JP2006230498A - 食器洗い機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 予め貯水タンク内に貯留した水を給水ポンプにより吸引して洗浄庫に送給して溜める食器洗い機において、給水ポンプにより貯水タンク内の貯留水を残さず吸引することを可能とする。
【解決手段】 貯水タンク22の後方に配置された給水ポンプ24にあっては、モータ240のモータ軸241が鉛直下方に向き、その下端にインペラ242が取り付けられ、それを囲むように扁平形状のポンプ室245が設けられる。ポンプ室245はその全体が貯水タンク22の底面220aの最低部よりも低い位置とされており、ポンプ室245の底面に設けられた吸込口246と貯水タンク22に接続される吸入パイプ248とは吸入管部247を介して連通している。この構成では、貯水タンク22内の残水が殆ど無くなるまでポンプ室245内に水が充満し、円滑にポンプ動作を行うことができる。
【選択図】 図6
【解決手段】 貯水タンク22の後方に配置された給水ポンプ24にあっては、モータ240のモータ軸241が鉛直下方に向き、その下端にインペラ242が取り付けられ、それを囲むように扁平形状のポンプ室245が設けられる。ポンプ室245はその全体が貯水タンク22の底面220aの最低部よりも低い位置とされており、ポンプ室245の底面に設けられた吸込口246と貯水タンク22に接続される吸入パイプ248とは吸入管部247を介して連通している。この構成では、貯水タンク22内の残水が殆ど無くなるまでポンプ室245内に水が充満し、円滑にポンプ動作を行うことができる。
【選択図】 図6
Description
本発明は、洗浄庫内に収容された食器類に水を噴射して洗浄を行う食器洗い機に関し、更に詳しくは、洗いやすすぎに使用する水を予め貯留するための貯水タンクを備える食器洗い機に関する。
家庭用の食器洗い機は、食器類を収容した洗浄庫に水を供給して該洗浄庫の底部に水を貯留し、その水を洗浄ポンプにより吸引してノズルアームへと圧送し、ノズルアームに設けた水噴射穴から食器類に水を噴射することによって食器類の洗い及びすすぎを行う構成を有している。こうした食器洗い機を一般家庭の台所に設置する際には、通常、台所のシンクに配設されている水道栓の開閉栓の上流側の配管に分岐水栓を取り付け、この分岐水栓と食器洗い機本体とを給水ホースで接続するような設置工事が必要となる。しかしながら、例えば、食器洗い機を購入したが分岐水栓の取付工事を行う業者との工事日程が合わずにすぐに取付工事をしてもらえなかったり、賃貸住宅などではこうした分岐水栓の取付工事が困難であったり許可されなかったりする場合もあり、食器洗い機を使用したくてもできないといった問題がある。
そこで、工事専門業者による分岐水栓の取付工事が不要な分岐水栓工事レス方式の食器洗い機が市場から要望されている。こうした食器洗い機として、例えば特許文献1及び2に記載のように、洗い運転やすすぎ運転に必要とする水を予め貯留しておくための貯水タンクを備えた食器洗い機が従来より知られている。こうした食器洗い機では、運転に先立ってユーザが運転に必要な量の水を貯水タンクに注入しておき、運転が開始されると、食器洗い機本体はその貯水タンク内の水を使用して全ての運転を実行する。
特許文献1に記載の食器洗い機では、洗浄庫を有する本体部の下部にカートリッジ式の貯水タンクが前方に引き出し自在に設置されており、その後方に配置された給水ポンプにより貯水タンク内の水が吸引されて洗浄庫内へと供給される構成になっている。貯水タンクの後面には筒状の出水口が設けられる一方、給水ポンプの前面には筒状の入水口が設けられ、貯水タンクの出水口には逆止弁が設けられていて貯水タンクが前方に引き出された状態ではこの逆止弁により出水口は閉塞される。そして、貯水タンクを食器洗い機本体の内部に押し込むと、貯水タンクの出水口が給水ポンプに挿入され、逆止弁が開いて貯水タンクと給水ポンプとが連通するようになっている。
一方、特許文献2に記載の食器洗い機では、本体部下部に引き出し自在に設置された貯水タンクの上面は開放されていて、貯水タンクを完全に引き出さなくてもその上面開口から注水を行うことができるようになっている。また、給水ポンプは貯水タンク上方に配置され、給水ポンプの吸入口から貯水タンク内に垂下されたパイプを介して貯水タンク内の水を吸い上げる構成となっている。また、同文献の図6に示す構成では、水道栓の蛇口に接続された給水ホースの他端が貯水タンクの前面に接続されるようになっており、貯水タンクを前方に引き出さなくても水道栓の開閉栓を開くことで貯水タンクへの注水が行えるようになっている。
上記のような食器洗い機に使用される給水ポンプは、比較的高い給水能力を有しながら低コストであることが要求される。何故なら、給水能力が低いと洗浄庫へ給水を行うのに長い時間が掛かり、運転時間が長くなるからである。こうした要求に応えるポンプとしては、例えば全自動洗濯機の風呂水ポンプとして使用されているようなポンプが有用である。しかしながら、こうしたポンプは、基本的に吸い込みの開始時にポンプ室内を水で満たすための呼び水を必要とする。こうした点について上記従来技術では考慮がなされておらず、給水ポンプの駆動初期にエア噛みによってうまく水を吸い込めない可能性がある。
また特許文献2に記載の食器洗い機では、貯水タンク内に上方から垂下させたパイプの下開口端と貯水タンクの底面との間には下開口端から水を吸い込むために隙間が必要となり、この隙間のために貯水タンク内の水を完全に吸い上げることはできず残水が避けられない。一方、特許文献1に記載の食器洗い機においても、貯水タンク内のほぼ全ての水が給水ポンプに吸い込まれた後に給水ポンプの動作が停止されたとき、ポンプ室内やポンプ室から洗浄庫に至る経路中等に残っていた水が貯水タンク内に逆流してきて、結果的に或る程度の残水が生じる可能性がある。そのため、食器洗い機の使用後に、ユーザは貯水タンク内の残水を自ら捨てるという面倒な作業を行わなければならない。また、貯水タンク内に水が残ったまま放置されると、貯水タンク内面に水垢が付着して清潔さを損なう。さらにまた、残水が生じるということは、貯水タンクに供給した水道水が食器洗いに使用されないことを意味するから、水の有効利用、節水性という点でも望ましくない。
さらにまた上記のような食器洗い機では、食器洗い機本体の下方に貯水タンクを配置しているため、全体の高さが高くなる。こうした食器洗い機の設置状況を考えてみると、一般に台所のシステムキッチンの天板(調理台)上に設置されることが多いが、その上方には吊り戸棚等が設置されている場合があり、これに接触しないような高さに抑える必要がある。そのためには、少なくとも一般家庭で1回の食事に使用する食器の個数が収納可能な洗浄庫の容積を確保しつつ、貯水タンクをできるだけ薄形にする必要があるが、特許文献1に記載の食器洗い機のように貯水タンクの後方に給水ポンプを設置する構成では、給水ポンプの高さもできるだけ抑える必要がある。但し、高さを抑えても水平方向に広いスペースを必要とすることとなると、その分だけ貯水タンクの容量が削られ、運転に必要な水量を確保するのが困難になる。したがって、給水ポンプは水平方向のスペースを小さくしながら高さも抑えることが要求される。
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その主な目的は、洗い運転やすすぎ運転に使用する水を予め貯留しておくための貯水タンクを備えた食器洗い機において、貯水タンク内の水を吸い込んで洗浄庫に送給するための給水ポンプの運転開始時にエア噛みが起こることを防止し、円滑に水の吸引・吐出を行えるようにした食器洗い機を提供することである。
また本発明の他の目的とするところは、貯水タンク内の水を無駄なく食器洗いに使用し、運転終了時に貯水タンク内に水が残ることを回避することができる食器洗い機を提供することである。
さらにまた本発明の他の目的とするところは、給水ポンプを小形化、特に薄形化することにより、食器洗い機の全高をできるだけ抑えつつ、貯水タンクの貯水容量を確保することができる食器洗い機を提供することである。
上記課題を解決するために成された第1発明に係る食器洗い機は、食器類が内部に収容された洗浄庫の底部に水を貯留し、その水を吸引して食器類に向けて噴射することで前記食器類を洗浄する食器洗い機において、
前記食器類の洗浄に必要な水を貯留しておくために前記洗浄庫の下方に引き出し自在に設けられた貯水タンクと、該貯水タンクと水平方向に並ぶ位置に設置され、該貯水タンク内の水を吸引して前記洗浄庫へ送給するための給水ポンプと、前記貯水タンクと前記給水ポンプとを連通する導水路とを備え、
前記給水ポンプは、前記貯水タンクから前記導水路を通して吸引した水を前記洗浄庫に向けて送出するポンプ室を有し、そのポンプ室全体が前記貯水タンクの底面の最低部と同一又はそれよりも低い位置に配置されていることを特徴としている。
前記食器類の洗浄に必要な水を貯留しておくために前記洗浄庫の下方に引き出し自在に設けられた貯水タンクと、該貯水タンクと水平方向に並ぶ位置に設置され、該貯水タンク内の水を吸引して前記洗浄庫へ送給するための給水ポンプと、前記貯水タンクと前記給水ポンプとを連通する導水路とを備え、
前記給水ポンプは、前記貯水タンクから前記導水路を通して吸引した水を前記洗浄庫に向けて送出するポンプ室を有し、そのポンプ室全体が前記貯水タンクの底面の最低部と同一又はそれよりも低い位置に配置されていることを特徴としている。
また、上記課題を解決するために成された第2発明に係る食器洗い機は、食器類が内部に収容された洗浄庫の底部に水を貯留し、その水を吸引して食器類に向けて噴射することで前記食器類を洗浄する食器洗い機において、
前記食器類の洗浄に必要な水を貯留しておくために前記洗浄庫の下方に引き出し自在に設けられた貯水タンクと、該貯水タンクと水平方向に並ぶ位置に設置され、該貯水タンク内の水を吸引して前記洗浄庫へ送給するための給水ポンプと、前記貯水タンクと前記給水ポンプとを連通する導水路とを備え、
前記給水ポンプは、前記貯水タンクから前記導水路を通して吸引した水を前記洗浄庫に向けて送出するポンプ室を有し、そのポンプ室の底面が前記貯水タンクの底面よりも低い位置に配置されていることを特徴としている。
前記食器類の洗浄に必要な水を貯留しておくために前記洗浄庫の下方に引き出し自在に設けられた貯水タンクと、該貯水タンクと水平方向に並ぶ位置に設置され、該貯水タンク内の水を吸引して前記洗浄庫へ送給するための給水ポンプと、前記貯水タンクと前記給水ポンプとを連通する導水路とを備え、
前記給水ポンプは、前記貯水タンクから前記導水路を通して吸引した水を前記洗浄庫に向けて送出するポンプ室を有し、そのポンプ室の底面が前記貯水タンクの底面よりも低い位置に配置されていることを特徴としている。
上記第1及び第2発明に係る食器洗い機の構成によれば、貯水タンクと給水ポンプとを導水路を介して接続したとき、給水ポンプが作動していなくても、貯水タンクに貯留されている水は自重により導水路を経てポンプ室に流れ込みポンプ室内に充満する。その後、給水ポンプが駆動されると、それに先立ってポンプ室内に溜まった水が呼び水となり、エア噛みを生じることなく給水ポンプは貯水タンクからの水の吸い込み及び洗浄庫への水の圧送を開始する。したがって、給水ポンプの運転の初期から円滑に貯水タンク内の水を吸引して、洗浄庫内に供給することができる。
また、給水ポンプによる吸い込みによって貯水タンク内の水位がかなり下がり、残水が僅かであるような状況になった場合でも、ポンプ室内には確実に水が充満又は残留しており、引き続いて吸い込み動作を継続することができる。それによって、貯水タンク内の貯留水をほぼ完全に吸い込むことができ、貯水タンク内に水が残らないようにすることができる。その結果、貯水タンク内が水垢等の付着で汚れることを軽減でき、運転終了後に貯水タンク内に残った水をユーザが廃棄するような手間も不要になる。また、貯水タンク内に注水された水がほぼ全て洗いやすすぎに利用されるので、水の有効利用が図れる。
またこの構成において、好ましくは、前記ポンプ室は扁平形状であって水平配置されている構成とするとよい。
この構成によればポンプ室の高さが低いので、上述したようにポンプ室全体を貯水タンクの底面の最低部と同一又はそれよりも低い位置に配置するようにした場合、或いは、ポンプ室の底面が貯水タンク底面よりも低い位置になるように配置した場合でも、貯水タンクの底面の下方に設ける空間の高さを抑えることができる。それによって、本食器洗い機全体の高さを抑制することができる。
また、上記給水ポンプにおいては、扁平形状であるポンプ室の上部にモータ軸が鉛直下方に向くようにポンプモータを配置し、該モータ軸の下端に上記ポンプ室内で回転するインペラを取り付けた構成とすることができる。
この構成によれば、給水ポンプの高さを抑えながら水平方向に占有するスペースも小さくて済む。それによって、給水ポンプを貯水タンクと水平方向に並ぶ位置に収納して食器洗い機全体の高さを抑えることができるとともに、貯水タンクの面積を広くして運転に必要な十分の水量を確保することができる。
また、上記のような扁平形状であるポンプ室への水の吸込口は該ポンプ室の底面に設けられる一方、該ポンプ室からの水の吐出口は該ポンプ室の上面に設けられ、前記インペラは、前記ポンプモータによる回転駆動によって該インペラの前方から水を吸引して側方へと送出する構成とすることができる。
上記のように鉛直下方に向いたモータ軸の下端に装着されたインペラがモータにより回転駆動されると、インペラの前方つまりポンプ室の底面に設けられた吸込口から水を吸い上げて側方に押し出し、その圧力によってポンプ室の上面に設けられた吐出口から水が上昇して洗浄庫まで持ち上げられる。即ち、この給水ポンプは渦巻きポンプであって、高い給水性能を確保しながら小形で比較的低廉なコストを達成することができる。
また、吸込口がポンプ室の底面にあるため、吸込口と上記導水管とを接続する流路の一部はポンプ室の下方に配設されることになる。そのため、給水ポンプにより貯水タンク内の水が殆ど空になって吸引・吐出ができなくなった後にポンプ動作が停止されたとき、ポンプ室内に残っていた水は吸込口から上記流路に逆流して、貯水タンクの底面よりも低い部分に溜まる。それにより、貯水タンク内まで水が戻ることを防止して、貯水タンク内に残水が生じることを回避することができる。
また、第1及び第2発明に係る食器洗い機において、前記導水路は前記貯水タンクの引き出し又は押し込みに応じて脱着可能であるように前記貯水タンク及び給水ポンプにそれぞれ設けられた連結流路であり、前記給水ポンプ側の連結流路に前記貯水タンク内の水位を検知するための水位検知手段を設けた構成とすることが好ましい。
この水位検知手段の一態様としては、前記給水ポンプ側の連結流路と前記ポンプ室との間の管路から分岐されて略鉛直上方に延在された分岐管路と、該分岐管路内の水位に伴って上下するフロートと、該フロートを挟んで所定の高さに設置された発光部と受光部とを一組とする光センサと、から成るものとすることができる。
上記構成によれば、水位検知手段がポンプ室の上流側にあってポンプ動作の負荷とならないので、水位検知動作が給水性能に影響を与えることを避けることができる。また、水位検知手段が引き出し自在の貯水タンク側ではなく給水ポンプ側に設けられているので、光センサから引き出されたケーブルの配線が容易になる。
また第1及び第2発明に係る食器洗い機は、外部の水道栓から前記貯水タンク内にホースを介して水道水を導入するものであり、前記給水ポンプの給水能力は前記ホースを介した貯水タンクへの注水能力よりも高く設定されている構成とすることが好ましい。
この構成によれば、水道栓が開栓されて貯水タンクに水道水が供給されているときに給水ポンプを作動させると貯水タンク内の水位は徐々に下がることになる。そのため、例えば水道栓の閉栓忘れ等によって水道水が供給され続けた場合でも、給水ポンプを作動させて貯水タンク内の水を洗浄庫に送り、さらに洗浄庫から排水を行うことにより、貯水タンクが満杯になって水が溢れ出すことを防止することができる。また、洗浄庫内に洗い運転に使用する水を溜めるとともに貯水タンク内に洗い運転以降のすすぎ運転用の水を溜めたい場合、貯水タンク内の水位が十分に上がってから給水ポンプを作動させても、貯水タンクを溢れさせることなく洗浄庫内に所望の量の水を溜めることが可能である。
本発明の一実施例による食器洗い機について、図面を参照して以下に詳しく説明する。図1は本実施例による食器洗い機の外観斜視図、図2はこの食器洗い機の要部の右側面縦断面図である。
この食器洗い機1は外形を形成する筐体2を有し、この筐体2の内部には乾燥室を兼用する洗浄庫3が配設されている。洗浄庫3の前面開口には、その上端及び下端でそれぞれ軸支される上部ドア4及び下部ドア5が、上下方向に観音開きするように取り付けられている。下部ドア5の上端中央部にはドア開放操作体6が設けられており、ユーザがこのドア開放操作体6を指で押して下部ドア5を手前(図1では左方)に開けると、これに連動して上部ドア4が上方に開く構成となっている。下部ドア5の下方にはユーザが本食器洗い機に動作の指示を与えるための操作パネル7が配置されている。
この操作パネル7の拡大平面図を図11に示す。操作パネル7には、ユーザが押圧操作するための操作部7aとして、電源スイッチ71、スタートキー72、コース選択キー73、乾燥設定キー74が配置されており、また表示部7bとして、コース選択キー73で選択された運転コースを表示するコース表示部75、運転実行時の運転状況をユーザに知らせるための運転モニタ表示部76、及び乾燥設定キー74で選択された乾燥運転の種類を表示する乾燥コース表示部77などが配置されている。
図1、図2に戻り説明を続けると、食器類を収容するための食器籠8は、上部ドア4及び下部ドア5を開放した状態で洗浄庫3内に出し入れされるようになっている。洗浄庫3の底部には、上面に複数の水噴射穴10が形成された、垂直軸を中心に回転自在であるノズルアーム9が設けられている。この食器洗い機では洗浄庫3の幅が奥行よりも大きいため、1本のノズルアームだけでは洗浄庫3内の両側方部まで水が行き渡らない。そこで、回転時においても図示したノズルアーム9と干渉しない位置に並んで、図示しない他のノズルアームが設けられている。洗浄庫3の底部には一段低く窪んで水溜め部11が形成されており、その上面には、食器類から流れ落ちた残菜を捕集するための残菜フィルタ12が着脱自在に設けられている。
洗浄庫3の底壁面下方には、左右方向に延在するように洗浄兼排水ポンプ13が配置されている。洗浄兼排水ポンプ13は、図示しないものの、隔壁で区画された洗浄ポンプ室と排水ポンプ室とを有しており、洗浄ポンプ室内及び排水ポンプ室内には、ポンプモータの同軸に取り付けられた洗浄用インペラ及び排水用インペラが設けられている。洗浄ポンプ室の吸入口14は水溜め部11の後壁に設けられた循環口15に接続され、洗浄ポンプ室の吐出口16は左右方向に延在して配設された通水路17を介してノズルアーム9及び図示しないもう一方のノズルアームの水路に連通している。一方、図示していないが、排水ポンプ室の吸入口は水溜め部11の側壁に設けられた排水口18に接続され、排水ポンプ室の吐出口は排水ホース19を介して機外に連通している。
洗浄庫3内に貯留された水の水位は、水溜め部11に連通する図示しないエアトラップケース、洗浄庫3の背面下部に配置された圧力センサ、及びエアトラップケースと圧力センサとを連結するエアホースから成る庫内水位センサ20により検知される。また、洗浄庫3の底部には、洗浄庫3内に貯留された水を温めるとともに乾燥時には洗浄庫3内の空気を加熱するためのループ状のヒータ21が配設されている。
さらに本実施例の食器洗い機1本体の下部には、筐体2の一部として前面が開放されたタンク受け枠体2aが形成されており、このタンク受け枠体2aには貯水タンク22が前方へ引き出し自在に配設されている。この貯水タンク22の上面前部には、後述する分岐給水器具51を経た水道水を導入するための給水ホース50の出口端を接続する給水連結パイプ223が設けられており、前部中央下には貯水タンク22内から過剰な水を廃棄するための溢水パイプ225の出口端226が設けられている。
タンク受け枠体2a内の後部には、貯水タンク22内に貯留された水を吸引するための給水ポンプ24が設置されている。水が貯留された貯水タンク22がタンク受け枠体2aに適切に収納された状態でこの給水ポンプ24が作動すると、貯水タンク22内の水が吸引されて洗浄庫3の後部の給水口29まで持ち上げられて洗浄庫3内に注がれ、水溜め部11を含む洗浄庫3の底部に貯留される。貯水タンク22及び給水ポンプ24の詳細な構造については後述する。
なお、本実施例の食器洗い機では、図1には示さないものの洗浄兼排水ポンプ13の横に送風装置が配置されており、乾燥運転時にヒータ21に通電されるとともに送風装置のファンが回転駆動されると、筐体2の側面又は背面に形成された吸気口から外気が洗浄庫3内へと導入され、ヒータ21で加熱された熱風で洗浄庫3内に収容されている食器類を乾燥し、一方、洗浄庫3内の湿気を含む空気は前面側の排気口から機外へと排出されるようになっている。
本実施例の食器洗い機では、洗浄庫3底部に所定水位(例えば図2中に記載の洗浄水位L1)の水が溜められた状態で洗い運転やすすぎ運転が実行される。即ち、洗浄兼排水ポンプ13のポンプモータは、正転方向に回転駆動されることで洗浄ポンプとして機能する。このとき、回転する洗浄用インペラの作用によって、循環口15を通して水溜め部11から吸い込んだ水を通水路17を介してノズルアーム9へと圧送する。すると、ノズルアーム9の上面に設けられた水噴射穴10から水が噴出し、その水勢によってノズルアーム9は垂直軸を中心に所定方向に回転する。水噴射穴10から噴射された水は洗浄庫3内に収容されている食器類に当たり、食器類に付着している汚れを落としたり洗剤水を流したりする。
一方、洗浄兼排水ポンプ13のポンプモータが逆転方向に回転駆動されることで、洗浄兼排水ポンプ13は排水ポンプとして機能する。このときには、回転する排水用インペラの作用により、排水口18を通して水溜め部11から吸い込んだ水を排水ホース19を通して機外へと排出する。
図3は本実施例の食器洗い機1の設置状態の一例を示す外観斜視図である。図3に示すように、本実施例の食器洗い機1は台所のシステムキッチン60の天板61上に設置される。そして、シンク62上方の水道栓63の蛇口先端に本食器洗い機の付属部品として(又は別売品として)用意される分岐給水器具51を装着し、その分岐給水器具51と給水連結パイプ223との間を給水ホース50で以て連結する。また、溢水パイプ225の出口端226に接続された溢水ホース52をシンク62まで引き、その他端をシンク62内に開放する。なお、図3では洗浄庫3内の水をシンク62に排出するための排水ホース19の記載は省略している。ユーザは貯水タンク22への注水が必要なときに、分岐給水器具51のレバーを回動させてその内部水路を給水ホース50側に切り替え、水道栓63の開閉栓を開いて貯水タンク22への給水を行う。
次に、本実施例の食器洗い機に特徴的な貯水タンク22及び給水ポンプ24の構造について、図2に加えて、図4〜図9を参照して詳細に説明する。図4は貯水タンク22と給水ポンプ24とが連結された状態の両者の外観斜視図、図5は図4の上面平面図、図6は貯水タンク22と給水ポンプ24との連結部周辺の詳細縦断面図、図7は給水ポンプ24のポンプ室内の透視上面図、図8は貯水タンク22と給水ポンプ24との連結部周辺の詳細横断面図、図9は給水ポンプ24及び開閉弁23の外観斜視図である。
貯水タンク22は、底面、側面、前面及び後面を形成する凹状の容器部材220と、上面を形成する上面部材221とから成るが、上面部材221の周縁部は容器部材220の上縁部と熱溶着されることで両者は一体化されている。上面部材221の略中央には円形状の開口が形成され、その開口を閉塞するように蓋体222が密閉可能に設けられている。これにより、貯水タンク22の側面、前面及び後面と上面との成すコーナーは全周に亘って高い水封性が確保され、仮に貯水タンク22が水で満杯になってさらに水が注入されても貯水タンク22自体からは水が漏出しない。なお、蓋体222は主としてユーザが貯水タンク22内部を清掃するために設けられているものであるが、この蓋体222を開放して内部に水を注入したり内部の水を廃棄したりしても構わない。
この貯水タンク22は全体としては扁平な略直方体形状であるが、給水ポンプ24に対向する後面の一部のみ、具体的には左右方向の端部ではなく中央から少し右側に片寄った位置に、内方(つまり前方側)に窪んで凹形状に形成された凹部227を有している。後述するように、この凹部227はタンク受け枠体2a側に固定された給水ポンプ24との干渉を避けるために設けられている。
貯水タンク22の上面部材221の前部左右には、給水連結パイプ223を取り付けるための円形状の取付開口がそれぞれ設けられ、その左右のいずれか適当なほうにL字状の給水連結パイプ223を取り付け、上述したようにその給水連結パイプ223の端部に給水ホース50の出口端を接続する。なお、図4及び図5に示した例では、この貯水タンク22の左端の取付開口に給水連結パイプ223を取り付けてあり、右端の取付開口は付属のキャップ224で閉じてある。一方、図3に示した設置例では貯水タンク22の右端の取付開口に給水連結パイプ223を取り付けてある。
貯水タンク22の前部内側にはL字形状の溢水パイプ225が設けられており、その下方端部が貯水タンク22の前壁より前方に延出して上述した出口端226となっている。この溢水パイプ225の上開口端が溢水口であり、その高さが貯水タンク22の溢水水位L2となり、水位がこれを越えると溢水パイプ225を通して貯水タンク22外に水が流出し得る。
貯水タンク22の底壁面220aは全体として前方から後方に向かって低くなるように傾斜しており、特に凹部227の内側が最も低くなっている。この凹部227の後面下部に後方に向かって略水平に円筒形状の出水パイプ228が延設されている。この出水パイプ228が本発明における導水管に相当するとともに貯水タンク22側の連結流路に相当する。この貯水タンク22の中で底壁面220aが最も低い位置に出水パイプ228が形成されているため、貯水タンク22内に貯留されている水の水位が下がってゆくと最終的に水はこの出水パイプ228の根元付近に集まり、貯水タンク22内底部には残水が殆ど生じない。これにより、運転終了時に貯水タンク22内に水が溜まった状態となることを防止し、水垢の付着等、貯水タンク22が不衛生な状態となることを回避することができる。
なお、貯水タンク22は合成樹脂製とすればよいが、水垢の付着を防止して衛生性を保つには、例えば抗菌剤入りの樹脂を用いるとよい。また、貯水タンク22の内面に抗菌膜層を形成するような処理を施してもよい。また、貯水タンク22内に水が貯留されているか否かをユーザが目視で確認し易いように、貯水タンク22の少なくとも前面は透明とするか、或いは貯水タンク22の前面に透明な窓を設けるとよい。
この貯水タンク22の前面略中央上部には、ラッチボタン282の押圧操作により引き出し可能となるタンクラッチ機構28が設けられており、ユーザが貯水タンク22をタンク受け枠体2aに収納していって完全に収納された位置に達すると、タンクラッチ機構28によるラッチが自動的に掛かる。このタンクラッチ機構28にはタンクラッチスイッチ281が付設されており、ラッチが掛かるとタンクラッチスイッチ281がオンしてラッチが掛かったことが検知可能となっている。タンクラッチ機構28によるラッチが掛かった状態にあるとき、例えば振動等による力が掛かってもラッチは解除されないが、ユーザがラッチボタン282を押すことによりラッチが解除され、ラッチボタン282を押しながら貯水タンク22を引っ張ることで貯水タンク22は前方に引き出される。
給水ポンプ24は、貯水タンク22がタンク受け枠体2aに収納された際に、その凹部227の内側となる場所に配設されている。給水ポンプ24にあっては、モータ軸241が鉛直下方に延在するようにポンプモータ240が設けられ、そのモータ軸241の下端にインペラ242が取着されている。ポンプモータ240を保持する上部ケーシング243と下部ケーシング244との間には、インペラ242を取り囲むように扁平形状のポンプ室245が形成され、インペラ242の下方のポンプ室245の底面には吸込口246が開口している。このようにポンプ室245を扁平形状とし水平配置することでその高さを抑えることにより、給水ポンプ24全体の高さを抑えて貯水タンク22の後方に収納可能としている。また、上部ケーシング243と下部ケーシング244とで形成された空間において、ポンプ室245は中央ではなく、後述する給水直立管251側を広くした偏心位置に配置されている。
下部ケーシング244は、吸込口246から貯水タンク22方向に延び下部ケーシング244に沿って上向きに屈曲する吸入管部247を有し、その吸入管部247からさらに貯水タンク22方向に向かって略水平に円筒形状の吸入パイプ248が延設されている。この吸入パイプ248が上記出水パイプ228とともに本発明における導水管に相当し、且つ給水ポンプ24側の連結流路に相当する。吸入パイプ248の内径は貯水タンク22の出水パイプ228の外径よりも僅かに大きく、貯水タンク22がタンク受け枠体2aに収納されたときに出水パイプ228が吸入パイプ248の内側に挿入されるようになっている。出水パイプ228にあって後方側の開口端面から所定長さだけ内側の位置には周方向に溝が形成され、その溝に比較的柔らかい材料から成るOリング229が取り付けられている。上記のように出水パイプ228が吸入パイプ248の内側に挿入されたとき、両者の接触面の水封性はこのOリング229により確保される。
吸入パイプ248の後部には鉛直上方に延びる円筒形状の分岐パイプ249が形成されている。この分岐パイプ249内には水位の上下動に伴って上下する球状体250が本発明におけるフロートとして収容され、分岐パイプ249内にはほぼ同一高さに、発光部261と受光部262とを対とする光センサが本発明における水位検知手段であるタンク満水センサ26として配設されている。このタンク満水センサ26は、発光部261から出射した光を受光部262で受け、その光の受光強度が所定の閾値以下に下がったことを検知するものである。即ち、分岐パイプ249内の水位が低く球状体250が低い位置にあるときには発光部261から出射した光が受光部262に到達するが、水位が上昇して球状体250が発光部261とほぼ同じ高さまで上昇すると、発光部261から出射した光は球状体250に遮られて受光部262に到達せず、受光強度が急に下がって水位がその位置に達したことを検知できる。ここでは、この水位が貯水タンク22の満水水位L3に設定されており、この満水水位L3よりも少し高い位置に上記溢水水位L2が設定されている。
ポンプ室245内部を見ると、図6及び図7に示すように、インペラ242の外周と狭い隙間を保って上部ケーシング243から壁部243aが垂設されており、その壁部243aが途切れる位置(切れ目243b)で広い送出室245aとつながり、その送出室245aの上面に設けられた吐出口から鉛直上方に延伸して給水直立管251が設けられている。この給水ポンプ24は渦巻きポンプであり、ポンプモータ240によりインペラ242が所定方向に回転駆動されると、インペラ242はその中央前方、つまり下方に開口した吸込口246から水を吸い上げて勢いよく側方に押し出す。その押し出しは基本的にインペラ242の全周で生じるが、その周囲の大部分は上記壁部243aで囲まれ、しかもポンプ室245が給水直立管251を広げた偏心位置に配置されているため、インペラ242により押し出された水は壁部243aが存在しない切れ目243bに集中し、高い圧力で以て送出室245aに流れ込む。そして、流れ込んだ水は給水直立管251内に押し上げられ給水口29を経て洗浄庫3内に注がれる。
タンク満水センサ26はこのポンプ室245の上流側に位置しており、しかも貯水タンク22からポンプ室245までの流路から分岐した部分に球状体250が存在するので、この球状体250の上下動は給水ポンプ24のインペラ242の動作の負荷にならず、給水ポンプ24の吸引動作を妨げることがない。
給水ポンプ24のインペラ242を内包するポンプ室245全体は、貯水タンク22の底壁面220aの最低部よりもさらに低い位置に設けられている。したがって、給水ポンプ24の動作、具体的にはインペラ242の回転動作によって貯水タンク22内の水が全て吸入管部247に流出したときにもポンプ室245には水が充満しており、給水ポンプ24は十分に高い吸引能力を発揮できる。それにより、給水ポンプ24は貯水タンク22内の水をほぼ完全に吸引することができ、運転終了時に貯水タンク22内底部に吸引しきれない水が残ることを防止することができる。なお、食器洗い機1の高さに制限があるために、タンク受け枠体2aの高さや貯水タンク22を収納するスペースの高さが十分でない場合がある。この場合、ポンプ室245全体が貯水タンク22の底壁面220aの最低部よりさらに低い位置に設けることが困難である。しかしながら、少なくともポンプ室245の底部、即ち吸込口246付近の位置が貯水タンク22の底壁面220aの最低部よりも低い位置であれば、給水ポンプ24が高い吸引能力を発揮し、貯水タンク22内の水を吸引することができる。
上述したように貯水タンク22がタンク受け枠体2a内に収納されると、出水パイプ228が吸入パイプ248の内側に嵌挿され、両者の間の隙間はOリング229で水封されることにより、貯水タンク22内の水が水漏れなくポンプ室245へと送られるようになっている。一方、貯水タンク22が前方に引き出されて、両パイプ228、248が離脱したときには、両パイプ228、248の管路が閉塞されないと貯水タンク22に貯留されている水及び吸入パイプ248内に溜まっている水がそれぞれ流出してしまうことになる。そこで、両パイプ228、248にはそれぞれ、両者が嵌挿されたときに管路を開放し、両者が離脱されるときに速やかに管路を閉塞するような開閉弁23、27が設けられている。基本的な開放弁の構造は同じであるので、貯水タンク22側の開閉弁23の構造で以て説明する。
出水パイプ228の管路内には水が流通可能なようにばね保持部230が管路内壁から延設されており、ばね保持部230の中央に設けられた穴を貫通して棒状の可動体231が管路の軸方向に移動自在に装着されている。可動体231の後端は周縁が広がった押圧部231aとなっており、この押圧部231aとばね保持部230の間にはコイルばね233が配設されている。可動体231の前端にはパッキン232が設けられており、出水パイプ228の根元の管路周囲が弁座として機能する。
給水ポンプ24側の開閉弁27の構成も全く同じであり、図8に示すように、吸入パイプ248内部には管路内壁から延出してばね保持部270が設けられ、可動体271、押圧部271a、コイルばね273、パッキン272が開閉弁23の各構成要素と同様に設けられている。
図8(b)に示すように貯水タンク22がタンク受け枠体2aから前方に引き出された状態では、開閉弁23の可動体231は外部、具体的には後方側から力を受けず、コイルばね233が伸張しようとする付勢力によって可動体231は最大限後方位置まで移動した状態にある。パッキン232は出水パイプ228の根元の管路内径よりも大きいため、このときパッキン232は出水パイプ228の根元の管路周壁に密着して該管路を閉塞し、貯水タンク22内の水が漏出することを防ぐ。給水ポンプ24側の開閉弁27も同様であり、貯水タンク22が前方に引き出された状態では、可動体271は外部、具体的には前方側から力を受けず、コイルばね273が伸張しようとする付勢力によって可動体271は最大限前方位置まで移動した状態にある。パッキン272は吸入パイプ248の根元の管路内径よりも大きいため、このときパッキン272は該管路を閉塞し、吸入パイプ248内に残る水や吸い上げ動作が停止したことによって給水直立管251から逆流してきた水が漏出することを防ぐ。
ユーザが貯水タンク22を押してタンク受け枠体2a内に収納してゆくと、出水パイプ228が吸入パイプ248の内側に挿入され、貯水タンク22側の開閉弁23の可動体231における押圧部231aと給水ポンプ24側の開閉弁27の可動体271における押圧部271aとが当接し、それからさらに貯水タンク22を押し込んでゆくと、可動体231、271は互いに力を及ぼし合ってコイルばね233、273は収縮する。それによって、貯水タンク22側の可動体231は出水パイプ228内において水平前方に移動し、逆に給水ポンプ24側の可動体271は吸入パイプ248内において水平後方に移動する。すると、パッキン232は出水パイプ228の根元の管路周壁(つまり弁座)から離れその隙間を水が通過可能となる。他方、パッキン272は吸入パイプ248の根元の管路周壁(つまり弁座)から離れその隙間を水が通過可能となる。そして、貯水タンク22を所定位置まで完全に収納すると、図8(a)に示すように、コイルばね233、273は最も収縮して殆どばねしろが無い状態になり、パッキン232、272はそれぞれ弁座から完全に離れ、貯水タンク22と給水ポンプ24とは連通して水が自由に通過する。
なお、上記のように貯水タンク22を収納してゆく際に、給水ポンプ24に遊嵌する凹部227の両側において貯水タンク22は後方に突出しているので、この突出部分がちょうどガイドの作用を果たし、貯水タンク22の横方向の動きを規制する。それによって、貯水タンク22のガタつきが抑えられ、貯水タンク22をほぼ真っ直ぐに後方へと押し込むことができる。貯水タンク22を押し込む際に左右にガタつくと、パイプ228、248同士をうまく嵌挿できなかったり、嵌挿できたとしてもパイプ228、248やOリング229などに無理な負荷が掛かったりするが、この実施例の食器洗い機では、上述したように貯水タンク22の左右のガタつきが抑制されるので、パイプ228、248同士をうまく嵌挿させて確実な連結を行うことができる。
本実施例の食器洗い機では、上述したように貯水タンク22をタンク受け枠体2aに収納した状態で貯水タンク22内へ水道水を溜めて洗浄運転及び乾燥運転を行った後、運転終了後に貯水タンク22を引き出して、蓋体222を開いて内部を清掃することができる。それによって、貯水タンク22内部を清潔に保つことができる。
本実施例の食器洗い機では、給水ホース50を介した貯水タンク22への水道水の供給能力を最大10[リットル/分]と想定しているのに対し、給水ポンプ24の給水能力は12[リットル/分]に設定されている。即ち、給水ポンプ24による洗浄庫3への水の吸い上げ速度は貯水タンク22への水道水の供給速度よりも高くされている。これにより、給水ポンプ24が作動している状態では、貯水タンク22へ水道水が供給されていても貯水タンク22内の水の増量分よりも減少分が多いので、貯水タンク22内の水位は下がってゆくことが保証され、水が貯水タンク22内に満杯になることを回避することができる。
なお、上記説明では、貯水タンク22内の過剰な水を機外に放出するための溢水ホース52と洗浄庫3内から水を機外に排出するための排水ホース19とは全く別に設けられているため、シンク62まで2本の排水用ホースを配設する必要があるが、筐体2の内部又は外部で両方の流路を合流させ、1本のホースを導出するような構成に変形してもよい。これによれば、本食器洗い機1からシンク62まで配設される排水用のホースが1本となるので、見栄えが良好となるとともにホースの配設の煩雑さも軽減され、本食器洗い機1の設置の自由度も高くなる。
次に、本実施例の食器洗い機の制御系の構成について説明する。図10は本実施例の食器洗い機の要部の電気系構成図である。
制御部30はCPUを含むマイクロコンピュータを中心に構成されており、インバータ駆動部31を介して洗浄ポンプ131及び排水ポンプ132を制御する。実際には、上述のようにポンプモータの回転方向に応じて洗浄兼排水ポンプ13は洗浄ポンプ131又は排水ポンプ132として機能するため、インバータ駆動部31は洗浄兼排水ポンプ13のポンプモータの回転方向及び回転速度を制御している。また、制御部30は負荷駆動部32を介して、給水ポンプ24(厳密にはポンプモータ240)、ヒータ21、及び乾燥送風用のファンモータ34の動作を制御する。さらにまた、制御部30には、電源スイッチ71を含む操作部7a、表示部7b、ブザー7c、ドアスイッチ33、庫内水位センサ20、タンク満水センサ26、タンクラッチスイッチ281なども接続されている。制御部30は制御プログラムが格納されたROMを備えており、CPUが該制御プログラムを実行することにより、後述するような運転制御を遂行する。
次に、本実施例の食器洗い機1における運転開始前の給水時の基本的な手順について説明する。図12及び図13は貯水タンク22への注水時にユーザが行う操作と本機の動作との基本的な流れを示すフローチャートである。
まず初期状態は電源コードは商用交流電源コンセントに接続されていて且つ電源オフ状態であるものとする。本食器洗い機1では、このような電源オフ時には表示部7bは全て消灯しており、ユーザにとっては見かけ上電源が全く遮断されているが、実際には制御部30のマイクロコンピュータには駆動電流が供給されており、例えばタンク満水センサ26等の信号を受けて所定の処理を行うことができるようになっている。
上記のような電源オフ状態からユーザは電源スイッチ71を押して電源を投入する(ステップS1)。そして、コース選択キー73により所望のコース、例えば標準コース、少量コース、スピーディコースなどを選択する(ステップS2)。その後に、ユーザは水道栓63の開閉栓を開く(ステップS3)。すると、給水ホース50を通して貯水タンク22に水道水が供給され始め、貯水タンク22内に溜まってゆく。貯水タンク22内の水位が上昇するに従い、タンク満水センサ26の球状体250も浮上してゆき、満水水位L3に達するとタンク満水センサ26が応答する(ステップS4でYES)。制御部30はタンク満水センサ26の応答を受けて給水ポンプ24を作動させる(ステップS5)。これにより、給水ポンプ24は貯水タンク22内の貯留水を上記出水パイプ228と吸入パイプ248との連結部を介して吸引し、給水直立管251を通して給水口29まで押し上げて洗浄庫3内に溜める。
上述したように標準的には、給水ポンプ24による吸引速度は貯水タンク22に水道水が流入する速度よりも大きいため、貯水タンク22への注水は継続されていても貯水タンク22内の水位は徐々に低下してゆく。一方、洗浄庫3内の水位は徐々に上がってゆき、庫内水位センサ20はこの水位を監視している。そして、制御部30は庫内水位センサ20による検知信号により洗浄庫3内の水位が所定の洗浄水位L1に到達したことを検知すると(ステップS6でYES)、給水ポンプ24の動作を停止する(ステップS7)。これにより、洗浄庫3内の水位上昇は停止する。この時点で貯水タンク22内の水位は満水水位L3よりも低下しているが、給水ポンプ24が停止したことによって再び貯水タンク22内の水位は上昇し始める。そして、満水水位L3に達するとタンク満水センサ26が再び応答する(ステップS8でYES)から、このときには制御部30は満水報知を行う(ステップS9)。具体的には、満水報知として定められたブザー音を出すようにブザー7cを駆動し、表示部7bの運転モニタ表示部76における注水/満水表示ランプを点灯させる。
満水報知に気付いたユーザは、水道栓63の開閉栓を閉めることで水を止める(ステップS10)。これによって、貯水タンク22内への注水は止まり、水位の上昇は停止する。なお、ステップS9の満水報知後にユーザがすぐに水道栓63を閉栓しなかった場合には、図12中に点線で示すように、貯水タンク22内の水位が溢水水位L2を越えた段階で、溢水パイプ225及び溢水ホース52を通して貯水タンク22内の水が機外へと排出され始める(ステップS13)。したがって、溢水ホース52が適切に配設されていれば、貯水タンク22内の水位は溢水水位L2より上がることはない。ユーザは水道栓63の開閉栓を閉めた後、運転を開始させるべくスタートキー72を押す(ステップS11)。制御部30はこの操作を受けて通常の運転を開始する。
一方、上記のような電源オフ状態からユーザが電源スイッチ71を押さないで、つまり電源オフ状態にまま水道栓63を開栓した場合を考える。ユーザが水道栓63を開栓すると(ステップS21)、給水ホース50を通して貯水タンク22に水道水が供給され始め貯水タンク22内に溜まってゆく。電源オフ状態であっても動作している制御部30はこの給水の開始を検知することはできないが、常にタンク満水センサ26が応答したか否かを監視している(ステップS22)。そのため、貯水タンク22内の水位が上昇して満水水位L3に達しタンク満水センサ26が応答すると(ステップS22でYES)、これを認識して上記ステップS9と同様に満水報知を実行する(ステップS23)。したがって、ユーザがこの満水報知に気付いて水道栓63を閉栓することで水を止めれば(ステップS24)、貯水タンク22内の水位上昇は停止する。一方、閉栓が遅れれば溢水ホース52を通した水の流出が起こることは上述の通りである。そして、その後には電源スイッチ71が押されるまでその状態で待機する(ステップS25)。
この場合、つまり電源オンすること無しに貯水タンク22への注水が実行された場合には、電源オン時とは異なり給水ポンプ24は作動しないので、洗浄庫3内へは水が供給されない。したがって、電源オン状態での給水では、洗浄庫3内に洗浄水位L1までの水が溜められるとともに貯水タンク22内に満水水位L3までの水が溜められる。他方、電源オフ状態での給水では、貯水タンク22内にのみ満水水位L3までの水が溜められる。この実施例では、貯水タンク22の満水水位L3の水量は約6リットル、洗浄庫3内の洗浄水位の水量は約3リットルであるから、電源オン時には全体で約9リットルの水が貯留され、電源オフ時には全体で6リットルの水が貯留されることになる。
なお、ステップS9又はS23で満水報知がなされた後に水道栓63が開かれたままであると、上述のように溢水水位L2以上の水は溢水パイプ225及び溢水ホース52を通して機外に排出される筈であるが、溢水ホース52が適切に配設されていない、或いは溢水パイプ225が詰まって排水が適切に行われない等の不具合がある場合には、貯水タンク22が満杯になると、水は給水ポンプ24のポンプ室245からさらに給水直立管251内を上昇して洗浄庫3内に入って溜まってゆく。そして、洗浄庫3内の水位が上昇して洗浄水位L1よりも高い位置に設定された異常水位に到達すると、庫内水位センサ20がこれを検知して制御部30は排水ポンプ132を作動させる。それにより、洗浄庫3内から水が機外に排出され始め、異常水位以上に洗浄庫3内の水位が上昇することを防止できる。これにより、完全には水封されていない下部ドア5の隙間等から水が機外に大量に溢れ出ることを防止することができる。
上記説明の動作に関して、制御部30を中心とする本食器洗い機1の動作を図14〜図19に従ってより詳細に説明する。まず、本食器洗い機1の電源コードが商用交流電源コンセントから抜かれている状況を初期状態として考える。即ち、上記の電源オフ状態ではなく、本機に全く電力が供給されていない状態である。このときには、当然のことながら制御部30を含めて全ての動作が停止している。この状態からユーザが電源コードを商用交流電源コンセントに挿入すると、制御部30には駆動電力が供給され、初期設定が実行される(ステップS30)。初期設定では標準コースが設定される。
次に、制御部30は電源スイッチ71の操作により電源が投入されたか、或いは逆に電源が遮断されたかを判定し(ステップS32)、電源オフ状態である場合には、図15に示すように、表示部7bの表示ランプを全て消灯する処理を実行し(ステップS52)、その後、タンク満水センサ26が応答しているか否かを判定する(ステップS54)。タンク満水センサ26が応答している場合には、上述したように電源オフ状態でユーザが水道栓63を開栓して貯水タンク22への注水を実行したという状況を想定することができる。そこで、制御部30は表示部7bの表示及びブザー7cの鳴動により貯水タンク22が満水であることを知らせる満水報知を行い(ステップS56)、次に庫内水位センサ20の検知信号に基づいて洗浄庫3内の水位が異常水位であるか否かを判定する(ステップS58)。
上述したように満水報知後も水道栓63が閉栓されず、しかも溢水ホース52を通しての水の排出も適切に行えない場合には、洗浄庫3内に水が溜まっていって異常水位に達する。そこで、ステップS58で異常水位であると判定された場合には、負荷駆動部32を介して排水ポンプ132を作動させ洗浄庫3からの排水を実行するとともに(ステップS60)、表示部7bの表示及びブザー7cの鳴動により異常水位であることを報知して(ステップS62)ステップS58へ戻る。次にステップS58で異常水位でないと判定された場合、或いは排水ポンプ132の作動後に異常水位が解消された場合には、排水ポンプ132の動作を停止して(ステップS64)ステップS32へ戻る。一方、ステップS54でタンク満水センサ26が応答していない場合にも、そのままステップS32へと戻る。
ステップS32で電源スイッチ71がオンされたと判定されると、制御部30は初期設定により設定された標準コースに代えて前回電源オフされたときのコースを設定する(ステップS34)。例えば、前回、少量コースの運転が実行されて電源が遮断された場合には、ステップS34で少量コースが設定される。次いで、タンク満水報知がなされている場合にはこれを停止し(ステップS36)、タンクラッチスイッチ281がオンしているか否かを判定する(ステップS38)。タンクラッチスイッチ281がオフしている場合には貯水タンク22がタンク受け枠体2aに適切に収納されていないと判断できるから、表示部7bの表示及びブザー7cの鳴動により貯水タンク22の収納エラーを報知する(ステップS50)。
ステップS38でタンクラッチスイッチ281がオンしている場合には貯水タンク22はタンク受け枠体2aに適切に収納されているから、次にタンク満水センサ26が応答しているか否かを判定する(ステップS40)。例えば貯水タンク22内が空である場合にはタンク満水センサ26が応答していないから、制御部30はコース選択キー73の操作によりコース設定入力がなされたか否かを判定し(ステップS42)、コース入力有りの場合には入力されたコースを設定する(ステップS44)。例えばステップS34で少量コースが設定され、その後、コース選択キー73により標準コースが選択された場合には、ステップS44で少量コースから標準コースに設定が変更される。その後、スタートキー72が押されたか否かを判定し(ステップS46)、押された場合でもこれを受け付けずに、表示部7b及びブザー7cの鳴動により操作無効を報知して(ステップS48)ステップS32へと戻る。
上述したように電源オン状態でユーザが水道栓63を開栓して貯水タンク22への注水を開始すると、貯水タンク22内には水が溜まり始める。但し、満水水位L3に到達するまではステップS40でNOと判定されるから、ステップS32〜S48までの処理を繰り返し、その間にユーザがスタートキー72を押してもその操作は受け付けられず運転は開始されない。そして、貯水タンク22内の水位が上昇して満水水位L3に到達すると、タンク満水センサ26が応答してステップS40から図16に示すステップS66へと進み、その時点で設定されているコースが少量コースであるか否かを判定する。
ここで、各コースの内容について簡単に説明する。標準コースは全部で9リットルの水を使用して、洗剤水を用いた洗い1回、洗剤を含まない通常の水を用いたすすぎ(後述する加熱すすぎを含む)3回の運転を行う。少量コースは標準コースよりも少ない全部で6リットルの水を使用して、洗い1回、すすぎ(加熱すすぎを含む)2回の運転を行う。スピーディーコースは、標準コースと同様に全部で9リットルの水を使用するが、時間を節約するために、少量コースと同様に洗い1回、すすぎ(加熱すすぎを含む)2回の運転を行う。この場合、すすぎ回数が少ない分だけ、標準コースよりもすすぎ時の水量を増加させる。
ステップS66で少量コースであると判定された場合には、上述のようにもともと使用水量が少ないため、洗浄庫3内に給水を行う前に貯水タンク22への注水を停止させる。そのために、制御部30はすぐに表示部7bの表示及びブザー7cの鳴動により貯水タンク22が満水であることを報知する(ステップS80)。
一方、少量コース以外のコースである場合、例えば標準コースやスピーディーコースである場合にはステップS66からS68へ進み、負荷駆動部32を介して給水ポンプ24を作動させる。これにより、貯水タンク22内の水が給水ポンプ24により吸引されて洗浄庫3内に供給され始める。その後にスタートキー72が押されたか否かを判定し(ステップS70)、押された場合には上記ステップS48と同様に操作無効報知を実行する(ステップS74)。即ち、この時点でも未だスタートキー72は受け付けない。そして庫内水位センサ20により洗浄庫3内の水位が洗浄水位L1に到達したか否かを判定し(ステップS72)、洗浄水位L1に到達するまではステップS68へ戻る。
なお、給水ポンプ24の動作はドアスイッチ33のオン・オフとは無関係に実行される。つまり、ドア4、5が開放されていても貯水タンク22から洗浄庫3への給水動作は実行される。これにより、ユーザが洗浄庫3内に食器類を収納するためにドア4、5を開いている間でも洗浄庫3内に給水を行い、運転時間が不所望に延びることを避けることができる。
ステップS68〜S72を繰り返す間に洗浄庫3内の水位が洗浄水位L1に到達すると、給水ポンプ24の動作を停止させて(ステップS76)洗浄庫3内への水の供給を停止する。上述したようにこの時点では貯水タンク22内の水位は満水水位L3よりも下がっているから、タンク満水センサ26が応答するまでその状態を維持し(ステップS78)、貯水タンク22への注水に伴って貯水タンク22内の水位が上昇してタンク満水センサ26が応答すると、上記ステップS56と同様に貯水タンク22が満水であることを報知する(ステップS80)。上記の如く、満水の報知によりユーザが水道栓63を閉栓すれば、貯水タンク22への水の注水は停止し、貯水タンク22にはほぼ満水水位L3の水量が貯留された状態となる。
ステップS66〜S80までの処理により、設定されたコースが少量コースである場合には、洗浄庫3内には水は無く貯水タンク22内に満水水位L3近傍までの水が貯留され、少量コース以外の他のコースである場合には、洗浄庫3内に洗浄水位L1までの水が貯留されるとともに貯水タンク22内に満水水位L3近傍までの水が貯留された状態となる。つまり、少量コース以外の場合には、貯水タンク22内には約6リットルの水が貯留され、洗浄庫3内には約3リットルの水が貯留され、合計で9リットルの水が貯留された状態になる。一方、少量コースである場合には、貯水タンク22内に約6リットルの水だけが貯留された状態になる。但し、これはステップS40でタンク満水センサ26が応答する以前に少量コースの設定が為された場合であって、仮に給水ポンプ24が作動し始めてからユーザがコース選択キー73で少量コースを選択したとしても、給水は停止されず、標準コース等の他のコースと同等の水量の水が洗浄庫3内に貯留されることになる。
通常、ステップS80における満水報知によりユーザは満水であることに気付き水道栓63を閉栓し、引き続いてスタートキー72を押して運転を開始させる。制御部30はスタートキー72が押されたか否かを判定し(ステップS82)、押された場合にはドアスイッチ33の検知信号によりドア4、5が閉鎖されているか否かを判定する(ステップS84)。ドア4、5が閉鎖されている場合には満水報知を停止する(ステップS86)。そして、設定されているコースが少量コースである場合には(ステップS88でYES)、ここで給水ポンプ24を作動させて貯水タンク22内の貯留水を吸引して洗浄庫3内に供給する(ステップS90)。ステップS84でドア4、5が閉鎖されていないと判定されたときにはドア4、5が開放していることを知らせる報知を行い(ステップS92)、ステップS82へ戻る。
ステップS82でスタートキー72が押されていないと判定されると、図17に示すように、庫内水位センサ20の検知信号に基づいて洗浄庫3内の水位が異常水位であるか否かを判定する(ステップS94)。これは、スタートキー72が押されない場合には水道栓63も閉栓されていない可能性が高く、洗浄庫3内が異常水位になる可能性がより高いためである。ステップS94で異常水位であると判定された場合には、速やかに排水ポンプ132を作動させるとともに(ステップS96)、表示部7bの表示及びブザー7cの鳴動により異常水位であることを報知して(ステップS98)ステップS94へ戻る。一方、異常水位でない或いは排水ポンプ132の作動後に異常水位が解消された場合には、排水ポンプ132を停止して(ステップS100)ステップS82へ戻る。
ステップS88で少量コースでないと判定されたとき、及び少量コースであってステップS90で洗浄庫3への給水が実行された後には、図18に示すように、設定されたコースの運転プログラムに従って洗い運転及びすすぎ運転を実行する(ステップS102)。即ち、洗浄ポンプ131を作動させて洗浄庫3底部に溜まった水を吸引し、水噴射穴10から食器類に向けて水を噴射する。
この運転中に制御部30は、運転に異常が無いか否かを繰り返し確認する。即ち、まず制御部30は庫内水位センサ20により洗浄庫3内の水位が異常水位であるか否かを判定し(ステップS104)、異常水位でなければ、次にタンクラッチスイッチ281がオンしているか否かを判定する(ステップS106)。貯水タンク22が適切に収納されていてタンクラッチスイッチ281がオンしている場合には、次に給水異常が生じているか否かを判定する(ステップS108)。例えば給水ポンプ24を作動させた状態であるときに、洗浄庫3内の水位が所定時間内に所定以上上昇しない場合に給水異常であると判断する。
ステップS108で給水異常も生じていないと判定されると、運転プログラムに従った所定の洗い及びすすぎ運転が終了したか否かを判定する(ステップS110)。最終のすすぎ運転は高温の水を使用した加熱すすぎであるが、それが終了した場合には、次に残水処理動作を実行する(ステップS111)。すすぎ運転が終了した時点では、基本的に、貯水タンク22内の水は全て使用されて残っていない筈であるが、例えばユーザが運転途中で水を追加供給したような場合には、すすぎ運転終了時点で貯水タンク22内に水が残っている可能性がある。そこで、残水処理動作として、給水ポンプ24及び排水ポンプ132をともに所定時間だけ動作させることにより、仮に貯水タンク22内に水が残っている場合でも、この水を一旦洗浄庫3内に上げてそれから機外へと排出することで貯水タンク22内を空にすることができる。なお、残水処理において一旦洗浄庫3内に給水を行うことにより食器類に給水時の水しぶきが掛かる恐れがあるが、残水処理動作を乾燥運転後でなくすすぎ運転終了後に実行しているため、もし水しぶきが掛かったとしても次の乾燥運転で食器類を乾燥させることができ、乾燥運転による食器類の乾燥仕上がりに影響を与えないようにすることができる。
上記残水処理動作の後には、運転プログラムに従った所定の乾燥運転を実行し(ステップS112)、乾燥運転が終了すると所定の運転終了動作を実行し(ステップS113)、運転終了を報知して(ステップS114)ステップS32へと戻る。なお、運転終了後にはオートパワーオフ回路が作動し、電源スイッチ71を押すことによる電源オフ操作がなされなくても、所定時間が経過すると自動的に電源オフ動作を実行する。但し、上述したように電源オフ状態でも制御部30には駆動電流が供給され、実質的な動作状態にある。
ステップS108で給水異常であると判定された場合には、制御部30は一時的に運転を中断し(ステップS116)、表示部7b及びブザー7cの鳴動により給水異常報知を実行する(S118)。そして、タンク満水センサ26が応答しているか否かを判定し(ステップS120)、応答がない場合にはステップS118へ戻る。例えば何らかの理由で貯水タンク22内の水が不足した結果、給水異常が発生した場合、給水異常報知によってユーザが気付いて貯水タンク22内に水を補給すれば貯水タンク22内の水位は上昇して満水水位L3に達する。そうした場合には、ステップS120からS122へと進んで、制御部30は給水ポンプ24を作動させ、庫内水位センサ20により洗浄庫3内の水位が洗浄水位L1に到達したか否かを判定する(ステップS124)。そして、洗浄水位L1に達したならば給水ポンプ24を停止させ(ステップS126)、ユーザによりスタートキー71が押されるまで待機する(ステップS128)。即ち、ここでも運転再開が可能な状態になっても自動的に運転を再開するのではなくユーザによるスタートキー71の操作を待つことにより、ユーザに水道栓63を閉栓するという操作を促すことができる。
ステップS106でタンクラッチスイッチ281がオンしていないと判定された場合には、ユーザが途中で貯水タンク22を引き出そうとした状況が想定される。この場合には、図19に示すように、制御部30は一時的に運転を中断し(ステップS130)、表示部7b及びブザー7cの鳴動により貯水タンク22の収納エラーを報知する(ステップS132)。その後、タンクラッチスイッチ281がオンしたか否かを繰り返し判定し(ステップS134)、オンした時点で運転を自動的に再開して(ステップS136)ステップS102へと戻る。この場合には、水道栓63の開閉とは無関係であるので、スタートキー71の操作に依らずに自動的に運転を再開する。
ステップS104で庫内異常水位であると判定された場合には、やはり制御部30は一時的に運転を中断し(ステップS138)、排水ポンプ132を作動させることで洗浄庫3内の貯留水を機外に排出し始める(ステップS140)。その後、庫内水位センサ20により異常水位であるか否かを判定し(ステップS142)、もし異常水位が解消されていれば排水ポンプ132を停止して(ステップS146)、自動的に運転を再開する(ステップS136)。ステップS142で異常水位が未だ解消されていなければ排水異常報知を実行しつつ(ステップS144)ステップS140に戻って排水を継続して試みる
以上説明したように、本実施例の食器洗い機では、運転の開始に先立って貯水タンク22内に貯留された水を使用して、洗浄庫3内に収容された食器類を良好に洗浄することができる。また、設定されたコースによって、具体的にはより少ない水で運転を行う少量コースとそれ以外のコースとで、それぞれ適切な制御を実行することができる。
なお、本実施例の食器洗い機では、何らかの理由で貯水タンク22内に残水がある場合に、乾燥コースを実行することにより、この水を強制的に機外に排出することができる。もちろん、乾燥コースとは別に、貯水タンク22内の水を強制的に機外に排出するための強制排水コースを指定するキーを追加して設けてもよい。強制排水コースでは、上記残水処理動作と同様に、給水ポンプ24と排水ポンプ132とを所定時間動作させればよい。
次に本発明の他の実施例による食器洗い機を図20〜図22により説明する。図20はこの食器洗い機の側面縦断面図、図21は本食器洗い機の設置状態の一例を示す斜視図、図22はこの食器洗い機における貯水タンクと給水ポンプとが接続された状態でのその両者の上面平面図である。
上記食器洗い機との相違点は、外部から貯水タンク22への給水箇所と貯水タンク22内の満水水位の検知のためのタンク満水センサ26の構造である。即ち、この食器洗い機では、図20、図22に示すように、上記実施例においてタンク満水センサを構成していた分岐管路が給水配管40となっており、給水配管40は給水ポンプ24の側方を通って筐体2の背面後方まで延出されている。したがって、図21に示すように、水道栓63の蛇口に接続された給水ホース50は筐体2の裏側で給水配管40の端部に接続され、これによって食器洗い機1の周囲のホースの引き回しがすっきりする。
貯水タンク22の後部には後方に突出して貯水タンク22内と連通するフロート室2220bが形成されており、該フロート室220b内には上下動自在に球状体250が内包されている。一方、タンク受け枠体2aには貯水タンク22が収納されたときにフロート室22を挟む位置に、対向して発光部261と受光部262とが固定的に設けられている。これにより、貯水タンク22がタンク受け枠体2aに収納され、上述したように給水ホース50及び給水配管40を経て貯水タンク22内に水が供給されて貯水タンク22内の水位が上昇すると、それに伴いフロート室220b内の球状体250が上昇する。そして、球状体250が発光部261から発せられた光を遮る位置まで上昇すると、受光部262による受光強度が急に下がって貯水タンク22が満水になったことが検知される。もちろん、タンク満水センサ26の設置部位はこれに限るものではなく、またその構成も上記記載のものに限るものでもない。
また、上記実施例はいずれも本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜、変形、修正又は追加などを行っても本発明に包含されることは明らかである。
1…食器洗い機
2…筐体
2a…タンク受け枠体
3…洗浄庫
4…上部ドア
5…下部ドア
6…ドア開放操作体
7…操作パネル
7a…操作部
7b…表示部
7c…ブザー
71…電源スイッチ
72…スタートキー
73…コース選択キー
74…乾燥設定キー
75…コース表示部
76…運転モニタ表示部
77…乾燥コース表示部
8…食器籠
9…ノズルアーム
10…水噴射穴
11…水溜め部
12…残菜フィルタ
13…洗浄兼排水ポンプ
131…洗浄ポンプ
132…排水ポンプ
14…吸入口
15…循環口
16…吐出口
17…通水路
18…排水口
19…排水ホース
20…庫内水位センサ
21…ヒータ
22…貯水タンク
220…容器部材
220a…底壁面
221…上面部材
222…蓋体
223…給水連結パイプ
224…キャップ
225…溢水パイプ
226…溢水口
227…凹部
228…出水パイプ
229…Oリング
23、27…開閉弁
230、270…ばね保持部
231、271…可動体
231a、271a…押圧部
232、272…パッキン
233、273…コイルばね
24…給水ポンプ
240…ポンプモータ
241…モータ軸
242…インペラ
243…上部ケーシング
243a…壁部
243b…切れ目
244…下部ケーシング
245…ポンプ室
245a…送出室
246…吸込口
247…吸入管部
248…吸入パイプ
249…分岐パイプ
250…球状体
251…給水直立管
26…タンク満水センサ
261…発光部
262…受光部
28…タンクラッチ機構
281…タンクラッチスイッチ
282…ラッチボタン
29…給水口
30…制御部
31…インバータ駆動部
32…負荷駆動部
33…ドアスイッチ
50…給水ホース
51…分岐給水器具
52…溢水ホース
63…水道栓
L1…洗浄水位
L2…溢水水位
L3…満水水位
2…筐体
2a…タンク受け枠体
3…洗浄庫
4…上部ドア
5…下部ドア
6…ドア開放操作体
7…操作パネル
7a…操作部
7b…表示部
7c…ブザー
71…電源スイッチ
72…スタートキー
73…コース選択キー
74…乾燥設定キー
75…コース表示部
76…運転モニタ表示部
77…乾燥コース表示部
8…食器籠
9…ノズルアーム
10…水噴射穴
11…水溜め部
12…残菜フィルタ
13…洗浄兼排水ポンプ
131…洗浄ポンプ
132…排水ポンプ
14…吸入口
15…循環口
16…吐出口
17…通水路
18…排水口
19…排水ホース
20…庫内水位センサ
21…ヒータ
22…貯水タンク
220…容器部材
220a…底壁面
221…上面部材
222…蓋体
223…給水連結パイプ
224…キャップ
225…溢水パイプ
226…溢水口
227…凹部
228…出水パイプ
229…Oリング
23、27…開閉弁
230、270…ばね保持部
231、271…可動体
231a、271a…押圧部
232、272…パッキン
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24…給水ポンプ
240…ポンプモータ
241…モータ軸
242…インペラ
243…上部ケーシング
243a…壁部
243b…切れ目
244…下部ケーシング
245…ポンプ室
245a…送出室
246…吸込口
247…吸入管部
248…吸入パイプ
249…分岐パイプ
250…球状体
251…給水直立管
26…タンク満水センサ
261…発光部
262…受光部
28…タンクラッチ機構
281…タンクラッチスイッチ
282…ラッチボタン
29…給水口
30…制御部
31…インバータ駆動部
32…負荷駆動部
33…ドアスイッチ
50…給水ホース
51…分岐給水器具
52…溢水ホース
63…水道栓
L1…洗浄水位
L2…溢水水位
L3…満水水位
Claims (8)
- 食器類が内部に収容された洗浄庫の底部に水を貯留し、その水を吸引して食器類に向けて噴射することで前記食器類を洗浄する食器洗い機において、
前記食器類の洗浄に必要な水を貯留しておくために前記洗浄庫の下方に引き出し自在に設けられた貯水タンクと、該貯水タンクと水平方向に並ぶ位置に設置され、該貯水タンク内の水を吸引して前記洗浄庫へ送給するための給水ポンプと、前記貯水タンクと前記給水ポンプとを連通する導水路とを備え、
前記給水ポンプは、前記貯水タンクから前記導水路を通して吸引した水を前記洗浄庫に向けて送出するポンプ室を有し、そのポンプ室全体が前記貯水タンクの底面の最低部と同一又はそれよりも低い位置に配置されていることを特徴とする食器洗い機。 - 食器類が内部に収容された洗浄庫の底部に水を貯留し、その水を吸引して食器類に向けて噴射することで前記食器類を洗浄する食器洗い機において、
前記食器類の洗浄に必要な水を貯留しておくために前記洗浄庫の下方に引き出し自在に設けられた貯水タンクと、該貯水タンクと水平方向に並ぶ位置に設置され、該貯水タンク内の水を吸引して前記洗浄庫へ送給するための給水ポンプと、前記貯水タンクと前記給水ポンプとを連通する導水路とを備え、
前記給水ポンプは、前記貯水タンクから前記導水路を通して吸引した水を前記洗浄庫に向けて送出するポンプ室を有し、そのポンプ室の底面が前記貯水タンクの底面よりも低い位置に配置されていることを特徴とする食器洗い機。 - 前記ポンプ室は扁平形状であって水平配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の食器洗い機。
- 前記給水ポンプにおいて、前記ポンプ室の上部にモータ軸が鉛直下方に向くようにポンプモータを配置し、該モータ軸の下端に前記ポンプ室内で回転するインペラを取り付けたことを特徴とする請求項3に記載の食器洗い機。
- 前記ポンプ室への水の吸込口は該ポンプ室の底面に設けられる一方、該ポンプ室からの水の吐出口は該ポンプ室の上面に設けられ、前記インペラは、前記ポンプモータによる回転駆動によって該インペラの前方から水を吸引して側方へと送出するものであることを特徴とする請求項4に記載の食器洗い機。
- 前記導水路は前記貯水タンクの引き出し又は押し込みに応じて脱着可能であるように前記貯水タンク及び給水ポンプにそれぞれ設けられた連結流路であり、前記給水ポンプ側の連結流路に前記貯水タンク内の水位を検知するための水位検知手段を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の食器洗い機。
- 前記水位検知手段は、前記給水ポンプ側の連結流路と前記ポンプ室との間の管路から分岐されて略鉛直上方に延在された分岐管路と、該分岐管路内の水位に伴って上下するフロートと、該フロートを挟んで所定の高さに設置された発光部と受光部とを一組とする光センサと、から成ることを特徴とする請求項6に記載の食器洗い機。
- 外部の水道栓から前記貯水タンク内にホースを介して水道水を導入するものであり、前記給水ポンプの給水能力は前記ホースを介した貯水タンクへの注水能力よりも高く設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の食器洗い機。
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- 2005-02-22 JP JP2005046105A patent/JP2006230498A/ja not_active Withdrawn
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2006
- 2006-02-20 CN CN 200610007734 patent/CN1833599A/zh active Pending
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CN108720785A (zh) * | 2018-05-30 | 2018-11-02 | 九阳股份有限公司 | 一种台式洗碗机进水控制方法 |
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