JP2006228354A - 光記録媒体 - Google Patents

Abstract

【課題】 従来、データ記録領域と描画領域とを異なる領域で記録する方式にあっては、データ記録領域をレーザ光で記録する面と、描画領域をレーザ光で記録する面とが異なることから、データを記録した後に媒体を反転させて描画することになるので、手間が掛かるといった問題あった。
【解決手段】 熱を発する発熱層と、該発熱層による熱によって光学特性が変化する発色層とを有する光記録媒体を提供し、同一方向のレーザ光照射によるデータ記録と描画記録を実現する。
【選択図】 図１

Description

本発明は、レーザ光を記録媒体に照射することで簡単に文字や画像を描画することが可能な光記録媒体に関する。

従来より、例えば、ＣＤやＤＶＤに可視情報（コンテンツ名、写真等）をレーベル面に表示するには、ペン等を使用して記載するもの、内容を記載したラベルを貼着するもの、あるいは、コンピュータに取り込んだレーベル内容をプリンターによって直接レーベル面に印刷することが一般的である。しかし、これらの表示方法にあっては、レーベル面を傷つけて再生が不能になったり、ラベルを張り付ける手間が掛かったり、印刷がレーベル面の特定位置に集中した場合に媒体の重量バランスが崩れて、高速再生時に不都合が生じるといった問題があった。

そこで、近年になって前記した問題点を解決する方法として、記録媒体に直接記録内容をレーザ光を使用して描画するものが開発されている。
その１つの方法として、データ記録面の一部を文字や画像（視覚イメージ）を描画する領域に割り当て、データ記録面側からレーザ光を照射して前記視覚イメージを描画するもの、例えば、特開２００３−５１１１８がある。

また、他の方法として、データ記録領域とは異なる領域（記録領域の上側）を設けて、データ領域が描画領域によって制限されないようにしたもの、例えば、特開２０００−１７３０９６や特開２００２−２０３３２１がある。さらに、視覚イメージが記録されたディスクをデータが記録されているディスクに脱着するもの、例えば、特開２００２−２１９８７３や特開２００３−２４２６６９がある。
特開２００３−５１１１８ 特開２０００−１７３０９６ 特開２００２−２０３３２１ 特開２００２−２１９８７３ 特開２００３−２４２６６９

しかしながら、前記したデータ記録領域に描画領域を割り当てる方式にあっては、データの記録領域が小さくなってデータ量が少なくなるといった問題があり、また、データ記録領域と描画領域とを異なる領域で記録する方式にあっては、データ記録領域をレーザ光で記録する面と、描画領域をレーザ光で記録する面とが上下することから、データを記録した後に媒体を反転させて描画を記録することになるので、手間が掛かると共にデータと描画を同時に行なえず、かつ、視覚的な状態変化を起こさせるために描画面が直接光を吸収する必要があるため材質に応じた色が予め決定してしまうといった問題あり、さらに、データが記録された媒体と描画が記録された媒体が異なるものにあっては、貼り変える手間が掛かると共に貼り変え後の信頼性が低下するといった問題があった。

本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、光情報記録装置からのレーザ光を照射することで文字や画像等の視覚イメージを描画することができ、また、データ情報の記録と視覚イメージとの領域を分離してデータ記録と視覚イメージとを同一面側からレーザ光を照射してデータ記録と視覚イメージとを個別に、あるいは、同時に記録することが可能な光記録媒体を提供せんとするにある。

本発明の光記録媒体は前記した目的を達成せんとするもので、請求項１の手段は、熱を発する発熱層と、該発熱層による熱によって光学特性が変化する発色層とを有することを特徴とする。

請求項２の手段は、前記した請求項１において、前記発熱層側に第１の透明基板を配置したことを特徴とし、また、請求項３の手段は、前記した請求項１又は２において、前記発色層側に第１の保護層を配置したことを特徴とし、さらに、請求項４の手段は、前記した請求項１乃至３の何れかにおいて、前記発熱層を発熱させるレーザ光および可視光を反射する反射層を配置したことを特徴とする。

請求項５の手段は、前記した請求項４において、前記反射層は前記発熱層で発せられた熱を拡散する特性を有することを特徴とし、また、請求項６の手段は、前記した請求項４又は５において、前記反射層の熱伝導率が前記透明基板よりも大きい特性を有することを特徴とする。

請求項７の手段は、前記した請求項４乃至６の何れかにおいて、前記反射層の熱伝導率が前記第１の透明基板よりも大きい特性を有する金属であることを特徴とし、また、請求項８の手段は、前記した請求項４乃至７の何れかにおいて、前記反射層と前記発色層との間に第２の保護層を配置したことを特徴とする。

請求項９の手段は、前記した請求項２乃至８の何れかにおいて、前記第１の透明基板の発熱層側にトラッキング用の螺旋状溝を形成したことを特徴とする。

請求項１０の手段は、前記した請求項１乃至９の何れかにおいて、前記第１の透明基板の前記発熱層とは反対側の面に、前記発熱層を発熱させるレーザ光とは異なる波長のレーザ光によりデータ情報を記録及び／又は再生できるデータ情報記録層を配置したことを特徴とする。

請求項１１の手段は、前記した請求項１０において、前記データ情報を記録するレーザ光で前記発熱層を発熱させることを特徴とし、また、請求項１２の手段は、前記した請求項１０又は１１において、前記データ情報記録層が前記発熱層側に第２の反射層と、前記データ情報記録層の前記発熱層の反対側に第２の透明基板とを備えており、前記第２の反射層が前記発熱層を発熱させるレーザ光が透過する半透過層にて形成されたことを特徴とし、また、請求項１３の手段は、前記した請求項１２において、前記半透過層と前記第１の透明基板との間に接着層を有することを特徴とする。

本発明は前記したように、描画用レーザ光照射側に熱を発する発熱層を、該発熱層による熱によって光学特性を変化する発色層を配置したことにより、発熱層にレーザ光を照射して発熱層を発生させ、この熱せられた部分の発色層が変化してレーベル面側から発色した可視情報を見ることが可能となる。

前記発熱層側に第１の透明基板を配置したことにより、発熱層の保護が図れると共に描画等の可視情報を記録するためのレーザ光を透過することができ、また、発色層の面にも保護層を形成することで、発色層も保護される。

前記発熱層と発色層との間に反射層を形成したことで、発色層で記録された可視情報がレーザ照射を行なった面と反対側のレーベル面から明瞭に見ることが可能となり、また、反射層の熱伝導率を前記第１の透明基板より大きい特性の材料である金属を用いることで、発熱層で発生した熱を第１の透明基板側に伝達することなく、反射層を介して発色層側に伝達して発色層の発色を効率よく行わせることができる。

前記反射層と発熱層との間に保護層を形成することで、反射層と発熱層の保護が行え、また、前記第１の透明基板に螺旋状溝を形成することにより可視情報を記録するためのレーザ光を誘導して正確な可視情報を記録することが可能である。

前記第１の透明基板の前記発熱層とは反対側の面に、前記発熱層へ照射されるレーザ光とは異なる波長のレーザ光により音楽や画像、プログラム等のデータ情報を記録及び／又は再生できる記録層を有する第２の透明基板を配置することにより、前記記録層に音楽情報、画像情報、プログラム等を記録し、かつ、発色層によって音楽、画像情報、プログラム等の内容を可視情報として記録できるので、従来のようなＣＤやＤＶＤディスクのレーベル面に印刷等を施す手間が必要なくなる。

前記データ情報を記録するレーザ光の波長より長い波長のレーザ光で可視情報を記録することで、可視情報の記録時に、記録層に対して可視情報を記録するためのレーザ光が悪影響を与えるのを防止できる。

前記データ情報の第２の透明基板とは反対側の面に前記発熱層へ照射されるレーザ光を透過させ、前記データ情報記録層に記録又は／及び再生するレーザ光を照射する半透過層を形成したことで、記録層側から発熱層に熱を送るための描画用のレーザ光を照射することで可視情報を記録でき、可視情報をディスクを反転することなく記録層側から記録すると共にデータ情報を記録又は／及び再生することができ、また、前記半透過層と前記第１の透明基板を接着層を介して一体化することで、可視情報である描画部分と音楽や画像のデータ情報である記録部分との一体化を簡単に行うことができる。

本発明は、描画用レーザ光照射側に熱を発する発熱層を、該発熱層による熱によって光学特性を変化する発色層を配置して、レーザ光で発熱層から熱を発生させて発色層で光学的変化を与えて可視情報である描画を出現させる。

以下、本発明に係る光記録媒体の一実施例を図１と共に説明する。
本発明の光記録媒体は、音楽や画像やプログラムであるデータ情報が記録されている情報記録層Ａと、前記記録層に記録されているデータ情報の内容が図面においてレーベル面（図において上側）から目視できる情報が記録されている可視情報部Ｂとから構成され、前記２つの情報記録層Ａと可視記録部Ｂとは接着層Ｃによって貼り合わされている。

そして、前記可視記録部Ｂのみの場合には、使用者の氏名やＩＤコードを記録したクレジットカード等の記録媒体として利用でき、また、情報記録層Ａと可視記録部Ｂとを接着層Ｃで接着一体化することで、書込みあるいは書込み・消去可能なＣＤやＤＶＤディスクとして使用できるものである。

次に、可視記録部Ｂの構成について説明するに、１はポリカーボネート、アクリル樹脂等の透明樹脂材からなる透明基板、２は該透明基板１上に配置された有機色素（例えば、フタロシアニン、シアニン、アゾ系色素）等からなる特定の波長のレーザ光が照射されると熱を発する発熱層、３は前記発熱層２に照射されたレーザ光の一部を反射することでフォーカス制御を可能とし、かつ、後述する保護層５側からの光を反射する共に、後述する発色層４への発熱層２が有する色の影響を遮断し、かつ、発熱層２で発せられた熱を拡散し、かつ、前記透明基板１よりも熱伝導率が高い材料（例えば、銀、銀を含む合金、アルミ）からなる反射層である。なお、可視記録部Ｂを単独で使用する場合には、該反射層３には可視用レーザ光を照射して正確な記録を行うためのトラッキング用の螺旋状溝１ａが前記透明基板１に形成されてもよい。

４は前記反射層３の上に配置される感熱剤等の発色層である。前記感熱剤は顕色剤（例えば、ビスフェノールＡ、ビスフェノールＳ）、発色前駆剤（例えば、フルオラン系黒色色素）、増感剤（例えば、上野製薬社製「ＢＯＮ」、三光社製「ＥＧＴＥ」）、顔料（例えば、酸化ケイ素、酸化チタン）、バインダー（例えば、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体）等の配合によってなる。より発色効率を高めるために、発色層４は前記発熱層２に使用されるような光熱変換材料を含有してもよい。また、発色層４そのものに、発熱層と同じ有機材料や無機材料（例えば、ＡｇＩｎＳｂＴｅ、ＧｅＳｂＴｅ）を用いることも可能である。
５は発色層４を保護するための発色層４の上に配置された透明な材料、例えば、紫外線硬化型のアクリル樹脂等を挙げることができる。

なお、図示していないが、反射層３と発色層４との間に、紫外線硬化型のアクリル樹脂により第２の保護層を形成して反射層３と発色層４とを保護することで、より安定した可視情報を記録する上で望ましい。

このように構成した可視記録部Ｂにあっては、透明基板１側から発熱層２を加熱することが可能な波長のレーザ光を可視情報に応じて偏重して発熱層２に照射する。可視情報を描画する位置は、可視記録部Ｂを回転およびレーザ光源をディスクの半径方向に移動して実現する。ディスクの半径方向の移動は、透明基板１に形成された螺旋溝に沿ってレーザ光を制御することにより、半径方向の位置合わせ精度を高めることができる。

この発熱層２で発生した熱は、主に透明基板１よりも熱伝導率が高い反射層３に吸収され、発熱層２の熱に対応した部分が反射層３でも加熱される。そして、反射層３が部分的に加熱されると、該加熱された部分に対応する発色層４の可視光特性「光（色相、明度、再度）、スペクトラム、反射率、透過率、光散乱」が変化して、太い線で文字や図柄が記録され、従って、発色層４で描かれた文字や図柄を保護層５側から見ることができ、かつ、反射層３で反射されることから明瞭な文字や図柄を目視することが可能となる。また、反射層３は発熱層２に照射されるレーザ光の一部を記録装置等の検出系へ反射させることができるため、この反射光を利用して描画中のフォーカス制御だけでなく前述の半径方向の制御が可能となる。

次に、情報記録層Ａと接着層Ｃを介して前記した可視記録部Ｂを一体化した場合について説明する。
情報記録層ＡはＣＤやＤＶＤディスクの如く音楽データ、画像データ、プログラム等が記憶されている記録層６と、該記録層６の下面に配置されトラッキング用の螺旋溝７ａが形成されたポリカーボネート等からなる第２の透明基板７と、前記記録層６の上面に配置された半透過層８とから構成されている。

公知のＣＤやＤＶＤディスクにあっては、記録層６の上に形成される反射層はレーザ光を全反射するものであるが、本発明にあっては、記録層６側からレーザ光を照射して可視情報を発色層４に記録するものであることから、可視情報を記録するレーザ光を通過させる必要がある。そこで、本発明にあっては、全反射型の反射層に変えて半透過層８とした。この半透過層８は金属（例えば、Ａｇ、Ａｇ合金、Ａｌ）もしくは屈折率の異なる酸化膜を積層させた誘電多層膜で形成することができるが、少なくとも描画に使用する描画用レーザ光を透過させることができる膜を使用することが必要である。

また、記録層６にデータを記録するためのレーザ光の波長と、発色層に可視情報を記録するためのレーザ光の波長とを異ならしめる必要がある。すなわち、データの記録と可視情報の記録を同じ方向から行い、２つの情報を記録するためにディスクを反転しないで行えることを特徴とする本発明にあっては、データを記録するためのレーザ光の波長と、可視情報を記録するためのレーザ光の波長が同じ、あるいは、近接している場合には、２つのレーザ光が互いに干渉を受けやすくなり、データ上も可視描画上も好ましくないこととなる。

そこで、２つのレーザ光の吸光度（ピーク）差が、７５ｎｍ、好ましくは１００ｎｍ以上、最も好ましくは１２５ｎｍ以上とすることで、２つのレーザ光が干渉することがなくなり、正確なデータと可視情報を記録することが可能である。具体的には、ＤＶＤディスクの場合には記録層６への記録は、一般的に６６０ｎｍ前後であることから、前記吸光度差を１００ｎｍとした場合には可視情報の記録には７６０ｎｍの波長を照射するレーザ光を使用し、この波長で可視情報を記録することが可能なディスクの厚み、発熱層２、発色層４の材料を選択すると共に、半透過層８の材料を選択することでデータと描画を記録することが可能となる。

このように、各種の材料を選択することで、データを記録するための波長のデータ記録用レーザ光で透明基板７に形成されている螺旋溝７ａによってトラッキングを行いながら記録層６に音楽や画像等のデータ情報を記録し、また、描画記録用レーザ光をデータ記録用レーザ光と同じ方向から透明基板１に形成されている螺旋状溝１ａによってトラッキングを行いながら可視情報を記録することが可能となる。

なお、図１は透明基板１，７に形成された螺旋溝１ａ，７ａでトラッキングを行いながら別々にデータ記録を記録層６に、可視情報を発色層４に記録する場合を示しているが、図２に示すように、透明基板７に形成されている螺旋溝７ａを利用してトラッキングを行いながら、データ情報の記録と可視情報の記録とを同時に行うことも可能であり、この場合にはデータ情報を記録した後に、可視情報を記録するといった２度手間がなくなる。

本発明に係る光記録媒体の断面図ある。 同上における半透過層に形成されている螺旋状溝を利用して可視情報を記録する場合の断面図である。

符号の説明

Ａ 情報記録層
Ｂ 可視記録部
Ｃ 接着層
１ 第１の透明基板
２ 発熱層
３ 反射層
３ａ 螺旋状溝
４ 発色層
５ 保護層
６ 記録層
７ 第２の透明基板
８ 半透過層
８ａ 螺旋状溝

Claims (13)

1. 熱を発する発熱層と、該発熱層による熱によって光学特性が変化する発色層とを有することを特徴とする光記録媒体。
2. 前記発熱層側に第１の透明基板を配置したことを特徴とする請求項１に記載の光記録媒体。
3. 前記発色層側に第１の保護層を配置したことを特徴とする請求項１又は２に記載の光記録媒体。
4. 前記発熱層と前記発色層との間に、前記発熱層を発熱させるレーザ光および可視光を反射する反射層を配置したことを特徴とする請求項１乃至３の何れかに記載の光記録媒体。
5. 前記反射層は前記発熱層で発せられた熱を拡散する特性を有することを特徴とする請求項４に記載の光記録媒体。
6. 前記反射層の熱伝導率が前記第１の透明基板よりも大きい特性を有することを特徴とする請求項４又は５に記載の光記録媒体。
7. 前記反射層の熱伝導率が前記第１の透明基板よりも大きい特性を有する金属であることを特徴とする請求項４乃至６の何れかに記載の光記録媒体。
8. 前記反射層と前記発色層との間に第２の保護層を配置したことを特徴とする請求項４乃至７の何れかに記載の光記録媒体。
9. 前記第１の透明基板にトラッキング用の螺旋状溝を形成したことを特徴とする請求項２乃至８の何れかに記載の光記録媒体。
10. 前記第１の透明基板の前記発熱層とは反対側の面に、前記発熱層を発熱させるレーザ光とは異なる波長のレーザ光によりデータ情報を記録及び／又は再生できるデータ情報記録層を配置したことを特徴とする請求項１乃至９の何れかに記載の光記録媒体。
11. 前記データ情報を記録するレーザ光の波長より長い波長のレーザ光で前記発熱層を発熱させることを特徴とする請求項１０に記載の光記録媒体。
12. 前記データ情報記録層が前記発熱層側に第２の反射層と、前記データ情報記録層の前記発熱層の反対側に第２の透明基板とを備えており、前記第２の反射層が前記発熱層を発熱させるレーザ光が透過する半透過層にて形成されたことを特徴とする請求項１０又は１１に記載の光記録媒体。
13. 前記半透過層と前記第１の透明基板との間に接着層を有することを特徴とする請求項１２に記載の光記録媒体。

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