JP2006227090A - 偏光板保護フィルム - Google Patents

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【課題】光学部材として用いられる、外力による複屈折変化が小さい偏光板保護フィルムを提供すること。
【解決手段】アクリル系樹脂(a)およびポリ乳酸系樹脂(b)よりなる樹脂組成物を用いた偏光板保護フィルム。上記において、高弾性係数が−13(×10-12Pa)を超え、12(×10-12Pa)未満のフィルムを用いることにより複屈折率変化が小さい偏光板が得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学特性に優れた偏光板保護フィルムに関する。
最近、例えばディスプレイ市場の拡大に伴い、より画像を鮮明にみたいという要求が高まっており、単なる透明材料ではなく、より高度な光学特性が付与された光学材料が求められている。
一般に高分子は分子主鎖方向とそれに垂直方向とで屈折率が異なるために複屈折を生じる。用途によっては、この複屈折を厳密にコントロールすることが求められており、液晶の偏光板に用いられる偏光板保護フィルムの場合は、全光線透過率が同じであっても複屈折がより小さいことが必要とされている。このため偏光板保護フィルムには従来TAC(トリアセチルセルロース)フィルムが多く用いられている。
また、近年は、液晶ディスプレイ等の各種ディスプレイが大型化し、それに必要な高分子光学材料成形品が大型化するにつれて、外力の偏りによって生じる複屈折の分布を小さくするために、外力による複屈折の変化が小さい材料が求められている。そのためにはあらたな要求特性として光弾性係数の小さい高分子光学材料が求められ、光弾性係数の低い材料としては、前述のTAC(トリアセチルセルロース)やメタクリル酸メチルの単独重合体(PMMA)、アモルファスポリオレフィン(APO)が知られている(例えば非特許文献1参照)。しかしながら、これらの材料でもまだ外力による複屈折変化が大きく、さらに外力による複屈折変化が小さい材料が望まれていた。
また、PMMAとポリ乳酸のブレンド物が知られている(例えば非特許文献2参照)。しかし、該非特許文献にはそれらのブレンド物が光学特性に優れるとの記載も示唆もない。
化学総説、No.39、1998(学会出版センター発行) POLYMER Vol.39 No.26, 1998
本発明は、光学部材として用いられる、外力による複屈折変化が小さい偏光板保護フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、アクリル系樹脂および脂肪族ポリエステル系樹脂からなるフィルムが外力による複屈折変化が小さいことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1] アクリル系樹脂(a)および脂肪族ポリエステル系樹脂(b)からなる樹脂組成物を用いて成形されてなる偏光板保護フィルム、
[2] 光弾性係数が−13(×10−12/Pa)を超え12(×10−12/Pa)未満である[1]に記載の偏光板保護フィルム、
[3] 延伸した場合の複屈折(Δn(S))と延伸倍率(S)の関係において、その最小二乗近似より求めた傾きKの値が以下の式を満たす樹脂組成物を用いて成形されてなる[1]または[2」に記載の偏光板保護フィルム、
K=Δn(S)/S
−8.0×10−6<K<6.5×10−5
である。
本発明により、外力による複屈折の変化が小さく、ディスプレイ等に好適に用いられる偏光板保護フィルムの提供が可能になる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の偏光板保護フィルムは、アクリル系樹脂(a)および脂肪族ポリエステル系樹脂(b)を必須成分とする樹脂組成物を用いて成形されて得られるものである。
本発明において偏光板保護フィルムとは、偏光板の構成部材として用いられ、偏光フィルム(例えば、高重合度のPVAベースフィルムにポリヨウ素などの二色性色素または二色性染料を含浸・吸着させたもの)の両面もしくは片面に貼り合わせて、偏光フィルムの強度向上、熱・水分からの保護、品質劣化防止等の目的で使用されるフィルムである。従来、TAC(トリアセチルセルロース)フィルムが多く用いられていた。
本発明における(a)アクリル系樹脂は、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル、より選ばれる1種以上の単量体を重合したものであり、単独でまたは2種以上混合して用いることができる。なかでも、メタクリル酸メチルの単独重合体または他の単量体との共重合体が好ましい。
メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体としては、他のメタリル酸アルキルエステル類、アクリル酸アルキルエステル類、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸無水物類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和酸類が挙げられる。これらメタクリル酸メチルと共重合可能な単量体の中でも、特にアクリル酸アルキルエステル類は耐熱分解性に優れ、又アクリル酸アルキルエステル類を共重合させて得られるメタクリル系樹脂は成形加工時の流動性が高く好ましい。メタクリル酸メチルにアクリル酸アルキルエステル類を共重合させる場合のアクリル酸アルキルエステル類の使用量は、耐熱分解性の観点から0.1重量%以上であることが好ましく、耐熱性の観点から15重量%以下であることが好ましい。0.2重量%以上14重量%以下であることがさらに好ましく、1重量%以上12重量%以下であることがとりわけ好ましい。このアクリル酸アルキルエステル類の中でも、特にアクリル酸メチル及びアクリル酸エチルは、それを少量メタクリル酸メチルと共重合させても上記改良効果は著しく最も好ましい。上記メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体は一種または二種以上組み合わせて使用することもできる。
アクリル系樹脂(a)の重量平均分子量は5万〜20万のものが好ましい。重量平均分子量は成形品の強度の観点から5万以上が好ましく、成形加工性、流動性の観点から20万以下が好ましい。さらに好ましい範囲は7万〜15万である。また、本発明においてはアイソタクチックポリメタクリル酸エステルとシンジオタクチックポリメタクリル酸エステルを同時に用いることもできる。
アクリル系樹脂を製造する方法として、例えばキャスト重合、塊状重合、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、アニオン重合等の一般に行われている重合方法を用いることができるが、光学用途としては微小な異物の混入は出来るだけ避けることが好ましく、この観点からは懸濁剤や乳化剤を用いない塊状重合や溶液重合が望ましい。溶液重合を行う場合には、単量体の混合物をトルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素の溶媒に溶解して調整した溶液を用いることができる。塊状重合により重合させる場合には、通常行われるように加熱により生じる遊離ラジカルや電離性放射線照射により重合を開始させることができる。
重合反応に用いられる開始剤としては、一般にラジカル重合において用いられる任意の開始剤を使用することができ、例えばアゾビスイソブチルニトリル等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物が用いられ、また、特に90℃以上の高温下で重合を行わせる場合には、溶液重合が一般的であるので、10時間半減期温度が80℃以上でかつ用いる有機溶媒に可溶である過酸化物、アゾビス開始剤などが好ましく、具体的には1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、シクロヘキサンパーオキシド、2,5−ジメ チル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル等を挙げることができる。これらの開始剤は0.005〜5wt%の範囲で用いられる。
重合反応に必要に応じて用いられる分子量調節剤は、一般的なラジカル重合において用いる任意のものが使用され、例えばブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘキシル等のメルカプタン化合物が特に好ましいものとして挙げられる。これらの分子量調節剤は、重合度が上記の範囲内に制御されるような濃度範囲で添加される。
本発明の(b)脂肪族ポリエステル系樹脂としては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体などが挙げられる。具体的には、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体としては、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ3−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ吉草酸、ポリ3−ヒドロキシヘキサン酸およびポリカプロラクトンなどが挙げられ、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体としては、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペートおよびポリブチレンサクシネートなどが挙げられる。これらの脂肪族ポリエステルは、単独ないし2種以上を用いることができる。これらの脂肪族ポリエステルの中でも、ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体が好ましく、特にポリ乳酸系樹脂が好ましく使用される。
ポリ乳酸系樹脂としては、L−乳酸および/またはD−乳酸を主たる構成成分とする重合体であるが、本発明の目的を損なわない範囲で、乳酸以外の他の共重合成分0.1〜30重量%を含んでいてもよい。かかる他の共重合成分単位としては、例えば、多価カルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトンなどが挙げられ、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸などの多価カルボン酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ−ルA、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させた芳香族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの多価アルコール類、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸類、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン類などを使用することができる。これらの共重合成分は、単独ないし2種以上を用いることができる。
(b)脂肪族ポリエステル系樹脂の製造方法としては、既知の重合方法を用いることができ、特にポリ乳酸系樹脂については、乳酸からの直接重合法、ラクチドを介する開環重合法などを採用することができる。本発明におけるポリ乳酸(b)は乳酸、すなわちL−乳酸、D−乳酸を主とする重合体である。ポリ乳酸系樹脂において、L−乳酸単位と、D−乳酸単位の構成モル比は、L−体とD−体あわせて100%に対し、L体ないしD体いずれかが85%以上が好ましく、更に好ましくは一方が90%以上であり、更に好ましくは一方が94%以上の重合体である。本発明においてはL−乳酸を主体とするポリL乳酸とD−乳酸を主体とするポリD乳酸を同時に用いることもできる。
ポリ乳酸系樹脂は、L体ないしD体以外の乳酸誘導体モノマーまたは、ラクチドと共重合可能な他成分を共重合していてもよく、このような成分としてはジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等が例示される。ポリ乳酸系樹脂は、直接脱水縮合、ラクチドの開環重合等公知の重合法で重合することが出来る。また必要に応じてポリイソシアネート等の結合剤を用いて、高分子量化することも出来る。
ポリ乳酸系樹脂の好ましい重量平均分子量範囲は、機械的性質の観点から重量平均分子量が30,000以上であることが好ましく、加工性の観点から1000,000以下であることが好ましい。更に好ましくは50,000〜500,000、最も好ましくは100,000〜280,000である。
本発明においてアクリル系樹脂(a)と脂肪族ポリエステル系樹脂(b)よりなる樹脂組成物におけるアクリル系樹脂(a)の割合(重量部)の範囲は、アクリル系樹脂(a)と脂肪族ポリエステル系樹脂(b)の合計量100重量部に対して、光弾性係数、強度、耐熱性等の点から0.1重量部以上99.9重量部以下であることが好ましく、20重量部以上95重量部以下であることがさらに好ましく、40重量部以上90重量部以下であることがとりわけ好ましい。
本発明の樹脂組成物からなる成形体においては、光弾性係数が−13(×10−12/Pa)を超え12(×10−12/Pa)未満であることが好ましい。光弾性係数に関しては種種の文献に記載があり(例えば非特許文献1参照)、下式により定義されるものである。
CR=Δn/σR Δn=nx−ny
(式中、CR:光弾性係数、σR:伸張応力、Δn:複屈折、nx:伸張方向の屈折率、ny:伸張方向と垂直な屈折率)
光弾性係数の値がゼロに近いほど外力による複屈折の変化が小さいことを示しており、各用途において設計された複屈折の変化が小さいことを意味する。光弾性値の値は−10(×10−12/Pa)を超え9(×10−12/Pa)未満であることがさらに好ましく、−5(×10−12/Pa)を超え5(×10−12/Pa)未満であることがとりわけ好ましい。
本発明の樹脂組成物においては、延伸した場合の複屈折(Δn(S))と延伸倍率(S)の関係において、その最小二乗近似より求めた傾きKの値が以下の式をみたすことが好ましい。
K=Δn(S)/S
−8.0×10−6<K<6.5×10−5
さらに好ましい範囲は、−5.0×10−6<K<5.0×10−5であり、とりわけ好ましい範囲は、−3.0×10−6<K<2.0×10−5である。
本発明のように、偏光板保護フィルムに用いる場合、Kの値がこの範囲にある材料は押し出し成形、キャスト成形における成形起因の配向による複屈折が生じにくく好ましい。
本発明においては、耐加水分解抑制剤を加えることにより、(b)成分の加水分解による分子量低下を抑えることが可能となり、例えば強度低下等を抑えることができる。耐加水分解抑制剤としては、脂肪族ポリエステル樹脂の末端官能基であるカルボン酸及び水酸基との反応性を有する化合物、例えばカルボジイミド化合物、イソアネート化合物、オキソゾリン系化合物などが適用可能であるが、特に、カルボジイミド化合物(ポリカルボジイミド化合物を含む。)がポリエステル樹脂と良く溶融混練でき、少量添加で加水分解を抑制できるため好適である。分子中に1個以上のカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物(ポリカルボジイミド化合物を含む。)としては、例えば、触媒として有機リン系化合物または有機金属化合物を用い、各種ポリマーイソシアネートを約70℃以上の温度で、無溶媒または不活性溶媒中で脱炭酸縮合反応に付することにより合成することができるものが挙げられる。
ポリカルボジイミドとしては、種々の方法で製造したものを使用することができるが、基本的には従来のポリカルボジイミドの製造方法(米国特許第2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、J.0rg.Chem.28, 2069−2075(196 3)、Chemical Review l981,Vol.81No.4、p619−621)により製造したものを用いることができる。
ポリカルボジイミドを製造するための原料である有機ジイソシアネートとしては、例えば芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートやこれらの混合物を挙げることができ、具体的には、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネ ートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,6−ジイソプロピルフェニルイソシアネート、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネートを例示することができる。
耐加水分解抑制剤の好ましい量は、(a)成分、(b)成分あわせて100重量部に対し、耐加水分解抑制剤を0.01〜50重量部である。耐加水分解抑制効果の発現の観点から0.01重量以上が好ましく、光学特性の観点から50重量部以下が好ましい。より好ましい範囲は、0.01〜30重量部の範囲であり、更に好ましくは、0.1〜30重量部である。
また、本発明においては(a)成分および(b)成分以外の重合体を、本発明の目的を損なわない範囲で混合することができる。(a)成分、(b)成分以外の重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリル共重合体等のスチレン系樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂、およびフェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂などの少なくとも1種以上をさらに添加することができる。
さらに、本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、各種目的に応じて任意の添加剤を配合することができる。添加剤の種類は,樹脂やゴム状重合体の配合に一般的に用いられるものであれば特に制限はない。無機充填剤,酸化鉄等の顔料,ステアリン酸,ベヘニン酸,ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸マグネシウム,エチレンビスステアロアミド等の滑剤,離型剤,パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、パラフィン、有機ポリシロキサン,ミネラルオイル等の軟化剤・可塑剤,ヒンダードフェノール系酸化防止剤、りん系熱安定剤等の酸化防止剤,ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤,難燃剤,帯電防止剤,有機繊維,ガラス繊維,炭素繊維、金属ウィスカ等の補強剤,着色剤、その他添加剤或いはこれらの混合物等が挙げられる。
本発明に使用される樹脂組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法が利用できる。例えば単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、各種ニーダー等の溶融混練機を用いて、(a)成分および(b)成分、必要に応じて耐加水分解抑制剤や上記その他の成分を添加して溶融混練して樹脂組成物を製造することができる。
また、本発明の偏光板保護フィルムには、押し出し成形、キャスト成形等の成形手法を用いることができる。例えば、Tダイ、円形ダイ等が装着された押出機等を用いて、未延伸フィルムを押し出し成形することができる。押し出し成形により成形品を得る場合は、事前に(a)成分、(b)成分を溶融混錬した材料を用いることもできれば、押し出し成形時に溶融混錬を経て成形することもできる。また、(a)成分、(b)成分に共通な溶媒、例えばクロロホルム、二塩化メチレン等の溶媒を用いて、(a)成分、(b)成分を溶解後、キャスト乾燥固化することにより未延伸フィルムをキャスト成形もすることができる。
さらに必要に応じて、未延伸フィルムを機械的流れ方向に縦一軸延伸、機械的流れ方向に直行する方向に横一軸延伸することができ、またロール延伸とテンター延伸の逐次2軸延伸法、テンター延伸による同時2軸延伸法、チューブラー延伸による2軸延伸法等によって延伸することにより2軸延伸フィルムを製造することができる。延伸倍率は少なくともどちらか一方向に0.1%以上1000%以下であることが好ましく、0.2%以上600%以下であることがさらに好ましく、0.3%以上300%以下であることがとりわけ好ましい。この範囲に設計することにより、複屈折、耐熱性、強度の観点で好ましい延伸成形体が得られる。
本発明における偏光板保護フィルムの厚さは1〜300μmが好ましい。更に好ましい厚さの範囲は、取扱い時のシワになり易さ(シワ防止)の観点から10μm以上であり、透明性の観点から200μm以下である。最も好ましい範囲は、20〜150μmである。
本発明の偏光板保護フィルムは偏光板の構成部材として、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のディスプレイに用いることができる。
本発明の偏光板保護フィルムは、必要に応じて、例えば反射防止処理、透明導電処理、電磁波遮蔽処理、ガスバリア処理、防汚処理等の表面機能化処理をすることもできる。
次に実施例によって本発明を説明する。
本願発明および実施例で用いた評価法をまず説明する。
(I)評価。
(i)光弾性係数の測定
PolymerEngineering and Science 1999,39,2349-2357に詳細の記載のある複屈折測定装置を用いた。レーザー光の経路にフィルムの引っ張り装置を配置し、23℃で伸張応力をかけながら複屈折を測定した。伸張時の歪速度は50%/分(チャック間:10mm、チャック移動速度:5mm/分)、試験片幅は8mmで測定を行った。複屈折(Δn)と伸張応力(σR)の関係から、最小二乗近似によりその直線の傾きをもとめ光弾性係数(CR)を計算した。関係のグラフ図を図1に示した。傾きの絶対値が小さいほど光弾性係数が0に近いことを示し、好ましい光学特性であることを示す。
CR=Δn/σR Δn=nx−ny
(CR:光弾性係数、σR:伸張応力、Δn:複屈折、nx:伸張方向の屈折率、ny:伸張方向と垂直な屈折率)
複屈折(Δn)の絶対値(|Δn|)は、以下のように求めた。
|Δn|=|nx−ny|
(ii)全光線透過率の測定
ASTM D1003に準拠し測定を行った。
(iii)分子量
GPC[東ソー製GPC−8020、検出RI,カラム昭和電工製Shodex K−805,801連結]を用い、溶媒はクロロホルム、測定温度40℃で、市販標準ポリスチレン換算で重量平均分子量を求めた。
(iv)比旋光度
Macromolecules1991,24,5657-5662に記載の方法で比旋光度[α]を求めた。
(II)用いた原材料など
(i)(メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル)共重合体(A−1)
メタクリル酸メチル89.2重量部、アクリル酸メチル5.8重量部およびキシレン5重量部からなる混合物に、1,1−ジ−t−ブチルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.0294重量部、およびn−オクチルメルカプタン0.115重量部を添加し、均一に混合する。
この溶液を内容積10リットルの密閉式耐圧反応器に連続的に供給し、攪拌下に平均温度130℃、平均滞留時間2時間で重合した後、反応器に接続された貯槽に連続的に送り出し、一定条件下で揮発分を除去し、さらに押出機に連続的に溶融状態で移送し、押出機にて以下の実施例に使用したアクリル系樹脂(a)である(メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル)共重合体のペレットを得た。得られた共重合体のアクリル酸メチル含量は6.0重量%、重量平均分子量は145,000、ASTM−D1238に準拠して測定した230℃、3.8キログラム荷重のメルトフローレート値は1.0g/分であった。
(ii)ポリ乳酸(B−1)
以下の実施例に使用した脂肪族ポリエステル系樹脂(b)であるポリ乳酸系樹脂は、公知の例えば辻秀人著「Polylactide」in Biopolymers Vol.4 (Wiley−VCH 2002年刊)PP129−178や、特表平05−504731号公報に従って錫系触媒を用いたラクチドの開環重合法によりポリ乳酸(L乳酸とD乳酸の共重合体)のペレットを得た。(B−1)の重量平均分子量、比旋光度はそれぞれ、176,000、−150.6°であった。
[実施例1〜3および比較例1〜3]
テクノベル製Tダイ装着押し出し機(KZW15TW−25MG−NH型/幅150mmTダイ装着/リップ厚0.5mm)のホッパーに(a)成分、(b)成分のそれぞれのペレットの各組成のドライブレンドを投入した。押し出し機のシリンダー内樹脂温度とTダイの温度を調整し押し出し成形をすることにより実施例1〜3、比較例1〜2の未延伸フィルムを得た。また、従来偏光板保護フィルムとして多く用いられるTAC(トリアセチルセルロース)フィルムについても実施例との比較を行なった。比較例3として、市販品のTACフィルム(LOFO HIGH TECH FILM GMBH製の「TACPHAN」)を用いて測定した結果を示す。組成、押し出し条件、フィルムの厚み、全光線透過率、光弾性係数を表1に示した。また、実施例1〜2、比較例1〜2の未延伸フィルムのΔnと伸張応力の関係を図1に示す。
次に得られた実施例1〜3および比較例1〜2の未延伸フィルムの一軸延伸(延伸速度5%/分)を引っ張り試験機を用いて行い、延伸した場合の複屈折(Δn(S))と延伸倍率(S)の関係をプロットし、最小二乗近似によりKの値を求め、結果を表1に示した。図2は延伸した場合の複屈折(Δn(S))と延伸倍率(S)の関係をプロットしたグラフ図である。
比較例1のA−1よりなるフィルムのnx−nyの値は負となった。
実施例1〜3および比較例1〜2の組成、押し出し条件、延伸条件、フィルムの厚み、複屈折の絶対値をそれぞれ表2〜6に示した。
Figure 2006227090
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Figure 2006227090
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本発明の偏光板保護フィルムは、透明でかつ外力による複屈折の変化が小さいという優れた光学特性を持ち、偏光板の構成部材として液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のディスプレイに用いることができる。
実施例1、2および比較例1、2のΔnと伸張応力(σR)の関係を示すグラフ図である。 実施例1〜3および比較例1〜2の未延伸フィルムを延伸した場合の複屈折(Δn(S))と延伸倍率(S)の関係をプロットしたグラフ図である。

Claims (3)

  1. アクリル系樹脂(a)および脂肪族ポリエステル系樹脂(b)からなる樹脂組成物を用いて成形されてなる偏光板保護フィルム。
  2. 光弾性係数が−13(×10−12/Pa)を超え12(×10−12/Pa)未満である請求項1に記載の偏光板保護フィルム。
  3. 延伸した場合の複屈折(Δn(S))と延伸倍率(S)の関係において、その最小二乗近似より求めた傾きKの値が以下の式を満たす樹脂組成物を用いて成形されてなる請求項1または2に記載の偏光板保護フィルム。
    K=Δn(S)/S
    −8.0×10−6<K<6.5×10−5
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