先の実施の形態の固体撮像素子の製造工程と同様であるので、説明を省略する。
上述の本実施の形態の固体撮像素子の構成によれば、先の実施の形態と同様に、光電変換領域2の表面近傍に波長変換層3が設けられていることにより、可視光の短波長領域の入射光に対する感度を向上することができる。
また、短波長領域に対しても高い感度を有する固体撮像素子を、比較的安価に製造することが可能である。また、不純物による影響を回避することができるため、特性が良好で信頼性の高い固体撮像素子を実現することができ、良好な特性を有する固体撮像素子を歩留まり良く製造することが可能になる。
そして、本実施の形態の固体撮像素子の構成により、画素が微細化されても、充分な感度を得ることが可能になる。
従って、画素の微細化を図り、多画素化や小型化を図ることが可能になる。
さらに、本実施の形態の固体撮像素子の構成によれば、遮光層4が波長変換層3の周囲に形成されていることにより、波長変換層3により発生した光が、隣接する他の画素の光電変換領域2や転送チャネル領域5に入射することを防ぐことができる。
次に、第1の本発明の別の実施の形態として、固体撮像素子の概略構成図(断面図)を図7に示す。
本実施の形態においては、受光センサ部12において、シリコン基板1の上にさらに略半球状のシリコン層17が積層され、この略半球状のシリコン層17の表面近傍に、シリコンから成る波長変換層18が形成されている。
その他の構成は、図4に示した実施の形態と同様であるので、同一符号を付して重複説明を省略する。
本実施の形態の固体撮像素子は、例えば次のようにして製造することができる。
光電変換領域2が形成された受光センサ部12のシリコン層1の上に、CVD法によりシリコン層17を積層(堆積)する。
次に、堆積したシリコン層17を高温熱処理により結晶化させる。
そして、シリコン層17の表面近傍に、イオンインプランテーションによって、シリコンから成る波長変換層18を形成する。
その後、高温熱処理(例えば500℃で30分)を行うことにより、波長変換層18を安定化させる。
その他の製造工程は、先の実施の形態の製造工程と同様にして、固体撮像素子を製造することができる。
上述の本実施の形態の固体撮像素子の構成によれば、光電変換領域2の上方に形成された略半球状のシリコン層17表面近傍に、シリコンから成る波長変換層18が設けられていることにより、この波長変換層18によって先の実施の形態と同様に、可視光の短波長領域の入射光に対する感度を向上することができる。
また、短波長領域に対しても高い感度を有する固体撮像素子を、比較的安価に製造することが可能である。また、不純物による影響を回避することができるため、特性が良好で信頼性の高い固体撮像素子を実現することができ、良好な特性を有する固体撮像素子を歩留まり良く製造することが可能になる。
そして、本実施の形態の固体撮像素子の構成により、画素が微細化されても、充分な感度を得ることが可能になる。
従って、画素の微細化を図り、多画素化や小型化を図ることが可能になる。
また、本実施の形態の固体撮像素子では、波長変換層18がシリコン層1よりも上方にあり、転送電極7上の遮光膜8の転送電極7の側方に延在する部分が、波長変換層18を囲う形になっている。
これにより、遮光膜8の延在した部分を、図2に示した遮光層4と同様に作用させて、波長変換層18により発生した光が、隣接する他の画素の光電変換領域2や転送チャネル領域5に入射することを防ぐことができる。
次に、第1の本発明のさらに別の実施の形態として、固体撮像素子の概略構成図(断面図)を図8に示す。
本実施の形態においては、受光センサ部12において、光電変換領域2の上部に、P型(P)の正電荷蓄積領域19を設けており、この正電荷蓄積領域19とシリコン基板1の表面との間に、シリコンから成る波長変換層3を設けている。
その他の構成は、図4に示した実施の形態と同様であるので、同一符号を付して重複説明を省略する。
本実施の形態の固体撮像素子では、光電変換領域2の上部に正電荷蓄積領域19を設けたことにより、シリコン層1の表面近傍の界面準位等に起因する暗電流を抑制することができる。
そして、このように正電荷蓄積領域19を設けた構成においても、本発明を適用して、波長変換層3を設けることができる。
上述の各実施の形態では、いずれも、本発明をCCD固体撮像素子に適用したが、その他の構成の固体撮像素子にも本発明を適用することができる。
例えば、CCD構造以外の電荷転送部を有する固体撮像素子、MOS型やCMOS型の固体撮像素子にも、同様に、本発明を適用することが可能である。
また、MOS型やCMOS型の固体撮像素子に適用する場合には、図5に示した実施の形態の構成で転送電極をシリコン基板に埋め込んだ代わりに、ゲート電極や配線層をシリコン基板(又はシリコン層)に埋め込むことも可能である。そして、埋め込む電極層や配線層の材料を選定することにより、遮光層として作用させることができる。
ところで、上述した第1の本発明の固体撮像素子を製造する際には、波長変換層としてナノスケールのシリコン層や歪んだシリコン層をイオン注入によって形成するが、このとき、SiO/Siの界面付近にダングリングボンドが形成されることがある。
このように、界面にダングリングボンドが形成されると、入射光で励起された電子(波長変換層及びその近傍で生成された電子)が界面準位にトラップされて非発光再結合を生じてしまい、波長変換層で充分な発光効率を得られなくなるおそれがある。そして、この場合、波長変換層を形成することで本来得られるはずである、光電変換領域での変換効率向上を充分に達成できなくなるため、波長変換層による感度を向上する効果が充分に得られなくなる。
そこで、シリコン層の界面付近に生じたダングリングボンドを終端化させて、界面準位を低減させるようにする。
そして、好ましくは、終端化処理工程として、水素アニール処理もしくはシアン処理を行う。
これら水素アニール処理及びシアン処理の他にも、例えばフッ素を用いても終端化処理が可能であるが、フッ素は危険性が大きく取り扱いが難しいという欠点がある。
終端化処理の処理方法としては、以下の方法が挙げられる。
(1)水素雰囲気中にて、水素アニール処理を行う。
(2)シアン(CN)を含む雰囲気中にて、シアン処理を行う。
(3)シアン(CN)を含む雰囲気中にてCNプラズマを発生させて、シアン処理を行う。
(4)シアンを含有する溶液に浸して、シアン処理を行う。
(5)シアンを含有する溶液を、表面に塗布又は滴下して、シアン処理を行う。
(6)炭素Cと窒素Nとを含んだイオンを注入して、シアン処理を行う。
これらの方法等により、水素アニール処理又はシアン処理を行うことにより、波長変換層が形成されたシリコン層に対して、ダングリングボンドを、Si−H結合又はSi−CN結合によって終端化させることができる。
これにより、シリコン層の表面付近の界面準位を低減することができるため、波長変換層において短波長で励起された電子が非発光再結合する確率を低減して、波長変換された(長波長の)光の発光効率を向上させることができ、可視光の短波長領域に対する感度をさらに向上させることが可能になる。
そして、図4〜図8にそれぞれ示した、第1の本発明の固体撮像素子の各実施の形態を製造する際においても、波長変換層3を形成した後に、終端化処理工程を行うことにより、シリコン層1の界面付近に生じたダングリングボンドを終端化させて、界面準位を低減させることができる。
ここで、図4に示した固体撮像素子の実施の形態を製造する場合の終端化処理工程を、図9及び図10を参照して説明する。
まず、図4の固体撮像素子の製造工程の一部を示す工程図を、図9A〜図9Cに示す。
図9Aに示すように、シリコン層1に、光電変換領域2、転送チャネル領域5、並びにチャネルストップ領域6が形成され、シリコン層1の表面にSiO層9が形成されている。また、シリコン層1上に、SiO層(ゲート絶縁膜)を介して、転送電極7が形成されている。なお、SiO層9は、図4では上層のSiO層と明確な境界が区別しにくいため図示を省略している。
次に、図9Aに示す状態から、例えば前述した厚膜レジストをマスクとして用いたイオンインプランテーションを行うことにより、図9Bに示すように、光電変換領域2の上方のシリコン層1の表面付近に、波長変換層3を形成する。
その後、必要に応じて、高温熱処理工程を行うことにより、波長変換層3を結晶化させて安定化させる。
次に、図9Cに示すように、転送電極7の上方に遮光膜8を形成する。
そして、終端化処理工程を行う場合には、図9Bの波長変換層3を形成する工程と、図9Cの遮光膜8を形成する工程との間に、終端化処理工程を組み込む。
また、波長変換層3を結晶化させて安定化させる高温熱処理工程を行う場合には、高温熱処理工程の後に、終端化処理工程を行う。
なお、遮光膜8を形成した後に、終端化処理工程を組み込んでもよい。
図9Bと図9Cとの間に組み込む終端化処理工程の各形態を、図10A〜図10Eにそれぞれ示す。
図10Aに示す工程は、水素アニール処理を行う場合である。
水素雰囲気中に基板を設置することにより、図10Aに示すように、波長変換層3が形成されたシリコン層1に対して、水素(H)雰囲気101から、SiO層9を通じて、水素を供給する。
これにより、ダングリングボンドをSi−H結合によって終端させることができる。
図10Bに示す工程は、CNプラズマを用いてシアン処理を行う場合である。
シアン(CN)を含むガス雰囲気中でCNプラズマを発生させることにより、図10Bに示すように、波長変換層3が形成されたシリコン層1に対して、CNプラズマ102によってシアン処理を行う。
このとき、基板を加熱処理してもよい。
シアン処理の条件は、例えば、基板温度を60〜300℃、圧力を1.33〜665Paの範囲とする。
図10Cに示す工程は、シアンを含有する溶液に浸してシアン処理を行う場合である。
図10Cに示すように、基板全体を、シアンを含有する溶液(シアン溶液)103に浸すことにより、波長変換層3が形成されたシリコン層1に対してシアン処理を行う。
シアン溶液としては、例えばHCN溶液、又はクラウンエーテルを含むシアン溶液を用いることができる。
特に、クラウンエーテルを含むシアン溶液を用いると、クラウンエーテルがシアン溶液のカチオン(カリウムイオン等)と錯体を形成するため、シリコン層1・SiO層9・転送電極7等にカチオンが残ってしまうことを抑制する効果がある。
シアン処理の条件としては、例えば、シアン溶液103の液温を室温〜100℃、処理時間を10秒〜30分の範囲とする。
図10Dに示す工程は、シアンを含有する溶液を塗布又は滴下してシアン処理を行う場合である。
基板を回転させながら、図10Dに示すように、シアンを含有する溶液(シアン溶液)103を、基板表面に対して、流し込んで塗布する、又は滴下する。これにより、波長変換層3が形成されたシリコン層1に対してシアン処理を行うことができる。
この場合も、シアン溶液としては、例えばHCN溶液、又はクラウンエーテルを含むシアン溶液を用いることができる。また特に、クラウンエーテルを含むシアン溶液を用いると、シアン溶液のカチオン(カリウムイオン等)が残ってしまうことを抑制する効果がある。
シアン処理の条件としては、基板表面にシアン溶液103を流し込む場合は、例えば、基板の回転を50rpm、時間を10秒〜30分の範囲内とする。基板表面にシアン溶液103を滴下する場合には、例えば、時間を10分とする。
図10Eに示す工程は、炭素Cと窒素Nとを含むイオンを注入することによりシアン処理を行う場合である。
図示しないマスクを用いて、図10Eに示すように、波長変換層3が形成された部分のシリコン層1に対して、炭素Cと窒素Nとを含むイオン104を注入して、シアン処理を行う。
この場合、炭素Cと窒素Nとは、同時にイオン注入してもよく、またいずれか一方を先にして順次注入してもよい。
なお、終端化処理として水素アニール処理を行った場合には、一般的に、550〜600℃でSi−H結合が切れてしまうため、製造工程中に高温の工程があると、シリコン層1の界面のダングリングボンドを完全に終端させることができなかったり、水素アニールで一旦終端化させたダングリングボンドが復活したりすることがある。
また、使用環境(湿度、温度、紫外線、水や他の物質の接触)等により、Si−H結合が切れてしまう場合もある。
これに対して、終端化処理としてシアン処理を行った場合には、エネルギー的に安定であり、高温でもダングリングボンドとの結合(Si−CN結合)が切断されないため、その後の製造工程(特に550℃〜800℃の高温の工程)や固体撮像素子の使用時における、ダングリングボンドの再発生を抑制することができる。
これにより、高温の工程を行うことが可能になり、製造工程の自由度を高めることができる。
続いて、第2の本発明の具体的な実施の形態を説明する。
第2の本発明の固体撮像素子の一実施の形態の概略構成図(断面図)を図11に示す。
本実施の形態は、CMOS型固体撮像素子に適用したものである。
本実施の形態の固体撮像素子51では、図11に示すように、単結晶のシリコン層(半導体基体)52内にフォトダイオードを構成する光電変換領域60が形成され、1つの光電変換領域60と、ゲート電極54から成るMOSトランジスタとから、単位画素が構成される。図11は、三画素分の断面図を示している。
そして、このような構成の単位画素が多数(例えばマトリクス状に)配置されることにより、撮像領域が構成される。
なお、撮像領域の周囲には、図示しないが、固体撮像素子を駆動するための回路等の周辺回路部や、外部の配線と接続されるパッドが設けられる領域等が設けられる。
シリコン層52の表面側(図中下側)には、絶縁層53内にMOSトランジスタのゲート電極54と多層の配線層55とが形成され、配線部を構成している。
そして、配線部を構成する絶縁層53は、比較的厚い支持基板61に接着されている。
一方、シリコン層52の裏面側(図中上側)には、シリコン酸化膜56を介して、平坦化膜57が形成されている。そして、この平坦化膜57の上に、単位画素毎に、カラーフィルタ58とオンチップレンズ59が形成されている。
このように固体撮像素子51が構成されていることにより、基板の裏面側から、オンチップレンズ59を通じて光電変換領域60に光が照射される。即ち、この固体撮像素子51は、裏面照射型構造となっている。
裏面照射型構造となっていることにより、光を広く光電変換領域60に入射させることができるため、感度を高くすることができる。
本実施の形態では、特に、光電変換領域60が形成されているシリコン層52の裏面側の界面近傍に、波長変換層62が形成されている。
そして、この波長変換層62を、波長の短い光を吸収して、波長の長い光を発光する性質を有するシリコン材料により構成する。これにより、可視光の短波長領域に対する感度を向上することができる。このような性質を有するシリコン材料としては、前述した歪みシリコン層やナノスケールのシリコン粒子を用いることができる。
このようなシリコン材料は、例えば350nm〜450nmの入射光に対して強い吸収を有し、粒子等のサイズに依存した500nm〜700nmの発光をする。この長波長領域に変換された光は、光電変換領域60内で吸収される。
従って、波長変換層62を設けたことにより、従来は感度の低かった350nm〜450nmの入射光からも充分な信号電荷を得ることができ、可視光の短波長領域の感度を向上することができる。
なお、波長変換層62は、全ての画素に形成する必要はなく、感度を向上させたい画素、例えば青色領域の画素のみに形成することも有効である。
本実施の形態の固体撮像素子51は、例えば次のようにして、製造することができる。
図12Aに示すように、シリコン基板71上にシリコン酸化膜72を介してシリコン層(単結晶シリコン層)73が形成されて成る、SOI基板70を用意する。
まず、図12Bに示すように、SOI基板70のシリコン層73に、光電変換領域60を形成する。なお、このシリコン層73は、図11のシリコン層52となるものである。
次に、図12Cに示すように、シリコン層73の表面側に、絶縁層53内にゲート電極54及び多層の配線層55が形成された配線部を形成する。
続いて、配線部が形成されたSOI基板70に対して、配線部(53,54,55)側に支持基板61を接着する。このとき、配線部の絶縁層53と支持基板61とを接着するために、図示しない接着層を介して接着を行う。
次に、SOI基板70の上下を反転させて、図12Dに示すように、支持基板61が下側にある状態にする。
続いて、SOI基板70の裏面側、即ち配線部が形成された側とは反対側を薄くする。例えば、CMP(化学的機械的研磨)法等の研摩によって、SOI基板70の裏面側のシリコン基板71をある程度まで薄くする。
次に、エッチング液を用いて、残ったシリコン基板71に対してウエットエッチングを行うことにより、図13Eに示すように、シリコン基板71を完全に除去する。このとき、シリコン層73の上にシリコン酸化膜72が残り、このシリコン酸化膜72が図11に示したシリコン酸化膜56となる。
続いて、図13Fに示すように、シリコン酸化膜56を通じて、光電変換領域60が形成された部分の、シリコン層52の裏面側の界面近傍(界面から100nm以内)に、歪みシリコン層やナノスケールのシリコン粒子から成る波長変換層62を形成する。
波長変換層62は、不活性イオン(Ar,Ne等)や活性イオン(P,B,Si等)を用いて、シリコン層71へイオンインプランテーションを行うことにより、形成することができる。
このとき、使用するイオンの種類に対応して、適切な加速電圧とドーズ量とを選定することにより、波長変換層62として、表面近傍に1nm〜10nmの厚さのシリコン発光層を形成することができる。例えば、加速電圧を15keVとし、通常の半導体領域をイオンインプランテーションで形成する場合と比較してドーズ量を1015/cmと多くする。
歪みシリコン層やナノスケールのシリコン粒子は、その粒子等のサイズに依存したバンドギャップの変化を示し、サイズにより吸収領域や発光領域が変化する。
そのため、イオンインプランテーションの条件を変更すれば、容易に感度を上げたい波長領域を変更することができる。
続いて、例えば500℃・30分で、高温熱処理工程を行うことにより、波長変換層62を結晶化させて安定化させる。
その後は、シリコン酸化膜56の上に平坦化膜57を形成し、その上にカラーフィルタ58、オンチップレンズ59を形成する。
このようにして、図11に示した構成の固体撮像素子51を製造することができる。
上述の本実施の形態の固体撮像素子51の構成によれば、光電変換領域60が形成された部分のシリコン層52の裏面側の界面近傍に波長変換層62が設けられていることにより、分光感度の低い、可視光の短波長領域の入射光を、波長変換層62により(分光感度の高い)長い波長に変換することができる。
これにより、可視光の短波長領域の入射光を充分に光電変換領域60に吸収させることができるため、可視光の短波長領域の入射光に対する感度を向上することができる。
また、本実施の形態の固体撮像素子51の構成によれば、波長変換層62が、歪みシリコン層又はナノスケールのシリコン粒子から形成されていて、シリコンにより形成されていることから、高価な材料を用いる必要がなく、またシリコン層52に対する不純物(金属元素等)を含まないように形成することが可能である。
これにより、短波長領域に対しても高い感度を有する固体撮像素子51を、比較的安価に製造することが可能である。また、不純物による影響を回避することができるため、特性が良好で信頼性の高い固体撮像素子51を実現することができ、良好な特性を有する固体撮像素子51を歩留まり良く製造することが可能になる。
そして、本実施の形態の固体撮像素子51の構成により、画素が微細化されても、充分な感度を得ることが可能になる。
従って、画素の微細化を図り、多画素化や小型化を図ることが可能になる。
次に、第2の本発明の他の実施の形態として、固体撮像素子の概略構成図(断面図)を図14に示す。
本実施の形態の固体撮像素子81においては、各単位画素のn型の光電変換領域60の上部に、p型(p)の正電荷蓄積領域63を設けており、この正電荷蓄積領域63とシリコン層52の裏面側の界面との間に、シリコンから成る波長変換層62を設けている。
その他の構成は、図11に示した実施の形態の固体撮像素子51と同様であるので、同一符号を付して重複説明を省略する。
本実施の形態の固体撮像素子81は、例えば次のようにして製造することができる。
図15に示すように、図12Aに示した構成のSOI基板70のシリコン層73(52)に、n型の光電変換領域60と、p型の正電荷蓄積領域63とを、それぞれ形成する。各領域60,63を形成する順序は、どちらが先でも構わない。
その後は、図12C〜図13Gに示した先の実施の形態の製造工程と同様にして、固体撮像素子81を製造することができる。
ただし、波長変換層62は、正電荷蓄積領域63よりも、シリコン層52の裏面側の界面に近い、浅い場所に形成する。
本実施の形態の固体撮像素子81では、光電変換領域60の上部に正電荷蓄積領域63を設けたことにより、シリコン層52の表面近傍の界面準位等に起因する暗電流を抑制することができる。
そして、このように正電荷蓄積領域63を設けた構成においても、本発明を適用して、波長変換層62を設けることができる。
次に、第2の本発明のさらに他の実施の形態として、固体撮像素子の概略構成図(断面図)を図16に示す。
本実施の形態の固体撮像素子82は、図16に示すように、各単位画素の波長変換層62の周囲に遮光層64を設けた構成である。
遮光層64の材料には、波長変換層62から発生する光の波長及びその近傍の波長の光に対して、吸収又は反射する性質の材料を用いる。これにより、波長変換層62から発生する光が隣接する画素に入射しないようにすることができる。
その他の構成は、図11に示した実施の形態の固体撮像素子51と同様であるので、同一符号を付して重複説明を省略する。
本実施の形態の固体撮像素子82は、例えば次のようにして製造することができる。
まず、先の実施の形態の図12A〜図13Eに示した製造工程と同様の製造工程を行う。
次に、光電変換領域60の周囲のシリコン層52に、ドライエッチングで溝を形成する。
続いて、この溝内に、遮光層64の材料を埋め込む。これにより、図17Aに示すように、各単位画素の光電変換領域60の周囲のシリコン層52内に、遮光層64が形成される。
次に、図17Bに示すように、シリコン酸化膜56を通じて、光電変換領域60が形成された部分の、シリコン層52の裏面側の界面近傍(界面から100nm以内)に、歪みシリコン層やナノスケールのシリコン粒子から成る波長変換層62を形成する。
その他の工程は、図11に示した先の実施の形態の固体撮像素子51の製造工程と同様であるので、説明を省略する。
上述の本実施の形態の固体撮像素子82の構成によれば、先の実施の形態と同様に、光電変換領域60が形成された部分のシリコン層52の裏面側の界面近傍に波長変換層62が設けられていることにより、可視光の短波長領域の入射光に対する感度を向上することができる。
また、短波長領域に対しても高い感度を有する固体撮像素子82を、比較的安価に製造することが可能である。また、不純物による影響を回避することができるため、特性が良好で信頼性の高い固体撮像素子82を実現することができ、良好な特性を有する固体撮像素子82を歩留まり良く製造することが可能になる。
そして、本実施の形態の固体撮像素子82の構成により、画素が微細化されても、充分な感度を得ることが可能になる。
従って、画素の微細化を図り、多画素化や小型化を図ることが可能になる。
さらに、本実施の形態の固体撮像素子82の構成によれば、遮光層64が波長変換層62の周囲に形成されていることにより、波長変換層62により発生した光が、隣接する他の画素の光電変換領域60に入射することを防ぐことができる。
なお、上述した各実施の形態においては、シリコン基板71上にシリコン酸化膜72を介してシリコン層(単結晶シリコン層)73が形成されたSOI基板70を用いて固体撮像素子を作製していたが、単層のシリコン基板から固体撮像素子を作製することも可能である。
単層のシリコン基板から作製する場合には、必要に応じて、例えば、シリコン基板の裏面側を薄くする工程や、シリコン基板の裏面側の界面にシリコン酸化膜を形成する工程を行う。
また、上述の各実施の形態では、いずれも、本発明をMOS型の固体撮像素子に適用したが、裏面照射型構造の固体撮像素子であれば、その他の構成の固体撮像素子にも本発明を適用することが可能である。
ところで、上述した第2の本発明の固体撮像素子を製造する際にも、第1の本発明の固体撮像素子を製造する際と同様に、波長変換層としてナノスケールのシリコン層や歪んだシリコン層をイオン注入によって形成するが、このとき、SiO/Siの界面付近にダングリングボンドが形成されることがある。
このように、界面にダングリングボンドが形成されると、入射光で励起された電子(波長変換層及びその近傍で生成された電子)が界面準位にトラップされて非発光再結合を生じてしまい、波長変換層で充分な発光効率を得られなくなるおそれがある。そして、この場合、波長変換層を形成することで本来得られるはずである、光電変換領域での変換効率向上を充分に達成できなくなるため、波長変換層による感度を向上する効果が充分に得られなくなる。
そこで、シリコン層の界面付近に生じたダングリングボンドを終端化させて、界面準位を低減させるようにする。
そして、好ましくは、終端化処理工程として、水素アニール処理もしくはシアン処理を行う。
これら水素アニール処理及びシアン処理の他にも、例えばフッ素を用いても終端化処理が可能であるが、フッ素は危険性が大きく取り扱いが難しいという欠点がある。
終端化処理の処理方法としては、前述した以下の方法が挙げられる。
(1)水素雰囲気中にて、水素アニール処理を行う。
(2)シアン(CN)を含む雰囲気中にて、シアン処理を行う。
(3)シアン(CN)を含む雰囲気中にてCNプラズマを発生させて、シアン処理を行う。
(4)シアンを含有する溶液に浸して、シアン処理を行う。
(5)シアンを含有する溶液を、表面に塗布又は滴下して、シアン処理を行う。
(6)炭素Cと窒素Nとを含んだイオンを注入して、シアン処理を行う。
これらの方法等により、水素アニール処理又はシアン処理を行うことにより、波長変換層が形成されたシリコン層に対して、ダングリングボンドを、Si−H結合又はSi−CN結合によって終端化させることができる。
これにより、シリコン層の表面付近の界面準位を低減することができるため、波長変換層において短波長で励起された電子が非発光再結合する確率を低減して、波長変換された(長波長の)光の発光効率を向上させることができ、可視光の短波長領域に対する感度をさらに向上させることが可能になる。
そして、図11、図14、図16にそれぞれ示した、第2の本発明の固体撮像素子の各実施の形態を製造する際においても、波長変換層62を形成した後に、終端化処理工程を行うことにより、シリコン層71の界面付近に生じたダングリングボンドを終端化させて、界面準位を低減させることができる。
ここで、図11に示した固体撮像素子51を製造する場合の終端化処理工程を、図13及び図18〜図19を参照して説明する。
この場合、図13Fの波長変換層62を形成する工程と、図13Gの平坦化膜57・カラーフィルタ58・オンチップレンズ59を形成する工程との間に、終端化処理工程を組み込む。
また、波長変換層62を結晶化させて安定化させる高温熱処理工程を行う場合には、高温熱処理工程の後に、終端化処理工程を行う。
図13Fと図13Gとの間に組み込む終端化処理工程の各形態を、図18A〜図19Eにそれぞれ示す。
図18Aに示す工程は、水素アニール処理を行う場合である。
水素雰囲気中に基板を設置することにより、図18Aに示すように、波長変換層62が形成されたシリコン層52に対して、水素(H)雰囲気101から、シリコン酸化膜56を通じて、水素を供給する。
これにより、ダングリングボンドをSi−H結合によって終端させることができる。
図18Bに示す工程は、CNプラズマを用いてシアン処理を行う場合である。
シアン(CN)を含むガス雰囲気中でCNプラズマを発生させることにより、図18Bに示すように、波長変換層62が形成されたシリコン層52に対して、CNプラズマ102によってシアン処理を行う。
このとき、基板を加熱処理してもよい。
シアン処理の条件は、例えば、基板温度を60〜300℃、圧力を1.33〜665Paの範囲とする。
図18Cに示す工程は、シアンを含有する溶液に浸してシアン処理を行う場合である。
図18Cに示すように、基板全体を、シアンを含有する溶液(シアン溶液)103に浸すことにより、波長変換層62が形成されたシリコン層52に対してシアン処理を行う。
シアン溶液としては、例えばHCN溶液、又はクラウンエーテルを含むシアン溶液を用いることができる。
特に、クラウンエーテルを含むシアン溶液を用いると、クラウンエーテルがシアン溶液のカチオン(カリウムイオン等)と錯体を形成するため、シリコン層52・シリコン酸化膜56等にカチオンが残ってしまうことを抑制する効果がある。
シアン処理の条件としては、例えば、シアン溶液103の液温を室温〜100℃、処理時間を10秒〜30分の範囲とする。
図19Dに示す工程は、シアンを含有する溶液を塗布又は滴下してシアン処理を行う場合である。
基板を回転させながら、図19Dに示すように、シアンを含有する溶液(シアン溶液)103を、基板表面に対して、流し込んで塗布する、又は滴下する。これにより、波長変換層62が形成されたシリコン層52に対してシアン処理を行うことができる。
この場合も、シアン溶液としては、例えばHCN溶液、又はクラウンエーテルを含むシアン溶液を用いることができる。また特に、クラウンエーテルを含むシアン溶液を用いると、シアン溶液のカチオン(カリウムイオン等)が残ってしまうことを抑制する効果がある。
シアン処理の条件としては、基板表面にシアン溶液103を流し込む場合は、例えば、基板の回転を50rpm、時間を10秒〜30分の範囲内とする。基板表面にシアン溶液103を滴下する場合には、例えば、時間を10分とする。
図19Eに示す工程は、炭素Cと窒素Nとを含むイオンを注入することによりシアン処理を行う場合である。
図19Eに示すように、マスク110を用いて、波長変換層62が形成された部分のシリコン層52に対して、炭素Cと窒素Nとを含むイオン104を注入して、シアン処理を行う。
この場合、炭素Cと窒素Nとは、同時にイオン注入してもよく、またいずれか一方を先にして順次注入してもよい。
また、図16に示した固体撮像素子82を製造する際には、波長変換層62の形成後の終端化処理工程だけでなく、遮光層64を形成する前にもシリコン層52に対して終端化処理を行うことが可能である。このように遮光層64を形成する前にシリコン層52に対して終端化処理を行うことにより、シリコン層52に溝を形成した際に溝の壁面付近に生じたダングリングボンドが終端化されるため、ダングリングボンドに起因する暗電流の発生を抑制することができる。
上述したように、シリコン層52に対して終端化処理を合計2回行う場合の製造工程を、図20A〜図20Cに示す。
まず、図12A〜図13Eに示した製造工程と同様の製造工程を行う。
次に、図20Aに示すように、光電変換領域60の周囲のシリコン層52に、ドライエッチングで溝52Aを形成する。
次に、図20Bに示すように、溝52Aを形成したシリコン層52に対して、終端化処理を行う。図20Bでは、終端化処理として、例えば、シアンを含有する溶液(シアン溶液)103を流し込む、又は滴下してシアン処理を行う場合を示している。より好ましくは、クラウンエーテルを含むシアン溶液103を用いる。
この場合の条件も、例えば、図19Dで説明したと同様に、基板表面にシアン溶液103を流し込む場合は、例えば、基板の回転を50rpm、時間を10秒〜30分の範囲内とする。基板表面にシアン溶液103を滴下する場合には、例えば、時間を10分とする。
なお、その他の終端化処理方法を採用してもよい。
次に、図20Cに示すように、シリコン層52の溝内に遮光層64の材料を埋め込む。この図20Cに示す状態は、図17Aに示した状態と同じである。
続いて、図17Bに示したように、波長変換層62を形成する。
その後、図18A〜図19Eに示したと同様に、波長変換層62が形成されたシリコン層52に対して、終端化処理を行う。
さらに、平坦化膜57・カラーフィルタ58・オンチップレンズ59を形成して、図16に示す固体撮像素子82を製造することができる。
なお、第1の本発明の固体撮像素子又は第2の本発明の固体撮像素子を製造する際に、シリコン層の界面付近のダングリングボンドに対する終端化処理工程を行う場合において、終端化処理として、水素アニール処理とシアン処理とを併用することも可能である。
これにより、例えば一方の処理のみでは充分に終端化させられない場合でも、完全に終端化させることが可能になる。
また、必要に応じて、シリコン層上のSiO層を薄くする工程を行ってから、終端化のための水素アニール処理又はシアン処理を行うようにしてもよい。特に、SiO層が厚く形成されていて、水素アニール処理やシアン処理の効果が得られにくい場合には、有効である。
なお、波長変換層を形成する画素を、特定の色の画素のみとする場合には、終端化処理を行う箇所を、その特定の色の画素の部分のみとしても構わない。
また、波長変換層を形成する画素を、特定の色の画素のみとする場合には、例えば、波長変換層を形成するイオン注入のマスクや、CやNを含むイオンをイオン注入する際のマスクを、その色のカラーフィルタを形成するマスクと共用して、マスクの枚数を減らすことも可能である。
さらにまた、第2の本発明の固体撮像素子、即ち裏面照射型構造の固体撮像素子を製造する場合には、受光センサ部が形成されたシリコン層の、波長変換層が形成される側(裏面側)とは反対側の面(配線層が形成された表面側)に対しても、終端化処理を行ってもよい。その場合、配線層を形成する前に、シリコン層に対して終端化処理を行う。
本発明の撮像装置は、本発明の固体撮像素子と、撮像対象からの光を固体撮像素子に導く手段(光学系)と、固体撮像素子を駆動する手段とを少なくとも備えて構成する。また、装置の外部ではなく装置内部で信号処理を行う場合には、固体撮像素子により得られる信号を処理する手段(信号処理手段)も備える。
そして、上述した各実施の形態の固体撮像素子を用いて、静止画や動画等の画像の撮像を行う撮像装置(カメラ)を構成することができる。
具体的には、例えば、本発明の撮像装置の一実施の形態として、撮像装置の概略構成図(ブロック図)を図21に示すように、上述した各実施の形態の固体撮像素子42と、撮像対象からの光を固体撮像素子42に導く手段(光学系)としてレンズ41等と、固体撮像素子42を駆動する駆動回路43と、固体撮像素子42により得られる信号を信号処理する手段として信号処理回路44とを備えて、撮像装置40を構成する。
前述したように、本発明の固体撮像素子は、光電変換領域の表面近傍にシリコンから成る波長変換層を設けたことにより、可視光の短波長成分の感度を向上することができる。
そして、本発明の撮像装置は、本発明の固体撮像素子を備えて構成されていることにより、可視光の短波長成分に対する感度が他の波長成分に対する感度と同様に高くなり、良好な色再現性を有する。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
本発明の固体撮像素子の構成を説明する概略断面図である。 本発明の固体撮像素子の他の構成を説明する概略断面図である。 第1の本発明の固体撮像素子の一実施の形態の平面図である。 図3のA−Aにおける断面図である。 第1の本発明の固体撮像素子の他の実施の形態の概略構成図(一画素の断面図)である。 第1の本発明の固体撮像素子のさらに他の実施の形態の概略構成図(一画素の断面図)である。 第1の本発明の固体撮像素子の別の実施の形態の概略構成図(一画素の断面図)である。 第1の本発明の固体撮像素子のさらに別の実施の形態の概略構成図(一画素の断面図)である。 A〜C 図4の固体撮像素子の製造工程を示す工程図である。 A〜E 図1の固体撮像素子の製造工程における終端化処理工程の各形態を示す工程図である。 第2の本発明の固体撮像素子の一実施の形態の概略構成図(断面図)である。 A〜D 図11の固体撮像素子の製造工程を示す工程図である。 E〜G 図11の固体撮像素子の製造工程を示す工程図である。 第2の本発明の固体撮像素子の他の実施の形態の概略構成図(断面図)である。 図14の固体撮像素子の製造工程の一工程を示す工程図である。 第2の本発明の固体撮像素子のさらに他の実施の形態の概略構成図(断面図)である。 A、B 図16の固体撮像素子の製造工程を示す工程図である。 A〜C 図11の固体撮像素子の製造工程における終端化処理工程の各形態を示す工程図である。 D、E 図11の固体撮像素子の製造工程における終端化処理工程の各形態を示す工程図である。 A〜C 終端化処理を2回行う場合の図16の固体撮像素子の製造工程を示す工程図である。 本発明の撮像装置の実施の形態の概略構成図(ブロック図)である。
符号の説明
1 シリコン基板、2 光電変換領域、3,18 波長変換層、4 遮光層、5 転送チャネル領域、6 チャネルストップ領域、7 転送電極、8 遮光膜、11 撮像領域、12 受光センサ部、13 垂直転送レジスタ、14 水平転送レジスタ、17 シリコン層、19 正電荷蓄積領域、21 層内レンズ、22 カラーフィルタ、23 オンチップレンズ、40 撮像装置、41 レンズ、42 固体撮像素子、43 駆動回路、44 信号処理回路、51,81,82 固体撮像素子、52,73 シリコン層、53 絶縁層、54 ゲート電極、55 配線層、56,72 シリコン酸化膜、57 平坦化膜、58 カラーフィルタ、59 オンチップレンズ、60 光電変換領域、61 支持基板、62 波長変換層、63 正電荷蓄積領域、64 遮光層、70 SOI基板、71 シリコン基板

Claims (18)

  1. シリコン層に、フォトダイオードから成る光電変換部が形成されて、画素が構成され、
    複数の前記画素が配置されて撮像領域が構成された固体撮像素子であって、
    少なくとも一部の前記画素において、前記光電変換部の表面付近に、波長変換層が形成され、
    前記波長変換層が、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成る
    ことを特徴とする固体撮像素子。
  2. 前記波長変換層が形成された前記画素において、前記波長変換層の周囲に、前記波長変換層の発光波長及びその近傍の波長の光を吸収又は反射する遮光層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
  3. 前記遮光層が、一部が前記シリコン層に埋め込まれた配線層又は電極層により形成されていることを特徴とする請求項2に記載の固体撮像素子。
  4. 前記波長変換層が形成された、前記シリコン層の前記表面側の界面におけるダングリングボンドが終端化されていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
  5. 前記ダングリングボンドが、炭素と窒素の化合物又は前記化合物のイオンによって終端化されていることを特徴とする請求項4に記載の固体撮像素子。
  6. シリコン層内に光電変換領域が形成されて画素が構成され、
    複数の前記画素が配置されて撮像領域が構成され、
    前記シリコン層の表面側に設けられた絶縁層内に配線層が形成され、
    前記光電変換領域に、前記シリコン層の裏面側より光が照射される構成の固体撮像素子であって、
    少なくとも一部の前記画素において、前記光電変換領域が形成された部分の、前記シリコン層の前記裏面側の界面近傍に、波長変換層が設けられ、
    前記波長変換層が、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成る
    ことを特徴とする固体撮像素子。
  7. 前記波長変換層が形成された前記画素において、前記波長変換層の周囲に、前記波長変換層の発光波長及びその近傍の波長の光を吸収又は反射する遮光層が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の固体撮像素子。
  8. 前記波長変換層が形成された、前記シリコン層の前記裏面側の界面におけるダングリングボンドが終端化されていることを特徴とする請求項6に記載の固体撮像素子。
  9. 前記ダングリングボンドが、炭素と窒素の化合物又は前記化合物のイオンによって終端化されていることを特徴とする請求項8に記載の固体撮像素子。
  10. シリコン層に、フォトダイオードから成る光電変換部が形成されて、画素が構成され、複数の前記画素が配置されて撮像領域が構成された固体撮像素子を製造する方法であって、
    前記シリコン層に前記光電変換部を形成する工程と、
    前記シリコン層の前記光電変換部の表面付近に、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成る波長変換層を形成する工程と、
    前記波長変換層が形成された、前記シリコン層の前記表面側の界面におけるダングリングボンドを終端化する工程とを少なくとも有する
    ことを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
  11. 前記ダングリングボンドを炭素と窒素の化合物又は前記化合物のイオンによって終端化することを特徴とする請求項10に記載の固体撮像素子の製造方法。
  12. シリコン層内に光電変換領域が形成されて画素が構成され、複数の前記画素が配置されて撮像領域が構成され、前記シリコン層の表面側に設けられた絶縁層内に配線層が形成され、前記光電変換領域に前記シリコン層の裏面側より光が照射される構成の固体撮像素子を製造する方法であって、
    前記シリコン層に前記光電変換領域を形成する工程と、
    少なくとも一部の前記画素において、前記光電変換領域が形成された部分の、前記シリコン層の前記裏面側の界面近傍に、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成る波長変換層を形成する工程と、
    前記波長変換層が形成された、前記シリコン層の前記裏面側の界面におけるダングリングボンドを終端化する工程とを少なくとも有する
    ことを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
  13. 前記ダングリングボンドを炭素と窒素の化合物又は前記化合物のイオンによって終端化することを特徴とする請求項12に記載の固体撮像素子の製造方法。
  14. シリコン層に、フォトダイオードから成る光電変換部が形成されて、画素が構成され、
    複数の前記画素が配置されて撮像領域が構成され、少なくとも一部の前記画素において、前記光電変換部の表面付近に、波長変換層が形成され、前記波長変換層が、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成る固体撮像素子と、
    撮像対象からの光を前記固体撮像素子に導く手段と、
    前記固体撮像素子の駆動手段とを少なくとも備えた
    ことを特徴とする撮像装置。
  15. 前記固体撮像素子は、前記波長変換層が形成された前記画素において、前記波長変換層の周囲に、前記波長変換層の発光波長及びその近傍の波長の光を吸収又は反射する遮光層が設けられていることを特徴とする請求項14に記載の撮像装置。
  16. 前記固体撮像素子は、前記遮光層が、一部が前記シリコン層に埋め込まれた配線層又は電極層により形成されていることを特徴とする請求項15に記載の撮像装置。
  17. シリコン層内に光電変換領域が形成されて画素が構成され、複数の前記画素が配置されて撮像領域が構成され、前記シリコン層の表面側に設けられた絶縁層内に配線層が形成され、前記光電変換領域に、前記シリコン層の裏面側より光が照射され、少なくとも一部の前記画素において、前記光電変換領域が形成された部分の、前記シリコン層の前記裏面側の界面近傍に、波長変換層が設けられ、前記波長変換層が、歪みシリコン又はナノスケールのシリコン粒子から成る固体撮像素子と、
    撮像対象からの光を前記固体撮像素子に導く手段と、
    前記固体撮像素子の駆動手段とを少なくとも備えた
    ことを特徴とする撮像装置。
  18. 前記固体撮像素子は、前記波長変換層が形成された前記画素において、前記波長変換層の周囲に、前記波長変換層の発光波長及びその近傍の波長の光を吸収又は反射する遮光層が設けられていることを特徴とする請求項17に記載の撮像装置。
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