JP2006237278A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フリップチップボンディングでクラックが発生しない膜厚のUBM膜を有する半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体基板1上に形成されるパッド電極2と、該パッド電極2上に形成するUBM5(Under Bump Metal)膜と、該UBM膜5上に形成されるAuバンプ6とを有する半導体装置において、UBM膜5をTiW膜3とAu膜4で構成し、TiW膜3の膜厚をY(nm)、Au膜4の膜厚をX(μm)として、
【数5】
Y≧−20.2X+704(0.2≦X≦20)
Y≧100(20<X)
の関係式を満足するTiW膜の膜厚とTiW膜の膜厚とすることで、クラックが発生しないUBM膜5とすることができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、ICまたはLSIなどの半導体装置に関し、特に、ICチップまたはLSIチップ上に形成された電極構造に関する。
ICチップまたはLSIチップはプリント基板にフリップチップボンディングで固着されて実装される場合がある。以下にフリップチップボンディング法で実装された半導体装置について説明する。また、以下の説明でAuは金、Tiはチタン、Wはタングステン、Niはニッケル、Cuは銅、Siはシリコン、AlはアルミニウムおよびCrはクロムをそれぞれ示し、TiWはTiとWの合金を示す。
図6は、加熱、加圧および超音波振動の組み合わせによるAuバンプを形成する方法を示す模式図である。
ICまたはLSIなどの回路を形成した半導体基板51上にパッド電極52を形成し、このパッド電極52上に超音波ボンディング装置のバンプ形成用キャピラリ71から送り出されたAu線61を押し当てて加熱した状態で(加熱しない場合もある)加圧し、バンプ形成用キャピラリ71を超音波振動させることでAuバンプ56をパッド電極52上に形成する。
図7は、加熱、加圧および超音波振動の組み合わせにより半導体基板をプリント基板にフリップチップボンディングする方法を示す模式図である。
図6のAuバンプ56付き半導体基板51を裏返してフェイスダウンし(Auバンプ56が形成された面を下にし)、プリント基板58の基板電極57上にAuバンプ56を接触させる。フリップチップボンディング用ツール72で半導体基板51を加圧し、超音波振動を加えてAuパッド56と加熱した(加熱しない場合もある)基板電極57とを固着する。このようにして完成した半導体装置200の要部断面図を図8に示す。この半導体装置200のパッド電極52上には以下で説明するUBM(Under Bump Metal)膜は形成されていない。
前記の加熱、加圧および超音波振動の組み合わせによる、パッド電極52上へのAuバンプ56の形成において、または、プリント基板58の基板電極57とAuバンプ56との固着を行うフリップチップボンディングにおいて、ストレスによりICやLSIが形成された半導体基板51にクラック80が発生することがある。このクラック80の発生を防止するために、図9のようにパッド電極52上にUBM膜55を形成することが多い。
このUBM膜55は、2層の金属膜で構成され、1層目は半導体基板51のパッド電極52であるAl電極またはAl合金電極(Al−Si合金電極、Al−Si−Cu合金電極)の表面に電解めっき析出法、無電解めっき析出法、スパッタ法または蒸着法などにより形成されたNi膜、Ti膜、TiW膜53またはCr膜などの金属膜(バリア層)であり、2層目はこの1層目の金属膜上に電解めっき析出法、無電解めっき析出法またはスパッタ法等により形成されるAu膜54である。このAu膜54はCu膜の場合もあり、Auバンプ56をUBM膜55に良好に固着させるために必要である。
このUBM膜55は、半導体基板51へのボンディング時の機械的衝撃(衝撃荷重)を緩和する緩衝膜の役割をしたり、Auバンプ56やAu膜54とパッド電極52であるAl電極との合金により形成されるパープルプレーグが発生するのを抑制するバリア層の役割をして、パッド電極52であるAl電極を保護する働きをする。
また、特許文献1では、UBM膜上にバンプを形成し、このバンプを大きな第1バンプ上に小さな第2バンプを積層して形成することで、フリップチップを回路基板に実装する際に生じる超音波振動や圧力や熱を効率よくバンプで吸収し、フリップチップにダメージを与えないようにできることが開示されている。
特開2003−188202号公報
Auバンプ56形成時のAu線とパッド電極との圧接力はフリップチップボンディング時のAuバンプ56と基板電極57との圧接力と比べて小さく、また、超音波振動による応力は圧接面全体に加わるために、単位面積当たりの応力が小さく、Auバンプ56形成時にはUBM膜55にクラックが発生することは少ない。
しかし、フリップチップボンディング時には、Auバンプ56と基板電極57との圧接力が大きく、また、Auバンプ56がUBM膜55に固着されているため、超音波振動で加わる応力がAuバンプ56の固着部の周囲に集中し、この応力集中によりUBM膜55のTiW膜53に図10のようにクラック80が発生する場合がある。また、Auバンプ56形成時とフリップチップボンディング時の2回の超音波ボンディングにより、UBM膜55(特に、バリア層であるTiW膜53)にクラック80が発生する頻度が増大し、さらに、パッド電極52の下地となる図示しないSiO2 膜や半導体基板51にクラック80を発生させたり、パッド電極52とSiO2 膜の界面に層間剥離を発生させたりする。
また、少ないバンプ数で大面積の半導体基板51をプリント基板58に固着する場合は1バンプ当りに必要な接合強度を大きくする必要があり、これを実現するため超音波パワー(超音波振動のパワー)や加圧力を高くすると、一層UBM膜55にクラック80が発生し易くなる。
UBM膜55にクラック80が発生した場合、クラック80を通してAuバンプ56やAu膜54とパッド電極52であるAl電極またはAl合金電極とが、Au−Alの合金層を形成する。この合金層は経時的に変化し進行してパープルプレーグとなったり、合金比率の異なる界面においてボイドが形成されたりして、接続不良の原因となる。
このように、UBM膜55にクラック80が発生すると、導通不良や経時的な接触抵抗の増大などのを引き起こす。
図11は、ボンディング時の超音波出力と接合強度およびUBM膜のクラック発生率を示す図であり、同図(a)は接合強度を示す図、同図(b)はクラック発生率を示す図である。使用した半導体装置は、図9の構成をした半導体装置200であって、UBM膜55をTiW膜53とAu膜54の2層で形成し、1層目のTiW膜53を300nm、2層目のAu膜54を1μmとした。また、超音波出力は0.5Wから1Wの範囲で可変した。
図11(b)より、フリップチップボンディング時の超音波出力を0.5Wとすると、TiW膜53のクラック発生を防止できる。
しかし、図11(a)に示すように、0.5Wでは接合強度が9.8×0.6N(600gf)となり、この接合強度は1mm□程度の小さな半導体基板では十分であるが、それ以上の大きな半導体基板では、温度サイクルやリフロー炉を通過するときの温度差で、プリント基板58と半導体基板51の熱膨張係数の差により、UBM膜53とAuバンプ56に加わる熱応力が大きくなり、接合強度は不十分であり接合不良を引き起こす。
そこで、十分な接合強度を得ようとして超音波出力を高くすると、TiW膜53に導入されるクラック発生率は大きくなる。図11(b)から、超音波出力を0.75Wとすると9.8×1.2N(1200gf)の接合強度が得られ、接合強度としては十分であるが、TiW膜53に導入されるクラックの発生率は50%となる。さらに超音波出力を1Wにあげて接合強度を9.8×1.5N(1500gf)とするとクラックの発生率は90%と極めて高くなる。また、前記の特許文献1にはこのような課題についての記載がない。
この発明の目的は、前記の課題を解決して、フリップチップボンディングでクラックが発生しない膜厚のUBM膜を有する半導体装置を提供することである。
前記の目的を達成するために、半導体基板上に形成されるパッド電極と、該パッド電極上に形成するUBM(Under Bump Metal)膜と、該UBM膜上に形成されるAuバンプとを有する半導体装置において、
前記UBM膜が、TiW膜と該TiW膜上に形成したAu膜で構成され、TiW膜の膜厚をY(nm)、Au膜の膜厚をX(μm)として、
[数2]
Y≧−20.2X+704(0.2≦X≦20)
Y≧100(20<X)
の関係式を満足する膜厚のTiW膜とAu膜を有する構成とする。
また、半導体基板上に形成されるパッド電極と、該パッド電極上に形成するUBM(Under Bump Metal)膜と、該UBM膜上に形成されるAuバンプとを有する半導体装置において、
前記UBM膜が、Ni膜と該Ni膜上に形成したAu膜で構成され、Ni膜の膜厚が5μm以上であり、且つ、Au膜の膜厚が0.1μm以上である構成とする。
また、前記パッド電極が、Al電極、Al−Si合金電極もしくはAl−Si−Cu合金電極であるとよい。
この発明によれば、UBM膜をTiW膜とAu膜で構成し、TiW膜の膜厚をY(nm)、Au膜の膜厚をX(μm)として、
[数3]
Y≧−20.2X+704(0.2≦X≦20)
Y≧100(20<X)
の関係式を満足するTiW膜の膜厚とTiW膜の膜厚とすることで、クラックが発生しないUBM膜とすることができる。
また、UBM膜をNi膜とAu膜で構成し、Ni膜厚を5μm以上でAu膜厚を0.1μm以上とすることで、クラックが発生しないUBM膜とすることができる。 このように、UBM膜のクラック発生を防止することで、Auバンプとパッド電極および基板電極との接合強度や接合の信頼性を確保することができる。
実施の形態を以下の実施例で説明する。
図1は、この発明の第1実施例の半導体装置の要部断面図である。この半導体装置100をAuバンプ6(スタッドバンプ)を介してプリント基板8に固着する場合について説明する。
半導体装置100は、半導体基板1上に形成したパッド電極2と、パッド電極2上に形成したUBM膜5と、UBM膜5上に形成しプリント基板8に形成された基板電極7(CuやAuなどで形成された導電パターンのこと)と固着するAuバンプ6とで構成される。UBM膜5はバリア層であるTiW膜3(TiとWの合金膜のこと)と、このTiW膜3上に形成しAuバンプ6との固着を良好にするAu膜4とで構成される。Auバンプ6と基板電極7との固着は加熱(加熱しない場合もある)、加圧および超音波振動を組み合わせた超音波ボンディングで行われる。プリント基板8の代わりに図示しない第2半導体基板に前記の半導体基板1をAuバンプ6を介して固着する場合は、プリント基板8の基板電極7に相当する部分は第2半導体基板上に形成した第2パッド電極となり、この第2パッド電極にUBM膜5に相当するUBM膜を形成し、このUBM膜に前記のAuバンプ6を固着することになる。
パッド電極2はAl電極、Al−Si合金電極またはAl−Si−Cu合金電極である。UBM膜5のTiW膜3(合金膜)はスパッタ法で形成され、このTiW膜3上に形成されるAu膜4はスパッタ法または電解めっき法で形成される。また、Auバンプ6は図6で説明した方法で形成する。
図2は、TiW膜の膜厚とUBM膜のクラック発生率の関係を示す図である。Au膜の膜厚Xを0.2μmとし、超音波出力を0.75W(接合強度:9.8×1.2N)とした場合である。TiW膜の膜厚Yが300nmではクラック発生率は90%、500nmではクラック発生率は30%、700nmでクラック発生率は0%となる。つまり、Au膜の膜厚Xが0.2μmで、TiW膜の膜厚Yが700nm以上でクラック発生が抑制される。
図3は、Au膜の膜厚とUBM膜のクラック発生率の関係を示す図である。TiW膜の膜厚Yは300nmとし、超音波出力を0.75W(接合強度:9.8×1.2N)とした場合である。TiW膜Yの膜厚が300nmで、Au膜の膜厚Xが20μm以上でクラック発生が抑制される。
図4は、クラック発生率が0%となるAu膜の膜厚とTiW膜の膜厚の関係を示す図である。
Au膜の膜厚Xが0.2μmで、TiW膜の膜厚Yが700nmの点と、Au膜の膜厚Xが20μmで、TiW膜の膜厚Yが300nmの点を直線で結んだ直線より上方の領域のAu膜の膜厚X、TiW膜の膜厚YとすることでUBM膜5のクラック発生率を0%とすることができる。つまり、UBM膜5(TiW膜3)のクラックの発生を無くすることができる。
また、Au膜の膜厚Xが0.2μm未満ではAuバンプ6との接触膜としては薄過ぎて、Auバンプ6との接合強度の確保が困難になる。そのため、Au膜の膜厚Xとしては0.2μm以上がよいが、望ましくは0.5μm以上とする。
一方、Au膜の膜厚Xが20μmを超えるとボンディング時にの衝撃荷重に対する緩衝膜としては十分な厚さとなるので、TiW膜の膜厚Yに依存せずにUBM膜3のクラック発生率を0%とすることができる。しかし、UBM膜5を構成するTiW膜3はパッド電極2であるAl電極とAuバンプ6(やAu膜4)の合金(Al−Au合金)を防止するバリア層の役割があり、このバリア層として有効に働かせるためには、TiW膜の膜厚Yを100nm以上とする必要がある。
そのため、Au膜の膜厚Xが20μmを超える領域ではTiW膜の膜厚Yを100nm以上とするとよい。
さらに、緩衝材とバリア層の両方を兼ねた働きを強化するには、Au膜の膜厚Xを25μm以上で、TiW膜の膜厚Yを300nm以上とするとよい。
前記のことから、次式を満足する領域にAu膜の膜厚X(μm)とTiW膜の膜厚Y(nm)とを設定することで、UBM膜5のクラック発生率を0%とすることができる。
[数4]
Y≧−20.2X+704(0.2≦X≦20)
Y≧100(20<X)
このように、UBM膜5のクラック発生を防止することで、Auバンプ6とパッド電極2および基板電極7との接合強度や接合の信頼性を確保することができる。
図5は、この発明の第2実施例の半導体装置の要部断面図である。図1との違いはUBM膜5のTiW膜3の代わりにNi膜11を用い、Ni膜11上にAu膜12を形成してUBM膜15とした点である。Ni膜11は無電解めっき析出法で形成する。無電解めっき析出法を用いると、Ni膜11の膜厚を数μm〜十数μm程度まで厚くすることができる。
Ni膜11の膜厚を5μm程度とすることで、ボンディング時のダメージによるNi膜11に発生するクラックを抑止し、また下地のパッド電極2であるAl電極や更にその下地となるSiO2 膜やSi基板への衝撃緩和を可能とする。この場合、ボンディングする面であるNi膜11の表面に無電解めっき法でAu膜12を形成する。UBM膜15の表面層であるAu膜12の膜厚は、ボンディング可能な厚みがあれば十分であり、100nm程度以上あればよい。
つまり、UBM膜15をNi膜11とこのNi膜11上に形成したAu膜12で構成し、Ni膜11の膜厚を5μm以上とし、且つ、Au膜12の膜厚を100nm以上とすることでUBM膜15のクラック発生を防止することができる。
前記したように、UBM膜5、15のクラック発生を防止することで、前記と同様にAuバンプ6とパッド電極2および基板電極7との接合強度や接合の信頼性を確保することができる。
また、前記の半導体基板1をAuバンプ6を介して固着する基板として、前記のプリント基板8の他に、セラミック基板、フレキシブル基板およびリードフレームなどある。また、前記したように、UBM膜5、15付き半導体基板1同士をAuバンプ6で固着する場合もある。
また、前記の実施例ではフリップチップボンディングの場合のみを説明したが、Au線をパッド電極に超音波ボンディング(ワイヤボンディング)する場合も、本発明のUBM膜をパッド電極であるAl電極などの上に形成することでUBM膜のクラック発生を防止することができる。
この発明の第1実施例の半導体装置の要部断面図 TiW膜の膜厚とUBM膜のクラック発生率の関係を示す図 Au膜の膜厚とUBM膜のクラック発生率の関係を示す図 クラック発生率が0%となるAu膜の膜厚とTiW膜の膜厚の関係を示す図 この発明の第2実施例の半導体装置の要部断面図 加熱、加圧および超音波振動の組み合わせによるAuバンプを形成する方法を示す模式図 加熱、加圧および超音波振動の組み合わせによる半導体基板をプリント基板にフリップチップボンディングする方法を示す模式図 従来のUBM膜なしの半導体装置の要部断面図 従来のUBM膜付き半導体装置の要部断面図 UBM膜にクラックが発生した図 ボンディング時の超音波出力と接合強度およびUBM膜のクラック発生率を示す図であり、(a)は接合強度を示す図、(b)はクラック発生率を示す図
符号の説明
1 半導体装置
2 パッド電極
3、53 TiW膜
4、12、54 Au膜
5、15、55 UBM膜
6 Auバンプ
7 基板電極
8 プリント基板
11 Ni膜
100 半導体装置
X Au膜の膜厚
Y TiW膜の膜厚

Claims (3)

  1. 半導体基板上に形成されるパッド電極と、該パッド電極上に形成するUBM(Under Bump Metal)膜と、該UBM膜上に形成されるAuバンプとを有する半導体装置において、
    前記UBM膜が、TiW膜と該TiW膜上に形成したAu膜で構成され、TiW膜の膜厚をY(nm)、Au膜の膜厚をX(μm)として、
    [数1]
    Y≧−20.2X+704(0.2≦X≦20)
    Y≧100(20<X)
    の関係式を満足する膜厚のTiW膜とAu膜を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 半導体基板上に形成されるパッド電極と、該パッド電極上に形成するUBM(Under Bump Metal)膜と、該UBM膜上に形成されるAuバンプとを有する半導体装置において、
    前記UBM膜が、Ni膜と該Ni膜上に形成したAu膜で構成され、Ni膜の膜厚が5μm以上であり、且つ、Au膜の膜厚が0.1μm以上であることを特徴とする半導体装置。
  3. 前記パッド電極が、Al電極、Al−Si合金電極もしくはAl−Si−Cu合金電極であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
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