JP2006233174A - ポリウレタンフォームおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のポリウレタンフォームおよびその製造方法においては、成形体内部のボイド,ピンホール等の欠陥の低減が不十分であった。
【解決手段】(1)平均気泡直径が10〜100μmで、かつ直径400μm以上の気泡数が100cm当たり30個以下であることを特徴とするポリウレタンフォーム。
(2)(a)ポリオールを主成分とする原料組成物と、イソシアネートを主成分とする原料組成物を少なくとも含む二種以上の原料組成物のうち、少なくとも一種の原料組成物中に飽和溶解量の90容量%以下の気体を溶解する工程、(b)前記、二種以上の原料組成物をミキシングヘッドに供給する工程、(c)混合された原料組成物をミキシングヘッドから外部に放出する工程を包含することを特徴とする、ポリウレタンフォームの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明はポリウレタンフォームおよびその製造方法に関するものである。さらには、ボイド、ピンホール等の欠陥が低減したポリウレタンフォームおよびその製造方法に関するものである。
ポリウレタンフォームはクッション性、断熱性等の優れた物性を有することから、産業用部品から一般消費者にわたる最終製品まで、種々の用途に使用されている。
ポリウレタンフォームの製造方法としては、イソシアネートを主成分とする原料とポリオールを主成分とする原料をRIM(Reaction Injection Molding)成形機により混合した後、原料混合液を金型内に注入,硬化する方法が一般的であり、発泡方法としては、(1)あらかじめ加熱により気化する液体,固体(例えば、フロン,メチレンジクロライド,ペンタン,アゾ系等各種有機系発泡剤)を原料中に混合し、反応時の発熱により発生した気体で発泡する方法、(2)ポリオール成分とする原料中に加えられた水とイソシアネート成分との反応で発生する炭酸ガスにより発泡する方法等が公知である。また、発泡剤の低減,原料注入時の流動性向上,低密度化,気泡径の制御等の目的で、ポリオール成分に気体を混合,溶解させるガスローディング法やメカニカルフロス法も、単独または前述の製造方法と組み合わされて一般的に行われている(例えば、特許文献1)。
ポリウレタンフォームを例えば生活用品や玩具等、その表面が露出し一般消費者の目に触れる用途に使用する場合、ポリウレタンフォーム表面にはボイド,ピンホール等の欠陥がないことが求められるが、ガスローディング法やメカニカルフロス法で製造したポリウレタンフォームにはボイド,ピンホール等の欠陥が発生しやすいことが問題であった。そのため、成形方法について種々の検討がなされており、特に、金型にあるガス排出孔の孔の位置、数、大きさが大きなポイントであると認識されている。これはポリウレタンフォーム原料を金型内に注入後、発泡しつつ充填して行く過程での残留ガスや余分の発泡ガスの金型外への排出性向上が目的である(例えば、特許文献2)。しかしながら、この方法では成形体表面のボイド,ピンホール等の欠陥を低減させることが可能ではあるが、成形体内部のボイド,ピンホール等の欠陥は成形体表面ほど低減することができないため、例えばウェットスーツ等の衣料用途や電子部品,研磨用部材等、厚い成形体を薄くスライスして使用する用途においては、製品表面にボイド,ピンホール等の欠陥が残り表面品位が不良となるため不適であった。また、半導体基板や光学部材、磁気ヘッド,ハードディスク等の電子材料等の研磨に使用される研磨パッドのような研磨用部材に使用する場合においては、表面品位の不良だけでなく、研磨後の製品に傷(スクラッチ)が入る等、研磨特性の悪化も懸念されるため不適であった。すなわち、従来のポリウレタンフォームおよびその製造方法においては、成形体内部のボイド,ピンホール等の欠陥の低減が不十分であった。
特開平7−1493号公報 特開平7−165084号公報
従来、ガスローディング法やメカニカルフロス法により製造したポリウレタンフォームでは、発泡剤の低減,原料注入時の流動性向上や低密度化に主眼が置かれていたため、ポリオール成分に飽和溶解量以上の気体が混合される場合が多かった。本発明者らが鋭意検討した結果、飽和溶解量を超えたためポリオール原料タンク内に気泡として存在する気体の増加に伴い、得られるポリウレタンフォーム内部のボイド,ピンホール数が増加することを確認した。そこで、気体の溶解量を特定範囲以下とすることにより、得られるポリウレタンフォーム内部のボイド,ピンホール数が低減できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明の目的は、ボイド,ピンホール等の欠陥が低減したポリウレタンフォームおよびその製造方法を提供しようとするものである。
上記課題の解決のために本発明は以下の構成からなる。
(1)平均気泡直径が10〜100μmで、かつ直径400μm以上の気泡数が100cm当たり30個以下であることを特徴とするポリウレタンフォーム。
(2)(a)ポリオールを主成分とする原料組成物と、イソシアネートを主成分とする原料組成物を少なくとも含む二種以上の原料組成物のうち、少なくとも一種の原料組成物中に飽和溶解量の90容量%以下の気体を溶解する工程、(b)前記、二種以上の原料組成物をミキシングヘッドに供給する工程、(c)混合された原料組成物をミキシングヘッドから外部に放出する工程を包含することを特徴とする、ポリウレタンフォームの製造方法。
本発明により、ボイド,ピンホール等の欠陥が低減したポリウレタンフォームおよびその製造方法を提供することができる。
本発明におけるポリウレタンとは、ポリイソシアネートの重付加反応または重合反応に基づき合成される高分子をいう。ポリイソシアネートと反応させる化合物は、含活性水素化合物、すなわち、二つ以上のヒドロキシ基、あるいはアミノ基含有化合物である。典型的には、ポリイソシアネートとポリオール等の含活性水素化合物との反応によって多数のウレタン結合を分子鎖中に有するポリマーを指すが、これに限定されるものではなく、ポリイソシアネートがポリマー形成反応に関与したものであればウレア結合等、ウレタン結合以外の結合を有するポリマーも本発明におけるポリウレタンに包含される。
ポリイソシアネートとして、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート,トリジンジイソシアネート,キシリレンジイソシアネート,リジンジイソシアネート等を挙げることができるがこれに限定されるものではない。
含活性水素化合物としてはポリヒドロキシ基含有化合物であるポリオールが代表的であり、ポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アルキレンオキサイド共重合ポリオール,エポキシ樹脂変性ポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、シリコーンポリオール等が挙げられる。
本発明におけるポリウレタンフォームとは、上述した方法等によりポリウレタンを発泡させたものをいう。製造方法詳細については後述する。
本発明のポリウレタンフォームは、研磨パッドとして使用した際に、研磨傷(スクラッチ)が防止でき、研磨精度,研磨安定性等の研磨特性を満足するために、平均気泡直径が10〜100μmで、かつ直径400μm以上の気泡数が100cm当たり30個以下であることが必須である。平均気泡直径が10μm未満である場合は研磨スラリーの保持性が低いため研磨速度が遅くなる傾向があり、平均気泡直径が100μmを超える場合は研磨パッドの圧縮変形が大きくなり、研磨精度や研磨安定性が不良になる傾向がある。直径400μm以上の気泡数が100cm当たり30個を超えると、表面品位が不良となり、被研磨物にスクラッチが入りやすい傾向がある。平均気泡直径は90μm以下であることが好ましく、さらに60μm以下であることが好ましい。また、20μm以上であることが好ましい。20〜50μmであることがより好ましい。直径400μm以上の気泡数は100cm当たり20個以下であることがより好ましい。
なお、平均気泡直径はポリウレタンフォームをスライスした0.4mm以上の断面を倍率200倍でSEM観察し、次に記録されたSEM写真の気泡径を画像処理装置で測定し、その平均値を取ることにより測定した値をいう。また、直径400μm以上の気泡数は、ポリウレタンフォームをスライスした900cm以上の断面を長さ計測可能な顕微鏡で観察しながらカウントし、100cm当たりの個数に換算することにより測定した値をいう。
本発明のポリウレタンフォームの気泡は、連続気泡,独立気泡のいずれであっても良いが、研磨パッドとして使用する場合は独立気泡であることが好ましい。連続気泡の場合は、研磨中に研磨スラリーが連続気泡を通じて研磨パッドの内部に浸透して固着することで、硬度,弾性率等の研磨パッド物性が経時的に変化して研磨安定性が悪化したり、被研磨物にスクラッチが入ることが懸念される。
本発明のポリウレタンフォームの密度は、0.2〜1.0g/cmであることが好ましい。密度が0.2g/cm未満である場合は、研磨中の研磨パッドの圧縮変形が大きいため研磨精度が悪化しやすく、1.0g/cmを超える場合は、研磨中の研磨パッドの圧縮変形が小さく、被研磨物のうねりや凹凸に追随できないため研磨精度が悪化しやすい傾向がある。密度が0.3〜1.0g/cmであることが好ましく、0.5〜1.0g/cmであることがさらに好ましい。0.6〜1.0g/cmであることがより好ましい。なお、密度は日本工業規格(JIS)K 7222記載の方法により測定した値をいう。
本発明のポリウレタンフォームのC型硬度は、30〜90度であることが好ましい。C型硬度が30度未満である場合は、研磨中の研磨パッドの圧縮変形が大きいため研磨精度が悪化しやすく、90度を超える場合は、研磨中の研磨パッドの圧縮変形が小さく、被研磨物のうねりや凹凸に追随できないため研磨精度が悪化しやすい傾向がある。C型硬度が40〜90度の範囲であることが好ましく、50〜90度の範囲であることがさらに好ましく、60度から90度の範囲であることがより好ましい。なお、C型硬度は“アスカーC型硬度計”(高分子計器(株)製)により測定した値をいう。
本発明のポリウレタンフォームは、マットレス,寝具,家具,自動車・航空機用シート等のクッション材,インパネ,ハンドル等の自動車用部品,機械用部品,電子材料,研磨用部材,吸音材,断熱材,緩衝材,生活用品,衣料,玩具等のあらゆる用途に使用可能である。これらの中でも、成形体内部にボイド,ピンホール等の欠陥が少ないという特徴から、ウェットスーツ等の衣料用途や電子部品,研磨用部材等、厚い成形体を薄くスライスして使用する用途において好ましく使用することができる。また、その構造,特性上の特徴から、特に研磨用部材または研磨用部材の原材料として好ましく使用することができる。
研磨用部材としてはシリコンウェーハ等の半導体基板や、レンズ等の光学部材、磁気ヘッド,ハードディスク等の電子材料等の研磨に使用される研磨パッド、被研磨物の研磨ヘッドへの保持に使用されるバッキングパッドが挙げられる。これらの中でもシリコンウェーハ等の半導体基板の研磨に使用される研磨パッドとして好ましく使用することができる。半導体基板中の被研磨物としては、ベアシリコン、二酸化珪素等の層間絶縁膜、アルミ,タングステン,銅等の金属配線等が挙げられる。これらの中でも被研磨物にスクラッチが発生しにくい特徴から、スクラッチが半導体デバイス製造上致命的なダメージとなる被研磨物であり、軟質のためスクラッチが発生しやすいアルミ,タングステン,銅等の金属配線用の研磨パッドとして好ましく使用することができる。
また、研磨パッドが研磨層とクッション層の二層構造である場合においては、研磨層,クッション層のいずれにも好適に使用可能である。また、研磨用部材として使用する際には、硬度の調整や親水性,疎水性付与等の特性改質のため、本発明のポリウレタンフォームを原材料とし、それに付加重合、重縮合、重付加、付加縮合、開環重合等の重合反応可能なモノマーを含浸させ、重合,硬化することも好ましい。具体的なモノマーとしてはビニル化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物等が挙げられる。なお、これらのモノマーは一種であっても二種以上を混合しても良い。
本発明におけるポリウレタンフォームを製造する方法は特に限定されるものではない。具体的には、型内にポリオールを主成分とする原料組成物とイソシアネートを主成分とする原料組成物を少なくとも含む二種以上の原料組成物を入れ、ミキサー等で混合しそのまま発泡させる方法、ポリオールを主成分とする原料組成物とイソシアネートを主成分とする原料組成物を少なくとも含む二種以上の原料組成物を低圧発泡機等で混合した後、原料混合液をベルトコンベア上に吐出し連続的にポリウレタンフォームを得る方法、ポリオールを主成分とする原料組成物とイソシアネートを主成分とする原料組成物を少なくとも含む二種以上の原料組成物をRIM(Reaction Injection Molding)成形機により混合した後、原料組成物混合液を金型内に注入,硬化してポリウレタンフォームを得る方法等を挙げることができる。その際、少なくとも一種の原料組成物中には硬化触媒(アミン系触媒,有機金属触媒等)、発泡剤(水,フロン,メチレンジクロライド,ペンタン,アゾ系等各種有機系発泡剤等)、整泡剤(シリコーン化合物、特に各種ポリエーテル変性シリコーン等)、鎖延長剤,架橋剤(多価アルコール類,多価アミン類)等が適宜加えられる。なお、発泡剤としては、環境への負荷が小さい点で水を使用することが好ましい。
また、これら以外にも特性改良を目的として、潤滑剤,帯電防止剤,酸化防止剤,安定剤,研磨剤,有機および無機フィラー,染料,香料等の各種添加剤を添加することができる。中でも密度,気泡径の制御がしやすく、所望の形状の発泡ポリウレタンが得られる点で、ポリオールを主成分とする原料組成物とイソシアネートを主成分とする原料組成物を少なくとも含む二種以上の原料組成物をRIM成形機により混合した後、原料組成物混合液を金型内に注入,硬化してポリウレタンフォームを得る方法が好ましい。なお、RIM成形機とは(1)温度調節可能な原料タンク,(2)計量ポンプ,(3)ミキシングヘッド,(4)ミキシングヘッド用油圧ユニットの各機構からなる成形機をいう。
また、金型は注入された原料の漏れがなく、原料の発泡硬化時の圧力に耐えうるものであれば、形状,材質等は特に限定されるものではないが、気泡径,密度が良好に制御され、表面状態の良いポリウレタンフォームを得るためには、(1)原料の二次混合を行うためのアフターミキサー機能を有するランナー部,(2)乱流である原料混合液を層流となるように整流するためのフィルムゲート部,(3)空気抜き用孔,(4)型締め用プレス機構,(5)傾斜機構を有することが好ましい。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法として、(a)ポリオールを主成分とする原料組成物と、イソシアネートを主成分とする原料組成物を少なくとも含む二種以上の原料組成物のうち、少なくとも一種の原料組成物中に飽和溶解量の90容量%以下の気体を溶解する工程、(b)前記、二種以上の原料組成物をミキシングヘッドに供給する工程、(c)混合された原料組成物をミキシングヘッドから外部に放出する工程を包含することが必要である。飽和溶解量を超えると、非溶解の状態で原料タンク内に気泡として存在する気体の増加に伴い、得られるポリウレタンフォーム内部のボイド,ピンホール数が増加する。
また、飽和溶解量の90容量%を超え、飽和溶解量までの気体を溶解することは可能ではあるが、現実的には、気体が完全溶解するまで、すなわち非溶解の状態で原料タンク内に気泡として存在する気体がなくなるまでに非常に時間がかかることや、タンク内気体背圧等の条件のわずかな変動により原料タンク内に気泡が発生するため、ボイド、ピンホール数が低減したポリウレタンフォームを安定して得ることが困難である。飽和溶解量の90容量%以下の気体を溶解することが、ボイド、ピンホール数が低減したポリウレタンフォームを安定して得ることが可能であるため好ましく、80容量%以下とすることがより好ましい。
ポリオールを主成分とする原料組成物と、イソシアネートを主成分とする原料組成物を少なくとも含む二種以上の原料組成物のうち、少なくとも一種の原料組成物中に、気体を溶解する方法は特に限定されるものではない。具体的には、原料組成物の入った原料タンクの背圧を溶解させる気体で加圧状態にし、原料組成物をミキサーで撹拌する方法が簡便であり好ましい。また、気体溶解量の測定と原料の撹拌速度を自動制御できる市販の装置(例えば、ポリマーエンジニアリング(株)製エアーローディングユニット“TA−200A−12”)を使用すれば、気体溶解量の調整が簡便に可能であるため好ましい。なお、気体は一般的にポリオールを主成分とする原料組成物中に溶解されるが限定されるものではない。
気体の種類も特に限定されるものではない。具体的には空気,窒素,アルゴン,ヘリウム,二酸化炭素等が挙げられるが、ポリオールを主成分とする原料組成物に対する飽和溶解量が、背圧4kgf/cm(0.4MPa)で25容量%以下である気体を使用することが好ましい。背圧4kgf/cm(0.4MPa)で25容量%を超える気体を使用すると、気体の溶解量を制御する事が困難であることや、得られるポリウレタンフォーム内部のボイド,ピンホール数が増加する傾向、気泡径が大きくなる傾向があるため好ましくない。具体的には空気,窒素,アルゴンから選ばれる少なくとも一種の気体を使用することが好ましい。なお、飽和溶解量とは気体溶解量の測定と原料の撹拌速度を自動制御できる市販の装置(例えば、ポリマーエンジニアリング(株)製エアーローディングユニット“TA−200A−12”)を使用し、原料組成物の入った原料タンクの背圧を溶解させる気体で加圧状態にし、原料組成物をミキサーで撹拌する際、原料タンク内に非溶解の気体(気泡)が析出しない最大溶解量をいう。
本発明により、ボイド,ピンホール等の欠陥が低減したポリウレタンフォームおよびその製造方法を提供することができる。
以下、実施例によって、さらに本発明の詳細を説明する。なお、ポリウレタンフォームの各種評価は以下のようにして行った。
平均気泡直径は、走査型電子顕微鏡“SEM2400”(日立製作所(株)製)を使用し、パッド断面(面積0.4mm)を倍率200倍で観察した写真を画像処理装置で解析することにより、写真中に存在するすべての気泡径を計測し、その平均値を平均気泡直径とした。
直径400μm以上の気泡数は、ポリウレタンフォームをスライスした断面(面積900cm)をレーザー顕微鏡“VK−8500”((株)キーエンス製)で観察しながら直径400μm以上の気泡個数をカウントし、100cm当たりの個数に換算することにより測定した。
密度は、JIS K 7222記載の方法により測定した。
C型硬度は、“アスカーC型硬度計”(高分子計器(株)製)により測定した。
研磨評価は次のようにして行った。
(1) テストウェーハ
酸化膜(SiO)付き4インチシリコンウェーハ(膜厚:1μm)を使用した。
(2) 研磨方法
評価すべき研磨パッドを研磨機“LM−15E”(ラップマスターSFT(株)製)の定盤上に貼り付けた。その後、ダイヤモンドドレッサー“CMP−M”(旭ダイヤモンド工業(株)製)(直径142mm)を用い、押し付け圧力0.04MPa、研磨定盤回転数25rpm、ドレッサー回転数25rpmで研磨定盤と同方向に回転させ、純水を10ml/分で研磨パッド上に供給しながら5分間、研磨パッドのコンディショニングを行った。純水を100ml/分で研磨パッド上に供給しながら研磨パッド上を2分間洗浄した後に、表面の酸化膜の厚みを、あらかじめ“ラムダエース”VM−2000(大日本スクリーン製造(株)製)を使用して決められた198点につき測定したテストウェーハを研磨ヘッドに取り付け、取扱説明書に記載された使用濃度の研磨スラリー“SS−25”(キャボット・マイクロエレクトロニクス・ジャパン(株)製)を35ml/分で研磨パッド上に供給しながら、研磨圧力0.04MPa、研磨定盤回転数45rpm、研磨ヘッド回転数45rpmで研磨定盤と同方向に回転させ、所定時間研磨を行った。ウェーハ表面を乾燥させないようにし、直ちに純水をかけながらポリビニルアルコールスポンジでウェーハ表面を洗浄し、自然状態に放置して乾燥を行った後、マイクロスコープ”VH−6300”((株)キーエンス製)でスクラッチを検査した。線幅10μm以上のスクラッチをスクラッチ数としてカウントした。次に研磨後の酸化膜の厚みを“ラムダエース”VM−2000(大日本スクリーン製造(株)製)を使用して決められた198点につき測定して、下記(1)式により各々の点での研磨速度を算出した。
研磨速度=(研磨前の酸化膜の厚み−研磨後の酸化膜の厚み)/研磨時間 ・・・(1)
(実施例1)
発泡剤として水0.15重量%を添加したポリオール系原料組成物を調製し、窒素背圧4kgf/cm(0.4MPa)で加圧したローディングタンク“TA−200A−12”(ポリマーエンジニアリング(株)製)内で液温を40℃に調整した。ポリオール系原料組成物内に非溶解の窒素が析出するまで撹拌し窒素の飽和溶解量を測定したところ10.5容量%であった。一旦背圧を開放し溶解した窒素を析出させたのち、再びローディングタンク内を窒素背圧4kgf/cm(0.4MPa)で加圧しながら、窒素溶解量が9.0容量%(飽和溶解量の86%)となるまで撹拌した。次にこのポリオール系原料組成物と、液温を40℃に調整したイソシアネート系原料組成物を、インデックス100の条件でRIM成形機により、吐出圧150kgf/cm(14.7MPa)で衝突混合した後、70℃に保った縦30cm,横30cm,高さ1.5cmの金型内に注入速度450g/secで1000gの原料組成物を注入し、10分間放置することで、ポリウレタンフォームを作製した。その後、該ポリウレタンフォームをバンドナイフ式スライサーで厚み2mmにスライスし、ポリウレタンフォームシートを得た。該ポリウレタンフォームシートの平均気泡直径は35.0μm,直径400μm以上の気泡数は100cm当たり19個,密度は0.75g/cm,C型硬度は76度であった。
(実施例2)
ポリオール系原料組成物に対する窒素溶解量を、7.7容量%(飽和溶解量の73%)としたこと以外は実施例1と同様にしてポリウレタンフォームおよびポリウレタンフォームシートを作製した。該ポリウレタンフォームシートの平均気泡直径は31.0μm,直径400μm以上の気泡数は100cm当たり8個,密度は0.84g/cm,C型硬度は82度であった。
(比較例1)
ポリオール系原料組成物に対する窒素溶解量を、11.2容量%(飽和溶解量の107%)としたこと以外は実施例1と同様にしてポリウレタンフォームおよびポリウレタンフォームシートを作製した。該ポリウレタンフォームシートの平均気泡直径は35.8μm,直径400μm以上の気泡数は100cm当たり48個,密度は0.74g/cm,C型硬度は75度であった。
(実施例3)
実施例1で得られたポリウレタンフォームシートをアゾビスイソブチロニトリル0.25重量部を添加したメチルメタクリレート100重量部に18時間浸漬し、その後膨潤したポリウレタンフォームシートを塩化ビニル製ガスケットを介してガラス板に挟み込んで70℃で24時間保持した。ガラス板を取り除いた後、真空乾燥を行った。得られた硬質発泡シートの両面をワイドベルトサンダーで厚み1.25mmまで研削した後、両面接着テープ“442JS”(住友スリーエム(株)製)を貼り付け、それをクッション層であるポリウレタン含浸不織布”Suba400”(ニッタ・ハース(株)製)に貼り合わせた。その後、表面に幅2mm,深さ0.6mm,ピッチ15mmの碁盤目上の溝を加工し、直径380mmの円に打ち抜いて二層の研磨パッドを作製し、研磨評価を行った。研磨速度は2480オングストローム/分であった。スクラッチは発生しなかった。
(比較例2)
比較例1で得られたポリウレタンフォームシートを使用した以外は実施例3と同様にして研磨パッドを作製し、研磨評価を行った。研磨速度は2510オングストローム/分であった。スクラッチは6本発生した。
本発明のポリウレタンフォームは、マットレス,寝具,家具,自動車・航空機用シート等のクッション材,インパネ,ハンドル等の自動車用部品,機械用部品,電子材料,研磨用部材,吸音材,断熱材,緩衝材,生活用品,衣料,玩具等のあらゆる用途に使用可能である。これらの中でも、成形体内部にボイド,ピンホール等の欠陥が少ないという特徴から、ウェットスーツ等の衣料用途や電子部品,研磨用部材等、厚い成形体を薄くスライスして使用する用途において好ましく使用することができる。また、その構造,特性上の特徴から、特に研磨用部材または研磨用部材の原材料として好ましく使用することができる。研磨用部材としてはシリコンウェーハ等の半導体基板や、レンズ等の光学部材、磁気ヘッド,ハードディスク等の電子材料等の研磨に使用される研磨パッド、被研磨物の研磨ヘッドへの保持に使用されるバッキングパッドが挙げられる。

Claims (9)

  1. 平均気泡直径が10〜100μmで、かつ直径400μm以上の気泡数が100cm当たり30個以下であることを特徴とするポリウレタンフォーム。
  2. 気泡が独立気泡であることを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタンフォーム。
  3. 密度が0.2〜1.0g/cmであることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリウレタンフォーム。
  4. C型硬度が30〜90度であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタンフォーム。
  5. 研磨用部材または研磨用部材の原材料として使用されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のポリウレタンフォーム。
  6. (a)ポリオールを主成分とする原料組成物と、イソシアネートを主成分とする原料組成物を少なくとも含む二種以上の原料組成物のうち、少なくとも一種の原料組成物中に飽和溶解量の90容量%以下の気体を溶解する工程、(b)前記、二種以上の原料組成物をミキシングヘッドに供給する工程、(c)混合された原料組成物をミキシングヘッドから外部に放出する工程を包含することを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。
  7. ポリオールを主成分とする原料組成物に対する飽和溶解量が、背圧4kgf/cm(0.4MPa)で25容量%以下である気体を使用することを特徴とする、請求項6に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
  8. 気体が空気,窒素,アルゴンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項6または7に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
  9. 発泡剤に水を使用することを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載のポリウレタンフォームの製造方法。
JP2005305106A 2005-01-25 2005-10-20 ポリウレタンフォームおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP4701066B2 (ja)

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