JP2006237181A - 半導体基板及び太陽電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 工程を簡略化し得る半導体基板および太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】 基板表面及び/または裏面の一部に不純物を含む成長阻止層2を形成し、成長阻止層2以外の基板表面上に半導体層3をエピタキシャル成長させ、このエピタキシャル成長の際に基板へ加えられた熱によって成長阻止層2より基板内部に不純物4を拡散させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 基板表面及び/または裏面の一部に不純物を含む成長阻止層2を形成し、成長阻止層2以外の基板表面上に半導体層3をエピタキシャル成長させ、このエピタキシャル成長の際に基板へ加えられた熱によって成長阻止層2より基板内部に不純物4を拡散させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体デバイスなどを製造するのに利用出来る半導体基板の製造方法及び太陽電池の製造方法に関するものである。
MOSトランジスタを作成する際に、液相エピタキシャル成長においてSiO2層を成長阻止層として使用する技術が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の方法はフィールド酸化膜などのSiO2層により液相成長の成膜を防ぐ為、MOS構造を形成する場合には好適であるが、他の素子へ適用すると成長阻止層を使った成膜と基板への不純物拡散を別の工程として実施しなければならず、プロセスが複雑になりスループットが低下していた。
また、太陽電池においては基板表面と電極とのコンタクト抵抗を下げる為に、電極直下は高濃度の不純物が必要となる。このため、従来は、光受光面と電極直下のそれぞれに対して最適な不純物濃度を達成する様に拡散工程を2回行っているため、やはりスループットが低下していた。
その上、太陽電池では従来より裏面の少数キャリアの再結合速度を低下させる為に裏面電界層(BSF層)を形成するが、従来の太陽電池セルの製造方法ではAlペーストを全面に印刷焼成を行わないと、十分な効果が得られない。
しかし、シリコン基板厚を200μm程度まで薄くするとAlとSiの熱膨張係数の差に起因した内部応力の発生により、Si基板の反りや割れが発生する為、基板の反り、割れを回避する方法として裏面に前もって不純物を拡散しBSF層を形成しておき、金属電極は熱応力が小さくなる様に低温にて形成する方法がある。しかし裏面への不純物拡散の工程を追加することでスループットの低下、コストアップにつながっていた。
本発明はこのような現状に鑑みなされたものであって、従来の製造方法と比較して工程が簡略化する半導体基板の製造方法を提供し、太陽電池に使用してもコンタクト抵抗が低いグリッド電極が形成可能かつBSF構造が形成された基板を、複雑な工程を使用せずに提供する事を目的とする。
本発明の半導体基板の製造方法は、少なくとも基板表面及び/または裏面の一部に不純物を含む成長阻止層を形成する工程と、該成長阻止層以外の基板表面上にエピタキシャル成長させると共に該成長阻止層より基板内部に不純物を拡散させる工程とを有することを特徴とする。
また本発明の半導体基板の製造方法は、第一の導電型を有する基板表面の一部に第二の導電型の不純物を含む成長阻止層と、基板裏面の一部に第一の導電型の不純物を含む成長阻止層を形成する工程と、該成長阻止層以外の基板表面上にエピタキシャル成長させると共に該成長阻止層より基板内部に不純物を拡散させる工程とを有することを特徴とする。
また、これら本発明の半導体基板の製造方法おいて、更に、前記成長阻止層材料は前記不純物の酸化物もしくは前記不純物を含有したシリコン酸化物であることを特徴とする。
また本発明の半導体基板の製造方法は、第一の導電型を有する基板表面の一部に第二の導電型の不純物を含む成長阻止層と、基板裏面の一部に第一の導電型の不純物を含む成長阻止層を形成する工程と、該成長阻止層以外の基板表面上にエピタキシャル成長させると共に該成長阻止層より基板内部に不純物を拡散させる工程とを有することを特徴とする。
また、これら本発明の半導体基板の製造方法おいて、更に、前記成長阻止層材料は前記不純物の酸化物もしくは前記不純物を含有したシリコン酸化物であることを特徴とする。
本発明の太陽電池の製造方法は、少なくとも基板表面及び/または裏面の一部に不純物を含む成長阻止層を形成する工程と、該成長阻止層以外の基板表面上にエピタキシャル成長させると共に該成長阻止層より基板内部に不純物を拡散させる工程とを有することを特徴とする。
また本発明の太陽電池の製造方法は、第一の導電型を有する基板表面の一部に第二の導電型の不純物を含む成長阻止層と、基板裏面の一部に第一の導電型の不純物を含む成長阻止層を形成する工程と、該成長阻止層以外の基板表面上にエピタキシャル成長させると共に該成長阻止層より基板内部に不純物を拡散させる工程とを有することを特徴とする。
また本発明の太陽電池の製造方法は、基板表面に第一の半導体膜を形成する工程と、不純物を含む成長阻止層を形成する工程と、該成長阻止層を電極形状のパターンに加工する工程と、成長阻止層以外の第一の半導体膜上に表面がテキスチャ形状を有する第二の半導体膜を形成する工程と、前記電極パターンの成長阻止層を除去する工程と、少なくとも前記第一の半導体膜の上に電極を形成する工程とを有することを特徴とする。
また、これら本発明の太陽電池の製造方法おいて、更に、前記成長阻止層材料は前記不純物の酸化物もしくは前記不純物が含有したシリコン酸化物であることを特徴とする。
また本発明の太陽電池の製造方法は、第一の導電型を有する基板表面の一部に第二の導電型の不純物を含む成長阻止層と、基板裏面の一部に第一の導電型の不純物を含む成長阻止層を形成する工程と、該成長阻止層以外の基板表面上にエピタキシャル成長させると共に該成長阻止層より基板内部に不純物を拡散させる工程とを有することを特徴とする。
また本発明の太陽電池の製造方法は、基板表面に第一の半導体膜を形成する工程と、不純物を含む成長阻止層を形成する工程と、該成長阻止層を電極形状のパターンに加工する工程と、成長阻止層以外の第一の半導体膜上に表面がテキスチャ形状を有する第二の半導体膜を形成する工程と、前記電極パターンの成長阻止層を除去する工程と、少なくとも前記第一の半導体膜の上に電極を形成する工程とを有することを特徴とする。
また、これら本発明の太陽電池の製造方法おいて、更に、前記成長阻止層材料は前記不純物の酸化物もしくは前記不純物が含有したシリコン酸化物であることを特徴とする。
本発明の半導体基板の製造方法によれば、基板表面、裏面の一部に不純物を含有した成長阻止層を形成した後にエピタキシャル成長することで、所望の部分に選択的な結晶成長が可能であるのと同時に、成長阻止層により基板内部に所望の導電型の不純物が拡散した半導体基板を作成することが可能になり、工程を減らすことが出来、スループットの向上、コストダウンが可能となる。
また、本発明の太陽電池の製造方法によれば、基板表面の電極とのコンタクトに最適な不純物濃度が結晶成長時に同時に形成される。さらに基板裏面のBSF構造も形成することが可能となる為、太陽電池セル形成においてスループットが向上し、コストダウンが可能となる。さらにエピタキシャル成長における温度プロファイルはBSF効果を十分に引き出すのに好適である為、太陽電池の変換効率を向上せしめることができる。
本発明の一実施形態を図1を用いて説明する。図1は本発明の半導体基板及び太陽電池の製造方法の一例を模式的に示した断面図である。
図1(a)において、半導体基板1を用意する。基板の材料はシリコンだけでなく、GaAs、GaPなどの化合物半導体であっても良い。
図1(b)において、半導体基板1の表面に結晶成長を阻害する表面成長阻止層2aを形成する。成長阻止層2aとしては不純物を含んだ酸化膜を形成する。
成長阻止層2aの形成方法は不純物がドープされた有機シリカ塗布剤を基板上にスピン又はスプレーコートする。この際の不純物の濃度は3%以上が好ましい。
また、CVD法によりPSG,BSGなどの不純物を含んだシリコン酸化膜を表面に形成しても良い。成長阻止層に含有する不純物としては、P,Sb,As,B,Al,Ga,Zn,Cd,Se,Sn、等が挙げられる。また、POCl3、BBr3等より基板上に形成される不純物の酸化物としてのB2O5、P2O5などを使用しても良い。
成長阻止層2aの形成方法は不純物がドープされた有機シリカ塗布剤を基板上にスピン又はスプレーコートする。この際の不純物の濃度は3%以上が好ましい。
また、CVD法によりPSG,BSGなどの不純物を含んだシリコン酸化膜を表面に形成しても良い。成長阻止層に含有する不純物としては、P,Sb,As,B,Al,Ga,Zn,Cd,Se,Sn、等が挙げられる。また、POCl3、BBr3等より基板上に形成される不純物の酸化物としてのB2O5、P2O5などを使用しても良い。
図1(c)において半導体基板1の裏面にも上記手法により結晶成長を阻害する裏面成長阻止層2bを形成する。
図1(d)において、表面成長阻止層2aを所望の電極パターン形状に整形する。この方法としては例えばフォトレジストインクをスクリーン印刷などで電極パターン形状に塗布した後、弗酸溶液に浸漬する。するとフォトレジストインクで被覆された部分の成長阻止層は保護され、その他の部分は成長阻止層がエッチングされて半導体基板1が露出する。しかるのち電極パターン形状に残存しているフォトレジストインクをアルカリ溶液で除去する。
表面成長阻止層2aを所望の電極パターン形状に形成する別の方法としては図1(b)において、該表面成長阻止層2aを半導体基板1の全面に形成するかわりにはじめから電極パターン形状に形成することも出来る。その方法は電極パターン形状のマスクを使用する方法、スクリーン印刷法あるいはインクジェットによる描画などの方法を適用することが出来る。この方法では図1(d)に示した表面成長阻止層2aを電極パターン形状に整形する工程を省略することが出来る。
図1(e)において、成長阻止層2aに覆われていない半導体基板1の表面に液層成長法又はCVD法等の気相成長法により半導体層3をエピタキシャル成長させる。この形成時に微量のドーパントを混入させることにより半導体層3をp-型(あるいはn-型)に制御することが可能である。
エピタキシャル成長とは基板の結晶方位を引き継いで成長することであり、ホモエピタキシャル、ヘテロエピタキシャルを問わない。さらに基板は単結晶、多結晶に限定されない。
この半導体層3を成長する際に基板へ加えられた熱により成長阻止層2から半導体基板1内に不純物4が熱拡散していく(図1(f))。
図1(g)において、残存している成長阻止層2を弗酸溶液などで除去すると半導体基板1上に半導体層3が成長した箇所と基板内に不純物4が拡散している箇所を有する半導体基板が出来上がる。
以上のようにして得られた半導体基板を用いて太陽電池を製造するには、まず図1(h)に示すように半導体層3の表面に別途拡散によってpn接合5が形成される。なお、この際に、表面成長阻止層2aからの不純物拡散とは異なる拡散条件にて行うことが出来る為、それぞれ最適な条件にて不純物拡散が行うことが可能である。
次に図1(i)において、半導体層3表面に反射防止膜6を形成する。さらに図1(j)において、表面の電極パターン形状部及び半導体基板1の裏面には電極7が形成される。これらの電極を形成するには印刷、蒸着、スパッタなどの方法を用いることが出来る。
以上説明した本発明の実施形態によれば、基板表面、裏面の一部に不純物を含有した成長阻止層を形成した後にエピタキシャル成長することで、所望の部分に選択的な結晶成長が行われ、これと同時に成長阻止層より基板内部に所望の導電型の不純物を拡散せしめることができる。また、太陽電池の製造においては、電極とのコンタクトに最適な不純物濃度が結晶成長時に同時に形成され、さらに基板裏面のBSF構造も同時に形成することが可能となる。
以下に本発明の実施例を示すが、以下の実施例で本発明の内容が限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例は、2Ω・cmのp型単結晶シリコン基板裏面上に成長阻止層を形成後、気相成長により基板表面にシリコン膜を成膜すると共に、基板裏面に不純物を拡散した半導体基板を製造した例である。
本実施例は、2Ω・cmのp型単結晶シリコン基板裏面上に成長阻止層を形成後、気相成長により基板表面にシリコン膜を成膜すると共に、基板裏面に不純物を拡散した半導体基板を製造した例である。
まず、単結晶シリコン基板8を用意する(図2(a))。図2(b)にて単結晶シリコン基板8の裏面上に成長阻止層2を形成する方法としては、Bを含有するスピンオンドーパント剤をスピンコートにて裏面に塗布、乾燥させ不純物(B)を含んだ有機シリカ膜を形成する。
次に基板表面にn型シリコン層9をCVD法によりエピタキシャル成長する。ソースガスSiH4、キャリアガスH2、温度1050℃×30秒、ドーパントガスPH3を加えることで0.5μm厚のn型のシリコン層9が得られる(図2(c))。この時、裏面の成長阻止層2の上には成膜されずに、CVD工程にて基板に加わる熱により成長阻止層2より基板内にBが熱拡散していき、Bが拡散した領域10が形成される(図2(d))。
次にCVD装置より取り出し、10%弗酸溶液に浸漬して裏面の成長阻止層2を除去する。これにより表面にn型のシリコン層9が積層し、裏面にBが厚さ0.8μm拡散した領域10を有する半導体基板が形成された(図2(e))。
本実施例で示した半導体基板の製造方法によれば、基板裏面の不純物拡散を単独で行う必要は無く、結晶成長と拡散を兼ねる事ができ工程が簡略化されスループットが向上した。
(実施例2)
本実施例は、実施例1で形成した半導体基板を使用し太陽電池を製造した例である。
本実施例は、実施例1で形成した半導体基板を使用し太陽電池を製造した例である。
まず実施例1と同様の工程にて表面にn型シリコン層9が積層し、かつ裏面にBが拡散した領域10を有する単結晶シリコン基板8を準備する(図3(a))。
次にn型シリコン層9の表面にTiO2を80nmの厚さにプラズマCVD装置で形成して反射防止膜6とする(図3(b))。
次に図3(c)に示す様にTiO2の電極部を開口した後に蒸着法を用いて表面Ag電極11を堆積する。次にBが拡散した領域10の裏面にも裏面Ag電極12を形成し太陽電池を得る(図3(d))。
本実施例の太陽電池においては、p型基板裏面のBが拡散した領域10はBSF層として機能する。一方、従来はAlペーストの印刷焼成にて裏面電極を形成していたが、薄い基板ではそりが発生してしまうことがある為、別途不純物を拡散することでBSF層形成する必要があった。
本実施例で示した太陽電池の製造方法によれば、BSF層の拡散を単独で行う必要は無く、エピタキシャル成長と拡散を兼ねる事ができ工程が簡略化されスループットが向上した。その上、エピタキシャル成長における温度プロファイルは1050℃と高温である為、裏面にBを通常より深く拡散させることができBSF効果を十分に引き出すことが可能となった。
(実施例3)
本実施例は、金属級多結晶シリコン基板上に、液相成長によりシリコン層を成膜した後、表面に成長阻止層を形成してさらにシリコン層を成膜し太陽電池を製造した例である。
本実施例は、金属級多結晶シリコン基板上に、液相成長によりシリコン層を成膜した後、表面に成長阻止層を形成してさらにシリコン層を成膜し太陽電池を製造した例である。
まず図4(a)に示す、金属級多結晶シリコン基板13を用意する。次に金属級多結晶シリコン基板13の上に第一のシリコン半導体層14を液相エピタキシャル成長する。具体的には、メルトとしてのインジウムにシリコン原料を930℃で飽和溶解したもので、これを927℃に降温して過飽和状態としてから金属級多結晶シリコン基板13を該過飽和メルト中に浸漬し、温度を一定に保って15分維持すると8μmの厚さが有り比較的平坦な第一のシリコン層14が得られる(図4(b))。
その後、液体不純物であるPOCl3を使い第一のシリコン半導体層14上に不純物の酸化物のP2O5を堆積する。その後レジストによりパターニングすることにより、成長阻止層2としてのP2O5膜を電極パターン形状に形成する(図4(c))。
次に第二のシリコン半導体層15を液相エピタキシャル成長する。具体的には、メルトにシリコン原料を930℃で飽和溶解した後に923℃に降温して過飽和状態としてから金属級多結晶シリコン基板13を該過飽和メルト中に浸漬し、温度を一定に保って30分維持すると20μm厚の第二のシリコン半導体層15が得られる(図4(d))。この第二のシリコン半導体層15はテキスチャ形状の表面を有している。また、電極パターン形状の成長阻止層2としてのP2O5膜の上には成膜されない。
さらに第二のシリコン半導体層15を成長する際に基板に与えられる熱により成長阻止層2より第一のシリコン半導体層14内に不純物が熱拡散し、Pが拡散した領域16が形成される(図4(e))。
次に液相成長装置より取り出し、王水に浸漬し金属級多結晶シリコン基板13に付着したメルトを除去する。続いて10%弗酸溶液に浸漬して電極パターン形状のP2O5膜を除去する(図4(f))。
次に第二のシリコン半導体層15の表面にn型拡散剤を200nmの厚さに塗布後860℃で焼成して、n+層17を形成する(図4(g))。
続いてSiNを電極形成部分は開口し80nmの厚さにプラズマCVD装置で形成して反射防止膜6とする(図4(h))。
次にスクリーン印刷にて電極形成部分にAgペーストを塗布後730℃にて焼成して表面Ag電極11を形成する(図4(i))。最後に、金属級多結晶シリコン基板13の裏面にAlペーストを塗布後、700℃にて焼成してAl電極18を形成し、太陽電池を得た(図4(j))。
なお、図においては説明の便宜上第一および第二のシリコン半導体層を区別して示しているが、第二のシリコン半導体層は第一のシリコン半導体層上にホモエピタキシャル成長するので、実際にはこれらの間に素子特性に影響を与えるような界面が形成されることは無い。
本実施例で示した太陽電池の製造方法によれば、単純な工程で基板と電極とのコンタクト抵抗を低く抑えることができスループットが向上した。さらに本実施例の形態では電極が埋め込み構造となるのでシャドウロスも低減され電流を大きくすることが出来る。したがって特性の優れた太陽電池をスループット良く得ることが出来る。
(実施例4)
本実施例は、5Ω・cmのn型単結晶シリコン基板裏面上に成長阻止層を形成後、気相成長により基板表面にシリコン膜を成膜すると共に、基板裏面に不純物を拡散しメサ型のバイポーラトランジスタを形成した例である。
本実施例は、5Ω・cmのn型単結晶シリコン基板裏面上に成長阻止層を形成後、気相成長により基板表面にシリコン膜を成膜すると共に、基板裏面に不純物を拡散しメサ型のバイポーラトランジスタを形成した例である。
まず、n型単結晶シリコン基板19を用意する(図5(a))。次に図5(b)に示す様にn型単結晶シリコン基板19の裏面上に成長阻止層2として、CVD法によりPSG膜を堆積する。
次に基板表面にp型シリコン層20をCVD法により成長する。ソースガスSiH4、キャリアガスH2、温度1000℃にて、ドーパントガスB2H6を加えることで2μm厚のp型シリコン層20が得られる(図5(c))。この時、裏面の成長阻止層2の上には成膜されずに、CVD工程にて基板に加わる熱により成長阻止層2より基板内にPが熱拡散していき、Pが拡散した領域16が形成される(図5(d))。
次にCVD装置より取り出し、10%弗酸溶液に浸漬して裏面の成長阻止層2を除去することで表面にp型のシリコン層20が積層し、裏面に厚さ1μmのPが拡散した領域16を有する半導体基板が形成された(図5(e))。
その後、基板表面に850℃にて熱酸化膜を形成した後に、n+領域の形成予定個所の酸化膜21を開口する(図5(f))。
次に酸化膜21をマスクにイオンインプラにてAsを100keVにて1×1016cm-3の打ち込みn+層17を形成した(図5(g))。
その後、ベース電極取り出し用に酸化膜21を開口し、ベース、エミッタ及びコレクタにスパッタによるAl電極18を形成しnpn構造のトランジスタを得た(図5(h))。
通常、高抵抗のn型の基板に対してアルミ電極はオーミック接触が形成できない為、裏面を高濃度のn型にする必要が有るが、本実施例の製造方法によれば、コレクタとしての基板裏面を高濃度のn型にする為の拡散をベース用のエピタキシャル成長時に同時に実施可能となり、単純な工程でメサ型のバイポーラトランジスタを形成でき、スループットが向上した。
(実施例5)
本実施例は、2Ω・cmのp型単結晶シリコン基板の表面,裏面に成長阻止層を形成して液相成長によりシリコン層を成膜し基板を製造した例である。
本実施例は、2Ω・cmのp型単結晶シリコン基板の表面,裏面に成長阻止層を形成して液相成長によりシリコン層を成膜し基板を製造した例である。
まず図6(a)に示す、単結晶シリコン基板8を用意する。
図6(b)にて単結晶シリコン基板8の裏面上に裏面成長阻止層2bを形成する。方法としては、Bを含有するスピンオンドーパント剤をスピンコートにて裏面に塗布、乾燥させ不純物(B)を含んだ有機シリカ膜を形成する。
又、図6(c)にて単結晶シリコン基板8の表面上にも表面成長阻止層2aを形成する。方法としては、Pを含有するスピンオンドーパント剤をノズルより塗出させ電極パターン形状に塗布、乾燥させ不純物(P)を含んだ有機シリカ膜を形成する。
図6(b)にて単結晶シリコン基板8の裏面上に裏面成長阻止層2bを形成する。方法としては、Bを含有するスピンオンドーパント剤をスピンコートにて裏面に塗布、乾燥させ不純物(B)を含んだ有機シリカ膜を形成する。
又、図6(c)にて単結晶シリコン基板8の表面上にも表面成長阻止層2aを形成する。方法としては、Pを含有するスピンオンドーパント剤をノズルより塗出させ電極パターン形状に塗布、乾燥させ不純物(P)を含んだ有機シリカ膜を形成する。
次に成長阻止層2が形成された単結晶シリコン基板8の上に第一のシリコン半導体層14を液相エピタキシャル成長する。具体的には、メルトとしてのインジウムにシリコン原料を930℃で飽和溶解したもので、これを927℃に降温して過飽和状態としてから単結晶シリコン基板8を該過飽和メルト中に浸漬し、温度を一定に保って40分維持すると20μmの厚さが有り比較的平坦な第一のシリコン層14が得られる(図6(d))。電極パターン形状の成長阻止層2上には成膜されない。
さらに第一のシリコン半導体層14を成長する際に基板に与えられる熱により成長阻止層2より単結晶シリコン基板8内に不純物が熱拡散し、Bが拡散した領域10とPが拡散した領域16が形成される。
次に装置より取り出し基板に付着したメルト、成長阻止層2を除去し、表裏面に不純物が拡散した基板を得る(図6(e))。
(実施例6)
本実施例は、実施例5で形成した半導体基板を使用し太陽電池を製造した例である。
まず実施例5と同様の工程にて表面にPが拡散した領域16かつ裏面にBが拡散した領域10を有する単結晶シリコン基板8を準備する(図7(a))。
次に単結晶シリコン基板8表面にシート抵抗100Ω/□のn+層17を形成する(図7(b))。続いてSiNを80nmの厚さにプラズマCVD装置で形成して反射防止膜6とする(図7(c))。
本実施例は、実施例5で形成した半導体基板を使用し太陽電池を製造した例である。
まず実施例5と同様の工程にて表面にPが拡散した領域16かつ裏面にBが拡散した領域10を有する単結晶シリコン基板8を準備する(図7(a))。
次に単結晶シリコン基板8表面にシート抵抗100Ω/□のn+層17を形成する(図7(b))。続いてSiNを80nmの厚さにプラズマCVD装置で形成して反射防止膜6とする(図7(c))。
次にPが拡散した領域16の反射防止膜6上にスクリーン印刷にてAgペーストを塗布後、730℃にて焼成し反射防止膜を貫通してPが拡散した領域16にコンタクトさせ表面Ag電極11を形成する(図7(d))。最後に、単結晶シリコン基板8裏面のBが拡散した領域10にAgペーストを塗布後、650℃にて焼成して裏面Ag電極12を形成し、太陽電池を得る(図7(e))。
本実施例で示した太陽電池の製造方法によれば、電極が埋め込み構造となるのでシャドウロスも低減され電流を大きくすることが出来る。さらに裏面のBが拡散した領域10はBSF層として機能する為特性の優れた太陽電池をスループット良く得ることが出来る。
1 半導体基板
2 成長阻止層
2a 表面成長阻止層
2b 裏面成長阻止層
3 半導体層
4 不純物
5 pn接合
6 反射防止膜
7 電極
8 単結晶シリコン基板
9 n型シリコン層
10 Bが拡散した領域
11 表面Ag電極
12 裏面Ag電極
13 金属級多結晶シリコン基板
14 第一のシリコン半導体層
15 第二のシリコン半導体層
16 Pが拡散した領域
17 n+層
18 裏面Al電極
19 n型単結晶シリコン基板
20 p型シリコン層
21 酸化膜
2 成長阻止層
2a 表面成長阻止層
2b 裏面成長阻止層
3 半導体層
4 不純物
5 pn接合
6 反射防止膜
7 電極
8 単結晶シリコン基板
9 n型シリコン層
10 Bが拡散した領域
11 表面Ag電極
12 裏面Ag電極
13 金属級多結晶シリコン基板
14 第一のシリコン半導体層
15 第二のシリコン半導体層
16 Pが拡散した領域
17 n+層
18 裏面Al電極
19 n型単結晶シリコン基板
20 p型シリコン層
21 酸化膜
Claims (9)
- 少なくとも基板表面及び/または裏面の一部に不純物を含む成長阻止層を形成する工程と、該成長阻止層以外の基板表面上にエピタキシャル成長させると共に該成長阻止層より基板内部に不純物を拡散させる工程と、を有することを特徴とする半導体基板の製造方法。
- 第一の導電型を有する基板表面の一部に第二の導電型の不純物を含む成長阻止層と、基板裏面の一部に第一の導電型の不純物を含む成長阻止層を形成する工程と、該成長阻止層以外の基板表面上にエピタキシャル成長させると共に該成長阻止層より基板内部に不純物を拡散させる工程と、を有することを特徴とする半導体基板の製造方法。
- 前記成長阻止層材料は前記不純物の酸化物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体基板の製造方法。
- 前記成長阻止層材料は前記不純物を含有したシリコン酸化物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体基板の製造方法。
- 少なくとも基板表面及び/または裏面の一部に不純物を含む成長阻止層を形成する工程と、該成長阻止層以外の基板表面上にエピタキシャル成長させると共に該成長阻止層より基板内部に不純物を拡散させる工程と、を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
- 第一の導電型を有する基板表面の一部に第二の導電型の不純物を含む成長阻止層と、基板裏面の一部に第一の導電型の不純物を含む成長阻止層を形成する工程と、該成長阻止層以外の基板表面上にエピタキシャル成長させると共に該成長阻止層より基板内部に不純物を拡散させる工程と、を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
- 基板表面に第一の半導体膜を形成する工程と、不純物を含む成長阻止層を形成する工程と、該成長阻止層を電極形状のパターンに加工する工程と、成長阻止層以外の第一の半導体膜上に表面がテキスチャ形状を有する第二の半導体膜を形成する工程と、前記電極パターンの成長阻止層を除去する工程と、少なくとも前記第一の半導体膜の上に電極を形成する工程と、を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
- 前記成長阻止層材料は前記不純物の酸化物であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
- 前記成長阻止層材料は前記不純物が含有したシリコン酸化物であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
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JP2014527297A (ja) * | 2011-08-05 | 2014-10-09 | アイメック | 異なってドープされた領域のパターンの形成方法 |
-
2005
- 2005-02-24 JP JP2005048148A patent/JP2006237181A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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JP2014527297A (ja) * | 2011-08-05 | 2014-10-09 | アイメック | 異なってドープされた領域のパターンの形成方法 |
EP2740149B1 (en) * | 2011-08-05 | 2020-05-20 | IMEC vzw | Method for forming patterns of differently doped regions |
JP2013105887A (ja) * | 2011-11-14 | 2013-05-30 | Ulvac Japan Ltd | 結晶太陽電池の製造方法 |
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