JP2006228719A - アルカリ電池用ゲル状負極の製造方法 - Google Patents

アルカリ電池用ゲル状負極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 アルカリ電池のゲル状亜鉛負極の調製に使用するゲル状電解液においてママコを効率的に分離し、ゲル状電解液の調製時間を大幅に短縮させる。
【解決手段】 アルカリ電池のゲル状亜鉛負極の調製に使用するゲル状電解液の作製は、アルカリ水溶液にゲル化剤を投入した後、ステップS4の攪拌(1)工程で、ゲル化剤を水溶液で含浸させ膨潤したゲルを混合させた後、ステップS5の細孔通液の工程で、ママコを分離させる。そして、更にステップS6の攪拌(2)の工程で、上記ゲル状電解液中のゲルを混合させ均一に分散させる。このようにすることで、ゲル状電解液の調製時間が大幅に短縮し、更にアルカリ電池の放電特性が安定化する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アルカリ電池に用いられるゲル状負極の生産性および均一性を高めることができるアルカリ電池用ゲル状負極の製造方法に関する。
アルカリ電池に用いられるゲル状負極の製造方法は、(1)先ずゲル化剤を電解液に入れ攪拌により均一に分散させゲル状電解液を作製し、次いでゲル状電解液に亜鉛合金粉末を入れて混合させる方法(ウェットミックス法)、(2)先ず亜鉛合金粉末とゲル化剤とを混合して乾式の粉体混合物を作製してから、次いで上記乾式混合物と電解液とを攪拌により混合する方法(ドライミックス法)の2つの方法に大別される(例えば、特許文献1,2を参照)。以下に、本発明にかかるウェットミックスの従来方法について図3を参照してその概略を説明する。
図3に示すように、水(HO)、防食剤(インヒビター)の酸化亜鉛(ZnO)、および水酸化カリウム(KOH)をそれぞれに計量し、ステップS11の溶解の工程で、上記KOHおよびZnOを水中に溶解させアルカリ電解液を調製する。
次に、ステップS12の計量・張込の工程で、上記アルカリ電解液の所定量を攪拌用容器内に供給する。また、ステップS13の計量の工程で、ゲル化剤(増粘剤)を秤量し、上記攪拌用容器のアルカリ電解液に投入する。
次に、ステップS14の撹拌の工程で、上記容器内において一軸に回転駆動する例えばプロペラ型羽根を所定の速度で回転させ、所定の時間アルカリ電解液を撹拌し、上記ゲル化剤をアルカリ電解液内に混合させる。この工程においては、ゲル化剤はアルカリ電解液の含浸により膨潤し、アルカリ電解液がゲル状になる。このようにしてゲル状電解液が調製される。
そして、ステップS15の分級・配合の工程で、篩いにより亜鉛合金粉末の粒径が分級・配合され、特定の粒径分布の亜鉛合金粉末が調製される。そして、この分級・配合された亜鉛合金粉末は、ステップS16の分散の工程において、ゲル状電解液中に分散・混合される。このようにして、アルカリ電池用のゲル状亜鉛負極が製造される。
特開2000−030695号公報 特開平05−151958号公報
しかし、上記ウェットミックス法では、一般的に、ゲル状電解液を調製する際にゲル化剤を電解液に均一に分散させて混合するには長時間が必要であり、また、ゲル化剤がダマになり易いという問題がある。このような問題は、いずれの攪拌機を用いても充分に解消できるものではなかった。そして、近年では、上記ダマの生成を抑制するために、ゲル化剤の粒径を小さくする方法がとられるようになった。例えば、吸水性樹脂のゲル化剤の平均の粒径は200μmから100μm以下になってきている。しかし、このようにゲル化剤の粒径が小さくなると、ゲル化剤を電解液に混合する際に、膨潤したゲル同士が結合した継粉(ママコ)が多数生じてしまい、電解液にゲル化剤を分散させ混合するためには更に長時間の攪拌が必要になってくるという問題があった。また、ゲル状電解液におけるゲルの均一分散に限界があり、アルカリ電池の放電特性バラツキが小さく高品質のゲル状亜鉛負極の調製が難しかった。
一方で、上記ドライミックス法においては、例えばV型攪拌機およびポットミルなどが用いられているが、攪拌・混合する際に亜鉛粉末が凝集し、また亜鉛粉末とゲル化剤とが凝集して均一なゲル状負極が得られにくく、このように作製されたゲル状負極を用いたアルカリ電池の放電特性はバラツキが大きくなってしまうという大きな問題がある。更に、乾式混合の際に混合機の器壁との摩擦により亜鉛合金粉末が破砕され微粉化するために、相対的に亜鉛合金粉末の表面積が増える結果、ゲル状亜鉛負極として電解液と接した場合に水素ガス発生量が増加する傾向にある。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、上記ウェットミックス法において、ゲル状電解液中において上記ママコを効率的に分離し、電解液中で膨潤したゲル化剤の混合および均一分散を容易にして、ゲル状電解液の調製時間を大幅に短縮させると共に、アルカリ電池の放電特性バラツキの小さい高品質のゲル状亜鉛負極を調製することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、電解液にゲル化剤を混合してゲル状電解液を調製し、前記ゲル状電解液に亜鉛合金粉末を混合してゲル状亜鉛負極を製造するアルカリ電池用ゲル状負極の製造方法において、細孔を通して前記ゲル状電解液を通液させ、ゲル状電解液中で膨潤した前記ゲル化剤を前記ゲル状電解液に分散させるという構成を有している。
上記構成にすることで、電解液中で膨潤しママコの状態になったゲル化剤は、ゲル状電解液が上記細孔を通液する間に互いに分離し、短時間に電解液中で分散するようになる。また、上記構成であると、電解液中で充分に含浸されないでダマ状態にあるゲル化剤も、その形状が変形し電解液中に容易に分散されるようになる。
上記発明においては、前記細孔が多孔構造あるいはメッシュ構造に形成されると好適である。
そして、上記発明において、前記電解液はアルカリ水溶液であり、前記ゲル化剤は吸水性樹脂である。ここで、前記吸水性樹脂の粒径は100μm以下になるように形成される。
また、上記発明において、好ましくは、前記細孔の口径寸法は0.3mm〜3.35mmの範囲になるように形成される。そして、前記吸水性樹脂は架橋ポリアクリル酸塩と非架橋ポリアクリル酸塩の混合物にすると好適である。
本発明により、ゲル化剤をアルカリ電解液に混合してゲル状電解液を調製する場合に、従来の攪拌のみによる溶解・分散の場合に比較して上記調製の時間が短縮する。そして、安定した放電特性を有するアルカリ電池用ゲル状負極が簡便に得られる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図1,2を参照しながら説明する。図1は、本発明のゲル状電解液とゲル状亜鉛負極の調製を説明するための流れ図である。図2は、本発明にかかるゲル状電解液の吐出機構(細孔通液機構)の略側面図である。
図1に示すように、水(HO)、防食剤として例えば酸化亜鉛(ZnO)、アルカリ性水溶液の電解質として例えば水酸化カリウム(KOH)をそれぞれに計量しステップS1の工程で、上記KOHおよびZnOを水中に溶解させて、アルカリ電解液を調製する。ここで、アルカリ電解液には、例えばKOH:40質量%,ZnO:4質量%が溶解される。
次に、ステップS2の計量・張込の工程において、上記アルカリ電解液を所定量になるように計量し攪拌用容器に供給する。そして、ステップS3の計量の工程において、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、アルギン酸などのゲル化剤(増粘剤)を秤量し、これらを上記容器内に投入する。ここで、上記混合比は、アルカリ電解液が95〜98質量%であり、ゲル化剤が2〜5質量%で調製する。そして、ゲル化剤としては、特に吸水性樹脂のポリアクリル酸塩が、強アルカリに対する耐薬品性に優れていることから好ましい。更には、粒状の架橋型ポリアクリル酸塩と非架橋型ポリアクリル酸塩の混合物がゲル化剤として好適である。上記粒状のゲル化剤の粒径は100μm以下になるように分級・配合されることが好ましい。
次に、ステップS4の撹拌(1)の工程において、上記撹拌用容器内において一軸に回転駆動する例えばプロペラ型羽根を所定の速度で回転させ、所定の時間(例えば2時間)アルカリ電解液を撹拌し、上記ゲル化剤をアルカリ電解液内に混合させると共に、ゲル化剤にアルカリ電解液を含浸させる。ここで、アルカリ電解液はゲル状になるが、その分散は不充分であり、いわゆるママコが多数存在する。
次に、ステップ14の細孔通液の工程において、上記ゲル状のアルカリ電解液上記撹拌(1)を行ったゲル状のアルカリ電解液に対して一定圧力を加え、図2に示すようなゲル状のアルカリ電解液の吐出機構に配管を通して送液する。
ここで、上記吐出機構は、その基本構造として、例えば塩化ビニール製あるいはステンレス製の導入配管10、多数の細孔を有する吐出部11、例えば塩化ビニール製あるいはステンレス製の電解液槽12および排出配管13を有する構成になっている。ここで、吐出部11は、例えば多孔あるいは金属メッシュのように所定の穴径あるいは口径の細孔14を有する容器状部材から成り、導入配管10から吐出部11内部に送液されたゲル状のアルカリ電解液は、上記細孔14を通りその外部にある電解液槽12に吐出される。そして、電解液槽12の例えば底部の一部に設けられた排出配管13を通り、次に説明する撹拌(2)用の撹拌槽に送液される。
上述したように粒径である複数のゲル化剤が含浸し膨潤して相互に結合したママコは、上記ママコを含むゲル状のアルカリ電解液が上記細孔14を通り吐出する過程において、互いに分離し分散するようになる。このようにして、ステップS5の工程において、ゲル状のアルカリ電解液中にあったママコは大幅に低減するようになる。
次に、ステップS6の撹拌(2)の工程において、上記ママコ量の低減したゲル状のアルカリ電解液は、更に撹拌を受けてママコ量がほぼ零になるように更に分散されて所望のゲル状電解液が調製される。
そして、ステップS7の分級・配合の工程において、例えばインジウム、ビスマス、アルミニウム等の合金元素を含有する亜鉛合金粉末が、JIS規格の篩いを用いて分級・配合され、特定の粒径分布の亜鉛合金粉末が調製される。そして、この分級・配合された亜鉛合金粉末は、ステップS8の分散の工程において、ゲル状電解液中に分散・混合される。このようにして、アルカリ電池用のゲル状亜鉛負極が製造される。
本実施の形態では、ウェットミックス法によるゲル状亜鉛負極の形成おいて、細孔を通してゲル状電解液を通液させて、ゲル状電解液中のママコを効率的に分離し、電解液中で膨潤したゲル化剤の分散と混合を容易にすることで、ゲル状電解液の調製時間が大幅に短縮される。このために、ゲル状亜鉛負極の製造コストが低減できるようになる。また、細孔を通してゲル状の電解液を通液させることで、電解液中のゲル化剤の分散の均一性が向上し、それに伴い亜鉛合金粉末のゲル状電解液中の分散の均一性が向上する。このゲル状電解液中における亜鉛合金粉末の高い均一分散により、このゲル状亜鉛負極を充填して作製したアルカリ電池の高容量化および放電性能向上が容易になる。
上記実施の形態では、粒状の架橋型ポリアクリル酸塩と非架橋型ポリアクリル酸塩の混合物をゲル化剤として用いると好適なる。ここで、上記架橋型ポリアクリル酸塩の粒径は100μm以下、好適に70μm以下になるようにし、非架橋型ポリアクリル酸塩の粒径が50μm以下になるように分級・配合することが好ましい。このようにすることにより、従来技術において上記ゲル化剤の平均粒径を200μmとしていた場合に比べて、電解液中のいわゆるダマの生成は大幅に低減するようになる。また、上記非架橋型ポリアクリル酸塩を添加することにより、出来上がったゲル状電解液のアルカリ水溶液の見かけの粘度が適度に上昇し、ゲル状電解液に圧力が印加されても、アルカリ水溶液の相分離が抑えられ、膨潤したゲル化剤とアルカリ水溶液との分離が抑制される。このようにして高品質のゲル状電解液およびゲル状亜鉛負極が調製されるようになる。
上記実施形態では、撹拌工程が2工程であり、その間にステップS5の細孔通液の工程を入れたが、撹拌工程は撹拌(1)のみの1工程にしてもよいし、撹拌工程を3工程以上にして各撹拌工程間に細孔通液の工程を挿入してもよい。ここで、細孔通液に使用する図2で示した吐出部11の細孔14としてはその材質を含めて種々のものがある。例えば塩化ビニール製板に設けられた多数の孔を用いてもよいし、後述する織金網のような網目から成るメッシュ構造の孔であってもよい。ここで、金網の材質はステンレス、真鍮、ニッケル等のアルカリ電解液に溶解しない金属で成る。このように細孔の形状には種々の構造が考えられるが、いずれにしても、ゲル状電解液が通液する際に、膨潤したゲルの流れに対して部分的な抗力を生じさせ、互いに結合したゲルを分離させる構造のものであればよい。
上記アルカリ電解液は、KOHの他に水酸化ナトリウム(NaOH)などのアルカリ物質を電解質として用いた水溶液であればよい。また、電解液に添加するZnOのような亜鉛化合物としては、水酸化亜鉛(Zn(OH))などの化合物であってもよい。
ここで、電解液として少なくとも亜鉛化合物を含有するアルカリ性水溶液を用いるのは、アルカリ性水溶液中での亜鉛合金の自己溶解が酸性系の電解液と比較して格段に少なく、更には亜鉛合金のアルカリ性電解液中での自己溶解を亜鉛化合物、例えばZnOを溶解して亜鉛イオンを予め存在させておくことにより更に抑制するためである。
以下に本発明の実施例について説明し、本発明の効果を更に詳細に説明する。
(実施例1)
図1で説明したゲル状電解液の調製において、図2の吐出部11の細孔14の口径寸法を種々に変えた。実施例1では、アルカリ電解液は、KOH:40質量%、ZnO:4質量%を純水に溶解した。そして、ゲル化剤として架橋ポリアクリル酸塩と鎖状ポリアクリル酸塩の粉体混合物を上記アルカリ電解液に投入した。ここで、質量比でアルカリ電解液100に対して、架橋ポリアクリル酸塩が2質量比、鎖状ポリアクリル酸塩が0.2質量比である。
そして、図1のステップS4の攪拌(1)の工程において、一軸プロペラ型羽根2枚を400rpm回転させて一定時間(2時間)攪拌するようにし、アルカリ電解液がゲル化剤に充分に含浸するようにした。
そして、ステップS5の細孔通液の工程において、吐出部11に網目の口径寸法である目開き幅が4.75mmになるメッシュ構造の織金網を用い、上記攪拌(1)の工程を経たゲル状のアルカリ電解液を吐出部11から吐出させた。ここで、金網の材質は、ステンレス製であり、その線径は0.5mmである。
そして、この吐出したゲル状のアルカリ電解液に対して、ステップS6の工程において攪拌(2)を加えた。ここで、攪拌の方法は攪拌(1)と同一である。この攪拌(2)でゲル化剤を混合させ、目視においてママコが確認できなく迄の時間を計測した。
そして、JIS規格のサイズの網目を有する篩により、亜鉛合金粉末の75μm以下と425μmを超える粒子を篩い分けて除去し、別途篩い分けし分級した75μm以下の亜鉛粒子、75μmを超え106μm以下となる亜鉛粒子を特定量に配合し、特定の粒径分布の負極原料粉末を作製した。これを、上記ゲル状電解液に分散して混合させゲル状亜鉛負極を調製した。ここで、亜鉛合金粉末は、インジウム0.02質量%、ビスマス0.01質量%、アルミニウム0.01質量%を含む亜鉛合金をアトマイズ法で粒子状にしたものである。
(実施例2)
実施例2では、図1に示したステップS5の細孔通液の工程において、吐出部11に網目の目開き幅が3.35mmになるメッシュ構造の織金網を用い、上記攪拌(1)の工程を経たゲル状のアルカリ電解液を吐出部11から吐出させた。それ以外は実施例1と全く同じになるようにして、ゲル状電解液およびゲル状亜鉛負極を調製した。
(実施例3)
図1に示したステップS5の細孔通液の工程において、吐出部11に網目の目開き幅が0.83mmになるメッシュ構造の織金網を用い、上記攪拌(1)の工程を経たゲル状のアルカリ電解液を吐出部11から吐出させた。それ以外は実施例1と全く同じである。
(実施例4)
図1に示したステップS5の細孔通液の工程において、吐出部11に網目の目開き幅が0.30mmになるメッシュ構造の織金網を用い、上記攪拌(1)の工程を経たゲル状のアルカリ電解液を吐出部11から吐出させた。それ以外は実施例1と全く同じである。
(実施例5)
図1に示したステップS5の細孔通液の工程において、吐出部11に網目の目開き幅0.20mmになるメッシュ構造の織金網を用い、上記攪拌(1)の工程を経たゲル状のアルカリ電解液を吐出部11から吐出させた。それ以外は実施例1と全く同じにである。
(比較例)
比較例は、図1においてステップS5およびステップS6の工程を経ないようにして、ステップS4の攪拌(1)の工程のみでゲル状電解液を調製した。この攪拌(1)でゲル化剤を混合し分散させ、目視においてママコが確認できなく迄の時間を計測した。それ以外は実施例1と全く同じになるようにして、ゲル状電解液およびゲル状亜鉛負極を調製した。この比較例は、従来の技術のゲル状電解液およびゲル状亜鉛負極の調製に相当している。
(評価)
上記実施例1〜5および比較例で得られたゲル状電解液をメスシリンダにより100mL(リットル)秤取し、シャーレ上に薄く延ばして目視により100mL中におけるママコの数を計測した。そして、この計測を上記実施例1〜5および比較例のゲル状電解液について3回行い、その個数の平均値を表1にまとめた。ここで、(1)ママコの径が2mm未満、(2)同径が2mm以上で5mm未満、(3)同径5mm以上の3水準に分けて上記平均値を示している。
また、上述したたように攪拌(2)でゲル化剤を混合させ、目視においてママコが確認できなく迄の攪拌(2)における攪拌時間も併せて示した。ここで、比較例の場合では、実施例1〜5の場合に合わせるために、上記攪拌時間は、比較例の攪拌(1)における攪拌時間から上記一定時間(2時間)を差し引いた値を攪拌(2)の攪拌時間とした。
更に、表1には、図2に示した吐出部11を通して導入配管10から排出配管13にゲル状の電解液を送液する場合の送液状態を評価し、比較例の場合(吐出部11がない場合に相当する)を基準に比較した結果について示した。ここで、上記相対比較で、同等の場合は○、若干劣る場合は△で記している。
さらに、表1には、得られる分散液を目視によって評価し、極めて均一に分散している場合◎、ほぼ均一に分散している場合○、不均一であることが直ちに判別できる場合×で記している。
Figure 2006228719
表1の結果から明らかなように、実施例1〜4に示すように、目開き幅が4.75mm〜0.30mmの間では、送液状態は全く問題なく、上記寸法が小さくなるに従い残存するママコの数は全体的に減少し、実施例2〜4において(3)同径5mm以上のママコの数は零になる。同時に、上記攪拌時間は、目開き幅が小さくなると共に短縮することが判る。しかし、実施例5のように目開き幅が0.20mmになると、ゲル状の電解液が吐出部11の細孔14を通過するのに時間がかかり、ステップS6の攪拌(2)に至るまでの作業性が低下した。そして、比較例では、上記ママコの数は実施例1〜4の場合よりも多くまたその個数のバラツキが大きかった。そのために表1には表記していない。この場合の攪拌時間は4時間であり、実施例1の場合と略同程度であった。
これらの結果から、吐出部11の細孔14を成すメッシュ構造の金網の目開き幅は、実施例2〜4の場合のように0.3mm〜3.35mmにすれば好適となることが判る。このようにすることで、ゲル状電解液を調製するための攪拌時間は大幅に低減し、例えば実施例4においては、従来例である比較例の場合の4時間が1時間となる。そして、これらの場合、攪拌時間(1)も加えた全攪拌時間は3時間対6時間になり、実施例4における攪拌に要する全時間は従来のそれの1/2までに短縮できることになる。
また、上記実施例1〜5および比較例のゲル状電解液により調製したゲル状亜鉛負極を用いて、JIS規格LR形(単3形)アルカリ電池を各10個組み立てて、その放電性能を調べたところ、比較例の場合よりも実施例の場合の方が、アルカリ電池の放電特性のバラツキが小さく安定していることが明らかとなった。そして、その安定性は、実施例4が最も高く、実施例3,4,5の順になることも判明した。
上述した結果から、アルカリ電池のゲル状亜鉛負極の調製に用いるゲル状電解液の作製において、アルカリ水溶液を含んで成る電解液にゲル化剤を投入し、通常の電解液の攪拌と、細孔を有する吐出機構を通した上記電解液の吐出とにより、ゲル状電解液中のゲルの均一な混合および分散が容易になり、その調製時間の短縮が可能になることが判る。そして、このようにして調製したゲル状亜鉛負極を用いたアルカリ電池の放電特性が非常に安定化するようになる。
本発明の実施の形態におけるゲル状亜鉛負極の製造流れ図である。 本発明の実施の形態におけるゲル状電解液の吐出機構の略断面図である。 従来の技術におけるゲル状亜鉛負極の製造流れ図である。
符号の説明
10 導入配管
11 吐出部
12 電解液槽
13 排出配管
14 細孔

Claims (6)

  1. 電解液にゲル化剤を混合してゲル状電解液を調製し、前記ゲル状電解液に亜鉛合金粉末を混合してゲル状亜鉛負極を製造するアルカリ電池用ゲル状負極の製造方法において、
    細孔を通して前記ゲル状電解液を通液させ、ゲル状電解液中で膨潤した前記ゲル化剤を前記ゲル状電解液に分散させることを特徴とするアルカリ電池用ゲル状負極の製造方法。
  2. 前記細孔が多孔構造あるいはメッシュ構造に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ電池用ゲル状負極の製造方法。
  3. 前記電解液がアルカリ水溶液であり、前記ゲル化剤が吸水性樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルカリ電池用ゲル状負極の製造方法。
  4. 前記吸水性樹脂の粒径が100μm以下であることを特徴とする請求項3に記載のアルカリ電池用ゲル状負極の製造方法。
  5. 前記細孔の口径寸法が0.3mm〜3.35mmの範囲にあることを特徴とする請求項2,3又は4に記載のアルカリ電池用ゲル状負極の製造方法。
  6. 前記吸水性樹脂が架橋ポリアクリル酸塩と非架橋ポリアクリル酸塩の混合物であることを特徴とする請求項3,4又は5に記載のアルカリ電池用ゲル状負極の製造方法。

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