JP2006232746A - レゾルシンの精製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 不純物としてのハイドロキノン及び重質分を含有する粗レゾルシンからハイドロキノンが分離された精レゾルシンを得るレゾルシンの精製方法であって、高純度でより白色を示すレゾルシンを得ることができるという優れた効果を有するレゾルシンの精製方法を提供する。
【解決手段】 粗レゾルシンを蒸留に付し、蒸留塔の塔頂部又はサイドカットから精レゾルシンを得、蒸留塔の塔底部からハイドロキノン及び重質分が濃縮された濃縮粗レゾルシンを得るレゾルシンの精製方法。その具体的方法として、減圧下で操作し、塔頂又はサイドカットから抜き出す精レゾルシンの流量がフィードする粗レゾルシンの流量の80%以下になるように操作する方法をあげることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 粗レゾルシンを蒸留に付し、蒸留塔の塔頂部又はサイドカットから精レゾルシンを得、蒸留塔の塔底部からハイドロキノン及び重質分が濃縮された濃縮粗レゾルシンを得るレゾルシンの精製方法。その具体的方法として、減圧下で操作し、塔頂又はサイドカットから抜き出す精レゾルシンの流量がフィードする粗レゾルシンの流量の80%以下になるように操作する方法をあげることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、レゾルシンの精製方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、不純物としてのハイドロキノン及び重質分を含有する粗レゾルシンからハイドロキノンが分離された精レゾルシンを得るレゾルシンの精製方法であって、高純度でより白色を示すレゾルシンを得ることができるという優れた効果を有するレゾルシンの精製方法に関するものである。
レゾルシンの製造方法として、たとえば、(1)ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイドを、溶媒の存在下で酸分解に付す工程 及び (2)該(1)の酸分解で得た混合液を蒸留操作に付し、蒸留塔の塔頂部又はサイドカットからアセトンと溶媒を留去し、蒸留塔の塔底から粗レゾルシンを含む液を得る工程 を用いる方法は公知である(たとえば、特許文献1参照。)。
しかしながら、得られる粗レゾルシンには、不純物としてのハイドロキノン及び重質分が含有され、更に精製する必要がある。
粗レゾルシンの精製方法としては、蒸留に付して得られた留出液に水を添加した後、抽出溶剤に不純物を抽出除去する方法等が知られている(たとえば、特許文献2参照。)。
しかしながら、従来の方法のみでは、粗レゾルシン中に含まれるハイドロキノンを分離除去することができない、という題点があった。
かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、不純物としてのハイドロキノン及び重質分を含有する粗レゾルシンからハイドロキノンが分離された精レゾルシンを得るレゾルシンの精製方法であって、高純度でより白色を示すレゾルシンを得ることができるという優れた効果を有するレゾルシンの精製方法を提供する点にある。
すなわち、本発明は、不純物としてのハイドロキノン及び重質分を含有する粗レゾルシンからハイドロキノンが分離された精レゾルシンを得るレゾルシンの精製方法であって、粗レゾルシンを蒸留に付し、蒸留塔の塔頂部又はサイドカットから精レゾルシンを得、蒸留塔の塔底部からハイドロキノン及び重質分が濃縮された濃縮粗レゾルシンを得るレゾルシンの精製方法に係るものである。
本発明により、不純物としてのハイドロキノン及び重質分を含有する粗レゾルシンからハイドロキノンが分離された精レゾルシンを得るレゾルシンの精製方法であって、高純度でより白色を示すレゾルシンを得ることができるという優れた効果を有するレゾルシンの精製方法を提供することができる。
本発明の精製に付される粗レゾルシンを得る方法は、特に制限はないが、たとえば下記(1)及び(2)(3)の工程を用いる方法をあげることができる。
(1)ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイドを、溶媒の存在下で酸分解に付す工程
(2)上記(1)の酸分解で得た混合液を蒸留操作に付し、蒸留塔の塔頂部又はサイドカットからアセトンと溶媒を留去し、蒸留塔の塔底から粗レゾルシンを含む液を得る工程
(3)上記(2)で得られた粗レゾルシンを含む液を、更に蒸留に付し、得られた留出液に水を添加して、抽出溶剤に不純物を抽出除去した後、水を分離することによって粗レゾルシンを得る工程。
(1)ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイドを、溶媒の存在下で酸分解に付す工程
(2)上記(1)の酸分解で得た混合液を蒸留操作に付し、蒸留塔の塔頂部又はサイドカットからアセトンと溶媒を留去し、蒸留塔の塔底から粗レゾルシンを含む液を得る工程
(3)上記(2)で得られた粗レゾルシンを含む液を、更に蒸留に付し、得られた留出液に水を添加して、抽出溶剤に不純物を抽出除去した後、水を分離することによって粗レゾルシンを得る工程。
工程(1)は、ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイドを、溶媒の存在下で酸分解に付す工程である。溶媒としては、例えばメチルイソブチルケトンが用いられる。本工程は、例えば減圧下で、無水硫酸等の酸触媒を用いることにより行われる。
工程(2)は、上記(1)の酸分解で得た混合液を蒸留操作に付し、蒸留塔の塔頂部又はサイドカットからアセトンと溶媒を留去し、蒸留塔の塔底から粗レゾルシンを含む液を得る工程である。本工程は、例えば、複数の蒸留塔を組み合わせて、第1塔の塔頂からアセトンを留去し、第2塔の塔頂から溶媒を留去させてもよい。
工程(3)は、上記(2)で得られた粗レゾルシンを含む液を、更に蒸留に付し、得られた留出液に水を添加して、抽出溶剤に不純物を抽出除去した後、水を分離することによって粗レゾルシンを得る工程である。水の分離には、蒸留等を用いる。粗レゾルシンは、不純物としてのハイドロキノン及び重質分を含有する。粗レゾルシン中のハイドロキノンの濃度は通常5重量%以下であり、重質分の濃度は通常10重量%以下である。
本発明においては、粗レゾルシンを第一の蒸留に付し、蒸留塔の塔頂部又はサイドカットから精レゾルシンを得、蒸留塔の塔底部からハイドロキノン及び重質分が濃縮された濃縮粗レゾルシンを得る。その具体的方法として、下記の方法をあげることができる。
減圧下で操作し、塔頂又はサイドカットから抜き出す精レゾルシンの流量がフィードする粗レゾルシンの流量の80%以下になるように操作する。
減圧下で操作し、塔頂又はサイドカットから抜き出す精レゾルシンの流量がフィードする粗レゾルシンの流量の80%以下になるように操作する。
濃縮粗レゾルシン中のレゾルシンの濃度は、通常70〜99.9重量%である。
濃縮粗レゾルシンは一次的に貯槽に貯蔵し、その後、再度、蒸留塔に回収することが、経済性の観点から好ましいが、別の蒸留塔を設け、蒸留塔の塔頂部又はサイドカットから精レゾルシンを得てもよい。
回収時の具体的方法として、下記の方法をあげることができる。
減圧下で操作し、塔頂又はサイドカットから抜き出す精レゾルシンの流量がフィードする濃縮粗レゾルシンの流量の80%以上になるように操作する。
回収時の具体的方法として、下記の方法をあげることができる。
減圧下で操作し、塔頂又はサイドカットから抜き出す精レゾルシンの流量がフィードする濃縮粗レゾルシンの流量の80%以上になるように操作する。
次に本発明を実施例により説明する。
実施例1
下記(1)及び(3)の工程により、粗レゾルシンを得た。
(1)ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイドを、溶媒の存在下で酸分解に付す工程
溶媒はメチルイソブチルケトンを用い、無水硫酸アセトン溶液存在下、温度72℃、滞留時間6分でおこなった。
(2)上記(1)の酸分解で得た混合液を蒸留操作に付し、蒸留塔の塔頂部又はサイドカットからアセトンと溶媒を留去し、蒸留塔の塔底から粗レゾルシンを含む液を得る工程
条件は2本の精留塔を用い、常圧及び−91〜0kPaGの減圧下でおこなった。
(3)上記(2)で得られた粗レゾルシンを含む液を、更に蒸留に付し、得られた留出液に水を添加した後、トルエンを用いて不純物を抽出除去し、その後水分を蒸留によって分離して粗レゾルシンを得た。粗レゾルシン中のハイドロキノンの濃度は0.22重量%であり、重質分の濃度は1.4重量%であった。
粗レゾルシン2.5重量部/hrを蒸留に付し、蒸留塔のサイドカットから精レゾルシン1.2重量部を得、蒸留塔の塔底部からハイドロキノン及び重質分が濃縮された濃縮粗レゾルシン1.3重量部/hrを得た。蒸留は、−96kPaGの減圧下でおこなった。濃縮粗レゾルシン中のレゾルシンの濃度は、96.9重量%であった。精レゾルシン中のハイドロキノンの濃度は0.016重量%であり、重質分の濃度は不検出であった。
濃縮粗レゾルシンは一次的に貯槽に貯蔵し、その後、濃縮粗レゾルシンを、同一の蒸留塔へ、回収した。回収時の流量は、粗レゾルシン2.5重量部/hrに対し、0.1〜0.3重量部/hrとし、蒸留塔のサイドカットから精レゾルシン2.4重量部/hrを得た。蒸留は、−96kPaGの減圧下でおこなった。精レゾルシン中のハイドロキノンの濃度は、0.08重量%であり、重質分の濃度は0.006重量%であった。
実施例1
下記(1)及び(3)の工程により、粗レゾルシンを得た。
(1)ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイドを、溶媒の存在下で酸分解に付す工程
溶媒はメチルイソブチルケトンを用い、無水硫酸アセトン溶液存在下、温度72℃、滞留時間6分でおこなった。
(2)上記(1)の酸分解で得た混合液を蒸留操作に付し、蒸留塔の塔頂部又はサイドカットからアセトンと溶媒を留去し、蒸留塔の塔底から粗レゾルシンを含む液を得る工程
条件は2本の精留塔を用い、常圧及び−91〜0kPaGの減圧下でおこなった。
(3)上記(2)で得られた粗レゾルシンを含む液を、更に蒸留に付し、得られた留出液に水を添加した後、トルエンを用いて不純物を抽出除去し、その後水分を蒸留によって分離して粗レゾルシンを得た。粗レゾルシン中のハイドロキノンの濃度は0.22重量%であり、重質分の濃度は1.4重量%であった。
粗レゾルシン2.5重量部/hrを蒸留に付し、蒸留塔のサイドカットから精レゾルシン1.2重量部を得、蒸留塔の塔底部からハイドロキノン及び重質分が濃縮された濃縮粗レゾルシン1.3重量部/hrを得た。蒸留は、−96kPaGの減圧下でおこなった。濃縮粗レゾルシン中のレゾルシンの濃度は、96.9重量%であった。精レゾルシン中のハイドロキノンの濃度は0.016重量%であり、重質分の濃度は不検出であった。
濃縮粗レゾルシンは一次的に貯槽に貯蔵し、その後、濃縮粗レゾルシンを、同一の蒸留塔へ、回収した。回収時の流量は、粗レゾルシン2.5重量部/hrに対し、0.1〜0.3重量部/hrとし、蒸留塔のサイドカットから精レゾルシン2.4重量部/hrを得た。蒸留は、−96kPaGの減圧下でおこなった。精レゾルシン中のハイドロキノンの濃度は、0.08重量%であり、重質分の濃度は0.006重量%であった。
1 粗レゾルシン
2 蒸留塔
3 蒸留塔から得られた精レゾルシン
4 濃縮粗レゾルシン
5 貯層
6 濃縮粗レゾルシンの回収ライン
2 蒸留塔
3 蒸留塔から得られた精レゾルシン
4 濃縮粗レゾルシン
5 貯層
6 濃縮粗レゾルシンの回収ライン
Claims (5)
- 不純物としてのハイドロキノン及び重質分を含有する粗レゾルシンからハイドロキノンが分離された精レゾルシンを得るレゾルシンの精製方法であって、粗レゾルシンを蒸留に付し、蒸留塔の塔頂部又はサイドカットから精レゾルシンを得、蒸留塔の塔底部からハイドロキノン及び重質分が濃縮された濃縮粗レゾルシンを得るレゾルシンの精製方法。
- 粗レゾルシンが、下記(1)及び(2)の工程を含んで得られるものである請求項1記載の精製方法。
(1)ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイドを、溶媒の存在下で酸分解に付す工程
(2)上記(1)の酸分解で得た混合液を蒸留操作に付し、蒸留塔の塔頂部又はサイドカットからアセトンと溶媒を留去し、蒸留塔の塔底から粗レゾルシンを含む液を得る工程 - 濃縮粗レゾルシンを一次的に貯槽に貯蔵し、その後再度、蒸留塔に回収精製する請求項1記載の精製方法。
- 粗レゾルシン中のハイドロキノンの濃度が5重量%以下であり、重質分の濃度が10重量%以下である請求項1記載の精製方法。
- 濃縮粗レゾルシン中のレゾルシンの濃度が70〜99.9重量%である請求項1記載の精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005050673A JP2006232746A (ja) | 2005-02-25 | 2005-02-25 | レゾルシンの精製方法 |
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Publications (1)
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2005
- 2005-02-25 JP JP2005050673A patent/JP2006232746A/ja active Pending
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