JP2008204533A - 光情報記録媒体およびその描画方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光情報記録媒体を裏返しせずに光情報記録装置で描画することができ、かつ照射するレーザ光の波長に依存しないで描画することが可能な光情報記録媒体を提案する。
【解決手段】 光情報記録媒体1は、第一の基板2上に記録層3a、第一の反射層3bが順次形成された情報記録部3を有し、第二の基板5上に第二の反射層4a変色層4b、及び空隙層4cが順次形成された描画部4を有し、第二の反射層4aにレーザー光を照射することにより加熱し、この熱によって変色層4b中のフェノール化合物を揮発させ、例えば黒色を呈するロイコ染料とフェノール化合物との相互作用を消失させて色を消すことにより、画像を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、DVD±R等の光情報記録媒体であって、レーザ照射によって描画が可能な構造を有する光情報記録媒体およびその描画方法を提案するものである。
追記型CD(CD−R)、追記型DVD(DVD±R)や追記型ブルーレイディスク(BD−R)等の光情報記録媒体は、直径12cmまたは直径8cmの透光性基板に、記録層及び反射層を形成した構造を有する。このうち、CD−Rは厚み1.2mmの透光性基板上に記録層及び反射層を形成した構造を有する。DVD±Rは、より高密度記録を実現するためにレーザ光の波長が短くかつ開口数(NA)の大きい対物レンズを用いる方式が採られており、これに伴ってディスクの傾き角度(チルト)の許容値を大きくする必要が出てきたために記録層及び反射層を有する透光性基板の厚みを0.6mmにしている。そのため、CD−Rと厚みを合わせるためにDVD±Rは0.6mmの厚みを有する同形状の基板を貼り合せて形成されている。また、BD−Rはさらに高密度記録を実現するため、厚さ1.1mmの透光性基板の光入射側の面に反射層及び記録層を順次形成し、その上に厚さ0.1mmの光透過層が形成された構造を有する。
このような光情報記録媒体においては、記録用レーザ光を入射させる側と反対側の面は通常レーベル面として利用されており、その表面に文字、記号、図形、模様またはこれらの組合せ等が印刷表示される。また、この面に、インクジェットプリンタ等で画像や文字を印刷できるように印刷可能層が設けられる場合もある。
このような光情報記録媒体は、レーベル面に容易に画像や文字を印刷形成することが可能であるが、これを行うためには専用機器または対応機器が必要であった。そこで最近では光情報記録装置を用いてレーザ光で光情報記録媒体に描画する技術が提案されてきている。例えば特開2006−031882号公報ではレーベル面にレーザ照射によって描画が可能な領域(描画層)を形成した光情報記録媒体が提案されており、光情報記録装置を用いて容易に描画することを可能にしている。
特開2006−031882号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された手段では描画層が記録用レーザ光を入射させる側の面とは反対側の面にあるので、描画するときには光情報記録媒体を裏返しする必要があった。また、上記特許文献1に開示された手段では、描画層に色素を用いているが、色素の分解特性が照射するレーザ光の波長に依存するため、分解特性が記録用レーザ光の波長に合った色素を用意する必要があった。
本発明は、光情報記録媒体を裏返しせずに光情報記録装置で描画することができ、かつ照射するレーザ光の波長に依存しないで描画することが可能な光情報記録媒体を提案するものである。
本発明では第一の解決手段として、光透過性の第一の基板の一方の面に、記録層、第一の反射層の順に形成された情報記録部を有し、前記情報記録部が形成された面側にさらに可視情報を記録可能な描画部を有する光情報記録媒体において、前記第一の反射層は半透過反射層であり、前記描画部は前記情報記録部側から第二の反射層、変色層、空隙層の順に形成され、前記変色層は80℃〜180℃で揮発するフェノール系化合物とロイコ染料との混合物の層であることを特徴とする光情報記録媒体を提案する。なお、ここで言う変色とは、光学特性(光の反射、吸収、屈折等)の変化を意味し、例えば光の吸収が少なくなって色が薄くなる「褪色」あるいは色が消える「消色」を含む。また、ここで言う光透過性とは、分光光度計で測定したときに70%以上好ましくは80%以上の光透過率を示すものとする。また、ここで言う可視情報とは、画像、文字、記号や模様等の目視で読み取れる情報とする。
上記第一の解決手段に開示された構成は次のように作用する。まず、情報記録部の第一の反射層が半透過反射層なので、描画用レーザ光を透過させるようにすることができる。こうして第一の反射層を透過した描画用レーザ光は描画部の第二の反射層に照射される。描画用レーザ光の焦点を第二の反射層に当てることにより、第二の反射層が描画用レーザ光のスポットによって加熱される。この第二の反射層からの熱が変色層に伝わると、変色層中のフェノール化合物がその熱によって揮発する。揮発したフェノール化合物は空隙層に取り込まれる。変色層はロイコ染料とフェノール化合物との相互作用により発色しているものであるが、揮発によりフェノール化合物が抜けるとその部分が褪色または消色する。この作用によって描画部に画像などの可視情報が記録できる。
このような第一の解決手段によれば、次のような効果が期待できる。すなわち、描画用レーザ光を記録用レーザ光と同じ方向から照射することができるので、光情報記録媒体を裏返しせずに光情報記録装置で描画することができる。また、描画用レーザ光は第二の反射層を加熱できればよいので、特にレーザ光の波長を限定する必要がなく、情報記録部の記録層の条件等を考慮してレーザ光波長を選択する自由度を大きくできる。また、変色層の材料として記録用レーザ光の波長に合った分解特性を有しているものを用いる必要がないので、照射するレーザ光の波長に依存しないで描画することが可能になる。
また、本発明では第ニの解決手段として、前記第一の手段に加えて、第二の反射層が半透過反射層である光情報記録媒体を提案する。前記第二の解決手段に開示された構成による作用は次のようになる。すなわち、描画用レーザ光が第二の反射層に照射されると前記第二の反射層が加熱される。一方第二の反射層は半透過反射層なので、描画用レーザ光の一部は第二の反射層を透過して変色層に直接照射される。変色層に到達した描画用レーザ光は変色層を加熱する。この作用によって第二の反射層からの間接的な加熱と変色層への直接的な加熱とを利用することができるため、描画用レーザ光の照射から前記変色層中のフェノール化合物が揮発するまでの時間を短縮することができ、描画時間を早めることができる。
なおこのような場合、変色層に描画用レーザ光が照射されたときに、変色層のレーザ光照射部分に発熱するための物質が存在していれば本発明の効果がより発揮される。そこで本発明では、第三の解決手段として、前記第ニの手段に加えて、前記変色層にレーザ光が照射されることによって発熱する物質が含まれている光情報記録媒体を提案する。これにより、第二の反射層の発熱と変色層の発熱とによって変色層中のフェノール化合物を揮発させることができ、これによって描画部に画像などの可視情報を記録することができる。
また、本発明では第四の解決手段として、前記第一の手段または第二の解決手段に加えて、前記第一の基板の前記情報記録部が形成された面上に、接着剤層を介して光透過性の第二の基板が貼りあわされており、前記第二の基板の前記情報記録部が貼り合わされている面と反対側の面上に前記描画部が形成されている光情報記録媒体を提案する。上記第四の解決手段によれば、情報記録部と描画部が第二の基板によって隔離されているので、情報記録部に干渉しないようにして描画部に描画することが可能な光情報記録媒体を得ることができる。
また、本発明では、第五の解決手段として、前記第一の手段または第二の解決手段に加えて、光透過性の第二の基板の一方の面上に、空隙層、変色層、第二の反射層の順に形成された描画部を有し、前記描画部が形成された面と、前記第一の基板の前記情報記録部が形成された面と、を接着剤層を介して貼りあわせている光情報記録媒体を提案する。上記第五の解決手段によれば、第二の基板が保護層として機能するので、描画部を保護することができる。
また、本発明では第六の解決手段として、前記第二の解決手段に加えて、前記描画部が前記情報記録部の記録用レーザ光入射側と反対側に隣接して形成されており、前記第一の反射層と前記第二の反射層が一つの半透過反射層を共用している光情報記録媒体を提案する。上記第六の解決手段によれば、半透過反射層が一層で済むので、裏返しせずに光情報記録装置で描画することができる光情報記録媒体を低コストで得ることができる。
なお、この第六の解決手段に加えてさらに、前記第一の基板の前記情報記録部及び前記描画部が形成された面に接着剤層を介して光透過性の第二の基板を貼りあわせても良い。この構成では、第二の基板が保護層として機能するので、描画部を保護することができる。
また、本発明では第七の解決手段として、光透過性の第一の基板の一方の面上に、第一の反射層、記録層の順に形成された情報記録部を有し、前記情報記録部の前記記録層上に光透過性のカバー層が形成されており、前記第一の基板の他方の面上に、可視情報を記録可能な描画部を有する光情報記録媒体において、前記第一の反射層は半透過反射層であり、前記描画部は前記情報記録部側から第二の反射層、変色層、空隙層の順に形成され、前記変色層は80℃〜180℃で揮発するフェノール系化合物とロイコ染料との混合物の層であることを特徴とする光情報記録媒体を提案する。上記第七の解決手段によれば、情報記録部が第一の基板の一方の面に形成され、描画部が第一の基板他方の面に形成されるので、情報記録部と描画部が第一の基板によって隔離されるようになり、情報記録部に干渉しないようにして描画部に描画することが可能な光情報記録媒体を得ることができる。
また、本発明では、光透過性の第一の基板の一方の面に、記録用レーザ光を入射させる側から記録層、第一の反射層の順に形成された情報記録部を有し、前記情報記録部に対して記録用レーザ光を入射させる側と反対側の位置に、記録用レーザ光を入射させる側から第二の反射層、変色層、空隙層の順に形成され、前記変色層が80℃〜180℃で揮発するフェノール系化合物とロイコ染料との混合物の層で構成された描画部を有する光情報記録媒体に可視情報を記録する描画方法において、前記描画部に、前記記録用レーザ光と同じ方向から描画用レーザ光を照射して、前記第二の反射層に焦点を当てて、前記第二の反射層及び前記変色層を加熱し、この熱により前記変色層の前記フェノール系化合物を揮発させて、前記変色層を変色させることにより可視情報を記録することを特徴とする光情報記録媒体の描画方法を提案する。この描画方法は、第二の反射層を描画用レーザ光によって加熱し、その熱によって変色層を加熱する方法である。描画用レーザ光は第二の反射層を加熱できれば良いのでどのような波長のレーザ光でも用いることができる。その結果、照射するレーザ光の波長に依存しないで描画が可能になる。
また、この場合前記記録層への記録用レーザ光の照射と、前記変色層への描画用レーザ光の照射とを同時に行っても良い。描画レーザ光は波長に依存しないので、記録用レーザ光と異なる光源のレーザ光を用いることができる。これにより情報記録部へのデータ記録と、描画部への可視情報の記録を同時に行うことができる。その結果従来の光情報記録媒体に比べて、データ記録と可視情報の記録とを合わせた総記録時間を短縮することができる。
本発明によれば、描画用レーザ光を、記録用レーザ光と同じ側から照射することができるので、光情報記録媒体を裏返しせずに光情報記録装置で描画部に描画することが可能になる。また、変色層の材料として記録用レーザ光の波長に合った分解特性を有しているものを用いる必要がないので、照射するレーザ光の波長に依存しないで描画することが可能な光情報記録媒体を得ることができる。
本発明の光情報記録媒体に係る第一の実施形態について、図1〜図2に基づいて説明する。図1は本発明の光情報記録媒体の模式部分断面図であり、DVD±Rの場合の一例を示している。光情報記録媒体1は、光透過性の第一の基板2の記録用レーザ光Aの入射側の面と反対側の面に記録層3a、第一の反射層3bが順次形成された情報記録部3を有し、前記第一の基板2の前記情報記録部3が形成された面に接着剤層6を介して貼りあわされた光透過性の第二の基板5を有し、該第二の基板5の記録用レーザ光Aの入射側と反対側の面に第一の反射層4a、変色層4b、及び空隙層4cが順次形成された描画部4を有する。点線Aは記録用レーザ光、点線Bは描画用レーザ光を示す。第一の基板2には、螺旋状の案内溝GVが形成されており、記録または再生時のトラッキングや位置情報の検出に用いられる。
第一の基板2は、ポリカーボネート等の光透過性の樹脂で構成されており、射出成形等の方法で直径120mm、厚さ0.6mmで中央に直径15mmの貫通孔(図示せず)を有する円形基板に成形されたものである。案内溝GVは射出成形時に金型内にセットしたスタンパによって形成される。記録層3aは、有機色素を含む層であり、アゾ系色素やシアニン系色素等の色素を例えばTFP(テトラフルオロプロパノール)溶液に溶かしたものをスピンコート法によって塗布して形成される。この記録層3aへの記録は、波長が630nm〜680nmの記録用レーザ光Aを照射してピットを形成することによって行われる。第一の反射層3bは、描画用レーザ光Bを透過させる半透過性の反射層である。この第一の反射層3bを構成する材料としては金属(Ag、Ag合金、Al)が用いられる。これらの材料をスパッタリング法で5〜30nmの厚さに成膜することによって第一の反射層3bが形成される。また第一の反射層3bには、CVD法などによって屈折率の異なる酸化膜を5〜30nmの厚さに積層させた誘電多層膜を用いる事も可能である。第二の基板5は第一の基板2と略同形状で、ポリカーボネート等の光透過性の樹脂で構成され、射出成形等の方法で直径120mm、厚さ0.6mmで中央に直径15mmの貫通孔(図示せず)を有する円形基板に成形されたものである。図1ではこの第二の基板5には案内溝が形成されていないが、描画用の位置情報を検出するために案内溝を形成しても良い。この第二の基板5は接着剤層6を介して第一の基板2の情報記録部3が形成された面と向かい合うように貼りあわされる。接着剤層6は光透過性の硬化性樹脂で構成されており、例えばエポキシ系接着剤等が用いられる。
第ニの反射層4aは、描画用レーザ光Bを照射することによって熱を発する層である。この第ニの反射層4aは発熱層として作用するものなので、光を全反射する通常の反射層よりも反射率が低い金属が望ましい。このような反射層はスパッタリングやCVD等によってAg、Al、Tiおよびそれらの合金等の金属を10〜70nmの厚さに成膜して得られる。なお、この第二の反射層4aは、第一の反射層3bと同様に半透過反射層であっても良い。その場合構成する材料は第一の反射層3bと同じ材料を用いても良い。この第二の反射層4aを半透過反射層とした場合、描画用レーザ光Bは第二の反射層4aを透過して変色層4bに照射される。
変色層4bは、描画用レーザ光Bが照射されて発熱した第二の反射層4aからの熱によって光学特性が変化する材料を用いて形成される。このような材料としてロイコ染料とフェノール化合物の混合物が用いられる。この混合物をスピンコート等の方法で50〜500nmの厚さに成膜することにより変色層4bが形成される。この混合物は、ロイコ染料を例えばTFP等の溶剤に溶かしたものと、フェノール化合物を例えばブタノール等の溶剤に溶かしたものとを混合して得られる。成膜後の変色層4bはX線回折やDSC(示差走査熱量分析)による分析で結晶性を示さず、アモルファス(非晶質)層となる。変色層4bを構成するロイコ染料としては、3−イソペンチルエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等のフルオラン骨格及びラクトン環を有するものが好ましい。フェノール化合物は80℃〜180℃で揮発するものが用いられる。このようなフェノール化合物としては、ビフェニル等がある。なお、第二の反射層4aを半透過反射層にした場合、描画用レーザ光Bが直接変色層4bに照射されるようになる。よって変色層4b内で発熱するように描画用レーザ光B照射されることによって発熱する物質を混合しても良い。レーザ光の照射によって発熱する物質としては、有機色素もしくはアルミニウム、チタン、タングステン等の金属粒子、シリコンまたはゲルマニウム等の半導体粒子が好ましい。
空隙層4cは、揮発したフェノール化合物を取り込む働きを有している。この空隙層4cは揮発したフェノール化合物を取り込むための空隙を有するとともに、可視情報が記録される変色層4bよりも外側にあるので、光を通すものである必要がある。この空隙層4cは、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)または酸化チタン(TiO)などの顔料を光透過性の有機バインダーに分散させ、これを硬化させたものである。シリコン、シリカまたはアルミナなどの顔料は、算術平均法で測定したときの平均粒径が10nm〜100nmのものが用いられる。算術平均法は、透過電子顕微鏡で画像の水平方向の最大直径を測定し、これをn=3000個以上について行いその平均値を算出するものである。通常、光透過性の材料に空隙を形成すると、空隙部分で光が乱反射または屈折するため、白濁してしまう。従って空隙を有する層を変色層の上に形成すると、変色層に形成された画像が見えにくくなってしまう。しかしこの顔料の粒径は可視光線の波長より小さいため、これによって空隙層4cに形成される空隙も可視光線の波長より小さくなる。空隙層4cは可視光線の波長よりも小さい空隙を有するため、空隙による光の乱反射や屈折が低減されるため、光を通しやすくなり、変色層4bに形成された可視情報が見やすくなる。光透過性の有機バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。なお、この有機バインダーを硬化させるためには架橋剤が必要となる。この架橋剤としてはホウ砂(Na・10HO)、硝酸ジルコニウム(Zr(NO3))やリン酸ナトリウム(NaPO)などが挙げられる。このような空隙層4cはスピンコート法またはスクリーン印刷等の方法で1〜3μmの厚さに形成される。
なお、図示していないが、変色層4bと空隙層4cとの間に、フェノール化合物の移動を調整する中間層を設けても良い。この中間層としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等の有機物をスピンコートによって100nm〜300nmの厚さに成膜したものや、アルミニウム金属やシリカ等の無機物をスパッタリングやCVDによって5nm〜10nmの厚さに成膜したものが挙げられる。
このように構成された光情報記録媒体1に描画する方法を図1及び図2に基づいて説明する。なお、ここでは第ニの反射層4aが光を透過させない反射層である場合について説明する。描画用のレーザ光Bが記録用レーザ光Aと同じ方向から照射される。第一の反射層3bは半透過反射層なので、描画用レーザ光Bは第一の反射層3bを通過して第二の反射層4aに焦点が当るように照射される。このとき第二の反射層4aは描画用レーザ光Bのスポットによって加熱されて、発熱部分HPが発生する。この発熱部分HPからの熱が変色層4bへ伝わっていく。
変色層4bはロイコ染料とフェノール化合物との相互作用により黒色を呈している。発熱部分HPからの熱が伝わると変色層4bが熱せられる。このとき、変色層4bの温度が80℃〜180℃に達すると、フェノール化合物が揮発して空隙層4cへ移動する。フェノール化合物が揮発した部分では、ロイコ染料との相互作用が消失または減少する。これにより黒色が消えて無色または白色になったように見える変色部HSが形成される。この変色部HSと変色していない部分とのコントラストにより、描画部4に可視情報が形成される。
なお、ここで第二の反射層4aが半透過反射層の場合について図3に基づいて説明する。描画用レーザ光Bが第二の反射層4aに焦点が当るように照射されると、描画用レーザ光BのスポットSPによって第二の反射層4aが加熱される。これと同時に描画用レーザ光Bは第二の反射層4aを透過して変色層4bに照射される。このとき描画用レーザ光BのスポットSPは光の波動性によって厚みtのビームウェストを持つ。その厚みtは例えば描画用レーザ光Bとして例えばCD−Rの記録用レーザ光を用いた場合では波長に相当する約780nmの厚さになる。この現象によって第二の反射層4aを透過した描画用レーザ光BのスポットSPは、変色層4bまで達する。このスポットSPによって変色層4b内の発熱物質が加熱され、変色層4bが直接発熱する。この方法によれば、第二の反射層4aの加熱による熱を伝える方法よりも短時間で変色部HSを形成することができ、描画時間を短縮することができる。
このような光情報記録媒体1では、情報記録部3と描画部4が第二の基板5によって隔離されているので、互いに干渉することはない。また、描画用レーザ光Bはどの波長のレーザ光を用いても良いので情報記録部3に照射される記録用レーザ光Aと同じ波長のレーザー光を用いても良いし異なる波長のレーザ光を用いても良い。よってレーザ光源を複数有するマルチドライブと呼ばれる記録再生装置であれば、情報記録部3へのデータ記録と描画部4への可視情報の記録を同時に行うことができる。
次に、本発明の光情報記録媒体に係る第ニの実施形態について、図4に基づいて説明する。図4に示す光情報記録媒体11は前述の第一の実施形態とは異なるDVD±Rの場合の一例を示しており、光透過性の第一基板12の記録用レーザ光Aの入射側の面と反対側の面に記録層13a、第一の反射層13bが順次形成された情報記録部13を有し、光透過性の第二の基板15の記録用レーザ光Aの入射側の面に空隙層14c、変色層14b、第二の反射層14aが順次形成された描画部14を有し、第一の基板12の情報記録部13が形成された面すなわち第一の反射層13bが形成された面と、第二の基板15の描画部14が形成された面すなわち第二の反射層14b1が形成された面とを、光透過性の接着剤層16を介して貼り合せたものである。なお、描画方法などは、前述の第一の実施形態と同様で、描画用レーザ光Bは第一の基板12、記録層13a、第一の反射層13b及び接着剤層16を透過して第二の反射層14aに焦点を合わせて照射される。
このような光情報記録媒体11では、第二の基板15を保護層として利用することができるので、描画部を保護することができる。また、第一の基板12に情報記録部13を形成する工程と、第二の基板15に描画部14を形成する工程とを、別々の工程で行うことができるので、一つの工程で順次形成する方法に比べて工程を短縮することができる。
次に、本発明の光情報記録媒体に係る第三の実施形態について、図5に基づいて説明する。図5に示す光情報記録媒体21は前述の第一の実施形態とは異なるDVD±Rの場合の一例を示しており、光透過性の第一基板22の記録用レーザ光Aの入射側の面と反対側の面に記録層23a、第一の反射層23bが順次形成された情報記録部23を有し、その上に変色層24b、空隙層24cが順次形成された描画部24を有し、第一の基板22の情報記録部23及び描画部24が形成された面に接着剤層26を介して貼りあわされた光透過性の第二の基板25を有する。なお、描画方法などは、前述の第一の実施形態と同様で、描画用レーザ光Bは第一の基板22及び記録層23a透過して第一の反射層23bに焦点を合わせて照射される。
このような光情報記録媒体21では、情報記録部23の第一の反射層23bが、描画部24の反射層として共用されている。反射層はスパッタやCVDなどの高価な装置を用いるため、製造コストがかかるが、本実施形態の構造では、反射層を一層形成するだけで済むので、その分低コストで裏返しせずに光情報記録装置で描画することができる光情報記録媒体を得ることができる。なお、このような構造では、情報記録部23と描画部24が前述の第一及び第二の実施形態と比較して近接して形成されているが、情報記録部23に照射する記録用レーザ光Aの波長と描画部24に照射する描画用レーザ光Bの波長を異なるものにすれば影響は小さくなる。また、反射層23bの発熱による記録層23aへの影響についても、変色層24bの変色に必要な温度が80℃〜180℃であり、光情報記録媒体に一般的に用いられる色素の分解温度(250℃以上)よりも低いので、問題はない。
また、本実施形態の別例として図6に示す光情報記録媒体31がある。この構造はCD−Rと同様の構造を示しており、厚さ1.2mmの光透過性の第一の基板32の記録用レーザ光Aの入射側の面と反対側の面に記録層33a、第一の反射層33bが順次形成された情報記録部33を有し、その上に変色層34b、空隙層34cが順次形成された描画部34を有している。なお、この構造の場合、第一の反射層33bは半透過反射層でも全反射する通常の反射層でも良い。
次に、本発明の光情報記録媒体に係る第四の実施形態について、図7に基づいて説明する。図7に示す光情報記録媒体41はBD−Rの場合の構造一例を示しており、光透過性の第一の基板42の記録用レーザ光Aの入射側の面に、基板面から第一の反射層43b、記録層43aの順に形成された情報記録部43を有し、情報記録部43の記録層43a上に光透過性のカバー層45が形成されており、第一の基板42の記録用レーザ光Aの入射側と反対側の面に、基板面から第二の反射層44a、変色層44b、空隙層44cの順に形成された描画部44を有している。また、図示していないが、記録層43aとカバー層45との間には光透過性の保護層が形成されていても良い。なお、描画方法などは、前述の第一の実施形態と同様で、描画用レーザ光Bはカバー層45、記録層43a、第一の反射層43b及び第一の基板42を透過して第二の反射層44aに焦点を合わせて照射される。
第一の基板42はポリカーボネート等の光透過性の樹脂で構成されており、射出成形等の方法で直径120mm、厚さ1.1mmで中央に直径15mmの貫通孔(図示せず)を有する円形基板に成形されたものである。記録層43aは有機色素を含む層であり、アゾ系色素やシアニン系色素等の色素を例えばTFP溶液に溶かしたものをスピンコート法によって塗布して形成される。この記録層43aへの記録は、波長が400nm〜450nmの記録用レーザ光Aを照射してピットを形成することによって行われる。また、カバー層45は、厚さ0.1mmの光透過性の樹脂で構成されており、厚さ0.1mmのポリカーボネート等のシートを光透過性の接着剤層(図示せず)で貼りつけるか、光透過性の紫外線硬化樹脂等をスピンコート法等によって塗布して硬化させることにより0.1mmの厚さに成膜する方法で得ることができる。なお、第一の反射層43b、第二の反射層44a、変色層44b及び空隙層44cは前述の第一の実施形態と同様である。
このような光情報記録媒体41では、情報記録部43が第一の基板42の一方の面に形成され、描画部44が第一の基板42の他方面に形成されるので、第一の基板42によって隔離され、互いに干渉することはない。また、BD−Rの場合記録用レーザ光Aと描画用レーザ光Bの焦点距離が大きく異なるので、使用する光源が別々のものが使用される。そのためレーザ光源を複数有するマルチドライブと呼ばれる記録再生装置であれば、情報記録部43へのデータ記録と描画部44への可視情報の記録を同時に行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲内であれば、光情報記録媒体の形状などの制限はなく、適用可能である。
本発明の光情報記録媒体の第一の実施形態を示す模式断面図である。 図1の点線Cの部分を拡大した模式部分断面図である。 図1の点線Cの部分を拡大した模式部分断面図で、第二の反射層が半透過反射層の場合を示す図である。 本発明の光情報記録媒体の第二の実施形態を示す模式部分断面図である。 本発明の光情報記録媒体の第三の実施形態を示す模式部分断面図である。 本発明の光情報記録媒体の第三の実施形態の別例を示す模式部分断面図である。 本発明の光情報記録媒体の第四の実施形態を示す模式部分断面図である。
符号の説明
1、11、21、31、41 光情報記録媒体
2、12、22、32、42 第一の基板
3、13、23、33、43 情報記録部
3a、13a、23a、33a、43a 記録層
3b、13b、23b、33b、43b 第一の反射層
4、14、24、34、44 描画部
4a、14a、44a 第ニの反射層
4b、14b、24b、34b、44b 変色層
4c、14c、24c、34c、44c 空隙層
5、15、25 第ニの基板
6、16、26 接着剤層
45 カバー層

Claims (10)

  1. 光透過性の第一の基板の一方の面上に、記録層、第一の反射層の順に形成された情報記録部を有し、前記情報記録部が形成された面側にさらに可視情報を記録可能な描画部を有する光情報記録媒体において、
    前記第一の反射層は半透過反射層であり、
    前記描画部は前記情報記録部側から第二の反射層、変色層、空隙層の順に形成され、前記変色層は80℃〜180℃で揮発するフェノール系化合物とロイコ染料との混合物の層である
    ことを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 前記第二の反射層は半透過反射層であることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 前記変色層は、レーザ光が照射されることによって発熱する物質を含むことを特徴とする請求項2に記載の光情報記録媒体。
  4. 前記第一の基板の前記情報記録部が形成された面上に、接着剤層を介して光透過性の第二の基板が貼りあわされており、前記第二の基板の前記情報記録部が貼り合わされている面と反対側の面上に前記描画部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光情報記録媒体。
  5. 光透過性の第二の基板の一方の面上に、空隙層、変色層、第二の反射層の順に形成された描画部を有し、前記描画部が形成された面と、前記第一の基板の前記情報記録部が形成された面と、を接着剤層を介して貼りあわせていることを特徴とする請求項1または2に記載の光情報記録媒体。
  6. 前記描画部は前記情報記録部に隣接して形成されており、前記第一の反射層と前記第二の反射層は一つの半透過反射層を共用していることを特徴とする請求項2に記載の光情報記録媒体。
  7. 前記第一の基板の前記情報記録部及び前記描画部が形成された面に、接着剤層を介して光透過性の第二の基板が貼りあわされていることを特徴とする請求項6に記載の光情報記録媒体。
  8. 光透過性の第一の基板の一方の面上に、第一の反射層、記録層の順に形成された情報記録部を有し、前記情報記録部の前記記録層上に光透過性のカバー層が形成されており、前記第一の基板の他方の面上に、可視情報を記録可能な描画部を有する光情報記録媒体において、
    前記第一の反射層は半透過反射層であり、
    前記描画部は前記情報記録部側から第二の反射層、変色層、空隙層の順に形成され、前記変色層は80℃〜180℃で揮発するフェノール系化合物とロイコ染料との混合物の層である
    ことを特徴とする光情報記録媒体。
  9. 光透過性の第一の基板の一方の面に、記録用レーザ光を入射させる側から記録層、第一の反射層の順に形成された情報記録部を有し、前記情報記録部に対して記録用レーザ光を入射させる側と反対側の位置に、記録用レーザ光を入射させる側から第二の反射層、変色層、空隙層の順に形成され、前記変色層が80℃〜180℃で揮発するフェノール系化合物とロイコ染料との混合物の層で構成された描画部を有する光情報記録媒体に可視情報を記録する描画方法において、
    前記描画部に、前記記録用レーザ光と同じ方向から描画用レーザ光を照射して、
    前記第二の反射層に焦点を当てて、前記第二の反射層及び前記変色層を加熱し、
    この熱により前記変色層の前記フェノール系化合物を揮発させて、前記変色層を変色させることにより可視情報を記録する
    ことを特徴とする光情報記録媒体の描画方法。
  10. 前記記録層への記録用レーザ光の照射と、前記変色層への描画用レーザ光の照射とを同時に行うことを特徴とする請求項9に記載の光情報記録媒体の描画方法。
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