JP2006226856A - 距離設定型光電センサー - Google Patents

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Abstract

【課題】受光素子として二分割PDを用い、安価な構成で測定可能な距離範囲を広げる改良を行った距離設定型光電センサーを提供する。
【解決手段】受光素子として、受光面が接近側受光面22Nと離間側受光面22Fとに二分割され、各分割受光面が個別の受光量信号を出力する二分割PD22と、単一受光面を有する補助PD22aとを併用する。ワークが接近又は離間したときに受光スポットが移動する方向に沿って二分割PDの離間側受光面22F、接近側受光面22N、及び補助PD22aの受光面が並ぶように配置され、補助PD22aの出力と、二分割PD22の接近側受光面22Nの出力とが並列接続されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、光を用いた三角測距によって対象物までの距離を測定し、測定された距離と基準距離との比較結果を出力する距離設定型光電センサーに関し、詳しくは受光部の構成に関する。
この種の光電センサーは、位置センサー又は変位センサーと呼称される場合もあり、光を用いた三角測距によって対象物(以下、ワークという)までの距離を測定する。図1を参照して、この測定原理を簡単に説明する。図1に示すように、センサーヘッド101に発光素子102と受光素子103が所定の間隔で配設されている。発光素子102から投光された光が投光レンズ104を通ってワークWKに投光され、ワークWKで反射した光が受光レンズ105を通って受光素子103に入射する。受光素子103として、一定範囲の受光面を有し、入射光の受光面におけるスポット位置又は光量分布の重心位置を検出可能なPSD(位置検出半導体素子)、CCD(固体撮像素子)等のセンサー素子が使用される。
図1において、ワークWKの位置が破線で示すようにセンサーヘッド101に近づくと、受光素子103に入射する反射光が破線で示すように変化するので、受光素子103の受光面における受光スポット位置又は受光量分布の重心位置が矢印で示すように移動する。ワークWKがセンサーヘッド101から遠ざかる方向に移動すれば受光素子103の受光面における受光スポット位置又は受光量分布の重心位置は矢印と逆の方向に移動する。したがって、受光素子103の受光面における受光スポットの位置又は光量分布の重心位置を検出することによって、ワークWKまでの距離又はその変位を測定することができる。
このような光電センサーは通常、ワークまでの距離を測定して表示すると共に、測定結果と基準距離(予め定めた距離)との比較結果を二値信号として表示し、外部へ出力する機能を有する。また、ワークまでの距離と基準距離との比較結果である二値信号を出力する機能に特化した光電センサー(光電スイッチ)として、二分割PD(フォトダイオード)を受光素子に用いたものがある。二分割PDは、PSDやCCDに比べて安価であること等のメリットがある。二分割PDを用いた従来の距離設定型光電センサーの動作原理を図2に基づいて簡単に説明する。
図2に示すように、二分割PD103は受光面が2つに分割されており、各分割受光面から個別の受光量信号が得られる。一方の分割受光面をN側(Near側)受光面、他方の分割受光面をF側(Far側)受光面という。図2(b)に示すように受光スポットSPがN側受光面とF側受光面との境界に位置するときに両方の分割受光面から同等の受光量信号が得られる。また、図2(a)に示すように受光スポットSPがN側受光面に偏ると、N側受光面から得られる受光量NがF側受光面から得られる受光量Fより大きくなる(N>F)。逆に図2(c)に示すように受光スポットSPがF側受光面に偏ると、F側受光面から得られる受光量FがN側受光面から得られる受光量Nより大きくなる(N<F)。したがって、図2(b)に示す状態を基準距離とすれば、N側受光面とF側受光面から得られる受光量の差N−Fが正であるか負であるかに基づいて、ワークWKまでの距離が基準距離より近いか遠いかを示す二値信号を出力することができる。
上記のような距離設定型光電センサーで測定可能な距離範囲は、図1から分かるように、受光素子の受光面の大きさと光学系の定数(発光素子102と受光素子103との間隔や受光レンズの倍率等)によって決まる。ワークの位置が測定可能な距離の範囲から外れると、反射光の受光スポットが受光素子の受光面から外れてしまい測定不可能となる。受光レンズの倍率を大きくすれば、小さな受光素子(受光面)で広い距離範囲をカバーすることができるが、分解能が低下することになる。なお、特許文献1に記載されている光電スイッチのように、センサーヘッド内に受光軸の角度等を変更調節する機構を設け、ユーザーが測定可能な距離範囲(基準距離)を変更調整することができるように構成したものがある。
特開平6−168652号公報
上述のように、距離設定型光電センサーで測定可能な距離範囲は受光素子の受光面の大きさと光学系の定数で決まる。測定精度に影響する分解能を下げることなく測定可能な距離範囲を広げるには、広い受光面を有する受光素子を用いる必要があるが、そのような受光素子は高価である。特に、コスト面のメリットを重視して二分割PDを受光素子に用いる場合は、できるだけ安価な(受光面の小さい)二分割PDを使用する必要がある。つまり、受光面が広い高価な二分割PDをわざわざ使用するメリットは無い。また、対象物の測定範囲(検出範囲)を近距離側と遠距離側の両方に均等に広げるのではなく、一方の側(例えば近距離側)のみに広げたい場合がある。
本発明は、上記のような課題に鑑みて為されたものであり、受光素子として二分割PDを用い、安価な構成で測定可能な距離範囲を広げる改良を行った距離設定型光電センサーを提供することを目的とする。
本発明による距離設定型光電センサーの第1の構成は、対象物に向けて光を投光するための発光素子を含む投光部と、前記対象物からの反射光を受光するための受光素子を含む受光部と、前記受光素子の受光面における受光スポット位置又は受光量分布の重心位置に基づいて前記対象物までの距離を求め、基準距離との比較結果を出力する主制御部とを備えた距離設定型光電センサーにおいて、前記受光素子として、受光面が第1受光面と第2受光面とに二分割され、各分割受光面が個別の受光量信号を出力する二分割PDと、単一受光面を有する補助PDとが併用され、前記対象物が接近又は離間したときに前記受光スポットが移動する方向に沿って前記二分割PDの第1受光面、第2受光面、及び前記補助PDの受光面が並ぶように配置され、前記補助PDの出力と、前記二分割PDの第1受光面及び第2受光面のうちの前記補助PDに隣接する側の分割受光面の出力とが並列接続されていることを特徴とする。
このような構成によれば、単一受光面の補助PDを併用することによって第1受光面及び第2受光面のうちの一方の分割受光面を擬似的に広げた二分割PDを得ることができる。その結果、測定可能な距離範囲を安価な構成で広げることができる。
本発明による距離設定型光電センサーの第2の構成は、上記第1の構成において、前記対象物が接近したときに前記受光スポットが移動する方向に配置された受光面を前記第1受光面とし、前記対象物が離間したときに前記受光スポットが移動する方向に配置された受光面を前記第2受光面としたときに、前記補助PDが前記第1受光面の側に配置され、前記補助PDの出力と前記第1受光面の出力とが並列接続されていることを特徴とする。
このような構成によれば、単一受光面の補助PDを併用することによって、二分割PDの分割受光面のうち、対象物が接近したときに受光スポットが移動する方向に配置された受光面(接近側受光面)を擬似的に広げることができる。その結果、測定可能な距離範囲を安価な構成で接近側に広げることができる。なお、対象物までの距離と基準距離との比較結果(オン信号又はオフ信号)を出力する光電スイッチでは、対象物までの距離が基準距離より近い場合をオン信号出力、遠い場合をオフ信号出力に対応させることが一般的である。この場合に、測定可能な距離範囲を接近側に広げることのメリットが大きい。
本発明による距離設定型光電センサーの第3の構成は、上記第2の構成において、前記主制御部が、前記補助PDの出力と前記第1受光面の出力との和に相当する近側受光量Nと前記第2受光面の出力に相当する遠側受光量Fとの差N−Fを両受光量の和N+Fで割る正規化演算を行うことにより、所定範囲内で距離に応じて略線形に変化する検出量を得ることを特徴とする。
このような構成によれば安価な二分割PD及び補助PDを受光素子として使用しながら、対象物までの距離を所定範囲内で測定することが可能となる。また、所定範囲内で基準距離の変更設定が可能になる。つまり、背景技術で述べたように、受光スポットが第1受光面と第2受光面との境界に位置するときを基準距離として固定する必要が無く、例えば従来のティーチング処理によって所定範囲内で基準距離の変更設定を行うことができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。
図3は、本発明の実施例に係る距離設定型光電センサーの外観を示す斜視図である。この実施例の距離設定型光電センサーは、いわゆるアンプ分離型であり、ヘッド部11とアンプ部12が電気ケーブル13で接続されている。
アンプ部12は薄型直方体形状のケース121を有し、その前端側にはヘッド部11に接続された電気ケーブル13が接続され、後端側には上位の制御装置(PLC等)に接続された電気ケーブル14が接続されている。ケース121の下面122には、DINレール(機器取付用規格レール)に装着するための構造が備えられている。複数のアンプ部12を重ねるように並べてDINレールに取り付けることができ、その際にアンプ部12の側面に設けられたコネクタ123によって隣接するアンプ部12との電気的な接続をとることができる。
アンプ部12の上面には、測定結果の数値表示等に使用される8桁(4桁×2)の7セグメントLEDを用いたディジタル表示器124と、測定距離と基準距離との比較結果を表示するための出力インジケータ(発光ダイオード)125が設けられている。また、基準距離の設定、動作モードや表示モードの切り替え等に使用される複数の押釦スイッチ126〜128が設けられている。これらの押釦スイッチ126〜128やディジタル表示器124等を保護するための透明樹脂製の保護カバー130が設けられ、図3では保護カバー130を開いた状態が示されている。保護カバー130はアンプ部12の後端側上部に設けられたヒンジ部で枢支されており、これを閉じた状態では押釦スイッチ126〜128やディジタル表示器124等を含むアンプ部12の上面パネル(表示・操作パネル)が保護カバー130で覆われるようになっている。
ヘッド部11には投光部及び受光部が内蔵され、投光部の発光素子から発した光LBがヘッド部11の前面からワークWKに向けて投光され、ワークWKからの反射光LB’が受光部の前面から受光素子に入射するように構成されている。図1を用いて既述したように、投光部には投光レンズが含まれ、受光部には受光レンズが含まれている。
図4は本発明の実施例に係る距離設定型光電センサーの回路構成を示すブロック図である。ヘッド部11に内蔵された投光部21には、レーザーダイオード又は発光ダイオードを用いた発光素子とその駆動回路が含まれている。また、受光部に含まれる受光素子として、二分割PD22と補助PD22aが併用されている。二分割PDは図2を用いて既述したように、受光面がN側受光面とF側受光面とに分割されており、各分割受光面から個別の受光量信号が出力される。N側受光面は、ワークWKが接近したときに受光スポットSPが移動する方向に配置された受光面であり、F側受光面はワークWKが離間したときに受光スポットSPが移動する方向に配置された受光面である。
補助PD22aは単一受光面を有する通常のPD(フォトダイオード)である。図4に示すように、二分割PD22のN側受光面(接近側受光面)の更に接近側に並ぶように補助PD22aが配置され、二分割PD22のN側受光面からの出力と補助PD22aの出力とが並列に接続されている。つまり、両出力信号を加えたものがN側受光量信号として増幅器23を経てアナログ演算部25に入力されている。他方、二分割PD22のF側受光面(離間側受光面)からの出力はそのままF側受光量信号として増幅器24を経てアナログ演算部25に入力されている。
上記のような受光部の構成によれば、二分割PD22のN側受光面を補助PD22aによって擬似的に広げることができる。すなわち、二分割PD22のN側受光面を接近側に延ばしたのと同様の効果が得られる。ワークWKまでの距離と基準距離との比較結果(オン信号又はオフ信号)を出力する場合に、ワークWKまでの距離が基準距離より近い場合をオン信号出力、遠い場合をオフ信号出力に対応させることが一般的である。したがって、測定可能な距離範囲を接近側に広げることによってオン信号が出力される距離範囲が広くなるので、見かけ上好ましい。なお、図4において、二分割PD22のN側受光面から出力された受光量信号と二分割PD22の受光量信号との合成受光量信号をNで示し、二分割PD22のF側受光面から得られる受光量信号をFで示している。また、それぞれの受光量信号N及びFが示す受光量(電圧又はディジタル変換値)をN及びFで表すこともある。
図4において、アナログ演算部25は、入力された受光量信号N及び受光量信号Fから両者の差信号(受光量差信号という)N−Fを生成する。そして、受光量差信号N−Fと受光量信号Fとがアナログ演算部25から信号切替部26に入力される。信号切替部26は、アンプ部12からの切替制御信号にしたがって、受光量差信号N−Fと受光量信号Fとを交互に(時分割で)電気ケーブル13のアナログ信号線13aに送り出す。また、信号切替部26に与えられる切替タイミングを指示するための切替制御信号は、投光部21の制御信号に重畳されてアンプ部12から電気ケーブル13の制御信号線13bを介してヘッド部11に与えられる。
アンプ部12では、ヘッド部11から電気ケーブル13のアナログ信号線13aを介して受信した遠側受光量信号F及び受光量差信号N−Fを信号増幅部31で増幅し、AD変換部32でディジタル値に変換して主制御部33に入力する。主制御部33は、ディジタル値となった遠側受光量F及び受光量差N−Fから近側受光量Nを復元する。つまり、受光量差N−Fに遠側受光量Fを加えることによって、近側受光量Nが得られる。なお、受光量差信号とそれに対応するディジタル値である受光量差についても便宜上、共にN−Fで表す。主制御部33は更に、後述する受光量差の正規化演算処理を行い、その結果得られるディジタル量を表示部34に表示させる。表示部34は、図3に示したアンプ部12の上面パネルに設けられたディジタル表示器124及び出力インジケータ125を含む。
また、アンプ部12には、基準距離の設定(変更調整)等を行うための設定入力部35と投光制御部36が備えられている。設定入力部35は、図3に示したアンプ部12の上面パネルに設けられた押釦スイッチ126〜128を含む。投光制御部36は、主制御部33の指令に基づいて、ヘッド部11の投光部21に対して投光制御信号を与える。また、前述のように、ヘッド部11からアンプ部12へ送られる受光量差信号N−Fと受光量信号Fとを時分割で切り替えるための切替制御信号を投光制御信号に重畳して電気ケーブル13の制御信号線13bに送出する働きも有する。主制御部33が測定モードで測定したワークWKまでの距離と基準距離との比較結果は、表示部34に含まれる出力インジケータ125に表示されると共に、制御装置(PLC等)に接続された電気ケーブル14へ出力される。
次に、二分割PD22及び補助PD22aからなる受光素子から得られた受光量の演算処理について図5から図7を参照しながら説明する。図5は、二分割PD、補助PD及び受光スポットの位置関係の例を示す模式図である。図5(a)は二分割PD22のN側受光面22Nに隣接するように補助PD22aを配置したときの例を示しており、図5(b)は二分割PD22のN側受光面22Nから一定の距離を隔てて補助PD22aを配置したときの例を示している。図6は、図5(a)に対応する受光量差の正規化演算を説明するためのグラフであり、図7は図5(b)に対応する受光量差の正規化演算を説明するためのグラフである。
図5(a)の例では、二分割PD22のN側受光面22Nに補助PD22aの受光面が加わることによって約2倍のN側受光面が得られる。つまり、N側受光面(接近側受光面)が擬似的に約2倍の面積まで広がっている。その結果、受光スポットSPが受光素子(二分割PD22及び補助PD22a)によって受光可能な範囲に相当する測定可能な距離範囲が接近側に広がる。なお、実際には、二分割PD22と補助PD22aの端面同士が接触するように配置した場合であっても、それぞれに枠部分が存在するので、二分割PD22のN側受光面と補助PD22aの受光面との間には若干の間隔が発生する。
図5(b)の例では、二分割PD22のN側受光面22Nから少し離すように補助PD22aを配置することによって、図5(a)の構成例より更に接近側に測定可能な距離範囲を広げている。この場合に、二分割PD22のN側受光面22Nと補助PD22aとの間隔の最大値は、受光スポットSPの直径によって決まる。つまり、図5(b)に示すように受光スポットSPが二分割PD22のN側受光面22Nと補助PD22aとの間に位置したときに、少なくともいずれか一方の受光面に受光スポットSPが掛かっている必要がある。さもなければ、受光スポットSPが二分割PD22のN側受光面22Nから補助PD22aの受光面へ移動する際に、一旦受光量がゼロになってしまうので、近接側に広げた測定可能な距離範囲が非連続になってしまう。したがって、二分割PD22のN側受光面22Nと補助PD22aとの間隔は、受光スポットSPの直径より小さい値に設定する必要がある。実際には受光スポットSPの輪郭がぼやける場合が多いので、二分割PD22のN側受光面22Nと補助PD22aとの間隔を適当に設定することができる。
図6及び図7において、(a)はワークWKまでの距離と受光量差N−Fとの関係を示すグラフであり、(b)は正規化処理後のレベルを示すグラフである。背景技術の説明で図2を参照しながら述べたように、二分割PDのN側受光面とF側受光面との境界に受光スポットSPが位置するときに両方の分割受光面から同等の受光量信号が得られる。また、このとき補助PD22aの受光面から得られる受光量は実質的にゼロとみなしてよい。したがって、このときに受光量差N−Fがゼロになる。
受光スポットSPがN側(接近側)へ移動すると受光量差N−Fは正の値になり、受光スポットSPがF側(離間側)へ移動すると受光量差N−Fは負の値になる。この様子をグラフで表すと、図6(a)又は図7(a)に示す実線又は破線の曲線のようになる。実線の曲線41は表面の光の拡散反射率が比較的高いワークWKの場合の特性であり、破線の曲線42は拡散反射率が比較的低いワークWKの場合の特性である。いずれの場合も、光学系の配置によって決まる基準距離Drefでは受光量差N−Fがゼロになる。つまり、このときに二分割PD22のN側受光面とF側受光面との境界を中心にして受光スポットSPがN側受光面とF側受光面とに均等に分布している。しかし、基準距離Drefからずれた点では、同じ距離のずれであってもワークWKの表面の光の拡散反射率によっての受光量差N−Fの値が異なる。
また、基準距離Drefからずれるにしたがって、受光量差N−Fの絶対値は増加した後に下降に転じる。そして、二分割PD22及び補助PD22aの受光面に受光スポットが存在する範囲に相当する距離範囲Rgdの両端でゼロになる。つまり、受光スポットが二分割PD22及び補助PD22aの受光面の端から外れれば受光量N及びFは共にゼロになるので、受光量差N−Fの値も当然ゼロになる。但し、基準距離Drefを中心として、接近側の受光量差N−Fがゼロになるまでの距離範囲Rgnが離間側の受光量差N−Fがゼロになるまでの距離範囲Rgfより広くなっている。これは、上述の補助PD22aの働きによる。
なお、図7(a)では接近側の受光量差N−Fのピークが2個見られる。これは、図5(b)に示したように、二分割PD22のN側受光面22Nから少し離すように補助PD22aを配置しているからである。つまり、図5(b)に示すように受光スポットSPが二分割PD22のN側受光面22Nと補助PD22aとの間に位置したときに、両受光面から得られる受光量の和が一旦低下するからである。
上記の説明から分かるように、受光量差N−FをそのままワークWKまでの距離(又は変位)を表す検出量として使用することはできない。そこで、本実施例の距離設定型光電センサーでは、主制御部33が受光量差の正規化演算処理を行う。この処理は、基本的には受光量Nと受光量Fとの和(N+F)で受光量差N−Fを割ることによって、ワークWKの表面の光の拡散反射率の影響を除く処理である。更に、受光量差N−Fの絶対値がピークになった後にゼロになるまでの間の(N−F)/(N+F)の絶対値を強制的に1にする処理を加えている。図8のフローチャートに沿ってこれらの処理について以下に説明を加える。
図8は、図4に示したアンプ部の主制御部33が、入力された受光量差N−Fと離間側受光量Fから正規化演算処理を行う過程を示している。まず、ステップ#101において、受光量差N−Fに離間側受光量Fを加える演算によって接近側受光量Nを求める(復元する)。この接近側受光量Nは、後に説明するように、受光量Fと共にディジタル表示器124に個別に表示する場合があるので、得られた接近側受光量Nの値は離間側受光量Fと共に主制御部33内のメモリに保存される。
次のステップ#102において、接近側受光量Nと離間側受光量Fとの和(受光量和)N+Fを算出する。この値についても、ディジタル表示器124に表示する場合があるので、メモリに保存される。続くステップ#103において受光量差N−Fを受光量和N+Fで割って(N−F)/(N+F)を求める正規化演算を実行する。
更に、次のステップ#104において、受光量差N−Fの絶対値がピークになった後にゼロになるまでの間の(N−F)/(N+F)の絶対値を強制的に1にする補正を行う。この処理は、受光量N又は受光量Fがゼロに近づいたときに(N−F)/(N+F)の値が不安定になり、(N−F)/(N+F)と距離との関係が一義的に定まらなくなるのを回避するために行われる。また、この補正処理によって、図5(b)に示した二分割PD22及び補助PD22aの配置例において図7(a)に示したように接近側の受光量差N−Fのピークが2個みられる場合であっても、図7(b)に示すように距離に対して単調減少する検出データが得られる。このようにして得られた(N−F)/(N+F)の値は、ステップ#105で主制御部33内のメモリに保存されると共に相対距離(変位)を表す数値としてディジタル表示器124にディジタル表示される。
図6(b)及び図7(b)では、距離範囲Rgdにおける(N−F)/(N+F)に所定の係数Dを掛けた値D(N−F)/(N+F)が曲線43で表されている。図6(b)及び図7(b)から分かるように、距離範囲Rgdのうちの両端部を除いた範囲Rglでは、D(N−F)/(N+F)が略直線的に変化する。この両端部が、図8のステップ#104で(N−F)/(N+F)の絶対値を強制的に1にした範囲に対応している。両端部を除いた範囲Rglでは、D(N−F)/(N+F)と距離との関係が略直線的になるので、この範囲内で基準距離を任意に設定することが可能である。
すなわち、光学系の配置によって決まる受光量差N−Fがゼロになる距離Drefを基準距離として固定する必要はなく、それを含む所定範囲(図6(b)及び図7(b)の範囲Rgl)内で基準距離を設定(変更)することができる。この基準距離の変更設定は、主制御部33がソフトウェアでディジタル値として行うことができる。したがって、従来のティーチングと同様にして基準距離を自動設定することができる。
ティーチングによる基準距離の自動設定の一例を図9及び図10に基づいて説明する。図9は、アンプ部12の押釦スイッチ126〜128やディジタル表示器124を含む上面パネルの平面図である。また、図10はティーチングの一例を示すフローチャートである。ティーチングの一例の説明の前に、図9に示す上面パネルの表示や操作について簡単に説明する。
図9において、出力インジケータ125は、既に説明したように、主制御部33が測定モードで測定したワークWKまでの距離と基準距離との比較結果が表示されるLEDである。例えば、ワークWKまでの距離が基準距離より短ければ左側の出力インジケータ125が点灯し、ワークWKまでの距離が基準距離より長ければ右側の出力インジケータ125が点灯する。なお、出力インジケータ125の表示及び外部への出力信号のチャタリングを回避するために、ワークWKまでの距離と基準距離との比較処理には一定のヒステリシス(不感帯)が設けられている。つまり、ワークWKがヘッド部11に対して接近するときと離間するときとでは出力インジケータ125等の切り替わりのタイミングがヒステリシス分だけ異なる。
ディジタル表示器124は8桁の7セグメントLEDであり、上4桁の表示部124Hと下4桁の表示部124Lとに分かれている。これら表示部124H及び124Lを用いて設定モード及び測定モードにおける多様な表示を行うことができる。例えば、測定モードにおいて表示部124Hに基準距離に相当する数値を表示し、表示部124LにワークWKまでの距離の現在値に相当する数値(正規化演算処理後のD(N−F)/(N+F)の値)を表示する。前述の受光量Nと受光量Fとを表示部124Hと表示部124Lとに表示してもよい。あるいは、受光量差N−Fと受光量和N+Fを表示部124Hと表示部124Lとに表示してもよい。
これらの複数の表示モードを押釦スイッチ126又は127で切り替えるようにしてもよい。数値表示だけでなくエラーコードや動作モードの記号等を簡易的に表示することもできる。また、後述するように、受光部調整機構(光学部可動機構)による基準距離の手動設定を行う際にユーザーの助けとなる増減方向の表示や検出余裕度の表示をディジタル表示器124によって行うことができる。
押釦スイッチ126又は127は、表示モードや動作モード(設定モード、測定モード等)の切り替え等に使用される。また、押釦スイッチ128はアップダウンキー(増減キー)であり、設定された基準距離の手動による微調整等に使用される。
図10のフローチャートは、ティーチングの一例をユーザーによる操作の流れとして示している。ステップ#201においてユーザーは、複数種類用意されたティーチングモードの中からティーチングモードAを選択する。この選択は、押釦スイッチ126又は127の押下、またはそれらの組み合わせ押下によって行われる。
次のステップ#202において、ユーザーはワークWKをヘッド部11の前方の第1位置にセットする。この第1位置は、ワークWKの存在を検出すべき近距離側の位置である。このとき、主制御部33はワークWKまでの距離の現在値に相当する数値を求め、ディジタル表示器124の例えば左側表示部124Hに表示させる。この状態で次のステップ#203においてユーザーは設定スイッチ(押釦スイッチ126又は127)を押下する。その結果、ディジタル表示器124に表示された近距離側の位置に相当する数値が固定される。
次のステップ#204において、ユーザーはワークWKをヘッド部11の前方の第2位置にセットする。この第2位置は、ワークWKの存在を検出すべきでない遠距離側の位置である。このとき、主制御部33はワークWKまでの距離の現在値に相当する数値を求め、ディジタル表示器124の例えば右側表示部124Lに表示させる。この状態で次のステップ#205においてユーザーは設定スイッチを押下する。その結果、ディジタル表示器124に表示された遠距離側の位置に相当する数値が固定される。最後にユーザーはディジタル表示器124に表示された第1位置及び第2位置の数値を確認し、決定スイッチ(押釦スイッチ126又は127)を押下する(ステップ#206)。これでティーチングモードAの操作は終了する。主制御部33は第1位置及び第2位置の数値の例えば中間値を求め、これを基準距離として設定する。設定された基準距離はディジタル表示器124の例えば左側表示部124Hに表示される。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記の実施例に限らず、種々の形態で実施することができる。例えば、図3に示したようなヘッド部11とアンプ部12が電気ケーブル13で接続されたアンプ分離型の光電センサーに限らず、ヘッド部とアンプ部とが1つの筐体に内蔵されたアンプ一体型の光電センサーにも本発明を適用することができる。
また、上記の実施例では、二分割PD22のN側受光面(接近側受光面)の側に補助PD22aを配置して補助PD22aの出力とN側受光面の出力とを並列接続しているが、別の実施例として二分割PD22のF側受光面(離間側受光面)の側に補助PD22aを配置して補助PD22aの出力とF側受光面の出力とを並列接続するように構成してもよい。この場合は、測定可能な距離範囲が離間側に広がることになる。ワークWKまでの距離と基準距離との比較結果(オン信号又はオフ信号)を出力する場合に、上記の実施例とは逆にワークWKまでの距離が基準距離より遠い場合をオン信号出力、近い場合をオフ信号出力に対応させるときは、測定可能な距離範囲が離間側に広げることによってオン信号が出力される距離範囲が広くなるので、見かけ上好ましい。
距離設定型光電センサーの動作原理を示す図である。 受光素子としての二分割PDの動作原理を示す図である。 本発明の実施例に係る距離設定型光電センサーの外観を示す斜視図である。 本発明の実施例に係る距離設定型光電センサーの回路構成を示すブロック図である。 二分割PD、補助PD及び受光スポットの位置関係の例を示す模式図である。 図5(a)に対応する受光量差の正規化演算を説明するためのグラフである。 図5(b)に対応する受光量差の正規化演算を説明するためのグラフである。 受光量差の正規化演算処理等の流れを示すフローチャートである。 アンプ部の押釦スイッチやディジタル表示器を含む上面パネルの平面図である。 ティーチングの一例を示すフローチャートである。
符号の説明
22 二分割PD(受光素子)
22a 補助PD(受光素子)
22N 接近側受光面(第1受光面)
22F 離間側受光面(第2受光面)
33 主制御部
SP 受光スポット
WK ワーク(対象物)

Claims (3)

  1. 対象物に向けて光を投光するための発光素子を含む投光部と、前記対象物からの反射光を受光するための受光素子を含む受光部と、前記受光素子の受光面における受光スポット位置又は受光量分布の重心位置に基づいて前記対象物までの距離を求め、基準距離との比較結果を出力する主制御部とを備えた距離設定型光電センサーであって、
    前記受光素子として、受光面が第1受光面と第2受光面とに二分割され、各分割受光面が個別の受光量信号を出力する二分割PDと、単一受光面を有する補助PDとが併用され、
    前記対象物が接近又は離間したときに前記受光スポットが移動する方向に沿って前記二分割PDの第1受光面、第2受光面、及び前記補助PDの受光面が並ぶように配置され、
    前記補助PDの出力と、前記二分割PDの第1受光面及び第2受光面のうちの前記補助PDに隣接する側の分割受光面の出力とが並列接続されていることを特徴とする距離設定型光電センサー。
  2. 前記対象物が接近したときに前記受光スポットが移動する方向に配置された受光面を前記第1受光面とし、前記対象物が離間したときに前記受光スポットが移動する方向に配置された受光面を前記第2受光面としたときに、前記補助PDが前記第1受光面の側に配置され、前記補助PDの出力と前記第1受光面の出力とが並列接続されていることを特徴とする
    請求項1記載の距離設定型光電センサー。
  3. 前記主制御部が、前記補助PDの出力と前記第1受光面の出力との和に相当する近側受光量Nと前記第2受光面の出力に相当する遠側受光量Fとの差N−Fを両受光量の和N+Fで割る正規化演算を行うことにより、所定範囲内で距離に応じて略線形に変化する検出量を得ることを特徴とする
    請求項2記載の距離設定型光電センサー。
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