JP2006228808A - 基板搬送装置、基板搬送方法及び半導体製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基板周囲の雰囲気を清浄に保ったまま搬送するに際しての空調エネルギーの削減を図ることが可能な技術を提供する。
【解決手段】 基板Wに対して所定の処理を行う複数の処理装置10の配置位置に沿うように搬送経路が構成され、基板Wを、各処理装置10それぞれに対応した受け渡し準備位置P1に間欠搬送するコンベア30を備え、コンベア30には、基板Wを気密に収納する基板収納容器50が着脱自在に装着され、基板Wを基板収納容器50に収納した状態で受け渡し準備位置P2に搬送する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、半導体ウエハ等の基板を搬送する基板搬送装置、基板搬送方法及び基板搬送装置を備えた半導体製造装置に関するものである。
半導体製造においては、半導体ウエハ(以下、ウエハという)に対して所定の処理を行う例えばリソグラフィ装置や成膜装置などの複数の処理装置の間でウエハを移動し、各処理装置で処理を施すことにより製造が進む。このような半導体製造システムにおいては、ウエハをクリーン環境内で搬送することが要求されており、従来は、ウエハを搬送するコンベア全体を、FFU(ファンフィルタユニット)などによって高い清浄度に維持された空間内に設置するようにしていた(非特許文献1参照)。
電子ジャーナル 第66回テクニカルシンポジウム 2003/12/11 予稿集 Page.47〜59「次世代300mm Fab枚葉搬送システム」/ 株式会社 ダイフク
上記従来のシステムでは、コンベア上にウエハがむき出しで載せられた状態で搬送されているため、コンベア全体を高い清浄度に維持された空間内に配置しなければならない。したがって、清浄度を保持すべき空間が広く、大きな空調エネルギーを必要としていた。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、基板周囲の雰囲気を清浄に保ったまま搬送するに際しての空調エネルギーの削減を図ることが可能な基板搬送装置、基板搬送方法及び半導体製造装置を提供することを目的とする。
本発明に係る基板搬送装置は、基板に対して所定の処理を行う複数の処理装置の配置位置に沿うように搬送経路が構成され、基板を、各処理装置それぞれに対応した受け渡し準備位置に間欠搬送するコンベアを備え、コンベアには、基板を気密に収納する基板収納容器が着脱自在に装着され、基板を基板収納容器に収納した状態で受け渡し準備位置に搬送するものである。
これにより、基板周囲の雰囲気を清浄に保ったまま搬送するにあたり、従来のようにコンベア全体をクリーン環境下に配置する必要がないため、エネルギー削減が可能となる。
また、本発明に係る基板搬送装置は、基板収納容器に気密に接続され、基板収納容器内を清浄化する清浄化手段を備えたものである。
これにより、基板収納容器内の雰囲気を清浄に保つことが可能となる。
また、本発明に係る基板搬送装置は、清浄化手段が、基板収納容器が受け渡し準備位置に停止しているときに基板収納容器内の清浄化を行うものである。
このように、基板収納容器内の清浄化は、基板収納容器が受け渡し準備位置に停止しているときに行うことができる。
また、本発明に係る基板搬送装置は、基板収納容器内の基板を処理装置に受け渡す受け渡し装置を有し、コンベアは、コンベア上の基板収納容器をコンベアの搬送方向と直交する方向に移動可能な移動機構を有し、移動機構は、受け渡し準備位置に停止した基板収納容器を受け渡し装置側に移動させて受け渡し位置に停止させ、清浄化手段は、基板収納容器が受け渡し位置に停止しているときに基板収納容器内の清浄化を行うものである。
このように、基板収納容器内の清浄化は、基板収納容器が受け渡し位置に停止しているときに行うことができる。
また、本発明に係る基板搬送装置において、清浄化手段は、基板収納容器が受け渡し位置に停止した後、基板収納容器から基板を取り出すべく容器扉が開放されるまでの間に基板収納容器内の清浄化を行うものである。
これにより、基板収納容器内の雰囲気の清浄度が高められた後に受け渡し装置へと基板が受け渡されることになる。よって、受け渡し装置内に比べて基板収納容器内の清浄度が低い場合でも、容器扉が開かれて基板収納容器の空間と受け渡し装置内の空間が連通した際に、受け渡し装置側のクリーン環境に悪影響を与えることがない。
また本発明に係る基板搬送装置において、清浄化手段は、基板の取出し、収納に伴う容器扉の開閉が行われた後に基板収納容器内の清浄化を行うものである。
これにより、装置側環境あるいは収納基板がエッチングガスなどの残渣に汚染されている場合などに、収納容器内環境あるいは基板表面をすぐさま清浄化でき、この状態で保管することにより基板への悪影響を防ぐことが可能である。
また、本発明に係る基板搬送装置は、清浄化手段が、上下方向に移動自在に設けられ、基板収納容器側に移動して接続され、基板収納容器内の清浄化を行うものである。
このように、清浄化手段としては上下方向の移動によって基板収納容器に接続される構成のものを採用できる。
また、本発明に係る基板搬送装置は、清浄化手段が、各処理装置毎に設けられており、基板収納容器が各処理装置に対応した受け渡し準備位置又は受け渡し位置に停止する度に基板収納容器内の清浄化を行うものである。
これにより、常に基板収納容器内を高い清浄度環境に維持することが可能となる。
また、本発明に係る基板搬送装置は、清浄化手段が、基板収納容器内部を清浄化するための清浄化ガスを基板収納容器に設けられた供給部を介して供給する清浄化ガス供給手段と、基板収納容器内の雰囲気を基板収納容器に設けられた排気部を介して排気するための容器内雰囲気排気手段とから構成されているものである。
このように、清浄化手段としては清浄化ガス供給手段と容器内雰囲気排気手段とによって清浄化を行う手段を採用できる。
また、本発明に係る基板搬送装置は、清浄化ガス供給手段が、有機物、パーティクルを除去し、清浄化されたドライエアーまたは不活性ガスを供給するものである。これにより、清浄化ドライエアーを用いた場合は水分を低減させることができ、不活性ガスを用いた場合は水分、酸素濃度を低減することができる。したがって、基板収納容器内に水分および酸素が存在することによる各種悪影響を防止することができる。また、これに限らず、前記清浄化ドライエアーまたは不活性ガスに適度な湿度(例えば40から50%)を与えても良い。これにより静電気が防止され、基板上の素子の破壊、パーティクル汚染の付着を防止しつつ、保管環境中のパーティクル汚染および有機ガスの悪影響を除去でき、また不活性ガスを用いた場合は、さらに酸素の悪影響も除去することが可能である。
また、本発明に係る基板搬送方法は、上記の何れかの基板搬送装置によって基板搬送容器内の基板を処理装置へと搬送するものである。
これにより、空調エネルギーを削減しながらも基板周囲の雰囲気を清浄に保ったまま基板を搬送することが可能となる。
また、本発明に係る半導体製造装置は、上記の何れかの基板搬送装置と、複数の処理装置とを備えたものである。
これにより、基板周囲の雰囲気を清浄に保つための空調エネルギーを削減することが可能で、引いては製造コストの低減が可能な半導体製造装置を得ることができる。
また、清浄化手段によって基板周囲の雰囲気を高い清浄度に維持できるため、基板収納容器内の清浄度が低いことによる基板に対する各種悪影響を防止でき、精度の高いデバイスを製造することが可能となる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板搬送装置を含む半導体製造装置の全体構成を示す平面図である。
半導体製造装置1は、基板(ウエハ)に対して所定の処理を行う複数の処理装置10と、処理装置10に基板を搬送する基板搬送装置20とを備えている。基板搬送装置20は、基板収納容器50を搬送するコンベア30と、複数の受け渡し装置40とから構成されている。コンベア30は、複数の処理装置10の配置位置に沿うように搬送経路が構成され、また、間欠駆動可能に構成されており、基板収納容器50を各処理装置10のそれぞれ対応した各受け渡し準備位置に間欠搬送する。受け渡し装置40は、各処理装置10とコンベア30との間にそれぞれ設けられており、受け渡し準備位置に停止した基板収納容器50内から基板を取り出して処理装置10へと搬送するものである。
図2は、1つの処理装置と受け渡し装置とコンベアの一部を示す図である。図3は、図2のA−A概略断面図である。
コンベア30と基板収納容器50とは、着脱自在に装着されており、その装着部分には基板収納容器50をコンベア30の搬送方向と直交する方向に搬送する移動機構60が設けられている。この移動機構60は、受け渡し準備位置P1に停止した基板収納容器50を受け渡し装置40側に移動させて図2中の点線で示す受け渡し位置P2に停止させ、基板Wの受け渡しに備えて受け渡し装置40の外壁41に押圧させる動作を行う。
受け渡し位置P2に停止した基板収納容器50の下方には、基板収納容器50内部を清浄化するための清浄化手段70が、シリンダ等によって上下方向に移動自在に設けられている。清浄化手段70は、基板収納容器50内を清浄化するための清浄化ガスを供給ノズル71aから基板収納容器50内に供給する清浄化ガス供給手段71と、基板収納容器50内から排気される雰囲気を排気ノズル72aで受け入れて外部へ排気する容器内雰囲気排気手段72とから構成されている。清浄化ガス供給手段71によって供給される清浄化ガスは、本例では、有機物、パーティクルを除去し、清浄化されたドライエアーまたは不活性ガスを用いている。
かかる構成の清浄化手段70は、基板収納容器50が受け渡し位置P2に停止した際、供給ノズル71aが上方向に移動して基板収納容器50に接続され、清浄化されたドライエアーまたは不活性ガスを供給するとともに、この清浄化ガス供給による容器本体51内の圧力上昇によって容器本体51から排気される雰囲気を排気ノズル72aで受け入れ、基板収納容器50外部に排気することで基板収納容器50内の清浄化を行う。清浄化手段70は、各処理装置10毎に設けられている。
基板収納容器50は、基板Wを気密に収納する容器であり、基板Wの収納空間を形成する容器本体51と、容器本体51の前面開口部42を開閉可能に密封する容器扉52と、容器扉52と一体的に形成され、容器本体51内部方向に延びるように構成されたほぼU字型の基板保持アーム53とを備えている。容器扉52と基板保持アーム53とによりアーム付扉が構成されている。基板収納容器50内はクリーン度の高い環境となっており、容器扉52開閉時などにおいて基板Wが外部環境の雰囲気によって汚染されることがないように、容器本体51における容器扉52との接触部には、基板収納容器50内部を気密に密閉するための例えばパッキンなどのシール部材54が周設されている。また、基板収納容器50の容器本体51には、基板収納容器50内の清浄化を行う際に清浄化ガス供給手段71及び容器内雰囲気排気手段72が接続(挿入)される供給部55と排気部56とが設けられている。
図4〜図6を用いて供給部及び排気部について詳しく説明する。図4は、図2のB−B断面図で、特に、基板収納容器がP2に位置しているときの断面図を示している。また、図5は、供給部に供給ノズルが接続された状態を示す図である。図6は、排気部に排気ノズルが接続された状態を示す図である。
供給部55は、容器本体51に貫通形成された供給孔55aと、供給孔55aを容器本体51の内部側から気密に閉塞する開閉蓋55bと、供給孔55aの容器本体51外面側の内周に配置されたOリングなどのシール部材55cとを備えている。シール部材55cは、清浄化ガス供給時に供給孔55aに挿入される供給ノズル71aと供給孔55aとの密着性を高めるためのもので、このシール部材55cにより、容器本体51内部の気密性を維持しながら供給ノズル71aを供給孔55aに挿入することが可能となっている。この供給部55は、清浄化ガス供給手段71の排気ノズル72aが供給孔55aに挿入されることによって開閉蓋55bが開いて供給流路が開放され、供給ノズル71aが離脱されることによって開閉蓋55bが閉まって供給流路が閉塞するようになっている。
排気部56は、容器本体51に貫通形成された排気孔56aと、排気孔56aを容器本体51外部側から閉塞する複数の通気孔56bを備えた蓋体56cとを備えている。排気孔56aは、容器本体51内部側から順に、小径孔56aaと、小径孔56aaよりもやや径が大きい大径孔56abとが同軸上に形成された構成を成している。大径孔56ab内には、小径孔56aaを気密に閉塞するボール56dとボール56dを小径孔56aa側に付勢するスプリング56eとが配置されている。この排気部56は、通常時はボール56dが小径孔56aaを気密に閉塞して排気流路を遮断しており、清浄化ガス供給時に清浄化ガス供給によって容器本体51内の圧力が上昇すると、ボール56dがスプリング56eの付勢力に抗して蓋体56c側に押し下げられ、これにより排気流路が開放されて容器本体51内の雰囲気が排気孔56a及び通気孔56bを介して排気ノズル72aに排気されるようになっている。ここで、排気ノズル72aにおいて排気部56との接触面にはシール部材72bが設けられており、排気時に排気ノズル72aの先端面が容器本体51の排気部56周壁に気密に密着して外部雰囲気が容器本体51内に進入するのを防止するようになっている。
図2及び図3の説明に戻る。受け渡し装置40は、受け渡し装置40の外壁41に設けられた開口部42を閉塞するポート扉43と、ポート扉43を進退移動させる進退機構44と、ポート扉43を昇降移動させる昇降機構45と、搬送ロボット46とを備えている。搬送ロボット46は、進退移動自在なアーム46aを備えており、ポート扉43が進退機構44及び昇降機構45によって退避して開口部42が開放された後、アーム46aをポート扉43に向けて移動させてアーム先端部46bによって容器扉52を一体保持し、容器扉52を装置40内部に引き入れることにより基板Wを装置40内部に搬送する。
また、受け渡し装置40において、開口部42の周囲の外壁41には例えばパッキンなどのシール部材47が設けられており、基板収納容器50が外壁41に押圧された際に容器本体51の端面と密着し、容器扉52開閉時などにおいて基板収納容器50内の基板Wが外部環境の雰囲気によって汚染されるのを防止するようになっている。また、外壁41の内面側にも同様にシール部材48が設けられており、ポート扉43との密着性が高められポート扉43閉塞時における装置40内のクリーン環境の汚染を防止している。
図7は、搬送動作、基板受渡し動作及び清浄化ガス供給動作に関するタイムチャートである。図8a、図8bは、基板搬送装置の動作説明図である。以下、これらの図を参照しながら基板搬送装置の動作を説明する。
まず、コンベア30によって基板収納容器50が搬送され、受け渡し準備位置P1に到達するとコンベア30は停止する(図8a(1))。そして、T0〜T1において搬送動作を行う。搬送動作では、移動機構60が駆動し、受け渡し準備位置P1に停止した基板収納容器50を受け渡し装置40側に移動して受け渡し位置P2に停止させる(図8a(2))。このとき、基板収納容器50は、受け渡し装置40外壁41に押圧され、シール部材47が押し潰され、容器本体51の端面と外壁41外面との密閉性が保たれた状態となっている。
そして、T1〜T2において清浄化ガス供給動作を行う。清浄化ガス供給動作では、まず、供給ノズル71a及び排気ノズル72aを上方向に移動して基板収納容器50の供給部55及び排気部56に接続する(図8a(3)、図4〜6参照)。そして、清浄化ガス供給手段71を駆動して供給ノズル71aから基板収納容器50内に清浄化されたドライエアまたは不活性ガスを供給するとともに、基板収納容器50内から排出される容器内雰囲気を排気ノズル72aで受け入れて基板収納容器50外部に排気する。これにより基板収納容器50内が清浄化される。供給ノズル71a及び排気ノズル72aは、基板収納容器50内の清浄化を終了すると、下方向に移動して元の位置に戻る(図8a(4))。
このようにガス供給動作を行って基板収納容器50内が清浄化されたT2において、基板受け渡し装動作を開始する。まず、ポート扉43が進退機構44及び昇降機構45によって後退及び下降して開口部42から退避し、開口部42を開放する(図8a(5))。続いて、搬送ロボット46が容器扉52の方向にアーム46aを前進させ(図8a(6))、アーム先端部46bを容器扉52に接触させ、アーム先端部46bに設けた吸引機構又は把持機構など(図示せず)を駆動して容器扉52を一体保持する(図8b(7))。そして、アーム先端部46bに設けたラッチ解除機構及び吸引機構(図示せず)を駆動し、容器扉52を容器本体51にラッチするラッチ機構(図示せず)を解除するとともに、基板Wを基板保持アーム53に吸着固定する。
その後、アーム46aを後退させて容器扉52を受け渡し装置40内部に搬送する(図8b(8))。容器扉52には、基板保持アーム53が一体的に形成されているので、容器扉52を受け渡し装置40内部に搬送するのと同時に基板Wが受け渡し装置40内に搬送される。搬送ロボット46は、このようにして基板Wを基板収納容器50から受け渡し装置40内へと搬送した後、処理装置10内へと搬送する(図8b(9))。そして、基板Wの基板保持アーム53への吸着固定を解除し、その後、基板Wを処理ステージ11上に移載する。そして最後に容器扉52を容器本体51へ戻す(図8b(10))。そして、容器扉52が閉められた後、T3〜T4において清浄化ガス供給動作を行う(図示略)。
以上の搬送動作、清浄化ガス供給動作及び基板受渡し動作の一連の動作は、処理装置10で処理すべき基板Wがコンベア30によって該当の処理装置10に対応する受け渡し準備位置P1に搬送される度に行われる。
このように、本実施の形態によれば、基板収納容器50をコンベア30に着脱自在に装着し、基板収納容器50内に基板Wを収納した状態で搬送するようにしたので、従来のようにコンベア30全体をクリーン環境下に配置する必要がないため、エネルギー削減が可能となる。
また、基板収納容器50内を清浄化手段70によって清浄化するようにしたので、基板収納容器50内の雰囲気を清浄に保つことが可能となる。ここで、この清浄化に際し、清浄化手段70を駆動するためのエネルギーが必要となるが、従来と比べて清浄に保つべき空間が格段に小さいため、少ないエネルギーで清浄化の維持が可能である。
また、清浄化手段70を各処理装置10毎に設け、基板収納容器50内を定期的に清浄化するので、半導体製造を開始してから終了するまで常に基板収納容器50内を高い清浄度環境に維持することができる。
また、清浄化のためのガスとして清浄化されたドライエアーまたは不活性ガスを供給するようにしたので、基板収納容器50内の雰囲気中の水分及び酸素を低減することができる。よって、基板表面に自然酸化膜が成長するのを抑制でき、また、基板表面への水分及び有機物の吸着を抑制でき、デバイス特性の劣化、特性バラツキを防止することができる。また、処理装置10で行われる処理の一つであるドライエッチング後には、デバイス表面よりデガス(CF系のガス発生)があり、そのガスが水分と反応するとHFとなり基板Wを腐食するが、清浄化されたドライエアの導入によってこれを防ぐことができる。ここで、本例では、処理後の基板Wを基板収納容器50内に収納した直後のタイミング(図7のT3〜T4のタイミング)で清浄化を実施しているので、基板Wから発生するデガスを直ちに除去でき、次の処理までの待機時間の間、清浄且つ湿度が制御された環境内に基板Wを配置することが可能となる。したがって、デガス発生による基板Wの腐食を確実に防止することができる。また、塗布系の絶縁膜の場合、塗布して焼成するまでの間に水分が多い雰囲気中に基板Wを放置すると、誘電率が上がることがあるが、ドライエアの導入によってこれも解消することが可能となる。
なお、清浄化ドライエアーまたは不活性ガスに適度な湿度(例えば40から50%)を与えても良い。これにより静電気が防止され、基板W上の素子の破壊、パーティクル汚染の付着を防止しつつ、保管環境中のパーティクル汚染および有機ガスの悪影響を除去でき、また不活性ガスを用いた場合は、さらに酸素の悪影響も除去することが可能である。
また、半導体製造装置1は、上記効果を有する基板搬送装置20を備えたものであるので、基板周囲の雰囲気を清浄に保つための空調エネルギーを削減することが可能で、引いて製造コストの低減が可能である。また、清浄化手段70によって基板周囲の雰囲気を高い清浄度に維持できるため、基板収納容器50内の清浄度が低いことによる基板Wに対する上述の各種悪影響を防止でき、精度の高いデバイスを製造することが可能となる。
なお、本実施の形態では、清浄化を行うときの基板収納容器50の位置を、受け渡し位置P2としたが、必ずしもこの位置に限定するものではなく、受け渡し準備位置P1にて行うようにしてもよい。
また、本実施の形態では、基板収納容器50が受け渡し位置P2に停止してから容器扉52が開放されるまでの間に清浄化を行っているが、必ずしもこのタイミングに限定されるものではない。しかし、このタイミングにおける清浄化は、基板収納容器50に比べて受け渡し装置40側の内部環境が僅かにでも清浄度が高い場合に効果を発揮する。すなわち、容器扉52が開放されて基板収納容器50内の空間と受け渡し装置40内の空間とが連通する直前に基板収納容器50内の清浄度が高められることになるので、基板収納容器50内の環境によって受け渡し装置40側の環境に悪影響を与えるのを防止することができる。
なお、本実施の形態では、基板収納容器50を移動機構60によって受け渡し位置に移動するようにしたが、図9に示すように、外壁41の一部をポート扉43ごと移動機構80によって基板収納容器50側に移動させる構成としてもよい。この場合、清浄化手段70は、受け渡し準備位置P1に停止した基板収納容器50に対して接続可能な位置に配置される。
なお、コンベア30に接続される基板収納容器50は図示の構造のものに限定されるものではなく、清浄化手段70が気密に接続可能な構成を有していれば任意の構造のものを採用できる。
本発明の基板搬送装置を含む半導体製造装置の平面図。 1つの処理装置と受け渡し装置とコンベアの一部を示す図。 図2のA−A概略断面図。 図2を矢印A方向から見た図。 供給部に供給ノズルが接続された状態を示す図。 排気部に排気ノズルが接続された状態を示す図。 搬送動作、基板受渡し動作及びガス供給動作に関するタイムチャート。 基板搬送装置の動作説明図(1/2)。 基板搬送装置の動作説明図(2/2)。 基板搬送装置の他の形態を示す図。
符号の説明
1 半導体製造装置、10 処理装置、20 基板搬送装置、30 コンベア、40 受け渡し装置、50 基板収納容器、52 容器扉、55 供給部、56 排気部、60 移動機構、70 清浄化手段、71 清浄化ガス供給手段、72 容器内雰囲気排気手段、W 基板。

Claims (11)

  1. 基板に対して所定の処理を行う複数の処理装置の配置位置に沿うように搬送経路が構成され、基板を、前記各処理装置それぞれに対応した受け渡し準備位置に間欠搬送するコンベアを備え、該コンベアには、基板を気密に収納する基板収納容器が着脱自在に装着され、基板を前記基板収納容器に収納した状態で前記受け渡し準備位置に搬送することを特徴とする基板搬送装置。
  2. 前記基板収納容器に気密に接続され、前記基板収納容器内を清浄化する清浄化手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の基板搬送装置。
  3. 前記清浄化手段は、前記基板収納容器が前記受け渡し準備位置に停止しているときに前記基板収納容器内の清浄化を行うことを特徴とする請求項2記載の基板搬送装置。
  4. 基板収納容器内の基板を処理装置に受け渡す受け渡し装置を有し、前記コンベアは、コンベア上の基板収納容器をコンベアの搬送方向と直交する方向に移動可能な移動機構を有し、該移動機構は、前記受け渡し準備位置に停止した基板収納容器を受け渡し装置側に移動させて受け渡し位置に停止させ、前記清浄化手段は、前記基板収納容器が前記受け渡し位置に停止しているときに前記基板収納容器内の清浄化を行うことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の基板搬送装置。
  5. 前記清浄化手段は、前記基板収納容器が前記受け渡し位置に停止した後、前記基板収納容器から基板を取り出すべく容器扉が開放されるまでの間と、基板の取出し、収納に伴う容器扉の開閉が行われた後のいずれかまたは双方で前記基板収納容器内の清浄化を行うことを特徴とする請求項4記載の基板搬送装置。
  6. 前記清浄化手段は、上下方向に移動自在に設けられ、基板収納容器側に移動して接続され、前記基板収納容器内の清浄化を行うことを特徴とする請求項2乃至請求項5の何れかに記載の基板搬送装置。
  7. 前記清浄化手段は、各処理装置毎に設けられており、基板収納容器が前記各処理装置に対応した前記受け渡し準備位置又は前記受け渡し位置に停止する度に前記基板収納容器内の清浄化を行うことを特徴とする請求項3乃至請求項6の何れかに記載の基板搬送装置。
  8. 前記清浄化手段は、基板収納容器内部を清浄化するための清浄化ガスを前記基板収納容器に設けられた供給部を介して供給する清浄化ガス供給手段と、基板収納容器内の雰囲気を前記基板収納容器に設けられた排気部を介して排気するための容器内雰囲気排気手段とから構成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項6の何れかに記載の基板搬送装置。
  9. 前記清浄化ガス供給手段は、清浄化されたドライエアー又は不活性ガスを供給することを特徴とする請求項8記載の基板搬送装置。
  10. 請求項1乃至請求項9の何れかの基板搬送装置によって前記基板搬送容器内の基板を前記処理装置へと搬送することを特徴とする基板搬送方法。
  11. 請求項1乃至請求項9の何れかの基板搬送装置と、前記処理装置とを備えたことを特徴とする半導体製造装置。
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