JP2006244543A - 光ディスク装置および光ディスク装置の制御方法 - Google Patents

光ディスク装置および光ディスク装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光ディスク装置の構成を過大かつ複雑化することなく、安定した状態で光ディスクまたは光ピックアップをスレッドサーボ制御することを可能にする。
【解決手段】送り速度計算回路52は、光ディスクDKの回転速度と同光ディスクDKのトラックピッチとを用いて、光ディスクDKを径方向に変位させる送り速度を計算する。平滑化フィルタ37は、トラッキングサーボ信号を用いて、対物レンズ25の中立位置からのずれ量を検出する。送り速度補正回路53は、平滑化フィルタ37により検出された対物レンズ25の中立位置からのずれ量に基づいて送り速度計算回路52により計算された送り速度を補正する。フィードモータ駆動回路17は、補正された送り速度によってフィードモータ12を回転駆動して光ディスクDKを径方向に変位させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、CD,DVDなどの光ディスクに信号を記録し、または光ディスクに記録された信号を再生する光ディスク装置および光ディスク装置の制御方法に関する。
一般に、CD,DVDなどの光ディスクに信号を記録し、または光ディスクに記録された信号を再生する光ディスク装置においては、光ディスクに信号を記録しまたは同光ディスクから信号を再生する際、光ディスクに対物レンズを介してレーザ光を照射して光ディスクのトラック上に光スポットを形成させている。この場合、光スポットが光ディスクのトラック上を正確に追従するように対物レンズのトラッキングサーボ制御および光ディスクまたは光ピックアップのスレッドサーボ制御が行われている。
対物レンズのトラッキングサーボ制御は、主として光ディスクの振動および光ディスクの偏心に対して、光スポットが光ディスクのトラック中心に常に位置するように対物レンズを光ディスクの径方向に微動させる制御である。このトラッキングサーボ制御は、光スポットのトラック中心からのずれ量を表すトラッキングエラー信号に基づいて行われる。また、光ディスクまたは光ピックアップのスレッドサーボ制御は、光ディスク上にらせん状に形成されたトラック上を光スポットが追従するように光ディスクまたは光ピックアップを相対的に広範囲に亘って変位させるとともに、対物レンズを常に中立位置近傍で光ディスクの径方向に変動させるようにする制御である。このスレッドサーボ制御は、対物レンズの中立位置からのずれ量を表す信号、具体的には、前記トラッキングエラー信号をローパスフィルタ処理して直流成分(正確には低周波数成分を含んだ直流成分)を抽出したスレッドサーボ制御信号に基づいて行われる。
このスレッドサーボ制御信号には、主として光ディスクの偏心に起因する低周波数成分が含まれている。このため、光ディスクを高倍速(基準速度に対して2倍速、4倍速など)で回転させた場合、スレッドサーボ制御に用いるためのアクチュエータ(例えば、フィードモータ)が、この低周波数成分に応答せず、正確なスレッドサーボ制御が行われないという問題があった。この問題を解決するため、例えば、下記特許文献1に示す光ディスク装置においては、トラッキングエラー信号の交流成分を除去して、直流成分のみからなるスレッドサーボ制御信号に基づいて光ピックアップのスレッドサーボ制御を行っている。具体的には、トラッキングエラー信号の1周期における振幅の瞬時値を複数サンプリングし、同複数サンプリングされた瞬時値をサンプリング数で除して、すなわち平均値を計算して直流信号を生成している。
特開平11−353677号公報
しかしながら、トラッキングエラー信号を精度良く平均化するためには、サンプリング数を増やす必要がある。この場合、サンプリングされる瞬時値を記憶する遅延メモリの数も増加するため、回路構成が複雑化する。このため、光ディスク装置の構成を過大かつ複雑なものとしているという問題があった。
本発明は前記問題に対処するためなされたもので、その目的は、光ディスク装置の構成を過大かつ複雑化することなく、安定した状態で光ディスクまたは光ピックアップをスレッドサーボ制御することが可能な光ディスク装置および光ディスク装置の制御方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の特徴は、光ディスクを回転させる回転装置と、光ディスクに向けてレーザ光を出射するレーザ光源、同出射されたレーザ光を光ディスク上に集光して光スポットを形成する対物レンズ、前記光スポットによる光ディスクからの反射光を受光して受光信号を出力するフォトディテクタ、および対物レンズを光ディスクの径方向に変位させるトラッキングアクチュエータを有する光ピックアップと、フォトディテクタから出力された受光信号に基づいて、光スポットのトラック中心からのずれ量を表すトラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成回路と、光スポットが光ディスクのトラックに追従するようにトラッキングアクチュエータをトラッキングエラー信号に基づいてフィードバック制御するトラッキングサーボ制御回路と、回転装置または光ピックアップを駆動して光スポットを光ディスクに対して径方向に相対移動させる径方向アクチュエータとを備えた光ディスク装置において、回転装置による光ディスクの回転速度を計算する回転速度計算手段と、回転速度計算手段により計算された光ディスクの回転速度と予め設定された光ディスクのトラックピッチとを用いて、光スポットを光ディスクに対して相対移動させるための送り速度を計算する送り速度計算手段と、記送り速度計算手段により計算された送り速度に応じて径方向アクチュエータを駆動制御する径方向アクチュエータ駆動手段とを備えたことにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、光ディスクの回転速度と同光ディスクのトラックピッチとを用いて光ピックアップを光ディスクに対して相対的に移動させるための送り速度を計算し、この送り速度に応じて径方向アクチュエータを駆動させている。これにより、光ディスク上に形成される光スポットのトラック中心からのずれ量とは無関係に、前記計算された送り速度によって光ピックアップの光ディスクに対する相対移動が行われる。すなわち、対物レンズのトラッキングサーボ制御とは独立して光ピックアップまたは光ディスクのスレッドサーボ制御が行われる。これにより、スレッドサーボ制御のためのスレッドサーボ制御信号には、光ディスクの偏心に起因した低周波数成分が含まれることがなく、光ピックアップまたは光ディスクのスレッドサーボ制御が的確に行われる。また、この送り速度は、光ディスクの回転速度および同光ディスクのトラックピッチを用いて計算することができ、簡単な回路構成で実現できるものである。この結果、光ディスク装置の構成を複雑化することなく、安定した状態で光ディスクまたは光ピックアップをスレッドサーボ制御することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記光ディスクのトラックピッチのバラツキにより生じる中立位置からの対物レンズのずれ量を検出するために、トラッキングエラー信号をローパスフィルタ処理するローパスフィルタ手段と、ローパスフィルタ手段によって検出されたずれ量に基づいて、前記計算された送り速度を補正する送り速度補正手段とを備えたことにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、中立位置からの対物レンズのずれ量に基づいて前記送り速度を補正することができる。これにより、トラックピッチにバラツキがある光ディスクにおいても、精度良く光ディスクまたは光ピックアップをスレッドサーボ制御することができる。
また、本発明の他の特徴は、トラッキングアクチュエータによる対物レンズの変位量を検出して、同変位量を表す変位量検出信号を出力する変位量検出手段と、光ディスクのトラックピッチのバラツキにより生じる中立位置からの前記対物レンズのずれ量を検出するために、変位量検出信号をローパスフィルタ処理するローパスフィルタ手段と、ローパスフィルタ手段によって検出されたずれ量に基づいて、前記計算された送り速度を補正する送り速度補正手段とを備えたことにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、前記と同様に中立位置からの対物レンズのずれ量に基づいて前記送り速度を補正することができる。これにより、トラックピッチにバラツキがある光ディスクにおいても、精度良く光ディスクまたは光ピックアップをスレッドサーボ制御することができる。
また、本発明の他の特徴は、径方向アクチュエータの相対移動による光ディスクに対する対物レンズの中立位置の径方向相対位置を検出する径方向位置検出手段と、フォトディテクタから出力された受光信号を用いて、光ディスク上のアドレス情報を検出するアドレス情報検出手段と、アドレス情報検出手段により検出されたアドレス情報を用いて、光ディスクに対する対物レンズの光軸の径方向位置を計算する径方向位置計算手段と、径方向位置検出手段により検出された対物レンズの中立位置の径方向相対位置と径方向位置計算手段により計算された対物レンズの光軸の径方向位置とのずれ量を計算するずれ量計算手段と、ずれ量計算手段により計算されたずれ量に基づいて、送り速度を補正する送り速度補正手段とを備えたことにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、径方向アクチュエータによる対物レンズの中立位置の光ディスクに対する径方向相対位置と、光ディスクに記録されたアドレス情報から計算した対物レンズの光軸の径方向位置とのずれ量、すなわち、中立位置からの対物レンズのずれ量に基づいて前記送り速度を補正することができる。この結果、前記と同様にトラックピッチにバラツキがある光ディスクにおいても、精度良く光ディスクまたは光ピックアップをスレッドサーボ制御することができる。
また、本発明は装置の発明として実施できるばかりでなく、方法の発明としても実施できるものである。
以下、本発明に係る光ディスク装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、CD,DVD,ブルーレイディスク(Blu-Ray Disk)などの光ディスクDKを検査する光ディスク検査装置の概略図である。光ディスク検査装置は、光ディスクDKの記録層に所定の検査用信号を記録し、同記録された検査用信号を再生して光ディスクDKの良否判定を行う装置である。この光ディスク検査装置は、光ディスクDKを回転駆動する回転駆動装置10と光ディスクDKにレーザ光を照射するとともに同照射による光ディスクDKからの反射光を受光する光ピックアップ20とを備えている。
回転駆動装置10は、光ディスクDKを回転駆動するためのスピンドルモータ11および光ディスクDKを径方向に移動させるフィードモータ12を備えている。スピンドルモータ11の回転軸11bにはターンテーブル13が固定されており、同ターンテーブル13上に光ディスクDKが着脱可能に組み付けられるようになっている。
スピンドルモータ11内には、スピンドルモータ11の回転すなわちターンテーブル13(光ディスクDK)の回転を検出して、同回転を表す回転検出信号を出力するエンコーダ11aが組み込まれている。この回転検出信号は、ターンテーブル13(光ディスクDK)の回転位置が一つの基準回転位置に来るごとに発生されるz相信号φZと、所定の微小な回転角度ずつハイレベルとローレベルを繰返すパルス列信号とからなるとともに互いにπ/2だけ位相のずれたA相信号φAおよびB相信号φBとからなる。これらの回転検出信号φZ,φA,φBは、後述する回転速度計算回路51に出力され、同回転速度計算回路51にてスピンドルモータ11すなわち光ディスクDKの回転速度の検出に用いられる。
スピンドルモータ11の回転は、スピンドルモータ制御回路14によって制御される。スピンドルモータ制御回路14は、後述するウォブル信号取出し回路36から供給されるウォブル信号または後述するクロック信号生成回路43から供給されるクロック信号を用いて、光ディスクDK上の光スポットが線速度一定で同光ディスクDKに対して移動するように、スピンドルモータ11の回転速度を制御する。具体的には、ウォブル信号から生成したパルス列信号と基準クロック信号とが同期するように、または、クロック信号と基準クロック信号とが同期するように、スピンドルモータ11の回転を制御する。また、このスピンドルモータ制御回路14には、後述するコントローラ60からの速度制御信号も入力されて、同速度制御信号により、光ディスクDK上の光スポットの線速度が切換えられる(例えば、基準速度に対して2倍速度、4倍速度など)ようになっている。この場合、前記基準クロック信号の周波数を逓倍して、同逓倍された基準クロック信号と前記ウォブル信号または前記クロック信号との同期をとるようにすればよい。
フィードモータ12は、スクリューロッド15を介して、スピンドルモータ11を固定支持するとともに光ディスクDKの径方向の移動のみが許容された支持部材16に連結されている。スクリューロッド15は、その一端にてフィードモータ12の回転軸に一体回転するように連結され、その他端に支持部材16に固着されたナット(図示しない)に螺合している。したがって、フィードモータ12が回転すると、スピンドルモータ11、ターンテーブル13および支持部材16はスクリューロッド15およびナットからなるねじ送り機構により光ディスクDKの径方向に変位する。
フィードモータ12内にも、フィードモータ12の回転を検出して、前記エンコーダ11aと同様な回転検出信号φZ,φA,φBを出力するエンコーダ12aが組み込まれている。このエンコーダ12aからの回転検出信号φZ,φA,φBは、後述する半径位置検出回路54に供給され、同半径位置検出回路54にて光スポットが形成される光ディスクDK上の径方向相対位置の検出に用いられる。また、フィードモータ12の回転は、フィードモータ駆動回路17によって制御される。
フィードモータ駆動回路17は、後述する送り速度補正回路53から出力される送り速度指令信号およびフィードモータ作動制御回路55から出力される作動制御信号に基づいて、フィードモータ12を回転駆動する。ここで、送り速度指令信号は、スピンドルモータ11、ターンテーブル13および支持部材16を光ディスクDKの径方向に変位させる送り速度を表し、作動制御信号は、フィードモータ12の作動の開始、停止および回転方向を表している。したがって、フィードモータ駆動回路17は、作動制御信号に基づいてフィードモータ12の作動の開始および停止を制御する。この場合、フィードモータ12の回転方向は、同作動制御信号によって表された回転方向であり、フィードモータ12の回転速度は、送り速度指令信号によって表された送り速度に対応する回転速度である。なお、フィードモータ駆動回路17は、後述する送り速度補正回路53からの送り速度指令信号の入力がない場合、(すなわち、スレッドサーボ制御がされていないときの光ディスクDKの径方向変位の場合)には、所定の送り速度によってフィードモータ12を回転駆動する。
光ピックアップ20は、レーザ光源21、コリメートレンズ22、偏光ビームスプリッタ23、1/4波長板24、対物レンズ25、凸レンズ26、シリンドリカルレンズ27およびフォトディテクタ28を備えている。そして、この光ピックアップ20においては、レーザ光源21からのレーザ光を、コリメートレンズ22、偏光ビームスプリッタ23、1/4波長板24及び対物レンズ25を介して、光ディスクDKに集光させ、光ディスクDK上に光スポットを形成する。また、この光ディスクDKに形成された光スポットからの反射光は、対物レンズ25、1/4波長板24、偏光ビームスプリッタ23、凸レンズ26及びシリンドリカルレンズ27を介して、フォトディテクタ28に導かれて受光される。フォトディテクタ28は、分割線で区切られた4つの同一正方形状の受光素子からなる4分割受光素子によって構成されており、各受光素子は受光量に比例した検出信号A,B,C,Dをそれぞれ受光信号として出力する。なお、検出信号A,B,C,Dは、左上から時計回りに配置された各受光素子の受光量を表している。
また、この光ピックアップ20は、トラッキングアクチュエータ29も備えている。トラッキングアクチュエータ29は、対物レンズ25を光ディスクDKの径方向に微動させて光スポットを光ディスクDKのトラック中心に正確に形成させる。また、この光ピックアップ20のレーザ光源21には、レーザ光源21の作動を制御するため、レーザ駆動回路31が接続されている。なお、この光ピックアップ20には、対物レンズ25のフォーカスサーボ制御のために対物レンズ25を光軸方向に変位させるフォーカスアクチュエータも備えているが、このフォーカスアクチュエータは本発明に直接関係しないので、その説明を省略する。
フォトディテクタ28には、HF信号増幅回路32が接続されている。HF信号増幅回路32は、フォトディテクタ28から出力されたそれぞれの受光信号A〜Dを増幅して、トラッキングエラー信号生成回路33および再生信号生成回路41にそれぞれ出力する。トラッキングエラー信号生成回路33は、HF信号増幅回路32を介してフォトディテクタ28からの検出信号A〜Dを用いた演算(具体的には、(A+B)−(C+D)の演算)により、光スポットのトラック中心からのずれ量を表すトラッキングエラー信号を生成して、トラッキングサーボ回路34およびウォブル信号取出し回路36に出力する。
トラッキングサーボ回路34は、トラッキングエラー信号に基づいてトラッキングサーボ信号を生成してドライブ回路35および平滑化フィルタ37に出力する。ドライブ回路35は、トラッキングサーボ信号に応じてトラッキングアクチュエータ29を駆動制御して、対物レンズ25を光ディスクDKの径方向に変位させる。なお、この光ディスク検査装置には、フォトディテクタ28から出力される前記受光信号A〜Dを用いて、対物レンズ25をフォーカスサーボ制御するためのフォーカスエラー信号生成回路、フォーカスサーボ回路およびドライブ回路を備えているが、本発明に直接関係しないので、その説明を省略する。
ウォブル信号取出し回路36は、バンドパスフィルタで構成され、トラッキングエラー信号からウォブル信号を取り出してスピンドルモータ制御回路14に出力する。このウォブル信号は、前述したように、スピンドルモータ制御回路14において、光ディスクDKを線速度一定で回転させるために用いられる。また、平滑化フィルタ37は、ローパスフィルタで構成され、トラッキングサーボ回路34にて生成されたトラッキングサーボ信号を用いて、中立位置からの対物レンズ25のずれ量を表すずれ量検出信号を生成して送り速度補正回路53に出力する。具体的には、通常のスレッドサーボ制御時より交流成分を除去する所定のカットオフ周波数(例えば、数Hz程度)にてトラッキングサーボ信号から直流成分を抽出する。この場合、対物レンズ25が中立位置に対して光ディスクDKの外周側に位置している場合には、ずれ量検出信号の極性はプラス極性となり、対物レンズ25が中立位置に対して光ディスクDKの内周側に位置している場合には、ずれ量検出信号の極性はマイナス極性となる。なお、前記中立位置とは、対物レンズ25のトラッキングサーボ制御時における可動可能範囲の中心位置である。
再生信号生成回路41は、HF信号増幅回路31からの受光信号に基づいて再生信号(フォトディテクタ28からの受光信号A〜Dの合算信号A+B+C+DからなるSUM信号)を生成し、2値化回路42に出力する。2値化回路42は、再生信号生成回路41から出力された再生信号を2値化、すなわちパルス列信号に変換してクロック信号生成回路43に出力する。クロック信号生成回路43は、PLL回路で構成され2値化回路42から出力された2値化された再生信号に基づいてクロック信号を生成してスピンドルモータ制御回路14に出力する。このクロック信号は、前述したように、スピンドルモータ制御回路14において、光ディスクDKを線速度一定で回転させるために用いられる。
回転速度計算回路51は、スピンドルモータ11内のエンコーダ11aから出力される回転検出信号φZ,φA,φBを用いて、スピンドルモータ11すなわち光ディスクDKの回転速度を計算して、同計算した回転速度を表す信号を送り速度計算回路52に出力する。送り速度計算回路52は、回転速度計算回路51によって計算された光ディスクDKの回転速度とコントローラ60によって予め設定される光ディスクDKのトラックピッチとを用いて、光ディスクDKの送り速度を計算して送り速度補正回路53に出力する。具体的には、回転速度計算回路51によって計算された光ディスクDKの回転速度(rps)を用いて、同光ディスクDKが1回転するために必要な時間(1/回転速度(rps))を計算し、光ディスクDKのトラックピッチ(μm)を同計算した時間(1/回転速度(rps))で除して送り速度(μm/s)を計算する。
送り速度補正回路53は、平滑化フィルタ37から出力される中立位置からの対物レンズ25のずれ量を表すずれ量検出信号に基づいて、送り速度計算回路52によって計算された送り速度を補正して送り速度指令信号を生成する。具体的には、ずれ量検出信号が表すずれ量が「0」になるように送り速度を増減させる。この場合、光ディスクDKのトラックが内側から外側に向かってらせん状に形成された順方向スパイラルの光ディスクにおいては、ずれ量検出信号がプラス極性、すなわち、対物レンズ25が中立位置に対して光ディスクDKの外周側に位置している場合には、送り速度を所定の割合だけ増加させる。また、ずれ量検出信号がマイナス極性、すなわち、対物レンズ25が中立位置に対して光ディスクDKの内周側に位置している場合には、送り速度を所定の割合だけ減少させる。
また、光ディスクDKのトラックが外側から内側に向かってらせん状に形成された逆方向スパイラルの光ディスクにおいては、ずれ量検出信号がプラス極性の場合には、送り速度を所定の割合だけ減少させる。また、ずれ量検出信号がマイナス極性の場合には、送り速度を所定の割合だけ増加させる。この送り速度補正回路53は、生成した送り速度指令信号をフィードモータ駆動回路17に出力する。フィードモータ駆動回路17は、前記したように、この送り速度指令信号に対応する回転数によりフィードモータ12を回転駆動する。これにより、スピンドルモータ11、ターンテーブル13および支持部材16、すなわち光ディスクDKは、送り速度指令信号が表す送り速度によって同光ディスクDKの径方向に変位する。
半径位置検出回路54は、フィードモータ12内のエンコーダ12aから出力される回転検出信号φZ,φA,φBを用いて、光ピックアップ20により形成される光スポットの光ディスクDKに対する径方向相対位置(すなわち半径)を検出して、同径方向相対位置を表す信号をフィードモータ作動制御回路55に出力する。具体的には、回転検出信号のパルス数をカウントして、光ディスクDKの駆動方向と移動距離を計算する。そして、光ディスクDKの光ピックアップ20に対する所定の基準位置に、同計算した移動距離を駆動方向に応じて加減して径方向相対位置を計算する。ここで所定の基準位置とは、フィードモータ12の駆動限界位置であり、光ディスクDKの径方向における位置が予め測定された位置である。半径位置検出回路54は、コントローラ60から出力される光ディスクDKの基準位置への復帰を表す信号を入力した後、エンコーダ12aから出力される回転検出信号が変化しなくなるとフィードモータ12の駆動限界に達したと判定し、回転検出信号のパルス数のカウント値をリセットする。そして、この基準位置からパルス数のカウントを開始して径方向相対位置を表す信号の出力をする。
フィードモータ作動制御回路55は、コントローラ60に制御されて、フィードモータ駆動回路17を介してフィードモータ12の作動を制御する。具体的には、コントローラ60によって設定される径方向目標位置と半径位置検出回路54によって検出される光スポットの径方向相対位置とに基づいて、フィードモータ12の回転方向を特定し、同特定した回転方向を表す作動制御信号をフィードモータ駆動回路17に出力する。径方向目標位置は、光ディスクDK上の径方向において、光スポットを位置決めさせる目標となる位置である。したがって、作動制御信号は、光スポットが光ディスクDK上の現在位置から径方向目標位置に向かうための光ディスクDKの駆動方向に対応するフィードモータ12の回転方向を表している。この作動制御信号は、径方向目標位置と径方向相対位置との差が「0」となるまでフィードモータ駆動回路17に出力される。これにより、光ディスクDK上に形成される光スポットが、現在位置から径方向目標位置まで送り速度指令信号が表す送り速度によって変位する。すなわち、光ディスクDKは光ピックアップ20に対して広範囲に亘って変位するスレッドサーボ制御されることになる。なお、フィードモータ作動制御回路55は、径方向目標位置と径方向半径位置との差が「0」になったとき、コントローラ60に径方向目標位置に達したことを表す信号を出力する。また、フィードモータ作動制御回路55は、半径位置検出回路54から出力される径方向相対位置を表す信号の入力がない場合には、基準位置の方向へ光ディスクDKを移動するための回転方向を表す作動制御信号を出力する。
コントローラ60は、CPU、ROM、RAM、ハードディスクなどからなるマイクロコンピュータによって構成されており、キーボード、マウスなどからなる入力装置61からの指示に従って図示しないプログラムを実行することにより光ディスクDKの検査を行うとともに、同検査の実行過程および実行結果を、CRT(または液晶ディスプレイ)、プリンタなどからなる出力装置62に適宜表示させる。また、コントローラ60は、作業者により設定される光ディスクDKの回転速度(線速度)および光ディスクDKのトラックピッチをスピンドルモータ制御回路14および送り速度計算回路52にそれぞれ設定する。なお、このコントローラ60には、スピンドルモータ制御回路14、レーザ駆動回路31、送り速度計算回路52、半径位置検出回路54およびフィードモータ作動制御回路55が、それぞれの作動制御のために接続されている。
上記のように構成した実施形態の作動について説明する。作業者は、図示しない電源スイッチの投入により、コントローラ60を含む光ディスク検査装置の各種回路の作動を開始させる。そして、検査対象となる未記録面を持つ光ディスクDKをターンテーブル13の上に載せて、同光ディスクDKをターンテーブル13上に固定する。次に、作業者は、入力装置61を操作して光ディスクDKの検査をコントローラ60に指示する。なお、本実施形態においては、光ディスクDKのトラックが順方向スパイラルの光ディスクを用いて説明するが、光ディスクDKのトラックが逆方向スパイラルの光ディスクであってもよい。
作業者は、この光ディスクDKの検査の指示に際して、入力装置61を介して光ディスクDKの所定の回転速度(基準速度に対して、例えば4倍速)および検査対象となる光ディスクDKのトラックピッチをコントローラ60に指示する。ここで、光ディスクDKのトラックピッチは、CDの場合1.6μm、DVDの場合0.74μm、ブルーレイディスクの場合0.32μmにそれぞれ規格化されている。なお、これらの各光ディスクDKは、製造上のバラツキによりトラックピッチにバラツキが存在するため、より高精度に光スポットをトラックに追従させるために、予め検査対象となる光ディスクDKのトラックピッチを測定し、同測定されたトラックピッチを用いてもよい。
この光ディスクDKの検査の指示に応答してコントローラ60は、図示しないプログラムを実行することにより、光ディスクDKの検査を開始する。まず、コントローラ60は、光ディスクDKの所定の記録領域に検査用信号を記録する。具体的には、コントローラ60は、検査用信号の記録を開始する光ディスクDK上の位置(記録開始径方向位置)を径方向目標位置としてフィードモータ作動制御回路55に指示する。この指示に応答して、フィードモータ作動制御回路55は、フィードモータ駆動回路17を介してフィードモータ12の回転を制御し、光ディスクDKを同径方向目標位置に位置決めさせる。
具体的には、フィードモータ作動制御回路55は、光ディスクDKを所定の基準位置に復帰させるためのフィードモータ12の回転方向を表す作動制御信号をフィードモータ駆動回路17に出力する。これは、フィードモータ作動制御回路55が同指示を受けた段階では、フィードモータ作動制御回路55には、半径位置検出回路54からの径方向相対位置を表す信号の入力がないため、まず光ディスクDKを所定の基準位置に復帰させるためである。そして、光ディスクDKが所定の基準位置に復帰し、半径位置検出回路54からの径方向相対位置を表す信号を入力した後、同径方向目標位置と半径位置検出回路54によって検出された光ディスクDKの径方向相対位置との差が「0」になるまで光ディスクDKを変位させる。これにより、光ピックアップ20から出射されるレーザ光が、前記所定の記録領域の記録開始径方向位置に位置決めされる。
次に、コントローラ60は、レーザ駆動回路31を介してレーザ光源21からレーザ光を出射させるとともに、作業者により指示された光ディスクDKの回転速度を表す速度制御信号をスピンドルモータ制御回路14に出力する。レーザ光源21から出射されたレーザ光は、コリメートレンズ22、偏光ビームスプリッタ23、1/4波長板24および対物レンズ25を介して光ディスクDK上に光スポットを形成し、同光ディスクDKを反射した反射光は、対物レンズ25、1/4波長板24、偏光ビームスプリッタ23、凸レンズ26およびシリンドリカルレンズ27を介してフォトディテクタ28によって受光される。フォトディテクタ28は、受光量に対応する受光信号に変換してHF信号増幅回路32を介してトラッキングエラー信号生成回路33および再生信号生成回路41にそれぞれ出力する。
トラッキングエラー信号生成回路33は、トラッキングエラー信号を生成してトラッキングサーボ回路34およびウォブル信号取出し回路36にそれぞれ出力する。トラッキングサーボ回路34は、トラッキングエラー信号からトラッキングサーボ信号を生成しドライブ回路35を介してトラッキングアクチュエータ29を駆動制御して、対物レンズ29をトラッキングサーボ制御する。また、トラッキングサーボ回路34は、生成したトラッキングサーボ信号を平滑化フィルタ37に出力する。ウォブル信号取出し回路36は、トラッキングエラー信号からウォブル信号を抽出して、スピンドルモータ制御回路14に出力する。また、平滑化フィルタ37は、トラッキングサーボ信号を直流化してずれ量検出信号として送り速度補正回路53に出力する。
再生信号生成回路41は、受光信号に基づいて再生信号を生成し2値化回路42に出力する。2値化回路42は、再生信号を2値化してクロック信号生成回路43に出力する。クロック信号生成回路43は、2値化された再生信号からクロック信号を生成してスピンドルモータ制御回路14に出力する。
スピンドルモータ制御回路14は、コントローラ60から出力される速度制御信号が表す回転速度でスピンドルモータ11の回転を開始させるとともに、ウォブル信号取出し回路36から出力されるウォブル信号またはクロック信号生成回路43から出力されるクロック信号を用いて、スピンドルモータ11の回転速度を制御する。これにより、光ディスクDKは、所定の回転速度(基準速度に対して、例えば4倍速)で回転を開始するとともに、光ディスクDKに形成される光スポットが線速度または角速度が一定となるように回転制御される。
また、コントローラ60は、作業者により指示された光ディスクDKのトラックピッチを表す信号を送り速度計算回路52に出力する。送り速度計算回路52には、回転速度計算回路51からスピンドルモータ11(光ディスクDK)の回転速度が供給されており、送り速度計算回路52は、同スピンドルモータ11(光ディスクDK)の回転速度と前記光ディスクDKのトラックピッチとを用いて、光ディスクDKの送り速度を計算して送り速度補正回路53に出力する。送り速度補正回路53は、平滑化フィルタ37から出力されたずれ検出信号に基づいて、送り速度計算回路52から出力された送り速度を補正して送り速度指令信号としてフィードモータ駆動回路17に出力する。この場合、送り速度指令信号の表す送り速度は、前記したように、ずれ量検出信号がプラス極性場合には、送り速度を所定の割合だけ増加させた値となり、ずれ量検出信号がマイナス極性場合には、送り速度を所定の割合だけ減少させた値となる。
次に、コントローラ60は、レーザ駆動回路31を介してレーザ光源21から検査用信号に対応するレーザ光を出射させるとともに、フィードモータ作動制御回路55に検査用信号の記録を終了する光ディスクDK上の位置(記録終了径方向位置)を径方向目標位置として指示する。これにより、レーザ光源21から検査用信号が出射されるとともに、光ディスクDKのスレッドサーボ制御が開始される。具体的には、フィードモータ作動制御回路55は、コントローラ60により設定された径方向目標位置と半径位置検出回路54によって検出される光スポットの径方向相対位置とを用いて、フィードモータ12の回転方向を表す作動制御信号を生成してフィードモータ駆動回路17に出力する。フィードモータ駆動回路17は、作動制御信号が表す回転方向で送り速度指令信号が表す送り速度に対応する回転速度によってフィードモータ12を回転させる。これにより、光ディスクDKに形成される光スポットは、前記記録開始径方向位置から前記記録終了径方向位置に向かって、送り速度指令信号が表す送り速度によって変位する。
この場合、光ディスクDK上に形成される光スポットは、対物レンズ25のトラッキングサーボ制御により、常にトラック上を追従するように制御される。また、同トラッキングサーボ制御に用いられるトラッキングサーボ信号は、平滑化フィルタ37に連続的に供給され、平滑化フィルタ37は、同トラッキングサーボ信号に基づいてずれ検出信号を生成して送り速度補正回路53に連続的に出力する。送り速度補正回路53は、このずれ検出信号に基づいて送り速度を連続的に補正する。これにより、光ディスクDKのトラックピッチにバラツキが存在することによって、トラック中心と対物レンズ25の中立位置との間にずれが生じた場合であっても、中立位置からの対物レンズ25のずれ量に基づいて前記送り速度が適宜補正されてトラック中心と対物レンズ25の中立位置との間のずれが解消されるように制御される。すなわち、対物レンズ25が、常に中立位置近傍でトラッキングサーボ制御されるように制御される。
このように光ディスクDKの送り速度が制御された状態で、光ディスクDKに対して検査用信号の記録が行われる。この検査用信号の記録は、フィードモータ作動制御回路55において、前記径方向目標位置と前記径方向相対位置との差が「0」となるまで、すなわち、光スポットの径方向相対位置がコントローラ60から指示された径方向目標位置(記録終了径方向位置)に一致するまで実行される。そして、光スポットの径方向相対位置が径方向目標位置(記録終了径方向位置)に一致した場合には、フィードモータ作動制御回路55は、フィードモータ駆動回路17に対する作動制御信号の出力を停止する。これにより、フィードモータ駆動回路17は、フィードモータ12の駆動を停止させる。また、コントローラ60は、フィードモータ作動制御回路55から出力される径方向目標位置に達したことを表す信号を入力することにより、レーザ駆動回路31を介してレーザ光源21からレーザ光の出射を停止させる。これにより、検査用信号の記録は終了する。
次に、コントローラ60は、光ディスクDKに記録された検査用信号を再生して光ディスクDKの評価を行う。具体的には、コントローラ60は、光ディスクDK上の検査用信号が記録された前記記録開始径方向位置に、前記と同様にして光ピックアップ20が位置するように光ディスクDKを位置決めさせる。そして、レーザ光源21から再生用のレーザ光を出射させた状態で、前記と同様にして、光ディスクDKの送り速度を制御しながら光スポットを前記記録開始径方向位置から前記記録終了径方向位置に向かって変位させる。この場合、作業者は、出力装置62に表示される検査用信号を再生結果に基づいて光ディスクDKの良否判定を行う。この光ディスクDKの評価については、本発明に関わらないためその説明は省略する。そして、他の光ディスクDKの検査を実行する場合には、ターンテーブル上に新たな光ディスクDKを載置固定して、同様に検査を行う。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、光ディスクDKの回転速度と同光ディスクDKのトラックピッチとを用いて、光ディスクDKを光ピックアップ20に対して移動させるための送り速度を計算し、同送り速度を中立位置からの対物レンズ25のずれ量に基づいて補正している。そして、この補正された送り速度に対応する回転数によってフィードモータ17を回転駆動させて、光ディスクDKのスレッドサーボ制御が行われている。これにより、光ディスクDK上に形成される光スポットのトラック中心からのずれ量とは無関係に、前記計算された送り速度によって光ディスクDKの光ピックアップ20に対する移動が行われる。すなわち、対物レンズ25のトラッキングサーボ制御とは独立して光ディスクDKのスレッドサーボ制御が行われる。これにより、光ディスクDKのスレッドサーボ制御のためのスレッドサーボ制御信号には、光ディスクDKの偏心に起因した低周波数成分が含まれることがなく、光ディスクDKのスレッドサーボ制御が的確に行われる。この場合、光ディスクDKのトラックピッチのバラツキによって、トラック中心から対物レンズ25の中立位置がずれた場合であっても、中立位置からの対物レンズ25のずれ量に応じて前記送り速度が適宜補正されるため、より精度良く光スポットをトラック中心に追従させることができる。また、この送り速度の計算は、複雑な計算を伴わない送り速度計算回路52で実現できるものである。この結果、光ディスク検査装置の構成を複雑化することなく、安定した状態で光ディスクDKをスレッドサーボ制御することができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形が可能である。
上記実施形態においては、中立位置からの対物レンズ25のずれ量を検出するために、トラッキングサーボ信号を直流化する平滑化フィルタ37を用いたが、中立位置からの対物レンズ25のずれ量を検出できれば、これに限定されるものではない。例えば、光ディスクDK上における光スポットの位置を認識するために光ディスクDKに記録されたアドレス情報と半径位置検出回路54によって検出される光ディスクDK上の光スポットの径方向相対位置を用いて前記ずれ量を検出することができる。
具体的には、図1に示される本実施形態に係る光ディスク検査装置の平滑化フィルタ37に代えて、図2に示すように、復号回路44、アドレスデコード回路45、半径位置計算回路46およびずれ量検出回路47をそれぞれ設ける。復号回路44は、2値化回路42から出力される2値化された再生信号を復号してアドレスデコード回路45に出力する。アドレスデコード回路45は、復号回路44によって復号された再生信号を入力して、同再生信号からアドレス情報を抽出するとともにデコードして半径位置計算回路46に出力する。ここで、アドレス情報とは、前記したように、光ディスクDK上における光スポットの位置を認識するために光ディスクDKに記録されたアドレスを示すものであって、所定値ずつ変化する値により表されたアドレス値である。
半径位置計算回路46は、デコードされたアドレス情報を用いて、同アドレス情報が記録されている光ディスクDK上の径方向位置を計算する。具体的には、アドレス情報ADを下記式1に代入してアドレス情報ADが記録されている径方向位置Rを計算する。この場合、Pは光ディスクDKのトラックピッチ、adはアドレス情報ADとは異なる任意のアドレス情報、Bは光ディスクDKの1セクタ当りのチャンネルビット数、Fはチャンネルビットレート、rはアドレス情報adが記録されている径方向位置、spは径方向位置rにおける光ディスクDKの線速度である。この半径位置計算回路46は、コントローラ60に接続されており、前記各パラメータ(P,ad,B,F,r,sp)がコントローラ60によって予め設定されている。また、半径位置計算回路46は、計算した径方向位置Rをずれ量検出回路47に出力する。
={P・(AD−ad)・(B/F)・2・r・sp}+r …式1
ずれ量検出回路47は、半径位置検出回路54によって検出された光スポットの径方向相対位置と半径位置計算回路46によって計算された光スポットの径方向位置とのずれを検出して、同ずれ量を表すずれ検出信号を送り速度補正回路53に出力する。この場合、半径位置検出回路54によって検出される光スポットの径方向相対位置は、光ディスクDK上に形成される光スポットの位置、より正確にいえば、対物レンズ25の中立位置の光ディスクDK上の位置である。また、半径位置計算回路46により計算される光スポットの径方向位置は、光ディスクDK上に記録されたアドレス情報が再生されることにより計算される光スポット、すなわち対物レンズ25の光軸の現実の位置である。すなわち、ずれ検出信号が表すずれ量は、対物レンズ25の光軸の中立位置からのずれ量であり、上記実施形態における平滑化フィルタ37から出力されるずれ検出信号の表すずれ量と同等である。これら以外の構成は、上記実施形態と同様である。
このように構成された光ディスク検査装置の使用に際しては、作業者は、上記実施形態と同様に、検査対象となる光ディスクDKを光ディスク検査装置にセットするとともに、入力装置61を操作して光ディスクDKの検査をコントローラ60に指示する。
この指示に応答してコントローラ60は、光ディスクDK上の検査用信号を記録する前記記録開始径方向位置に、光ピックアップ20が位置するように光ディスクDKを位置決めさせる。そして、レーザ光源21から記録用のレーザ光を出射させて、前記と同様にして、検査用信号の記録を開始する。この場合、2値化回路42から出力される2値化された再生信号は、復号回路44を介してアドレスデコード回路45に供給される。アドレスデコード回路45は、同再生信号からアドレス情報を抽出して半径位置計算回路46に出力する。半径位置計算回路46は、このアドレス情報を用いて光スポットの径方向位置を計算してずれ量検出回路47に出力する。ずれ量検出回路47は、半径位置検出回路54によって検出された光スポット(対物レンズ25の中立位置)の径方向相対位置と半径位置計算回路46によって計算された光スポット(対物レンズ25の光軸)の径方向位置とのずれ量を表すずれ検出信号を送り速度補正回路53に出力する。
送り速度補正回路53は、前記と同様にして、送り速度計算回路52から出力された送り速度を補正してフィードモータ制御回路17に出力する。この場合、光ディスクDKのトラックピッチにバラツキが存在することによって、トラック中心と対物レンズ25の中立位置との間にずれが生じた場合であっても、中立位置からの対物レンズ25のずれ量に基づいて、前記送り速度が適宜補正されてトラック中心と対物レンズ25の中立位置との間のずれが解消されるように制御される。そして、この検査用信号の記録は、フィードモータ作動制御回路55において、前記径方向目標位置と前記径方向相対位置との差が「0」となるまで、すなわち、光スポットの径方向相対位置がコントローラ60から指示された径方向目標位置(記録終了径方向位置)に一致するまで実行される。
上記作動説明からも理解できるように、上記変形例によれば、光ディスクDKに記録されたアドレス情報を用いて計算した光ディスクDK上の光スポット(対物レンズ25の光軸)の径方向位置と半径位置検出回路54によって検出される光スポット(対物レンズ25の中立位置)の径方向相対位置とのずれを用いて中立位置からの対物レンズ25のずれ量を検出している。このため、前記と同様にトラックピッチにバラツキがある光ディスクDKにおいても、精度良く光ディスクDKをスレッドサーボ制御することができる。
また、上記実施形態および上記変形例においては、スピンドルモータ制御回路14は、ウォブル信号取出し回路36から出力されるウォブル信号またはクロック信号生成回路43から出力されるクロック信号を用いて光ディスクDKの線速度を一定に制御したが、これに限定されるものではない。例えば、光ディスクDK上の光スポットの径方向相対位置に基づいて光ディスクDKの線速度を一定に制御するポジションCLV制御を用いるようにしてもよい。この場合、図1の破線に示すように、コントローラ60によって設定される線速度と半径位置検出回路54によって検出される光スポットの径方向相対位置とを用いてスピンドルモータ11の回転速度を計算する回転速度設定回路56を設ける。回転速度設定回路56は、同計算したスピンドルモータ11の回転速度をスピンドルモータ制御回路14に設定する。スピンドルモータ制御回路14は、同設定された回転速度と回転速度計算回路51によって計算されるスピンドルモータ11の回転速度とを用いて、スピンドルモータ11の回転速度を設定された回転速度になるように制御する。この場合、スピンドルモータ制御回路14は、前記ウォブル信号およびクロック信号は不要である。
また、上記実施形態においては、平滑化フィルタ37は、トラッキングサーボ信号を直流化してずれ検出信号を生成するようにしたが、対物レンズ25の径方向の変位量を表す信号であれば、これに限定されるものではない。例えば、光ディスクDKの径方向における対物レンズ25の基準位置からの変位量を検出する径方向位置検出器を対物レンズ25に設け、同径方向位置検出器から検出される変位量を表す変位量検出信号を平滑化フィルタ37に出力するようにしてもよい。これによっても、前記と同様の作用効果を期待できる。
また、上記実施形態および上記変形例においては、光ピックアップ20と光ディスクDKとの径方向相対位置を変化させるために、フィードモータ12、スクリューロッド15、支持部材16などからなるねじ送り機構を用いてスピンドルモータ11及びターンテーブル13を移動させるようにした。しかし、これに代えて、光ピックアップ20全体をねじ送り機構により光ディスクDKの径方向に移動させるようにして、光ピックアップ20と光ディスクDKとの径方向相対位置を変化させるようにしてもよい。
また、上記実施形態および上記変形例においては、光ディスクDKを検査するための光ディスク装置に本発明を適用するようにしたが、本発明は光ディスクDKに信号を記録し、または光ディスクDKに記録されている信号を再生する光ディスク装置の場合にも広く適用できるものである。
本発明の一実施形態に係る光ディスクの検査装置の全体を概略的に示すブロック図である。 本発明の変形例に係る光ディスクの検査装置の全体を概略的に示すブロック図である。
符号の説明
DK…光ディスク、10…回転駆動装置、11…スピンドルモータ、12…フィードモータ、14…スピンドルモータ制御回路、17…フィードモータ制御回路、20…光ピックアップ、21…レーザ光源、25…対物レンズ、28…フォトディテクタ、33…トラッキングエラー信号生成回路、34…トラッキングサーボ制御回路、37…平滑化フィルタ、51…回転速度計算回路、52…送り速度計算回路、53…送り速度補正回路、54…半径位置検出回路、55…フィードモータ作動制御回路、60…コントローラ。

Claims (8)

  1. 光ディスクを回転させる回転装置と、
    前記光ディスクに向けてレーザ光を出射するレーザ光源、同出射されたレーザ光を光ディスク上に集光して光スポットを形成する対物レンズ、前記光スポットによる光ディスクからの反射光を受光して受光信号を出力するフォトディテクタ、および前記対物レンズを光ディスクの径方向に変位させるトラッキングアクチュエータを有する光ピックアップと、
    前記フォトディテクタから出力された受光信号に基づいて、前記光スポットのトラック中心からのずれ量を表すトラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成回路と、
    前記光スポットが光ディスクのトラックに追従するように前記トラッキングアクチュエータを前記トラッキングエラー信号に基づいてフィードバック制御するトラッキングサーボ制御回路と、
    前記回転装置または前記光ピックアップを駆動して前記光スポットを光ディスクに対して径方向に相対移動させる径方向アクチュエータとを備えた光ディスク装置において、
    前記回転装置による光ディスクの回転速度を計算する回転速度計算手段と、
    前記回転速度計算手段により計算された光ディスクの回転速度と前記光ディスクのトラックピッチとを用いて、前記光スポットを光ディスクに対して相対移動させるための送り速度を計算する送り速度計算手段と、
    前記送り速度計算手段により計算された送り速度に応じて前記径方向アクチュエータを駆動制御する径方向アクチュエータ駆動制御手段とを備えたことを特徴とする光ディスク装置。
  2. 請求項1に記載の光ディスク装置において、さらに、
    前記光ディスクのトラックピッチのバラツキにより生じる中立位置からの前記対物レンズのずれ量を検出するために、前記トラッキングエラー信号をローパスフィルタ処理するローパスフィルタ手段と、
    前記ローパスフィルタ手段によって検出されたずれ量に基づいて、前記計算された送り速度を補正する送り速度補正手段とを備えた光ディスク装置。
  3. 請求項1に記載の光ディスク装置において、さらに、
    前記トラッキングアクチュエータによる対物レンズの変位量を検出して、同変位量を表す変位量検出信号を出力する変位量検出手段と、
    前記光ディスクのトラックピッチのバラツキにより生じる中立位置からの前記対物レンズのずれ量を検出するために、前記変位量検出信号をローパスフィルタ処理するローパスフィルタ手段と、
    前記ローパスフィルタ手段によって検出されたずれ量に基づいて、前記計算された送り速度を補正する送り速度補正手段とを備えた光ディスク装置。
  4. 請求項1に記載の光ディスク装置において、さらに、
    前記径方向アクチュエータの相対移動による前記光ディスクに対する前記対物レンズの中立位置の径方向相対位置を検出する径方向位置検出手段と、
    前記フォトディテクタから出力された受光信号を用いて、光ディスク上のアドレス情報を検出するアドレス情報検出手段と、
    前記アドレス情報検出手段により検出されたアドレス情報を用いて、前記光ディスクに対する前記対物レンズの光軸の径方向位置を計算する径方向位置計算手段と、
    前記径方向位置検出手段により検出された対物レンズの中立位置の径方向相対位置と前記径方向位置計算手段により計算された対物レンズの光軸の径方向位置とのずれ量を計算するずれ量計算手段と、
    前記ずれ量計算手段により計算されたずれ量に基づいて、前記送り速度を補正する送り速度補正手段とを備えた光ディスク装置。
  5. 光ディスクを回転させる回転装置と、
    前記光ディスクに向けてレーザ光を出射するレーザ光源、同出射されたレーザ光を光ディスク上に集光して光スポットを形成する対物レンズ、前記光スポットによる光ディスクからの反射光を受光して受光信号を出力するフォトディテクタ、および前記対物レンズを光ディスクの径方向に変位させるトラッキングアクチュエータを有する光ピックアップと、
    前記フォトディテクタから出力された受光信号に基づいて、前記光スポットのトラック中心からのずれ量を表すトラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成回路と、
    前記光スポットが光ディスクのトラックに追従するように前記トラッキングアクチュエータを前記トラッキングエラー信号に基づいてフィードバック制御するトラッキングサーボ制御回路と、
    前記回転装置または前記光ピックアップを駆動して前記光スポットを光ディスクに対して径方向に相対移動させる径方向アクチュエータとを備えた光ディスク装置に適用される制御方法であって、
    前記回転装置による光ディスクの回転速度を計算し、
    前記計算された光ディスクの回転速度と前記光ディスクのトラックピッチとを用いて、前記光スポットを光ディスクに対して相対移動させるための送り速度を計算し、
    前記計算された送り速度に応じて前記径方向アクチュエータを駆動制御するようにしたことを特徴とする光ディスク装置の制御方法。
  6. 請求項5に記載の光ディスク装置の制御方法において、さらに、
    前記光ディスクのトラックピッチのバラツキにより生じる中立位置からの前記対物レンズのずれ量を検出するために、前記トラッキングエラー信号をローパスフィルタ処理し、
    前記検出されたずれ量に基づいて前記計算された送り速度を補正するようにした光ディスク装置の制御方法。
  7. 請求項5に記載の光ディスク装置の制御方法において、さらに、
    前記トラッキングアクチュエータによる対物レンズの変位量を検出して、同変位量を表す変位量検出信号を生成し、
    前記光ディスクのトラックピッチのバラツキにより生じる中立位置からの前記対物レンズのずれ量を検出するために、前記変位量検出信号をローパスフィルタ処理し、
    前記検出されたずれ量に基づいて前記計算された送り速度を補正するようにした光ディスク装置の制御方法。
  8. 請求項5に記載の光ディスク装置の制御方法において、さらに、
    前記径方向アクチュエータの相対移動による前記光ディスクに対する前記対物レンズの中立位置の径方向相対位置を検出し、
    前記フォトディテクタから出力された受光信号を用いて、光ディスク上のアドレス情報を検出し、
    前記検出されたアドレス情報を用いて、前記光ディスクに対する前記対物レンズの光軸の径方向位置を計算し、
    前記検出された対物レンズの中立位置の径方向相対位置と前記計算された対物レンズの光軸の径方向位置とのずれ量を計算し、
    前記計算されたずれ量に基づいて前記送り速度を補正するようにした光ディスク装置の制御方法。
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