JP2006226839A - 任意波形発生器及び試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 データ発生手段とD/A変換手段との間の信号線路における断線や短絡の検出、さらには、浮遊容量やタイミング異常を原因とする実動作(高速)周波数での不具合を検出可能とする。
【解決手段】 データ発生手段10からのデジタル波形データ列のうちの複数ワード分を保持する記憶手段30と、データ発生手段10にデータを書き込むとともに、そのデータ発生手段10からD/A変換手段20へデータを転送し、この転送したデータを記憶手段30から読み取って、この読み取ったデータとデータ発生手段10に書き込んだデータとの照合を行って、実動作速度での接続不良を検出するコントローラ(制御手段)40とを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、所望の波形を発生させる任意波形発生器及びこれを備えた試験装置に関し、特に、アナログの試験波形を被試験デバイスへ送るための任意波形発生器及びこれを備えた試験装置に関する。
A/D変換回路、検波回路、復調回路、アナログ増幅回路、サンプルホールド回路、ミキサ回路、など、アナログ信号入力部を有する様々の電気/電子部品、回路等を試験する試験装置、そしてIC(Integrated Circuit)やLSI(Large−Scale Integration)などを試験対象とする半導体試験装置には、それらIC等を試験するための各種のアナログの試験波形を発生することができる任意波形発生器を備えたものがある。
従来のこの種の任意波形発生器の構成例を図15に示す。
同図に示す任意波形発生器100aは、各種のアナログ試験波形を発生するのに必要なデジタル波形データ列(所定の順序で並べられた一連のデジタル波形データ)が予め格納された波形メモリ110と、所定の周期で基準クロックを発生する基準クロック発生器120と、デジタル量をアナログ量に変換するD/A変換手段(DAコンバータ:DAC)130と、このDAC130から出力される一連のアナログ量から所定の周波数成分を除去したアナログの試験波形を出力する波形出力手段140とによって構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、基準クロック発生器120は、波形メモリ110及びDAC130に基準クロック(サンプリングクロック)を供給する。波形メモリ110に基準クロックが供給されると、この基準クロックに同期して、格納されたデジタル波形データ列が所定の順序で読み出されDAC130に供給される。
DAC130は、入力されたデジタル波形データ列を基準クロックに同期させて、順次対応する振幅のアナログ量、例えば電圧値などに変換し、これら一連の電圧値を供給される基準クロックと同期状態で出力する。
波形出力手段140は、DAC130から供給された一連の電圧出力から所定の周波数成分を除去したアナログの試験波形を生成し、出力端子150を通じて被試験デバイス(A/D変換部を有する電気/電子部品、回路等、IC、LSI)などに供給する。
以上は従来の任意波形発生器の基本構成及びその動作であるが、近年の試験対象の高性能化、高速処理化に伴い、任意波形発生器の出力波形も高周波数化が求められている。
そこで、例えばD/A変換速度が1GHzを超えるような高速の任意波形発生器が実現されている。この高速の任意波形発生器の回路構成を図16に示す。
同図に示すように、高速の任意波形発生器100bは、複数の波形メモリ110と複数のマルチプレクサ160とを有して構成されている。具体的には、複数の波形メモリ110(同図における波形メモリ110−11〜110−1n)のそれぞれが第一段階のマルチプレクサ(MUX:Multiplexer)160−1(同図におけるMUX160−11)に接続されてブロック1を形成している。このブロック1は複数設けられており、これら複数のブロック1における各マルチプレクサの出力のそれぞれが第二段階のマルチプレクサ160−2(同図におけるMUX160−21)に接続されてブロック2を形成している。そして、複数のブロック2における各マルチプレクサの出力のそれぞれがDAC130に接続されて全体として任意波形発生器100bを形成している。
各波形メモリ110には、デジタル波形データが例えばワード単位で各波形メモリ110ごとに順にインストアされている。例えば、デジタル波形データ列における第一のワードが一つめの波形メモリに、第二のワードが二つめの波形メモリに、第三のワードが三つめの波形メモリに、順にインストアされている。そして、これら各ワードがメモリインタリーブによって順次読み出され、高速クロック信号の切り替えによりデータ伝送周波数が高められて高速のDAC入力データとなる。
このように、波形メモリ110を複数並列に接続しそれら波形メモリ110に記憶させたデータをインタリーブで読み出してデジタル波形データ列を形成することにより、個々の波形メモリ110は低速で動作していても、全体として高速の任意波形発生器を実現でき、しかもコストの低減を図ることができる。
ところで、波形メモリ110からDAC130へデジタル波形データを送る信号線路においては、断線や短絡が起こる可能性がある。これは、プリント基板への部品実装工程において、端子のはんだ付けに「未はんだ」や「はんだブリッジ」と呼ばれる不良が起こるためである。こうした不良が起こると、任意波形発生器100からは所望のアナログ波形を出力することができなくなる。
そこで、それら断線や短絡を検出するために、図17に示すように、DAC130の直前に読み出し可能なレジスタ170と、制御バス(図示せず)を介してレジスタ170からデータを読み出すコントローラ180を設けることがある。
ここで、コントローラ180は、波形メモリ110にデータを書き込み(このデータの書き込みも制御バスを介して行われる)、この書き込んだデータのうちの1ワードだけをDAC130へ転送し、その1ワードをDAC130の直前のレジスタ170から読み出して、この読み出した1ワードと波形メモリ110に書き込んだ1ワードとを比較して一致不一致を判断する。これにより、コントローラ180は、信号線路における断線等の異常を検出することができる。
また、任意波形発生器100が図16に示すように複数段階で構成されている場合、コントローラ180は、レジスタ170からの所望のメモリ内データの読み出しを、マルチプレクサ160の入力を順次選択しながら各経路ごとに確認する。これにより、信号経路における断線等を経路単位で検出できる。
なお、「1ワード」とは、D/A変換で一つのアナログ値に変換される入力データをいう。
また、図17に示した任意波形発生器100cに使用されているレジスタ170は、保持するワード数が1の記憶手段である。すなわち、レジスタ170は、クロックの入力タイミングに応じてデータを1ワード入力しては、その入力した1ワードのみを保持する。言い換えると、レジスタ170で保持されるデータは、新たにデータが入力されるたびに、その入力データに更新されている。
このレジスタ170における入力データ、入力クロック、保持データ(出力データ)の遷移の様子を図18〜図20に示す。
図18は、通常のデータ保持動作(通常動作モード)を行った場合、図19は、コントローラ180からWrite(ライト)イネーブル信号を受けるとデータの更新を停止しこの停止時点で保持していたデータをその後継続して保持する場合(保持データ読出モード)、図20は、基準クロック発生器120から入力クロックを受けるとデータの更新を停止しこの停止時点で保持していたデータをその後継続して保持する場合(保持データ読出モード(制御入力端子無し))をそれぞれ示す。
図18に示すように、通常動作モードにおいて、レジスタ170は、入力クロックの発生タイミングでデータを1ワード分入力し保持する。そして、次に入力クロックが発生すると、この発生タイミングでデータを1ワード分入力し、保持データをその入力データに更新して新たに保持する。この通常動作モードにおいて、レジスタ170の出力データは、その更新された保持データとなる。
また、図19に示すように、保持データ読出モードにおいて、レジスタ170は、入力クロックが発生しても新たにデータを入力・更新することはせず、ライトイネーブル信号にLoレベルが入力された時点で保持されていたデータをその後も継続して保持し続ける。この保持データ読出モードにおいて、レジスタ170の出力データは、その継続保持された保持データとなる。
さらに、図20に示すように、保持データ読出モード(制御入力端子無し)において、レジスタ170は、最後に入力クロックが発生した時点で保持したデータをその後も継続して保持し続ける。この保持データ読出モードにおいて、レジスタ170の出力データは、その継続保持された保持データとなる。
特開2001−223585号公報
図17に示した任意波形発生器、すなわち、信号経路での断線や短絡の検出を可能とする従来の任意波形発生器において、波形メモリからDACへのデータ転送が低速で行われる場合であれば、コントローラがレジスタから所定のデータを取り出すことができ、信号線路での断線等を検出できた。
しかしながら、D/A変換速度が高速の場合、コントローラがレジスタから所定のデータを取り出せるよう設計することは非常に困難であり、このため信号線路の断線等の検出が難しいものとなっていた。しかも、浮遊容量やタイミング異常が原因となる実動作(高速)周波数での不具合についても検出が困難な状況であった。
特に、図16に示した複数段階を有する任意波形発生器では、信号線路における断線や短絡以外に、浮遊容量やタイミング異常によっても不具合が発生し得る。その検出にはマルチプレクサの選択を実動作(高速)周波数で切り替えながら試験する必要があるが、コントローラから制御バスを介して行うレジスタの読み出しを、1GHz以上もの高速で行うのは困難であった。
しかも、波形データのマルチプレクサ回路は、動作周波数に応じてCMOSプロセスやSiバイポーラ・プロセス、SiGeやGaAs等の化合物半導体プロセスなどで段階的に構成される場合があり、不良発生位置を特定しようとするとブロック毎に動作確認できることが望ましいが、従来の任意波形発生器においてはそのブロック毎の動作確認が難しく不良発生位置の特定が困難であった。
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、D/A変換速度が高速の場合での信号線路における断線や短絡の検出、さらには、浮遊容量やタイミング異常を原因とする実動作(高速)周波数での不具合を検出可能とする任意波形発生器及び試験装置の提供を目的とする。
この目的を達成するため、本発明の任意波形発生器は、デジタル波形データを出力するデータ発生手段と、このデータ発生手段からのデジタル波形データ列をアナログ値に変換して出力するD/A変換手段とを備えた任意波形発生器であって、データ発生手段から出力されたデジタル波形データ列のうちの複数ワード分を入力して保持する記憶手段と、この記憶手段から一ワード又は複数ワード分のデジタル波形データを読み出して、データ発生手段に書き込んだデータとの照合を行う制御手段とを備えた構成としてある。
任意波形発生器をこのような構成とすると、デジタル波形データ列のうちの複数ワード分を保持可能な記憶手段を備えているため、制御手段(コントローラ)は、データ発生手段(波形メモリ)からD/A変換手段(DAC)へ転送させたデータをその記憶手段から読み出すことができる。このため、制御手段は、この読み出したデータとデータ発生手段に書き込んだデータとを照合して、D/A変換速度が高速の場合での信号線路における断線や短絡、さらには、浮遊容量やタイミング異常を原因とする実動作(高速)周波数での不具合を検出できる。
そして、これにより、波形データのマルチプレクサ回路が、動作周波数に応じてCMOSプロセスやSiバイポーラ・プロセス、SiGeやGaAs等の化合物半導体プロセスなどで段階的に構成される場合には、読み出した複数ワードのデータ中の不良ビットの位置から、不具合ブロックを特定することができる。
また、本発明の任意波形発生器は、D/A変換手段が、データ発生手段又は記憶手段のいずれか一方から出力されたデジタル波形データ列をアナログ値に変換して出力する構成としてある。
任意波形発生器をこのような構成とすれば、例えば、D/A変換手段がデータ発生手段からデジタル波形データを入力する構成であっても、また、D/A変換手段が記憶手段からデジタル波形データを入力する構成であっても、記憶手段がデジタル波形データを複数ワード保持し、制御手段がそれを読み出して、実動作速度での接続不良を検出できる。
また、本発明の任意波形発生器は、記憶手段が、データ保持制御信号を入力する制御入力端子を有し、データ保持制御信号が、記憶手段に対して、保持データの更新を停止させるとともに、この停止時点で記憶していたデータをその後も継続して保持させることを指示する信号を含む構成としてある。
任意波形発生器をこのような構成とすると、記憶手段において、保持データの更新が停止され、その停止時点で保持していたデータをその後も継続的に保持することができる。
また、本発明の任意波形発生器は、データ保持制御信号が、保持データ読出制御信号を含み、保持データ読出制御信号が、記憶手段に対して、保持データの更新を停止させるとともに、この停止時点で記憶していたデータをその後も継続して保持させ、かつ、この保持させたデータのすべてを出力データとして出力させることを指示する信号である構成としてある。
任意波形発生器をこのような構成とすれば、記憶手段は、データ更新停止後継続的に保持しているデータを、例えば、制御手段からのアクセス速度で出力することができる。
また、本発明の任意波形発生器は、データ保持制御信号が、保持データ発生制御信号を含み、保持データ発生制御信号が、記憶手段に対して、保持データの更新を停止させるとともに、この停止時点で記憶していたデータをその後も継続して保持させ、かつ、この保持されたデータを1ワード又は複数ワードずつ順番にかつ繰り返して出力させることを指示する信号である構成としてある。
任意波形発生器をこのような構成とすると、記憶手段は、データ更新停止後継続的に保持しているデータを、1ワードずつ順番に繰り返し出力することができる。
また、本発明の任意波形発生器は、データ発生手段が、出力波形データのパターンに同期した同期信号を出力し、記憶手段が、同期信号の入力タイミングに同期して、保持データの更新を停止するとともに、この停止時点で記憶していたデータをその後も継続して保持する構成としてある。
任意波形発生器をこのような構成とすれば、記憶手段が、出力波形データのパターン(あるいはデータ発生手段でのマルチプレクサ切替動作)に同期してデータ保持動作(例えば、保持データ読出モードなど)に移行することができる。このため、記憶手段は、保持するデータを定めることができ、制御手段は、それを期待値とした良否判定を行うことができる。
また、本発明の任意波形発生器は、記憶手段が、データ保持制御信号を入力する制御入力端子を有し、データ保持制御信号が、保持データの更新を行う通常動作状態から保持データ準備状態への切り替えを指示する信号を含み、記憶手段が、保持データ準備状態に切り替えられた後、同期信号を入力すると、該同期信号の入力タイミングに同期して、保持データの更新を停止するとともに、この停止時点で記憶していたデータをその後も継続して保持する構成としてある。
任意波形発生器をこのような構成とすると、記憶手段が、出力波形データのパターンに同期してデータ保持動作に移行することができる。
また、本発明の任意波形発生器は、データ保持制御信号が、保持データ読出準備信号を含み、記憶手段が、保持データ読出準備信号の入力タイミングで保持データ準備状態に切り替えられた後、同期信号を入力すると、該同期信号の入力タイミングに同期して、保持データの更新を停止するとともに、この停止時点で記憶していたデータをその後も継続して保持し、かつ、この保持したデータのすべてを出力データとして出力する構成としてある。
任意波形発生器をこのような構成とすれば、記憶手段は、保持データ読出準備信号を入力すると保持データ準備状態に切り替え、その後同期信号を入力すると保持データ読出状態に切り替えることができる。そして、この保持データ読出状態において、記憶手段は、データ更新停止後継続的に保持しているデータを、例えば、制御手段からのアクセス速度で出力することができる。
また、本発明の任意波形発生器は、データ保持制御信号が、保持データ発生準備信号を含み、記憶手段が、保持データ発生準備信号の入力タイミングで保持データ準備状態に切り替えられた後、同期信号を入力すると、該同期信号の入力タイミングに同期して、保持データの更新を停止するとともに、この停止時点で記憶していたデータをその後も継続して保持し、かつ、この保持したデータを1ワード又は複数ワードずつ順番に繰り返して出力する構成としてある。
任意波形発生器をこのような構成とすると、記憶手段は、保持データ発生準備信号を入力すると保持データ準備状態に切り替え、その後同期信号を入力すると保持データ発生状態に切り替えることができる。そして、この保持データ発生状態において、記憶手段は、データ更新停止後継続的に保持しているデータを、1ワードずつ順番に繰り返し出力することができる。
また、本発明の試験装置は、アナログの試験波形を被試験デバイスへ送るための任意波形発生器を備えた試験装置であって、任意波形発生器が、上記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の任意波形発生器からなる構成としてある。
試験装置をこのような構成とすれば、デジタル波形データを複数ワード保持する記憶手段が任意波形発生器に備えられているため、その任意波形発生器の制御手段は、データ発生手段からD/A変換手段へ転送させたデータを制御手段から読み出すことができ、実動作速度での接続不良を検出することができる。
以上のように、本発明によれば、任意波形発生器が、デジタル波形データ列のうちの複数ワード分を保持可能な記憶手段を備えているため、D/A変換速度が高速の場合であっても、制御手段(コントローラ)は、データ発生手段(波形メモリ)からD/A変換手段(DAC)へ転送させたデータをその記憶手段から読み出すことができる。このため、制御手段は、D/A変換速度が高速の場合においても、その読み出したデータとデータ発生手段に書き込んだデータとを照合して、信号線路での断線や短絡、さらには、浮遊容量やタイミング異常を原因とする実動作(高速)周波数での不具合を検出できる。
以下、本発明に係る任意波形発生器及び試験装置の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
まず、本発明の任意波形発生器及び試験装置の第一実施形態について、図1を参照して説明する。
同図は、本実施形態の任意波形発生器の構成を示すブロック図である。
なお、以下の各実施形態における任意波形発生器は、従来と同様の試験装置、例えば、アナログ量をデジタル量に変換するA/D変換部を有する種々の電気/電子部品、回路等を試験対象とする試験装置や、IC,LSI等を試験対象とする半導体試験装置に備えられ、それらIC等を試験するための各種のアナログ試験波形を発生する装置として用いることができる。
図1に示すように、本実施形態の任意波形発生器1aは、データ発生手段10と、D/A変換手段20と、記憶手段30と、コントローラ40とを備えている。
なお、本実施形態の任意波形発生器1a(後述の第二実施形態から第五実施形態のそれぞれにおける任意波形発生器も同様)は、実際には、図15に示す従来の任意波形発生器と同様、基準クロック発生器120や波形出力手段140を有しており、上述した従来の任意波形発生器と同様に動作する。
データ発生手段10は、各種のアナログ試験波形を発生するのに必要なデジタル波形データ列(所定の順序で並べられた一連のデジタル波形データ)が予め格納された波形メモリ(図15に示す波形メモリ11参照)を含み、決められた順序でデジタル波形データを出力する。なお、波形メモリに代え演算器(図示せず)を備えてデータ発生手段10を構成することもできる。
D/A変換手段(DAコンバータ、DAC)20は、図15で示した任意波形発生器100aにおけるD/A変換手段(DAC)130と同様の機能を有しており、データ発生手段10からのデジタル波形データ列を基準クロックに同期させて、順次に対応する振幅のアナログ量、例えば電圧値などに変換し、これら一連の電圧値を供給される基準クロックと同期状態で出力する。
この出力されたアナログ量は、図示しない波形出力手段(図15に示す波形出力手段140参照)へ送られる。
記憶手段30は、データ発生手段10から出力されたデジタル波形データ列のうちの複数ワード分を保持する。すなわち、記憶手段30は、D/A変換手段20への入力を複数ワード分盗み見してそれを保持する。
従来の任意波形発生器100では、図17で示したように、デジタル波形データ列のうちの一ワード分を保持するレジスタ170が備えられていた。しかし、このレジスタ170は一ワード分しか保持することができないため、コントローラ180は高速で転送されるデータの中から所定のワードを取り出すことが困難であった。
これに対し、本実施形態の任意波形発生器1aの記憶手段30は、デジタル波形データ列のうちの複数ワード分を保持することができる。このため、データ発生手段10からD/A変換手段20へデータが高速に流れていても、コントローラ40は、データ発生手段10からD/A変換手段20へ転送させたデータを記憶手段30から制御バス(図示せず)を介して取り出すことができ、データ発生手段10(波形メモリ11)に書き込んだデータとの照合を行うことができる。
なお、本実施形態の記憶手段30は、保持した複数ワード分をコントローラ40に渡すだけで、D/A変換手段20へは出力しない。ただし、記憶手段30で保持された複数ワード分をD/A変換手段20へ出力する構成とすることもできる。この構成については、後述の第三実施形態で説明する。
また、記憶手段30は、例えば、複数のレジスタにより構成することができる。
コントローラ(制御手段)40は、データ発生手段10へのデータ書き込みと、記憶手段30からのデータ読み出しとを、制御バスを介して行う。このコントローラ40におけるデジタル波形データの読み出しは、当該コントローラ40から制御バスでアクセスできる速度で、一括又は分割で行われる。
そして、コントローラ40は、記憶手段30から読み出したデータとデータ発生手段10へ書き込んだデータとの照合を行う。これにより、データ発生手段10(波形メモリ11)からD/A変換手段20までの信号線路における断線や短絡を検出したり、浮遊容量やタイミング異常が原因となる実動作(高速)周波数での不具合を検出したりすることができる。
次に、本実施形態の任意波形発生器の動作について、図2を参照して説明する。
同図は、本実施形態の任意波形発生器における記憶手段での入力データ又は保持データ(出力データ)の遷移、及び入力クロックの発生タイミングを示すタイミングチャートである。
データ発生手段10から出力されたデジタル波形データ列がD/A変換手段20へ送られてアナログ量に変換され、波形出力手段140へ送られて外部出力される。
また、データ発生手段10からのデジタル波形データ列の中から複数ワード分が記憶手段30で保持される。
例えば、記憶手段30がnワード分保持できるものとすると、図2に示すように、そのnワードに達するまでは、入力クロックの発生タイミングで、入力データである各ワードが順次保持されていく(同図(c)における「D1」から「D1〜Dn」まで)。そして、nワードに達すると、その後はFIFOにより、新たに入力したワードが保持されて最も古いワードが消去される(同図(c)における「D2〜Dn+1」以降)。
そして、コントローラ40においては、記憶手段30からデータを読み出し、この読み出したデータとデータ発生手段10へ書き込んだデータとの照合を行う。これにより、信号線路における断線等の検出や、浮遊容量やタイミング異常が原因となる実動作(高速)周波数での不具合の検出が行われる。
以上説明したように、本実施形態の任意波形発生器によれば、記憶手段30で、複数ワード分のデータが保持されるため、コントローラ40は、D/A変換速度が高速の場合においても、記憶手段30から所望のデータを取り出すことができる。このため、データ発生手段10(波形メモリ11)からD/A変換手段20へ高速にデータが流れている場合にも、コントローラ40は、記憶手段30からデータを取り出してデータ発生手段10に書き込んだデータと照合し、信号線路における断線・短絡や、浮遊容量やタイミング異常が原因の実動作(高速)周波数での不具合を検出することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の任意波形発生器及び試験装置の第二実施形態について、図3を参照して説明する。
同図は、本実施形態の任意波形発生器の構成を示すブロック図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、データ保持に関する信号を入力する制御入力端子を記憶手段に備えた点が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図3において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
同図に示すように、本実施形態の任意波形発生器1bは、データ発生手段10と、D/A変換手段20と、記憶手段30と、コントローラ40とを備えている。
そして、記憶手段30は、制御入力端子31を有している。
制御入力端子31は、コントローラ40と接続されており、そのコントローラ40からデータ保持に関する信号を入力する。
データ保持に関する信号には、例えば、Write(ライト)イネーブル信号(データ保持制御信号)がある。データ保持制御信号は、図4に示すように通常動作モードと保持データ読出モードとの切り替えを指示する信号である。
通常動作モード(通常動作状態)とは、入力波形データ(デジタル波形データ)を一時的に記憶手段30で保持しながら遅延させて出力するモードである。この通常動作モードは、通常の任意波形発生器としての動作モードである。
この通常動作モードにおいては、記憶手段30にて、最大保持ワード数に達するまでは、入力クロックの発生タイミングに応じて入力データが順次保持され、最大保持ワード数に達した後は、入力クロックの発生タイミングに応じて入力データが保持されるとともに、最も古いワードが消去されて保持データが更新される。
なお、この通常動作モードにおいては、図4に示すように、保持データを出力データとしてコントローラ40へ出力する。例えば、保持データが「D1」であれば、その「D1」が出力データとして出力される。また、保持データが「D1〜D2」であれば、それら「D1〜D2」が出力データとして出力される。
保持データ読出モード(保持データ読出状態)とは、記憶手段30で保持されているデータをコントローラ40からのアクセス速度で読み出すモードである。この保持データ読出モードは、データ発生手段10から記憶手段30までの診断モードである。
この保持データ読出モードにおいては、入力クロックの発生に関係なく、記憶手段30において、保持データの更新が停止される。すなわち、通常動作モードから保持データ読出モードへの切り替え時点で保持されていたデータがその後も継続して保持され、この継続保持されているデータがコントローラ40への出力データとされる。
データ保持制御信号は、コントローラ40から記憶手段30の制御入力端子31へ送られる信号である。すなわち、コントローラ40は、データ保持制御信号を送ることにより、記憶手段30での通常動作モードと保持データ読出モードとを切り替えるように制御することができる。
次に、本実施形態の任意波形発生器の動作について、図4を参照して説明する。
同図は、本実施形態の任意波形発生器における記憶手段での入力データ又は保持データ(出力データ)の遷移、入力クロックの発生タイミング、Writeイネーブル信号の発生タイミングを示すタイミングチャートである。
図3に示すように、データ発生手段10から出力されたデジタル波形データがD/A変換手段20へ送られてアナログ量に変換され、波形出力手段へ送られて外部出力される。
また、記憶手段30においては、通常動作モードの場合、図4に示すように、データ発生手段10からのデジタル波形データ列の中から複数ワード分が保持される(同図(c)における「D1」から「D1〜D3」まで)。そして、この保持データが出力データとなる。
その後、コントローラ40から記憶手段30の制御入力端子31へ送られているデータ保持制御信号にもとづき、通常動作モードから保持データ読出モードへ切り替えられると(同図(d))、記憶手段30においては、そのモードが切り替えられた時点で保持していたデータがその後も継続して保持され続ける。この保持データ読出モードにおいては、データの更新は行われず、その保持されたデータ(同図においては、「D1〜D3」)が出力データとして出力される。
以上説明したように、本実施形態の任意波形発生器によれば、記憶手段30において、複数ワード分のデータを保持することができる。このため、コントローラ40は、D/A変換速度が高速の場合にも、記憶手段30から所望のデータを取り出すことができる。これにより、コントローラ40は、データ発生手段10(波形メモリ11)からD/A変換手段20へ高速にデータが流れている場合にも、記憶手段30からデータを取り出してデータ発生手段10に書き込んだデータと照合し、信号線路における断線・短絡や、浮遊容量やタイミング異常が原因の実動作(高速)周波数での不具合を検出することができる。
なお、本実施形態において、データ保持制御信号は、通常動作モードと保持データ読出モードとの切り替えを指示する信号とするが、通常動作モードと保持データ読出モードとの切り替えを指示する信号ではなく、通常動作モードと保持データ発生モード(後述)との切り替えを指示する信号とすることもできる。
[第三実施形態]
次に、本発明の任意波形発生器及び試験装置の第三実施形態について、図5を参照して説明する。
同図は、本実施形態の任意波形発生器の構成を示すブロック図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、記憶手段がデータ発生手段とD/A変換手段との間に備えられるとともに、その記憶手段が制御入力端子を有した点が相違する。すなわち、データ発生手段から出力されたデジタル波形データが記憶手段を介してD/A変換手段へ送られるとともに、記憶手段が制御入力端子からデータ保持に関する信号を入力する点で、第一実施形態と相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図5において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
同図に示すように、本実施形態の任意波形発生器1cは、データ発生手段10と、D/A変換手段20と、記憶手段30と、コントローラ40とを備えている。
D/A変換手段20は、図15で示した任意波形発生器100におけるD/A変換手段130と同様の機能を有しているが、データ発生手段10ではなく記憶手段30から出力されたデジタル波形データを入力する。すなわち、D/A変換手段20は、記憶手段30からのデジタル波形データ列を基準クロックに同期させて、順次対応する振幅のアナログ量、例えば電圧値などに変換し、これら一連の電圧値を供給される基準クロックと同期状態で出力する。この出力されたアナログ量は、波形出力手段140へ送られる。
記憶手段30は、データ発生手段10とD/A変換手段20との間に接続されており、データ発生手段10からのデジタル波形データ列の中から複数ワード分を一時的に保持するとともに、この保持したデータを遅延させてD/A変換手段20へ出力する(吐き出す)。
この記憶手段30は、例えばパイプライン遅延回路やFIFOメモリなどにより構成することができる。
また、記憶手段30は、制御入力端子31を有している。
制御入力端子31は、コントローラ40と接続されており、そのコントローラ40からデータ保持に関する信号を入力する。
データ保持に関する信号には、例えば、保持データ読出制御信号と、保持データ発生制御信号とがある。
保持データ読出制御信号は、通常動作モードと保持データ読出モードとの切り替えを指示する信号である。なお、通常動作モード、保持データ読出モードについては、第二実施形態で既に説明しているためここでは省略する。
保持データ発生制御信号は、通常動作モードと保持データ発生モードとの切り替えを指示する信号である。なお、通常動作モードについては、第二実施形態で既に説明しているためここでは省略する。
保持データ発生モード(保持データ発生状態)とは、記憶手段30で保持されているデータを更新せずに、波形発生動作クロック周波数で順次繰り返しD/A変換手段20へ出力するモードをいう。この保持データ発生モードは、記憶手段30以降の診断モードである。
この保持データ発生モードにおいては、入力クロックの発生に関係なく、記憶手段30において、保持データの更新が停止される。すなわち、通常動作モードから保持データ発生モードに切り替わった時点で保持されていたデータがその後も継続して保持され、その後は、その継続保持されているデータが、波形発生動作クロック周波数によりワード単位で順次繰り返し出力データとして出力されるモードをいう。
なお、本実施形態においては、保持データ読出制御信号と保持データ発生制御信号とを合わせて「データ保持制御信号」という。
次に、本実施形態の任意波形発生器の動作について、図6〜図8を参照して説明する。
図6〜図8は、本実施形態の任意波形発生器における記憶手段での入力データ,保持データ,出力データの各遷移、及び制御入力端子への入力信号(Writeイネーブル信号)の発生タイミングを示すタイミングチャートであって、図6は、通常動作モードにおける各データの遷移等、図7は、保持データ読出モードにおける各データの遷移等、図8は、保持データ発生モードにおける各データの遷移等を示すタイミングチャートである。
まず、通常動作モードにおける本実施形態の任意波形発生器の動作について、図5、図6を参照して説明する。
データ発生手段10から出力されたデジタル波形データ列のうちの複数ワード分が記憶手段30で保持される。
記憶手段30においては、最大保持ワード数に達するまでは、入力データを順次保持していき、最大保持ワード数に達した後は、FIFOにより保持データを更新しながら入力データを順次保持する。
そして、記憶手段30においては、保持データが、各ワードごとに、入力順で、遅延されてD/A変換手段20へ送られる。
D/A変換手段20において、記憶手段30からのデジタル波形データのデジタル量がアナログ量に変換され、波形出力手段140へ送られて外部出力される。
次に、保持データ読出モードにおける本実施形態の任意波形発生器の動作について、図5、図7を参照して説明する。
コントローラ40で出力され記憶手段30の制御入力端子31で入力された保持データ読出制御信号にもとづき、通常動作モードから保持データ読出モードに切り替えられると(図7(d))、記憶手段30においては、そのモードが切り替えられた時点で保持していたデータがその後も継続して保持される(同図(b)における「D3〜Dn+2」)。すなわち、保持データ読出モードにおいては、保持データの更新は行われない。そして、記憶手段30は、その保持データをコントローラ40へ出力し(同図(c))、コントローラ40においては、記憶手段30の保持データとデータ発生手段10に書き込まれたデータとを照合し、実動作速度でのデータ伝送不良が検出される。
次に、保持データ発生モードにおける本実施形態の任意波形発生器の動作について、図5、図8を参照して説明する。
コントローラ40で出力され記憶手段30の制御入力端子31で入力された保持データ発生制御信号にもとづき、通常動作モードから保持データ発生モードに切り替えられると(図8(d))、記憶手段30においては、そのモードが切り替えられた時点で保持していたデータがその後も保持され続ける(同図(b)における「D3〜Dn+2」)。すなわち、保持データ発生モードにおいては、保持データの更新は行われない。
そして、記憶手段30においては、その保持データが、ワード単位で、入力順に、遅延されてD/A変換手段20への出力データとして出力される(同図(c))。
[第四実施形態]
次に、本発明の任意波形発生器及び試験装置の第四実施形態について、図9を参照して説明する。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、データ発生手段にデータ・マルチプレクサを備えた点、そして、記憶手段がそのデータ・マルチプレクサから同期信号を受ける構成とした点が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図9において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態の任意波形発生器1dは、データ発生手段10と、D/A変換手段20と、記憶手段30と、コントローラ40とを備えている。
データ発生手段10は、波形メモリ11と、データ・マルチプレクサ12と有している。
波形メモリ11は、図15に示した波形メモリ110と同様の機能を有しており、各種のアナログ試験波形を発生するのに必要なデジタル波形データ列(所定の順序で並べられた一連のデジタル波形データ)が予め格納されている。
データ・マルチプレクサ12は、図16に示したマルチプレクサ(MUX)と同様の機能を有しており、D/A変換速度の高速化を実現するために複数段階のブロックで構成された任意波形発生器に用いられ、これにより、データ伝送周波数を高めてデータビット幅を削減し、高速の任意波形発生器を実現できる。
なお、図10に示すように、データ発生手段10だけでなく、D/A変換手段20においても、データ・マルチプレクサ22を備えることができる。これにより、データ伝送周波数を高めてデータビット幅を削減し、高速の任意波形発生器を実現できる。
ただし、データ・マルチプレクサは、データ発生手段10又はD/A変換手段20の一方又は双方に備えることができる。
データ発生手段10のデータ・マルチプレクサ12と記憶手段30との間には、同期信号を送るための同期信号配線50が接続されている。
同期信号とは、マルチプレクサの切替動作に同期して出力される信号をいう。
コントローラ40から記憶手段30の制御入力端子31へ送られるデータ保持制御信号は、データ発生手段10が出力するデジタル波形データとは非同期である。このため、記憶手段30が保持すべきデータが定まらない可能性がある。そこで、そのデータの送信元であるデータ・マルチプレクサ12がデジタル波形データの出力タイミングと同期している同期信号を記憶手段30へ送ることにより、記憶手段30は、その同期信号の入力タイミングでデータ保持動作に移行することで、該記憶手段30が保持すべきデータを定めることができ、それを期待値とした良否判定が可能となる。
その同期信号は、例えば、デジタル波形データの32ワード毎に送ることができる。この場合、コントローラ40がデータ保持制御信号にもとづいて「保持データ読出モード」への切り替えを指示してから、最大でも32クロック周期という短い待ち時間後には記憶手段30からのデータ読み出しが可能となる。
次に、本実施形態の任意波形発生器の動作について、図11を参照して説明する。
記憶手段30においては、最大保持ワード数に達するまでは、入力データを順次保持していき、最大保持ワード数に達した後は、同図に示すように、FIFOにより、入力データを保持し最も古いデータを消去して保持データを更新する(同図(a),(b)、通常動作モード)。
データ発生手段10のデータ・マルチプレクサ12から同期信号が送られてくると(同図(c))、記憶手段30において、通常動作モードからデータ保持モード(保持データ読出モード及び保持データ発生モードを含む)へ移行される。
データ保持モードにおいては、その移行時点で保持していたデータがその後も継続して保持され続け、データの更新は行われない(同図(b))。
そして、記憶手段30は、継続保持しているデータを出力データとしてコントローラ40へ出力する(同図(d))。
以上説明したように、本実施形態の任意波形発生器によれば、記憶手段において、その同期信号の発生タイミングに同期して、データ保持動作に移行することができる。
[第五実施形態]
次に、本発明の任意波形発生器及び試験装置の第五実施形態について、図12を参照して説明する。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、データ発生手段にデータ・マルチプレクサを備えた点、そして、記憶手段がそのデータ・マルチプレクサから同期信号を受ける構成とした点、さらに、記憶手段が制御入力端子を有した点がそれぞれ相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図12において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図12に示すように、本実施形態の任意波形発生器1eは、データ発生手段10と、D/A変換手段20と、記憶手段30と、コントローラ40とを備えている。そして、データ発生手段10は、波形メモリ11と、データ・マルチプレクサ12とを有している。さらに、データ・マルチプレクサ12と記憶手段30との間には、同期信号を送るための同期信号配線50が接続されている。
また、記憶手段30は、データ保持に関する信号(データ保持制御信号)を入力する制御入力端子31を有している。
本実施形態のデータ保持制御信号は、通常動作モードと保持データ準備モードとの切り替えを指示する信号である。
保持データ準備モード(保持データ準備状態)とは、記憶手段30で同期信号が入力されるまでは、通常動作モードで保持データを処理し、同期信号が入力された後は、データ保持モード(保持データ読出モード又は保持データ発生モード)で保持データを処理するモードである。
データ保持制御信号には、保持データ読出準備信号が含まれる。
保持データ読出準備信号は、記憶手段30に対して通常動作モードと保持データ準備モードとの切り替えを指示するとともに、保持データ準備モードに切り替えられた後、同期信号が入力されると、該同期信号の入力タイミングに同期して、保持データの更新を停止し、この停止時点で記憶していたデータをその後も継続して保持し、かつ、この保持したデータのすべてを出力データとして出力するように指示する信号である。
これにより、記憶手段30は、保持データ読出準備信号を入力すると、この入力タイミングで通常動作モードから保持データ準備モードへ切り替え、その後同期信号を入力すると、この入力タイミングで保持データ読出モードへ切り替える。そして、この保持データ読出モードにおいては、保持したデータのすべてを出力データとして出力する。
また、データ保持制御信号には、保持データ発生準備信号が含まれる。
保持データ発生準備信号は、記憶手段30に対して通常動作モードと保持データ準備モードとの切り替えを指示するとともに、保持データ準備モードに切り替えられた後、同期信号が入力されると、該同期信号の入力タイミングに同期して、保持データの更新を停止し、この停止時点で記憶していたデータをその後も継続して保持し、かつ、この保持したデータを1ワード又は複数ワードずつ順番に繰り返して出力するように指示する信号である。
これにより、記憶手段30は、保持データ発生準備信号を入力すると、この入力タイミングで通常動作モードから保持データ準備モードへ切り替え、その後同期信号を入力すると、この入力タイミングで保持データ発生モードへ切り替える。そして、この保持データ発生モードにおいては、保持したデータを1ワード又は複数ワードずつ順番に繰り返して出力する。
なお、図12に示す任意波形発生器1eは、D/A変換手段20がデジタル波形データを記憶手段30ではなく、データ発生手段10のデータ・マルチプレクサ12から入力する構成としてあるが、データ発生手段10のデータ・マルチプレクサ12から入力する構成とすることに限るものではなく、例えば、図13に示すように、記憶手段30からデジタル波形データを入力する構成とすることもできる。
次に、本実施形態の任意波形発生器の動作について、図14を参照して説明する。
通常動作モードにおいて、記憶手段30では、最大保持ワード数に達するまでは、入力データが順次保持される。そして、最大保持ワード数に達した後は、同図に示すように、FIFOにより、入力データを保持し最も古いデータを消去して保持データが更新される(同図(a),(b)及び(d)の通常動作モード)。
なお、この通常動作モードにおいては、同期信号が送られてきても、データ保持モード(図14では保持データ読出モード)には移行しない。
記憶手段30の制御入力端子31において入力されるコントローラ40からのデータ保持制御信号にもとづき、通常動作モードから保持データ準備モードへの切り替えが行われる(同図(d))。ただし、同期信号が入力されるまでは通常動作モードで保持データが処理される。
その後、データ発生手段10のデータ・マルチプレクサ12から同期信号配線50を介して同期信号が記憶手段30へ送られると(同図(e))、記憶手段30において、データ保持モード(図14では保持データ読出モード)により保持データが処理される。
このデータ保持モード(保持データ読出モード)においては、その移行時点で保持していたデータがその後も継続して保持され続け、データの更新は行われない(同図(b))。
そして、記憶手段30は、その継続保持しているデータを出力データとしてコントローラ40へ出力する(同図(c))。
以上説明したように、本実施形態の任意波形発生器によれば、記憶手段において、その同期信号の発生タイミングに同期して、データ保持動作に移行することができる。
以上、本発明の任意波形発生器及び試験装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る任意波形発生器及び試験装置は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した第五実施形態では、データ保持制御信号にもとづき通常動作モードから保持データ読出モードへ移行することを示したが、その移行後のモードは、保持データ読出モードに限るものではなく、例えば保持データ発生モードとすることもできる。
また、本発明の任意波形発生器及び試験装置は、第一実施形態から第五実施形態までのそれぞれにおける任意波形発生器又は試験装置を任意に組み合わせたものであってもよい。
本発明は、デジタル波形データを送る信号線路の接続不良を検出する機能を備えた半導体試験装置等の試験装置に用いることができ、特に、所定のデータが送信される信号線路を有した装置や機器の試験等に好適に利用可能である。
本発明の第一実施形態の任意波形発生器の構成を示すブロック図である。 図1に示す任意波形発生器での各データ等の遷移又は発生タイミングを示すタイミングチャートである。 本発明の第二実施形態の任意波形発生器の構成を示すブロック図である。 図3に示す任意波形発生器での各データ等の遷移又は発生タイミングを示すタイミングチャートである。 本発明の第三実施形態の任意波形発生器の構成を示すブロック図である。 図5に示す任意波形発生器での通常動作モードにおける各データ等の遷移又は発生タイミングを示すタイミングチャートである。 図5に示す任意波形発生器での保持データ読出モードにおける各データ等の遷移又は発生タイミングを示すタイミングチャートである。 図5に示す任意波形発生器での保持データ発生モードにおける各データ等の遷移又は発生タイミングを示すタイミングチャートである。 本発明の第四実施形態の任意波形発生器の構成を示すブロック図である。 D/A変換手段の他の構成を示すブロック図である。 図9に示す任意波形発生器での各データ等の遷移又は発生タイミングを示すタイミングチャートである。 本発明の第五実施形態の任意波形発生器の構成を示すブロック図である。 本発明の第五実施形態の任意波形発生器の他の構成を示すブロック図である。 図12に示す任意波形発生器での各データ等の遷移又は発生タイミングを示すタイミングチャートである。 従来の任意波形発生器の構成を示すブロック図である。 従来の任意波形発生器の他の構成を示すブロック図である。 従来の任意波形発生器のさらに他の構成を示すブロック図である。 図17に示す任意波形発生器での通常動作モードにおける各データ等の遷移又は発生タイミングを示すタイミングチャートである。 図17に示す任意波形発生器での保持データ読出モードにおける各データ等の遷移又は発生タイミングを示すタイミングチャートである。 図17に示す任意波形発生器での保持データ発生モードにおける各データ等の遷移又は発生タイミングを示すタイミングチャートである。
符号の説明
1a〜1f 任意波形発生器
10 データ発生手段
11 波形メモリ
12 データ・マルチプレクサ
20 D/A変換手段(DAC)
21 D/A変換回路
22 データ・マルチプレクサ
30 記憶手段
31 制御入力端子
40 コントローラ(制御手段)
50 同期信号配線

Claims (10)

  1. デジタル波形データを出力するデータ発生手段と、このデータ発生手段からのデジタル波形データ列をアナログ値に変換して出力するD/A変換手段とを備えた任意波形発生器であって、
    前記データ発生手段から出力されたデジタル波形データ列のうちの複数ワード分を入力して保持する記憶手段と、
    この記憶手段から一ワード又は複数ワード分のデジタル波形データを読み出して、前記データ発生手段に書き込んだデータとの照合を行う制御手段とを備えた
    ことを特徴とする任意波形発生器。
  2. 前記D/A変換手段が、前記データ発生手段又は前記記憶手段のいずれか一方から出力されたデジタル波形データ列をアナログ値に変換して出力する
    ことを特徴とする請求項1記載の任意波形発生器。
  3. 前記記憶手段が、データ保持制御信号を入力する制御入力端子を有し、
    前記データ保持制御信号が、前記記憶手段に対して、保持データの更新を停止させるとともに、この停止時点で記憶していたデータをその後も継続して保持させることを指示する信号を含む
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の任意波形発生器。
  4. 前記データ保持制御信号が、保持データ読出制御信号を含み、
    前記保持データ読出制御信号が、前記記憶手段に対して、保持データの更新を停止させるとともに、この停止時点で記憶していたデータをその後も継続して保持させ、かつ、この保持させたデータのすべてを出力データとして出力させることを指示する信号である
    ことを特徴とする請求項3記載の任意波形発生器。
  5. 前記データ保持制御信号が、保持データ発生制御信号を含み、
    前記保持データ発生制御信号が、前記記憶手段に対して、保持データの更新を停止させるとともに、この停止時点で記憶していたデータをその後も継続して保持させ、かつ、この保持されたデータを1ワード又は複数ワードずつ順番に繰り返して出力させることを指示する信号である
    ことを特徴とする請求項3記載の任意波形発生器。
  6. 前記データ発生手段が、出力波形データのパターンに同期した同期信号を出力し、
    前記記憶手段が、前記同期信号の入力タイミングに同期して、保持データの更新を停止するとともに、この停止時点で記憶していたデータをその後も継続して保持する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の任意波形発生器。
  7. 前記記憶手段が、データ保持制御信号を入力する制御入力端子を有し、
    前記データ保持制御信号が、保持データの更新を行う通常動作状態から保持データ準備状態への切り替えを指示する信号を含み、
    前記記憶手段が、前記保持データ準備状態に切り替えられた後、前記同期信号を入力すると、該同期信号の入力タイミングに同期して、保持データの更新を停止するとともに、この停止時点で記憶していたデータをその後も継続して保持する
    ことを特徴とする請求項6記載の任意波形発生器。
  8. 前記データ保持制御信号が、保持データ読出準備信号を含み、
    前記記憶手段が、前記保持データ読出準備信号の入力タイミングで前記保持データ準備状態に切り替えられた後、前記同期信号を入力すると、該同期信号の入力タイミングに同期して、保持データの更新を停止するとともに、この停止時点で記憶していたデータをその後も継続して保持し、かつ、この保持したデータのすべてを出力データとして出力する
    ことを特徴とする請求項7記載の任意波形発生器。
  9. 前記データ保持制御信号が、保持データ発生準備信号を含み、
    前記記憶手段が、前記保持データ発生準備信号の入力タイミングで前記保持データ準備状態に切り替えられた後、前記同期信号を入力すると、該同期信号の入力タイミングに同期して、保持データの更新を停止するとともに、この停止時点で記憶していたデータをその後も継続して保持し、かつ、この保持したデータを1ワード又は複数ワードずつ順番に繰り返して出力する
    ことを特徴とする請求項7記載の任意波形発生器。
  10. アナログの試験波形を被試験デバイスへ送るための任意波形発生器を備えた試験装置であって、
    前記任意波形発生器が、前記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の任意波形発生器からなる
    ことを特徴とする試験装置。
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