JP2006228573A - エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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龍司 西川
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Abstract

【課題】エレクトロルミネッセンス素子の信頼性向上。
【解決手段】EL素子の上部電極40の少なくとも表面側の材料としてAl合金(例えばAlNd系合金)を用いる。この上部電極40は多層構造とでき、その場合、発光素子層30側に、真空蒸着によりAl等を用いて上部第1導電層42を形成し、スパッタリング法などによりAl合金を用いて上部第2導電層44を形成する。上部第1及び第2導電層42,44の層間には、応力緩和性、耐スパッタリング性があり、緻密で被覆性の良いバッファ層46を真空蒸着で形成する。上部電極40を覆って素子形成領域の上にはSiNx等を用いた素子封止保護膜60をスパッタリング等で形成する。上部電極40の表面は素子封止保護膜60の形成雰囲気に曝されるが、Al合金が用いられているため耐熱性に優れ、保護膜60を形成する際にヒロック発生を防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、エレクトロルミネッセンス(以下EL)素子、特にその上部電極に関する。
EL素子は、自発光素子で明るく、視野角依存性が低いと共に、EL素子を用いた表示装置は、液晶表示装置と同等かそれ以上に装置の薄型化、小型化が可能で、消費電力も低く抑えることができる。このため、次世代の表示装置や光源として期待され、研究が進められている。このようなEL素子のうち、発光材料に有機化合物を用いた有機EL素子は、有機化合物の設計によって任意の発光色を実現することができフルカラー表示の実現が容易であるなどの理由から注目されている。
有機EL素子は、一方が陽極、他方が陰極となる下部電極と上部電極との間に、発光材料を含む少なくとも一層の有機層を備える発光素子層が積層されて構成されている。例えば、下部電極は、ITO(Indium Tin Oxide)等の導電性の透明金属酸化物が用いられた透明電極で陽極として機能し、上部電極は、Alなどを用いた金属電極が用いられ陰極として機能する。
このような構造の有機EL素子では、陽極側から正孔を注入し、陰極側から電子を注入し、注入された正孔及び電子の再結合エネルギにより発光素子層中の有機発光材料を励起させ、基底状態に戻る際に得られる光を利用する。
ここで、発光素子層に含まれる有機化合物は、水分や酸素、その他の不純物による劣化が発生しやすいことが知られている。このため、素子形成中に有機化合物が水分などに曝されないようにするだけでなく、素子形成後に外部から水分などが素子内に侵入することを防止するため、素子基板上に形成したEL素子を覆うよう封止基板を接着してEL素子を封止し、これにより封止基板と素子基板との間に構成される封止空間内に乾燥剤が配置される。また、封止し、乾燥剤を設けるだけでなく、素子への不純物の侵入を防止するため、上部電極の上から素子を窒化シリコンや酸化窒化シリコンからなる保護膜(パッシベーション膜)で覆ったり(特許文献1参照)、上部電極を有機層で覆い、その上に無機の保護膜を形成することが提案されている(特許文献2参照)。
特開2000−340801号公報 特開平10−312883号公報
上記特許文献1や2に記載されているようにEL素子を保護膜で覆うことで、水分やその他不純物の素子への侵入を防止することが可能となり、有機化合物の劣化を抑制し素子寿命の向上が図られるはずである。しかし、保護膜でEL素子を覆っても期待通り素子寿命が向上しないことが出願人の研究により判明した。
本発明は、エレクトロルミネッセンス素子を保護膜で覆って、本来の保護機能を発揮させ、素子の発光寿命などの信頼性向上の効果を図る。
本発明では、基板側から下部電極と上部電極が、間に有機発光材料を含む発光素子層を挟んで形成されているエレクトロルミネッセンス素子であって、前記上部電極は、少なくともその外表面側がAl合金を用いて形成され、前記上部電極を覆って基板の少なくとも素子形成領域に素子封止保護膜が形成されている。
本発明の他の態様では、上記エレクトロルミネッセンス素子において、前記上部電極は、前記発光素子層側から、蒸着法によって形成された上部第1導電層と、スパッタリング法によって形成された前記Al合金を含む上部第2導電層とを備え、さらに前記上部第1導電層と前記上部第2導電層との層間に、少なくとも前記上部第1導電層を保護するバッファ層を備える。
本発明の他の態様では、上記エレクトロルミネッセンス素子において、前記上部電極のAl合金は、Alに、少なくともNdを含有する含む合金である。
本発明の他の態様では、上記エレクトロルミネッセンス素子において、前記素子封止保護膜は、シリコンと窒素を含む無機膜を含む。
本発明では、素子封止保護膜にその表面が覆われるEL素子の上部電極の少なくとも表面側にAl合金を用いる。この合金はAlとは別の材料(例えば、Nd、Ta、Si等)を含む合金であり、このようなAl合金を採用することで、この上部電極を覆って形成される素子封止保護膜の形成時の加熱雰囲気における耐熱性を向上させ、ヒロック等の発生を防止できる。
また、上部電極として、発光素子層側に蒸着法によって形成された上部第1導電層、素子封止保護膜側にスパッタリング法によってAl合金を用いて形成した上部第2導電層、上部第1導電層と上部第2導電層との層間にバッファ層を備える多層構造により、有機材料など、スパッタリングの環境に対する耐性の低い発光素子層に接する位置では、与えるダメージの小さい蒸着法により上部第1導電層が形成され、発光素子層がダメージを受けることなく、発光素子層への電荷注入効率を向上できる。また、蒸着法を用いることで被覆性及び均一性よく発光素子層の上に上部第1導電層を形成できる。上部第2導電層は、Al合金を用いかつスパッタリング法により生成するので、高い耐熱性を実現し、また電極として望まれる低い抵抗を実現するために必要な十分な厚さの金属層を生産性良く形成できる。そして、上部第2導電層の形成時には上部第1導電層はバッファ層によって覆われており、スパッタリング環境により上部第1導電層及びその下層の発光素子層がダメージを受けることを確実に防止できる。
なお、上部第1導電層に例えばAlを用い、仮にこの上部第1導電層にひずみやヒロックが発生した場合でも、バッファ層を上部第1及び第2導電層の間に介在させることで、上部第2導電層にひずみを生じさせたり、異なる金属層の界面で発生する応力が、上部第1及び第2導電層の間で発生することを、このバッファ層の緩和機能により解消することができ、素子の信頼性を一層向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)について説明する。
[全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係るエレクトロルミネッセンス素子及びこれを備える表示パネルの概略断面構成(特にその端部付近)を示している。図1に示すように、エレクトロルミネッセンス素子は、例えばガラスやプラスチックなどの透明基板10の上方に形成された下部電極20と上部電極40との層間に、発光材料を含む少なくとも1層の発光素子層30を備えて構成されている。また上部電極40を覆ってエレクトロルミネッセンス素子の形成領域には素子封止保護膜60が形成されている。
下部電極20は、発光素子層30の下層に形成され、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)や、IZO(Indium Zinc Oxide)等の導電性の透明金属酸化物をスパッタリング法によって成膜し、所望形状にパターニングして得た透明電極であり、陽極として機能する。一方、上部電極40は、詳しくは後述するが、この例では陰極として機能し、発光素子層30の上に形成され、少なくともその素子封止保護膜60側の表面(外表面側)にAl単独よりも耐熱性(耐ヒロック性)の高いAl合金を用いて形成する。
素子封止保護膜60は、緻密で水分や不純物の遮蔽機能の高いシリコンと窒素を含む化合物として、シリコン窒化膜(SiNx)が好適である。その他SiNx以外の無機材料を用いた無機膜を採用することもでき、シリコン酸化窒化(SiONx)膜や、シリコン酸化(SiO2)膜が採用可能である。
素子封止保護膜60は単層構造に限らず、多層構造を採用できるが、少なくとも1層は、緻密で被覆性が良く、かつ酸素を含まないシリコン窒化物からなる膜を形成することが好適である。また、多層構造の場合に、SiNx以外の膜材料としては、上記SiO2、SiON、あるいはAl等の金属が挙げられる。しかし、全て無機材料を用いる構成には限らず、例えば透水性の低い樹脂層などを採用することもでき、シリコン窒化膜の上に、このような樹脂層を形成しても良い。
素子封止保護膜60の少なくとも上記シリコン窒化膜などの無機膜は、緻密で被覆性良く、かつ迅速に成膜することが可能な成膜方法で形成することが望ましく、例えばその方法として低温触媒(cat)CVDや、プラズマCVD、或いはスパッタリング法などが挙げられる。
素子封止保護膜60の厚さは、十分な保護機能を発揮するのに必要な100nmから1μm、例えば、500nm程度とする。CVD法やスパッタリング法によって形成することで、このような厚さの保護膜60を被覆性及び均一性が高くかつ生産性良く、厚く形成することが可能である。
発光素子層30は、電荷(正孔、電子)輸送機能と発光機能の両方を備えた有機化合物を含む単層構造や、電荷輸送層と発光層を備えた2層又は3層、或いはそれ以上の多層構造が採用可能である。図1の例では、陽極である下部電極20側から、それぞれ有機化合物を用いて形成された正孔注入層312、正孔輸送層314、発光層316及び電子輸送層318と、さらに陰極である上部電極40から電子輸送層318側への電子注入障壁を緩和して電子注入効率を向上させる電子注入層320が順に積層されている。
発光素子層30の各層は、それぞれ真空蒸着法によって形成された蒸着層である。なお、正孔注入層312、正孔輸送層314、発光層316及び電子輸送層318については、用いる有機化合物が低分子系化合物の場合、上記真空蒸着法によりそれぞれ形成することができ、高分子系化合物が採用されている場合、インクジェット印刷法やスピンコートなどの方法によって形成することができる。
発光素子層30の上部電極40との界面に形成されている電子注入層320は、フッ化リチウム(LiF)等が採用されることが多く、この層の形成に際しては、真空蒸着法を採用することができる。いずれの方法によって形成された場合でも、発光素子層30は、有機化合物を含み、また、例えばスパッタリング法によって形成される金属膜や無機絶縁膜などと比較して柔らかい膜により構成されている。
本実施形態において、上部電極40としては、上述の通り少なくとも素子基板10と反対側の外表面にAl合金を採用する。Al合金は、Alと、Al以外の例えば希土類元素(Nd)や、高融点金属(Ta、Ti、Ni、W)、Si等とを含有する材料が採用可能である。より好適には、AlとNdとを含有するAlNd系合金や、AlTa系合金、AlNi系合金(例えばAlCNi合金)、AlSi系合金が採用できる。
このようなAl合金は、Al単独と比較して、耐熱性が高く、耐ヒロック性が高い。EL素子の上部電極として、例えばAlが採用されることがあるが、Al層にはヒロックやピンホールが発生しやすい。素子封止保護膜60として例えば上記のようにSiNx膜等の無機膜を形成する場合、これはCVDやスパッタリングなどで形成され、室温での成膜であっても、基板の膜形成表面の温度は室温より高く、例えば80℃程度かそれ以上にもなってしまう。このため表面に耐熱性の低いAl層が露出していると、Alが加熱されてヒロックやエレクトロマイグレーションが発生してしまう。
このような上部電極でのヒロック等の発生は、上部電極を覆って形成される素子封止保護膜との界面での剥離や保護膜の亀裂などを発生させ、また上部電極の下に形成されている発光素子層と上部電極との界面にひずみを生じさせることとなり、これに起因して発光素子層への電荷注入効率が低下すると考えられる。
しかし、本実施形態のように、上部電極の少なくとも表面側にAl合金を採用することで、耐熱性を向上させることができ、ヒロックの発生を確実に抑制することができる。また、Al合金は耐スパッタ性又は耐プラズマ性に優れ、また緻密で被覆性良く形成できる。従って、このAl合金を用いた上部電極40の上からスパッタリングやプラズマCVDなどによって素子封止保護膜60を形成する際に、上部電極40がダメージを受けることを防止でき、さらに下層の発光素子層30がダメージを受けることを防止することができる。
上部電極40に採用するAl合金の中でも、特に希土類金属のNd(ネオジウム)を含有するAlNd系合金は好適である。AlNd合金は、Al単独に比較してその耐熱性が高くヒロックの発生を非常に確実に防止できる。さらに、AlNd合金は、Ndを1〜2atm%程度含有するだけで耐熱性が高まり、Ndを含有するのでAl単独よりは電気抵抗率が大きいが、Ndの含有量が少ないので、他のAl合金と比較しても、高い導電性を維持しながら耐熱性、ヒロック防止機能の向上を図ることができる。
上部電極40は、上記Al合金を用いた単層構造とすることもできるが、下層に存在する発光素子層30にダメージを与えないよう、例えば上記真空蒸着法等で形成することが好適であり、少なくとも発光素子層30との界面側には真空蒸着法等で電極層を形成することが好ましい。ところが、上述のように、例えばAlNd合金層は、純Al層よりは電気抵抗率が大きい。よって、できるだけ抵抗率の小さい電極を得るには、厚く形成することが望まれる。
真空蒸着法は、下層に与えるダメージが非常に小さいが、スパッタリング法と比較してその成膜速度はかなり低い。従って、発光素子層30の上にAl合金の単層を厚く形成する方法として真空蒸着法を採用することは生産効率の観点で望ましくない。一方、スパッタリング法であれば、真空蒸着法と比較して均一で被覆性の良い膜を大きな成膜速度にて形成することができるが、スパッタ雰囲気に下層の発光素子層30が曝されるため、耐久性の低いこの発光素子層30がダメージを受け、発光不能領域であるダークスポットの原因や、電極から発光素子層30への電荷注入界面が荒れて電荷注入効率、即ち素子の発光効率が低下する。
そこで、上部電極40には、蒸着層とスパッタ層とを備える多層構造を採用することがより好適である。以下、上部電極40のこの多層構造について説明する。図1に示す上部電極40は3層構造を備え、蒸着法によって形成された上部第1導電層42と、スパッタリング法によって形成された上部第2導電層44とを備え、さらに、上部第1導電層42と上部第2導電層44との層間に、少なくとも上部第1導電層42(上部第1導電層42及びその下層の発光素子層30)を保護するバッファ層46を備える。もちろん、4層以上の多層構造でも良い。
より具体的に説明すると、発光素子層30のLiFよりなる電子注入層320の上には、これと連続して真空蒸着法によって上部第1導電層42が形成されている。この上部第1導電層42には、Al、Ag、Ag合金(例えばAgMg)、Au等の蒸着層を採用することができ、ここでは、Al蒸着層であり、また、5nm〜50nm程度の厚さ(一例として10nmの厚さ)に形成されている。
このように上部第1導電層42は真空蒸着によって形成するので、あまり厚くすると生産性の低下を招き、薄すぎると蒸着膜の被覆性及び平滑性の低さから必要な領域内に均一に成膜できない。したがって、上部第1導電層42は、少なくとも電子注入層320に対し確実に電子の注入が可能な程度の厚さとして、例えば上記のように5nm〜50nm程度の薄さとすることが好ましい。
上部第1導電層42の上には、これと連続して真空蒸着法を用いてバッファ層46が形成されている。このバッファ層46は、その層よりも下層にダメージを与えないように形成する必要があり、真空蒸着法によって形成することが好ましい。このため、バッファ層46についても、生産性を低下させず、かつ上部第2導電層44の形成時に下層の保護機能等を発揮するのに必要な厚さがあり、また上部電極40全体の抵抗をあまり高めずかつ電子注入機能を損なわない程度の薄さとして、上記のように5nm〜100nm程度の薄さに形成することが好ましい。
さらに、このバッファ層46は形成時に発光素子層30にダメージを与えることを防止する機能を持ち、かつ上部第2導電層44のスパッタリングの際に下層を保護するために、スパッタリングによって全て除去されてしまわないように、緻密で安定な膜であることが好ましい。このような条件を満たす材料として、有機金属錯体、特にキレート錯体化合物であって、例えば、下記化学式
Figure 2006228573
に示されるような基本骨格を備える銅フタロシアニン錯体誘導体化合物(CuPc)を少なくとも用いることが望ましく、5nm〜100nm程度の厚さ(一例として30nmの厚さ)を備える。バッファ層46の材料としては、このCuPcの他、電子輸送機能を備え、やはりキレート錯体化合物であるAlq3も採用可能であり、層構造は、例えばCuPc又はAlq3の単層構造でも、後述する図2に示すようにCuPc又はAlqの多層構造でも良い。
バッファ層46の上には、上部第2導電層44が、スパッタリング法によって0.2nm〜400nm程度の厚さ、一例として300nmの厚さに形成されている。この上部第2導電層44として、Al合金、ここでは、AlNd系合金(Ndを2atm%濃度含む合金)を用いている。
上部第2導電層44は、スパッタリング法によって形成するので、被覆性及び均一性が高く、かつ生産性良く比較的厚い層を形成することが可能である。この上部第2導電層44の厚さは、電極としての断線発生や電界集中を防止し、また、電極全体としての抵抗値を低くして発熱や電圧降下をなどを低減するのに必要な厚さとすることが好適であり、その厚さの設定範囲は、例えば0.2nm〜400nm程度の厚さで、用いる材料の性質などに応じてその厚さを調整できる。従って、AlNd系合金を用いれば比較的薄く形成しても必要な導電性を達成できるが、例えばより導電性の低いAlTa系合金等を用いてもスパッタリングであれば電極としての十分な導電性を得ることができる程度の厚さの膜を容易に形成できる。また、AlCNi系合金、AlSi系合金などを用いた場合にも同様に電極として十分な導電性を得る程度の厚さの膜を容易に形成できる。
このように上部第2導電層44としてスパッタリングのAl合金層を用い、上部第1導電層42として蒸着Al層を用いた場合において、両導電層42,44が直接接していると、蒸着Al層と比較してスパッタリングAl合金層は、緻密であり、結晶粒径、膜質等の違いによる応力が発生しやすい。またAl層よりもAl合金の電気抵抗率が大きいことから上部第2導電層44と上部第1導電層42とで素子駆動時の発熱の差と熱膨張の差が無視できず、両導電層42,44の界面に応力が発生する可能性がある。そして、このような応力に起因して上部第1導電層42の電子注入層320との界面に変形や応力(ひずみ)を発生させる可能性が高くなり、電荷注入効率、つまり素子の発光効率の低下や、素子劣化を招く。しかし、導電層44と42の間にバッファ層46を設けることで、本実施形態のように導電層44、42で異なる材料を用いても、層間のひずみを緩和でき、上部第1導電層42におけるヒロック発生を防止できる。
また、バッファ層46に、用いるCuPcやAlq3が電荷輸送性機能を備えるので、上部電極40の中での電荷の移動の妨害程度を低く抑え、バッファ層46の介在による素子の駆動電圧上昇を抑制でき、有機EL素子の発光効率の向上に寄与することができる。
上部電極40形成後、素子封止保護膜60で全体を覆って素子基板側が完成する。そして、この素子基板の上記素子形成面側に対し、例えば透明ガラス基板などからなる封止基板70をパネル周辺部で封止接着剤80を用いて接着することで、素子封止保護膜60に覆われたEL素子は、さらに封止基板70によって外界から遮蔽され、水分等の不純物の侵入の防止や、機械的強度の向上を図ることができる。なお、この素子基板10と封止基板70とを素子形成領域周辺部のみで接着し、これによって素子形成領域に構成される空間には、封止時に乾燥窒素を封止したり(乾燥剤を中に配置しても良い)、或いはシリコーン油などの耐水性液体を封入しても良い。さらに、素子基板の素子形成面側(素子封止保護膜60の表面)の全面に接着性樹脂などを塗布し封止基板を接着してもよい。もちろん、例えば多層構造を採用するなどして素子封止保護膜60が素子封止機能を十分発揮する場合には、上記封止基板70等は不要であり、非常に薄いELパネルを得ることが可能となる。
Figure 2006228573
上記表1は、上部電極40にAl合金、少なくともAlNd系合金を採用した場合と、通常のAlスパッタ(又は蒸着)層を用いた場合の素子駆動電圧と発光効率の比較を表している。表1から理解できるように、上部電極40としてAlNd系合金を採用することで、EL素子としての駆動電圧を低くでき、かつ発光効率を向上させることが可能となっている。
Figure 2006228573
また、上記表2は、上部電極40をAl蒸着層からなる上部第1導電層42、バッファ層46(CuPcの単層か、Alq3との積層)、AlNd系合金のスパッタ層からなる上部第2導電層44との積層構造とし、その上にSiNxからなる素子封止保護膜60を形成した場合と、上部第2導電層44としてはAl蒸着層を用いた場合の素子駆動電圧と発光効率及びピンホールの発生数の比較を示している。以上の比較から明らかなように、上部電極を積層構造とすることでいずれも素子駆動電圧は低くでき発光効率の向上も図られるが、上部第2導電層44としてAl合金を用い、その上からSiNx等のスパッタリングによる素子封止保護膜60を形成することで、ピンホールの発生数が上部第2導電層44にAlを用いた場合の発生数nの2分の1に低減することができることが分かる。従って、素子封止保護膜60と接する上部第2導電層44にAlNd系合金などのAl合金を採用することで信頼性に優れ、長寿命のEL素子を得ることができる。なお、表2のピンホール数の比較は、素子を覆って素子封止保護膜60まで形成した後、Al用エッチング液に一定時間浸したときの発生数である。ピンホール形成領域の保護膜は上部電極40と間で剥離などが生じやすいことを意味しており、そのような場所から浸食や腐食が始まり、結果としてEL素子の発光領域中の発光不能領域であるダークスポットを生ずる。したがって、ピンホールの発生数の抑制が可能であることは、素子の信頼性、寿命の向上が可能となることを意味する。
図2は、多層構造の上部電極40と、上記素子封止保護膜60との層間に更に保護膜50を設けた例を示している。上述のように上部第2導電層44は、Al合金を用いており、素子封止保護膜60のスパッタリングなどの形成環境に耐えることができ、また耐熱性が高いので導電層44の上に直接素子封止保護膜60を形成することができる。しかし、この上部第2導電層44を覆って、耐水性があり、緻密で被覆性良く、かつ、素子封止保護膜60の形成環境に耐性(耐スパッタ性、耐プラズマ性)を備える保護膜50を形成すれば、上部電極40の保護(特に表面の平滑性の維持)及びさらに下層の発光素子層30をより一層確実に保護することが可能となる。
保護膜50としては、例えばCuPcなどを用いた蒸着によって形成可能な有機材料を採用することができる。単層構造に限らず、図2に示すように、多層構造としてもよく、例えば、上部第2導電層44を直接覆ってCuPcよりも耐湿性の高いAlq3を用いて下部保護膜52を形成し、その上に非常に薄く緻密で被覆性の良いCuPcを用いて上部保護膜54を形成することができる。CuPc及びAlq3のいずれも、発光素子層30の材料や、バッファ層46の材料として用いられているので、保護膜50を設けるためだけに新たな蒸着源を必要とせず、製造効率が良い。
また、図2では、上部電極40のバッファ層46についても多層構造とした場合の例を示している。この多層構造のバッファ層46は、上記図1の構成において採用することができる。この多層構造のバッファ層46は、例えば、蒸着Al層などの上部第1導電層42側にCuPcを用いた第1バッファ層462を形成し、スパッタリングにより形成するAl合金層からなる上部第2導電層44側にAlq3を用いた第2バッファ層464を形成している。
スパッタリング法によって形成されるAl合金層(上部第2導電層44)は、ほとんど吸湿しない。従って、この上部第2導電層44に接する層は、応力緩和性だけでなく、吸湿が少ないことが望まれる。吸湿により膜が変形すると吸湿しない上部第2導電層44の界面とで剥離が発生しやすくなるためである。従って、上部第2導電層44に接する第2バッファ層464にAlq3を用いることが好適である。また、図2のように素子封止保護膜60と上部第2導電層44との間に保護膜50を設け、保護膜50についても多層構造とする場合、上部第2導電層44との接触側の下部保護膜52にAlq3を用いることが好適である。
また、保護膜50及びバッファ層46の上部第2導電層44との接触側にそれぞれAlq3を用いることで、上部第2導電層44を挟んで対称的に同一材料からなる層が配置されることとなる。従って、EL素子を駆動し、上部第2導電層44が発熱した場合なども、この導電層44の上下層の熱膨張係数が等しいから、熱膨張係数の差による応力が導電層44の上下面で釣り合う。よって、上部第2導電層44が素子基板側や、素子封止保護膜60側に一方的に撓む等の変形を防止でき、上部電極40の剥離や亀裂をより確実に防止でき、この上部電極40の剥離、亀裂箇所から外界の水分などが内部に侵入し発光素子層30がダメージを受け、ダークスポットが広がることを防止できる。
ここで、各画素に薄膜トランジスタなどからなるスイッチ素子を形成して個別制御し、下部電極20を画素毎の個別パターンとしてスイッチ素子に接続するいわゆるアクティブマトリクス型EL表示装置の場合、上部電極40は、全画素共通で形成することができ、そのパターニングは不要である。もちろん、全画素共通でなくても良く、例えば表示装置の水平方向の走査線(ゲートライン)に沿って水平走査毎に分離する等の構成も採用できる。
各画素にスイッチ素子を設けない、いわゆるパッシブマトリクス型のEL表示装置の場合には、下部電極20と、上部電極40とを間に発光素子層30を挟んで互いに直交するような複数のストライプ状のパターンとすれば良い。この場合、互いに隣接するストライプ状の上部電極40は、上述のように下部電極20の形成後、基板側に予め形成した障壁により、特にパターニングすることなく電気的及び物理的に分離させることができる。
以上説明したような本実施形態に係る有機EL素子では、陽極側から正孔を注入し、陰極側から電子を注入し、注入された正孔及び電子の再結合エネルギにより発光層316中の有機発光材料を励起させ、基底状態に戻る際に得られる光を利用する。図1、2に示す有機EL素子では、上部第1導電層42及び上部第2導電層46の両方にぞれぞれ、光反射性(不透明)金属材料を用いている。よって、発光層316で得られ、透明な下部電極20に進んだ光はこの下部電極20を透過し(上部電極40側に進んだ光は上部電極40で一旦反射されて下部電極20に進む)、また透明なガラスやプラスチックなどから構成された基板10を透過して外部に射出され視認される。即ち、いわゆるボトムエミッション型のEL表示装置が得られる。
また、高精細で高画質な表示を実現することができる上記アクティブマトリクス型表示装置では、基板10と有機EL素子の下部電極20との間、即ち、有機EL素子の形成前に、この有機EL素子を駆動するための画素の薄膜トランジスタ(TFT)が形成されている。さらに、ボトムエミッション型表示装置では、各画素にTFT等が形成されている場合に、このTFTの非形成領域において有機EL素子からの光が基板10から外部に射出されるようにTFT及び有機EL素子がレイアウトされている。
[パネル周辺部]
次に、上部電極40に多層構造を採用した場合のELパネルの周辺部の構成について説明する。上記図1及び図2のいずれもその左側に、各画素にTFTを備えたアクティブマトリクス型のELパネルの周辺部の一例を示している。TFTに接続され画素毎に個別形状に形成された下部電極20の端部は、平坦化絶縁層24で覆われている。パネル表示領域の最外位置にある画素の下部電極20についてもその端部は上記平坦化絶縁層24で覆われている。発光素子層30は、この例では、発光層316を除く他の層(312、314、318、320)が、平坦化絶縁層24を乗り越えるようにして各画素に対して共通で形成され、表示領域の端部では、発光素子層30は、少なくとも平坦化絶縁層24の上(図1及び図2の例では平坦化絶縁層24の表示領域の端部より更に外側)まで形成されている。
発光層316として白色発光材料を用いた場合には、各画素に対応するカラーフィルタなどを設け、発光層316は発光素子層30の他の構成層と同様に複数の画素に共通で形成することも可能である。また、有機EL素子の特性や、採用する有機材料などに応じ、発光層316以外の特定の層、又は全層を画素毎に独立したパターンに形成する場合もある。
いずれの場合においても、発光素子層30は、画素が配置される表示部の端部付近まで形成されており、この表示部端部付近で、発光素子層30は外界などからの水分の侵入などを受ける可能性が高くなっている。
しかし、本実施形態では、パネル周辺部において、まず、上部電極40を発光素子層30の形成領域よりも外側まで形成し、発光素子層30の終端部の側面をこの上部電極層で覆っている。多層構造の上部電極40の場合、上部第1導電層42を、発光素子層30の表示領域端部を覆うように該発光素子層30の外側まで広がるパターンとする。このパターンは、上部第1導電層42を真空蒸着で形成する場合に、発光素子層30の形成範囲よりも外側まで開口したメタルマスクなどを用いることで得ることができる。
次に、この上部第1導電層42の上に、上部第1導電層42のマスクよりも開口パターンの小さいマスクを用いてバッファ層46を連続して成膜する。図2のようにバッファ層46を多層構造とする場合には、第1バッファ層462と第2バッファ層464とを連続し、かついずれも上部第1導電層42のマスクよりも開口パターンの小さいマスクを用いる。よって、バッファ層46は上部第1導電層42の端部よりも内側で終端するパターンを有する。
ここで、Alq3を用いた場合の第2バッファ層464は、第1バッファ層462の端部を覆うように、つまり第1バッファ層462よりも大きく形成する。これにより、CuPcを用いた第1バッファ層462よりも耐湿性に優れた第2バッファ層464が第1バッファ層462を完全に覆い、その上の上部第2導電層44と第1バッファ層462とが接触する領域がなく、吸湿による変形などによって上部第2導電層44と第1バッファ層462とが剥離することが防がれている。
なお、第1バッファ層462と第2バッファ層464は同一のマスクを用いて形成することも可能であり、この場合、第2バッファ層464の形成時には、第1バッファ層462の形成時よりも、素子基板と蒸着源の間に配置されるマスクの位置を蒸着源側にずらし、第2バッファ層464の形成パターンを第1バッファ層462よりも大きくする。
第2バッファ層464の上には、そのパターンよりも大きく、かつ既に形成している上部第1導電層42とほぼ同じ大きさのパターンで、Al合金を用いてスパッタリングによって上部第2導電層44を形成する。バッファ層46よりも上部第1及び第2導電層42,44を大きくすることで、上部第1及び第2導電層42,44の終端位置より内側でバッファ層46が終端し、パネル周辺部で上部第1導電層42と上部第2導電層44とを直接接触させ、電気的にも導通させることができる。
このため、第1及び第2導電層42,44の層間に、電荷輸送性はあるが、金属材料と比較して高抵抗の有機金属錯体材料などを用いたバッファ層46を挿入した構造を採用しても、発光素子層30に接して電荷(ここでは電子)を注入する上部第1導電層42に対し、十分な電力を供給することが可能となる。なお、上部第1導電層42と上部第2導電層44は、パネル上に形成された端子を介して、図示しない外部電源(Vc)に接続される。
バッファ層46(462,464)は、下層の上部第1導電層42及び発光素子層30の両方を保護する上で、少なくとも下層に発光素子層30が形成されている領域と、その終端部の上方とを完全に覆って形成していることが必要である。なお、上部第1導電層42は、上部第2導電層44のスパッタリング成膜環境に曝されても、両導電層間で電気的接続を確保することは可能であり、発光素子層30が下層に存在しない表示部の端部付近では、バッファ層46が上部第1及び第2導電層42,44の間に介在しなくても良い。上部第1導電層42と上部第2導電層44との接触距離は、例えば300μm程度あれば十分な電気的接続がとれ、バッファ層46は、上部第1導電層42の終端位置から300μm程度内側で終端させる。
上部電極40の形成後、図1の例では、例えばプラズマCVDや、LP(減圧)CVD、Cat−CVD、或いはスパッタリング法によりSiNxを用いて素子封止保護膜60を形成する。この素子封止保護膜60は、上部電極40(少なくとも発光素子層30の形成領域より外側まで形成されている)を完全に覆う大きさに形成され、図1及び2の例では基板の全面を覆って形成されている。もちろん、全面を覆わずとも、上部電極40を覆ってEL素子形成領域の外側まで存在するパターンであればよい。電極や信号線などを外部と接続する必要がある位置では、この素子封止保護膜60を形成した後、この保護膜60をエッチング除去すればよい。
図2に示すように、素子封止保護膜60と上部電極40との間に保護膜50を更に形成する場合には、上部電極40の上部第2導電層44の形成後、連続して真空蒸着により、上部電極40のパターンより大きくこの上部電極40の側面を覆う大きさのパターンで保護膜50を形成する。
保護膜50を多層構造とする場合、上述のように上部電極40側から順に下部保護膜(Alq3膜)52、上部保護膜(CuPc膜)54を形成するが、上部保護膜54が上部第2導電層44と接触して、吸湿により接触界面で剥離が発生することを防止するため、上部第2導電層44とCuPc膜54との間にAlq3膜が介在していることがより好適である。よって、Alq3を用いた下部保護膜52のパターンよりCuPcを用いた上部保護膜54のパターンを多少小さく形成すればより確実である。
なお、図2に示すように、EL素子の下部電極20の下には、平坦化絶縁層18が形成されており、この平坦化絶縁層18は、下部電極20の端部を覆って形成される平坦化絶縁層24と同様のアクリル系樹脂などが用いられている。素子封止保護膜60(形成される場合の保護膜50も同様)は、パネル周辺部においてこの平坦化絶縁層18と接し、EL素子をこの平坦化絶縁層18と素子封止保護膜60で完全に覆って封止している。
平坦化絶縁層18の吸湿性が問題となる場合には、例えばパネル周辺部の手前(例えば封止接着剤80による封止位置)で平坦化絶縁層18を終端させても良い。つまり、パネル周辺部では、平坦化絶縁層18の下に形成され、下層側からSiNx膜、SiO2膜の積層により構成されている層間絶縁膜16の表面を露出させ、この層間絶縁膜16の表面を素子封止保護膜60で完全が覆うようにしても良い。ここで、基板10の上には下からSiN膜とSiO2膜の積層構造のバッファ層2が形成され、バッファ層2の上の所定位置には、TFTの能動層を構成する例えばレーザアニールによって多結晶化された結晶性シリコン層4が形成されている。この結晶性シリコン層4を覆って下層から順にSiO2膜、SiNx膜の積層構造のゲート絶縁膜6が形成されており、TFTの非形成領域では、ゲート絶縁膜6の上に層間絶縁膜16が形成されている。従って、上記のようにパネル周辺部で平坦化絶縁層18を除去して層間絶縁膜16を直接素子封止保護膜60が覆う構成を採用した場合、TFT及びEL素子の各層が全てSiO2又はSiNxの無機膜でその周囲が封止された構造となり、水や酸素などの基板側から、外界側からの侵入がより確実に防止される。
本発明の実施形態に係るEL表示パネルの概略断面を示す図である。 本発明の実施形態に係るEL素子パネルの図1と別の例を示す概略断面図である。
符号の説明
2 バッファ層、4 TFT能動層、6 ゲート絶縁膜、8 ゲート電極、10 基板(素子基板)、14 ゲート絶縁膜、16 層間絶縁膜、18,24 平坦化絶縁層、20 下部電極、22 反射層、30 発光素子層、40 上部電極、42 上部第1導電層、44 上部第2導電層(Al合金層)、46 バッファ層、50 保護膜、52 下部保護膜、54 上部保護膜、60 素子封止保護膜、70 封止基板、80 封止接着剤、312 正孔注入層、314 正孔輸送層、316 発光層、318 電子輸送層、320 電子注入層、462 第1バッファ層、464 第2バッファ層。

Claims (6)

  1. 基板側から下部電極と上部電極が、間に有機発光材料を含む発光素子層を挟んで形成されているエレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記上部電極は、少なくともその外表面側がAl合金を用いて形成され、
    前記上部電極を覆って基板の少なくとも素子形成領域に素子封止保護膜が形成されていることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  2. 請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子において、
    前記上部電極は、前記発光素子層側から、蒸着法によって形成された上部第1導電層と、スパッタリング法によって前記Al合金を用いて形成された上部第2導電層とを備え、さらに前記上部第1導電層と前記上部第2導電層との層間に、少なくとも前記上部第1導電層を保護するバッファ層を備えることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のエレクトロルミネッセンス素子において、
    前記上部電極のAl合金は、Alに、少なくともNdを含む合金であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  4. 請求項2又は請求項3に記載のエレクトロルミネッセンス素子において、
    前記バッファ層は、銅フタロシアニン誘導体化合物又はアルミキノリノール錯体誘導体化合物を含むことを特徴とする請求項6に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  5. 請求項2又は請求項3に記載のエレクトロルミネッセンス素子において、
    前記バッファ層は、銅フタロシアニン誘導体化合物を含む第1バッファ層と、アルミキノリノール錯体誘導体化合物を含む第2バッファ層を備え、
    前記第1バッファ層は前記上部第1導電層側に形成され、第2バッファ層は前記上部第2導電層と接して形成されていることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記素子封止保護膜は、シリコンと窒素を含む無機膜を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
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