JP4133714B2 - トラックジャンプ制御装置およびトラックジャンプ制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ光源からのレーザ光によって光ディスク上に形成される光スポットをトラック追従させる光ディスク装置に適用され、光スポットをトラックジャンプさせるトラックジャンプ制御装置およびトラックジャンプ制御方法に関する。
従来から、レーザ光源から放射されるレーザ光を対物レンズにより光ディスク上に集光させて光スポットを形成するとともに、この光スポットを光ディスクのトラックに追従させている最中に、同トラック追従のためにトラックアクチュエータに供給されているトラックエラー信号に基づいて作成した制御信号(トラックサーボ制御信号)に、正パルス信号(キックパルス信号)および負パルス信号(ブレーキパルス信号)からなるジャンプパルス信号を重畳して、光スポットを瞬間的に隣のトラックに移動させるトラックジャンプはよく知られている。このトラックジャンプにおいては、例えば下記特許文献1に示されているように、ジャンプパルス信号の発生終了時におけるトラックエラー信号の電圧(基準電圧からのずれ量を表す電圧)を検出して、同検出した電圧に応じてトラックエラー信号に次回に重畳されるジャンプパルス信号の波高値を変更制御することにより、トラックジャンプ後に光スポットがトラックの中心位置に来るようにしている。図7(A)は、この方法によってトラックジャンプが理想的に行われている場合におけるトラックエラー信号とジャンプパルス信号を示している。図7(B)は、光スポットの移動が遅れている場合におけるトラックエラー信号とジャンプパルス信号を示している。図7(C)は、光スポットの移動が早過ぎる場合におけるトラックエラー信号とジャンプパルス信号を示している。
特許第2799103号公報
しかし、本発明者が、前記従来の方法による制御結果を調べた結果、多くの場合に、ジャンプパルス信号に対するトラックエラー信号は図7(A)のように変化することはなく、図8に示すように、ジャンプパルス信号に対してトラックエラー信号に時間遅れが生じていることが判明した。そして、このジャンプパルス信号に対するトラックエラー信号の時間遅れの量が、光ピックアップの種類に応じて異なっていることも判明した。したがって、この時間遅れの原因は、対物レンズを光ディスクの径方向に移動させるトラックアクチュエータに作動遅れがあるためであり、トラックアクチュエータの構造によって前記時間遅れの量に差が生じているものと推定される。
その結果、前記従来の方法は、ジャンプパルス信号に対してトラックエラー信号に時間遅れが生じない光ピックアップに対してのみ有効であり、多くの光ピックアップに対してトラックジャンプ時に光スポットを隣のトラックの中心位置に的確にジャンプさせる方法としては有効ではない。すなわち、この時間遅れのために、ジャンプパルス信号の終了時点におけるトラックエラー信号の基準電位からのずれ量を用いて次回のジャンプパルス信号の波高値を制御しても、このずれ量自体が実際のトラックジャンプの終了時におけるものではないので、光スポットを隣のトラックの中心位置に的確にジャンプさせることはできず、光スポットは隣のトラックの中心位置に移動した後にも振動するという問題がある。
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、ジャンプパルス信号に対するトラックエラー信号の遅れを考慮して、トラックジャンプ時に光スポットを隣のトラックの中心位置に的確にジャンプさせることを可能としたトラックジャンプ装置およびトラックジャンプ方法を提供するものである。
前記目的を達成するために、本発明の特徴は、正パルス信号および負パルス信号からなって光スポットをトラックジャンプさせるためのジャンプパルス信号を発生して、光スポットをトラック追従させるためのトラックエラー信号に重畳するジャンプパルス信号発生手段と、トラックジャンプ信号の発生時にトラックエラー信号のゼロクロスを検出するとともに同検出されたゼロクロスのタイミングと予め決められたゼロクロス基準タイミングとのタイミングずれ量を検出するゼロクロスタイミングずれ量検出手段と、トラックジャンプ信号の発生開始時点から同トラックジャンプ信号による変化がトラックエラー信号に現れるまでの遅れ時間を検出して、同検出した遅れ時間と予め決められた基準遅れ時間との差を表す遅れ時間ずれ量を計算する遅れ時間ずれ量検出手段と、前記検出されたゼロクロスのタイミングずれ量を遅れ時間ずれ量に応じて補正し、同補正したタイミングずれ量に応じてトラックエラー信号に重畳されるジャンプパルス信号の波高値を制御する波高値制御手段とを備えたことにある。
この場合、例えば、入力手段をさらに設けて、ジャンプパルス信号発生手段から発生されるジャンプパルス信号の波高値を可変しながら、トラックエラー信号生成手段から出力されるトラックエラー信号を観察して、トラックエラー信号に重畳されるジャンプパルス信号の初期の波高値ゼロクロス基準タイミングおよび基準遅れ時間を決定して入力するようにすることができる。このトラックエラー信号の観察においては、光スポットが隣のトラックの中心位置に移動した後に、同光スポットの振動が小さくて短時間で収束するように、ジャンプパルス信号の波高値を決定して、そのときのジャンプパルス信号の波高値トラックエラー信号のゼロクロスタイミングおよびトラックエラー信号の遅れ時間を、ジャンプパルス信号の初期の波高値ゼロクロス基準タイミングおよび基準遅れ時間としてそれぞれ決定すればよい。また、入力手段を設けなくても、前記方法により、ジャンプパルス信号の初期の波高値ゼロクロス基準タイミングおよび基準遅れ時間を別途定め、ジャンプパルス信号発生手段が前記別途定めた初期の波高値でジャンプパルス信号の発生を開始するようにするとともに、同別途定めたゼロクロス基準タイミングおよびトラックエラー信号の遅れ時間予め決められたゼロクロス基準タイミングおよび予め決められた基準遅れ時間としてゼロクロスタイミングずれ量検出手段および遅れ時間ずれ量検出手段にそれぞれに記憶させておくようにしてもよい。
上記のように構成した本発明においては、トラックジャンプ信号の発生開始時点から同トラックジャンプ信号による変化がトラックエラー信号に現れるまでの遅れ時間が検出されるとともに、同検出した遅れ時間と予め決められた基準遅れ時間との差を表す遅れ時間ずれ量が計算され、ゼロクロスのタイミングずれ量が前記計算した遅れ時間ずれ量に応じて補正される。そして、トラックエラー信号に重畳されるジャンプパルス信号の波高値が、前記補正されたゼロクロスのタイミングずれ量に応じて制御される。本発明者は、光ディスクの回転速度を大幅に変更した場合には、トラックジャンプ信号の発生開始時点から同トラックジャンプ信号による変化がトラックエラー信号に現れるまでの遅れ時間が変化することも実験により確認している。したがって、ジャンプパルス信号の初期の波高値ゼロクロス基準タイミングおよびトラックエラー信号の遅れ時間を、光スポットが隣のトラックの中心位置に移動した後に、同光スポットの振動が小さくて短時間で振動が収束する値に設定しておけば、ジャンプパルス信号に対するトラックエラー信号の時間遅れの量が光ピックアップごとに異なっても、光ディスクの回転速度を大幅に変更しても、トラックジャンプ後の光スポットの振動を極めて小さく抑えることができる。そして、このことは、種々の光ピックアップを用いた実験により、確認されている。
また、上記トラックジャンプ制御装置に係る発明の特徴は、前記各手段を実現するステップからなるトラックジャンプ制御方法にも適用できる。
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明すると、図1は、CD、DVDなどの光ディスクDKの検査などに利用される第1実施形態に係る光ディスク装置であって、本発明に係るトラックジャンプ制御装置およびトラックジャンプ制御方法を適用した光ディスク装置の全体を概略的に示すブロック図である。
この光ディスク装置は、エンコーダ11aを一体的に組み付けてなるスピンドルモータ11を備えている。スピンドルモータ11は、光ディスクDKの組み付けられる支持テーブル12を回転駆動する。エンコーダ11aは、スピンドルモータ11の回転すなわち支持テーブル12(光ディスクDK)の回転を検出するもので、支持テーブル12(光ディスクDK)の回転位置が基準回転位置に来るごとに基準信号であるインデックス信号INDEXと、所定の微小な回転角度ずつハイレベルとローレベルとを繰返すパルス列信号からなる回転信号φA,φBを出力する。なお、これらの回転信号φA,φBの位相は互いにπ/2だけずれている。
これらの信号INDEX,φA,φBは、スピンドルモータ制御回路13に供給されている。スピンドルモータ制御回路13には、後述するウォブル信号およびエンコーダ14aからの信号INDEX,φA,φBも入力されている。スピンドルモータ制御回路13は、ウォブル信号が検出される光ディスクDKにおいては、このウォブル信号が設定された周波数になるようにスピンドルモータ11の回転を制御して、光ディスクDK上のレーザ光による光スポットの線速度が常に一定となるようにする。一方、ウォブル信号が検出されない光ディスクDKにおいては、エンコーダ11aからの信号INDEX,φA,φBに基づいて光ディスクDKの回転速度を検出し、この検出回転速度が、後述するエンコーダ14aからの信号INDEX,φA,φBにより算出される光ディスクDK上のレーザ光による光スポットの半径位置に基づいて設定される回転速度になるようにスピンドルモータ11の回転を制御して、光ディスクDK上のレーザ光による光スポットの線速度が常に一定となるようにする。
また、このスピンドルモータ11は、支持テーブル12と共に、フィード機構により光ディスクDKの径方向に駆動される。フィード機構は、フィードモータ14と、スピンドルモータ11などを固定するとともに前記径方向の移動のみを許容された支持部材15とを備えている。フィードモータ14と支持部材15とは、前記径方向に延設されていてフィードモータ14によって軸線回りに回転するスクリューロッド16と、支持部材15に固着されスクリューロッド16に螺合したナット(図示しない)からなるねじ機構により連結されている。これにより、フィードモータ14の回転により、支持部材15は、スピンドルモータ11などと共にスクリューロッド16の軸線方向すなわち光ディスクDKの径方向に変位する。フィードモータ14もエンコーダ14aを備えており、エンコーダ14aはスピンドルモータ11の場合と同様なインデックス信号INDEXおよび回転信号φA,φBを出力する。
また、この光ディスク装置には、レーザ光を光ディスクDKに照射してその反射光を受光するための光ピックアップ20が組み付けられるようになっている。光ピックアップ20は、レーザ光源21、コリメートレンズ22、偏光ビームスプリッタ23、1/4波長板24、対物レンズ25、集光レンズ26、シリンドリカルレンズ27及び4分割フォトディテクタ28を備えている。そして、この光ピックアップ20においては、レーザ光源21からのレーザ光を、コリメートレンズ22、偏光ビームスプリッタ23、1/4波長板24及び対物レンズ25を介して、光ディスクDKに照射して光ディスクDK上に光スポットを形成し、この光スポットによる光ディスクDKからの反射光を、対物レンズ25、1/4波長板24、偏光ビームスプリッタ23、集光レンズ26及びシリンドリカルレンズ27を介して、4分割フォトディテクタ28で受光して、光ディスクDKの信号記録状態を表す受光信号を出力するようになっている。
この場合、4分割フォトディテクタ28は、図2に示すように、光ディスクDKからの反射光の光軸に直交する平面内に配置された4個のフォトディテクタ素子28a,28b,28c,28dからなる。これらの4個のフォトディテクタ素子28a,28b,28c,28dは、各分割線で区切られた4つの同一正方形状に形成されており、受光量に比例した検出信号A,B,C,Dをそれぞれ受光信号として出力する。なお、フォトディテクタ素子28aとフォトディテクタ素子28bとをそれぞれ結ぶ方向(フォトディテクタ素子28dとフォトディテクタ素子28cとを結ぶ方向に同じ)が、光ディスクDKの径方向に対応している。
この4分割フォトディテクタ28には、HF信号増幅回路31を介してトラックエラー信号生成回路32が接続されている。HF信号増幅回路31はフォトディテクタ素子28a,28b,28c,28dにより検出された受光信号A,B,C,Dをそれぞれ増幅して、トラックエラー信号生成回路32に出力する。トラックエラー信号生成回路32は、受光信号A,Dを加算した加算結果A+Dから、受光信号B,Cを加算した加算結果B+Cを減算して、同減算結果(A+D)−(B+C)をトラックエラー信号として出力する。なお、このトラックエラー信号は、光スポットのトラックからのずれ量を表すものであるが、光ディスクDK上のトラックが微視的には径方向に正弦波状に波打って形成されていて、前述した光スポットを線速度を一定に保つために利用されるウォブル信号(例えば、CDでは22.05KHz、DVDでは150KHzの正弦波状信号)をも含んでいる。
トラックエラー信号生成回路32には、バンドパスフィルタ33およびトラックサーボ制御回路34が接続されている。バンドパスフィルタ33は、トラックエラー信号に含まれている前述のウォブル信号を抽出してスピンドルモータ制御回路13に出力する。トラックサーボ制御回路34は、光スポットのトラックからのずれ量を表す信号に基づいて光スポットをトラックの中心にサーボ制御するためのトラックサーボ制御信号を加算器35を介してドライブ回路36に供給する。
また、光ピックアップ20は、ドライブ回路36によって駆動されて、対物レンズ25を光ディスクDKの径方向に駆動するトラックアクチュエータ25aも備えている。ドライブ回路36は、前記供給されるトラックサーボ制御信号を入力し、対物レンズ25を細かく振動させて光スポットがトラックの中心位置に来るようにトラックアクチュエータ25aを駆動制御する。また、トラックサーボ制御回路34の出力はスレッドサーボ制御回路37にも供給されている。スレッドサーボ制御回路37は、対物レンズ25の振動中心が中立位置(光軸の位置)よりもずれている量を表す信号(直流成分)をトラックサーボ制御信号から取出して、前記取出したずれ量を「0」にするようにフィードモータ14を制御する。また、スレッドサーボ制御回路37は電源投入段階では、エンコーダ14aから入力する信号INDEX,φA,φBを用いて、光ディスクDK上の半径位置を計算し、計算した半径位置が設定された値になるまで、フィードモータ14を駆動制御する。
また、この光ディスク装置は、光スポットをトラックジャンプさせるためのジャンプパルス信号発生回路41を備えている。ジャンプパルス信号は、図4(A)に示すように、所定の同一幅かつ同一波高値を有する正パルス信号(キックパルス)および負パルス信号(ブレーキパルス)からなる。なお、正パルス信号および負パルス信号の幅および波高値を同一にするのは、トラックジャンプを的確に行うための経験則によるものである。また、正パルス信号と負パルス信号との間にグランドレベルを所定時間だけ設けることも、トラックジャンプを的確に行うための経験則によるものである。
ジャンプパルス信号発生回路41には、波高値可変回路42が接続されている。波高値可変回路42は、ジャンプパルス信号発生回路41から出力されたジャンプパルス信号の正パルス信号および負パルス信号の各波高値を可変制御するもので、この波高値を可変制御したジャンプパルス信号を加算器35に供給して、トラックサーボ制御信号に重畳する。
この波高値可変回路42には、ジャンプパルス信号の波高値の変更量を制御するためのゼロクロスタイミング検出回路43、ずれ量計算回路44および波高値変更量計算回路45が接続されている。ゼロクロスタイミング検出回路43は、トラックエラー信号生成回路32からのトラックエラー信号と、ジャンプパルス信号発生回路41からのジャンプパルス信号とを入力して、図4に示すように、ジャンプパルス信号の発生開始を基準にしたトラックエラー信号のゼロクロスのタイミングTを検出する。
具体的には、ゼロクロスタイミング検出回路43は、タイマ回路を備えており、ジャンプパルス信号の立ち上がりに応答してトラックエラー信号のサンプリングを開始して、サンプリング開始からの経過時間とサンプリング値とを対にして取得するとともに、各サンプリングの少なくとも1つ前のサンプリング値および同サンプリング値に対応した経過時間を記憶しておくようにする。そして、サンプリング値が最初に負に変化したサンプリング値を検出した時点で、この検出サンプリング値と1つ前のサンプリング値とを用いて、両サンプリング値に対応した2つの経過時間との間に補間演算を施して、トラックエラー信号のゼロクロスタイミングTを計算する。
ずれ量計算回路44は、ゼロクロスタイミング検出回路43からゼロクロスタイミングTと、初期に入力器46から供給されるゼロクロス基準タイミングToとを入力して、ゼロクロスタイミングTからゼロクロス基準タイミングToを減算することによりタイミングずれ量Td(=T−To)を計算して波高値変更量計算回路44に出力する。
波高値変更量計算回路45は、タイミングずれ量Tdに応じてトラックエラー信号に重畳されるジャンプパルス信号の波高値の変更量Vxを計算して波高値可変回路42に出力する。この波高値変更量Vxを算出するために、波高値変更量計算回路45は、初期に入力器46から与えられていてタイミングずれ量Tdを変数とする波高値変更量Vxの関数を表す関数データまたは変換テーブルを記憶する。この場合の関数は、例えば図3に示すように、波高値変更量Vxがタイミングずれ量Tdに比例するものであるが、比例関係になくても実験により求めた種々の関数を利用できる。
また、この光ディスク装置は、入力器46、表示器47およびオシロスコープ48も備えている。入力器46は、ユーザによって回路動作の指示、数字、その他の制御データを入力するもので、波高値可変回路42、ずれ量計算回路44および波高値変更量計算回路45に、トラックサーボ制御信号に重畳される初期のジャンプパルス信号の波高値、ゼロクロス基準タイミングTo、およびタイミングずれ量Tdに対する波高値変更量Vxの関数を表す関数データまたは変換テーブルをそれぞれ初期に供給する。また、入力器46は、自動的またはユーザの操作によって、ジャンプパルス信号発生回路41にジャンプパルス信号の発生を指示するジャンプパルス信号発生指示信号を出力する機能も有する。表示器47は、ゼロクロスタイミング検出回路43によって検出されたゼロクロスタイミングTを表示する。オシロスコープ48はジャンプパルス信号発生回路41からのジャンプパルス信号およびトラックエラー信号生成回路32からのトラックエラー信号を同期表示する。
上記のように構成した第1実施形態の動作を説明する。まず、光スポットが光ディスクDKのトラックを線速度一定で追従する動作について説明する。支持テーブル12に光ディスクDKを組み付ける。例えば、検査しようとする光ディスクDKを支持テーブル12に組み付ける。スピンドルモータ11を作動させて、光ディスクDKを回転させる。このとき、スレッドサーボ制御回路37がエンコーダ14aからの信号INDEX,φA,φBにより計算される半径位置になるまで信号を出力するので、フィードモータ14が回転し、光ディスクDK上のレーザ光照射位置が設定された位置になる。また、光ピックアップ20も作動させて、レーザ光源21からのレーザ光を光ディスクDKに照射させるとともに、同光ディスクDKからの反射光を4分割フォトディテクタ28に受光させて、同受光した反射光を表す受光信号A,B,C,DをHF信号増幅回路31を介してトラックエラー信号生成回路32に出力させる。トラックエラー信号生成回路32は、前記受光信号A,B,C,Dに基づいてトラックエラー信号(A+D)−(B+C)を形成して、同形成したトラックエラー信号をトラックサーボ制御回路34に出力するとともに、バンドパスフィルタ33を介してスピンドルモータ制御回路13に出力する。
トラックサーボ制御回路34は、トラックサーボ制御信号を、加算器35を介してドライブ回路36に出力するとともに、スレッドサーボ制御回路37にも出力する。ドライブ回路36はこのトラックサーボ制御信号に応じてトラックアクチュエータ25aを制御し、トラックアクチュエータ25aが対物レンズ25を光ディスクDKの径方向にサーボ制御する。これにより、光ディスクDKに対するレーザ光の照射位置が、径方向の振動を伴いながらトラックを追従するように制御される。また、スレッドサーボ制御回路37は、入力信号から直流成分を抽出して、同抽出した直流成分を用いてフィードモータ14をサーボ制御する。フィードモータ14は、スクリューロッド16を回転させて支持部材15を光ディスクDKの径方向に前記直流成分に応じて移動させる。したがって、光ディスクDKは、スピンドルモータ11及び支持テーブル12と共に、対物レンズ25に対して径方向に相対移動する。その結果、フィードモータ14が対物レンズ25と光ディスクDKの相対位置を大きくかつゆっくりと変更しながら、トラックアクチュエータ25aが対物レンズ25を常にほぼ中立位置を中心に振動させることにより、光ディスクDKに対するレーザ光の照射位置がトラックを正確に追従するように制御される。
一方、スピンドルモータ制御回路13は、ウォブル信号が検出されるときは、このウォブル信号が設定された周波数になるようにスピンドルモータ11の回転を制御して、光ディスクDK上のレーザ光による光スポットの線速度が常に一定となるように制御する。また、ウォブル信号が検出されない光ディスクDKにおいては、エンコーダ11aからの信号INDEX,φA,φBに基づいて光ディスクDKの回転速度を検出し、この検出回転速度が、エンコーダ14aからの信号INDEX,φA,φBにより算出される光ディスクDK上のレーザ光による光スポットの半径位置に基づいて設定される回転速度になるようにスピンドルモータ11の回転を制御して、光ディスクDK上のレーザ光による光スポットの線速度が一定となるように制御する。これにより、光スポットは光ディスクDKのトラックを線速度一定で追従し続けることになる。
次に、トラックサーボ制御信号に重畳される初期のジャンプパルス信号の波高値、ゼロクロス基準タイミングTo、およびタイミングずれ量Tdに対する波高値変更量Vxの関数を表す関数データまたは変換テーブルを初期設定する動作について説明する。前記波高値変更量Vxの関数を表す関数データまたは変換テーブルに関しては、ユーザは、実験などにより決定した関数データまたは変換テーブルを入力器46を用いて波高値変更量計算回路45に入力して初期設定する。
また、初期のジャンプパルス信号の波高値およびゼロクロス基準タイミングToに関しては、前述のように、光スポットが光ディスクDKのトラックを線速度一定で追従し続けている状態で行う。すなわち、光スポットが光ディスクDKのトラックを追従している前記状態で、ユーザが入力器46を操作することにより、ジャンプパルス信号発生回路41にジャンプパルス信号の発生を指示する。この指示に応答して、ジャンプパルス信号発生回路41は、図4(A)に示すようなジャンプパルス信号を波高値可変回路42に供給する。波高値可変回路42は、初期状態で設定されている波高値を有するジャンプパルス信号を加算器35に供給する。
加算器35は、このジャンプパルス信号をトラックサーボ制御回路34から出力されているトラックサーボ制御信号に重畳して、ドライブ回路36に供給する。そして、ドライブ回路36が、このジャンプパルス信号の重畳されたトラックサーボ制御信号に応じてトラックアクチュエータ25aを駆動制御するので、光ディスクDK上の光スポットはトラックジャンプする。この第1実施形態の場合、正パルス信号およびこれに続く負パルス信号からなるジャンプパルス信号により、光スポットは光ディスクDKの径方向外側に1トラック分だけジャンプする。このトラックジャンプにより、トラックエラー信号生成回路32は、図4(A)に示すような正弦波状に変化するトラックエラー信号をゼロクロスタイミング検出回路43およびオシロスコープ48に出力する。
オシロスコープ48は、ジャンプパルス信号発生回路41から前記発生されたジャンプパルス信号も入力しており、これらのジャンプパルス信号およびトラックエラー信号を同期表示する。この場合、オシロスコープ48に表示されるトラックエラー信号は、トラックジャンプ後に振動する成分を含んで表示される。ユーザは、オシロスコープ48を見ながら、トラックジャンプ後に振動する成分が最も少ない状態になるジャンプパルス信号の波高値を決定するために、入力器46を操作してジャンプパルス信号の波高値を増減するための波高値制御データを入力する。入力器46によって入力された波高値制御データは、波高値可変回路42に供給される。
そして、ユーザが入力器46を操作してふたたびジャンプパルス信号をジャンプパルス信号発生回路41に発生させると、波高値可変回路42は前記供給された波高値制御データによりジャンプパルス信号の波高値を増減して、加算器35を介してドライブ回路36に供給する。ドライブ回路36はトラックアクチュエータ25aを前記ジャンプパルス信号に応じて制御して、光ディスクDK上の光スポットをふたたびトラックジャンプさせる。前述のように、このトラックジャンプによるトラックエラー信号はオシロスコープ48にふたたび表示されるので、ユーザはこのトラックエラー信号を見ながら、トラックジャンプ後に振動する成分が最も少ない状態になるジャンプパルス信号の波高値を決定するために、入力器46をふたたび操作してジャンプパルス信号の波高値を増減する。このような操作の繰り返しにより、ユーザはジャンプパルス信号の最も適切な波高値を決定する。
一方、前記ユーザによるジャンプパルス信号の波高値の選択中も、ゼロクロスタイミング検出回路43はトラックエラー信号を入力するとともにジャンプパルス信号発生回路41からのジャンプパルス信号を入力していて、ジャンプパルス信号の発生開始を基準にしたトラックエラー信号のゼロクロスタイミングTを検出している。このゼロクロスタイミングTは表示器47に出力され、表示器47はこのゼロクロスタイミングTを表示する。
ユーザは、前記ジャンプパルス信号の最も適切な波高値を決定したとき、同決定を表す指示を入力器46に入力すると同時に、そのときに表示器47に表示されているゼロクロスタイミングTを入力する。これにより、入力器46は、波高値可変回路42に前記波高値を決定した際の波高値の増減を表す波高値制御データを記憶することを、波高値可変回路42に指示する。波高値可変回路42は、この指示に応答して、前記波高値制御データをジャンプパルス信号の波高値の初期値を表すものとして記憶する。また、前記入力器46に入力されたゼロクロスタイミングTはずれ量計算回路44に供給され、ずれ量計算回路44は、このゼロクロスタイミングTをゼロクロス基準タイミングToとして記憶する。これにより、ジャンプパルス信号の波高値およびゼロクロス基準タイミングToの初期設定が終了する。
なお、前記のように、波高値可変回路42に対する波高値制御データの記憶の指示およびゼロクロスタイミングTの入力の指示に代えて、ユーザがジャンプパルス信号の最も適切な波高値を決定したときに、ジャンプパルス信号の波高値およびゼロクロス基準タイミングToの初期設定が自動的になされるようにしてもよい。この場合、ユーザがジャンプパルス信号の最も適切な波高値を決定したことを入力器46に指示すると、入力器46からの指示により、波高値可変回路42が、そのときのジャンプパルス信号の波高値の増減値を表す波高値制御データを、初期の波高値を表す初期データとして自動的に記憶するようにすればよい。また、入力器46からの指示により、ゼロクロスタイミング検出回路43はそのときに検出されているゼロクロスタイミングTをずれ量計算回路43に自動的に転送し、ずれ量計算回路43が同ゼロクロスタイミングTをゼロクロス基準タイミングToとして自動的に記憶するようにすればよい。
次に、これらのジャンプパルス信号の初期波高値およびゼロクロス基準タイミングToを用いたトラックジャンプ制御について説明する。光ディスクDKの検査または他の理由により、ユーザの操作によりまたは自動的に入力器46からジャンプパルス信号の発生がジャンプパルス信号発生回路41に指示されると、ジャンプパルス信号発生回路41が前述した場合と同様なジャンプパルス信号を波高値可変回路42に出力する。この場合、初回のジャンプパルス信号に対しては、波高値可変回路42は前記記憶した初期データに応じてジャンプパルス信号の波高値を制御して加算器35に出力する。
加算器35は、このジャンプパルス信号をトラックサーボ制御回路34から出力されているトラックサーボ制御信号に重畳して、ドライブ回路36に供給する。そして、ドライブ回路36が、このジャンプパルス信号の重畳されたトラックサーボ制御信号に応じてトラックアクチュエータ25aを駆動制御するので、光ディスクDK上の光スポットはトラックジャンプする。この光スポットのトラックジャンプにより、トラックエラー信号生成回路32はトラックエラー信号をゼロクロスタイミング検出回路43に出力する。ゼロクロスタイミング検出回路43は、前述と同様にしてトラックエラー信号のゼロクロスタイミングTを検出して、ずれ量計算回路44に出力する。ずれ量計算回路44は、ゼロクロスタイミングTから前記初期設定されたゼロクロス基準タイミングToを減算することによりタイミングずれ量Td(=T−To)を計算して、波高値変更量計算回路45に出力する。波高値変更量計算回路45は、前記初期設定された関数データまたはテーブルを用いて、タイミングずれ量Tdに対応した波高値変更量Vxを計算して波高値可変回路42に出力する。
波高値可変回路42は、入力器46により指示されてジャンプパルス信号発生回路41から次に発生されるジャンプパルス信号の波高値を前記供給されている波高値変更量Vxだけ変更して、加算器35に出力する。例えば、図4(B)に示すように、前回のトラックエラー信号のゼロクロスが遅れてタイミングずれ量Tdが正であれば、ゼロクロスタイミング検出回路43、ずれ量計算回路44および波高値変更量計算回路45は、タイミングずれ量Tdにほぼ比例した正の波高値変更量Vxを計算する。そして、波高値可変回路42は、ジャンプパルス信号の波高値を波高値変更量Vxだけ増加させる。これにより、このジャンプパルス信号に起因したトラックエラー信号のゼロクロスタイミングTは減少制御されてゼロクロス基準タイミングToに近づく方向に変化するので、トラックジャンプ後の光スポットの振動が抑制される。
また、例えば、図4(C)に示すように、前回のトラックエラー信号のゼロクロスが早くてタイミングずれ量Tdが負であれば、ゼロクロスタイミング検出回路43、ずれ量計算回路44および波高値変更量計算回路45は、タイミングずれ量Tdにほぼ比例した負の波高値変更量−Vxを計算する。そして、波高値可変回路42は、ジャンプパルス信号の波高値を波高値変更量Vxだけ減少させる。これにより、このジャンプパルス信号に起因したトラックエラー信号のゼロクロスタイミングTは増加制御されてゼロクロス基準タイミングToに近づく方向に変化するので、トラックジャンプ後の光スポットの振動が抑制される。
したがって、上記第1実施形態に係る光ディスク装置によれば、ジャンプパルス信号に対するトラックエラー信号の時間遅れ量が光ピックアップ20ごとに異なっても、トラックジャンプ後の光スポットの振動を極めて小さく抑えることができる。そして、このことは、種々の光ピックアップ20を用いた実験により、確認されている。
なお、この光ディスク装置は、光スポットのトラックジャンプを実行して、光ディスクDKを検査するものであるが、検査内容に関しては、本発明に直接関係しないので、その説明を省略する。そして、このようなトラックジャンプを伴う光ディスクの検査が終了すると、新たな光ディスクDKを支持テーブル12に組み付けて、トラックジャンプを伴う前記新たな光ディスクDKの検査を行う。この場合、光ピックアップ20は前回の光ディスクDKの検査時と同一の光ピックアップ20を用いるので、前述のようなジャンプパルス信号の初期の波高値、トラックエラー信号のゼロクロス基準タイミングTo、およびタイミングずれ量Tdに対する波高値変更量Vxの関数を表す関数データまたは変換テーブルを新たに設定する必要はなく、前記波高値可変回路42、ずれ量計算回路43および波高値変更量計算回路45にそれぞれ初期に記憶させた初期の波高値、ゼロクロス基準タイミングTo、および関数データまたは変換テーブルを利用できる。
b.第2実施形態
次に、上記第1実施形態の一部を変形した第2実施形態について説明する。この第2実施形態は、光ディスクDKの回転速度を大幅に変更した場合に、トラックジャンプ信号の発生開始時点から同トラックジャンプ信号による変化がトラックエラー信号に現れるまでの遅れ時間が変化することに対処させるものである。
この第2実施形態に係る光ディスク装置は、図5に示すように、上記第1実施形態に係る光ディスク装置に遅れ時間ずれ量検出回路51を付加したものである。遅れ時間ずれ量検出回路51は、図6に示すように、トラックジャンプ信号の発生開始時点から同トラックジャンプ信号による変化がトラックエラー信号に現れるまでの遅れ時間TLを検出して、同検出した遅れ時間TLと予め決められた基準遅れ時間TLoとの差を表す遅れ時間ずれ量TL−TLoを計算する。そして、この場合、ずれ量計算回路44aは、上記第1実施形態のゼロクロス基準タイミングToに遅れ時間ずれ量TL−TLoを加算することにより、ゼロクロス基準タイミングToを補正した補正ゼロクロス基準タイミングTo’(=To+TL−TLo)を計算する。そして、ずれ量計算回路44aは、ゼロクロスタイミング検出回路43から供給されるゼロクロスタイミングTから補正ゼロクロス基準タイミングTo’を減算したタイミングずれ量Td’(=T−To’)を波高値変更量計算回路45に上記実施形態のタイミングずれ量Tdに代えて出力する。その結果、上記第1実施形態におけるゼロクロスのタイミングずれ量Tdが前記計算した遅れ時間ずれ量TL−TLoに応じて補正されることになる。
この遅れ時間ずれ量検出回路51について詳しく説明すると、同検出回路51はトラックエラー信号生成回路32からのトラックエラー信号を微分する微分器を備えているとともに、この微分波形信号が所定レベルを超えたことを判定する比較器も備えている。また、遅れ時間ずれ量検出回路51は、タイマ回路も備え、ジャンプパルス信号発生回路41からジャンプパルス信号を入力して、同ジャンプパルス信号の発生開始から前記微分波形信号が所定レベルを超えたときまでの時間を計測して、同計測時間を遅れ時間TLとして設定する。さらに、遅れ時間ずれ量検出回路51は、入力器46から初期に基準遅れ時間TLoも入力しており、前記遅れ時間TLから基準遅れ時間TLoを減算することにより遅れ時間ずれ量TL−TLoを計算してずれ量計算回路44aに出力する。また、遅れ時間ずれ量検出回路51は前記検出した遅れ時間TLを表示器47に出力する。他の回路については、上記第1実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
このように構成した第2実施形態の動作を説明すると、初期設定においては、上記第1実施形態におけるジャンプパルス信号の波高値の初期値、ゼロクロス基準タイミングToおよび波高値変更量計算回路45における関数データまたはテーブルの初期設定に加えて、基準遅れ時間TLoも初期設定する。この場合も、上記第1実施形態の場合と同様に、ユーザは、光スポットをトラックジャンプさせながら、オシロスコープ48を観察してジャンプパルス信号の最も適切な波高値を決定する。このとき、ゼロクロスタイミング検出回路43によって検出されたゼロクロスタイミングTに加えて、遅れ時間ずれ量検出回路51によって検出された遅れ時間TLも表示器47に供給されていて、表示器47は、ゼロクロスタイミングTと共に遅れ時間TLも表示している。したがって、ユーザは、入力器46を用いて、上記第1実施形態と同様な、ジャンプパルス信号の波高値の初期値およびゼロクロス基準タイミングToを入力すると同時に、そのときに表示器47に表示されている遅れ時間TLを基準遅れ時間TLoとして入力する。これにより、入力器46は、ジャンプパルス信号の波高値の初期値、ゼロクロス基準タイミングToおよび関数データまたはテーブルの初期設定に加えて、遅れ時間TLを基準遅れ時間TLoとして遅れ時間ずれ量検出回路51に初期記憶させる。
なお、この場合も、入力器46を用いて基準遅れ時間TLoを入力するのに代えて、ユーザがジャンプパルス信号の最も適切な波高値を決定したときに、ジャンプパルス信号の波高値およびゼロクロス基準タイミングToの初期設定とともに、基準遅れ時間TLoが遅れ時間ずれ量検出回路51に自動的に記憶されるようにしてもよい。
そして、ジャンプパルス信号の初期波高値、ゼロクロス基準タイミングTo、遅れ時間ずれ量TL−TLo、および関数データまたは変換テーブルを用いた実際のトラックジャンプ制御について説明する。この場合、光スポットがジャンプパルス信号によってトラックジャンプすると、ゼロクロスタイミング検出回路43、ずれ量計算回路44a、波高値変更量計算回路45、波高値可変回路42および遅れ時間ずれ量検出回路51は、ジャンプパルス信号発生回路41から次回に出力されるジャンプパルス信号の波高値を制御する。この場合、遅れ時間ずれ量検出回路51およびずれ量計算回路44aは、上記第1実施形態のタイミングずれ量Tdに代えて、遅れ時間TLおよび基準遅れ時間TLoを考慮したタイミングずれ量Td’{=T−(To+TL−TLo)}を計算して波高値変更量計算回路45に出力する。そして、波高値変更量計算回路45、波高値可変回路42、加算器35、ドライブ回路36およびトラックアクチュエータ25aは、上記第1実施形態の場合と同様に動作して光ディスクDK上の光スポットをトラックジャンプさせる。他の動作に関しても、上記第1実施形態と同様である。
このような作動説明からも理解できるように、上記第2実施形態によれば、トラックジャンプ信号の発生開始時点から同トラックジャンプ信号による変化がトラックエラー信号に現れるまでの遅れ時間TLが検出されるとともに、同検出した遅れ時間TLと初期に設定された基準遅れ時間TLoとの差を表す遅れ時間ずれ量TL−TLoが計算され、ゼロクロスのタイミングずれ量はTd’{=T−(To+TL−TLo)}に補正される。したがって、光ディスクDKの回転速度を大幅に変更して遅れ時間TLが変動しても、トラックジャンプ後の光スポットの振動を極めて小さく抑えることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記第1および第2実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記第1および第2実施形態においては、初期の段階で、入力器46を用いて、ジャンプパルス信号の波高値の初期値、ゼロクロス基準タイミングTo、波高値変更量計算回路45における関数データまたはテーブル、および基準遅れ時間TLoをそれぞれ入力するようにした。しかし、光ピックアップ20として常に同じ種類のものを用いるような場合には、ジャンプパルス信号の波高値の初期値、ゼロクロス基準タイミングTo、波高値変更量計算回路45における関数データまたはテーブル、および基準遅れ時間TLoに関する初期制御データを別途定め、同別途定めた初期制御データを光ディスク装置に予め設定しておくようにすれば、前記初期設定は不要となる。
また、上記第1および第2実施形態においては、光ディスクDK上の光スポットを外側へトラックジャンプさせる場合についてのみ説明したが、同光スポットを内側へトラックジャンプさせるようにしてもよい。この場合には、キックパルスを負パルス信号とするとともに、ブレーキパルスを正パルス信号とし、負パルス信号の後に正パルス信号を連続させたジャンプパルス信号を用いるようにすればよい。
また、上記第1および第2実施形態においては、光ピックアップ20と光ディスクDKとの径方向相対位置を変化させるために、フィードモータ14、支持部材15およびスクリューロッド16などからなるフィード機構を用いてスピンドルモータ11及び支持テーブル12を移動させるようにした。しかし、これに代えて、光ピックアップ20全体をフィード機構により光ディスクDKの径方向に移動させるようにして、光ピックアップ20と光ディスクDKとの径方向相対位置を変化させるようにしてもよい。
また、上記第1および第2実施形態においては、ジャンプパルス信号発生回路41、波高値可変回路42、ゼロクロスタイミング検出回路43、ずれ量検出回路44,44a、波高値変更量計算回路45、入力器46および遅れ時間ずれ量検出回路51としてディスクリートなハード回路を用いるようにしたが、それらの一部または全部をコンピュータのプログラム処理によるソフト制御処理に置き換えることもできる。
さらに、上記第1および第2実施形態においては、光ディスクDKを検査するために光スポットをトラックジャンプさせる光ディスク装置に本発明を適用するようにしたが、本発明は光ディスクDK上の光スポットをトラックジャンプさせる場合に広く適用できるものである。
本発明の第1実施形態に係る光ディスク装置の全体を概略的に示すブロック図である。 図1の4分割フォトディテクタの概略図である。 ゼロクロスタイミングずれ量Tdと波高値変更量Vxの関係の一例を示すグラフである。 (A)〜(C)は、トラックエラー信号とジャンプパルス信号の波形図である。 本発明の第2実施形態に係る光ディスク装置の全体を概略的に示すブロック図である。 前記第2実施形態におけるトラックエラー信号、同信号の微分信号およびジャンプパルス信号の波形図である。 (A)〜(C)は、従来装置におけるトラックエラー信号とジャンプパルス信号の波形図である。 トラックエラー信号とジャンプパルス信号のタイミングずれを説明するための波形図である。
符号の説明
DK…光ディスク、11…スピンドルモータ、13…スピンドルモータ制御回路、14…フィードモータ、20…光ピックアップ、21…レーザ光源、25…対物レンズ、25a…トラックアクチュエータ、28…4分割フォトディテクタ、32…トラックエラー信号生成回路、34…トラックサーボ制御回路、41…ジャンプパルス信号発生回路、42…波高値可変回路、43…ゼロクロスタイミング検出回路、44…ずれ量計算回路、45…波高値変更量計算回路、46…入力器、47…表示器、48…オシロスコープ、51…遅れ時間ずれ量検出回路

Claims (4)

  1. レーザ光を放射するレーザ光源と、前記レーザ光源からのレーザ光による光スポットを光ディスク上に形成する対物レンズと、前記光スポットによる光ディスクからの反射光を前記対物レンズを介して受光して同受光した反射光を表す電気信号を出力するフォトディテクタと、前記対物レンズを光ディスクの径方向に駆動するトラックアクチュエータとを有する光ピックアップを制御するための光ディスク装置であって、前記フォトディテクタから出力される電気信号に基づいて光ディスクに設けたトラックに対する光スポットのずれ量を表すトラックエラー信号を生成するトラックエラー信号生成手段と、前記トラックエラー信号に基づいて作成した制御信号により前記トラックアクチュエータを駆動して前記光スポットをトラック追従させるドライブ手段とを備えた光ディスク装置に適用され、
    正パルス信号および負パルス信号からなって前記光スポットをトラックジャンプさせるためのジャンプパルス信号を発生して前記トラックエラー信号に基づいて作成した制御信号に重畳するジャンプパルス信号発生手段と、
    前記トラックジャンプ信号の発生時に前記トラックエラー信号のゼロクロスを検出するとともに同検出されたゼロクロスのタイミングと予め決められたゼロクロス基準タイミングとのタイミングずれ量を検出するゼロクロスタイミングずれ量検出手段と、
    前記トラックジャンプ信号の発生開始時点から同トラックジャンプ信号による変化が前記トラックエラー信号に現れるまでの遅れ時間を検出して、同検出した遅れ時間と予め決められた基準遅れ時間との差を表す遅れ時間ずれ量を計算する遅れ時間ずれ量検出手段と、
    前記検出されたゼロクロスのタイミングずれ量を前記遅れ時間ずれ量に応じて補正し同補正したタイミングずれ量に応じて前記トラックエラー信号に重畳されるジャンプパルス信号の波高値を制御する波高値制御手段とを備えたことを特徴とするトラックジャンプ制御装置。
  2. 請求項1に記載したトラックジャンプ制御装置において、さらに、
    前記ジャンプパルス信号発生手段から発生されるジャンプパルス信号の波高値を可変しながら、前記トラックエラー信号生成手段から出力されるトラックエラー信号を観察して、前記トラックエラー信号に重畳されるジャンプパルス信号の初期の波高値、前記ゼロクロス基準タイミングおよび前記基準遅れ時間を決定して入力するための入力手段を設けたことを特徴とするトラックジャンプ制御装置。
  3. レーザ光を放射するレーザ光源と、前記レーザ光源からのレーザ光による光スポットを光ディスク上に形成する対物レンズと、前記光スポットによる光ディスクからの反射光を前記対物レンズを介して受光して同受光した反射光を表す電気信号を出力するフォトディテクタと、前記対物レンズを光ディスクの径方向に駆動するトラックアクチュエータとを有する光ピックアップを制御するための光ディスク装置であって、前記フォトディテクタから出力される電気信号に基づいて作成した制御信号により光ディスクに設けたトラックに対する光スポットのずれ量を表すトラックエラー信号を生成するトラックエラー信号生成手段と、前記トラックエラー信号に基づいて前記トラックアクチュエータを駆動して前記光スポットをトラック追従させるドライブ手段とを備えた光ディスク装置に適用され、
    正パルス信号および負パルス信号からなって前記光スポットをトラックジャンプさせるためのジャンプパルス信号を発生して前記トラックエラー信号に基づいて作成した制御信号に重畳するジャンプパルス信号発生ステップと、
    前記トラックジャンプ信号の発生時に前記トラックエラー信号のゼロクロスを検出するとともに同検出されたゼロクロスのタイミングと予め決められたゼロクロス基準タイミングとのタイミングずれ量を検出するゼロクロスタイミングずれ量検出ステップと、
    前記トラックジャンプ信号の発生開始時点から同トラックジャンプ信号による変化が前記トラックエラー信号に現れるまでの遅れ時間を検出して、同検出した遅れ時間と予め決められた基準遅れ時間との差を表す遅れ時間ずれ量を計算する遅れ時間ずれ量検出ステップと、
    前記検出されたゼロクロスのタイミングずれ量を前記遅れ時間ずれ量に応じて補正し、同補正したタイミングずれ量に応じて前記トラックエラー信号に重畳されるジャンプパルス信号の波高値を制御する波高値制御ステップと
    を含むことを特徴とするトラックジャンプ制御方法。
  4. 請求項3に記載したトラックジャンプ制御方法において、さらに、
    前記トラックエラー信号に重畳されるジャンプパルス信号の波高値を可変しながら、前記トラックエラー信号生成手段から出力されるトラックエラー信号を観察して、前記トラックエラー信号に重畳されるジャンプパルス信号の初期の波高値、前記ゼロクロス基準タイミングおよび前記基準遅れ時間を決定して入力するための入力ステップを含むことを特徴とするトラックジャンプ制御方法。
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