JP2006233070A - ポリフェニレンエーテル - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、新規なポリフェニレンエーテルに関するものである。更に塩基性の水への溶解性を示し、その粘度が低いことから、高い固形分で調整が可能である。また、乾燥した樹脂は強度に優れる高分子に関するものである。
ポリフェニレンエーテルは、ポリフェニレンオキシドとも呼ばれ、高温での安定性や耐薬品性などの有用な性質により工業的に利用されている物質であるが、本発明の一般式(1)および(2)で示されるようなポリフェニレンエーテルが合成された報告は無い。(例えば、特許文献1〜6参照。)
特開平8−283401号公報
特開平8−283402号公報
特開平9−176304号公報
特開平9−176305号公報
特開2000−281774号公報
特開2001−247675号公報
本発明の目的は、新規なポリフェニレンエーテルに関するものである。更に詳しくは、塩基性の水への溶解性を示し、その粘度が低いことから、高固形率で調整が可能である。また、乾燥した樹脂は強度に優れる高分子を提供するものである。
本発明者は、上記に鑑み鋭意研究した結果、本発明のポリフェニレンエーテルを発明するに至った。
すなわち、本発明のポリフェニレンエーテルは、一般式(1)
または、一般式(2)
本発明のポリフェニレンエーテルは、塩基性の水への溶解性を示し、その粘度が低いことから、高い固形率で調整が可能である。また、乾燥した樹脂は強度に優れる高分子である。
以下、本発明のポリフェニレンエーテルについて、詳細に説明する。本発明のポリフェニレンエーテルは一般式(1)
または、一般式(2)で示される。
ここでnは重合度で、10から10,000の整数である。該ポリフェニレンエーテルを塩基性の水に溶解した場合に、重合度が大きくなる程その水溶液の粘度は上昇して、またこの水溶液の物理的な強度が向上する。該ポリフェニレンエーテルの水溶液は応用の目的や塗布方法などによってその重合度を適切に設計することが出来るが、重合度が10未満では素材としての強度があまりにも弱くて利用価値が無くなり、10,000を超える場合は水溶液の粘度が高まりやすくなる為に低濃度での利用に限定されてしまう。
mは0から3の整数である。また、R1は炭素数1から5のアルキル基である。mもR1の炭素数も、この範囲を超えると合成が困難となり合成の際の収率が低下する。
本発明のポリフェニレンエーテルは、一般式(3)
該モノマーは塩基性の水へ溶解された後に重合反応させる。該反応においては水中で有効な酸化重合用の触媒が用いられる。代表的なものとしてフェリシアン化カリウム、二酸化マンガン、過酸化水素の他に、金属、酵素、高分子金属錯体などの触媒があげられる。
該反応に必要とされる時間は0.1から100時間であり、反応時の温度は1から99℃である。反応雰囲気は選択する触媒により最適なものを選択し、必要に応じて窒素またはアルゴンバブルなどを施しても良い。反応圧力は特に限定されない。
重合されたポリフェニレンエーテルは、溶媒のpHを中性から酸性とすることで析出する。これを濃縮、遠心分離、ろ過などの手法により選択的に分離することが出来る。
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(実施例1)
アルゴン脱気した水100mlに水酸化ナトリウム(0.4N)、フェリシアン化カリウム(0.2mol/l)、3−メチルサリチル酸(0.1mol/l)を加え、20℃で24時間攪拌した。反応後の溶液に塩酸0.1Nを加え、合成物を沈殿させた。ろ過後、乾燥して合成物を1.18g得た。モノマーおよび合成物のNMR(DMSO、δ、ppm)チャートを図1の上段および下段に示す。分子量はGPCクロマトグラフィー(THF溶媒、ポリスチレン検量線使用)により測定したところ約15,000であった。
アルゴン脱気した水100mlに水酸化ナトリウム(0.4N)、フェリシアン化カリウム(0.2mol/l)、3−メチルサリチル酸(0.1mol/l)を加え、20℃で24時間攪拌した。反応後の溶液に塩酸0.1Nを加え、合成物を沈殿させた。ろ過後、乾燥して合成物を1.18g得た。モノマーおよび合成物のNMR(DMSO、δ、ppm)チャートを図1の上段および下段に示す。分子量はGPCクロマトグラフィー(THF溶媒、ポリスチレン検量線使用)により測定したところ約15,000であった。
(実施例2)
アルゴン脱気した水100mlに水酸化ナトリウム(0.4N)、フェリシアン化カリウム(0.2mol/l)、5−メチルサリチル酸(0.1mol/l)を加え、20℃で24時間攪拌した。反応後の溶液に塩酸0.1Nを加え、合成物を沈殿させた。ろ過後、乾燥して合成物を1.31g得た。モノマーおよび合成物のNMR(DMSO、δ、ppm)チャートを図2の上段および下段に示す。分子量はGPCクロマトグラフィー(THF溶媒、ポリスチレン検量線使用)により測定したところ約15,000であった。
アルゴン脱気した水100mlに水酸化ナトリウム(0.4N)、フェリシアン化カリウム(0.2mol/l)、5−メチルサリチル酸(0.1mol/l)を加え、20℃で24時間攪拌した。反応後の溶液に塩酸0.1Nを加え、合成物を沈殿させた。ろ過後、乾燥して合成物を1.31g得た。モノマーおよび合成物のNMR(DMSO、δ、ppm)チャートを図2の上段および下段に示す。分子量はGPCクロマトグラフィー(THF溶媒、ポリスチレン検量線使用)により測定したところ約15,000であった。
(比較例1)
アルゴン脱気した水100mlに水酸化ナトリウム(0.4N)、フェリシアン化カリウム(0.2mol/l)、サリチル酸(0.1mol/l)を加え、25℃で24時間攪拌した。有効な合成物は得られなかった。
アルゴン脱気した水100mlに水酸化ナトリウム(0.4N)、フェリシアン化カリウム(0.2mol/l)、サリチル酸(0.1mol/l)を加え、25℃で24時間攪拌した。有効な合成物は得られなかった。
上記により作製した実施例1および2、そして比較の為に用意した、市販ポリビニルアルコールおよび市販酸化コーンスターチについて、水溶液のキャピラリー粘度測定と固化したフィルムの引張破壊強さおよび引張破壊伸び接着強度試験を行った。その結果を表1に示した。また、実施例1および実施例2の水溶液はpH11の水酸化ナトリウム水溶液へ溶解することで調整した。実施例および比較例の水溶液は水で希釈して、固形分濃度が5、10および20質量%となるよう調製した。
(比較例2)
市販ポリビニルアルコール(ケン化度98%、重合度約300)を水に分散した後、攪拌しながら90℃で30分間加熱溶解した。
市販ポリビニルアルコール(ケン化度98%、重合度約300)を水に分散した後、攪拌しながら90℃で30分間加熱溶解した。
(比較例3)
市販酸化コーンスターチを水に分散した後、攪拌しながら90℃で30分間加熱溶解した。
市販酸化コーンスターチを水に分散した後、攪拌しながら90℃で30分間加熱溶解した。
(キャピラリー粘度)
本発明において、キャピラリー粘度計は、ACA Systems Oy社製「ACAV」を使用し、測定条件としては、圧力200バール、キャピラリー内径0.5mmで行った。測定環境は23℃。
本発明において、キャピラリー粘度計は、ACA Systems Oy社製「ACAV」を使用し、測定条件としては、圧力200バール、キャピラリー内径0.5mmで行った。測定環境は23℃。
(引張破壊強さおよび引張破壊伸び)
各高分子の水溶液を乾燥してフィルム状にして、厚み200μm、縦500mm、横200mmの形状とした。測定はJIS K7113に準拠したオートグラフ装置を使用し、サンプルの調湿環境および測定環境は23℃、50RH%である。
各高分子の水溶液を乾燥してフィルム状にして、厚み200μm、縦500mm、横200mmの形状とした。測定はJIS K7113に準拠したオートグラフ装置を使用し、サンプルの調湿環境および測定環境は23℃、50RH%である。
比較の酸化澱粉およびポリビニルアルコールは、水溶液の固形分濃度上昇に伴い急激に粘度が上昇してしまうが、実施例1および2から作製した水溶液は濃度上昇しても低い粘性を示しており、コーティング剤として優れたレオロジー適性を有することがわかる。また、フィルム化した場合の引張破壊強さおよび引張破壊伸びについても優れた特性を示しており、コーティング剤や接着剤としての応用が期待できる。
塩基性の水への溶解性を示し、その粘度が低いことから、高固形率で調整が可能である。また、乾燥した樹脂は強度に優れる高分子としての性能を利用して高機能なコーティング剤や接着剤として利用できる。
Claims (1)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005050935A JP2006233070A (ja) | 2005-02-25 | 2005-02-25 | ポリフェニレンエーテル |
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JP2005050935A JP2006233070A (ja) | 2005-02-25 | 2005-02-25 | ポリフェニレンエーテル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006233070A true JP2006233070A (ja) | 2006-09-07 |
Family
ID=37041078
Family Applications (1)
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JP2005050935A Pending JP2006233070A (ja) | 2005-02-25 | 2005-02-25 | ポリフェニレンエーテル |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006233070A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010278428A (ja) * | 2009-04-30 | 2010-12-09 | Mitsubishi Plastics Inc | 太陽電池用シート及び太陽電池モジュール |
-
2005
- 2005-02-25 JP JP2005050935A patent/JP2006233070A/ja active Pending
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