JP2006233049A - 重合体の回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属還元剤を用いたカップリング重合反応により得られたスルホン酸エステル基を有する重合体を含む重合溶液から、還元剤として用いた亜鉛等の金属を除去し、かつ重合体をスルホン酸基を有する重合体として回収するための方法であって、簡便でかつ安全なプロセスで金属を除去する方法を提供すること。
【解決手段】重合溶液からの重合体の回収方法は、金属還元剤を用いたカップリング重合反応により得られるスルホン酸エステル基を有する重合体を含む重合溶液を濾過し、得られた濾液に含まれる重合体のスルホン酸エステル基を加水分解してスルホン酸エステル基の少なくとも一部をスルホン酸基とし、次に前記加水分解反応により得られたスルホン酸基を有する重合体を含む溶液と前記重合体の貧溶媒とを混合して重合体を析出させ、得られた析出物を酸水溶液中で酸と接触させる酸処理を行った後、スルホン酸基を有する重合体を回収する。
【選択図】 なし
【解決手段】重合溶液からの重合体の回収方法は、金属還元剤を用いたカップリング重合反応により得られるスルホン酸エステル基を有する重合体を含む重合溶液を濾過し、得られた濾液に含まれる重合体のスルホン酸エステル基を加水分解してスルホン酸エステル基の少なくとも一部をスルホン酸基とし、次に前記加水分解反応により得られたスルホン酸基を有する重合体を含む溶液と前記重合体の貧溶媒とを混合して重合体を析出させ、得られた析出物を酸水溶液中で酸と接触させる酸処理を行った後、スルホン酸基を有する重合体を回収する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、重合溶液から重合体を回収する方法に関し、さらに詳しくは、金属還元剤を用いたカップリング重合反応により得られるスルホン酸エステル基を有するポリアリーレン等のスルホン酸エステル基を有する重合体を含む重合溶液からスルホン酸基を有する重合体を高い回収率で回収する方法に関する。
スルホン酸基を有するポリアリーレンの製造方法の一つとして、スルホン酸エステル基を有する芳香族ジハロゲンなどの芳香族化合物から、亜鉛等の還元剤を用いてカップリング重合反応を行い、得られるポリアリーレンのスルホン酸エステル基を加水分解し、スルホン酸基に変換して回収する方法がある。
芳香族ジハロゲンなどの芳香族化合物から亜鉛等の還元剤を用いてカップリング重合反応によりポリアリーレンを製造する場合、ポリアリーレンを回収する際には、スルホン酸エステル基の加水分解反応が進行しない、あるいは効率が悪くなるなどの問題が生じることもあり、亜鉛等の還元剤を除去する必要がある。
従来の方法で、亜鉛等の金属を除去したスルホン酸基を有するポリアリーレンを製造する場合、重合(1)→塩酸含有メタノールで凝固処理(2)→濾過回収(3)→乾燥(4)→再溶解(5)→濾過(6)→濾液メタノール凝固(7)→濾過回収(8)→乾燥(9)→溶剤に溶解(10)→加水分
解反応(11)→貧溶剤凝固(12)→酸処理(13)→濾過回収(14)→乾燥(15)という15段階のプロセスとなる。これは金属還元剤として用いた金属が重合溶液中にデカンテーションでも沈殿分離できないほど微細に分散しているため、金属を含む重合溶液を塩酸で処理する工程(多量の水素が発生し、安全上問題が懸念される)が必要となると従来考えられていたからであり、この工程により重合溶液中に残存する金属を低減するプロセスが煩雑なものとなっている。また、このプロセスは所要時間が約6日と長時間要する問題がある。また、凝固と溶解を繰り返すためロスが生じ、重合体の回収率が低くなる問題がある。
解反応(11)→貧溶剤凝固(12)→酸処理(13)→濾過回収(14)→乾燥(15)という15段階のプロセスとなる。これは金属還元剤として用いた金属が重合溶液中にデカンテーションでも沈殿分離できないほど微細に分散しているため、金属を含む重合溶液を塩酸で処理する工程(多量の水素が発生し、安全上問題が懸念される)が必要となると従来考えられていたからであり、この工程により重合溶液中に残存する金属を低減するプロセスが煩雑なものとなっている。また、このプロセスは所要時間が約6日と長時間要する問題がある。また、凝固と溶解を繰り返すためロスが生じ、重合体の回収率が低くなる問題がある。
本発明の課題は、金属還元剤を用いたカップリング重合反応により得られたスルホン酸エステル基を有する重合体を含む重合溶液から、簡便でかつ安全なプロセスで、還元剤として用いた亜鉛等の金属を除去するとともに、重合体をスルホン酸基を有する重合体として回収する方法を提供することにある。
本発明に係る重合溶液からの重合体の回収方法は、金属還元剤を用いたカップリング重合反応により得られるスルホン酸エステル基を有する重合体を含む重合溶液を濾過し、得られた濾液に含まれる重合体のスルホン酸エステル基を加水分解して前記スルホン酸エステル基の少なくとも一部をスルホン酸基とし、次に前記加水分解反応により得られたスルホン酸基を有する重合体を含む溶液と前記重合体の貧溶媒とを混合して重合体を析出させ、得られた析出物を酸水溶液中で酸と接触させる酸処理を行った後、スルホン酸基を有する重合体を回収することを特徴としている。
本発明では、上記スルホン酸エステル基を有する重合体がスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンである場合に好適に適用することができ、スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンとしては例えば下記式(C)で表されるポリアリーレンが挙げられる。
(式(C)中、A、Dはそれぞれ独立に、直接結合または、−CO−、−SO2−、−S
O−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(
CF3)2−、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CR'2)2−(R'は炭化
水素基または環状炭化水素基)、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bはそれぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子を示し、R1〜R16は、そ
れぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、
−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Arは−SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基(pは1〜12の整数を示す)を有する芳香族基
を示し、Raは炭素原子数1〜20の炭化水素基を示し、kは1〜4の整数を示し、mは
0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、rは0または1以上の整数を示し、s、tは0〜4の整数を示す。)。
O−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(
CF3)2−、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CR'2)2−(R'は炭化
水素基または環状炭化水素基)、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bはそれぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子を示し、R1〜R16は、そ
れぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、
−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Arは−SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基(pは1〜12の整数を示す)を有する芳香族基
を示し、Raは炭素原子数1〜20の炭化水素基を示し、kは1〜4の整数を示し、mは
0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、rは0または1以上の整数を示し、s、tは0〜4の整数を示す。)。
本発明では、金属還元剤を用いたカップリング反応により得られた重合溶液を濾過して、未反応の過剰の亜鉛等の金属、または副生亜鉛化合物等の金属化合物、不溶分ポリマーを除去、加水分解を行った後に濾液を凝固し、酸処理・洗浄するといった簡便なプロセスで重合溶液処理ができる。
本発明の方法によると、プロセスの所要時間は、重合以降の所要時間は3日と時間的に短縮される。また、安全上問題となる塩酸処理による水素の発生もなく、凝固の回数の低減、再溶解の工程が不要なので薬品使用量の低減化が可能、工程数が低減する分、収量のロスが小さくそのメリットは大きい。
本発明によると、スルホン酸エステル基を有する重合体を含む重合溶液からスルホン酸基を有する重合体を回収する際の所要時間を大幅に短縮することができる。また、安全上問題となる塩酸処理による水素の発生もなく、凝固の回数を低減することができ、再溶解
の工程が不要なので薬品使用量を低減することが可能となり、かつ工程数が低減するので収量のロスが小さい。また、従来の方法で亜鉛等の還元剤を取り除いた場合とくらべても、スルホン酸エステル基の加水分解反応は遜色無く進行しており、本発明の方法で問題なく亜鉛等の還元剤は除去できている。
の工程が不要なので薬品使用量を低減することが可能となり、かつ工程数が低減するので収量のロスが小さい。また、従来の方法で亜鉛等の還元剤を取り除いた場合とくらべても、スルホン酸エステル基の加水分解反応は遜色無く進行しており、本発明の方法で問題なく亜鉛等の還元剤は除去できている。
以下、本発明に係る重合体の回収方法について具体的に説明する。
本発明に係る重合溶液からの重合体の回収方法は、金属還元剤を用いたカップリング重合反応により得られるスルホン酸エステル基を有する重合体を含む重合溶液を濾過し、得られた濾液を、加水分解反応を行った後に凝固し、酸処理を行い、スルホン酸基を有する重合体を回収する。
本発明に係る重合溶液からの重合体の回収方法は、金属還元剤を用いたカップリング重合反応により得られるスルホン酸エステル基を有する重合体を含む重合溶液を濾過し、得られた濾液を、加水分解反応を行った後に凝固し、酸処理を行い、スルホン酸基を有する重合体を回収する。
本発明では、まず重合溶液を濾過する。濾過の際には、濾過助剤を用いることができ、濾過助剤としては、セライト、セルロース系の濾過助剤などが挙げられる。濾過助剤は、重合溶液中の金属(金属還元剤)100重量部に対し、50〜5000重量部、好ましくは100〜2000重量部の量で用いられることが望ましい。重合溶液を濾過する際の温度は、特に限定されないが好ましくは−30〜120℃、より好ましくは10〜70℃である。また、重合溶液を濾過する際の重合溶液の粘度は、特に限定されないが、好ましくは50000mPa・s以下、より好ましくは10000mPa・s以下、特に好ましくは2000mPa・s以下である。
濾過に先だって重合溶液を希釈してもよく、重合溶液を希釈する溶媒としては、例えばジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタムなどが挙げられ、通常重合に用いたものと同じ溶媒が用いられる。
次に、得られた濾液中のスルホン酸エステル基を有する重合体のスルホン酸エステル基の加水分解反応を行った後に凝固し、酸処理を行い、スルホン酸基を有する重合体を得る。
加水分解の方法としては、
(1)少量の塩酸を、上記スルホン酸エステル基を有する重合体を含む濾液に投入し、5分間以上撹拌する方法
(2)トリフルオロ酢酸を、上記スルホン酸エステル基を有する重合体を含む濾液に投入し、80〜120℃程度の温度で5〜10時間程度反応させる方法
(3)スルホン酸エステル基を有する重合体中のスルホン酸エステル基(−SO3R)1
モルに対して1〜5倍モルのリチウムブロマイドを上記濾液に投入し、80〜150℃程度の温度で3〜10時間程度反応させる方法
などを挙げることができる。
(1)少量の塩酸を、上記スルホン酸エステル基を有する重合体を含む濾液に投入し、5分間以上撹拌する方法
(2)トリフルオロ酢酸を、上記スルホン酸エステル基を有する重合体を含む濾液に投入し、80〜120℃程度の温度で5〜10時間程度反応させる方法
(3)スルホン酸エステル基を有する重合体中のスルホン酸エステル基(−SO3R)1
モルに対して1〜5倍モルのリチウムブロマイドを上記濾液に投入し、80〜150℃程度の温度で3〜10時間程度反応させる方法
などを挙げることができる。
凝固の方法としては、加水分解反応を行った溶液と溶剤とを混合して重合体を析出させる方法を挙げることができる。凝固に使用することのできる溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、水などのスルホン酸基を有する重合体の貧溶媒となるものが挙げられる。これらは単独で用いることも、2種類以上を混合して用いることもできる。凝固を行う際の重合体を含有する溶液の固形分濃度は、特に限定されないが、好ましくは1重量%〜50重量%、より好ましくは2%〜30%、特に好ましくは3%〜20%である。重合体を含有する溶液をこの範囲の濃度に調整するために濃縮を行ったり、例えばジメチルスルホキシド、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、
γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタムなどの重合に用いることのできる溶剤で希釈し
ても良い。凝固に用いられる溶剤は、重合体を含有する溶液に対して通常1〜50倍、好ましくは2〜15倍の量で用いられる。また、析出物を前記の凝固に使用される溶剤により洗浄してもよい。また、析出物の洗浄効率を上げるために、ミキサーやディスパーサーなどを用いて細かく粉砕しても良い。
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、
γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタムなどの重合に用いることのできる溶剤で希釈し
ても良い。凝固に用いられる溶剤は、重合体を含有する溶液に対して通常1〜50倍、好ましくは2〜15倍の量で用いられる。また、析出物を前記の凝固に使用される溶剤により洗浄してもよい。また、析出物の洗浄効率を上げるために、ミキサーやディスパーサーなどを用いて細かく粉砕しても良い。
酸処理の方法としては、前出の析出物を濾過などで回収後、酸水溶液中で攪拌して析出物と酸とを接触する方法などが挙げられる。このときに用いられる酸としては、塩酸、硫酸、硝酸などが挙げられ、また酸水溶液の濃度としては、通常1〜50重量%好ましくは5〜20重量%である。使用する酸水溶液量は、析出物の重量(ドライ)に対し、通常5〜100倍、好ましくは10〜50倍の量で用いられる。また、酸処理は必要に応じ2回以上実施しても良い。また、酸処理後に必要に応じ1回以上水洗を実施しても良い。
得られた重合体は通常の手段で乾燥される。乾燥は真空下で行ってもよく、空気中または窒素などの不活性ガス雰囲気下で行うこともできる。
このような方法により、重合時に金属還元剤として用いた金属が除去された重合体が得られる。
このような方法により、重合時に金属還元剤として用いた金属が除去された重合体が得られる。
本発明の重合体の回収方法は、重合溶液から重合体を回収する際の所要時間を従来より大幅に短縮することができる。また、従来の方法で用いられている塩酸を使用しないので、安全上問題となる塩酸処理による水素の発生もない。さらに、凝固(析出)の回数を低減することができ、再溶解の工程が不要なので溶剤等の薬品の使用量を低減することが可能となり、かつ工程数が低減するので収量が多くなる。
本発明の重合体の回収方法は、金属還元剤を用いたカップリング重合反応により重合体を製造する工程に広く採用することができるが、以下のようなポリアリーレンを製造する工程に好適に採用できる。
本発明の重合体の回収方法を採用できるポリアリーレンの製造方法に用いられるモノマーとしては以下のようなものが挙げられる。
モノマー
モノマーとしては、下記一般式(A)で表されるスルホン酸エステル基を有するモノマーと、下記一般式(B)で表されるモノマー、またはオリゴマーが用いられる。
モノマー
モノマーとしては、下記一般式(A)で表されるスルホン酸エステル基を有するモノマーと、下記一般式(B)で表されるモノマー、またはオリゴマーが用いられる。
一般式(A)において、XおよびX'は互いに同一でも異なっていてもよく、フッ素原
子を除くハロゲン原子または−OSO2W(ここで、Wはアルキル基、フッ素置換アルキ
ル基またはアリール基を示す。)で表される基を示す。
子を除くハロゲン原子または−OSO2W(ここで、Wはアルキル基、フッ素置換アルキ
ル基またはアリール基を示す。)で表される基を示す。
Wが示すアルキル基としてはメチル基、エチル基などが挙げられ、フッ素置換アルキル基としてはトリフルオロメチル基などが挙げられ、アリール基としてはフェニル基、p−トリル基などが挙げられる。
Raは炭素原子数1〜20、好ましくは4〜20の炭化水素基を示し、具体的には、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert-ブチル基、iso-ブチル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、アダマンタンメチル基、2−エチルヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]へプチル基、ビシクロ[2.2.1]へプチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基などの直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環式炭化水素基、5員の複素環を有する炭化水素基などが挙げられる。これらのうちn−ブチル基、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、さらにはネオペンチル基が好ましい。
チル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert-ブチル基、iso-ブチル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、アダマンタンメチル基、2−エチルヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]へプチル基、ビシクロ[2.2.1]へプチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基などの直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環式炭化水素基、5員の複素環を有する炭化水素基などが挙げられる。これらのうちn−ブチル基、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、さらにはネオペンチル基が好ましい。
Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(l
は1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。このうち、−CO−、−SO2−が好ましい。
は1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。このうち、−CO−、−SO2−が好ましい。
Zは直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。このうち直接結合、−O−が好ましい。
Arは−SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置
換基(pは1〜12の整数を示す)を有する芳香族基を示す。
芳香族基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。−SO3
Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基(pは1〜12の整数を示す)は、少なくとも1個置換されていることが必要であり、ナフチル基である場合には2個以上置換していることが好ましい。
換基(pは1〜12の整数を示す)を有する芳香族基を示す。
芳香族基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。−SO3
Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基(pは1〜12の整数を示す)は、少なくとも1個置換されていることが必要であり、ナフチル基である場合には2個以上置換していることが好ましい。
mは0〜10、好ましくは0〜2の整数であり、nは0〜10、好ましくは0〜2の整数であり、kは1〜4の整数を示す。
m、nの値とX、X'、Ra、Y、Z、Ar、の構造についての好ましい組み合わせとして、
(1)m=0、n=0であり、X=X'=Clであり、Raはネオペンチル基であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(2)m=1、n=0であり、X=X'=Clであり、Raはネオペンチル基であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基
である構造、
(3)m=1、n=1、k=1であり、X=X'=Clであり、Raはネオペンチル基であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフ
ェニル基である構造、
(4)m=1、n=0であり、X=X'=Clであり、Raはネオペンチル基であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として2個の−SO3Hを有するナフチル基である構造、
(5)m=1、n=0であり、X=X'=Clであり、Raはネオペンチル基であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−O(CH2)4SO3Hを有する
フェニル基である構造などを挙げることができる。
m、nの値とX、X'、Ra、Y、Z、Ar、の構造についての好ましい組み合わせとして、
(1)m=0、n=0であり、X=X'=Clであり、Raはネオペンチル基であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(2)m=1、n=0であり、X=X'=Clであり、Raはネオペンチル基であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基
である構造、
(3)m=1、n=1、k=1であり、X=X'=Clであり、Raはネオペンチル基であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフ
ェニル基である構造、
(4)m=1、n=0であり、X=X'=Clであり、Raはネオペンチル基であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として2個の−SO3Hを有するナフチル基である構造、
(5)m=1、n=0であり、X=X'=Clであり、Raはネオペンチル基であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−O(CH2)4SO3Hを有する
フェニル基である構造などを挙げることができる。
上記一般式(A)で表されるスルホン酸エステル基を有するモノマーの具体的な例として、特開2004−137444号公報、特願2003−143903号公報、特願2003−143904号公報に記載されているスルホン酸エステル類を挙げることができる。
一般式(B)において、X〜X'は互いに同一でも異なっていてもよく、フッ素原子を
除くハロゲン原子または−OSO2W(ここで、Wはアルキル基、フッ素置換アルキル基
またはアリール基を示す。)で表される基を示す。
除くハロゲン原子または−OSO2W(ここで、Wはアルキル基、フッ素置換アルキル基
またはアリール基を示す。)で表される基を示す。
Wが示すアルキル基としてはメチル基、エチル基などが挙げられ、フッ素置換アルキル基としてはトリフルオロメチル基などが挙げられ、アリール基としてはフェニル基、p−トリル基などが挙げられる。
A、Dはそれぞれ独立に、直接結合または、−CO−、−SO2−、−SO−、−CO
NH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CR'2)2−(R’は炭化水素基または
環状炭化水素基)、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。ここで、−C(CR'2)2−で表される構造のうち、R'が環状炭化水素基であるものの具体的な例として、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基などが挙げられる。
これらのうち、直接結合または、−CO−、−SO2−、−C(CF3)2−、−C(CR'2)2−(R'は炭化水素基または環状炭化水素基)、−O−が好ましい。
Bはそれぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子を示し、酸素原子が好ましい。
NH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CR'2)2−(R’は炭化水素基または
環状炭化水素基)、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。ここで、−C(CR'2)2−で表される構造のうち、R'が環状炭化水素基であるものの具体的な例として、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基などが挙げられる。
これらのうち、直接結合または、−CO−、−SO2−、−C(CF3)2−、−C(CR'2)2−(R'は炭化水素基または環状炭化水素基)、−O−が好ましい。
Bはそれぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子を示し、酸素原子が好ましい。
R1〜R16はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべて
がハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられる。アリル基としては、プロペニル基などが挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
がハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられる。アリル基としては、プロペニル基などが挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
s、tはそれぞれ独立に、0〜4の整数を示す。rは0または1以上の整数を示し、上限は通常100、好ましくは1〜80である。
s、tの値と、X、X'、A、B、D、R1〜R16の構造についての好ましい組み合わせとしては、
(1)s=1、t=1であり、X=X'=Clであり、Aが−C(CF3)2−または、−C(CR'2)2−(R'は炭化水素基または環状炭化水素基)であり、Bが酸素原子であり、D
が−CO−または、−SO2−であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、
(2)s=1、t=0であり、X=X'=Clであり、Bが酸素原子であり、Dが−CO
−または、−SO2−であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、
(3)s=0、t=1であり、X=X'=Clであり、Aが−C(CF3)2−または、−C(CR'2)2−(R'は炭化水素基または環状炭化水素基)であり、Bが酸素原子であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子またはニトリル基である構造が挙げられる。
s、tの値と、X、X'、A、B、D、R1〜R16の構造についての好ましい組み合わせとしては、
(1)s=1、t=1であり、X=X'=Clであり、Aが−C(CF3)2−または、−C(CR'2)2−(R'は炭化水素基または環状炭化水素基)であり、Bが酸素原子であり、D
が−CO−または、−SO2−であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、
(2)s=1、t=0であり、X=X'=Clであり、Bが酸素原子であり、Dが−CO
−または、−SO2−であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、
(3)s=0、t=1であり、X=X'=Clであり、Aが−C(CF3)2−または、−C(CR'2)2−(R'は炭化水素基または環状炭化水素基)であり、Bが酸素原子であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子またはニトリル基である構造が挙げられる。
上記一般式(B)で表されるモノマー、またはオリゴマーの具体的な例として、r=0
の場合、例えば4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンズアニリド、2,2−ビス(4−クロロフェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス(4−クロロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4−クロロ安息香酸−4−クロロフ
ェニルエステル、ビス(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリルが挙げられる。これらの化合物において塩
素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物などが挙げられる。
r=1の場合、例えば特開2003−113136号公報に記載の化合物を挙げることができる。
r≧2の場合、例えば特開2004−137444号公報、特開2004−244517号公報、特願2003−143914号公報、特願2003−348523号公報、特願2003−348524号公報、特願2004−211739号公報、特願2004−211740号公報に記載の化合物を挙げることができる。
の場合、例えば4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンズアニリド、2,2−ビス(4−クロロフェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス(4−クロロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4−クロロ安息香酸−4−クロロフ
ェニルエステル、ビス(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリルが挙げられる。これらの化合物において塩
素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物などが挙げられる。
r=1の場合、例えば特開2003−113136号公報に記載の化合物を挙げることができる。
r≧2の場合、例えば特開2004−137444号公報、特開2004−244517号公報、特願2003−143914号公報、特願2003−348523号公報、特願2003−348524号公報、特願2004−211739号公報、特願2004−211740号公報に記載の化合物を挙げることができる。
重合法
重合体を製造する際に使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、(1)遷移金属塩および配位子となる化合物(以下、「配位子成分」という。)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、ならびに(2)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。
重合体を製造する際に使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、(1)遷移金属塩および配位子となる化合物(以下、「配位子成分」という。)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、ならびに(2)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。
これらの触媒成分の具体的な例、各成分の使用割合、反応溶媒、濃度、温度、時間等の重合条件としては、特開2001−342241号公報に記載の化合物を挙げることができる。
このようにして上記一般式(A)で表されるモノマーと、上記一般式(B)で表されるモノマーまたはオリゴマーとを共重合させると、一般式(C)で表されるスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを含む重合溶液が得られる。
<ポリマー構造>
一般式(C)において、A、B、D、Y、Z、Ar、k、m、n、r、s、t、Raお
よびR1〜R16は、それぞれ上記一般式(A)および(B)中のA、B、D、Y、Z、A
r、k、m、n、r、s、t、RaおよびR1〜R16と同義である。x、yはx+y=10
0モル%とした場合のモル比を示す。
よびR1〜R16は、それぞれ上記一般式(A)および(B)中のA、B、D、Y、Z、A
r、k、m、n、r、s、t、RaおよびR1〜R16と同義である。x、yはx+y=10
0モル%とした場合のモル比を示す。
本発明で用いられるスルホン酸基を有するポリアリーレンは、式(A)で表される繰り返し構成単位すなわちxのユニットを0.5〜100モル%、好ましくは10〜99.999モル%の割合で、式(B)で表される繰り返し構成単位すなわちyのユニットを99.5〜0モル%、好ましくは90〜0.001モル%の割合で含有している。
また、一般式(C)で表されるスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを、前記の方法によって加水分解、酸処理を行ったスルホン酸基を有するポリアリーレンのイオン交換容量は通常0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜3meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gである。
上記のイオン交換容量は、例えば一般式(A)で表されるモノマーと、上記一般式(B)で表されるモノマー、またはオリゴマーの種類、使用割合、組み合わせを変えることにより、調整することができる。
このようにして得られるスルホン酸基を有するポリアリーレンの分子量は、ゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量で、1万〜100万、好ましくは2万〜80万である。
なお共重合体の構造は、例えば、赤外線吸収スペクトルによって、1,230〜1,250cm-1のC−O−C吸収、1,640〜1,660cm-1のC=O吸収などにより確認でき、また、核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR)により、6.8〜8.0ppmの芳香族プロトンのピークから、その構造を確認することができる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例において、スルホン酸当量、分子量は以下のようにして求めた。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例において、スルホン酸当量、分子量は以下のようにして求めた。
(1)スルホン酸当量
得られたスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有する重合体を、10重量%硫酸水へ浸漬する。硫酸水を3回交換して浸漬を繰り返した後、水洗水が中性になるまで洗浄し、フリーに残存している酸を除く。乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解したフェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液を用いて滴定を行い、中和点から、スルホン酸当量を求めた。
(2)分子量の測定
スルホン酸基を有する重合体の分子量は、溶剤として臭化リチウムと燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
得られたスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有する重合体を、10重量%硫酸水へ浸漬する。硫酸水を3回交換して浸漬を繰り返した後、水洗水が中性になるまで洗浄し、フリーに残存している酸を除く。乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解したフェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液を用いて滴定を行い、中和点から、スルホン酸当量を求めた。
(2)分子量の測定
スルホン酸基を有する重合体の分子量は、溶剤として臭化リチウムと燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
[参考合成例1]
(1)疎水性ユニット(I)の合成
攪拌機、温度計、Dean-stark管、窒素導入管、冷却管をとりつけた1Lの三口フラスコに、2,6−ジクロロベンゾニトリル 48.8g(284mmol)、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン 89.5g(266mmol)、炭酸カリウム47.8g(346mmol)をはかりとった。窒素置換後、スルホラン346mL、トルエン173mLを加えて攪拌した。オイルバスで反応液を150℃で加熱還流させた。反応によって生成する水はDean-stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean-stark管か
ら系外に除去した。徐々に反応温度を200℃に上げ、3時間攪拌を続けた後、2,6−
ジクロロベンゾニトリル9.2g(53mmol)を加え、さらに5時間反応させた。
(1)疎水性ユニット(I)の合成
攪拌機、温度計、Dean-stark管、窒素導入管、冷却管をとりつけた1Lの三口フラスコに、2,6−ジクロロベンゾニトリル 48.8g(284mmol)、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン 89.5g(266mmol)、炭酸カリウム47.8g(346mmol)をはかりとった。窒素置換後、スルホラン346mL、トルエン173mLを加えて攪拌した。オイルバスで反応液を150℃で加熱還流させた。反応によって生成する水はDean-stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean-stark管か
ら系外に除去した。徐々に反応温度を200℃に上げ、3時間攪拌を続けた後、2,6−
ジクロロベンゾニトリル9.2g(53mmol)を加え、さらに5時間反応させた。
反応液を放冷後、トルエン100mLを加えて希釈した。反応液に不溶の無機塩を濾過し、濾液をメタノール2Lに注いで生成物を沈殿させた。沈殿した生成物を濾過、乾燥後、テトラヒドロフラン250mLに溶解し、これをメタノール2Lに注いで再沈殿させた。沈殿した白色粉末を濾過、乾燥し、目的物109gを得た。GPC(THF溶液)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は9,500であった。得られた化合物
は式(I)で表されるオリゴマーであることを確認した。
は式(I)で表されるオリゴマーであることを確認した。
(2)スルホン化エステル基含有ポリアリーレンの合成
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジク
ロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル 135.2g(337mmol)、
(1)で得られたMn=9,500のオリゴマー 48.7g(5.1mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド 6.71g(10.3mmol)、ヨウ
化ナトリウム 1.54g(10.3mmol)、トリフェニルホスフィン 35.9g(137mmol)、亜鉛 53.7g(821mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換し
た。ここにN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)430mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、粘ちょうな黒褐色の重合溶液が得られた。得られた重合体は式(II−1)で表されるスルホン酸エステル基含有ポリアリーレンと推測される。
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジク
ロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル 135.2g(337mmol)、
(1)で得られたMn=9,500のオリゴマー 48.7g(5.1mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド 6.71g(10.3mmol)、ヨウ
化ナトリウム 1.54g(10.3mmol)、トリフェニルホスフィン 35.9g(137mmol)、亜鉛 53.7g(821mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換し
た。ここにN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)430mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、粘ちょうな黒褐色の重合溶液が得られた。得られた重合体は式(II−1)で表されるスルホン酸エステル基含有ポリアリーレンと推測される。
参考合成例1で調製したスルホン酸エステル基含有ポリアリーレンを含有する黒茶褐色の重合溶液にDMAc 730mLを加えて希釈し、ブフナーロートに濾紙、さらにセラ
イトを数mm堆積させたものを用い、減圧濾過を行った。このときの重合溶液の粘度は200mPa.sで、濾液は透明性のある薄い褐色であった。得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れた。115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム 44g(506mmol)を加え7時間攪拌した。この溶液(固形分濃度13
重量%)をイオン交換水5Lに注いで生成物を沈殿させた。ポリマーをミキサーで粉砕後
、3Lのアセトンで洗浄し濾集後、一晩、70℃で真空乾燥器した。翌日10重量%の硫酸水溶液3Lを用いて洗浄を3回、純水3Lを用いて洗浄を3回実施後に濾集し、一晩、75℃の熱風乾燥器で乾燥して、目的のスルホン酸基含有ポリアリーレン 127gを得
た。得られたポリアリーレンの重量平均分子量(Mw)は135,000であった。得ら
れた重合体は式(II−2)で表されるスルホン酸酸含有ポリアリーレンと推定される。このポリアリーレンのイオン交換容量は2.3meq/gであった。
イトを数mm堆積させたものを用い、減圧濾過を行った。このときの重合溶液の粘度は200mPa.sで、濾液は透明性のある薄い褐色であった。得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れた。115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム 44g(506mmol)を加え7時間攪拌した。この溶液(固形分濃度13
重量%)をイオン交換水5Lに注いで生成物を沈殿させた。ポリマーをミキサーで粉砕後
、3Lのアセトンで洗浄し濾集後、一晩、70℃で真空乾燥器した。翌日10重量%の硫酸水溶液3Lを用いて洗浄を3回、純水3Lを用いて洗浄を3回実施後に濾集し、一晩、75℃の熱風乾燥器で乾燥して、目的のスルホン酸基含有ポリアリーレン 127gを得
た。得られたポリアリーレンの重量平均分子量(Mw)は135,000であった。得ら
れた重合体は式(II−2)で表されるスルホン酸酸含有ポリアリーレンと推定される。このポリアリーレンのイオン交換容量は2.3meq/gであった。
本プロセスでは重合した3日後に目的物が収率93%で得られた。また、使用した有機溶剤量は、得られたポリマー100g当たりDMAc 0.6L、アセトン 2.4Lであった。
[比較例1]
参考合成例1で調製したスルホン酸エステル基含有ポリアリーレンを含有する黒茶褐色の重合溶液にDMAc 730mLを加えて希釈し、濃塩酸1リットルを含むメタノール 8リットル中に凝固析出させた。析出ポリマーをミキサーで粉砕し、2リットルのメタノールで洗滌し、100℃で1晩真空乾燥させた。乾燥後、回収した淡黄色のポリマーをTHF 4リットルに溶解した。溶液は、白濁しており未分解の亜鉛化合物が残存していた
。ブフナーロートに濾紙、さらにセライトを数mm堆積させたものを用い、減圧濾過を行った。濾液は透明であった。得られた、ポリマー溶液をメタノール 10リットル中で凝
固析出させた。ポリマーをミキサーで粉砕後、2リットルのメタノールで2回洗滌し、濾集した。一晩、100℃で真空乾燥を行った。得られたポリマーとDMAc 1200m
Lを攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れた。115℃に加熱攪拌しポリマーを溶解させた後に、臭化リチウム44g(506mmol)を加え7時間攪拌した。その後に、イオン交換水5Lに注いで生成物を沈殿させた。ポリマーをミキサーで粉砕後、3Lのアセトンで洗浄し濾集後、一晩、70℃で真空乾燥器した。翌日10重量%の硫酸水溶液3Lを用いて洗浄を3回、純水3Lを用いて洗浄を3回実施後に濾集し、一晩、75℃の熱風乾燥器で乾燥して、目的のスルホン酸酸含有ポリアリーレン
118gを得た。得られたポリアリーレンの重量平均分子量(Mw)は138,000であった。得られた重合体は前記式(II−2)で表されるスルホン酸酸含有ポリアリーレンと推定される。このポリアリーレンのイオン交換容量は2.3meq/gであった。
参考合成例1で調製したスルホン酸エステル基含有ポリアリーレンを含有する黒茶褐色の重合溶液にDMAc 730mLを加えて希釈し、濃塩酸1リットルを含むメタノール 8リットル中に凝固析出させた。析出ポリマーをミキサーで粉砕し、2リットルのメタノールで洗滌し、100℃で1晩真空乾燥させた。乾燥後、回収した淡黄色のポリマーをTHF 4リットルに溶解した。溶液は、白濁しており未分解の亜鉛化合物が残存していた
。ブフナーロートに濾紙、さらにセライトを数mm堆積させたものを用い、減圧濾過を行った。濾液は透明であった。得られた、ポリマー溶液をメタノール 10リットル中で凝
固析出させた。ポリマーをミキサーで粉砕後、2リットルのメタノールで2回洗滌し、濾集した。一晩、100℃で真空乾燥を行った。得られたポリマーとDMAc 1200m
Lを攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れた。115℃に加熱攪拌しポリマーを溶解させた後に、臭化リチウム44g(506mmol)を加え7時間攪拌した。その後に、イオン交換水5Lに注いで生成物を沈殿させた。ポリマーをミキサーで粉砕後、3Lのアセトンで洗浄し濾集後、一晩、70℃で真空乾燥器した。翌日10重量%の硫酸水溶液3Lを用いて洗浄を3回、純水3Lを用いて洗浄を3回実施後に濾集し、一晩、75℃の熱風乾燥器で乾燥して、目的のスルホン酸酸含有ポリアリーレン
118gを得た。得られたポリアリーレンの重量平均分子量(Mw)は138,000であった。得られた重合体は前記式(II−2)で表されるスルホン酸酸含有ポリアリーレンと推定される。このポリアリーレンのイオン交換容量は2.3meq/gであった。
本プロセスでは重合した6日後に目的物が収率87%で得られた。また、凝固・洗浄に使用した有機溶剤量は、得られたポリマー100g当たりDMAc 1.6L、メタノー
ル 20.3L、THF 3.4L、アセトン 2.5Lであった。
ル 20.3L、THF 3.4L、アセトン 2.5Lであった。
[参考合成例2]
(1)疎水性ユニット(III)の合成
撹拌羽根、温度計、窒素導入管を取り付けた1Lの3口フラスコに、1,3−ビス(4
−クロロベンゾイル)ベンゼン 35.6g(100mmol)、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン 30.2g(90mmol)、炭酸カリウ
ム 16.2g(117mmol)、スルホラン 234g、トルエン 80gを入れ、窒
素雰囲気下、130℃で撹拌した。トルエンとの共沸により水分を取り除いた後、トルエンを系外に取り除き、195℃で7時間撹拌した。反応溶液を100℃まで冷やしてから、1,3−ビス(4−クロロベンゾイル)ベンゼン 10.68g(30mmol)を加え、再度195℃で3時間撹拌した。トルエンにより希釈し、セライト濾過により固形分を取り除いた。濾液をメタノール/濃塩酸溶液(メタノール4.0L/濃塩酸0.4L)に注ぎ、反応物を凝固させた。吸引濾過により固体を濾過し、得られた固体をメタノールで洗浄した後、風乾した。これをテトラヒドロフラン 0.6Lに再溶解し、メタノール 6.0Lに注ぎ、反応物を凝固させた。吸引濾過により固体を濾過し、得られた固体を風乾して、さらに真空乾燥することにより目的の疎水性ユニット 44.2gを得た(収率7
5%)。GPC(ポリスチレン換算)で求めた生成物の数平均分子量は8,000、重量
平均分子量は14,000であった。得られた化合物は下記式(III)で表わされるオリゴマーであることを確認した。
(1)疎水性ユニット(III)の合成
撹拌羽根、温度計、窒素導入管を取り付けた1Lの3口フラスコに、1,3−ビス(4
−クロロベンゾイル)ベンゼン 35.6g(100mmol)、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン 30.2g(90mmol)、炭酸カリウ
ム 16.2g(117mmol)、スルホラン 234g、トルエン 80gを入れ、窒
素雰囲気下、130℃で撹拌した。トルエンとの共沸により水分を取り除いた後、トルエンを系外に取り除き、195℃で7時間撹拌した。反応溶液を100℃まで冷やしてから、1,3−ビス(4−クロロベンゾイル)ベンゼン 10.68g(30mmol)を加え、再度195℃で3時間撹拌した。トルエンにより希釈し、セライト濾過により固形分を取り除いた。濾液をメタノール/濃塩酸溶液(メタノール4.0L/濃塩酸0.4L)に注ぎ、反応物を凝固させた。吸引濾過により固体を濾過し、得られた固体をメタノールで洗浄した後、風乾した。これをテトラヒドロフラン 0.6Lに再溶解し、メタノール 6.0Lに注ぎ、反応物を凝固させた。吸引濾過により固体を濾過し、得られた固体を風乾して、さらに真空乾燥することにより目的の疎水性ユニット 44.2gを得た(収率7
5%)。GPC(ポリスチレン換算)で求めた生成物の数平均分子量は8,000、重量
平均分子量は14,000であった。得られた化合物は下記式(III)で表わされるオリゴマーであることを確認した。
(2)スルホン化エステル基含有ポリアリーレンの合成
撹拌羽根、温度計、窒素導入管を取り付けた500mLの3口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル 31.6g(78.7mm
ol)、(1)で得たオリゴマー 14.1g(1.76mmol)、トリフェニルホス
フィン 8.39g(32.0mmol)、亜鉛 12.6g(192mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド 2.09g(3.2mmol)、ヨウ化
ナトリウム 0.36g(2.4mmol)をはかりとった。40℃に加熱したオイルバ
スにフラスコをつけ、2時間真空乾燥した。内部を数回乾燥窒素置換した後、DMAc
100mLを加え、重合を開始した。反応温度が90℃を超えないように制御しながら、3時間重合を続けた後、粘ちょうな黒褐色の重合溶液が得られた。得られた重合体は式(IV−1)で表されるスルホン酸エステル基含有ポリマーと推測される。
撹拌羽根、温度計、窒素導入管を取り付けた500mLの3口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル 31.6g(78.7mm
ol)、(1)で得たオリゴマー 14.1g(1.76mmol)、トリフェニルホス
フィン 8.39g(32.0mmol)、亜鉛 12.6g(192mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド 2.09g(3.2mmol)、ヨウ化
ナトリウム 0.36g(2.4mmol)をはかりとった。40℃に加熱したオイルバ
スにフラスコをつけ、2時間真空乾燥した。内部を数回乾燥窒素置換した後、DMAc
100mLを加え、重合を開始した。反応温度が90℃を超えないように制御しながら、3時間重合を続けた後、粘ちょうな黒褐色の重合溶液が得られた。得られた重合体は式(IV−1)で表されるスルホン酸エステル基含有ポリマーと推測される。
参考合成例2で調製したスルホン酸エステル基含有ポリアリーレンを含有する黒茶褐色の重合溶液にDMAc 360mLを加えて希釈し、ブフナーロートに濾紙、さらにセラ
イトを数mm堆積させたものを用い、減圧濾過を行った。この時の重合溶液の粘度は50
0mPa・sで、濾液は透明性のある薄い褐色であった。得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた1Lの三口フラスコに入れた。120℃に加熱攪拌し、臭化リチウム 15.1g(173mmol)を加え7時間攪拌した。この溶液(固形分濃度7
重量%)をアセトン2Lに注いで生成物を沈殿させた。ポリマーをミキサーで粉砕後、1Lのアセトンで洗浄し濾集後、一晩、70℃で真空乾燥器した。翌日10重量%の硫酸水溶液1Lを用いて洗浄を3回、純水1Lを用いて洗浄を3回実施後に濾集し、一晩、75℃の熱風乾燥器で乾燥して、目的のスルホン酸基含有ポリアリーレン重合体30gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は320,000であった。得られた重合体
は式(IV−2)で表されるスルホン酸基含有ポリアリーレンと推定される。このポリアリーレンのイオン交換容量は2.1meq/gであった。
イトを数mm堆積させたものを用い、減圧濾過を行った。この時の重合溶液の粘度は50
0mPa・sで、濾液は透明性のある薄い褐色であった。得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた1Lの三口フラスコに入れた。120℃に加熱攪拌し、臭化リチウム 15.1g(173mmol)を加え7時間攪拌した。この溶液(固形分濃度7
重量%)をアセトン2Lに注いで生成物を沈殿させた。ポリマーをミキサーで粉砕後、1Lのアセトンで洗浄し濾集後、一晩、70℃で真空乾燥器した。翌日10重量%の硫酸水溶液1Lを用いて洗浄を3回、純水1Lを用いて洗浄を3回実施後に濾集し、一晩、75℃の熱風乾燥器で乾燥して、目的のスルホン酸基含有ポリアリーレン重合体30gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は320,000であった。得られた重合体
は式(IV−2)で表されるスルホン酸基含有ポリアリーレンと推定される。このポリアリーレンのイオン交換容量は2.1meq/gであった。
本プロセスでは重合した3日後に目的物が収率87%で得られた。また、使用した有機溶剤量は、得られたポリマー100g当たりDMAc 1.2L、アセトン 10.0Lであった。
[比較例2]
参考合成例2で調製したスルホン酸エステル基含有ポリアリーレンを含有する黒茶褐色の重合溶液にDMAc 360mLを加えて希釈し、濃塩酸 0.5リットルを含むメタノール 4リットル中に凝固析出させた。析出ポリマーをミキサーで粉砕し、1リットルの
メタノールで洗滌し、100℃で1晩真空乾燥させた。乾燥後、回収した淡黄色のポリマーをTHF 2リットルに溶解した。溶液は、白濁しており未分解の亜鉛化合物が残存し
ていた。ブフナーロートに濾紙、さらにセライトを数mm堆積させたものを用い、減圧濾過を行った。濾液は透明であった。得られた、ポリマー溶液をメタノール 5リットル中
で凝固析出させた。ポリマーをミキサーで粉砕後、1リットルのメタノールで2回洗滌し、濾集した。一晩、100℃で真空乾燥を行った。得られたポリマーとDMAc 600
mLを攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた1Lの三口フラスコに入れた。115℃に加熱攪拌しポリマーを溶解させた後に、臭化リチウム 15.1g(173mmol)
を加えた。7時間攪拌後、アセトン2Lに注いで生成物を沈殿させた。ポリマーをミキサーで粉砕後、1Lのアセトンで洗浄し濾集後、一晩、70℃で真空乾燥器した。翌日10重量%の硫酸水溶液1Lを用いて洗浄を3回、純水1Lを用いて洗浄を3回実施後に濾集し、一晩、75℃の熱風乾燥器で乾燥して、目的のスルホン酸基含有ポリアリーレン 2
8gを得た。得られたスルホン酸基含有ポリアリーレンの重量平均分子量(Mw)は325,000であった。得られたポリアリーレンは前記式(IV−2)で表されるスルホン酸
含有ポリアリーレンと推定される。このポリマーのイオン交換容量は2.1meq/gであった。
参考合成例2で調製したスルホン酸エステル基含有ポリアリーレンを含有する黒茶褐色の重合溶液にDMAc 360mLを加えて希釈し、濃塩酸 0.5リットルを含むメタノール 4リットル中に凝固析出させた。析出ポリマーをミキサーで粉砕し、1リットルの
メタノールで洗滌し、100℃で1晩真空乾燥させた。乾燥後、回収した淡黄色のポリマーをTHF 2リットルに溶解した。溶液は、白濁しており未分解の亜鉛化合物が残存し
ていた。ブフナーロートに濾紙、さらにセライトを数mm堆積させたものを用い、減圧濾過を行った。濾液は透明であった。得られた、ポリマー溶液をメタノール 5リットル中
で凝固析出させた。ポリマーをミキサーで粉砕後、1リットルのメタノールで2回洗滌し、濾集した。一晩、100℃で真空乾燥を行った。得られたポリマーとDMAc 600
mLを攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた1Lの三口フラスコに入れた。115℃に加熱攪拌しポリマーを溶解させた後に、臭化リチウム 15.1g(173mmol)
を加えた。7時間攪拌後、アセトン2Lに注いで生成物を沈殿させた。ポリマーをミキサーで粉砕後、1Lのアセトンで洗浄し濾集後、一晩、70℃で真空乾燥器した。翌日10重量%の硫酸水溶液1Lを用いて洗浄を3回、純水1Lを用いて洗浄を3回実施後に濾集し、一晩、75℃の熱風乾燥器で乾燥して、目的のスルホン酸基含有ポリアリーレン 2
8gを得た。得られたスルホン酸基含有ポリアリーレンの重量平均分子量(Mw)は325,000であった。得られたポリアリーレンは前記式(IV−2)で表されるスルホン酸
含有ポリアリーレンと推定される。このポリマーのイオン交換容量は2.1meq/gであった。
本プロセスでは重合した6日後に目的物が収率81%で得られた。また、凝固・洗浄に使用した有機溶剤量は、得られたポリマー100g当たりDMAC 3.4L、メタノー
ル 42.9L、THF 7.1L、アセトン 10.7Lであった。
ル 42.9L、THF 7.1L、アセトン 10.7Lであった。
Claims (3)
- 金属還元剤を用いたカップリング重合反応により得られるスルホン酸エステル基を有する重合体を含む重合溶液を濾過し、得られた濾液に含まれる重合体のスルホン酸エステル基を加水分解してスルホン酸エステル基の少なくとも一部をスルホン酸基とし、次に前記加水分解反応により得られたスルホン酸基を有する重合体を含む溶液と前記重合体の貧溶媒とを混合して重合体を析出させ、得られた析出物を酸水溶液中で酸と接触させる酸処理を行った後、スルホン酸基を有する重合体を回収することを特徴とする重合体の回収方法。
- 上記スルホン酸エステル基を有する重合体がスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンであることを特徴とする請求項1に記載の重合体の回収方法。
- 上記スルホン酸エステル基を有する重合体が下記式で表されるスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンであることを特徴とする請求項1に記載の重合体の回収方法;
O−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(
CF3)2−、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CR'2)2−(R'は炭化
水素基または環状炭化水素基)、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bはそれぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子を示し、R1〜R16は、そ
れぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、
−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Arは−SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基(pは1〜12の整数を示す)を有する芳香族基
を示し、Raは炭素原子数1〜20の炭化水素基を示し、kは1〜4の整数を示し、mは
0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、rは0または1以上の整数を示し、s、tは0〜4の整数を示す。)。
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JP2008179661A (ja) * | 2007-01-23 | 2008-08-07 | Sumitomo Chemical Co Ltd | ポリアリーレンの製造方法 |
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