JP2006236544A - 相変化型光記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 DVD6〜8倍速以上の高速繰り返し記録においても、εの大きい条件で低ジッターで記録可能な相変化型光記録媒体の提供、更には、ジッターとエラーが共に十分に低く、かつ記録感度が良好な相変化型光記録媒体の提供。
【解決手段】 基板上に、少なくとも相変化記録層とこれに接する無機保護層を有し、該無機保護層が、酸化していない金属元素及び/又は酸化数が最大ではない状態にある金属酸化物を含み、波長λ=660nmにおける複素屈折率n+ikが、次の(1)式を満たす金属酸化物αを主成分とすることを特徴とする光記録媒体。
2.0≦n≦4.0、 0≦k≦1.0 (1)
【選択図】 図2
【解決手段】 基板上に、少なくとも相変化記録層とこれに接する無機保護層を有し、該無機保護層が、酸化していない金属元素及び/又は酸化数が最大ではない状態にある金属酸化物を含み、波長λ=660nmにおける複素屈折率n+ikが、次の(1)式を満たす金属酸化物αを主成分とすることを特徴とする光記録媒体。
2.0≦n≦4.0、 0≦k≦1.0 (1)
【選択図】 図2
Description
本発明は、光ビームを照射することにより記録層材料に光学的な変化を生じさせて情報の記録を行なうことができ、DVD6〜8倍速以上の高線速でも書き換えが可能な相変化型光記録媒体に関する。
記録層と反射層との間に本発明で規定する屈折率の範囲と重複するような層を用いるものとして、特許文献1〜3に挙げたような例がある。しかし、何れも屈折率の範囲は一部重なるものの、本発明とは構成が異なり、目的や効果も異なる。
特許文献1では、記録層又は保護層の構成元素の何れかの拡散を防ぐバリヤー層として、窒化物又は窒酸化物を用い、その複素屈折率を1.7≦n≦3.8、0≦k≦0.8としている。
特許文献2では、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物と金属との混合物からなる複素屈折率n,kが1.4<n<4.5,0.5<k<3.5の層を吸収率制御層として用いている。吸収率制御層に光を吸収させることにより、非晶質と結晶との吸収率差を少なくすることを目的としている。
特許文献3では、AlやCrを含む金属の酸化物、又は、窒化物を主成分とする1.0≦n≦4.0、0.5≦k≦3.0の吸収量補正層を用いている。特許文献2と同様に、これに光を吸収させることにより、非晶質と結晶との吸収率差を少なくすることを目的としている。
特許文献1では、記録層又は保護層の構成元素の何れかの拡散を防ぐバリヤー層として、窒化物又は窒酸化物を用い、その複素屈折率を1.7≦n≦3.8、0≦k≦0.8としている。
特許文献2では、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物と金属との混合物からなる複素屈折率n,kが1.4<n<4.5,0.5<k<3.5の層を吸収率制御層として用いている。吸収率制御層に光を吸収させることにより、非晶質と結晶との吸収率差を少なくすることを目的としている。
特許文献3では、AlやCrを含む金属の酸化物、又は、窒化物を主成分とする1.0≦n≦4.0、0.5≦k≦3.0の吸収量補正層を用いている。特許文献2と同様に、これに光を吸収させることにより、非晶質と結晶との吸収率差を少なくすることを目的としている。
記録層に接するように特定の酸化物層を用いる光記録媒体に関しては種々の提案があるが、何れも本発明とは構成が異なり、目的や効果も異なる。
例えば、特許文献4では、Zrの酸化物と特定の元素の酸化物との混合物からなる層を記録層と反射層の間に記録層に接するように設けている。Zrの酸化物に混合される特定の元素の酸化物としては周期律表の第3周期〜第6周期の2族〜14族から選ばれる1種以上の元素の酸化物を例示しており、この中にはGeも含まれるものの、具体的な元素としてGeは記載されていない。また、Zrの酸化物を必ず含むため本発明とは構成が異なり、その効果も核形成促進により繰り返し記録耐久性を向上させるものであって本発明とは異なる。更に、シリコンと酸化ゲルマニウムを主成分とする無機保護層に関する記述はない。
例えば、特許文献4では、Zrの酸化物と特定の元素の酸化物との混合物からなる層を記録層と反射層の間に記録層に接するように設けている。Zrの酸化物に混合される特定の元素の酸化物としては周期律表の第3周期〜第6周期の2族〜14族から選ばれる1種以上の元素の酸化物を例示しており、この中にはGeも含まれるものの、具体的な元素としてGeは記載されていない。また、Zrの酸化物を必ず含むため本発明とは構成が異なり、その効果も核形成促進により繰り返し記録耐久性を向上させるものであって本発明とは異なる。更に、シリコンと酸化ゲルマニウムを主成分とする無機保護層に関する記述はない。
光記録媒体の保護層としてGeの酸化物を用いているものとしては、特許文献2、3があるが、本発明とは、構成が異なり、目的や効果も異なる。
特許文献5では、熱特性や光学特性を調整して結晶化に要するパワーを小さくしたり、繰り返し記録特性や変調度を調整したりする目的で、保護層に、ZnS又はZnSeと、SiO2等の金属酸化物との混合物を用いている。そして該金属酸化物の1種としてGeO2も挙げられているが、本発明とは構成が異なり、目的や効果も異なる。また、シリコンと酸化ゲルマニウムを主成分とする無機保護層に関する記述はない。
特許文献6では、無機材料の記録層からなる追記型の光記録媒体の保護層として、特定の酸化物、窒化物、炭化物、フッ化物、又はこれらの混合物を用いると、十分な光学特性が得られると共に環境負荷が小さくなる利点があるとし、特定の酸化物の一つとしてGeO2を挙げているが、本発明とは構成が異なり、目的や効果も異なる。また、シリコンと酸化ゲルマニウムを主成分とする無機保護層に関する記述はない。
特許文献5では、熱特性や光学特性を調整して結晶化に要するパワーを小さくしたり、繰り返し記録特性や変調度を調整したりする目的で、保護層に、ZnS又はZnSeと、SiO2等の金属酸化物との混合物を用いている。そして該金属酸化物の1種としてGeO2も挙げられているが、本発明とは構成が異なり、目的や効果も異なる。また、シリコンと酸化ゲルマニウムを主成分とする無機保護層に関する記述はない。
特許文献6では、無機材料の記録層からなる追記型の光記録媒体の保護層として、特定の酸化物、窒化物、炭化物、フッ化物、又はこれらの混合物を用いると、十分な光学特性が得られると共に環境負荷が小さくなる利点があるとし、特定の酸化物の一つとしてGeO2を挙げているが、本発明とは構成が異なり、目的や効果も異なる。また、シリコンと酸化ゲルマニウムを主成分とする無機保護層に関する記述はない。
近年、光記録媒体の高速記録の需要が高まっている。特にディスク状の光記録媒体(光ディスク)の場合、回転速度を高くすることにより記録・再生速度を上げることが可能なため高速化が進んでいる。光ディスクの中でも記録時に照射する光の強度変調のみで記録が可能であるものは、その記録機構の単純さから、媒体と記録装置の低価格化が可能であると同時に、再生も強度変調された光を用いているため、再生専用装置との高い互換性が確保できることから普及が進み、近年の電子情報の大容量化により、更に高密度化・高速記録化の需要が高くなっている。
このような光ディスクの中でも、多数回の書き換えが可能であることから、相変化材料を用いたものが主流となってきている。相変化材料を用いた光ディスクの場合、照射する光ビームの強度変調により、記録層材料の急冷状態と徐冷状態を作ることによって記録を行なう。記録層材料は、急冷状態になると非晶質(アモルファス)となり、徐冷状態になると結晶となる。非晶質と結晶では光学的な物性が異なるため、光情報を記録することができる。即ち、相変化型光ディスクは基板上の記録層薄膜にレーザ光を照射して記録層を加熱し、記録層構造を結晶と非晶質間で相変化させることによりディスク反射率を変えて情報を記録・消去するものである。通常は未記録状態を高反射率の結晶相とし、これに低反射率の非晶質相からなるマークと高反射率の結晶相からなるスペースを形成することにより情報を記録する。
記録原理が、このような記録層材料の「急冷」と「徐冷」という複雑な機構を用いているため、周知のように高速での記録は、パルス分割され3値に強度変調された記録光を媒体に照射することで行う。
このような光ディスクの中でも、多数回の書き換えが可能であることから、相変化材料を用いたものが主流となってきている。相変化材料を用いた光ディスクの場合、照射する光ビームの強度変調により、記録層材料の急冷状態と徐冷状態を作ることによって記録を行なう。記録層材料は、急冷状態になると非晶質(アモルファス)となり、徐冷状態になると結晶となる。非晶質と結晶では光学的な物性が異なるため、光情報を記録することができる。即ち、相変化型光ディスクは基板上の記録層薄膜にレーザ光を照射して記録層を加熱し、記録層構造を結晶と非晶質間で相変化させることによりディスク反射率を変えて情報を記録・消去するものである。通常は未記録状態を高反射率の結晶相とし、これに低反射率の非晶質相からなるマークと高反射率の結晶相からなるスペースを形成することにより情報を記録する。
記録原理が、このような記録層材料の「急冷」と「徐冷」という複雑な機構を用いているため、周知のように高速での記録は、パルス分割され3値に強度変調された記録光を媒体に照射することで行う。
マークとスペースとからなるデータを繰返し記録するための波形発光パターン(記録ストラテジ)としては、図1に示すような、DVD+RW等で使用されているものがある。非晶質からなるマークは、ピークパワー(Pw=Pp)光とバイアスパワー(Pb)光との交互繰返しによるパルス照射により形成され、結晶からなるスペースは、これらの中間レベルのイレースパワー(Pe)光を連続的に照射することにより形成される。もっとも、スペースはイレースパワー光を2値化し、パルス状に照射しても良い。
ピークパワー光とバイアスパワー光とからなるパルス列が照射されると、記録層は溶融と急冷を繰返し非晶質マークが形成される。消去パワー光が照射されると記録層は溶融後徐冷、或いは、固相状態のままアニールされて結晶化し、スペースが形成される。ピークパワー光とバイアスパワー光とからなるパルス列は通常、先頭パルス、中間パルス、最終パルスに分けられ、最短の3Tマークは先頭パルスと最終パルスのみで記録され、4T以上のマークを形成するときは中間パルスも使用される。中間パルスはマルチパルスとも呼ばれ、従来は1T周期で設けられ、マーク長が1T長くなる毎にパルスの数が1つずつ増える。即ち、パルス列の数は長さnTに対して(n−1)個となる。図1は、6Tマークを記録するときの記録ストラテジを例とした図である。
ピークパワー光とバイアスパワー光とからなるパルス列が照射されると、記録層は溶融と急冷を繰返し非晶質マークが形成される。消去パワー光が照射されると記録層は溶融後徐冷、或いは、固相状態のままアニールされて結晶化し、スペースが形成される。ピークパワー光とバイアスパワー光とからなるパルス列は通常、先頭パルス、中間パルス、最終パルスに分けられ、最短の3Tマークは先頭パルスと最終パルスのみで記録され、4T以上のマークを形成するときは中間パルスも使用される。中間パルスはマルチパルスとも呼ばれ、従来は1T周期で設けられ、マーク長が1T長くなる毎にパルスの数が1つずつ増える。即ち、パルス列の数は長さnTに対して(n−1)個となる。図1は、6Tマークを記録するときの記録ストラテジを例とした図である。
DVDの4倍速を超えるような高速記録時には、基本クロック周期Tの時間が短くなるために光源駆動部への負荷が大きくなる。また、1T周期のパルス列を照射すると、加熱時間、冷却時間ともに短くなってしまい、十分な大きさの非晶質マークが形成できないという問題を生じる。これを回避するために、非晶質マークを形成するパルスの数を減らす(パルスの周期を1Tより長くする)ことにより、加熱、冷却ともに充分な時間を確保でき充分な大きさの非晶質マークを形成できるようにした提案が種々なされている。
また、通常、高速記録になるに従い、高いピークパワーが必要となる。これは、記録速度が速くなればパルス照射時間が短くなるので、記録層を溶融するためには高いパワーが必要になるためである。これに対して、イレースパワーは低速記録時と同程度か、むしろ低くしないとジッターが小さくならない傾向がある。
また、通常、高速記録になるに従い、高いピークパワーが必要となる。これは、記録速度が速くなればパルス照射時間が短くなるので、記録層を溶融するためには高いパワーが必要になるためである。これに対して、イレースパワーは低速記録時と同程度か、むしろ低くしないとジッターが小さくならない傾向がある。
例えば、DVD+RWでは、1〜2.4倍速までは、ピークパワーの最大値は16mWであり、イレースパワーとピークパワーの比ε(=Pe/Pp)は0.5前後であった。1〜4倍速の規格では、ピークパワーの最大値は22mWとなり、4倍速記録時のεは約0.3であった。即ち、2.4倍速記録では約8mWであったイレースパワーが4倍速記録では7mwより小さい値となっている。更に、現在開発が進められている8倍速記録が可能な媒体の場合、ピークパワーの最適値は35mW前後となる見込みであるが、このときのイレースパワーの最適値は7〜8mWである。イレースパワーの最適値はジッターが低くなるように決められが、ピークパワーが高いため、熱干渉が起き易く、イレースパワーは高くできないと推測している。
このように、高速記録ではεが小さくなってしまうが、εの小さい条件で記録を行うと、初期化後あまり時間が経っていない媒体に記録した場合のジッターは良好な値が得られても、長期保存後、或いは高温保存後に記録を行うと、ジッターが低くならないか、或いはジッターが低くなる記録条件がずれてしまうという問題を引き起こすことが分った。特に、記録回数が2回目、即ちDOW1(ダイレクトオーバーラオト1回目)のときのジッターが保存前後で最も変化し易い。
このように、高速記録ではεが小さくなってしまうが、εの小さい条件で記録を行うと、初期化後あまり時間が経っていない媒体に記録した場合のジッターは良好な値が得られても、長期保存後、或いは高温保存後に記録を行うと、ジッターが低くならないか、或いはジッターが低くなる記録条件がずれてしまうという問題を引き起こすことが分った。特に、記録回数が2回目、即ちDOW1(ダイレクトオーバーラオト1回目)のときのジッターが保存前後で最も変化し易い。
図2に、1〜4倍速用の媒体に2.4倍速でεを変えて記録したときの、高温保存前後のDOW1のジッターの違いを示した。保存は、80℃85%RHで100時間行った。ε=0.57のときは、DOW1ジッターの差は誤差程度であるが、ε=0.33のときは、特に低パワー側で明らかにジッターが上昇してしまっている。媒体が同じであるにも関わらず、εが小さいだけで保存前後の記録特性が大きくずれている。更に高速で記録する条件では、εがより小さくなるため、保存前後の記録特性のずれは更に大きくなってしまう。このようなずれが起こる根本的な原因は、媒体が何らかの変化を起こしてしまったことである。しかし、媒体が何らかの変化を起こしてしまった場合でも、εが大きい条件で記録することにより、媒体の変化の影響は殆ど受けずに記録が可能であるとも言える。従って、高速記録時にもεが大きい条件で記録できれば、保存前後の記録特性や記録条件のずれは小さくできると考えられる。
本発明は、上記のような長期保存後、或いは高温保存後の記録特性や記録条件のずれを小さくして、いつでも良好な記録が行えるように、DVD6〜8倍速以上の高速繰り返し記録においても、εの大きい条件で低ジッターで記録可能な相変化型光記録媒体の提供を目的とする。
本発明は、上記のような長期保存後、或いは高温保存後の記録特性や記録条件のずれを小さくして、いつでも良好な記録が行えるように、DVD6〜8倍速以上の高速繰り返し記録においても、εの大きい条件で低ジッターで記録可能な相変化型光記録媒体の提供を目的とする。
また、高速繰り返し記録を達成するためには、記録層の結晶化速度が速いことが必須になる。Sbを主成分とする相変化記録層は一般的にSbの組成比を高くすることにより結晶化速度を速くすることができる。ところが、結晶化速度の速い相変化記録層を用いた場合、記録条件によってはジッターが充分小さいにも関わらず、多くのエラーが生じてしまう場合があることが分った。
また、結晶化速度の向上に応じて、非晶質マークを記録層に記録する際にはレーザ光の記録パワーも大幅にアップさせる必要がある。結晶化速度が向上すると再結晶化し易くなり非晶質化が困難となるので、一層冷却速度を上げて急冷効果を得るために必然的に高い記録パワーが必要となる。しかし、レーザの出射パワーの向上にも限界があるため、高速記録だからと言って記録パワーをその都度上げていくことはあまり好ましくない。
本発明は、この記録層の高速結晶化に伴う問題を解決し、DVD6〜8倍速以上の高速繰り返し記録が可能で、ジッターとエラーが共に十分に低く、かつ記録感度が良好な相変化型光記録媒体の提供も目的とする。
また、結晶化速度の向上に応じて、非晶質マークを記録層に記録する際にはレーザ光の記録パワーも大幅にアップさせる必要がある。結晶化速度が向上すると再結晶化し易くなり非晶質化が困難となるので、一層冷却速度を上げて急冷効果を得るために必然的に高い記録パワーが必要となる。しかし、レーザの出射パワーの向上にも限界があるため、高速記録だからと言って記録パワーをその都度上げていくことはあまり好ましくない。
本発明は、この記録層の高速結晶化に伴う問題を解決し、DVD6〜8倍速以上の高速繰り返し記録が可能で、ジッターとエラーが共に十分に低く、かつ記録感度が良好な相変化型光記録媒体の提供も目的とする。
上記課題は、次の1)〜12)の発明によって解決される。
1) 基板上に、少なくとも相変化記録層とこれに接する無機保護層を有し、該無機保護層が、酸化していない金属元素及び/又は酸化数が最大ではない状態にある金属酸化物を含み、波長λ=660nmにおける複素屈折率n+ikが、次の(1)式を満たす金属酸化物αを主成分とすることを特徴とする光記録媒体。
2.0≦n≦4.0、 0≦k≦1.0 (1)
2) 金属酸化物αを構成する元素がGe及び/又はSiであることを特徴とする1)記載の光記録媒体。
3) 基板上に、少なくとも第一保護層、相変化記録層、第二保護層、反射層が積層され、第二保護層が前記無機保護層であることを特徴とする1)又は2)記載の光記録媒体。
4) 基板上に、少なくとも第一保護層、相変化記録層、第二保護層、反射層が順に積層され、相変化記録層と第二保護層の間に、前記無機保護層を有することを特徴とする1)又は2)記載の光記録媒体。
5) 第一保護層及び/又は第二保護層が、ZnSとSiO2の混合物を主成分とすることを特徴とする3)又は4)記載の光記録媒体。
6) 反射層がAg又はAg合金を主成分とすることを特徴とする3)〜5)の何れかに記載の光記録媒体。
7) 反射層と第二保護層との間に、硫黄を含まない成分で構成される硫化防止層を設けたことを特徴とする6)記載の光記録媒体。
8) 相変化記録層がSbを主成分とすることを特徴とする1)〜7)の何れかに記載の光記録媒体。
9) 相変化記録層が、Sbを主成分としGe、Ga、Inから選ばれる少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする1)〜8)記載の光記録媒体。
10) 相変化記録層が、更にTeを含有することを特徴とする9)記載の光記録媒体。
11) 相変化記録層が、更にSnを含有することを特徴とする9)又は10)記載の光記録媒体。
12) 基板が、トラックピッチ0.74±0.03μm、溝深さ22〜40nm、溝幅0.2〜0.3μmの蛇行溝を有することを特徴とする1)〜11)の何れかに記載の光記録媒体。
1) 基板上に、少なくとも相変化記録層とこれに接する無機保護層を有し、該無機保護層が、酸化していない金属元素及び/又は酸化数が最大ではない状態にある金属酸化物を含み、波長λ=660nmにおける複素屈折率n+ikが、次の(1)式を満たす金属酸化物αを主成分とすることを特徴とする光記録媒体。
2.0≦n≦4.0、 0≦k≦1.0 (1)
2) 金属酸化物αを構成する元素がGe及び/又はSiであることを特徴とする1)記載の光記録媒体。
3) 基板上に、少なくとも第一保護層、相変化記録層、第二保護層、反射層が積層され、第二保護層が前記無機保護層であることを特徴とする1)又は2)記載の光記録媒体。
4) 基板上に、少なくとも第一保護層、相変化記録層、第二保護層、反射層が順に積層され、相変化記録層と第二保護層の間に、前記無機保護層を有することを特徴とする1)又は2)記載の光記録媒体。
5) 第一保護層及び/又は第二保護層が、ZnSとSiO2の混合物を主成分とすることを特徴とする3)又は4)記載の光記録媒体。
6) 反射層がAg又はAg合金を主成分とすることを特徴とする3)〜5)の何れかに記載の光記録媒体。
7) 反射層と第二保護層との間に、硫黄を含まない成分で構成される硫化防止層を設けたことを特徴とする6)記載の光記録媒体。
8) 相変化記録層がSbを主成分とすることを特徴とする1)〜7)の何れかに記載の光記録媒体。
9) 相変化記録層が、Sbを主成分としGe、Ga、Inから選ばれる少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする1)〜8)記載の光記録媒体。
10) 相変化記録層が、更にTeを含有することを特徴とする9)記載の光記録媒体。
11) 相変化記録層が、更にSnを含有することを特徴とする9)又は10)記載の光記録媒体。
12) 基板が、トラックピッチ0.74±0.03μm、溝深さ22〜40nm、溝幅0.2〜0.3μmの蛇行溝を有することを特徴とする1)〜11)の何れかに記載の光記録媒体。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
DVD6〜8倍以上の高速記録において、εが0.5前後となるような記録条件でも低ジッターで記録できる相変化型光記録媒体について種々の層構成を検討したところ、記録層と反射層との間に、酸化していない金属元素及び/又は酸化数が最大ではない状態にある金属酸化物を含み、波長λ=660nmにおける複素屈折率n+ikが、次の(1)式を満たす金属酸化物αを主成分とする無機保護層を設けることが効果的であることを見出した。ここで、主成分とは、80モル%以上、好ましくは85モル%以上含有することを意味する。
2.0≦n≦4.0、0≦k≦1.0 (1)
金属酸化物は、その構成金属元素が2種類以上の酸化数の異なる酸化物を形成し得る場合、酸化数が最大の酸化物を形成した場合のnは2より小さい場合が多く、kはほぼ0である。酸化数が最大の酸化物の中ではnが大きいTiO2でもn=2.7である。これに対して、このような金属酸化物に、酸化していない金属元素及び/又は酸化数が最大ではない状態にある金属酸化物を混合させると、nを大きくすることができる。但し、このとき、kも共に大きくなる。
DVD6〜8倍以上の高速記録において、εが0.5前後となるような記録条件でも低ジッターで記録できる相変化型光記録媒体について種々の層構成を検討したところ、記録層と反射層との間に、酸化していない金属元素及び/又は酸化数が最大ではない状態にある金属酸化物を含み、波長λ=660nmにおける複素屈折率n+ikが、次の(1)式を満たす金属酸化物αを主成分とする無機保護層を設けることが効果的であることを見出した。ここで、主成分とは、80モル%以上、好ましくは85モル%以上含有することを意味する。
2.0≦n≦4.0、0≦k≦1.0 (1)
金属酸化物は、その構成金属元素が2種類以上の酸化数の異なる酸化物を形成し得る場合、酸化数が最大の酸化物を形成した場合のnは2より小さい場合が多く、kはほぼ0である。酸化数が最大の酸化物の中ではnが大きいTiO2でもn=2.7である。これに対して、このような金属酸化物に、酸化していない金属元素及び/又は酸化数が最大ではない状態にある金属酸化物を混合させると、nを大きくすることができる。但し、このとき、kも共に大きくなる。
透明基板上に、第一保護層、相変化記録層、第二保護層、反射層の順に積層して媒体を形成する場合の第二保護層として上記無機保護層を用いれば、第二保護層に通常よく用いられるZnSとSiO2の混合物層を用いる場合に比べて、以下の二つの利点がある。
一つ目の利点は、屈折率を大きくできるため、記録層の吸収率を大きくし、記録感度を向上させることができることである。
ZnSとSiO2の混合物層はその混合比率によっても屈折率の値は異なるが、通常よく用いられるZnSとSiO2のモル比が80:20の混合物の波長λ=660nmにおける屈折率は、nが約2.2、kはほぼ0である。本発明で用いる金属酸化物αは、nをこれより大きくすることが可能である。
一つ目の利点は、屈折率を大きくできるため、記録層の吸収率を大きくし、記録感度を向上させることができることである。
ZnSとSiO2の混合物層はその混合比率によっても屈折率の値は異なるが、通常よく用いられるZnSとSiO2のモル比が80:20の混合物の波長λ=660nmにおける屈折率は、nが約2.2、kはほぼ0である。本発明で用いる金属酸化物αは、nをこれより大きくすることが可能である。
第一保護層として、ZnS−SiO2(80:20モル%)を膜厚60nm、相変化記録層を膜厚14nm、第二保護層を膜厚7nm又は14nm、反射層としてAgを膜厚200nm積層した媒体に、透明基板側から波長λ=660nmのレーザー光を入射したときの記録層の吸収率をシミュレーションによって求めた。結果を図3に示す。図3(a)が膜厚7nmの場合、図3(b)が膜厚14nmの場合である。
第二保護層の膜厚が同じ場合、nが大きい方が記録層の吸収率が高くなるため、記録感度を向上させることができる。但し、このとき、kは0に近い方が記録層の吸収率を上げることができるので好ましい。また、膜厚にもよるが、kが概ね1以下であればnの増加と共に記録層の吸収率が向上するが、kが1を超えると逆にnの増加と共に記録層の吸収率は低下してしまうため、kは1以下とする必要がある。好ましくは0.8以下とする。また、nが大きすぎる場合には、媒体の反射率が低くなりすぎるため、大きくても4.0以下、好ましくは3.5以下とする。
第二保護層の膜厚が同じ場合、nが大きい方が記録層の吸収率が高くなるため、記録感度を向上させることができる。但し、このとき、kは0に近い方が記録層の吸収率を上げることができるので好ましい。また、膜厚にもよるが、kが概ね1以下であればnの増加と共に記録層の吸収率が向上するが、kが1を超えると逆にnの増加と共に記録層の吸収率は低下してしまうため、kは1以下とする必要がある。好ましくは0.8以下とする。また、nが大きすぎる場合には、媒体の反射率が低くなりすぎるため、大きくても4.0以下、好ましくは3.5以下とする。
二つめの利点は、冷却速度を大きくできることである。酸化していない金属元素及び/又は酸化数が最大ではない状態にある金属酸化物を含む金属酸化物αは、酸化数が最大の金属酸化物に比較して熱伝導率が大きいと推測され、ZnSとSiO2の混合物に比べても熱伝導率が大きいと予想される。従って、ZnS−SiO2と同じ膜厚の場合でも冷却速度が大きくなる。また、nが大きい場合には膜厚を薄くしても記録層の吸収率を確保できるため、薄くすることによって更に冷却速度を大きくすることもできる。
また、高速記録媒体の場合、冷却速度を向上させる目的で、反射層としてAg又はAg合金を用いることが多いが、このとき、第二保護層としてZnSとSiO2を用いる場合には、Ag又はAg合金の硫化による欠陥の発生を防ぐために、第二保護層と反射層との間に硫化防止層が必要となる。しかし、本発明で用いる金属酸化物αの場合には、他に何らかの目的で硫黄を更に混合させる場合以外は硫黄を含まないので、反射層にAg又はAg合金を用いた場合でも硫化防止層を設ける必要はない。これにより、層構成が単純になるため、より低コストで媒体を形成できるばかりではなく、冷却速度を速くする効果も得られる。記録層と反射層との間の層の数が減れば界面の数も減ることになるが、一般的に界面での熱伝導率は小さいため、硫化防止層の熱伝導率の大小に拘わらず、界面の数を減らすだけで反射層への熱伝導を高くすることができるからである。
また、高速記録媒体の場合、冷却速度を向上させる目的で、反射層としてAg又はAg合金を用いることが多いが、このとき、第二保護層としてZnSとSiO2を用いる場合には、Ag又はAg合金の硫化による欠陥の発生を防ぐために、第二保護層と反射層との間に硫化防止層が必要となる。しかし、本発明で用いる金属酸化物αの場合には、他に何らかの目的で硫黄を更に混合させる場合以外は硫黄を含まないので、反射層にAg又はAg合金を用いた場合でも硫化防止層を設ける必要はない。これにより、層構成が単純になるため、より低コストで媒体を形成できるばかりではなく、冷却速度を速くする効果も得られる。記録層と反射層との間の層の数が減れば界面の数も減ることになるが、一般的に界面での熱伝導率は小さいため、硫化防止層の熱伝導率の大小に拘わらず、界面の数を減らすだけで反射層への熱伝導を高くすることができるからである。
以上のように、本発明で規定する無機化合物を第二保護層とすると、記録層の吸収率が高く、かつ、冷却速度が速い媒体を得ることができる。
また、本発明で用いる金属酸化物αのnは、ZnS−SiO2を用いた場合よりも記録層の吸収率を高くするためには、同じ膜厚において、2.2以上であることが好ましいが、nがZnS−SiO2より小さい場合でも、熱伝導率が大きいので、膜厚を厚くして記録層の吸収率を上げても熱干渉が大きくなってしまうことはない。しかし、2.0より小さくなってしまうと、記録層の吸収率を確保するための膜厚が厚くなりすぎてしまい、冷却速度を確保することが難しくなるため、nは2.0以上とする。
また、本発明で用いる金属酸化物αのnは、ZnS−SiO2を用いた場合よりも記録層の吸収率を高くするためには、同じ膜厚において、2.2以上であることが好ましいが、nがZnS−SiO2より小さい場合でも、熱伝導率が大きいので、膜厚を厚くして記録層の吸収率を上げても熱干渉が大きくなってしまうことはない。しかし、2.0より小さくなってしまうと、記録層の吸収率を確保するための膜厚が厚くなりすぎてしまい、冷却速度を確保することが難しくなるため、nは2.0以上とする。
以上のことから、記録層と反射層との間に、本発明で規定する無機保護層を設ければ、記録層の吸収率が高くかつ冷却速度の速い媒体を形成できる。このような媒体は、6〜8倍速以上の高速記録においてεが0.5前後となるような記録条件でも低ジッターで記録可能である。高速記録時には短時間のPwの照射で記録層を溶融する必要があるため記録層の吸収率が高いことは非常に好ましく、このとき熱干渉が起き易いためにPeを高くできなかったのであるが、冷却速度が速ければ熱干渉は起きにくくなるので、Peを高くすることが可能になったためであると推測している。
本発明で用いる金属酸化物αを形成する金属元素の具体的な例としては、Ge又はSiが挙げられる。何れも、単体の元素ではnが大きく、kが小さく、これだけでも第二保護層として使える可能性がある。しかし、単独で使うと、理由は明らかではないが、一部が初期化工程或いは記録により、記録層中に溶融してしまうと推測され、記録層に記録等の熱負荷を与えた場合に、熱負荷の大きさや回数によって結晶化速度にばらつきが生じてしまった。更に、記録回数と共に結晶化速度が遅くなる傾向があり、次第に高速での繰り返し記録が困難になってしまった。しかし、一部を酸化させることにより、熱負荷の大きさや回数によるばらつきはなくなり、安定した特性を持つ媒体が得られるようになった。
本発明で用いる金属酸化物αを形成する金属元素の具体的な例としては、Ge又はSiが挙げられる。何れも、単体の元素ではnが大きく、kが小さく、これだけでも第二保護層として使える可能性がある。しかし、単独で使うと、理由は明らかではないが、一部が初期化工程或いは記録により、記録層中に溶融してしまうと推測され、記録層に記録等の熱負荷を与えた場合に、熱負荷の大きさや回数によって結晶化速度にばらつきが生じてしまった。更に、記録回数と共に結晶化速度が遅くなる傾向があり、次第に高速での繰り返し記録が困難になってしまった。しかし、一部を酸化させることにより、熱負荷の大きさや回数によるばらつきはなくなり、安定した特性を持つ媒体が得られるようになった。
次に、結晶化速度が速い記録層に記録した場合に、ジッターが良好であるにも関わらずエラーが発生してしまう原因について更に詳しく調べたところ、図4に示したように、アモルファスマーク中に結晶が成長しているものが存在し、これを再生すると見掛け上マーク長が短くなってしまい、エラーになることが分った。
Sbを主成分とする記録層は、結晶成長速度は速いものの核形成確率が低く、記録の過程に起こる結晶化は主としてアモルファス或いは液相と結晶との界面からの結晶成長により進行する。そのため、これまでは記録の過程でアモルファスマーク中に結晶が生成してしまうことはなかった。しかし、高速結晶化材料を使用した場合には、ある確率で図4のように結晶が成長してしまう。これは、確率は低いものの記録の過程でアモルファス中に核が形成され、結晶成長速度が速いためにその核が大きな結晶へと成長してしまったためと推測される。したがって、高速記録材料のエラーを低減するには、核形成をなるべく起こさないようにすることが重要である。核形成は、アモルファス或いは液相の全ての場所でランダムに起こる均一核形成による場合もあるが、実際には、アモルファス或いは液相の表面、他の層と接している界面、アモルファス或いは液相中に存在する不純物や異種物質との界面で起こる不均一核形成による場合が多い。
本発明者等の研究によれば、このような核形成についても、上記本発明で規定する無機保護層を用いることにより、抑制することができる。
Sbを主成分とする記録層は、結晶成長速度は速いものの核形成確率が低く、記録の過程に起こる結晶化は主としてアモルファス或いは液相と結晶との界面からの結晶成長により進行する。そのため、これまでは記録の過程でアモルファスマーク中に結晶が生成してしまうことはなかった。しかし、高速結晶化材料を使用した場合には、ある確率で図4のように結晶が成長してしまう。これは、確率は低いものの記録の過程でアモルファス中に核が形成され、結晶成長速度が速いためにその核が大きな結晶へと成長してしまったためと推測される。したがって、高速記録材料のエラーを低減するには、核形成をなるべく起こさないようにすることが重要である。核形成は、アモルファス或いは液相の全ての場所でランダムに起こる均一核形成による場合もあるが、実際には、アモルファス或いは液相の表面、他の層と接している界面、アモルファス或いは液相中に存在する不純物や異種物質との界面で起こる不均一核形成による場合が多い。
本発明者等の研究によれば、このような核形成についても、上記本発明で規定する無機保護層を用いることにより、抑制することができる。
図5は本発明に係る高速仕様の相変化型光記録媒体の層構成の一例である。この図では案内溝を有する基板1上に、少なくとも第一保護層2、相変化記録層3、第二保護層4、無機保護層6、反射層5、硫化防止層7、有機保護膜8が積層されている。但し、硫化防止層7及び有機保護膜8は不要の場合もあり、無機保護層6は、第二保護層4と兼ねることもできる。
基板1には一般的にプラスチック製のものが用いられる。プラスチック製基板は、透明性を有し且つ平面精度に優れているものであれば特に制限はなく、光記録媒体の基板として慣用されているものの中から任意に選択して用いることができる。その代表例としてはガラス板やポリカーボネート板などが挙げられるが、耐熱性、耐衝撃性、低吸水性などの点から、ポリカーボネートが良い。屈折率は1.5〜1.65が良く、1.65より高いとディスク全体の反射率低下が起こり、1.5より低いと反射率の増加により変調度が不足してしまう。厚さは、0.59〜0.62mmが良く、0.62mmを超えるとピックアップのフォーカス性能に問題を生じる。また、0.59mmより薄いと記録再生装置のクランプの甘さから回転数が不安定になる問題も生じる。更には、円周方向の厚さムラにより上記範囲を外れる部分が存在する場合には、信号強度が周内で変動してしまうという問題も生じる。
基板1には一般的にプラスチック製のものが用いられる。プラスチック製基板は、透明性を有し且つ平面精度に優れているものであれば特に制限はなく、光記録媒体の基板として慣用されているものの中から任意に選択して用いることができる。その代表例としてはガラス板やポリカーボネート板などが挙げられるが、耐熱性、耐衝撃性、低吸水性などの点から、ポリカーボネートが良い。屈折率は1.5〜1.65が良く、1.65より高いとディスク全体の反射率低下が起こり、1.5より低いと反射率の増加により変調度が不足してしまう。厚さは、0.59〜0.62mmが良く、0.62mmを超えるとピックアップのフォーカス性能に問題を生じる。また、0.59mmより薄いと記録再生装置のクランプの甘さから回転数が不安定になる問題も生じる。更には、円周方向の厚さムラにより上記範囲を外れる部分が存在する場合には、信号強度が周内で変動してしまうという問題も生じる。
第一保護層2の材料としては、透明で光を良く通し、かつ融点が1000℃以上の材料からなるものが好ましい。酸化物、窒化物、硫化物などが主に用いられるが、中でもZnS:SiO2=70:30〜80:20(モル比)の混合物を主成分とするものを用いると良い。ここで、主成分とするとは、90モル%以上、好ましくは95モル%以上含有することを意味する。混合比が上記範囲内ならば、屈折率nが高く消衰係数kがほぼゼロと低いため、記録層の光の吸収効率を上げることができ、かつ光吸収により発生した熱の拡散を適度に抑えることができるため、記録層を効率よく溶融可能な温度まで昇温することができる。特に(ZnS)80(SiO2)20が好ましい。
また、第一保護層2には耐熱性等の保護膜としての機能の他、屈折率が高いこと、熱伝導率が小さく断熱性が高いことが求められるため、膜厚の調整により入射光を効率的に利用できる上記ZnSとSiO2の混合物が好ましい。
また、更に、第一保護層と記録層との間に、SiO2等の界面層を用いてもよい。膜厚2〜4nm程度のSiO2等からなる界面層を設けることにより、繰り返し記録耐久性が向上する場合があるからである。
また、第一保護層2には耐熱性等の保護膜としての機能の他、屈折率が高いこと、熱伝導率が小さく断熱性が高いことが求められるため、膜厚の調整により入射光を効率的に利用できる上記ZnSとSiO2の混合物が好ましい。
また、更に、第一保護層と記録層との間に、SiO2等の界面層を用いてもよい。膜厚2〜4nm程度のSiO2等からなる界面層を設けることにより、繰り返し記録耐久性が向上する場合があるからである。
相変化記録層3には、Sbを主成分としGe,Ga,In,Zn,Mn,Sn,Ag,Mg,Ca,Ag,Bi,Se,Teの中から選ばれる一種以上の元素を含む相変化材料を用いることが好ましい。ここで主成分とするとは、Sbを50原子%以上含むことを意味する。Sbとの2元系で融点が約600℃以下の共晶点を有するような元素と組合せると、アモルファスと結晶の繰返し記録を行うのに適した相変化記録層3を形成することができる。組成比は共晶組成からずれていても構わない。組み合せる元素の種類や量によって、結晶化速度、記録特性、保存安定性、初期化の容易性等の特性を調整する。Sbと組み合せる元素は必要に応じて何種類でもよい。また、上述した元素とSbとの2元以上の合金に対し更に別な元素を添加してもよい。
SbにGe、Ga、Inを組み合わせると、いずれの場合もアモルファス化を促進し、元素の種類や添加量に応じて所望の記録線速に適した結晶化速度に調整することが可能になる。また、同時に元素の種類や添加量に応じて結晶化温度を高くすることができ、アモルファス相の保存安定性が向上する。
SbにGe、Ga、Inを組み合わせると、いずれの場合もアモルファス化を促進し、元素の種類や添加量に応じて所望の記録線速に適した結晶化速度に調整することが可能になる。また、同時に元素の種類や添加量に応じて結晶化温度を高くすることができ、アモルファス相の保存安定性が向上する。
中でもGe又はGaと組み合わせた場合の結晶化温度は高く、アモルファス相の安定性は非常に高い。Inと組み合わせた場合は、結晶化温度はGeやGaほど高くはないが、初期化が容易でかつ記録感度も向上するという特徴をもつ。したがって、これらの元素を結晶化速度、初期化容易性、記録感度の観点から好ましい特性が得られるように組み合わせて用いることができる。Ge,Ga,Inの合計量は10原子%以上とする。10原子%より少ないと、Sbが多すぎるため初期化時に均一な結晶成長が困難となり、また、アモルファスと結晶の反射率差が十分取りにくくなるため、良好な記録特性をもつ光記録媒体を得ることができない。しかし、あまり多すぎると結晶化速度が遅くなりすぎてしまい、高速繰り返し記録ができなくなってしまうため、少なくともDVD6倍速程度以上で繰り返し記録を行うには、30原子%以下とすることが好ましい。
Ge、Ga、Inから選ばれる1種類以上の元素に加えて、更にTeを添加してもよい。Teもアモルファス化を促進し結晶化温度を向上させるが効果がある。しかし、Sbに対してTeのみを単独で組み合わせると、アモルファス化促進作用を利用した結晶化速度の調整は可能であるものの、結晶化温度の上がり方が不十分であり、アモルファス相の安定性に乏しいため、長期保存又は高温保存した際に、記録済みのアモルファスマークが消失してしまう恐れがある。そこで、Ge、Ga、Inから選ばれる1種類以上の元素と組み合わせて用いれば、アモルファス相の安定性はGe、Ga、Inにより確保され、更に、結晶相の安定性が向上するという利点がある。
結晶状態は一般的に安定性の高い状態であるが、本発明で取り上げているような高速記録材料の場合、初期化又は記録時には高速で結晶化が進行するため、形成された結晶状態は必ずしも安定とは言えない。そのため、長期保存後又は高温保存後に改めて記録を行おうとすると、保存前に比べて記録特性や記録条件が変化してしまっているという問題を生じる。これは保存前に比べて結晶状態が変化してしまったためと考えられる。
Teを添加すると、このような保存による記録特性や記録条件のずれが低減できる。このように結晶の安定性を向上させることにより、保存前後の記録特性や記録条件のずれを低減する効果を得るためには、Teは1原子%以上、好ましくは3原子%以上添加する。しかし、多すぎても結晶化速度が遅くなりすぎ、高速繰り返し記録ができなくなってしまう。少なくともDVD6倍速程度以上で繰り返し記録を行うためには、15原子%以下とすることが好ましい。
結晶状態は一般的に安定性の高い状態であるが、本発明で取り上げているような高速記録材料の場合、初期化又は記録時には高速で結晶化が進行するため、形成された結晶状態は必ずしも安定とは言えない。そのため、長期保存後又は高温保存後に改めて記録を行おうとすると、保存前に比べて記録特性や記録条件が変化してしまっているという問題を生じる。これは保存前に比べて結晶状態が変化してしまったためと考えられる。
Teを添加すると、このような保存による記録特性や記録条件のずれが低減できる。このように結晶の安定性を向上させることにより、保存前後の記録特性や記録条件のずれを低減する効果を得るためには、Teは1原子%以上、好ましくは3原子%以上添加する。しかし、多すぎても結晶化速度が遅くなりすぎ、高速繰り返し記録ができなくなってしまう。少なくともDVD6倍速程度以上で繰り返し記録を行うためには、15原子%以下とすることが好ましい。
また、Ge、Ga、Inから選ばれる1種類以上の元素に加えて、Teの他にSnを添加してもよい。Snには、アモルファス化促進作用はないが、所望の特性を得るために、Ge、Ga、In、Te等を添加した結果、結晶化速度が遅くなってしまった場合に、Sbの一部をSnに置換すると、結晶化速度を速くすることができる。また、Inを用いずにGeやGaのみを用いたため初期化が困難になってしまった場合にもSbの一部をSnに置換すると、初期化が容易になるという作用も持つ。Sbの一部をSnに置換することにより結晶化速度を速くしたり、初期化を容易にしたりする効果を得るためには、Sn/(Sb+Sn)を0.05以上とすることが好ましい。しかし、多すぎても繰り返し記録耐久性を損ねたり、結晶の安定性を劣化させ、保存前後の記録特性や記録条件のずれを大きくしてしまうため、Sn/(Sb+Sn)は0.30以下、より好ましくは0.25以下とする。
相変化記録層3の膜厚は、8nmより薄いと変調度が小さく再生光安定性も低下してしまうし、22nmより厚いと繰返し記録によるジッターの上昇が大きいため、8〜22nmとする。更に好ましくは11〜16nmとすると、特に繰返し記録耐久性が向上する。
上記のように、組み合わせる元素の種類や量を調整することにより、DVD6倍速以上の高速で良好な繰り返し記録特性を持つ記録層を形成できる。
相変化記録層3の膜厚は、8nmより薄いと変調度が小さく再生光安定性も低下してしまうし、22nmより厚いと繰返し記録によるジッターの上昇が大きいため、8〜22nmとする。更に好ましくは11〜16nmとすると、特に繰返し記録耐久性が向上する。
上記のように、組み合わせる元素の種類や量を調整することにより、DVD6倍速以上の高速で良好な繰り返し記録特性を持つ記録層を形成できる。
第二保護層4の材料としては、前記第一保護層と同じ材料を用いることができる。
第二保護層の膜厚は、反射層への熱拡散を制御し、記録層を効率的に溶融させるために、3nm以上、好ましくは4nm以上とする。また、25nm以下、好ましくは22nm以下とすることで、良好な繰り返し記録特性が得られる。
無機保護層6には、上記本発明で規定する金属酸化物αを主成分とする材料を用いる。金属酸化物αの他に、金属の炭化物、窒化物、フッ化物等を混合させても良いが、硫黄は含まない方がよい。硫黄を含んでいると、反射層がAg又はAg合金である場合に硫化防止層が必要となる。
膜厚は、後述するように1〜20nm、好ましくは2〜15nmとする。
また、前述したように第二保護層4として本発明の無機保護層を用いること、即ち第二保護層4を無機保護層6とすることができる。この場合の膜厚範囲は、上記第二保護層の膜厚範囲と同じである。
第二保護層の膜厚は、反射層への熱拡散を制御し、記録層を効率的に溶融させるために、3nm以上、好ましくは4nm以上とする。また、25nm以下、好ましくは22nm以下とすることで、良好な繰り返し記録特性が得られる。
無機保護層6には、上記本発明で規定する金属酸化物αを主成分とする材料を用いる。金属酸化物αの他に、金属の炭化物、窒化物、フッ化物等を混合させても良いが、硫黄は含まない方がよい。硫黄を含んでいると、反射層がAg又はAg合金である場合に硫化防止層が必要となる。
膜厚は、後述するように1〜20nm、好ましくは2〜15nmとする。
また、前述したように第二保護層4として本発明の無機保護層を用いること、即ち第二保護層4を無機保護層6とすることができる。この場合の膜厚範囲は、上記第二保護層の膜厚範囲と同じである。
また、前述した不均一核生成の問題に対しては、酸化ゲルマニウムを主成分とする無機保護層(以下、酸化ゲルマニウム層という)、又はシリコンと酸化ゲルマニウムを主成分とする無機保護層(以下、シリコン・酸化ゲルマニウム層という)を、無機保護層6として設けることが好ましい。
酸化ゲルマニウムは一般的に淡黄色又は黒褐色のGeOと、無色のGeO2が知られている。本発明者らは、酸素を混合した雰囲気中でGeターゲットをスパッタする反応性スパッタにより酸化ゲルマニウム層を成膜した。スパッタ条件により光学特性が変化し、酸素との結合次数が変化していたが、何れの場合も酸化ゲルマニウムを用いない場合よりも核形成が抑制され、エラーを低減する効果が得られた。
ゲルマニウムとシリコンは熱伝導率で比較するとシリコンの方が約3倍程度高い。そのため、ゲルマニウムのみの時と比べて冷却効果が促進されるので非晶質マークが大きくなり、変調度が向上することにより記録感度を改善させることができる。つまり、酸化ゲルマニウム層を記録層に接触させた場合よりも記録パワーを低くできる。
シリコン・酸化ゲルマニウム層は、酸素を混合した雰囲気中でGeSiターゲットをスパッタする反応性スパッタにより成膜したが、酸化ゲルマニウム層6の場合と同様に核形成が抑制され、エラーを低減する効果が得られた。GeSiターゲットの組成比は、Ge:Si=30〜70:90〜10(重量%)が好ましい。
酸化ゲルマニウムは一般的に淡黄色又は黒褐色のGeOと、無色のGeO2が知られている。本発明者らは、酸素を混合した雰囲気中でGeターゲットをスパッタする反応性スパッタにより酸化ゲルマニウム層を成膜した。スパッタ条件により光学特性が変化し、酸素との結合次数が変化していたが、何れの場合も酸化ゲルマニウムを用いない場合よりも核形成が抑制され、エラーを低減する効果が得られた。
ゲルマニウムとシリコンは熱伝導率で比較するとシリコンの方が約3倍程度高い。そのため、ゲルマニウムのみの時と比べて冷却効果が促進されるので非晶質マークが大きくなり、変調度が向上することにより記録感度を改善させることができる。つまり、酸化ゲルマニウム層を記録層に接触させた場合よりも記録パワーを低くできる。
シリコン・酸化ゲルマニウム層は、酸素を混合した雰囲気中でGeSiターゲットをスパッタする反応性スパッタにより成膜したが、酸化ゲルマニウム層6の場合と同様に核形成が抑制され、エラーを低減する効果が得られた。GeSiターゲットの組成比は、Ge:Si=30〜70:90〜10(重量%)が好ましい。
無機保護層6は、図5の位置に限らず、第一保護層2と相変化記録層3の間に新たに設けることも可能であり、第一保護層2や第二保護層4を酸化ゲルマニウム又はシリコンと酸化ゲルマニウムを主成分とする材料で構成することも可能であるが、本発明者らの実験では、相変化記録層3と第二保護層4の間に設けた場合、及び第二保護層4を酸化ゲルマニウム又はシリコンと酸化ゲルマニウムを主成分とする材料で構成した場合に特に効果が高かった。これは、相変化記録層3で発生した熱の大部分は反射層5へ放熱されるため、第二保護層4との界面から冷却され、核は、第二保護層4との界面で最も形成され易いことによると考えられる。そこで、上記のように、核形成抑制効果のある無機保護層6を設けることにより、核形成が効果的に抑制されたものと推測される。
相変化記録層3と第二保護層4の間に無機保護層6を設けると、高線速記録において記録感度を改善させることができ、多様な熱及び光学設計が可能となる。膜厚は1nm以上、好ましくは2nm以上とすることにより安定した効果が得られる。1nmより薄いと膜の不均一性のため効果の再現性が乏しくなる。膜厚の上限は第二保護層4との組み合わせにより決まるが、20nm以下、好ましくは15nm以下にすると良好な繰り返し記録特性が得られる。
相変化記録層3と第二保護層4の間に無機保護層6を設けると、高線速記録において記録感度を改善させることができ、多様な熱及び光学設計が可能となる。膜厚は1nm以上、好ましくは2nm以上とすることにより安定した効果が得られる。1nmより薄いと膜の不均一性のため効果の再現性が乏しくなる。膜厚の上限は第二保護層4との組み合わせにより決まるが、20nm以下、好ましくは15nm以下にすると良好な繰り返し記録特性が得られる。
反射層5としては従来Alを主成分とする合金が使用されている。Alは反射率が高く熱伝導率も高いことに加え、ディスク化した場合の経時安定性にも優れている。しかし、相変化記録層3の材料の結晶化速度が速い場合には、反射層5として従来よく使用されているAl合金を用いると、記録マークが細くなり易く、十分な変調度を有する記録を行うことは困難な場合がある。この理由としては、結晶化速度が速いと記録時に溶融領域の再結晶化領域が大きくなってしまい、形成される非晶質領域が小さくなってしまうことが挙げられる。再結晶化領域を小さくするためには、第二保護層4を薄くして急冷構造とすればよいが、単純に第二保護層4を薄くしただけでは、相変化記録層3が十分に昇温されず、溶融領域が小さくなってしまうため、再結晶化領域を小さくできたとしても、結局、形成される非晶質領域は小さくなってしまう。しかし、波長650〜670nmにおける屈折率(n+ik)のn,k共にAlより小さい金属を反射層5に用いると、相変化記録層3の光の吸収率は向上し、変調度も大きくすることができる。n,k共にAlより小さい金属としてはAu、Ag、Cu、及びそれらを主成分とする合金が挙げられる。ここで、主成分とするとは、90原子%以上含有することを意味し、好ましくは95原子%以上である。
Au、Ag、Cuは何れもAlより熱伝導率が高く、これらを反射層5として用いると、相変化記録層3の光吸収率を向上させ、その温度を上昇させて溶融領域を大きくする効果があるのと同時に、冷却速度も向上させるため冷却時の再結晶化領域が小さくなり、Al合金を用いた場合よりも大きな非晶質領域を形成することが可能になる。記録マークの変調度は光学的な変調度とマークの大きさによって決まり、光学的な変調度が大きくマークが大きい程大きくなる。したがって、相変化記録層3として結晶化速度が速い材料を用い、高線速記録を行う場合でも、このような反射層5を用いれば、吸収率が大きく冷却速度が速いことから大きな記録マークが形成でき、また、結晶と非晶質の反射率差も大きいことから変調度の大きい記録が可能になる。
Au、Ag、Cu、及びそれらを主成分とする合金の中でも、特に、Ag及びAg合金は比較的安価であり、また、同様に安価なCu及びCu合金に比べて酸化しにくいため、経時安定性に優れた媒体を形成することができ、反射層として好ましい。
反射層5の膜厚は90〜300nmの範囲が望ましい。90nmよりも薄いと放熱効果が得られなくなる可能性がある。また、90nm以上あれば透過光が殆どなくなり、光を効率的に利用できる。膜厚が厚い程、冷却速度が速くなり、結晶化速度の速い相変化記録層3を使用する場合には有利であるが、厚すぎると膜応力により基板の反りを生じたり膜剥がれを起こす恐れがある。また、300nmより厚くしても放熱効果は変わらず、単に必要の無い膜厚を成膜することになる。
Au、Ag、Cu、及びそれらを主成分とする合金の中でも、特に、Ag及びAg合金は比較的安価であり、また、同様に安価なCu及びCu合金に比べて酸化しにくいため、経時安定性に優れた媒体を形成することができ、反射層として好ましい。
反射層5の膜厚は90〜300nmの範囲が望ましい。90nmよりも薄いと放熱効果が得られなくなる可能性がある。また、90nm以上あれば透過光が殆どなくなり、光を効率的に利用できる。膜厚が厚い程、冷却速度が速くなり、結晶化速度の速い相変化記録層3を使用する場合には有利であるが、厚すぎると膜応力により基板の反りを生じたり膜剥がれを起こす恐れがある。また、300nmより厚くしても放熱効果は変わらず、単に必要の無い膜厚を成膜することになる。
反射層5としてAg又はAg合金を用い、第二保護層4にZnSとSiO2の混合物のような硫黄を含む材料を用いる場合には、硫化防止層7が必要となる。硫化防止層7に要求される性質としては、硫黄を含まないこと、硫黄を透過しないこと等が挙げられる。
本発明者らが、種々の酸化膜や窒化膜等を硫化防止層7として形成し、記録特性や保存信頼性の評価を行ったところ、SiC、Si、TiC、TiO、又はそれらの混合物、或いは、それらの何れかを主成分とする材料が優れた機能を持つことが判った。ここで、主成分とするとは、主成分とする元素、化合物或いはそれらの混合物を90モル%以上含有することを意味し、好ましくは95モル%以上である。
硫化防止層7の膜厚は3〜22nmとすることが好ましい。3nm以上あればスパッタにより形成された膜がほぼ均一になるので硫化防止機能を発揮するが、3nmよりも薄いと、部分的に欠陥を生じる確率が急に高くなってしまう。また、22nmを超えると膜厚の増加と共に反射率が低下してしまうし、成膜速度は大きく見積もっても相変化記録層3と同程度であるため、相変化記録層3よりも膜厚が厚いと生産効率が落ちてしまうことから、最大でも相変化記録層3の膜厚を超えないようにすることが望ましく、結局好ましい上限は22nmとなる。
本発明者らが、種々の酸化膜や窒化膜等を硫化防止層7として形成し、記録特性や保存信頼性の評価を行ったところ、SiC、Si、TiC、TiO、又はそれらの混合物、或いは、それらの何れかを主成分とする材料が優れた機能を持つことが判った。ここで、主成分とするとは、主成分とする元素、化合物或いはそれらの混合物を90モル%以上含有することを意味し、好ましくは95モル%以上である。
硫化防止層7の膜厚は3〜22nmとすることが好ましい。3nm以上あればスパッタにより形成された膜がほぼ均一になるので硫化防止機能を発揮するが、3nmよりも薄いと、部分的に欠陥を生じる確率が急に高くなってしまう。また、22nmを超えると膜厚の増加と共に反射率が低下してしまうし、成膜速度は大きく見積もっても相変化記録層3と同程度であるため、相変化記録層3よりも膜厚が厚いと生産効率が落ちてしまうことから、最大でも相変化記録層3の膜厚を超えないようにすることが望ましく、結局好ましい上限は22nmとなる。
上述のような膜を基板1上に順次スパッタにより形成した後、反射層5上に有機保護膜8をスピンコートにより形成する。有機保護膜8の材料としては、一般に紫外線硬化樹脂などが用いられる。この状態で、或いは更に貼合せ工程を経た後、初期化工程を経て光記録媒体9が得られる。
貼合せ工程は、有機保護膜8を介して基板と同じ大きさで通常は材質も同じである板を接着する工程である。
初期化工程は、1×(数10〜数100)μm程度に成形された1〜2W程度のレーザ光を走査しながら照射して、成膜直後には非晶質状態である相変化記録層3を結晶化する工程である。
更に、特定条件を満たす蛇行溝を設けた基板を用いることにより、光記録媒体上のある未記録の特定トラックにアクセスすることや、基板を一定線速度で回転させることができる。基板がトラックピッチ0.74±0.03μmの溝を持つDVDディスクでは、トラッキングエラーを検知するのに使われる信号として、プッシュプル信号が主に抽出されている。プッシュプル信号は、DVDで用いられているレーザ波長660nmにおいて、該トラックピッチの基板を用いると溝の深さが55nmである時に最も大きな信号強度を得ることができる。反射率を低く調整し、かつプッシュプル信号の振幅を大きくするためには、溝深さは深い方が良いが、記録特性も考慮すると22〜40nmの範囲が好ましい。また、記録特性や信号特性を考慮すると溝幅は0.2〜0.3μmの範囲が望ましい。
貼合せ工程は、有機保護膜8を介して基板と同じ大きさで通常は材質も同じである板を接着する工程である。
初期化工程は、1×(数10〜数100)μm程度に成形された1〜2W程度のレーザ光を走査しながら照射して、成膜直後には非晶質状態である相変化記録層3を結晶化する工程である。
更に、特定条件を満たす蛇行溝を設けた基板を用いることにより、光記録媒体上のある未記録の特定トラックにアクセスすることや、基板を一定線速度で回転させることができる。基板がトラックピッチ0.74±0.03μmの溝を持つDVDディスクでは、トラッキングエラーを検知するのに使われる信号として、プッシュプル信号が主に抽出されている。プッシュプル信号は、DVDで用いられているレーザ波長660nmにおいて、該トラックピッチの基板を用いると溝の深さが55nmである時に最も大きな信号強度を得ることができる。反射率を低く調整し、かつプッシュプル信号の振幅を大きくするためには、溝深さは深い方が良いが、記録特性も考慮すると22〜40nmの範囲が好ましい。また、記録特性や信号特性を考慮すると溝幅は0.2〜0.3μmの範囲が望ましい。
本発明によれば、DVD6〜8倍速以上の高速繰り返し記録においても、εの大きい条件で低ジッターで記録可能な相変化型光記録媒体を提供できる。また、ジッターとエラーが共に十分に低く、かつ記録感度が良好な相変化型光記録媒体を提供できる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
実施例1〜6、比較例1〜6
図5に示す層構成を有する実施例及び比較例の各相変化型光記録媒体を次のようにして作製した。
直径12cm、厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74μmの案内溝付きポリカーボネート製基板1上に、第一保護層2としてZnSとSiO2のモル比80:20の混合物を厚さ60nm、相変化記録層3として表1に示した組成のSbベースの各材料を厚さ14nm、酸化ゲルマニウムからなる無機保護層6を厚さ2nm、第二保護層4としてZnSとSiO2のモル比80:20の混合物を厚さ5nm、硫化防止層7としてTiCとTiO2の重量比7:3の混合物を厚さ4nm、反射層5としてAgを厚さ200nm、順次スパッタにより成膜したのち有機保護膜8(日本ディックSD318)でオーバーコートし、更に、厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板(図示せず)を貼り合わせて実施例1〜6の各相変化型光記録媒体を得た。次いで、相変化ディスク用初期化装置で初期化した。初期化は集光ビーム径が75μmとなる光ヘッドを用い、パワー1600mW(ここでは、LDの消費電力であり、照射パワーとは異なる)、走査速度19m/s、送り50μm/回転の条件で行なった。
また、無機保護層6を設けず、第二保護層4の厚さを7nmとした他は、実施例と同様にして比較例1〜6の各相変化型光記録媒体を得たのち、初期結晶化した。更に、比較例1において硫化防止層7も設けなかった場合(比較例1′)、比較例2の反射層5をAl−Ti合金に変えた場合(比較例2′)の光記録媒体も作製した。
図5に示す層構成を有する実施例及び比較例の各相変化型光記録媒体を次のようにして作製した。
直径12cm、厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74μmの案内溝付きポリカーボネート製基板1上に、第一保護層2としてZnSとSiO2のモル比80:20の混合物を厚さ60nm、相変化記録層3として表1に示した組成のSbベースの各材料を厚さ14nm、酸化ゲルマニウムからなる無機保護層6を厚さ2nm、第二保護層4としてZnSとSiO2のモル比80:20の混合物を厚さ5nm、硫化防止層7としてTiCとTiO2の重量比7:3の混合物を厚さ4nm、反射層5としてAgを厚さ200nm、順次スパッタにより成膜したのち有機保護膜8(日本ディックSD318)でオーバーコートし、更に、厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板(図示せず)を貼り合わせて実施例1〜6の各相変化型光記録媒体を得た。次いで、相変化ディスク用初期化装置で初期化した。初期化は集光ビーム径が75μmとなる光ヘッドを用い、パワー1600mW(ここでは、LDの消費電力であり、照射パワーとは異なる)、走査速度19m/s、送り50μm/回転の条件で行なった。
また、無機保護層6を設けず、第二保護層4の厚さを7nmとした他は、実施例と同様にして比較例1〜6の各相変化型光記録媒体を得たのち、初期結晶化した。更に、比較例1において硫化防止層7も設けなかった場合(比較例1′)、比較例2の反射層5をAl−Ti合金に変えた場合(比較例2′)の光記録媒体も作製した。
これらの光記録媒体について、以下に示すような条件でエラーとなるようなマーク中の結晶成長が起こっているかどうかを評価した。
表1に示した記録層は何れもDVD8倍速で良好な繰り返し記録特性を持つように調整したものであり、パルステック工業製のDVD評価装置DDU−1000(NA=0.65、λ=660nm)とパルス発生装置MSG3を用い、5トラックに8倍速(27.9m/s)でランダムパターンの繰り返し記録を10回行い、真ん中のトラックを基本線速(1倍速)で再生することにより測定したジッター(data to clockジッター)は何れも10%以下と良好であった。記録は、ピークパワーPp、イレースパワーPe、ボトムパワーPbの3レベル(Pp>Pe>Pb)で強度変調された2T周期記録ストラテジを用いて行なった。2T周期とは、複数の光パルス列が記録クロックの2周期ごとに照射されることを意味する。Pp、Peは各媒体に合わせて最適化し、Pbは0.2mWに固定した。
また、記録済みの媒体を80℃85%RHの恒温恒湿層に300時間保存した後に再生してアモルファス相の安定性を調べたが、何れの場合もジッター(σ/Tw)の上昇は1%以内であった。
しかし、ジッターは良好であっても、アモルファス中への結晶成長に起因するエラーが発生し、特に8倍速で記録可能な媒体に3〜6倍速等の低〜中速で記録した場合のエラー率が高い場合があった。これを更に詳しく調べると、エラーとなっているのは殆ど3Tマークであった。エラー率の高い条件で3Tシングルパターンを記録して、タイムインターバールアナライザーでマーク長を表示させると、図6に示したように、3Tより短いマークとして計数される(○印の部分)。図6はタイムインターバルアナライザーの画面であるが、1Tや2Tとして計数されてしまっているマークがあることが分った。そこで、3Tシングルパターンを記録したときの、全マークに占める3Tより短いマークの割合を3T Window Errorと定義して評価した。
ここで、3Tシングルパターンは、線速3.3倍速(11.5m/s)で、図7に示したようなストラテジで、T3on=3.6ns、Pp=34mW、Pe=7.4mW、Pb=0.2mWをそれぞれ固定し、T3offの長さを変えて記録した。このときの最大の3T Window Errorの値を表1に示した。
無機保護層6を設けた実施例1〜6の場合は、何れも無機保護層6のない比較例1〜6に比べて3T Window Errorが低減している。
更に、硫化防止層7を設けなかった比較例1′の場合には、3T Window Errorの値は、硫化防止層7を設けた比較例1の場合と同等であったが、80℃85%RHの恒温恒湿層に300時間保存した後に反射層5のAgの硫化に伴うと推測される欠陥が多発していた。
また、反射層5にAl−Ti合金を用いた比較例2′の場合には、充分な変調度を持つ記録ができず、3T Window Errorの評価も困難であった。
表1に示した記録層は何れもDVD8倍速で良好な繰り返し記録特性を持つように調整したものであり、パルステック工業製のDVD評価装置DDU−1000(NA=0.65、λ=660nm)とパルス発生装置MSG3を用い、5トラックに8倍速(27.9m/s)でランダムパターンの繰り返し記録を10回行い、真ん中のトラックを基本線速(1倍速)で再生することにより測定したジッター(data to clockジッター)は何れも10%以下と良好であった。記録は、ピークパワーPp、イレースパワーPe、ボトムパワーPbの3レベル(Pp>Pe>Pb)で強度変調された2T周期記録ストラテジを用いて行なった。2T周期とは、複数の光パルス列が記録クロックの2周期ごとに照射されることを意味する。Pp、Peは各媒体に合わせて最適化し、Pbは0.2mWに固定した。
また、記録済みの媒体を80℃85%RHの恒温恒湿層に300時間保存した後に再生してアモルファス相の安定性を調べたが、何れの場合もジッター(σ/Tw)の上昇は1%以内であった。
しかし、ジッターは良好であっても、アモルファス中への結晶成長に起因するエラーが発生し、特に8倍速で記録可能な媒体に3〜6倍速等の低〜中速で記録した場合のエラー率が高い場合があった。これを更に詳しく調べると、エラーとなっているのは殆ど3Tマークであった。エラー率の高い条件で3Tシングルパターンを記録して、タイムインターバールアナライザーでマーク長を表示させると、図6に示したように、3Tより短いマークとして計数される(○印の部分)。図6はタイムインターバルアナライザーの画面であるが、1Tや2Tとして計数されてしまっているマークがあることが分った。そこで、3Tシングルパターンを記録したときの、全マークに占める3Tより短いマークの割合を3T Window Errorと定義して評価した。
ここで、3Tシングルパターンは、線速3.3倍速(11.5m/s)で、図7に示したようなストラテジで、T3on=3.6ns、Pp=34mW、Pe=7.4mW、Pb=0.2mWをそれぞれ固定し、T3offの長さを変えて記録した。このときの最大の3T Window Errorの値を表1に示した。
無機保護層6を設けた実施例1〜6の場合は、何れも無機保護層6のない比較例1〜6に比べて3T Window Errorが低減している。
更に、硫化防止層7を設けなかった比較例1′の場合には、3T Window Errorの値は、硫化防止層7を設けた比較例1の場合と同等であったが、80℃85%RHの恒温恒湿層に300時間保存した後に反射層5のAgの硫化に伴うと推測される欠陥が多発していた。
また、反射層5にAl−Ti合金を用いた比較例2′の場合には、充分な変調度を持つ記録ができず、3T Window Errorの評価も困難であった。
実施例7〜12
直径12cm、厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74μmの案内溝付きポリカーボネート製基板1上に、第一保護層2としてZnSとSiO2のモル比80:20の混合物を厚さ60nm、相変化記録層3として表2に示した組成のSbベースの各材料を厚さ14nm、第二保護層4として酸化ゲルマニウムを厚さ7nm、反射層5としてAgを厚さ200nm、順次スパッタにより成膜したのち有機保護膜8でオーバーコートし、更に、厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板(図示せず)を貼り合わせて、実施例7〜12の各相変化型光記録媒体を得た。次いで、実施例1と同様にして初期結晶化した。
これらの光記録媒体について、実施例1と同様の手順で3T Window Errorを評価した。結果を表2に示すが、実施例1〜6と同様に低いエラー率の媒体を得ることができた。
直径12cm、厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74μmの案内溝付きポリカーボネート製基板1上に、第一保護層2としてZnSとSiO2のモル比80:20の混合物を厚さ60nm、相変化記録層3として表2に示した組成のSbベースの各材料を厚さ14nm、第二保護層4として酸化ゲルマニウムを厚さ7nm、反射層5としてAgを厚さ200nm、順次スパッタにより成膜したのち有機保護膜8でオーバーコートし、更に、厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板(図示せず)を貼り合わせて、実施例7〜12の各相変化型光記録媒体を得た。次いで、実施例1と同様にして初期結晶化した。
これらの光記録媒体について、実施例1と同様の手順で3T Window Errorを評価した。結果を表2に示すが、実施例1〜6と同様に低いエラー率の媒体を得ることができた。
実施例13
直径12cm、厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74μmの案内溝付きポリカーボネート製基板1上に、第一保護層2としてZnSとSiO2のモル比80:20の混合物を厚さ60nm、相変化記録層3としてGa4Sb66Sn20Ge10を厚さ16nm、シリコンと酸化ゲルマニウムのモル比1:1の混合物からなる無機保護層6を厚さ5nm、第二保護層4としてZnSとSiO2のモル比80:20の混合物を厚さ4nm、硫化防止層7としてTiCとTiO2の重量比7:3の混合物を厚さ4nm、反射層5としてAgを厚さ200nm、順次スパッタにより成膜したのち有機保護膜8でオーバーコートし、更に、厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板(図示せず)を貼り合わせて相変化型光記録媒体を得た。次いで、実施例1と同様にして初期化した。
この光記録媒体に対し、パルステック工業社製の評価装置DDU−1000(NA=0.65、レーザ波長λ=660nm)とストラテジのパルス発生装置MSG2を用いて記録を行い評価した。記録は、ピークパワーPp、イレースパワーPe、ボトムパワーPbの3レベル(Pp>Pe>Pb)で強度変調された2T周期記録ストラテジを用いて行なった。Pp、Peは各媒体に合わせて最適化し、またPbは、急冷効果を与えるにはできるだけ小さなパワーが良いため0.1mWに固定した。
エラーは、約400トラックにランダムパターンの繰り返し記録を10回行ない、その記録部分を基本線速(1倍速)で再生することにより測定した。ジッター及び変調度は、5トラックにランダムパターンの繰り返し記録を10回行ない、真ん中のトラックを基本線速(1倍速)で再生することにより測定した。
その結果、表3に示すような特性が得られたが(ECCはエラー訂正コード)、良好なエラーとジッターを両立できていることが分る。更に、図8にはPpとPeの比を固定してPp、Peを変えた場合の変調度を示したが、比較例7に比べて約10%程度低いパワーで変調度を取ることができ、記録感度が改善されていることが分る。
直径12cm、厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74μmの案内溝付きポリカーボネート製基板1上に、第一保護層2としてZnSとSiO2のモル比80:20の混合物を厚さ60nm、相変化記録層3としてGa4Sb66Sn20Ge10を厚さ16nm、シリコンと酸化ゲルマニウムのモル比1:1の混合物からなる無機保護層6を厚さ5nm、第二保護層4としてZnSとSiO2のモル比80:20の混合物を厚さ4nm、硫化防止層7としてTiCとTiO2の重量比7:3の混合物を厚さ4nm、反射層5としてAgを厚さ200nm、順次スパッタにより成膜したのち有機保護膜8でオーバーコートし、更に、厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板(図示せず)を貼り合わせて相変化型光記録媒体を得た。次いで、実施例1と同様にして初期化した。
この光記録媒体に対し、パルステック工業社製の評価装置DDU−1000(NA=0.65、レーザ波長λ=660nm)とストラテジのパルス発生装置MSG2を用いて記録を行い評価した。記録は、ピークパワーPp、イレースパワーPe、ボトムパワーPbの3レベル(Pp>Pe>Pb)で強度変調された2T周期記録ストラテジを用いて行なった。Pp、Peは各媒体に合わせて最適化し、またPbは、急冷効果を与えるにはできるだけ小さなパワーが良いため0.1mWに固定した。
エラーは、約400トラックにランダムパターンの繰り返し記録を10回行ない、その記録部分を基本線速(1倍速)で再生することにより測定した。ジッター及び変調度は、5トラックにランダムパターンの繰り返し記録を10回行ない、真ん中のトラックを基本線速(1倍速)で再生することにより測定した。
その結果、表3に示すような特性が得られたが(ECCはエラー訂正コード)、良好なエラーとジッターを両立できていることが分る。更に、図8にはPpとPeの比を固定してPp、Peを変えた場合の変調度を示したが、比較例7に比べて約10%程度低いパワーで変調度を取ることができ、記録感度が改善されていることが分る。
実施例14
シリコンと酸化ゲルマニウムのモル比1:1の混合物からなる無機保護層6の厚さを7nmに変え、第二保護層4の厚さを2nmに変えた点以外は、実施例13と同様にして相変化型光記録媒体を作製し初期化したのち、評価した。
その結果、表3に示すような特性が得られたが、良好なエラーとジッターを両立できていることが分る。更に、図8に示すように比較例7に比べて記録感度が改善された。
シリコンと酸化ゲルマニウムのモル比1:1の混合物からなる無機保護層6の厚さを7nmに変え、第二保護層4の厚さを2nmに変えた点以外は、実施例13と同様にして相変化型光記録媒体を作製し初期化したのち、評価した。
その結果、表3に示すような特性が得られたが、良好なエラーとジッターを両立できていることが分る。更に、図8に示すように比較例7に比べて記録感度が改善された。
実施例15
直径12cm、厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74μmの案内溝付きポリカーボネート製基板1上に、第一保護層2としてZnSとSiO2のモル比80:20の混合物を厚さ60nm、相変化記録層3としてGa4Sb66Sn20Ge10を厚さ16nm、第二保護層4としてシリコンと酸化ゲルマニウムのモル比1:1の混合物を厚さ9nm、反射層5としてAgを厚さ200nm、順次スパッタにより成膜したのち有機保護膜8でオーバーコートし、更に、厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板(図示せず)を貼り合わせて相変化型光記録媒体を得た。次いで、実施例1と同様にして初期化したのち、実施例13と同様にして評価した。
その結果、表3に示すような特性が得られたが、良好なエラーとジッターを両立できていることが分る。更に、図8に示すように比較例7に比べて記録感度が改善された。
直径12cm、厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74μmの案内溝付きポリカーボネート製基板1上に、第一保護層2としてZnSとSiO2のモル比80:20の混合物を厚さ60nm、相変化記録層3としてGa4Sb66Sn20Ge10を厚さ16nm、第二保護層4としてシリコンと酸化ゲルマニウムのモル比1:1の混合物を厚さ9nm、反射層5としてAgを厚さ200nm、順次スパッタにより成膜したのち有機保護膜8でオーバーコートし、更に、厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板(図示せず)を貼り合わせて相変化型光記録媒体を得た。次いで、実施例1と同様にして初期化したのち、実施例13と同様にして評価した。
その結果、表3に示すような特性が得られたが、良好なエラーとジッターを両立できていることが分る。更に、図8に示すように比較例7に比べて記録感度が改善された。
比較例7
シリコンと酸化ゲルマニウムの混合物からなる無機保護層6を設けず、第二保護層4の厚さを7nmに変えた点以外は、実施例13と同様にして相変化型光記録媒体を作製し初期化したのち、評価した。
その結果、表3に示すような特性が得られたが、ジッターは良好であるものの、エラーが高くなっていることが分る。図10は、表3に示したエラー値をグラフ化したものであるが、どの記録線速でもエラーが高いことが分る。更に、図8から、実施例13〜15と比べて、取り得る変調度の値自体はほぼ同程度であるが、高めの記録パワーを要することが分る。
シリコンと酸化ゲルマニウムの混合物からなる無機保護層6を設けず、第二保護層4の厚さを7nmに変えた点以外は、実施例13と同様にして相変化型光記録媒体を作製し初期化したのち、評価した。
その結果、表3に示すような特性が得られたが、ジッターは良好であるものの、エラーが高くなっていることが分る。図10は、表3に示したエラー値をグラフ化したものであるが、どの記録線速でもエラーが高いことが分る。更に、図8から、実施例13〜15と比べて、取り得る変調度の値自体はほぼ同程度であるが、高めの記録パワーを要することが分る。
実施例16
相変化記録層3を厚さ14nmのGa5Sb67Sn20Ge8に変え、シリコンと酸化ゲルマニウムのモル比1:1の混合物からなる無機保護層6の厚さを4nmに変えた点以外は、実施例13と同様にして相変化型光記録媒体を作製し初期化したのち、評価した。
その結果、表3に示すような特性が得られたが、良好なエラーとジッターを両立できていることが分る。更に、図9に示すように比較例8に比べて記録感度が改善された。
相変化記録層3を厚さ14nmのGa5Sb67Sn20Ge8に変え、シリコンと酸化ゲルマニウムのモル比1:1の混合物からなる無機保護層6の厚さを4nmに変えた点以外は、実施例13と同様にして相変化型光記録媒体を作製し初期化したのち、評価した。
その結果、表3に示すような特性が得られたが、良好なエラーとジッターを両立できていることが分る。更に、図9に示すように比較例8に比べて記録感度が改善された。
実施例17
シリコンと酸化ゲルマニウムのモル比1:1の混合物からなる無機保護層6の厚さを6nmに変え、第二保護層4の厚さを2nmに変えた点以外は、実施例16と同様にして相変化型光記録媒体を作製し初期化したのち、評価した。
その結果、表3に示すような特性が得られたが、良好なエラーとジッターを両立できていことが分る。更に、図9に示すように比較例8に比べて記録感度が改善された。
シリコンと酸化ゲルマニウムのモル比1:1の混合物からなる無機保護層6の厚さを6nmに変え、第二保護層4の厚さを2nmに変えた点以外は、実施例16と同様にして相変化型光記録媒体を作製し初期化したのち、評価した。
その結果、表3に示すような特性が得られたが、良好なエラーとジッターを両立できていことが分る。更に、図9に示すように比較例8に比べて記録感度が改善された。
実施例18
相変化記録層を厚さ14nmのGa5Sb67Sn20Ge8に変え、第二保護層の厚さを8nmに変えた点以外は、実施例15と同様にして相変化型光記録媒体を作製し初期化したのち、評価した。
その結果、表3に示すような特性が得られたが、良好なエラーとジッターを両立できていることが分る。更に、図9に示すように比較例8に比べて記録感度が改善された。
相変化記録層を厚さ14nmのGa5Sb67Sn20Ge8に変え、第二保護層の厚さを8nmに変えた点以外は、実施例15と同様にして相変化型光記録媒体を作製し初期化したのち、評価した。
その結果、表3に示すような特性が得られたが、良好なエラーとジッターを両立できていることが分る。更に、図9に示すように比較例8に比べて記録感度が改善された。
比較例8
シリコンと酸化ゲルマニウムの混合物からなる無機保護層6を設けず、第二保護層4の厚さを7nmに変えた点以外は、実施例16と同様にして相変化型光記録媒体を作製し初期化したのち、評価した。
その結果、表3に示したような特性が得られた。ジッターは良好であるがエラーが高くなっていることが分る。図10は、表3に示したエラー値をグラフ化したものであるが、どの記録線速でもエラーが高い。更に、図9から、実施例16〜18と比べて、取り得る変調度の値自体はほぼ同程度であるが、高めの記録パワーを要することが分る。
シリコンと酸化ゲルマニウムの混合物からなる無機保護層6を設けず、第二保護層4の厚さを7nmに変えた点以外は、実施例16と同様にして相変化型光記録媒体を作製し初期化したのち、評価した。
その結果、表3に示したような特性が得られた。ジッターは良好であるがエラーが高くなっていることが分る。図10は、表3に示したエラー値をグラフ化したものであるが、どの記録線速でもエラーが高い。更に、図9から、実施例16〜18と比べて、取り得る変調度の値自体はほぼ同程度であるが、高めの記録パワーを要することが分る。
実施例19〜21、比較例9〜10
直径12cm、厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74μmの案内溝付きポリカーボネート製基板1上に、第一保護層2としてZnSとSiO2のモル比80:20の混合物を厚さ60nm、相変化記録層3としてGe5In15Sb80を厚さ14nm、第二保護層4としてλ=660nmにおける屈折率が表4に示す値を持つ酸化ゲルマニウムを厚さ7nm、反射層5としてAgを厚さ200nm、順次スパッタにより成膜したのち有機保護膜でオーバーコートし、更に、厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板(図示せず)を貼り合わせて、各相変化型光記録媒体を得た。次いで実施例1と同様にして初期化した。
ここで、第二保護層の酸化ゲルマニウムの膜は、Geのターゲットを用い、酸素雰囲気でスパッタを行うことにより形成した。図11(a)、(b)に酸素分圧と得られた膜のn、kの値を示す。図の横軸は、Ar(アルゴン)3sccmに加えたO2流量(sccm)である。凡例に示してあるのは、スパッタ装置のチャンバーの種類であり、酸素分圧は同じであっても、チャンバーの種類によって形成される膜にばらつきは生じるが、何れも、酸素分圧を高くすることによって、n、k共に次第に小さくなる傾向を示すことが分る。n、kは、Geがどの程度酸化されているかによって変化していると推測され、膜は、酸化されていないGe、及びGeO、GeO2の混合物からなり、それらの割合によってn、kの値が変化していると予想される。
直径12cm、厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74μmの案内溝付きポリカーボネート製基板1上に、第一保護層2としてZnSとSiO2のモル比80:20の混合物を厚さ60nm、相変化記録層3としてGe5In15Sb80を厚さ14nm、第二保護層4としてλ=660nmにおける屈折率が表4に示す値を持つ酸化ゲルマニウムを厚さ7nm、反射層5としてAgを厚さ200nm、順次スパッタにより成膜したのち有機保護膜でオーバーコートし、更に、厚さ0.6mmのポリカーボネート製基板(図示せず)を貼り合わせて、各相変化型光記録媒体を得た。次いで実施例1と同様にして初期化した。
ここで、第二保護層の酸化ゲルマニウムの膜は、Geのターゲットを用い、酸素雰囲気でスパッタを行うことにより形成した。図11(a)、(b)に酸素分圧と得られた膜のn、kの値を示す。図の横軸は、Ar(アルゴン)3sccmに加えたO2流量(sccm)である。凡例に示してあるのは、スパッタ装置のチャンバーの種類であり、酸素分圧は同じであっても、チャンバーの種類によって形成される膜にばらつきは生じるが、何れも、酸素分圧を高くすることによって、n、k共に次第に小さくなる傾向を示すことが分る。n、kは、Geがどの程度酸化されているかによって変化していると推測され、膜は、酸化されていないGe、及びGeO、GeO2の混合物からなり、それらの割合によってn、kの値が変化していると予想される。
これらの媒体に、DVD8倍速でEFM+変調方式によるランダムパターンを記録したとき、シングルトラック記録で、ジッターが9%以下となるような初回記録が可能なεの上限値をεmaxとして評価し、表4中に示した。記録ストラテジは非晶質マークを形成するパルスの周期を2Tとする、2T周期ストラテジを用い、記録パワー、パルス幅は各々最適化して行った。ピークパワーの最適値は、本実施例の場合、30〜38mWの範囲内であった。何れの場合もεmaxは0.4以上の大きな値が得られた。繰り返し記録によっても、特性に大きな変化はなく、繰り返し記録1000回でのジッターは10〜11%であった。
また、比較例として、n、kが本発明の範囲外になってしまう酸化ゲルマニウムを第二保護層として用いた場合も表4に合わせて示した。比較例1の場合は、εによらずジッターを9%以下にできるような記録を行うことができなかった。比較例2の場合は、初回記録は非常に良好であったが、10回程度の繰り返し記録で、ジッターは20%以上になってしまった。
また、比較例として、n、kが本発明の範囲外になってしまう酸化ゲルマニウムを第二保護層として用いた場合も表4に合わせて示した。比較例1の場合は、εによらずジッターを9%以下にできるような記録を行うことができなかった。比較例2の場合は、初回記録は非常に良好であったが、10回程度の繰り返し記録で、ジッターは20%以上になってしまった。
実施例22〜26
記録層3として、表5に示した組成のものを用い、第二保護層として、n=2.7、k=0.20の酸化ゲルマニウムを用いた点以外は、実施例19と同様にして相変化型光記録媒体を作製し初期化したのち、εmaxを評価した。記録パワーやストラテジは各々最適化しているが、ピークパワーの最適値は28〜38mWの範囲内であった。
表5の結果から分るように、何れの場合もεmaxは0.4以上の大きな値が得られた。繰り返し記録によっても、特性に大きな変化はなく、繰り返し記録1000回でのジッターは10〜13%であった。
記録層3として、表5に示した組成のものを用い、第二保護層として、n=2.7、k=0.20の酸化ゲルマニウムを用いた点以外は、実施例19と同様にして相変化型光記録媒体を作製し初期化したのち、εmaxを評価した。記録パワーやストラテジは各々最適化しているが、ピークパワーの最適値は28〜38mWの範囲内であった。
表5の結果から分るように、何れの場合もεmaxは0.4以上の大きな値が得られた。繰り返し記録によっても、特性に大きな変化はなく、繰り返し記録1000回でのジッターは10〜13%であった。
比較例11〜16
記録層3として、表6に示した組成のものを用い、第二保護層として、ZnSとSiO2のモル比80:20の混合物を用いた点以外は。実施例19と同様にして相変化型光記録媒体を作製し初期化したのち、εmaxを評価した。なお、第二保護層としてZnS−SiO2を用い、反射層にAgを用いた場合は、通常、硫化防止層をその間に設けるのであるが、硫化防止層を設けると冷却速度が遅くなってしまい、実施例と同じ条件での比較が行えなくなる恐れがあるため、硫化防止層は設けなかった。今回は媒体作成直後にεの評価を行っており、硫化の影響はない。長期保存や高温保存を行わない場合には、硫化は殆ど進行しない。記録パワーやストラテジは各々最適化しており、ピークパワーの最適値は30〜40mWの範囲内であった。
表6の結果から分かるように、何れの場合もεmaxは0.3以下となってしまった。εをεmaxより大きくすると、ジッターを9%以下とすることはできなかった。
記録層3として、表6に示した組成のものを用い、第二保護層として、ZnSとSiO2のモル比80:20の混合物を用いた点以外は。実施例19と同様にして相変化型光記録媒体を作製し初期化したのち、εmaxを評価した。なお、第二保護層としてZnS−SiO2を用い、反射層にAgを用いた場合は、通常、硫化防止層をその間に設けるのであるが、硫化防止層を設けると冷却速度が遅くなってしまい、実施例と同じ条件での比較が行えなくなる恐れがあるため、硫化防止層は設けなかった。今回は媒体作成直後にεの評価を行っており、硫化の影響はない。長期保存や高温保存を行わない場合には、硫化は殆ど進行しない。記録パワーやストラテジは各々最適化しており、ピークパワーの最適値は30〜40mWの範囲内であった。
表6の結果から分かるように、何れの場合もεmaxは0.3以下となってしまった。εをεmaxより大きくすると、ジッターを9%以下とすることはできなかった。
1 基板
2 第一保護層
3 相変化記録層
4 第二保護層
5 反射層
6 無機保護層
7 硫化防止層
8 有機保護膜
9 光記録媒体
Pp ピークパワー
Pe イレースパワー
Pb バイアスパワー
Tw 基本クロック周期
Ttop 先頭パルスの幅
dTtop 先頭パルス開始時間
Tmp マルチパルス部のピークパワーパルスの幅
dTera 消去開始時間
3T 3Tw
T3on ピークパワーパルスの幅
T3off バイアスパワーパルスの幅
2 第一保護層
3 相変化記録層
4 第二保護層
5 反射層
6 無機保護層
7 硫化防止層
8 有機保護膜
9 光記録媒体
Pp ピークパワー
Pe イレースパワー
Pb バイアスパワー
Tw 基本クロック周期
Ttop 先頭パルスの幅
dTtop 先頭パルス開始時間
Tmp マルチパルス部のピークパワーパルスの幅
dTera 消去開始時間
3T 3Tw
T3on ピークパワーパルスの幅
T3off バイアスパワーパルスの幅
Claims (12)
- 基板上に、少なくとも相変化記録層とこれに接する無機保護層を有し、該無機保護層が、酸化していない金属元素及び/又は酸化数が最大ではない状態にある金属酸化物を含み、波長λ=660nmにおける複素屈折率n+ikが、次の(1)式を満たす金属酸化物αを主成分とすることを特徴とする光記録媒体。
2.0≦n≦4.0、 0≦k≦1.0 (1) - 金属酸化物αを構成する元素がGe及び/又はSiであることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
- 基板上に、少なくとも第一保護層、相変化記録層、第二保護層、反射層が積層され、第二保護層が前記無機保護層であることを特徴とする請求項1又は2記載の光記録媒体。
- 基板上に、少なくとも第一保護層、相変化記録層、第二保護層、反射層が順に積層され、相変化記録層と第二保護層の間に、前記無機保護層を有することを特徴とする請求項1又は2記載の光記録媒体。
- 第一保護層及び/又は第二保護層が、ZnSとSiO2の混合物を主成分とすることを特徴とする請求項3又は4記載の光記録媒体。
- 反射層がAg又はAg合金を主成分とすることを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の光記録媒体。
- 反射層と第二保護層との間に、硫黄を含まない成分で構成される硫化防止層を設けたことを特徴とする請求項6記載の光記録媒体。
- 相変化記録層がSbを主成分とすることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の光記録媒体。
- 相変化記録層が、Sbを主成分としGe、Ga、Inから選ばれる少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする請求項1〜8記載の光記録媒体。
- 相変化記録層が、更にTeを含有することを特徴とする請求項9記載の光記録媒体。
- 相変化記録層が、更にSnを含有することを特徴とする請求項9又は10記載の光記録媒体。
- 基板が、トラックピッチ0.74±0.03μm、溝深さ22〜40nm、溝幅0.2〜0.3μmの蛇行溝を有することを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の光記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005070623A JP2006236544A (ja) | 2005-01-27 | 2005-03-14 | 相変化型光記録媒体 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005019441 | 2005-01-27 | ||
JP2005070623A JP2006236544A (ja) | 2005-01-27 | 2005-03-14 | 相変化型光記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006236544A true JP2006236544A (ja) | 2006-09-07 |
JP2006236544A5 JP2006236544A5 (ja) | 2008-01-31 |
Family
ID=37043984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005070623A Withdrawn JP2006236544A (ja) | 2005-01-27 | 2005-03-14 | 相変化型光記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006236544A (ja) |
-
2005
- 2005-03-14 JP JP2005070623A patent/JP2006236544A/ja not_active Withdrawn
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