JP2006233514A - 自動車のドア開閉機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ボディ側面に沿って回動する動作によってドアを開閉する方式による自動車のドア開閉機構であって、ドアをがたつかせることなく円滑に開閉することができ、十分な耐久性を備えたドア開閉機構を提供する。
【解決手段】 ドア11を横方向への開き位置に回動し、開き位置から鉛直方向に回動することによってドアを開閉する自動車のドア開閉機構であって、自動車に固定支持されるステー板20と、該ステー板20に基端部が支持され、先端部にドア11が取り付けられる回動アーム30とを備え、前記回動アーム30はユニバーサルジョイント22により前記ステー板20に回動自在に取り付けられるとともに、前記回動アーム30に、前記ユニバーサルジョイント22を囲む配置に、前記ステー板20に対して前記回動アーム30を横方向に開いた開き位置を規制する少なくとも3個のストッパ手段42、44a、44bを設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は自動車のドア開閉機構に関し、より詳細には自動車のボディの側面に沿ってドアを上下方向にスイングするようにして開閉する自動車のドア開閉機構に関する。
乗用車等の自動車のドアは、一般的には、自動車のボディの左右の側方にドアの開放端側を振り出すようにして開閉する。このような開閉方式は、ドアを開閉するための支持軸の軸線方向をいわば鉛直方向に向けたものであり、ドアを開閉する際にドアの可動端は水平方向に移動する。
また、別の開閉方式としてガルウイング方式と呼ばれるものがある。この開閉方式はボディの左右側方にドアを跳ね上げるようにして開閉するもので、ボディの天井側にドアを開閉する支持軸を設け、支持軸をいわば水平方向として、軸線方向を自動車の前後方向に向けたものということができる(特許文献1参照)。
また、ガルウイング方式の別の形態として、ボディの左右の側方で、ボディの側面に沿ってドアを上下動させるようにして開閉する方式のものがある。図4は、この開閉方式での従来のドア開閉機構を示す。
このドアの開閉機構は、自動車のボディに固設されるステー10に、ドア11を支持する回動アーム12を取り付けたものである。回動アーム12は、ステー10に固定した支持ロッド13に回動可能に支持されたヒンジ板14に、支持軸15を介して取り付けられている。支持ロッド13は軸線方向を鉛直向きにしてステー10に取り付けられ、支持軸15は軸線方向をヒンジ板14の面に対して垂直方向、すなわち水平方向にして取り付けられている。なお、回動アーム12とステー10との間にはドア11の開閉を補助する補助機構としてガススプリング16が取り付けられている。
このドアの開閉機構によってドア11を開く際には、まずドアロックを外してドア11を横方向(水平方向)に押し、ドア11と自動車のボディとが干渉しない位置まで押し開き、次いでドア11を上方に押し上げる。ドア11を横方向に押す操作は、支持ロッド13を軸として回動アーム12が水平方向に回動する動作に相当し、ドア11を押し上げる操作は支持軸15を支点として回動アーム12が鉛直面内で回動する動作に相当する。ドア11を押し上げる際には、ガススプリング16による押し上げ力が利用される。
特開2003−146082号公報
上述したように、ドアを自動車のボディに沿って押し上げるようにして開閉する方式の場合、従来のドア開閉機構では、支持ロッド13を支点としてヒンジ板14を回動し、ヒンジ板14が開いた位置で、支持軸15を支点として回動アーム12を鉛直面内で回動させる。この回動アーム12を鉛直面内で回動させる操作は、ヒンジ板14に支持された支持軸15を支点としてドア11を回動させる操作となる。このため、従来のドア開閉機構では、支持軸15とヒンジ板14との連結部分に荷重が集中し、支持軸15とヒンジ板14との間にガタが生じて、故障しやすいという問題があった。また、支持軸15とヒンジ板14との間にガタが生じると、ドアを開閉する際にドアががたつき、安定したドアの開閉操作を行うことができなくなるという問題もあった。
そこで、本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、ボディ側面に沿って回動する動作によってドアを開閉する方式による自動車のドア開閉機構であって、ドアをがたつかせることなく円滑に開閉することができ、十分な耐久性を備え、長期間にわたって安定した開閉動作を行うことができる自動車のドア開閉機構を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、ドアを横方向への開き位置に回動し、開き位置から鉛直方向に回動することによってドアを開閉する自動車のドア開閉機構であって、自動車に固定支持されるステー板と、該ステー板に基端部が支持され、先端部にドアが取り付けられる回動アームとを備え、前記回動アームはユニバーサルジョイントにより前記ステー板に回動自在に取り付けられるとともに、前記回動アームに、前記ユニバーサルジョイントを囲む配置に、前記ステー板に対して前記回動アームを横方向に開いた開き位置を規制する少なくとも3個のストッパ手段を設けたことを特徴とする。
また、前記回動アームに、該回動アームの鉛直方向への回動動作とともに移動するガイドローラを設け、前記ステー板に、前記ガイドローラに係合する円弧状のガイド溝を備えた円弧ガイド部を固定したことを特徴とする。
また、前記円弧ガイド部に、前記ガイドローラが係合して、前記回動アームが開き方向に位置ずれすることを防止する抜け止め手段を設けたことを特徴とする。
また、前記ストッパ手段として、前記回動アームから前記ステー板に向けて先端を突出したピン部材を設けたことを特徴とする。
また、前記ステー板に、長孔のガイド孔を設け、前記ピン部材の一つを、前記ドアが閉まった状態に前記回動アームがあるときには前記ガイド孔に先端部が進入し、前記回動アームが開き位置に回動したときにはガイド孔から抜け出すようにピンの長さを設定したガイドピンとして設けたことを特徴とする。
また、前記回動アームを鉛直方向に回動する際における下位置と上位置とを規制するストッパを前記ステー板に設けたことを特徴とする。
本発明に係る自動車のドア開閉機構によれば、鉛直方向に回動アームを回動する際に、ストッパ手段とユニバーサルジョイントによりステー板に対する回動アームの開き位置を規制することによって、ドアをがたつかせることなく円滑に回動させて開閉することが可能になる。また、回動アームが複数点で支持されて回動されることから、回動機構の構成が堅牢になり、耐久性を備えたドア開閉機構として提供することが可能になる。
以下、本発明に係る自動車のドア開閉機構についての好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、自動車のドア開閉機構の一実施形態の構成を正面方向から見た状態を示す。本実施形態のドア開閉機構は、自動車のボディに固定される部材であるステー板20と、ステー板20に任意の方向に回動可能に支持された回動アーム30とを備える。
ステー板20は所定の耐久性を備えた金属平板を用いて、正面形状が略コの字状に形成された部材であり、上片部20aと側板部20bと下片部20cとからなる。
一方、回動アーム30もステー板20と同様に金属平板を用いて形成された部材であり、正面形状が略L字形に形成される。回動アーム30はステー板20の上片部20aに取り付けられる基端部30aと中間部30bと先端部30cとからなる。
回動アーム30の先端部30cにはドア11を固定するための取り付けアーム32が固定されている。本実施形態では、回動アームの端部にねじ締め部34を設け、取り付けアーム32をねじ締め部34にねじ止めすることによって、ねじ締め部34への取り付けアーム32の取り付け位置を調節可能としている。
回動アーム30をステー板20に回動可能に取り付ける手段として、本実施形態では、回動アーム30の基端部30aをボール21を用いたユニバーサルジョイント22を用いてステー板20に取り付ける方法を採用している。すなわち、回動アーム30はステー板20の上片部20aに固定されたボール21に摺動可能に、かつ抜け止めして取り付けられている。
本発明に係るドア開閉機構では、ドアを水平方向に動かす開き操作と、ドアを鉛直方向に動かす回動操作が必要となる。ユニバーサルジョイント22は回動アーム30を任意の方向に回動および傾動可能とするものであり、これらの動きを容易に可能にする。なお、ユニバーサルジョイント22を設けた部位で、回動アーム30とステー板20の対向面は15mm程度離間するように設けられている。
(回動アームの鉛直方向への回動機構)
本実施形態のドア開閉機構では、ドアを鉛直方向に回動する動作に対応して回動アーム30の鉛直方向への回動動作を規制する手段として、円弧ガイド部23を設けている。
この円弧ガイド部23は、正面形状が円弧状となるガイドレール状に形成された部材であり、ステー板20に平行に、回動アーム30とステー板20とに挟まれるようにしてステー板20に固定されている。円弧ガイド部23には、その全長にわたって、ユニバーサルジョイント22の中心から半径Rとなる円弧状のガイド溝23aが形成されている。円弧ガイド部23の回動アーム30に対向する面には、回動アーム30に取り付けられたガイドローラ31をガイド溝23a内に保持するためのつば部が設けられている。
ガイドローラ31は、回動アーム30の内面(ステー板20に対向する面)に固定された支持ブロック31aに、ローラの周面をガイド溝23aの内側面に当接させて転動自在に支持される。ガイドローラ31の回転軸線方向はユニバーサルジョイント22の回転中心に向けて設けられ、これによって回動アーム30が回動する際に、ガイドローラ31はガイド溝23aに常時、係合して転動する。
本実施形態では、円弧ガイド部23はユニバーサルジョイント22の下方から、図の右方へ45°程度の角度範囲にわたって延出する部分円弧状に設けられている。図1は、ドアが閉められている状態に回動アーム30がある状態を示す。この状態でガイドローラ31はガイド溝23aの一端側(図の左端側)に位置する。
ステー板20の側板部20bには、回動アーム30の中間部30bの一方の側面に当接するストッパ24が設けられている。ストッパ24は、半球状に形成された当接部を回動アーム30の側面に対向するように配置され、回動アーム30の一方の側面がストッパ24の当接部に当接することにより回動アーム30が上位置から下方に回動した際の下位置が規制される。本実施形態においては、回動アーム30が下位置にある状態で、ストッパ24の当接部がユニバーサルジョイント22とガイドローラ31とを結ぶ線上(鉛直線方向)に位置するように設けられている。
円弧ガイド部23の他端側には回動アーム30を上方に回動した際の上位置を規制するストッパ25がステー板20の上片部20aに固定して設けられている。ストッパ25はストッパ端25aをガイド溝23aに延出して設けられたもので、上片部20aにおけるストッパ25の取り付け位置を可変とすることにより、ガイド溝23a内におけるストッパ端25aの延出位置を調節して回動アーム30の回動位置(開放位置)を調節することができる。
ステー板20の側板部20bと回動アーム30の中間部30bとの間には、ドア11を鉛直方向に回動する際の補助機構としてガススプリング36が装着されている。側板部20bと回動アーム30の中間部30bには、ガススプリング36の両端を各々固定するための取り付け孔20d、30dが設けられ、ガススプリング36を装着する際に、所定間隔をあけて複数設けられた取り付け孔20d、30dを適宜選択することによってガススプリング36による押し上げ力が調節可能となっている。
(回動アームの水平方向への回動機構)
ドアを横方向に開く操作に対応して回動アーム30を水平方向に開くための規制手段として、本実施形態のドアの開閉機構では、ステー板20の上片部20aにガイド孔40を設け、回動アーム30にこのガイド孔40に係合するガイドピン42を設けている。ガイド孔40は、図の左右方向、すなわち水平方向に長孔となるように設けられ、ガイドピン42は回動アーム30からステー板20に向けて先端部が延出し、先端部がガイド孔40に進入するように設けられている。
また、ガイド孔40は回動アーム30をステー板20におけるユニバーサルジョイント22の配置位置を基準としてその他端側(図の右側)に偏位した位置に設けられる。同様にガイドピン42も回動アーム30におけるユニバーサルジョイント22の配置位置を基準としてその右側に偏位した位置に設けられる。
このことは、ガイド孔40にガイドピン42が係合している状態で、回動アーム30が鉛直方向に移動することが阻止され、この状態で回動アーム30は水平方向に回動することを意味する。なお、回動アーム30が開き位置まで水平方向に開くと、ガイドピン42とガイド孔40との係合が解除されるようにガイドピン42の長さが設定されている。なお、ガイドピン42はその先端部に転動可能にボールを支持して形成されている。
回動アーム30が水平方向に開く際に、回動アーム30の開き角度を規制する手段として、回動アーム30におけるユニバーサルジョイント22の配置位置を基準としてその一方側(図の左側)に偏位した位置に、回動アーム30からステー板20に向けて2本のストッパピン44a、44bを突出させて設けている。ストッパピン44a、44bは、上下に離間して配置され、ストッパピン44a、44bとガイドピン42とは、正面配置がユニバーサルジョイント22を囲む三角形の頂点位置を占めるように配置される。なお、ストッパピン44a、44bの先端部にも転動可能にボールが支持されている。
(ドア開閉機構の作用)
続いて、上述したドア開閉機構の作用について、ドアの開閉手順にしたがって説明する。
まず、ドアが閉められている状態からドアを開く操作を行う。図1の状態はドア11が閉まっている状態である。この状態でドアロックを外し、ドア11を横方向(水平方向)に回動させる開き操作を行う。
図1の状態ではガイドピン42がガイド孔40に係合していることによって、ドア11が上方向に移動することが規制され、ストッパ24がユニバーサルジョイント22の中心位置の鉛直下方に位置することから、ストッパ24に回動アーム30の側面が当接し、ストッパ24が支点となって回動アーム30が横方向に回動する。
図3に、ステー板20と回動アーム30とを上方から見た状態を示す。図3(a)がドアが閉まった状態、図3(b)がドアを横方向に回動した状態を示す。ドアが閉まった状態ではステー板20と回動アーム30とは平行に支持され、ガイド孔40にガイドピン42の先端が進入している。
ドアを横方向に開くと、回動アーム30がユニバーサルジョイント22を回転支点として回動し、ガイドピン42がガイド孔40から抜け出し、ストッパピン44aがステー板20の上片部20aの表面に当接する。このストッパピン44a、44bがステー板20の板面に当接する位置が回動アーム30の開き位置が規制される位置である。図3(b)は、ストッパピン44aがステー板20の表面に当接した状態を示す。これによってドアが横方向に開かれる。
ドアを横方向に開いた後、ドアを鉛直方向に回動して上位置まで移動させる。このドアの回動操作は、ユニバーサルジョイント22を回転の支点として回動アーム30を回動することによってなされる。
この回動アーム30を鉛直方向に回動する動作は、図3(b)に示すように、ステー板20に対して回動アーム30を傾斜した状態を維持したまま回動する操作に相当する。回動アーム30を横方向に開き操作した時点でストッパピン44a、44bがステー板20の板面に当接するが、これと同時に本実施形態ではガイドピン42の先端位置がステー板20の板面位置に一致するようにガイドピン42の長さが設定されている。したがって、回動アーム30を鉛直方向に回動開始すると、ガイドピン42がステー板20の板面に乗り上げ、ステー板20の板面にガイドピン42の先端が当接する。
本実施形態では、ガイドピン42およびストッパピン44a、44bの先端に転動可能にボールを取り付けているから、ユニバーサルジョイント22を支点として回動アーム30を回動させる際に、ステー板20の板面にガイドピン42とストッパピン44a、44bが当接した状態でスムーズにガイドピン42とストッパピン44a、44bを移動(周方向に移動する)させることが可能となっている。
図2は、回動アーム30を鉛直方向に所定角度回動させた状態を示している。ストッパピン44a、44bおよびガイドピン42がユニバーサルジョイント22を中心として右回りに所定角度回転していること、ガイドピン42がガイド孔40から抜け出してステー板20の板面上に位置していることを示す。
ユニバーサルジョイント22の回り(三角形の頂点位置)にストッパピン44a、44bおよびガイドピン42を配置したことによって、可動アーム30はステー板20に対して所定の開き角度を維持したままステー板20に対して回動する。
これと同時に、可動アーム30に装着したガイドローラ31は、回動アーム30がユニバーサルジョイント22を支点として回動することによって、円弧ガイド部23に設けられたガイド溝23aに係合して移動する。ガイド溝23aは円弧ガイド部23に設けられたつば部とステー板20の板面によって断面形状がU字状に形成され、ガイドローラ31はガイド溝23aに抜け止めされるように係止されながら転動する。
このガイドローラ31がガイド溝23aに抜け止めされながら転動する作用は、ステー板20に対する回動アーム30の開き角度がこれ以上に広がらないように保持して回動アーム30を回動させるように作用する。ガイドローラ31はガイド溝23aに係合しつつ、滑らかに転動するから、ガイドローラ31によるガイド作用は可動アーム30を開き角度を維持しつつ円滑に回動させる作用になる。
こうして、回動アーム30は、ストッパピン44a、44bとガイドピン42により回動アーム30の開き角度をステー板20に対して維持するとともに、ガイドローラ31と円弧ガイド部23の作用によって、回動アーム30を鉛直方向に回動させる際に、回動アーム30の開き角度を所定角度に維持しつつ円滑に回動動作をさせることが可能になる。本実施形態のドア開閉機構では、回動アーム30を鉛直方向に回動する際の支持点は、2本のストッパピン44a、44bと、ガイドピン42と、ガイドローラ31と、ユニバーサルジョイント22による5点支持によることになる。
図2に示す状態は、回動アーム30が中途位置まで回動された状態である。回動アーム30はストッパ25のストッパ端25aにガイドローラ31が当接することによって回動アーム30が上方に回動された際の上位置が規定される。すなわち、ガイドローラ31がストッパ端25aに当接した時点でドアが完全に開いた状態になる。ガススプリング36の作用によって、ドア11は軽く持ち上げるようにするだけで簡単に上位置まで移動させることができる。
上位置から元の位置にドア11を閉める際には、ドア11を上位置からドアの開き位置まで下げ、次いで開き位置からドア11を横方向に回動して閉めればよい。
鉛直上方位置から開き位置までドア11を降ろす際には、上述したと同様に、回動アーム30はストッパピン44a、44b、ガイドピン42およびガイドローラ31によってステー板20にガイドされて回動し、開き位置から横方向に回動する際には、ストッパ24に回動アーム30の側面が当接しているから、ユニバーサルジョイント22とストッパ24とを基点としてドア11を回動することによってドア11を閉めることができる。
本実施形態のドア開閉機構によれば、上述したように、とくにドアを鉛直方向に回動させる際に、ドア11を支持する回動アーム30をステー板20に対して、ストッパピン44a、44b、ガイドピン42、ガイドローラ31を支持点として回動させることによって、回動アーム30を所定の開き角度を維持するように規制して回動させることができ、回動アーム30をがたつかせることなく円滑に回動させることができる。
また、ユニバーサルジョイント22を使用して回動アーム30を回動させる構成としたことによって、回動アーム30の回動を支持する支持部分が十分な堅牢性、耐久性を備えるものとなる。
前述したように、自動車のドアをボディに沿って鉛直方向に開閉する際には、ドアの開閉操作機構に大きな荷重が加わることから、ドアの開閉機構が故障しやすく、回動支持部分にがたが生じて、ドアの円滑な開閉操作ができなくなったり、ドアを安定して開閉することが難しかったりするという問題が生じる。本実施形態のドア開閉機構によれば、回動アーム30を鉛直方向に回動する際には、ステー板20によって回動アーム30を複数点で支持しながら回動させるから、回動機構に作用する荷重が分散でき、故障のない、安定して操作性の良いドア開閉機構として提供することが可能になる。
また、本実施形態のドア開閉機構では、ドアを鉛直方向に回動させる際に、ドアはステー板20の板面を回転の基準面として回転することになるから、図4に示す従来例のように、ヒンジ板14が回動した位置でドアが鉛直方向に回動する場合とくらべて、自動車の車体により近い位置でドアを鉛直方向に回動させることが可能となる。これによってドアの開閉操作を容易に行うことが可能になるという利点もある。
なお、上述した実施形態では自動車の左側のドアについて開閉機構を示したが、右側のドアについてもまったく同様に構成することができる。また、車種によってドアの形状やドアの取り付け部の構造が相違するが、本発明に係るドア開閉機構は、ドアの形状等に合わせて適宜デザインを変更することにより、種々の車種に適用することが可能である。
本発明に係るドア開閉機構の一実施形態の構成を示す正面図である。 図1に示すドア開閉機構で、回動アームを鉛直方向に回動した状態を示す正面図である。 回動アームを閉め位置から開き位置に回動した状態におけるステー板と回動アームの上面図である。 従来のドア開閉機構を示す説明図である。
符号の説明
11 ドア
20 ステー板
20a 上片部
20b 側板部
20c 下片部
20d、30d 取り付け孔
21 ボール
22 ユニバーサルジョイント
23 円弧ガイド部
23a ガイド溝
24、25 ストッパ
25a ストッパ端
30 回動アーム
30a 基端部
30b 中間部
30c 先端部
31 ガイドローラ
32 取り付けアーム
36 ガススプリング
40 ガイド孔
42 ガイドローラ
42 ガイドピン
44a、44b ストッパピン

Claims (5)

  1. ドアを横方向への開き位置に回動し、開き位置から鉛直方向に回動することによってドアを開閉する自動車のドア開閉機構であって、
    自動車に固定支持されるステー板と、該ステー板に基端部が支持され、先端部にドアが取り付けられる回動アームとを備え、
    前記回動アームはユニバーサルジョイントにより前記ステー板に回動自在に取り付けられるとともに、
    前記回動アームに、前記ユニバーサルジョイントを囲む配置に、前記ステー板に対して前記回動アームを横方向に開いた開き位置を規制する少なくとも3個のストッパ手段を設けたことを特徴とする自動車のドア開閉機構。
  2. 前記回動アームに、該回動アームの鉛直方向への回動動作とともに移動するガイドローラを設け、
    前記ステー板に、前記ガイドローラに係合する円弧状のガイド溝を備えた円弧ガイド部を固定したことを特徴とする請求項1記載の自動車のドア開閉機構。
  3. 前記円弧ガイド部に、前記ガイドローラが係合して、前記回動アームが開き方向に位置ずれすることを防止する抜け止め手段を設けたことを特徴とする請求項2記載自動車のドア開閉機構。
  4. 前記ストッパ手段として、前記回動アームから前記ステー板に向けて先端を突出したピン部材を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の自動車のドア開閉機構。
  5. 前記ステー板に、長孔のガイド孔を設け、
    前記ピン部材の一つとして、前記ドアが閉まった状態に前記回動アームがあるときには前記ガイド孔に先端部が進入し、前記回動アームが開き位置に回動したときにはガイド孔から抜け出すようにピンの長さを設定したガイドピンとして設けたことを特徴とする。
    また、前記回動アームを鉛直方向に回動する際における下位置と上位置とを規制するストッパを前記ステー板に設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の自動車のドア開閉機構。
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