JP2006245296A - 転写方法、転写物の製造方法、回路基板の製造方法、電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

転写方法、転写物の製造方法、回路基板の製造方法、電気光学装置及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 転写不良を低減し、製品歩留まりを向上させることが可能な転写技術を提供する。
【解決手段】 1以上の被転写体10が形成されている第1基材1上の転写対象領域11の外周に撥液処理を施す工程と、転写対象領域11に接着剤を充填し、接着層3を形成する工程と、接着層3を介して第1基材1と第2基材2とを接合する工程と、接着層3を硬化させる工程と、第1基材1と第2基材2とを離隔して、接着層3により第2基材2に接着された被転写体を第2基材2に転写する工程と、を備えた被転写体の転写方法により上記課題を解決する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、素子や回路などの被転写体を転写する技術に関し、さらにその転写技術を利用した転写物の製造方法、回路基板の製造方法、電気光学装置及び電子機器に関するものである。
近年、薄膜トランジスタ(TFT)や薄膜ダイオード(TFD)等の薄膜素子を備えた電子デバイスの製造において、一旦、仮の基板上で形成した薄膜素子を他の基板に転写する技術が開発されている。このような技術によれば、例えば薄膜素子の形成過程に高温プロセスが要求される場合においても、最終的に移し変える転写先の基板には耐熱性が要求されないので最終製品に使用できる基板の選択の幅が広がり、製品の多様化・コストの削減が図れる。
例えば、特許文献1には、このような転写技術として、薄膜素子などの被転写体を転写元基板に剥離層を介して形成した後、この被転写体を接着層を介して転写先の基板(転写先基板)に貼り合わせ、剥離層界面で転写元基板を剥離することにより薄膜素子を転写先基板に転写する方法が開示されている。また、特許文献1に記載の転写方法では、接着剤の塗布領域を画定したり、或いは後の剥離・転写工程を容易にするための流路を形成するために、被転写体上にシール材により囲み枠を設けている。
特開2004−327836号公報
しかしながら、囲み枠(シール材)の材質によっては、剥離層界面よりも囲み枠が形成された層の界面の方が密着力が弱くなる場合がある。このような場合、転写元基板と転写先基板の剥離時に囲み枠が形成された領域では被転写体を第1基材側に引き寄せる力が働くことになる。一方、接着層により接着された領域では被転写体は第2基材側に引き寄せられるので、接着層と囲み枠の境界で被転写体を上下逆方向に引っ張る力が働くことになり、被転写体の一部が破損し、転写不良が生じる虞があった。したがって、このように囲み枠が形成された領域では、転写が良好にいくか否かが不明確となる。さらに、製品コスト等の観点から囲み枠を形成する材料に制約を受ける場合がある。
よって、本発明は、このような囲み枠が形成された領域における転写の不確実性をなくし、転写不良を低減し、製品歩留まりを向上させることが可能な転写技術を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明の被転写体の転写方法は、1以上の被転写体が形成されている第1基材上の転写対象領域の外周に撥液処理を施す工程と、上記転写対象領域に接着剤を充填し、接着層を形成する工程と、上記接着層を介して上記第1基材と第2基材とを接合する工程と、上記接着層を硬化させる工程と、上記第1基材と上記第2基材とを離隔して、上記接着層により上記第2基材に接着された被転写体を上記第2基材に転写する工程と、を備えている。
かかる構成によれば、転写対象領域の外周に撥液処理がなされているので、囲み枠を用いずに接着剤を所定の転写対象領域内に納めることが可能となる。したがって、囲み枠の密着性が弱いことにより、被転写体が第1基材側に引き寄せられることにより生じる転写不良を回避することが可能となり、転写歩留まりを向上させることが可能となる。また、囲み枠を用いていないので、不要部が転写される虞もない。したがって、従来の囲み枠が形成された領域における転写の不確実性を回避し、確実に転写される領域を確定することができる。しかも、囲み枠と同様に、接着剤の充填領域を画定することが可能である。
ここで、「被転写体」とは、薄膜トランジスタ、ダイオード、抵抗、インダクタ、キャパシタ、その他能動素子・受動素子を問わない単体の素子、一定の機能を奏するように素子が集積され配線された集積回路等の回路(チップ)、さらに複数の素子の組み合わせからなる回路の一部、集積回路等の回路を1以上組み合わせて一定の機能を奏するように構成された装置の全部又は一部を意味する。また、「被転写体」の構成や形状、大きさには限定はない。
また、「第1基材」は、被転写体が複数集積して形成される基材をいい、必ずしも平板であることを要しない。したがって、例えば球面であってもよく、また可撓性を有するフィルムのように一定の剛性を有しないものでもよい。
「第2基材」は、第1基材上で形成された被転写体を移し変える先の対象をいう。なお、必ずしも最終製品に用いられる基板であることは要しない。すなわち、転写は何回行われてもよい。また、必ずしも平板であることは要せず、例えば球面であってもよい。また可撓性を有するフィルムのように一定の剛性を有しないものでもよい。
「転写対象領域」は、転写される一以上の被転写体を含む領域であり、必ずしも第1基材上に形成された被転写体全部を含む必要はない。
「接着剤」は固化前に液状または半液状である公知の接着剤を種々に適用可能である。
上記接着層を形成する工程に先立ち、上記転写対象領域に親液処理を施す工程を含むことが好ましい。これによれば、接着層をより確実に転写対象領域に留めることが可能となる。
上記親液処理がプラズマ処理であることが好ましい。これによれば、接着層の選択的な親液処理が容易に可能となる。
また、親液処理の方法は、これに限らず、紫外線照射により行ってもよい。
上記撥液処理を施す工程が、上記転写対象領域の外周に撥液材料を配置する工程であることが好ましい。これによれば、転写対象領域の外周に撥液性を持たせることが可能となる。また、撥液材料を配置する工程は、撥液材料の皮膜を形成する工程であってもよく、撥液材料を用いてバンク(土台)を形成する工程であってもよい。なお、親液材料でバンクを形成した後、その後に撥液材料により皮膜を形成する工程であってもよい。バンクを形成することで、接着剤をより確実に転写対象領域内に納めることが可能となる。
上記撥液材料がアモルファスシリコンであることが好ましい。アモルファスシリコンは通常半導体材料として頻用される材料であり、例えば、被転写体が素子・回路等である場合にもデバイスに影響を与えることがないため好ましい。
なお、撥液材料としては、アモルファスシリコンに限定されるものではなく、例えば、フッ素系樹脂等の撥液性を有する樹脂を用いてもよい。
上記撥液処理を施す工程が、上記被転写体間を区画する流路が形成されるように上記転写対象領域の外周に撥液処理を施す工程であることが好ましい。これによれば、接着剤が充填される領域が画定されると同時に、後の転写工程を促進するための物理的作用を施す流路を形成することが可能となる。なお、撥液処理は、転写対象領域の外周を枠状に囲うものであってもよく、また、転写対象領域以外の領域全体に撥液処理が施されていてもよい。
上記転写する工程が、上記流路に物理的作用を施すことにより、上記第1基材を上記第2基材より離隔する工程を含むことが好ましい。これによれば、第1基材と第2基材との略全体に均等に離隔する力がいきわたり、被転写体の第1基材からの剥離が容易となる。また、剥離時に不均等な力を付与することにより生じる転写不良を回避することも可能となる。
上記物理的作用が、上記流路に流体を供給することにより及ぼされることが好ましい。流体であれば流路を満たして流路壁面に力を及ぼすことができる。なお、ここで「流体」は、気体(例:空気)であるか液体であるかを問わない。
第1基材は、剥離層を介して被転写体が形成されており、上記転写する工程は、さらに剥離層にエネルギーを付与することにより当該剥離層の密着性を弱める工程を含むことが好ましい。これによれば、エネルギー付与によって剥離層の結合力を弱め転写を容易にすることが可能となる。
ここで「剥離層」とは、エネルギーの付与によって基板と被転写体との結合力が弱まるような材料で形成されていればよく、例えばアモルファスシリコン、水素を含有するアモルファスシリコン、窒素を含有するアモルファスシリコン、水素含有合金、窒素含有合金、多層膜、セラミックス、金属、有機高分子材料等を利用可能である。また、「エネルギー」としては、例えば、光(レーザ光等)が考えられる。
光を照射するものとすれば、任意の領域へのエネルギー付与が行え、併せて正確な位置合わせが可能であるため、特に被転写体が微少な大きさである場合に有利である。ここでエネルギー源には限定はないが、例えばレーザ光を用いれば、コヒーレント光であるため効率的にエネルギーを付与でき、併せて正確な位置にエネルギーを付与することが可能である。
本発明の転写物の製造方法は、上記転写方法を使用して、上記被転写体を転写する工程を含むものである。これによれば、上記転写方法を使用するので、歩留まりよく転写物を製造することが可能となる。
本発明の回路基板の製造方法は、上記被転写体が薄膜素子であり、上記転写方法を使用して、当該薄膜素子を転写する工程を含むものである。これによれば、上記転写方法を使用するので、歩留まりよく回路基板を製造することが可能となる。
本発明は、上記回路基板の製造方法によって製造した回路基板を備えた電気光学装置及び電子機器を提供するものでもある。上述の回路基板の製造方法を利用するので信頼性の高い電気光学装置及び電子機器を提供し得る。
ここで、「電気光学装置」とは、電気的作用によって発光するあるいは外部からの光の状態を変化させる電気光学素子を備えた装置一般をいい、自ら光を発するものと外部からの光の通過を制御するもの双方を含む。例えば、電気光学素子として、液晶素子、電気泳動素子、EL(エレクトロルミネッセンス)素子、電界の印加により発生した電子を発光板に当てて発光させる電子放出素子を備えたアクティブマトリクス型の表示装置等が挙げられる。
「電子機器」とは、複数の素子または回路の組み合わせにより一定の機能を奏する機器一般をいい、例えば電気光学装置やメモリを備えて構成される。回路基板を一枚または複数備えることが可能である。その構成に特に限定が無いが、例えば、ICカード、携帯電話、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、リア型またはフロント型のプロジェクター、さらに表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ等が含まれる。
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1乃至図7は、本実施形態に係る回路基板の製造方法の製造工程図である。これらの各図において(a)は斜視図を示し、(b)はA−A切断面における断面図を示す。
(転写元基板準備工程)
まず、 図1に示すように、基板100上に剥離層101及び被転写層102を形成して転写元基板1(第1基材)を製造する。基板100は、光が透過し得る透光性を有するものであることが好ましい。後の工程で基板100を介して剥離層101に光を照射することができ、剥離層を光照射によって迅速かつ正確に剥離させることができるからである。光の透過率は10%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。透過率が高い程光の減衰(ロス)が少なくなり、剥離層101を剥離するのにより小さな光量で済むからである。
基板100は、信頼性の高い材料、特に、耐熱性に優れた材料で構成されていることが好ましい。被転写層102を形成する際に、その種類や形成方法によってはプロセス温度が高くなる(例えば350〜1000℃程度)ことがある。しかし、基板100が耐熱性に優れていれば、基板100上に被転写層102を形成する際の温度条件等の成膜条件の設定の幅を広げることが可能となる。これにより転写元基板上に多数の素子や回路を製造する際、所望の高温処理が可能となり、信頼性が高く高性能の素子や回路を製造することができる。
従って、基板100は、被転写層102の形成の際の最高温度をTmaxとしたとき、歪点がTmax以上の材料で構成されているものが好ましい。具体的には、基板100の構成材料は、歪点が350℃以上のものが好ましく、500℃以上のものがより好ましい。このようなものとしては、例えば、石英ガラス、コーニング7059、日本電気ガラスOA−2等の耐熱性ガラスが挙げられる。
また、基板100の厚さは、特に限定されないが、通常は、0.1〜5.0mm程度であるのが好ましく、0.5〜1.5mm程度であるのがより好ましい。基板100の厚さがより厚ければより強度が上昇し、より薄ければ基板100の透過率が低い場合に、光の減衰をより生じにくくなるからである。なお、基板100の光の透過率が高い場合には、その厚さは、上記上限値を超えるものであってもよい。なお、光を均一に照射できるように、基板100の厚さは、均一であるのが好ましい。
このように転写元基板1に用いられる基板100は様々な制約を受けるが、転写元基板は最終製品となる転写先基板2(第2基材)とは異なり、繰り返し利用することが可能であるため、比較的高価な材料を用いても繰り返し使用することによって製造コストの上昇を少なくすることが可能である。
剥離層101は、照射される光を吸収し、その層内及び/または界面において剥離(以下、「層内剥離」、「界面剥離」と言う)を生じるような性質を有するものであり、好ましくは、光の照射により、剥離層101を構成する物質の原子間または分子間の結合力が消失または減少すること、すなわち、アブレーションが生じて層内剥離および/または界面剥離に至るものがよい。
光の照射により、剥離層101から気体が放出され、分離効果が発現される場合もある。すなわち、剥離層101に含有されていた成分が気体となって放出される場合と、剥離層101が光を吸収して一瞬気体になり、その蒸気が放出され、分離に寄与する場合とがある。このような剥離層101の組成としては、例えば、次の材料A〜Fに記載されるものが挙げられる。
材料A.アモルファスシリコン(a−Si)
このアモルファスシリコン中には、水素(H)が含有されていてもよい。この場合、Hの含有量は、2原子%以上程度であるのが好ましく、2〜20原子%程度であるのがより好ましい。このように、水素(H)が所定量含有されていると、光の照射によって水素が放出され、剥離層101に内圧が発生し、それが上下の薄膜を剥離する力となる。アモルファスシリコン中の水素(H)の含有量は、成膜条件、例えばCVDにおけるガス組成、ガス圧、ガス雰囲気、ガス流量、温度、基板温度、投入パワー等の条件を適宜設定することにより調整することができる。アモルファスシリコンは光吸収性がよく、また、成膜も容易であり実用性が高い。したがって、剥離層をアモルファスシリコンで構成することによって、光照射により正確に剥離を生じる剥離層を安価に形成することができる。
材料B.酸化ケイ素又はケイ酸化合物、酸化チタンまたはチタン酸化合物、酸化ジルコニウムまたはジルコン酸化合物、酸化ランタンまたはランタン酸化化合物等の各種酸化物セラミックス、透電体(強誘電体)あるいは半導体
酸化ケイ素としては、SiO、SiO2、Si32が挙げられ、ケイ酸化合物としては、例えばK2SiO3、Li2SiO3、CaSiO3、ZrSiO4、Na2SiO3が挙げられる。
酸化チタンとしては、TiO、Ti23、TiO2が挙げられ、チタン酸化合物としては、例えば、BaTiO4、BaTiO3、Ba2Ti920、BaTi511、CaTiO3、SrTiO3、PbTiO3、MgTiO3、ZrTiO2、SnTiO4、Al2TiO5、FeTiO3が挙げられる。
酸化ジルコニウムとしては、ZrO2が挙げられ、ジルコン酸化合物としては、例えばBaZrO3、ZrSiO4、PbZrO3、MgZrO3、K2ZrO3が挙げられる。
また窒素を含有するシリコンで構成することは好ましい。剥離層に窒素含有シリコンを用いた場合、光の照射に伴い窒素が放出され、これによって剥離層における剥離が促進されるからである。
材料C.PZT、PLZT、PLLZT、PBZT等のセラミックスあるいは誘電体(強誘電体)
材料D.窒化珪素、窒化アルミ、窒化チタン等の窒化物セラミックス
材料E.有機高分子材料
有機高分子材料としては、−CH−、−CO−(ケトン)、−CONH−(アミド)、−NH−(イミド)、−COO−(エステル)、−N=N−(アゾ)、−CH=N−(シッフ)等の結合(光の照射によりこれらの結合が切断される)を有するもの、特に、これらの結合を多く有するものであればいかなるものでもよい。また、有機高分子材料は、構成式中に芳香族炭化水素(1または2以上のベンゼン環またはその縮合環)を有するものであってもよい。
このような有機高分子材料の具体例としては、ポリエチレン,ポリプロピレンのようなポリオレフィン,ポリイミド,ポリアミド,ポリエステル,ポリメチルメタクリレート(PMMA),ポリフェニレンサルファイド(PPS),ポリエーテルスルホン(PES),エポキシ樹脂等が挙げられる。
材料F.金属
金属としては、例えば、Al,Li,Ti,Mn,In,Sn,Y,La,Ce,Nd,Pr,Gd,Smまたはこれらのうちの少なくとも1種を含む合金が挙げられる。
その他、剥離層101を水素含有合金で構成することもできる。剥離層に水素含有合金を用いた場合、光の照射に伴い水素が放出され、これによって剥離層における剥離が促進されるからである。
また、剥離層101を窒素含有合金で構成することもできる。剥離層に窒素含有合金を用いた場合、光の照射に伴い窒素が放出され、これによって剥離層における剥離が促進されるからである。
さらに、剥離層101を多層膜からなるものとすることもできる。多層膜は、例えばアモルファスシリコン膜とその上に形成された金属膜とからなるものとすることができる。多層膜の材料として、上記したセラミックス,金属,有機高分子材料の少なくとも一種から構成することもできる。このように剥離層を多層膜または異種材料の組み合わせによる膜として構成すれば、アモルファスシリコンの場合と同様に、光の照射に伴う水素ガスや窒素ガスの放出によって、分離層における剥離が促進されるからである。
剥離層101の厚さは、剥離目的や剥離層の組成、層構成、形成方法等の諸条件により異なるが、通常は、1nm〜20μm程度であるのが好ましく、10nm〜2μm程度であるのがより好ましく、40nm〜1μm程度であるのがさらに好ましい。剥離層101の膜厚がより大きい程より成膜の均一性を保て剥離にムラを生じにくくなる一方、膜厚がより薄い程剥離層101の良好な剥離性を確保するための光のパワー(光量)が小さくて済むとともに、後に剥離層101を除去する際にその作業にかかる時間がより少なくなるからである。なお、剥離層101の膜厚は、できるだけ均一であるのが好ましい。
剥離層101の形成方法は、特に限定されず、膜組成や膜厚等の諸条件に応じて適宜選択される。たとえば、CVD(MOCVD、低圧CVD、ECR−CVDを含む)、蒸着、分子線蒸着(MB)、スパッタリング、イオンプレーティング、PVD等の各種気相成膜法、電気メッキ、浸漬メッキ(ディッピング)、無電解メッキ等の各種メッキ法、ラングミュア・プロジェット(LB)法、スピンコート、スプレーコート、ロールコート等の塗布法、各種印刷法、転写法、インクジェットコーティング法、粉末ジェット法等が挙げられ、これらのうちの2以上を組み合わせて形成することもできる。
例えば、剥離層101の組成がアモルファスシリコン(a−Si)の場合には、CVD、特に低圧CVDやプラズマCVDにより成膜するのが好ましい。
また、剥離層101をゾル−ゲル法によるセラミックスで構成する場合や、有機高分子材料で構成する場合には、塗布法、特に、スピンコートにより成膜するのが好ましい。
なお、図1には示されていないが、基板100と剥離層101の性状に応じて、両者の密着性の向上等を目的とした中間層を基板100と剥離層101の間に設けても良い。この中間層は、例えば製造時または使用時において被転写層を物理的または化学的に保護する保護層、絶縁層、被転写層へのまたは被転写層からの成分の移行(マイグレーション)を阻止するバリア層、反射層としての機能のうち少なくとも一つを発揮するものである。
この中間層の組成は、その目的に応じて適宜選択されえる。例えば非晶質シリコンで構成された剥離層と被転写層との間に形成される中間層の場合には、SiO2(酸化珪素)やSiN(窒化珪素)等が挙げられる。また、他の中間層の組成としては、例えば、Pt、Au、W,Ta,Mo,Al,Cr,Tiまたはこれらを主成分とする合金のような金属が挙げられる。
中間層の厚みは、その形成目的に応じて適宜決定される。通常は、10nm〜5μm程度であるのが好ましく、40nm〜1μm程度であるのがより好ましい。中間層の膜厚がより大きい程より成膜の均一性を保て密着性にムラを生じにくくなる一方、膜厚がより薄い程剥離層にまで透過すべき光の減衰がより少なくなるからである。
中間層の形成方法としては、上記剥離層で説明した各種の方法が適用可能である。中間層は、一層で形成する他、同一または異なる組成を有する複数の材料を用いて二層以上形成することもできる。
剥離層101上に形成される被転写層102は、複数の被転写体10を含んで形成される。各被転写体10は、薄膜トランジスタその他の能動素子や受動素子、又はそれらの組み合わせからなる回路である。被転写体10は、個々の素子であったり集積回路等の独立した機能を有するチップであったり、さらに両者の中間の独立した機能は奏しないが他の素子や回路と組み合わせることにより独立して機能する回路の部分であったりする。したがってその構造やサイズに限定はない。各被転写体10は、同じ機能の素子又は回路を複数形成する場合の他、異なる機能の素子又は回路を複数形成したり、異なる種類の素子又は回路をそれぞれ複数個ずつ形成したりしてもよい。
いずれにせよ、被転写体10は同一の基板上に形成されるものであるため、同様な製造プロセスで製造可能である。このような薄膜素子の例として、薄膜トランジスタの他に、例えば、薄膜ダイオードや、シリコンのPIN接合からなる光電変換素子(光センサ、太陽電池)やシリコン抵抗素子、その他の薄膜半導体デバイス、電極(例:ITO、メサ膜のような透明電極)、スイッチング素子、メモリ、圧電素子等のアクチュエータ、マイクロミラー(ピエゾ薄膜セラミックス)、磁気記録薄膜ヘッド、コイル、インダクター、抵抗、キャパシタ、薄膜高透磁材料およびそれらを組み合わせたマイクロ磁気デバイス、フィルター、反射膜、ダイクロイックミラー等がある。
なお、被転写層102の厚みには限定は無いが、あまりに薄いと集積回路等の基板として強度が少なすぎ、あまりに厚いと特殊な被転写体間分離処理をしない限り、被転写体10を分離することが難しくなる。そのため例えば被転写層102は1〜3μm程度に形成する。
(撥液処理・親液処理工程)
次に、図2に示すように被転写層102の今回転写対象となる被転写体10を含む転写対象領域11の外周に撥液処理を施し、被転写体10を含む転写対象領域に親液処理を施す。ここで、撥液処理は、隣接する被転写体10同士の間に流路17が形成されるように行う。図2中、符号14は撥液処理が施された領域を示し、符号15は親液処理が施された領域を示す。なお、ここでは基板100上に形成された被転写体10総てを一括して転写することとするが、一部のみを取り囲んで一部の被転写体10のみを転写するようにしてもよい。
撥液処理は、例えば撥液材料としてアモルファスシリコンを用い、CVD(MOCVD、低圧CVD、ECR−CVDを含む)等により被転写層102上に成膜することにより行うことができる。その後、所望のパターンにエッチング等によりパターニングする。膜のパターニングは、エッチング等により行うことができる。なお、成膜方法はこれに限らず、例えば後述の液滴吐出装置と同様の装置を用いたインクジェット法によってもよい。
また、撥液材料も上記に限定されず、例えばフッ素系樹脂等の撥液性を有する樹脂を用いてもよい。さらに、撥液材料を厚く堆積させることでバンク(土台)を形成してもよい。これによれば、より接着剤を確実に所定領域に留めることが可能となる。なお、バンクは親液材料で形成してもよく、その場合には表面を撥液材料で処理することになる。撥液材料の膜厚は、転写元基板1上の被転写体10と転写先基板2との接着を確実にするため、乾燥時の接着層3の膜厚よりも薄く形成することが好ましい。
また、親液処理は転写対象領域内を例えばO2ガスを処理ガスとしてプラズマ処理することにより行うことができる。また、プラズマ処理に代えて、紫外線照射処理を行ってもよい。このように、転写対象領域にプラズマ処理や紫外線照射処理を施すことで、転写対象領域を粗面化し、親液性を高めることが可能である。
(充填工程)
次いで、図3に示すように、被転写体10上に接着剤を個別に充填し、接着層3を形成する。このような接着層3の個別形成は、ディスペンス法や印刷法、インクジェット法を利用する。インクジェット法を実施するためには液滴吐出装置を利用する。液滴吐出装置の構造は、静電駆動タイプ、ピエゾ駆動タイプ、熱駆動タイプ等に分けられるが、その中でも静電駆動タイプ及びピエゾ駆動タイプの装置は、材料液に熱を加えず吐出させるため熱により接着剤の性質を変化させるおそれがないので好ましい。
このような接着層120を構成する接着剤としては、例えば、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気硬化型接着剤等の各種硬化型接着剤が挙げられる。また、接着剤の組成は、特に限定されず、例えばエポキシ系、アクリレート系等のいかなるものであってもよい。
(重ね合わせ・接着層硬化工程)
次に、図4に示すように、接着層3が形成された転写元基板1の面に転写先基板2(第2基材)を重ね合わせる。転写先基板2としては、特に限定されないが、基板(板材)、特に透明基板が挙げられる。なお、このような基板は平板であっても、湾曲板であってもよい。また転写先基板2は、転写元基板1に比べ、耐熱性・耐食性等の特性が劣るものであってもよい。本発明では、転写元基板1側に被転写体10を形成し、その後、被転写体10を転写先基板2に転写するため、転写先基板2には、被転写体10の形成時に要求されるような耐熱性等の特性が要求されないからである。
したがって、被転写体10の形成の際の最高温度をTmaxとしたとき、転写先基板2の構成材料として、ガラス転移点(Tg)または軟化点がTmax以下のものを用いることができる。例えば、転写先基板2は、ガラス転移点(Tg)または軟化点が好ましくは800℃以下、より好ましくは500℃以下、さらに好ましくは320℃以下の材料で構成することができる。
次いで、充填された接着層3を硬化させる。
接着剤の硬化方法は、使用する接着剤の種類に応じて、熱や光線(例:紫外線)を照射することにより行われる。
(照射工程)
接着層3が硬化したら、図5に示すように、転写元基板1側から剥離層101にレーザ光Lを照射して剥離層の密着性を弱める。剥離層101は、光が照射されると剥離(層内剥離および/または界面剥離)を生じる。層内剥離および/または界面剥離が生じる原理は、剥離層101の構成材料にアブレーションが生じること、また、剥離層101に含まれているガスの放出、さらには照射直後に生じる溶融、蒸散等の相変化によるものである。
ここで、アブレーションとは、照射光を吸収した固定材料(剥離層101の構成材料)が光化学的または熱的に励起され、その表面や内部の原子または分子の結合が切断されて放出することをいい、主に、剥離層101の構成材料の全部または一部が溶融、蒸散(気化)等の相変化を生じる現象として現れる。また、上記相変化によって微小な発泡状態となり、結合力が低下することもある。
剥離層101が層内剥離を生じるか、界面剥離を生じるか、またはその両方であるかは、剥離層101の組成や、その他種々の要因に左右され、その要因の1つとして、照射される光の種類、波長、強度、到達深さ等の条件が挙げられる。
照射する光Lとしては、剥離層101に層内剥離および/または界面剥離を起こさせるものであればいかなるものでもよく、例えば、X線、紫外線、可視光、赤外線(熱線)、レーザ光、ミリ波、マイクロ波、電子線、放射線(α線、β線、γ線)等が挙げられる。
そのなかでも、剥離層101の剥離(アブレーション)を生じさせ易く、かつ高精度の局部照射が可能である点で、レーザ光が好ましい。レーザ光はコヒーレント光であり、基板100を介して剥離層に高出力パルス光を照射して高精度で所望部分に剥離を生じさせるのに好適である。したがって、レーザ光の使用によって、容易にかつ確実に被転写体10を剥離させることができる。
このレーザ光を発生させるレーザ装置としては、各種気体レーザ、固体レーザ(半導体レーザ)等が挙げられるが、エキシマレーザ、Nd−YAGレーザ、Arレーザ、CO2レーザ、COレーザ、He−Neレーザ等が好適に用いられる。
このレーザ光としては、波長100nm〜350nmを有するレーザ光が好ましい。このように短波長レーザ光を用いることにより、光照射精度が高められるとともに、剥離層101における剥離を効果的に行うことができる。
上述の条件を満たすレーザ光としては、例えばエキシマレーザを挙げることができる。エキシマレーザは、短波長紫外域の高エネルギーのレーザ光出力が可能なガスレーザであり、レーザ媒質として希ガス(Ar,Kr,Xeなど)とハロゲンガス(F2,HClなど)とを組み合わせたものを用いることにより、代表的な4種類の波長のレーザ光を出力することができる(XeF=351nm,XeCl=308nm,KrF=248nm,ArF=193nm)。エキシマレーザは、短波長域で高エネルギーを出力するため、極めて短時間で剥離層101にアブレーションを生じさせることができ、よって基板100に温度上昇をほとんど生じさせることなく、被転写体10等に劣化、損傷を生じさせることなく、剥離層101を剥離することができる。
あるいは、剥離層101に、例えばガス放出、気化、昇華等の相変化を起こさせて分離特性を与える場合、照射されるレーザ光の波長は、350から1200nm程度が好ましい。
このような波長のレーザ光は、YAG、ガスレーザなどの一般加工分野で広く使用されるレーザ光源や照射装置を用いることができ、光照射を安価にかつ簡単に行うことができる。また、このような可視光領域の波長のレーザ光を用いることによって、基板100が可視光透光性であればよく、基板の選択の自由度を広げることができる。
また、照射されるレーザ光のエネルギー密度、特に、エキシマレーザの場合のエネルギー密度は、10〜5000mJ/cm2程度とするのが好ましく、100〜500mJ/cm2程度とするのがより好ましい。また、照射時間は、1〜1000nsec程度とするのが好ましく、10〜100nsec程度とするのがより好ましい。エネルギー密度がより高くまたは照射時間がより長い程アブレーション等が生じ易く、一方で、エネルギー密度がより低くまたは照射時間がより短い程剥離層101を透過した照射光により被転写体10等に悪影響を及ぼすおそれを低減できるからである。
なお、剥離層101を透過した照射光が被転写体10にまで達して悪影響を及ぼす場合の対策としては、例えば、剥離層101上にタンタル(Ta)等の金属膜を形成する方法がある。これにより、剥離層101を透過したレーザ光は、金属膜の界面で完全に反射され、それよりの上の被転写体10に悪影響を与えない。
レーザ光に代表される照射光は、その強度が均一となるように照射されるのが好ましい。照射光の照射方向は、剥離層101に対し垂直な方向に限らず、剥離層101に対し所定角度傾斜した方向であってもよい。
また、剥離層101の面積が照射光の1回の照射面積より大きい場合には、剥離層101の全領域に対し、複数回に分けて照射光を照射することもできる。また、同一箇所に2回以上照射してもよい。また、異なる種類、異なる波長(波長域)の照射光(レーザ光)を同一領域または異なる領域に2回以上照射してもよい。
(転写工程)
次いで、図6に示すように、流体として空気流W1〜W4を流路17に目がけて供給する。上記したように、転写元基板1と転写先基板2との間であって囲み枠13の外側には、空気が流通しうる空間が形成され流路17となっている。このため、四方から流入した空気流により流路17内部は高圧状態となり、図6(b)の白抜き矢印の方向に応力が作用する。剥離層101にはレーザ光が照射されその密着性が喪失しているので、空気流によって生ずる応力によって基板100と転写先基板2とが容易に分離する(図7参照)。ここで被転写体10は接着層3によって転写先基板2に接着されているため転写先基板2とともに剥離される。
一方、被転写体10以外の被転写層102の部分は、被転写体10と分離し、基板100側に残る可能性がある。このような部分が基板100側に残るか、破壊されてしまうかは、両者間の密着度に依る。図7は、これらの部分が基板100側に残ったまま転写先基板2が分離された場合を示している。
なお、剥離後、転写された被転写層102底面または転写した基板100表面には剥離層101の剥離残分が付着している場合がある。この残渣を完全に取り除くための方法としては、例えば洗浄、エッチング、アッシング、研磨等の方法、またはこれらを組み合わせた方法の中から適宜選択して採用することができる。
総ての被転写体10が剥離された後に、基板100は再利用(リサイクル)に供することができる。基板100を再利用することにより、製造コストの無駄を省くことができる。これは石英ガラスのような高価な材料、希少な材料からなる基板100を用いる場合に特に有効となる。
ここで、従来の転写方法に対する本発明のメリットについてより具体的に説明する。
従来の転写方法においては、図11に示すように被転写体10上に囲み枠13(シール材)が形成されており、囲み枠13の密着力が剥離層101の密着力よりも弱い場合には、囲み枠13で剥離が生じることになる。すなわち、破線B−Bに沿って上下に剥離する力が働くことになり、接着層3と囲み枠13の境界部では被転写体10を上下逆方向に引き寄せる力が働くため、被転写体の一部が破損し、転写不良が生じる場合があった。
しかしながら、本実施形態では、囲み枠13を用いず、撥液処理を施すことにより接着層3を形成する領域を定め、流路を形成している。したがって、被転写体10上に囲み枠13が形成されていることにより生じる上記転写不良の問題を回避することができ、歩留まりよく転写物を製造することができる。また、囲み枠13を用いていないので、不要部が転写される虞もない。したがって、従来の囲み枠13が形成された領域における転写の不確実性を回避し、確実に転写される領域を確定することができる。しかも、囲み枠13と同様に、接着剤の充填領域を画定することが可能である。
また、被転写体10の周囲に流路17が縦横に巡らされているので、転写工程において空気を通過させて被転写体の剥離を促進させることができ、被転写体の転写をより確実なものとすることができる。
なお、本実施形態では、転写元基板1側に撥液処理、親液処理を施し、接着層3を形成したが、これに限らず、転写先基板2側に形成してもよい。
次に、被転写体10の一例を示す。
図8(a)は、本実施形態において用いられる被転写体10の一例である薄膜トランジスタTの断面図である。この薄膜トランジスタTは、剥離層101に絶縁膜103を介して形成されており、ゲート絶縁膜104、ゲート電極106、層間絶縁膜105、及びアルミニウム等からなる電極107、チャネル領域108、及びポリシリコン層にn型不純物やp型不純物を導入して形成されたソース,ドレイン領域109を具備する。薄膜トランジスタTはこのような構成に限定されることなく、シリコンベースのトランジスタやSOI(silicon on insulator)などの種々の構造を適用し得る。
図8(b)及び図9(c)は、本実施形態において用いられる被転写体10の一例として、集積回路である薄膜トランジスタで形成されたメモリ素子を示してある。
図8(c)に示すように、当該集積回路200は、メモリセルアレー201、アドレスバッファ202、行デコーダ203、ワードドライバ204、アドレスバッファ205、列デコーダ206、列選択スイッチ207、入出力回路208、及び制御回路209の各ブロックを備えている。各ブロックには、薄膜トランジスタを中心とする回路が形成されており、互いのブロック間には金属層をパターニングすることによる配線が形成されている。
図8(b)は、図8(c)のB―B断面における集積回路200の断面図であり、p型薄膜トランジスタTpとn型薄膜トランジスタTnとが形成されている付近を示している。当該断面図に示すように、基板100上には剥離層101が形成され、剥離層101の上に被転写層102が形成されている。被転写層102には、下地となる絶縁膜103上に、図8(a)に示すような構造のn型薄膜トランジスタTn及びp型薄膜トランジスタTpが形成され、各々のソースまたはドレインが電極107で相互に接続されている。保護層110は、被転写層102を保護するための膜である。
集積回路200の回路構成は種々に考えられるが、このようなメモリ回路に関するものの他、例えば電気光学装置である表示装置用の画素駆動回路等にも適用が考えられる。このように、被転写体10としては、個々の素子のみならず素子の組み合わせによって一定の機能を奏するように構成された集積回路も適用可能である。
<電気光学装置>
次に、上述した回路基板の製造方法によって製造される電気光学装置について説明する。
図9に、本実施の形態における電気光学装置50の基板平面ブロック図を示す。当該電気光学装置50は、転写先基板2上に、表示領域40、走査線駆動回路20、及びデータ線駆動回路30を配置して構成されている。走査線駆動回路20からは選択信号線Vsnが、データ線駆動回路30からはデータ線Idatamが、それぞれ表示領域40に配線されている。選択信号線Vsnとデータ線Idatamとは交差する位置に対応させて画素領域Pmnが設けられており、アクティブマトリクス基板を構成している。各画素領域Pmnは、例えば電界発光効果により発光可能なEL素子と薄膜トランジスタ等で構成された周辺回路とが設けられている。選択信号線Vsnとデータ線Idatamとを制御することにより、各画素領域に対する電流プログラムが行われ、EL素子による発光が制御される。
ここで、この電気光学装置50は、本発明の回路基板の製造方法により、転写元基板1で製造された被転写体である集積回路等が転写先基板2に転写されて形成されたものである。
本実施形態によれば、当該回路基板の製造方法を利用しているので、薄型の電気光学装置を歩留まりよく提供できる。
<電子機器>
次に、上述した回路基板の製造方法によって製造される電子機器、特にフレキシブル表示装置について説明する。
図10は、本実施形態におけるフレキシブル表示装置1000の構成を示す斜視図である。図10において、フレキシブル表示装置1000は、フレキシブル表示体1001に、駆動回路1003からの表示信号が信号線配線1002を通じて供給されるように構成されている。フレキシブル表示体1001は、拡大図に示すように、画素配線1004の交差点に本発明に係る被転写体10がそれぞれ転写されて構成されている。当該被転写体10は、画素の表示素子(例えばEL素子)を含む画素回路が形成されている。駆動回路1003から表示信号を供給することにより、任意の画像Gが表示されるように構成されている。
上記構成において、フレキシブル表示体1001は本発明の転写先基板に相当している。当該フレキシブル表示装置1000の製造時には、予めフレキシブル表示体1001上に画素配線1004を形成しておいてから、個々の画素回路が形成されている被転写体10を本発明の転写方法や回路基板の製造方法に基づいて転写していくことになる。
本実施形態によれば、当該本発明の転写方法や回路基板の製造方法を利用しているので、薄型の電子機器を歩留まりよく提供できる。
なお、上記実施の形態は、本発明の趣旨の範囲で種々に変形して適用することが可能である。
本発明の回路基板の製造工程を示すものであり、(a)は概略斜視図、(b)は(a)のA−A(横方向)切断面における断面図である。 本発明の回路基板の製造工程を示すものであり、(a)は概略斜視図、(b)は(a)の横方向切断面における断面図である。 本発明の回路基板の製造工程を示すものであり、(a)は概略斜視図、(b)は(a)の横方向切断面における断面図である。 本発明の回路基板の製造工程を示すものであり、(a)は概略斜視図、(b)は(a)の横方向切断面における断面図である。 本発明の回路基板の製造工程を示すものであり、(a)は概略斜視図、(b)は(a)の横方向切断面における断面図である。 本発明の回路基板の製造工程を示すものであり、(a)は概略斜視図、(b)は(a)の横方向切断面における断面図である。 本発明の回路基板の製造工程を示すものであり、(a)は概略斜視図、(b)は(a)の横方向切断面における断面図である。 (a)は本実施形態に係る半導体装置の断面図、(b)は本実施形態に係る集積回路の断面図、(c)はその平面図である。 本実施形態に係る電気光学装置の平面図である。 変形例に係る電子機器の応用例である。 従来の転写方法を説明するための図である。
符号の説明
1・・・転写元基板、2・・・転写先基板、3・・・接着層、10・・・被転写体、11・・・転写対象領域、13・・・囲み枠、14・・・撥液領域、15・・・親液領域、17・・・流路、20・・・走査線駆動回路、30・・・データ線駆動回路、40・・・表示領域、50・・・電気光学装置、100・・・基板、101・・・剥離層、102・・・被転写層、103・・・絶縁膜、104・・・ゲート絶縁膜、105・・・層間絶縁膜、106・・・ゲート電極、107・・・電極、108・・・チャネル領域、109・・・ドレイン領域、110・・・保護層、120・・・接着層、200・・・集積回路、201・・・メモリセルアレー、202・・・アドレスバッファ、203・・・行デコーダ、204・・・ワードドライバ、205・・・アドレスバッファ、206・・・列デコーダ、207・・・列選択スイッチ、208・・・入出力回路、209・・・制御回路、1000・・・フレキシブル表示装置、1001・・・フレキシブル表示体、1002・・・信号線配線、1003・・・駆動回路、1004・・・画素配線、L・・・光、W1〜W4・・・空気流

Claims (11)

  1. 1以上の被転写体が形成されている第1基材上の転写対象領域の外周に撥液処理を施す工程と、
    前記転写対象領域に接着剤を充填し、接着層を形成する工程と、
    前記接着層を介して前記第1基材と第2基材とを接合する工程と、
    前記接着層を硬化させる工程と、
    前記第1基材と前記第2基材とを離隔して、前記接着層により前記第2基材に接着された被転写体を前記第2基材に転写する工程と、
    を備えたことを特徴とする被転写体の転写方法。
  2. 前記接着層を形成する工程に先立ち、前記転写対象領域に親液処理を施す工程を含む、請求項1に記載の転写方法。
  3. 前記撥液処理を施す工程が、前記転写対象領域の外周に撥液材料を配置する工程である、請求項1又は請求項2に記載の転写方法。
  4. 前記撥液材料がアモルファスシリコンである、請求項3に記載の転写方法。
  5. 前記撥液処理を施す工程が、前記被転写体間を区画する流路が形成されるように前記転写対象領域の外周に撥液処理を施す工程である、請求項1乃至4のいずれかに記載の転写方法。
  6. 前記転写する工程が、前記流路に物理的作用を施すことにより、前記第1基材を前記第2基材より離隔する工程を含む、請求項5に記載の転写方法。
  7. 前記物理的作用が、前記流路に流体を供給することにより及ぼされる、請求項6に記載の転写方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の転写方法を使用して、前記被転写体を転写する工程を含むことを特徴とする転写物の製造方法。
  9. 前記被転写体が薄膜素子であり、請求項1乃至7のいずれかに記載の転写方法を使用して、当該薄膜素子を転写する工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
  10. 請求項9に記載の製造方法により製造した回路基板を備えた電気光学装置。
  11. 請求項9に記載の製造方法により製造した回路基板を備えた電子機器。
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