JP2006229203A - 圧粉磁性体コアの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧粉磁性体コアの表面における金属磁性粒子の絶縁性を確保することができる圧粉磁性体コアの製造方法を提供する。
【解決手段】この圧粉磁性体コアの製造方法では、コアとなるべき圧粉成形体15の形成後に、その表面17に露出する金属磁性粒子11(加工過程で生じた略膜状の金属部分19を含む)を、金属磁性粒子11を溶解する薬品(例えば、無機酸)を用いて除去し、これによってコア表面の導通部分によって生じる渦電流を防止する。
【選択図】図1
【解決手段】この圧粉磁性体コアの製造方法では、コアとなるべき圧粉成形体15の形成後に、その表面17に露出する金属磁性粒子11(加工過程で生じた略膜状の金属部分19を含む)を、金属磁性粒子11を溶解する薬品(例えば、無機酸)を用いて除去し、これによってコア表面の導通部分によって生じる渦電流を防止する。
【選択図】図1
Description
本発明は、圧粉磁性体コアの製造方法に関する。
チョッパー型のDC/DCコンバータ等に用いられるリアクトルでは、コアの渦電流損抑制のため、磁性体粉末を用いた技術が提案されている(特許文献1、2参照)。これらの技術では、磁性体粉末を、その粉末中の金属磁性粒子間の絶縁を図りつつ結合することによりコアが形成されるようになっている。
しかしながら、前述のいずれの従来技術においても、磁性体粉末の金型成形時の金型との摩擦や、金型形成後の切削加工等により、成形体であるコアの表面に略膜状の導電部が形成されてしまい、この部分で渦電流が大きくなるという問題がある(その対策についての開示もない)。
すなわち、図3に示すように、コア1の表面3の絶縁性が保持されている理想的な状態では、金属磁性粒子5間が絶縁材7により絶縁されているが、加工中の加工器具等による接触や圧力印加、切削等により、図4に示すように、コア1の表面3の絶縁材7が破壊されるとともに金属磁性粒子5が展延される等して隣接する金属磁性粒子5同士が接触、導通し、これによって略膜状の金属部分9が形成されてしまう。このような金属部分9の形成は、切削加工による切削面で顕著に生じるが、磁性体粉末の金型成型時にも生じている。また、このような金属部分9の形成はコア1の表面が軟らかいほど生じやすくなり、例えば、金属磁性粒子5として軟らかく展性の高いものを使用した場合にその形成の度合いが大きくなる。
このようにコア1の表面3で金属磁性粒子の導通が生じた場合、導通のない場合に比して、磁気損失が約6倍程度に増加することが分かっている。
そこで、本発明の解決すべき課題は、圧粉磁性体コアの表面における金属磁性粒子の絶縁性を確保することができる圧粉磁性体コアの製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、材料として金属磁性粒子を含む磁性体粉末を、前記金属性粒子間の絶縁を確保しつつ結合して圧粉磁性体コアを製造する圧粉磁性体コアの製造方法であって、前記磁性体粉末を用いて圧粉成形体を形成する工程と、前記圧粉成形体の表面の金属を除去する工程とを備える。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る圧粉磁性体コアの製造方法において、前記金属の除去は、前記金属を溶解する薬品を用いて行う。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係る圧粉磁性体コアの製造方法において、前記薬品として無機酸を用いる。
請求項1に記載の発明によれば、コアとなるべき圧粉成形体の形成後に、その表面の金属を除去するため、圧粉成形体の形成過程において加工器具等による摩擦や押圧等により成形体の表面に生じた略膜状の金属部分を除去することができ、圧粉磁性体コアの表面における金属磁性粒子の絶縁性を確保することができ、その結果、圧粉磁性体コアの渦電流損を低減できる。
請求項2に記載の発明によれば、圧粉成形体の表面の金属の除去をその金属を溶解する薬品を用いて行うため、金属の除去を容易かつ確実に行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、無機酸は圧粉磁性体によく使用されるFe又はFe合金等を溶解することができるため、形成体表面の金属をきれいに除去できるとともに、汎用性が高い。
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る圧粉磁性体コアの製造方法について説明する。この製造方法は、
(a) 圧粉成形体形成工程と、
(b) 表面金属除去工程と、
を備えている。
(a) 圧粉成形体形成工程と、
(b) 表面金属除去工程と、
を備えている。
圧粉成形体形成工程では、図1に示すように、材料として金属磁性粒子11を含む磁性体粉末を、好ましくはそのような金属磁性粒子11として、図2に示すように、個々の金属磁性粒子11表面に絶縁被膜14を施した複合磁性粒子12を用いて、金属磁性粒子11間の絶縁を確保しつつ絶縁材13により結合して圧粉成形体15を形成する。具体的には、粉末状の圧粉磁性体材料を金型内に充填し、プレス成形により押し固めた後、加熱処理を行い、続いて必要に応じて切削加工が行われる。ここで、金属磁性粒子11の材料としては、主としてFe又はFe合金が使用されている。
この加工過程の金型や切削工具等による摩擦や押圧等により、前述のように、圧粉成形体15の表面17では、表面17の絶縁材13や絶縁被膜14が破壊され、隣接する金属磁性粒子11同士が接触、導通し、これによって略膜状の金属部分19が形成されてしまう。
続く表面金属除去工程では、前工程で形成された圧粉成形体15の表面17に露出する金属磁性粒子11(金属部分19を含む)を除去する。その具体例としては、金属磁性粒子11を溶解する薬品を用いて金属磁性粒子11を溶解させて除去する。具体的な処理方法としては、圧粉成形体15を薬品が満たされた処理槽内に浸す方法、あるいは圧粉成形体15の表面17に薬品を塗布する方法等が採用可能である。薬品処理後は、洗浄処理等が行われる。
使用する薬品の種類は、磁性体粉末に使用する金属磁性粒子11及び絶縁材13の材料種別との関係により決定される。すなわち、金属磁性粒子11および金属部分19が優先的に溶解し、絶縁材13や絶縁被膜14は溶解しない薬品、もしくは金属磁性粒子11や金属部分19に比べて絶縁材13や絶縁被膜14の溶解が遅い薬品を使用する必要がある。
具体的な薬品としては無機酸が用いられる。本実施形態では、金属磁性粒子11の材料としては主としてFe又はFe合金が使用されるため、Feを溶解する酸であれば、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等の通常の無機酸でよい。好ましくは、濃塩酸を用いるとよい。ここで、薬品に濃塩酸を用いる場合、絶縁材13や絶縁被膜14の材料としては、濃塩酸に対して溶解し難い有機物等を採用するのが好ましい組み合わせである。この組み合わせの場合、濃塩酸が表面17に露出する金属磁性粒子11(金属部分19を含む)を溶解した後、絶縁材13には反応せず、反応が終了する。また、酸化物、硫化物、窒化物等の酸に溶解しやすいものは、絶縁材13の材料として不向きである。また、絶縁材13の材料としては、耐熱性が高いものを使用するのが好ましい。
以上のように、本実施形態によれば、コアとなるべき圧粉成形体15の形成後に、その表面17に露出する金属磁性粒子11(略膜状の金属部分19を含む)を除去するため、圧粉成形体15の形成過程において加工器具等による摩擦や押圧等により成形体15の表面17に生じた略膜状の金属部分19を除去することができ、圧粉磁性体コアの表面における金属磁性粒子11の絶縁性を確保することができ、その結果、圧粉磁性体コアの渦電流損を低減できる。この効果は、圧粉成形体15の金型成形時の表面劣化(加工により表面の金属磁性粒子11が展延し、電気的に短絡する)に対しても有効であるが、表面劣化の度合いが大きい切削加工を行った場合に特に有効である。また、金属磁性粒子11としてとして軟らかく展性の高いもの(例えば、Fe−Si合金、Fe−Al合金等の添加物の割合により展性の高いもの)を使用した場合にも、顕著な効果が得られる。
また、圧粉成形体15の表面17の金属除去をその金属を溶解する薬品を用いて行うため、金属除去を容易かつ確実に行うことができる。
また、薬品として無機酸(好ましくは、濃塩酸)を用いることにより、圧粉成形体15の表面17の金属をきれいに除去することができる。
なお、本実施形態では、圧粉成形体15の表面の金属除去を薬品を用いて行うようにしたが、表面の金属のみを効率よく除去できればこの方法限らず種々の方法を採用することができる。
11 金属磁性粒子
12 複合磁性粒子
13 絶縁材
14 絶縁被膜
15 圧粉成形体
17 表面
19 金属部分
12 複合磁性粒子
13 絶縁材
14 絶縁被膜
15 圧粉成形体
17 表面
19 金属部分
Claims (3)
- 材料として金属磁性粒子を含む磁性体粉末を、前記金属性粒子間の絶縁を確保しつつ結合して圧粉磁性体コアを製造する圧粉磁性体コアの製造方法であって、
前記磁性体粉末を用いて圧粉成形体を形成する工程と、
前記圧粉成形体の表面の金属を除去する工程と、
を備えることを特徴とする圧粉磁性体コアの製造方法。 - 請求項1に記載の圧粉磁性体コアの製造方法において、
前記金属の除去は、前記金属を溶解する薬品を用いて行うことを特徴とする圧粉磁性体コアの製造方法。 - 請求項2に記載の圧粉磁性体コアの製造方法において、
前記薬品として無機酸を用いることを特徴とする圧粉磁性体コアの製造方法。
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2006
- 2006-01-10 JP JP2006002403A patent/JP2006229203A/ja active Pending
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