JP2006239127A - 吸収体用拡散シート - Google Patents

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Abstract

【課題】排出された体液を素早く吸収層に透過させる表面シートでありながら、繰り返し、効率的に吸収層に体液を吸収させるために拡散させることで体液の肌面への逆戻りがない吸収体用拡散シートを提供する。
【解決手段】細繊度層と太繊度層が積層され熱接合により一体化された吸収体用拡散シートであり、細繊度層は、繊維長3〜10mm、繊度0.1〜2.5dtex/fの繊維の熱可塑性複合繊維を含有し、目付けが8〜30g/mであるエアレイドウェブで構成され、太繊度層は、繊維長3〜10mm、繊度3.0〜11dtex/fの繊維を含有し、目付けが15〜50g/mであるエアレイドウェブで構成され、かつ、細繊度層と太繊度層との層間剥離強度が1.0N/50mm以上である吸収体用拡散シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は吸収体用拡散シートに関する。更に詳しくは、紙おむつや女性用ナプキンに用いるのに好適な通液層と拡散層が熱接合されて一体化している吸収体用拡散シートに関する。
紙おむつや女性用ナプキン等の吸収体は、一般に液透過性の表面シートと尿や経血等の体液を吸収する吸収層、更に吸収した体液の漏れを防ぐ裏面シートで構成されているが、経済性や利便性の点から複数回の体液を吸収できるように表面シートと吸収層の間に拡散シートが配置されていることが多い。
拡散シートは、排泄された体液が表面シートを通過し吸収層に到達するまでの間に、体液を拡散シート面に沿って拡散させて、体液が特定の部分にのみ吸収されることを防止する。これによって複数回の排泄においても、体液は吸収層に均一に吸収される。その結果、体液が特定の部分にのみ吸収されて生じる吸収速度の低下が防止され、体液が表面シートに留まることによる不快感も低減される。更に、一旦吸収体に吸収された体液が、着用者の動きに伴い吸収体に圧力がかかって肌面に逆戻りすることも防いでいる。
近年、これら吸収体の機能を更に高めるために、表面シートと拡散シートの検討が盛んに行われている。例えば、液透過性表面シート、液不透過性の裏面シート、これらの間に配置された吸収層、及び表面シートと吸収層の間に配置された液拡散シートとを有する使い捨てオムツにおいて、表面シートと拡散シートの目付け、2kPa荷重下での厚さ、及び密度比を特定した吸収性物品が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
或いは、拡散層に用いる親水性繊維ウェブと疎水性繊維ウェブとを層状に一体化させたシートにおいて、密度を特定した吸収拡散シートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、これら技術では、表面シートと拡散シートは実質的にそれぞれ個別のシートを単に重ね合わせていることから表面シートと拡散シートの間に体液が留まってしまう場合があり、逆戻りを生じる恐れがある。更に、表面シートと拡散シートをホットメルト接着剤で接着している場合には該接着剤が吸収速度を低下させる恐れがある。
特開2001−157694号公報 特開平3−234255号公報
本発明の課題は、排出された体液を素早く吸収層に透過させる表面シートの機能を有しつつ、体液を効率的に拡散させて、繰り返し、均一に体液を吸収層に吸収させ、体液の肌面への逆戻りを生じない吸収体用拡散シートを提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、細繊度層と太繊度層が積層され熱接合により一体化された吸収体用拡散シートであり、細繊度層は、繊維長3〜10mm、繊度0.1〜2.5dtex/fの熱可塑性複合繊維を含有し、目付けが8〜30g/mであるエアレイドウェブで構成され、太繊度層は、繊維長3〜10mm、繊度3.0〜11dtex/fの熱可塑性複合繊維を含有し、目付けが15〜50g/mであるエアレイドウェブで構成され、かつ、細繊度層と太繊度層との層間剥離強度が1.0N/50mm以上である吸収体用拡散シートによって課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明は以下の構成を有する。
1)細繊度層と太繊度層が積層され熱接合により一体化された吸収体用拡散シートであり、細繊度層は、繊維長3〜10mm、繊度0.1〜2.5dtex/fの熱可塑性複合繊維を含有し、目付けが8〜30g/mであるエアレイドウェブで構成され、太繊度層は、繊維長3〜10mm、繊度3.0〜11dtex/fの熱可塑性複合繊維を含有し、目付けが15〜50g/mであるエアレイドウェブで構成され、かつ、細繊度層と太繊度層との層間剥離強度が1.0N/50mm以上であることを特徴とする吸収体用拡散シート。
2)細繊度層及び太繊度層を構成する熱可塑性複合繊維が低融点成分と高融点成分とからなるポリオレフィン系複合繊維である前記1)記載の吸収体用拡散シート
3)細繊度層が体液を太繊度層へ移行させる通液層であり、太繊度層は細繊度層から移行してきた体液を層内に拡散させる拡散層である前記1)または2)記載の吸収体用拡散シート
4)前記1)〜3)のいずれか1項に記載の吸収体用拡散シートを具備した紙おむつ
5)前記1)〜3)のいずれか1項に記載の吸収体用拡散シートを具備したナプキン
本発明の吸収体用拡散シートは、細繊度層からなる通液層と、太繊度層からなる拡散層を有し、それら2層がエアレイド法により形成されるウェブからなり、かつ積層され熱接合により一体化されているので、通液層は人体から排出された尿や経血等の体液を素早く拡散層に移行させ、移行した体液は拡散層内で拡散しながら拡散層に接する吸収層へと移行し吸収される。故に、尿等の吸収性が良く、肌面への逆戻りがない。また、比容積が大きいため軽量化が可能である。
従って、本発明の吸収体用拡散シートは、子ども用使い捨ておむつ、大人用使い捨ておむつ、失禁用品、女性用ナプキン、母乳パッド等に好適である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の吸収体用拡散シートは、人体から排出された体液を素早く通液する細繊度層、該細繊度層より移行してきた体液を拡散する太繊度層から構成される。各層はエアレイド法により形成されたウェブ(エアレイドウェブ)からなり、繊維長3〜10mmの短繊維がランダムに分散し、3次元の網目構造を形成し、尿等の通液と拡散を促す。また、各層は、積層された後、境界面の繊維同士の熱接合により一体化されるため、細繊度層と太繊度層の間に尿等が層となって滞ることを抑制し、装着者の動きに対してもずれることなく一体化した状態を維持する。
本発明の吸収体用拡散シートの通液層を構成する細繊度層は、繊度0.1〜2.5dtex/f、好ましくは0.5〜1.2dtex/fの熱可塑性複合繊維を用いた、目付け8〜30g/mのエアレイドウェブからなる層である。繊度が上記の範囲内であれば、人体から排出された体液は細繊度層を構成する繊維間に留まることなく太繊度層に移行する。また、細繊度層は着用者の肌に接触することが多く、該表面の滑らかさと柔らかさが確保され、チクチク感が出ることもない。また、目付けが上記の範囲内であれば、製品コストを抑えながら表面の滑らかさが得られ、更には、適度な通液速度が得られる。
また、上記のエアレイドウェブは用いる熱可塑性複合繊維の繊維長が3〜10mmと短いため、ウェブを構成する繊維に方向性はなくランダムに分散している。そのため、どの部分においても繊維間距離が一定であり、均等に、短時間に体液の移行が行われる。
尚、細繊度層における繊維長3〜10mm、繊度0.1〜2.5dtex/fの熱可塑性複合繊維の含有量は、上記の効果を得るため、70重量%以上であることが好ましく、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、上記以外の繊維が含有されていてもよい。
細繊度層に用いられる熱可塑性複合繊維は、低融点成分と高融点成分とからなる、ポリアミド系複合繊維、ポリオレフィン系複合繊維、ポリエステル系複合繊維、ポリスチレン系複合繊維等が例示できる。熱接合により一体化する温度や汎用性等の点で好ましいのは、主としてポリオレフィン系複合繊維であり、複合繊維の成分としてポリオレフィン樹脂が少なくとも1成分以上含まれていれば特に限定されず、一般に入手できる複合繊維が利用できる。特に細繊度層は、肌に接触する層であることから、均一に分散したエアレイドウェブを使用することが必要である。繊維の開繊性と分散性が良好であり、繊維同士の絡まりによるネップや毛玉等が生じにくい点で、低融点成分となる高密度ポリエチレンを鞘側樹脂とし、高融点成分となる結晶性ポリプロピレンまたはポリエチエレンテレフタレートを芯側樹脂とした鞘芯構造の複合繊維は好ましい例である。
細繊度層に用いられる熱可塑性複合繊維の複合形態は、繊維断面を観察した時に同心円状に鞘側樹脂(低融点成分)と芯側樹脂(融点成分)が配置された鞘芯構造、芯側樹脂が中心からずれて配置されている偏心鞘芯構造、2種以上の樹脂が繊維表面に露出しているサイド−バイ−サイド構造、繊維中心から放射上に交互に樹脂が配置された分割型構造、繊維断面が円或いは卵形ではなく、多角形や八葉形の形状をした異形型等を挙げることができる。
また、細繊度層に用いられる熱可塑性複合繊維の複合重量比は、低融点成分:高融点成分が好ましくは10〜90:90〜10、より好ましくは30〜70:70〜30である。複合重量比がこの範囲内であれば、細繊度層の強度が十分で、細繊度層と太繊度層との熱接合によって1.0N/50mm以上の層間剥離強度が得られやすい。
細繊度層に用いられる熱可塑性複合繊維は、繊維束が開繊していない結束繊維や、充分に解れていない未開繊繊維、繊維同士が絡まったネップや毛玉等の発生を抑える観点と、細繊度層に求められる通液機能を高める観点から、7〜14山/25mmの捲縮を有することが好ましい。捲縮のタイプはジグザグ捲縮やスパイラル構造をもった捲縮や波型の捲縮が好適である。
尚、細繊度層においては、表面の風合いや親水性を高めるため、親水性のセルロース系繊維をウェブ内に混合させることができる。
細繊度層は、人体から排出された体液を素早く拡散層である太繊度層に移行させる層であり、体液に対する濡れ性に優れ、親水性であることが重要である。そのため、細繊度層に用いられる熱可塑性複合繊維は親水性であることが好ましいが、親水性であるセルロース系繊維と混合される場合には、熱可塑性複合繊維は弱撥水性であっても良い。
細繊度層を構成する熱可塑性複合繊維に混合されるセルロース系繊維は、細繊度層内に体液が蓄えられ肌面に逆戻りすることを防ぐため、該繊維の混合量は30重量%以下に抑えることが望ましい。また、セルロース系繊維としては、綿、レーヨン、フラッフパルプ等を挙げることができ、特に風合いの点からレーヨンや綿が好ましく、コストの点からはフラッフパルプが好ましい。
本発明の吸収体用拡散シートの拡散層を構成する太繊度層は、繊度3.0〜11dtex/f、好ましくは3.3〜7.8dtex/fの熱可塑性複合繊維を使用した、目付けが15〜50g/mのエアレイドウェブからなる層である。繊度が上記の範囲内であれば、排出された体液は水平方向へ移動し、体液は太繊度層に接して配置された吸収層の広い範囲に吸収されるため、装着時のフィット感が低下し装着者に不快感を与える恐れもない。また、目付けが上記の範囲内であれば、製品コストを抑えることができ、更には、吸収層に移行した体液が逆戻りして装着者に不快感を与えることを抑えることができる。
また、上記のエアレイドウェブは用いる熱可塑性複合繊維の繊維長が3〜10mmと短いために、ウェブを構成する繊維に方向性はなくランダムに分散している。また、上述の繊度を持った熱可塑性複合繊維を用いることでウェブの密度が低く抑えられる。そのため、繊維間距離が水平方向と垂直方向とで一定であり、水平方向への体液の移動がスムーズに行われることにより、体液の拡散が行われる。
尚、太繊度層における繊維長3〜10mm、繊度3.0〜11dtex/fの熱可塑性複合繊維の含有量は、上記の効果を得るため、80重量%以上であることが好ましく、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、上記以外の繊維が含有されていてもよい。
太繊度層に用いられる熱可塑性複合繊維は、低融点成分と高融点成分とからなる、ポリアミド系複合繊維、ポリオレフィン系複合繊維、ポリエステル系複合繊維、ポリスチレン系複合繊維等が例示できる。熱接合により一体化する温度や汎用性の点で好ましいのは、主としてポリオレフィン系複合繊維であり、細繊度層と同様に、複合繊維の成分としてポリオレフィンが1成分以上含まれていれば、特に限定されず、一般に入手できる複合繊維が利用できる。太繊度層は、体液を均一に分散させる層であることから、均一に分散したエアレイドウェブを使用することが必要である。繊維の開繊性と分散性が良好であり、繊維同士の絡まりによるネップや毛玉等が生じにくい点で、低融点成分となる高密度ポリエチレンを鞘側樹脂とし、高融点成分となる結晶性ポリプロピレンまたはポリエチエレンテレフタレートを芯側樹脂とした偏心鞘芯構造の複合繊維やこれらの樹脂を用いたサイド−バイ−サイド構造の複合繊維は好ましい例である。
太繊度層に用いられる熱可塑性複合繊維の複合形態は繊維断面を観察した時に同心円状に鞘側樹脂(低融点成分)と芯側樹脂(融点成分)が配置された鞘芯構造、芯側樹脂が中心からずれて配置されている偏心鞘芯構造、2種以上の樹脂が繊維表面に露出しているサイド−バイ−サイド構造、繊維中心から放射上に交互に樹脂が配置された分割型構造、繊維断面が円或や卵形ではなく、多角形や八葉形の形状をした異形型等を挙げることができるが、太繊度層では拡散性を高めるために、特にウェブの嵩が得やすい偏心鞘芯構造やサイド−バイ−サイド構造が好ましい。
また、太繊度層に用いられる熱可塑性複合繊維の複合重量比は、低融点成分:高融点成分が好ましくは10〜90:90〜10、より好ましくは30〜70:70〜30である。複合重量比がこの範囲内であれば、細繊度層と太繊度層との熱接合によって1.0N/50mm以上の層間剥離強度が得られやすい。
太繊度層に用いられる熱可塑性複合繊維は、太繊度層の比容積を高めて体液の拡散性を高める観点から、7〜14山/25mmの捲縮を有することが好ましい。捲縮のタイプはスパイラル構造をもった捲縮や波型の捲縮が好適である。ジグザグ捲縮の場合は、拡散層の比容積が低くならないように、繊度を5.6dtex/fより大きくすることが好ましい。
太繊度層は、体液を拡散しながら吸収層に導く部位であり、繊維に沿って体液が拡散していくと考えられ、体液に対して繊維の濡れ性が高いことが求められるため、繊維は親水性であることが望ましい。しかし一方で、太繊度層を構成する繊維が親水性であることにより吸収層に移行した体液が上層の細繊度層に戻り、装着者に不快感を及ぼす場合があるため、撥水性の繊維を用いることで逆戻りを抑えることができる。従って、好ましくは、親水性の繊維と撥水性の繊維を混合し用いることで体液に対して濡れ性の高い箇所と体液の逆戻りを抑える箇所が混在した構造をとることや、太繊度層を親水性の層と撥水性の層の2層構造にすることで体液の拡散と逆戻りを抑えることが望ましい。
本発明の吸収体用拡散シートを構成する細繊度層及び太繊度層に用いられる熱可塑性複合繊維には本発明の効果を高めるために親水性、耐久親水性、撥水性等の性状を付与することが好ましい。該熱可塑性複合繊維に親水性、耐久親水性、撥水性等の性状を付与する方法としては、界面活性剤、脂肪酸類、脂肪酸金属塩類、脂肪酸エステル類、脂肪族アルコール類、脂肪族アミン類、脂肪族アミド、動植物油脂類、鉱物油類、シリコーン類等から選ばれる少なくとも1種を含んだ繊維処理剤を、繊維を製造する際の紡糸工程や延伸工程で繊維表面に噴霧等の方法により塗布して付着させるのが一般的である。
界面活性剤としては、α−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩、N−メチルアシルタウリン、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、α−オレフィンスルホン酸カリウム塩、アルカリスルホン酸ナトリウム塩、硫酸化脂肪酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、アルキル燐酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステルナトリウム塩等の陰イオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の陽イオン性界面活性剤、アルキルジメチルカルボキシメチルベタイン、アルキルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタイン、N−アルキル−β−アミノプロピオン酸ナトリウム、アルキルジメチルアミンオキサイド等の両性界面活性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスルトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤を挙げることができる。
脂肪酸としては高級脂肪酸が一般的に用いられ、特にラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等を挙げることができる。脂肪酸金属塩類としては 高級脂肪酸とのナトリウム塩やカリウム塩を挙げることができる。脂肪酸エステルとしては、前述した非イオン性界面活性剤である、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスルトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル等を挙げることができる。脂肪族アルコールとしては、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクタデシルアルコール等を挙げることができる。
動物油脂としては、牛脂等を挙げることができる。植物油脂としては、ヤシ油、パーム油、パーム核油等を挙げることができる。鉱物油としては、パラフィン、流動パラフィン、パラフィンワックス等を挙げることができる。シリコーン類としてはジメチルシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル等を挙げることができる。
熱可塑性複合繊維に、親水性を付与するには、例えば、オクチルホスフェートカリウム塩を60重量%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム30重量%、ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル10重量%を混合した繊維処理剤を塗布することができる。耐久親水性を付与するには、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるモノミリスチンサンヘキサグリセリルを30重量%、ステアリン酸ジエタノールアミドを30重量%、ラウリルホスフェートカリウム塩を40重量%混合した繊維処理剤を塗布することができる。撥水性を付与するには、例えば、ラウリルホスフェートカリウム塩を60重量%、ステアリルホスフェートナトリウム塩40重量%を混合した繊維処理剤を塗布することができる。
本発明の吸収体用拡散シートは、細繊度層と太繊度層が積層された後、境界面の繊維同士の熱接合により一体化されており、通液層である細繊度層から拡散層である太繊度層への体液の移行がスムーズに行われる。また、生産工程上も通液層と拡散層とが積層され熱接合されて一体化したシートを用いることの利点は高い。
本発明の吸収体用拡散シートは、目付けが好ましくは23〜80g/mであり、目付けが上記の範囲内であれば、体液の拡散が十分である。
更に、該吸収体用拡散シートにおいて積層され熱接合されて一体化された細繊度層と太繊度層との層間剥離強度が1.0N/50mm以上である。層間剥離強度が上記の範囲内であれば、両層の間に体液が層となって滞ることもなく、シート裁断等の加工時や吸収体の装着時に各層のズレや剥離が生じにくいため、シート加工時の不具合を生じることもなく、吸収体装着者に不快感を与えることもない。
細繊度層と太繊度層とを積層し熱接合により一体化する方法は、通常行われる熱処理方法でよく、例えば、細繊度層のウェブと太繊度層のウェブを積層した状態でそれぞれの層を構成する熱可塑性複合繊維の一方の樹脂の融点以上で、かつもう一方の樹脂の融点未満の温度で熱処理すればよい。できるだけ短い時間で一体化させるには熱風循環型の熱処理機やサクションバンド型ドライヤーで行うのが好ましい。例えば、細繊度層と太繊度層のそれぞれを構成する熱可塑性複合繊維の鞘側樹脂がポリエチレン樹脂であり、芯側樹脂がポリプロピレン樹脂またはポリエステル樹脂である場合には、熱風循環型熱処理機や、サクションバンド型ドライヤーにより130〜150℃で2秒間以上熱処理するのが望ましい。熱処理条件が上記の範囲であれば、吸収体用拡散シートが硬くなり比容積が低下して、体液の通液や拡散を低下させる恐れがなく、細繊度層と太繊度層との境界の繊維同士の熱接合が十分に行われ、両層が一体化する。一体化した吸収体用拡散シートの比容積は30cm/g以上であることが望ましい。比容積が30cm/g以上であれば、太繊度層の繊維間距離が十分で、拡散性が良好である。
本発明の吸収体用拡散シートは、細繊度層と太繊度層が積層され熱接合により一体化しているため人体から細繊度層に排出された体液は素早く太線度層に移行し、繊維に沿うように拡散しながら吸収層へ吸収されていくため、紙おむつやナプキンに用いるには好適な拡散シートである。また、布巾等の清拭用品にも用いることができる。
本発明の吸収体用拡散シートには、本発明の効果を妨げない範囲内で消臭成分、抗アレルゲン成分、抗菌成分、湿潤成分、保湿成分等を添加することができる。これらの成分は吸収体用拡散シートに噴霧等により付着させる方法や、吸収体用拡散シートを構成する細繊度層、太繊度層それぞれの少なくとも一方の熱可塑性複合繊維の内部に練り込むかまたは、繊維表面に付着させる方法により付与することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例及び比較例中に示された物性値の測定法を以下に示す。
(1)吸収体用拡散シートの厚さ(mm): (株)東洋精機製作所のデジシックネステスターを用いて,試料の35mmφの範囲に2.0g/cmの荷重を加えた時の厚さを測定する。試料の寸法は縦10cm、横10cmであり、測定は4隅の4点と中央の1点の計5点を測定し平均を求める。
(2)吸収体用拡散シートの比容積(cm3/g):縦10cm、横10cmの吸収体用拡散シートの重量を測定し、吸収体用拡散シートの重量を面積で除した試料1m当りの重量である目付と吸収体用拡散シートの厚さから下記の式によって算出する。
吸収体用拡散シート比容積(cm/g)=10,000×吸収体用拡散シートの厚さ(cm)/用拡散シート吸収体の目付(g/m
(3)親水性(sec):EDANA ERT §150.3−96 の液体透過時間の測定方法に準拠して、液体が吸収体用拡散シートを透過する時間を測定することで親水性を評価した。具体的な方法としては、アクリル板の上に吸水紙((株)クレシア製キムタオル(商品名))を4枚重ねの4つ折り2組の計32枚)を載せ、その上に、縦10cm、横10cmの試料を載せ、更にその上に通液プレートをのせて、ホルダーにセットし、生理食塩水10mlの透過時間を測定した。尚、生理食塩水は9gのNaClをイオン交換水に完全に溶解させ、1000gとした水である。同一試料による2回目の透過時間の測定は、1回目の測定終了後、1分間放置し、その後、試料を吸水紙16枚づつで上下から挟んだまま35g/cmの荷重を載せ1分間放置し、更に3分間風乾させた後、2回目の透過時間の測定を行った。透過時間が短いほど通液性、拡散性に優れる。
(4)層間剥離強度:幅50mm、長さ100mmの吸収体用拡散シートを用い、その長さ方向の一方の端の細繊度層と太繊度層を、(株)島津製作所製オートグラフAGS500D(商品名)のチャックにそれぞれ挟み、室温(23℃)にて引張速度200mm/minの条件で測定した。剥離に要する力の平均値を層間剥離強度とした。
実施例及び比較例に用いた熱可塑性樹脂及び油剤は下記の通りである。
ポリプロピレン:結晶性ポリプロピレン。MFR=16g/10min(JIS K
7210 温度230℃、荷重2.16kg)、融点160℃。
高密度ポリエチレン:密度0.960g/cm、MFR=26g/10min(
JIS K7210 温度190℃、荷重2.16kg)、融点が132℃。
ポリエチレンテレフタレート:IV値0.63、融点255℃。
親水性油剤:オクチルホスフェートカリウム塩を60重量%、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム30重量%、ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル10重量%
を混合した繊維処理剤。
耐久親水性油剤:ポリグリセリン脂肪酸エステルであるモノミリスチンサンヘキサグリセ
リルを30重量%、ステアリン酸ジエタノールアミドを30重量%、ラウリルホスフェートカリウム塩を40重量%混合した繊維処理剤。
撥水性油剤:ラウリルホスフェートカリウム塩を60重量%、ステアリルホスフェートナトリウム塩40重量%を混合した繊維処理剤。
(実施例1)
一対のフォーミングヘッドを1個有するエアレイド機を用いて、以下の方法で吸収体用拡散シートの作製を行った。細繊度層のポリオレフィン系複合繊維として、鞘側樹脂が高密度ポリエチレンで、芯側樹脂がポリプロピレンであり、その重量比が50:50である繊度1.0dtex/f、繊維長3mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.3重量%付着した鞘芯構造の複合繊維を用いて目付け10g/mのウェブを得た。このウェブが崩れない様にフォーミングヘッド手前に配置し、続いて太繊度層のポリオレフィン系複合繊維として、鞘側樹脂が高密度ポリエチレンで、芯側樹脂がポリプロピレンであり、その重量比が50:50である波型捲縮を有する繊度3.3dtex/f、繊維長3mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.35重量%付着したサイド−バイ−サイド構造の複合繊維を用いて、細繊度層のウェブの上に目付け25g/mの太繊度層のウェブを積層した。ここで得られた細繊度層と太繊度層が積層されたウェブ層は138℃の熱風循環式乾燥機により風速1.0m/secで17秒間熱処理された後、吸収体用拡散シートとなった。得られた吸収体用拡散シートは、比容積が40.5cm/g、厚さが1.34mm、細繊度層と太繊度層の層間剥離強度が2.84N/50mmであった。
(実施例2)
実施例1と同様な工程で吸収体用拡散シートを作製したが、細繊度層には鞘側樹脂が高密度ポリエチレンで、芯側樹脂がポリプロピレンであり、その重量比が60:40であるる繊度1.0dtex/f、繊維長3mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.3重量%付着した鞘芯構造の複合繊維を使用した目付け15g/mのウェブを用い、太繊度層には鞘側樹脂が高密度ポリエチレンで、芯側樹脂がポリプロピレンであり、その重量比が50:50である波型捲縮を有する繊度3.3dtex/f、繊維長3mm、撥水性油剤が繊維重量に対して0.35重量%付着したサイド−バイ−サイド構造の複合繊維を使用した目付け30g/mのウェブを用いた。得られた吸収体用拡散シートの測定結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1と同様な工程で吸収体用拡散シートを作製したが、細繊度層には鞘側樹脂が高密度ポリエチレンで、芯側樹脂がポリプロピレンであり、その重量比が50:50である繊度1.0dtex/f、繊維長3mm、耐久親水性油剤が繊維重量に対して0.3重量%付着した鞘芯構造の複合繊維を使用した目付け10g/mのウェブを用い、太繊度層には鞘側樹脂が高密度ポリエチレンで、芯側樹脂がポリプロピレンであり、その重量比が50:50である波型捲縮を有する繊度5.6dtex/f、繊維長5mm、耐久親水性油剤が繊維重量に対して0.35%重量付着した偏心鞘芯構造の複合繊維を使用した目付け35g/mのウェブを用いた。得られた吸収体用拡散シートの測定結果は表1に示す。
(実施例4)
実施例1と同様な工程で吸収体用拡散シートを作製したが、細繊度層には鞘側樹脂が高密度ポリエチレンで、芯側樹脂がポリエチレンテレフタレートである繊度2.2dtex/f、繊維長5mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.3重量%付着した鞘芯構造の複合繊維を使用した目付け20g/mのウェブを用い、太繊度層には鞘側樹脂が高密度ポリエチレンで、芯側樹脂がポリプロピレンであり、その重量比が70:30である波型捲縮を有する繊度5.6dtex/f、繊維長5mm、耐久親水性油剤が繊維重量に対して0.35重量%付着したサイド−バイ−サイド構造の複合繊維を使用した目付け30g/mのウェブを用いた。得られた吸収体用拡散シートの測定結果は表1に示す。
(実施例5)
実施例1と同様な工程で吸収体用拡散シートを作製したが、細繊度層には鞘側樹脂が高密度ポリエチレンで、芯側樹脂がポリプロピレンであり、その重量比が50:50である繊度0.7dtex/f、繊維長3mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.3重量%付着した鞘芯構造の複合繊維を使用した目付け20g/mのウェブを用い、太繊度層には、鞘側樹脂が高密度ポリエチレンで、芯側樹脂がポリプロピレンであり、その重量比が50:50である波型捲縮を有する繊度11dtex/f、繊維長5mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.35重量%付着したサイド−バイ−サイド構造の複合繊維を使用した目付け25g/mのウェブを用いた。得られた吸収体用拡散シートの測定結果は表1に示す。
(実施例6)
実施例1と同様な工程で吸収体用拡散シートを作製したが、細繊度層には鞘側樹脂が高密度ポリエチレンで、芯側樹脂がポリプロピレンであり、その重量比が40:60である繊度1.7dtex/f、繊維長3mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.3重量%付着したサイド−バイ−サイド構造の複合繊維を使用した目付け10g/mのウェブを用い、太繊度層には、鞘側樹脂が高密度ポリエチレンで、芯側樹脂がポリプロピレンであり、その重量比が50:50である波型捲縮を有する繊度6.7dtex/f、繊維長5mm、撥水性油剤が繊維重量に対して0.35重量%付着したサイド−バイ−サイド構造の複合繊維を使用した目付け20g/mのウェブを用いた。得られた吸収体用拡散シートの測定結果は表1に示す。
(実施例7)
実施例1と同様な工程で吸収体用拡散シートを作製したが、細繊度層にはポリオレフィン系複合繊維を80重量%、親水性のレーヨン繊維を20重量%を混合して目付け10g/mのウェブを得た。ポリオレフィン系複合繊維は、鞘側樹脂が高密度ポリエチレンで、芯側樹脂がポリプロピレンであり、その重量比が50:50である繊度1.0dtex/f、繊維長3mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.3重量%付着した鞘芯構造の複合繊維であり、親水性のレーヨン繊維は繊度2.2dtex、繊維長5mmの繊維である。太繊度層は、鞘側樹脂が高密度ポリエチレンで、芯側樹脂がポリプロピレンであり、その重量比が50:50である波型捲縮を有する繊度3.3dtex/f、繊維長3mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.35重量%付着したサイド−バイ−サイド構造の複合繊維を用いて、細繊度層のウェブの上に目付け25g/mの太繊度層のウェブである。得られた吸収体用拡散シートの測定結果は表1に示す。
(実施例8)
実施例1と同様な工程で吸収体用拡散シートを作製したが、細繊度層にはポリオレフィン系複合繊維を85重量%、親水性のフラッフパルプ繊維を15重量%を混合して目付け10g/mのウェブを得た。ポリオレフィン系複合繊維は、鞘側樹脂が高密度ポリエチレンで、芯側樹脂がポリプロピレンであり、その重量比が50:50である繊度1.0dtex/f、繊維長3mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.3重量%付着した鞘芯構造の複合繊維であり、親水性のフラッフパルプ繊維の繊度はおよそ3dtex、繊維長はおよそ3mmである。太繊度層は、鞘側樹脂が高密度ポリエチレンで、芯側樹脂がポリプロピレンであり、その重量比が50:50である波型捲縮を有する繊度3.3dtex/f、繊維長3mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.35重量%付着したサイド−バイ−サイド構造の複合繊維を用いて、細繊度層のウェブの上に目付け25g/mの太繊度層のウェブである。得られた吸収体用拡散シートの測定結果は表1に示す。
(比較例1)
1対のフォーミングヘッドを有するエアレイド機を用いて、まず、細繊度層のポリオレフィン系複合繊維として鞘側樹脂が高密度ポリエチレンで、芯側樹脂がポリプロピレンであり、その重量比が50:50である繊度1.0dtex/f、繊維長3mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.3重量%付着した鞘芯構造の複合繊維を用いて目付け10g/mのウェブを作製し138℃の熱風循環式乾燥機で熱処理し細繊度層を得た。次いで、同様に太繊度層のポリオレフィン系複合繊維として鞘側樹脂が高密度ポリエチレンで、芯側樹脂がポリプロピレンであり、その重量比が50:50である波型捲縮を有する繊度3.3dtex/f、繊維長3mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.35重量%付着したサイド−バイ−サイド構造の複合繊維を用いて目付け25g/mのウェブを作製し、138℃の熱風循環式乾燥機により風速1.0m/secで17秒間熱処理し太繊度層を得た。それぞれ個別に得られた細繊度層と太繊度層を重ね合わせ吸収体用拡散シートとした。得られた拡散シートは単に重ね合わさっているだけなので容易に剥ぐことができた。
(比較例2)
比較例1と同様に細繊度層と太繊度層をそれぞれ作製し、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合系のホットメルト接着剤(タフテックP1000 旭化成(株)製)を30g/mになるように太繊度層の不織布上面に塗布しそれぞれを重ね合わせた。ホットメルト接着剤で重ね合わされた細繊度層と太繊度層の剥離強度は0.7N/50mmであった。
(比較例3)
特開2001−157694号公報の実施例1に準拠し、表面シートと液拡散シートを作製した。表面シートは親水性処理を施したポリエステル/ポリエチレンを原料とし、その重量比が50:50である繊度2.2dtex/f、繊維長44mmの鞘芯構造の複合繊維を使用し、目付け25g/mのカードウェブを形成した後、熱風循環式乾燥機にて厚さ420μmの不織布を得た。次いで、液拡散シートとしてポリプロピレン樹脂を原料とした繊度2.5dtex/f、目付け20g/m、厚さ150μmで、親水性油剤を噴霧し親水性処理を施したスパンボンド不織布を用いた。表面シートと液拡散シートを表面シートが上層になるように重ね合わせ吸収体用拡散シートとした。
(実施例9)
実施例1で得られた吸収体用拡散シートを用いて、ナプキンを作製した。ナプキンは市販されているユニ・チャーム(株)製のソフィ・ボディフィット・普通の日用の表面シートのみを切り取り、その代わりに実施例1で得られた吸収体用拡散シートを同じ大きさに裁断して重ね合わせることにより得た。得られたナプキンの上から生理食塩水を10ml滴下したところ素早く吸収され、液戻りも見られなかった。
(実施例10)
実施例3で得られた吸収体用拡散シートを用いて、子供用紙おむつを作製した。子供用紙おむつは市販されているプロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インク社製パンパース・コットンケア・Mサイズの表面シートを切り取り、その代わりに実施例3で得られた吸収体用拡散シートを同じ大きさに裁断して重ね合わせることにより得た。
得られたおむつの上から生理食塩水を50ml滴下したところ素早く吸収され、液戻りも見られなかった。また、肌に接触させたときの風合いも滑らかであった。
実施例1〜8の吸収体用拡散シートの親水性は、生理食塩水による液透過時間により測定した1回目及び2回目共に短い時間で透過しており、細繊度層の通液性及び太繊度層の拡散性に共に優れていることがわかる。また、細繊度層と太繊度層の層間剥離強度にも優れ、装着者の体の動きに移動したりすることがないので不快感を与えない。しかし、比較例では1回目、2回目とも実施例に比べると液透過時間が長くなっており、通液性、拡散性が低下している。本発明の吸収体用拡散シートは通液層と拡散層が積層され熱接合により一体化していることから、液通過時間の短縮が図られている。
Figure 2006239127
子ども用使い捨ておむつ、大人用使い捨ておむつ、失禁用品、女性用ナプキン、母乳パッド等に使用される。

Claims (5)

  1. 細繊度層と太繊度層が積層され熱接合により一体化された吸収体用拡散シートであり、細繊度層は、繊維長3〜10mm、繊度0.1〜2.5dtex/fの熱可塑性複合繊維を含有し、目付けが8〜30g/mであるエアレイドウェブで構成され、太繊度層は、繊維長3〜10mm、繊度3.0〜11dtex/fの熱可塑性複合繊維を含有し、目付けが15〜50g/mであるエアレイドウェブで構成され、かつ、細繊度層と太繊度層との層間剥離強度が1.0N/50mm以上であることを特徴とする吸収体用拡散シート。
  2. 細繊度層及び太繊度層を構成する熱可塑性複合繊維が低融点成分と高融点成分とからなるポリオレフィン系複合繊維である請求項1記載の吸収体用拡散シート。
  3. 細繊度層が体液を太繊度層へ移行させる通液層であり、太繊度層は細繊度層から移行してきた体液を層内に拡散させる拡散層である請求項1または2記載の吸収体用拡散シート。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収体用拡散シートを具備した紙おむつ。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収体用拡散シートを具備したナプキン。
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