JP2006232369A - 抗菌性缶蓋 - Google Patents
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Abstract
【課題】 飲料缶、食缶等の缶蓋の外面に、大腸菌、黄色ブドウ球菌等の細菌の繁殖を抑制することのできる抗菌性を付与した缶蓋を提供する。
【解決手段】 缶蓋外面用塗料をコイル塗装、あるいはシート塗装し、通常の焼き付けを行った後、缶蓋表面に、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等のワックス固形分100質量部に対し抗菌剤を0.1〜10質量部含有する抗菌剤含有ワックスを1〜100mg/m2塗布してあることを特徴とする抗菌性缶蓋を提供する。
【選択図】 なし
【解決手段】 缶蓋外面用塗料をコイル塗装、あるいはシート塗装し、通常の焼き付けを行った後、缶蓋表面に、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等のワックス固形分100質量部に対し抗菌剤を0.1〜10質量部含有する抗菌剤含有ワックスを1〜100mg/m2塗布してあることを特徴とする抗菌性缶蓋を提供する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、抗菌剤を含有したワックスを塗布した、抗菌性に優れた、飲料缶、食缶の缶蓋に関するものである。
従来から、飲料、食品容器としては、瓶、PETボトル及び缶が知られているが、缶容器、特に飲料缶の場合、開口部周辺は直接口と接触し、また食缶の場合は内容物が蓋の外面側に接触する可能性が考えられ、缶蓋に付着した細菌が経口摂取される危険性があり、衛生上好ましくない。例えば、近年O−157、SARS等の人の生命に危険をもたらす細菌が話題になっており、これらの細菌が体内に入ることを極力避けることが必要となってきている。この問題を解決すべく、焼き付け型蓋用塗料中に抗菌剤を添加することで、蓋に抗菌性を付与することが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、焼き付け型塗料の場合、抗菌剤は塗料中に埋もれてしまい、実際には抗菌性はほとんど無いのが現状である。また塗料中に抗菌剤がある場合には塗膜の白化性や加工性等の塗膜性能に悪影響をおよぼす原因ともなる問題を抱えている。
本発明の目的は、飲料缶、食缶の缶蓋の外面に細菌の繁殖を抑制する抗菌性を付与した缶蓋を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、缶蓋外面用塗料をコイル塗装、あるいはシート塗装し、通常の焼き付けを行った後、抗菌剤を含有するワックスを塗布することで目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、缶蓋表面に、ワックス固形分100質量部に対し抗菌剤を0.1〜10質量部含有する抗菌剤含有ワックスを1〜100mg/m2塗布してあることを特徴とする抗菌性缶蓋を提供する。
本発明の抗菌性缶蓋は、抗菌剤を含有するワックスを塗布した缶蓋であり、表面に抗菌剤を有効に配置することで優れた抗菌性を得ることが出来る。
本発明の、抗菌性缶蓋は、缶蓋表面に、通常の缶蓋用外面塗装を施した後に、抗菌剤を含有したワックスを塗布することにより形成される。本発明に用いるワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、その他良く知られている天然ワックス、合成ワックスが使用できる。これらのうち、特に、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスは通常の缶蓋の塗装コイルを製造時にコイルに巻き取る前に一般的にアウターワックスとして塗布することから、本発明に使用するワックスとして有用である。パラフィンワックスとしては、例えば日本精蝋株式会社製のSP−0145、SP−3040が挙げられる。マイクロクリスタリンワックスとしては、日本精蝋株式会社製のHi−Mic−2045などがあげられる。
本発明で使用する抗菌剤は、有機系抗菌剤、無機系抗菌剤のいずれであってもよいが、人体に対する安全性、または耐熱性などの点から無機系の抗菌剤が好ましい。無機系抗菌剤としては、代表例として、銀、銅、亜鉛、水銀、鉛、ビスマス、カドミウム、タリウムなどの金属のイオンやその金属の化合物(例えば、アミノ酸と金属石鹸を形成したアミノ酸金属石鹸)を無機質担体に担持してなる粒子を挙げることが出来る。上記金属のうち、銀、銅、亜鉛、錫が安全性の点から好ましく、中でも抗菌力の点から銀が好適である。
上記無機質担体としては、ゼオライト(結晶性アルミノ珪酸塩)、無定型アルミノ珪酸塩、シリカゲル、活性アルミナ、珪藻土、活性炭、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、過塩素酸マグネシウム、リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛カルシウム、ハイドロキシアパタイトなどを挙げることが出来る。これらの内、金属のイオンやその金属の化合物の担持能力、化学的安定性などの点から、ゼオライト、無定型アルミノ珪酸塩、シリカゲル、活性アルミナ、硫酸カルシウムが好適である。
無機系抗菌剤の市販品としては、例えば、「ゼオミック」(シナネン製、銀−ゼオライト系)、「バクテキラー」(鐘紡製、銀−ゼオライト系)、「イオンピュア」(石塚硝子製、銀−ガラス系)、「アパサイダー」(サンギ製、銀−リン酸カルシウム系)、「ホロンキラー」(日鉱製、アミノ酸金属石鹸系)、「抗菌セラミックス」(新東Vセラックス製、銀−リン酸亜鉛カルシウム系)、「アイス」(触媒化成工業製、銀−セラミックス系)、「ノバロン」(東亜合成製、銀−リン酸ジルコニウム系)、「ジェイマック」(大日本インキ化学工業製、塩化銀−酸化チタン系)などを挙げることが出来る。
本発明においては、抗菌剤として、銀−リン酸カルシウム系、銀−リン酸ジルコニウム系のものを使用することが安全性、化学的安定性、抗菌性能、耐熱性などの点から特に好適に使用できる。
また、抗菌剤は缶蓋成形性を考慮して平均粒径が3μm以下であることが好ましい。
本発明に於いて、上記抗菌剤の配合量はワックス100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部の範囲である。抗菌剤の配合割合が0.1質量部未満では抗菌効果が充分でなく、一方10質量部を越えて使用しても抗菌効果のさらなる向上は見られない。
本発明の抗菌剤を含有したワックスを塗布する方法としては、通常の缶蓋用の内外面塗料をアルミ材にコイルまたはシート塗装し、通常の焼き付けを行った後、抗菌剤入りのワックスに使用するワックスの融点以上に加温し溶融させ、ロールまたは静電塗油方式により蓋の外面に当たる面に塗布する。塗布量は、抗菌剤を含有したワックスは基材のアルミコイルまたはシートに対し、乾燥塗膜量で、1〜100mg/m2塗布することが好ましい。
本発明の抗菌性缶蓋は、抗菌剤を含有したワックスを塗布したアルミコイル、またはシートをシェルプレス及びコンバージョンプレスで製蓋することにより得ることが出来る。
以下本発明の理解を容易にするため、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。なお、各例中の部及び%は質量基準によるものである。
(実施例1)
SP−0145(日本精鑞製、パラフィンワックス)を0.5質量%の濃度となるようにヘキサンに溶解したワックス溶液に、ノバロン AG−300(東亞合成製、銀系無機抗菌剤)をワックスに対し0.1質量%となる量を撹拌下に添加し、添加後10分間、撹拌速度2000rpmにて均一に分散、抗菌剤含有ワックス溶液を得た。
SP−0145(日本精鑞製、パラフィンワックス)を0.5質量%の濃度となるようにヘキサンに溶解したワックス溶液に、ノバロン AG−300(東亞合成製、銀系無機抗菌剤)をワックスに対し0.1質量%となる量を撹拌下に添加し、添加後10分間、撹拌速度2000rpmにて均一に分散、抗菌剤含有ワックス溶液を得た。
缶外面用塗料を塗装した塗装板上に、上記で得た抗菌剤含有ワックス溶液を、乾燥塗膜量が18mg/m2となるようにバーコーターにて塗装し塗装板を得た。
(実施例2〜4)
実施例1と同様に、表1に示す抗菌剤添加量になるように抗菌剤含有ワックス溶液を作成し、缶外面用塗料を塗装した塗装板上に、乾燥塗膜量が18mg/m2となるようにバーコーターにて塗装し各塗装板を得た。
実施例1と同様に、表1に示す抗菌剤添加量になるように抗菌剤含有ワックス溶液を作成し、缶外面用塗料を塗装した塗装板上に、乾燥塗膜量が18mg/m2となるようにバーコーターにて塗装し各塗装板を得た。
(比較例1)
SP−0145(日本精鑞製、パラフィンワックス)を0.5質量%の濃度となるようにヘキサンに溶解し、ワックス溶液を得た。缶外面用塗料を塗装した塗装板上に、上記のようにして得たワックス溶液を乾燥塗膜量が18mg/m2となるようにバーコーターにて塗装し塗装板を得た。
SP−0145(日本精鑞製、パラフィンワックス)を0.5質量%の濃度となるようにヘキサンに溶解し、ワックス溶液を得た。缶外面用塗料を塗装した塗装板上に、上記のようにして得たワックス溶液を乾燥塗膜量が18mg/m2となるようにバーコーターにて塗装し塗装板を得た。
(比較例2)
SP−0145(日本精鑞製、パラフィンワックス)を0.5質量%の濃度となるようにヘキサンに溶解したワックス溶液に、ノバロン AG−300(東亞合成製、銀系無機抗菌剤)をワックスに対し0.05質量%となる量を撹拌下に添加し、添加後10分間、撹拌速度2000rpmにて均一に分散、抗菌剤含有ワックス溶液を得た。缶外面用塗料を塗装した塗装板上に、上記で得た抗菌剤含有ワックス溶液を乾燥塗膜量が18mg/m2となるようにバーコーターにて塗装し塗装板を得た。
SP−0145(日本精鑞製、パラフィンワックス)を0.5質量%の濃度となるようにヘキサンに溶解したワックス溶液に、ノバロン AG−300(東亞合成製、銀系無機抗菌剤)をワックスに対し0.05質量%となる量を撹拌下に添加し、添加後10分間、撹拌速度2000rpmにて均一に分散、抗菌剤含有ワックス溶液を得た。缶外面用塗料を塗装した塗装板上に、上記で得た抗菌剤含有ワックス溶液を乾燥塗膜量が18mg/m2となるようにバーコーターにて塗装し塗装板を得た。
(比較例3)
缶外面用塗料に、ノバロン AG−300(東亞合成製、銀系無機抗菌剤)を樹脂固形分に対し0.1質量%となる量を撹拌下に添加し、添加後10分間、撹拌速度2000rpmにて均一に分散、抗菌剤含有缶外面用塗料を得た。上記抗菌剤含有缶外面用塗料を塗装し塗装版を得た。
缶外面用塗料に、ノバロン AG−300(東亞合成製、銀系無機抗菌剤)を樹脂固形分に対し0.1質量%となる量を撹拌下に添加し、添加後10分間、撹拌速度2000rpmにて均一に分散、抗菌剤含有缶外面用塗料を得た。上記抗菌剤含有缶外面用塗料を塗装し塗装版を得た。
(比較例4)
比較例3と同様に、表1に示す抗菌剤添加量になるように抗菌剤含缶外面塗料を作成し、これを塗装し塗装板を得た。
比較例3と同様に、表1に示す抗菌剤添加量になるように抗菌剤含缶外面塗料を作成し、これを塗装し塗装板を得た。
(評価項目)
抗菌性:JIS Z 2801-2000 プラスチック製品などの試験方法に基づき抗菌力を評価、菌種はE.coli(大腸菌)IFO3972、S.aureus(黄色ブドウ球菌)IFO12732を使用、下記基準により評価した
抗菌性:JIS Z 2801-2000 プラスチック製品などの試験方法に基づき抗菌力を評価、菌種はE.coli(大腸菌)IFO3972、S.aureus(黄色ブドウ球菌)IFO12732を使用、下記基準により評価した
○:対象区との増減値差2.0以上
×:対象区との増減値差2.0未満
×:対象区との増減値差2.0未満
本発明の、抗菌剤を含有するワックスを塗布した缶蓋は、開口部周辺が直接口と接触し得る飲料缶、また内容物が蓋の外面側に接触する可能性がある食缶等の蓋材として有用に用いられる。
Claims (3)
- 缶蓋表面に、ワックス固形分100質量部に対し抗菌剤を0.1〜10質量部含有する抗菌剤含有ワックスを1〜100mg/m2塗布してあることを特徴とする抗菌性缶蓋。
- 前記した抗菌剤が、銀イオンを無機系担体に保持させたものである請求項1に記載の抗菌性缶蓋。
- 前記したワックスが、パラフィンワックス又はマイクロクリスタリンワックスである請求項1又は2に記載の抗菌性缶蓋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005053114A JP2006232369A (ja) | 2005-02-28 | 2005-02-28 | 抗菌性缶蓋 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005053114A JP2006232369A (ja) | 2005-02-28 | 2005-02-28 | 抗菌性缶蓋 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006232369A true JP2006232369A (ja) | 2006-09-07 |
Family
ID=37040454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005053114A Pending JP2006232369A (ja) | 2005-02-28 | 2005-02-28 | 抗菌性缶蓋 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006232369A (ja) |
-
2005
- 2005-02-28 JP JP2005053114A patent/JP2006232369A/ja active Pending
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