JP2006226354A - 自動車及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回生制動中に変速機の変速比の変更を禁止した後の再加速時や再発進時のもたつきを防止させる。
【解決手段】 このハイブリッド自動車では、ステップS120で変速機の変速タイミングと判定されたときには、ステップS120でモータMG2の制動パワーPm2*がしきい値Pth以下であるか否かを判定し、モータMG2の制動パワーPm2*がしきい値Pth以下であると判定されたときには、ステップS145で変速機の変速比の変更を開始する。このように、回生エネルギが小さくもはや回生エネルギの効率的な回収が見込めないときには変速比を変更させるため、モータMG2からの動力を運転状態に応じた変速比を介して駆動軸に出力することができ、運転者が回生制動による減速の後再加速したい場合や停車後再発進したい場合にも加速時や発進時のもたつきを防止することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動車及びその制御方法に関し、詳しくは、電動機を搭載する自動車及びその制御方法に関する。
従来、電動機を搭載する自動車として、電動機と駆動軸との間に変速機を配設し、変速機の変速比の変更を回生制動中には禁止するものが提案されている(例えば特許文献1参照)。変速機を備えた自動車では、回生制動中に変速機の変速比を切り替える間は電動機のトルクを略ゼロにする必要があるため、変速比を変更するときに一時的に電気エネルギの回収を中止しなければならず、回生制動中に変速比を変更する場合には電気エネルギの回収効率が悪化するところ、この自動車によれば、回生制動中には変速機の変速比の変更を禁止するため、変速中の制動力の低下を防止すると共に、変速比の変更を行う場合と比べて電気エネルギをより多く回収することができる。
特開平7−264711
しかしながら、上述の自動車では、回生制動が終了した後の変速機の変速比については考慮されていないため、運転者が車両の制動後に再加速や再発進を行いたい場合であっても運転状況に応じた変速比となっておらず、電動機からの動力を運転状態に応じた変速比を介して駆動軸に出力することができないという問題があった。このため、運転者が車両の制動後に再加速や再発進を行うときに加速や発進を迅速に行うことができないという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、回生制動中に変速機の変速比の変更を禁止した後の再加速時や再発進時のもたつきを防止する自動車を提供することを目的の一つとする。また、この自動車の制御方法を提供することを目的の一つとする。
本発明は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
即ち、本発明の自動車は、
回転軸に動力を出力可能な電動機と、
変更可能な変速比をもって前記回転軸の動力を車輪の駆動軸に伝達する変速手段と、
前記変速手段の変速比を設定し該設定された変速比となるよう前記変速手段を制御する変速制御手段と、
少なくとも運転者のブレーキ操作に基づいて前記駆動軸の運動エネルギを電気エネルギに変換することにより前記駆動軸に回生制動力が付与されるよう前記電動機を制御する回生制動制御手段と、
前記回生制動制御手段により前記回生制動力が前記駆動軸に付与されているときには前記変速制御手段による前記変速手段の変速比の変更を禁止し、前記回生制動制御手段による前記回生制動力の前記駆動軸への付与が終了するか又は終了する間際の過程にあるときには前記変速制御手段による前記変速手段の変速比の変更を許可する変速比変更許否決定手段と、
を備えたものである。
この自動車では、回生制動中に変速比を変更することによって生じる電気エネルギの回収効率の悪化を防止するために回生制動中の変速比の変更を禁止した場合であっても、回生制動が終了するか又は終了する間際の過程にあるためにもはや電気エネルギの効率的な回収が見込めないときには変速比を変更させるため、電動機からの動力を運転状態に応じた変速比を介して駆動軸に出力することができる。これにより、運転者が回生制動による減速の後再加速したい場合や停車後再発進したい場合にも、加速時や発進時のもたつきを防止することができる。
本発明の自動車において、前記変速比変更許否決定手段は、前記電気エネルギが所定の僅少値以下であるときに前記変速手段の変速比の変更を許可するとしてもよい。回生制動により発生する電気エネルギが少ないときにはもはや電気エネルギの効率的な回収が見込めないため、電気エネルギの回収よりも変速比の変更を優先させることにより、より早期に運転状態に応じた変速比に変更することができる。
本発明の自動車において、前記変速比変更許否決定手段は、車速が所定の低速領域に入るときに前記変速手段の変速比の変更を許可するとしてもよい。車速が所定の低速領域内にあるときに回収される電気エネルギ量は少ないため、変速比の変更を許可することにより電気エネルギの回収よりも変速比の変更を優先させる。なお、「所定の低速領域」とは、例えば、回生制動により回収される電気エネルギが僅少である低速領域として経験的に定めてもよい。
本発明の自動車において、前記変速比変更許否決定手段は、運転者によるブレーキ操作が解除されたときに前記変速手段の変速比の変更を許可するとしてもよい。運転者がブレーキ操作を解除したときには、その後電動機による回生制動が中止される可能性が高く、またブレーキ操作が行われているときと比べて回収可能な電気エネルギ量は少ないため、変速比の変更を許可することにより電気エネルギの回収よりも変速比の変更を優先させる。このとき、前記変速比変更許否決定手段は、運転者によるブレーキペダルの踏み込みが所定の操作量以下のときに前記ブレーキ操作が解除されたと判定するとしてもよい。なお、「所定の操作量」とは、例えば、運転者によるブレーキペダルの踏み込みが少なく電気エネルギが十分に発生しないブレーキペダルの操作量として経験的に定めてもよい。
なお、「電気エネルギが所定の僅少値以下であるとき」や「車速が所定の低速領域に入るとき」、「運転者によるブレーキ操作が解除されたとき」が「前記回生制動力の前記駆動軸への付与が終了するか又は終了する間際の過程にあるとき」に相当する。
本発明の自動車は、更に、内燃機関と、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力により前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、を備えていてもよい。
本発明の自動車の制御方法は、
回転軸に動力を出力可能な電動機と、変更可能な変速比をもって前記回転軸の動力を車輪の駆動軸に伝達する変速手段と、を備えた自動車の制御方法であって、
少なくとも運転者のブレーキ操作に基づいて前記駆動軸の運動エネルギを電気エネルギに変換することにより生じる回生制動力が前記駆動軸に付与されているときには前記変速手段の変速比の変更を禁止し、前記回生制動力の前記駆動軸への付与が終了するか又は終了する間際の過程にあるときには前記変速手段の変速比の変更を許可する、
自動車の制御方法である。
この自動車の制御方法によれば、回生制動中に変速比を変更することによって生じる電気エネルギの回収効率の悪化を防止するために回生制動中の変速比の変更を禁止した場合であっても、回生制動が終了するか又は終了する間際の過程にあるためにもはや電気エネルギの効率的な回収が見込めないときには変速比を変更させるため、電動機からの動力を運転状態に応じた変速比を介して駆動軸に出力することができる。これにより、運転者が回生制動による減速の後再加速したい場合や停車後再発進したい場合にも、加速時や発進時のもたつきを防止することができる。なお、この自動車の制御方法に上述した自動車が備えている各種の構成手段の機能を実現するようなステップを追加してもよい。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。本実施形態のハイブリッド自動車20は、図1に示すように、燃料を燃焼することにより動力を生じるエンジン22と、エンジンシステム全体をコントロールするエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26に接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続され発電可能なモータMG1と、変速機60を介して動力分配統合機構30に接続され発電可能なモータMG2と、モータMG1,MG2の発電及び駆動を制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、モータMG1,MG2と電力のやりとりを行いバッテリ用制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって制御されるバッテリ50と、動力分配統合機構30に接続された軸にチェーンベルト36を介して接続された駆動軸37と、ハイブリッドシステム全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(以下、ハイブリッドECUという)70とを備える。
エンジン22は、例えばガソリン又は軽油などの炭化水素系の燃料を燃焼させることにより動力を出力する内燃機関であり、エンジンECU24によって制御されている。このエンジンECU24は、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号が入力ポートを介して入力され、エンジン22の燃料噴射制御や点火制御、吸入空気量調節ユニットなどの制御を行う。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号が出力ポートを介して出力される。なお、エンジンECU24は、ハイブリッドECU70と電気的に接続されており、ハイブリッドECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、サンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転且つ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行う遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン30のクランクシャフトが、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32には変速機60を介してモータMG2がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン30からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側とにそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力される動力とを統合してリングギヤ32に出力する。そして、リングギヤ32は、駆動軸37とディファレンシャルギヤ38とを介して駆動輪39,39に接続されているため、リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aから駆動軸37、ディファレンシャルギヤ38を介して駆動輪39,39に出力される。なお、駆動系として見たときの動力分配統合機構30に接続される3軸は、キャリア34に接続されたエンジン22の出力軸であるクランクシャフト26と、サンギヤ31に接続されモータMG1の回転軸となるサンギヤ軸31aと、リングギヤ32に接続されると共に駆動輪39,39に機械的に接続されたリングギヤ軸32aとになる。
モータMG1及びモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機としても駆動することができる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行う。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する動力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線及び負極母線として構成されており、モータMG1,MG2の一方で発電される電力を他のモータで消費することができる。また、バッテリ50は、必要に応じてモータMG1,MG2で発電された電力により充電されると共に必要に応じてモータMG1,MG2に不足する電力を供給する。そして、モータMG1,MG2は、共にモータECU40によって運転制御されている。このモータECU40は、モータMG1,MG2を制御するために必要な信号、例えば、モータMG1,MG2のロータの回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流等が入力され、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力される。また、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44から入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンによりモータMG1,MG2のロータの回転数Nm1,Nm2を計算する。この回転数Nm1,Nm2は、モータMG1がサンギヤ31に接続されモータMG2がリングギヤ32に接続されていることから、それぞれサンギヤ軸31aの回転数Ns及びリングギヤ軸32aの回転数Nrと一致する。また、モータECU40は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を運転制御すると共に、必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
変速機60は、モータMG2の回転軸48とリングギヤ軸32aとの接続及び接続の解除を行うものであり、両軸を接続しているときにはモータMG2の回転軸48の回転数を2段に減速してリングギヤ軸32aに伝達するよう構成されている。変速機60の構成の一例を図2に示す。図2に示すように、この変速機60は、ダブルピニオンの遊星歯車機構60aと、シングルピニオンの遊星歯車機構60bと、2つのブレーキB1,B2とを備えている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aは、外歯歯車のサンギヤ61と、サンギヤ61と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ62と、サンギヤ61に噛合する複数の第1ピニオンギヤ63a及び複数の第2ピニオンギヤ63bと、複数の第1ピニオンギヤと複数の第2ピニオンギヤとを連結して自転且つ公転自在に保持するキャリア64とを備えており、サンギヤ61は、ブレーキB1のオンオフによりその回転を自由に行うことも停止することもできるよう構成されている。また、シングルピニオンの遊星歯車機構60bは、外歯歯車のサンギヤ65と、サンギヤ65と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ66と、サンギヤ65に噛合すると共にリングギヤ66に噛合する複数のピニオンギヤ67と、複数のピニオンギヤ67を自転且つ公転自在に保持するキャリア68とを備えており、サンギヤ65は、モータMG2の回転軸48に、キャリア68はリングギヤ軸32aにそれぞれ連結されており、リングギヤ66は、ブレーキB2のオンオフによりその回転を自由に行うことも停止することもできるよう構成されている。このダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bは、それぞれのリングギヤ62とリングギヤ66、キャリア64とキャリア68とが連結されている。そして、この変速機60は、ブレーキB1及びブレーキB2をオフすることによりモータMG2の回転軸48をリングギヤ軸32aから切り離し、ブレーキB1をオフとしてブレーキB2をオンとすることによりモータMG2の回転軸48の回転を比較的大きな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達し(以下、この状態をLoギヤの状態という)、ブレーキB1をオンとしてブレーキB2をオフとすることによりモータMG2の回転軸48の回転を比較的小さな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達する(以下、この状態をHiギヤの状態という)。また、ブレーキB1及びブレーキB2をオンとしたときには、回転軸48やリングギヤ軸32aの回転を禁止する。
バッテリ50は、ここではニッケル水素バッテリを採用しており、モータMG1,MG2に電力を供給したり、減速時にモータMG1,MG2で発生した電気エネルギを電力として蓄えたりする役割を果たす。バッテリ50を制御するバッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧、バッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流、バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度などが入力され、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッドECU70に出力する。なお、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値や電圧センサにより検出された端子間電圧に基づいて残容量(以下、SOC(State of Charge)という)を演算する。
ディスクブレーキ91,91は、駆動輪39,39の内面に設けられており、油圧回路93を介してブレーキペダル85と接続されている。この油圧回路93には、電磁弁やポンプなどからなりブレーキ用電子制御ユニット(以下、ブレーキECUという)90によって制御されるブレーキアクチュエータ92が組み込まれている。ブレーキペダル85が踏み込まれると、ブレーキアクチュエータ92の作動により油圧回路93内で油圧が発生し、この油圧がディスクブレーキ91に伝達されることによって駆動輪39,39に制動力が付与される。なお、このハイブリッド自動車20では、この油圧ブレーキによる制動の他に、駆動軸37の運動エネルギをモータMG2で電気エネルギに変換することによって駆動軸37に制動力を付与する回生ブレーキによる制動方法があり、ハイブリッドECU70は、運転者によるブレーキペダル85の踏み込み量と車速Vとに基づいて要求制動力を算出し、この要求制動力を油圧ブレーキによる制動力と回生ブレーキによる制動力とに分担することにより油圧ブレーキと回生ブレーキとの協調制御を行っている。
ハイブリッドECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種処理プログラムを記憶したROM74と、一時的にデータを記憶するRAM76と、入出力ポート(図示せず)とを備える。ハイブリッドECU70には、イグニッションスイッチ80からの制御信号やシフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ87からの車速Vなどが入力ポートを介して入力され、ハイブリッドECU70からは、変速機60への制御信号などが出力ポートを介して出力される。また、ハイブリッドECU70は、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52、ブレーキECU90と各種制御信号やデータのやりとりを行っている。
こうして構成された本実施形態のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸37としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを運転制御する。このハイブリッド自動車20の運転制御としては、(1)要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力の全てが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1とモータMG2とを駆動制御するトルク変換運転モードや、(2)要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようエンジン22を運転制御すると共に、バッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部又はその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴いながら要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1とモータMG2とを駆動制御する充放電運転モード、(3)エンジン22の運転を停止して要求動力に見合う動力をモータMG2からリングギヤ軸32aに出力するよう駆動制御するモータ運転モードなどがある。
次に、本実施形態のハイブリッド自動車20の動作、特に制動制御の際の動作について、図3のフローチャートに基づいて説明する。このルーチンは、走行中アクセルペダル83の踏み込みが解除されたアクセルオフでクリープトルクが出ていない状態やブレーキペダル85が踏み込まれたブレーキオンの状態、即ちリングギヤ軸32aに正の駆動力を出力していない状態のときに所定タイミングごと(例えば数msecごと)にハイブリッドECU70によって実行される。このルーチンが開始されると、ハイブリッドECU70のCPU72は、まず、ブレーキペダルポジションBPや車速V,モータMG2の回転数Nm2,バッテリ50の残容量SOCなどのデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、車速Vは車速センサ88から出力されるパルスの時間間隔に基づいてハイブリッドECU70により算出され、モータMG2の回転数Nm2はモータMG2のロータの回転位置を検出する回転位置検出センサ44から出力されるパルスに基づいてモータECU40により算出され、バッテリ50の残容量SOCはバッテリECU52により算出される。
続いて、ステップS100で入力したブレーキペダルポジションBPと車速Vとに基づいてリングギヤ軸32aに出力すべき制動要求トルクTd*及び制動要求パワーPd*を設定する(ステップS105)。ここで、制動要求トルクTd*は、本実施形態では、ブレーキペダルポジションBPと車速Vと制動要求トルクTd*との関係を予め作成した制動要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、ブレーキペダルポジションBPと車速Vとが与えられるとこの制動要求トルク設定用マップから対応する制動要求トルクTd*を導出することにより設定するものとする。この制動要求トルク設定用マップの一例を図4に示す。また、制動要求パワーPd*は、設定した制動要求トルクTd*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じることにより算出する。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数Kを乗じることにより算出することができる。
次に、ステップS105で設定した制動要求パワーPd*や車速V、バッテリ50の残容量SOCなどに基づいてモータMG2の制動パワーPm2*と油圧ブレーキの制動パワーPb*とを設定する(ステップS110)。ここで、モータMG2の制動パワーPm2*及び油圧ブレーキの制動パワーPb*の設定は、本実施形態では、モータMG2が分担する制動パワーPm2*と油圧ブレーキが分担する制動パワーPb*との和が制動要求パワーPd*となる条件を満たしながらモータMG2の回生電力ができる限り多くなるよう設定するものとする。また、制動要求パワーPd*に対するモータMG2の制動パワーPm2*の割合は、車速Vが中車速領域にあるときに大きくなり、車速Vが低車速領域にあるときに僅少となるよう決定される。
続いて、車速Vと制動要求トルクTd*とに基づいて変速機60のギヤの状態を切り替える変速タイミングであるか否かを判定する(ステップS115)。ここで、変速タイミングか否かは、本実施形態では、車速Vと制動要求トルクTd*とギヤの状態との関係を予め定めて変速状態設定用マップとしてROM74に記憶しておき、車速Vと制動要求トルクTd*とが与えられると記憶したマップから対応するギヤ状態を導出し、この導出したギヤ状態と現在のギヤ状態とを比較して両者が一致すれば変速タイミングではないと判定し、一致しなければ変速タイミングであると判定する。図5に変速状態設定用マップの一例を示す。図5では、モータMG2によってエネルギを効率よく回生させると共に変速時の変速ショックを抑えるためにモータMG2の制動目標トルクTd*がゼロ近傍の値を取るときに変速タイミングとなるようギヤ状態を決定する。また、モータMG2はその上限回転数以下で作動する必要があるため、車速Vがこの上限回転数より若干低い回転数に相当する車速Vhi以上のときには、制動要求トルクTd*にかかわらず変速機60のギヤ状態をHiの状態とする。なお、現在のギヤ状態は、変速機60のブレーキB1,B2の状態に基づいて判定する。即ち、ブレーキB1がオフでブレーキB2がオンのときには現在のギヤ状態はLoギヤの状態と判定し、ブレーキB1がオンでブレーキB2がオフのときにはHiギヤの状態と判定する。また、本実施形態では、ブレーキB1及びブレーキB2が共にオフのときにはステップS115で変速タイミングであると判定する。
ステップS115で変速機60のギヤを切り替える必要があると判定されたときには、モータMG2の制動パワーPm2*がしきい値Pth以下であるか否かを判定する(ステップS120)。ここで、しきい値Pthは、モータMG2の回生電力の回収を強制的に中止させたとしてもバッテリ50への充電量に殆ど影響を及ぼさない制動パワーを予め実験的に求めた値である。なお、回生制動は減速中に行われるため、回生制動中に変速機60のギヤ状態の切り替えを行う場合は、原則として、シフトダウン即ちギヤ状態がHiの状態からLoの状態への切り替えとなる。
ステップS115で変速機60のギヤを切り替える必要がないと判定されたとき又はステップS120でモータMG2の制動パワーPm2*がしきい値Pthよりも大きいと判定されたときには、ステップS110で設定したモータMG2の制動パワーPm2*から次式(1)によりモータMG2の目標制動トルクTm2*を算出し(ステップS125)、油圧ブレーキの制動パワーPb*から次式(2)により油圧ブレーキの目標制動トルクTb*を算出する(ステップS130)。ここで、変速機60は、モータMG2からリングギヤ軸32aに制動力が付与されている状態でギヤ状態をHiの状態からLoの状態へ切り替える場合にはスムーズな変速が困難であり、この状態でギヤ状態を切り替えると変速ショックや異音が生じやすくなる。従って、スムーズな変速を行うためには、変速機60のギヤ状態を切り替えるときにモータMG2から出力されるトルクをゼロにすることが必要となる。しかし、モータMG2から出力されるトルクをゼロにした場合には回生エネルギの回収を行うことができない。従って、このように、モータMG2の制動パワーPm2*がしきい値Pthよりも大きく回生エネルギの効率的な回収が見込まれるときには変速機60のギヤ状態の切り替えを禁止することにより、回生エネルギを効率よく回収することができる。
Tm2*=Pm2*/Nm2 (1)
Tb*=Pb*/K2・V (2)
一方、ステップS120でモータMG2の制動パワーPm2*がしきい値Pth以下であると判定されたときには、モータMG2から出力される制動目標トルクTm2*をゼロに設定すると共に(ステップS135)、油圧ブレーキの制動パワーPb*を制動要求パワーPd*として式(2)により油圧ブレーキの制動目標トルクTb*を算出し(ステップS140)、変速機60のギヤ状態をHiの状態からLoの状態へと切り替える切替処理ルーチン(後述)を実行する(ステップS145)。このように、変速機60のギヤ状態を切り替えるときに制動目標トルクTm2*をゼロに設定することにより、変速機60のギヤ状態の切り替えをスムーズに行うことができる。また、制動目標トルクTm2*をゼロに設定すると共に油圧ブレーキの制動パワーPb*を制動要求パワーPd*として油圧ブレーキの制動目標トルクTb*を算出するため、制動要求パワーPd*を減少させることなく車両に付与することができる。
ステップS130で油圧ブレーキの制動目標トルクTb*を算出した後又はステップS145で変速機60のギヤ状態の切り替えを開始した後には、モータMG2の制動目標トルクTm2*をモータECU40に出力すると共に油圧ブレーキの制動目標トルクTb*をブレーキECU90に出力して(ステップS150)、本ルーチンを終了する。これにより、制動目標トルクTm2*を受け取ったモータECU40は、制動目標トルクTm2*に見合うトルクでモータMG2が運転されるようインバータ42のスイッチング素子をスイッチング制御することにより回生ブレーキによる制動制御を行う。また、制動目標トルクTb*を受け取ったブレーキECU90は、制動目標トルクTb*に見合うトルクが駆動輪39,39に付与されるようディスクブレーキ91,91に作用する油圧をブレーキアクチュエータ92で調節することにより油圧ブレーキによる制動制御を行う。このように、回生ブレーキによる制動と油圧ブレーキによる制動との協調制御を行うことにより、制動要求パワーPd*に見合う制動力を車両に付与することができる。
続いて、切替処理ルーチンについて説明する。図6は、この切替処理ルーチンを示すフローチャートである。このルーチンが実行されると、ハイブリッドECU70のCPU72は、まず、今回の実行がこのルーチンの初回の実行であるか否かを判定し(ステップS200)、今回の実行が初回の実行であると判定されたときには、そのまま本ルーチンを終了する。これにより、ブレーキB1,B2のオンオフを実行する前にモータMG2の制動目標トルクTm2*をゼロにするようモータECU40に一旦指令してからブレーキB1,B2のオンオフの実行を開始することができる。一方、今回の実行が初回の実行でないと判定されたときには、切り替え処理実行中フラグF1が値1か否かを判定する(ステップS205)。ここで、切り替え処理実行中フラグF1とは、ハイブリッドECU70が制動中に変速機60のギヤ状態の切り替えを実行しているか否かを示すフラグであり、ゼロのときはギヤ状態の切り替え処理を実行していないことを示し、値1のときはギヤ状態の切り替え処理の実行中であることを示す。
ステップS205で切り替え処理実行中フラグF1がゼロであると判定されたときには、現在のモータMG2の回転数Nm2と変速機60のギヤ比Glo,Ghiとにより次式(3)を用いて切り替え後のモータMG2の回転数Nm2*を算出する(ステップS210)。続いて、ブレーキB1をオフすると共に(ステップS215)、ブレーキB2をフリクション係合させ(ステップS220)、切り替え処理実行中フラグF1を値1にセットする(ステップS225)。
Nm2*=Nm2・Glo/Ghi (3)
ステップS205で切り替え処理実行中フラグF1が値1と判定されたとき又はステップS225で切り替え処理実行中フラグF1を値1にセットした後は、モータMG2の回転数Nm2を入力する(ステップS230)。続いて、モータMG2の回転数Nm2が変速機60のギヤの切り替え後の回転数Nm2*と略等しいか否かを判定し(ステップS235)、回転数Nm2が切り替え後の回転数Nm2*と等しくないと判定されたときには、そのまま本ルーチンを終了する。一方、回転数Nm2が切り替え後の回転数Nm2*と略等しいと判定されたときには、ブレーキB2を完全にオンとして(ステップS240)、制動制御ルーチンで用いられる変速機60のギヤ比GrをLoギヤのギヤ比Gloとして設定する(ステップS245)。このように、ブレーキB2をオンとするときには、まず、ブレーキB2をフリクション係合させて現在のモータMG2の回転数Nm2を切り替え後のモータMG2の回転数Nm2* と略等しくした後にブレーキB2を完全にオンとすることにより、変速ショックを抑制して変速機60のギヤ状態の切り替えをスムーズに行うことができる。変速機60のギヤ状態を切り替えた後は、切り替え処理実行中フラグF1をゼロにリセットし(ステップS250)、切替処理ルーチンを終了する。これにより、変速機60のギヤ状態はLoの状態となるため、運転者が再加速や再発進したい場合にもモータMG2の回転軸48の回転を比較的大きな減速比で減速して駆動軸37に伝達することができ、加速時や発進時のもたつきを防ぐことができる。なお、ハイブリッドECU70は、制動制御ルーチンと並行してこの切替処理ルーチンを実行する。
上述の制動制御ルーチンが実行されたときの一例として、変速機60のギヤ状態がHiの状態にあって回生制動中にLoの状態に切り替える変速タイミングとなった場合について説明する。この場合、制動要求パワーPd*や車速Vなどに基づいて算出されたモータMG2の制動パワーPm2*がしきい値Pthよりも大きく回生エネルギの効率的な回収が見込まれるときには変速機60のギヤ状態をLoの状態に切り替えず、Hiの状態を維持したまま、モータMG2の制動目標トルクTm2*及び油圧ブレーキの制動目標トルクTb*を出力することにより回生ブレーキによる制動と油圧ブレーキによる制動との協調制御を行う。一方、モータMG2の制動パワーPm2*がしきい値Pthよりも小さく回生エネルギが僅少であるときには、モータMG2の制動目標トルクTm2*をゼロにしつつ切替処理ルーチンの実行により変速機60のギヤ状態をHiの状態からLoの状態へと切り替えると共に、制動要求パワーPd*を全て油圧ブレーキの制動パワーPb*に置き換えることにより油圧ブレーキによる制動を行う。このように、回生エネルギが僅少のときには変速機60のギヤ状態の切り替えを行うため、モータMG2の回転軸48の回転を比較的大きな減速比で減速して駆動軸37に伝達することができ、加速時や発進時のもたつきを防ぐことができる。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のモータMG2が本発明の電動機に相当し、変速機60が変速手段に相当し、ハイブリッドECU70が変速制御手段及び変速比変更許否決定手段に相当する。また、ハイブリッドECU70及びモータECU40が回生制動制御手段に相当し、エンジン22が内燃機関に相当し、モータMG1及び動力分配統合機構30が電力動力入出力手段に相当する。なお、本実施形態では、ハイブリッド自動車20の動作を説明することにより本発明の自動車の一例を明らかにすると共に本発明の自動車の制御方法の一例も明らかにしている。
以上詳述した本実施形態のハイブリッド自動車20によれば、回生制動中に変速機60のギヤ状態を切り替えることによって生じる回生エネルギの回収効率の悪化を防ぐために回生制動中のギヤ状態の切り替えを禁止した場合であっても、回生ブレーキの制動パワーPm*がしきい値Pth以下と少なくもはや回生エネルギの効率的な回収が見込めないときには変速機60のギヤ状態をHiの状態からLoの状態へと切り替えるため、運転者が再加速や再発進したい場合にもモータMG2の回転軸48の回転を比較的大きな減速比で減速して駆動軸37に伝達することができ、加速時や発進時のもたつきを防ぐことができる。
また、回生エネルギが僅少か否かの判断は、モータMG2の制動パワーPm2*に基づいて判断されるため、回生電力の大きさを直接的に判断することができる。
更に、ステップS120でモータMG2の制動パワーPm2*がしきい値Pth以下と判定されたときにはステップS135でモータMG2の制動目標トルクTm2*をゼロとしつつステップS145で変速機60のギヤ状態を切り替えるため、変速機60のギヤ状態の切り替えをスムーズに行うことができると共に変速ショックや異音の発生を抑制することができる。また、ステップS135でモータMG2の制動目標トルクTm2*をゼロに設定したときには油圧ブレーキの制動パワーPb*を運転者の制動要求パワーPd*とするため、車両に付与させる制動力を減退させることなく変速機60のギヤ状態をスムーズに切り替えることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態の制動制御ルーチンでは、ステップS120でモータMG2の制動パワーPm2*がしきい値Pth以下であると判定されたときにステップS145で変速機60のギヤ状態の切り替えを実行したが、車速Vがしきい値Vth以下であると判定されたときに変速機60のギヤ状態の切り替えを実行するとしてもよい。ここで、しきい値Vthは、回生ブレーキによる制動によって回収される回生エネルギが僅少である速度として予め実験的に求めた値である。こうすれば、MG2の回生電力の回収が不可能か又は僅少値である低速度領域では、回生エネルギの回収よりもギヤの状態の切り替えを優先させることにより早期に運転状態に応じたギヤ状態に切り替えることができる。また、ブレーキペダルポジションBPがオンからオフに切り替わったと判定されたときに変速機60のギヤ状態の切り替えを実行するとしてもよい。ブレーキオフのときに回収される回生エネルギはブレーキオンのときと比べて少ない傾向にあるため、回生エネルギの回収よりもギヤの状態の切り替えを優先させることにより早期に運転状態に応じたギヤ状態に切り替えることができる。このとき、ブレーキペダル85の操作量が所定の操作量以下になったと判定されたときに変速機60のギヤ状態の切り替えを実行するとしてもよい。ここで、所定の操作量とは、運転者によるブレーキペダル85の踏み込みが小さく回生エネルギが僅少である操作量として予め実験的に求めた値である。
また、上述した実施形態では、ステップS110で制動要求パワーPd*をモータMG2の制動パワーPm2*と油圧ブレーキの制動パワーPb*とに分配し、ステップ140で油圧ブレーキの制動パワーPb*を制動要求パワーPd*に再設定して油圧ブレーキの制動目標トルクTb*を算出したが、エンジン30でのエンジンブレーキによる制動力が得られるときには、ステップS110で制動要求パワーPd*をモータMG2の制動パワーPm2*と油圧ブレーキの制動パワーPb*とエンジンブレーキの制動パワーとに分配し、ステップS140で油圧ブレーキの制動パワーPb*を変更せずにエンジンブレーキによる制動力を増加させてもよい。
更に、上述した実施形態では、変速機60のギヤ状態はHiの状態及びLoの状態の2段の変速段を備えていたが、2段の変速段に限られるものではなく、3段以上の変速段を備えていてもよい。
更にまた、上述した実施形態では、モータMG2の動力を変速機60により変速してリングギヤ軸32aに出力するものについて説明したが、図7に示すように、モータMG2の動力を変速機60により変速してリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪39,39)とは異なる車軸(図7における車輪139,139)に接続するものとしてもよい。
そして、上述した実施形態では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動軸37に出力するものについて説明したが、図8に示すように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ132と駆動軸37に接続されたアウターロータ134とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸37に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ式電動機130を備えるものとしてもよい。
そしてまた、上述した実施形態では、パラレル型とシリアル型とを混成したハイブリッド自動車20に本発明を適用した場合を例示したが、モータの動力を車両の駆動軸に伝達させる構成を有する車両であれば特にこれに限定されず、例えばパラレル型のハイブリッド自動車に本発明を適用してもよいし、シリーズ型のハイブリッド車に本発明を適用してもよいし、電気自動車に本発明を適用してもよい。
ハイブリッド自動車の構成の概略を示す構成図である。 変速機の構成の概略を示す構成図である。 制動制御ルーチンのフローチャートである。 制動要求トルク設定用マップの一例を表す説明図である。 変速状態設定用マップの一例を表す説明図である。 変速機の切替処理制御ルーチンのフローチャートである。 他のハイブリッド自動車の構成の概略を示す構成図である。 他のハイブリッド自動車の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジンECU、26 クランクシャフト、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、36 チェーンベルト、37 駆動軸、38 デファレンシャルギヤ、39,139 駆動輪、40 モータECU、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、48 回転軸、50 バッテリ、52 バッテリECU、54 電力ライン、60 変速機、60a ダブルピニオンの遊星歯車機構、60bシングルピニオンの遊星歯車機構、61,65 サンギヤ、62,66 リングギヤ、63a 第1ピニオンギヤ、63b 第2ピニオンギヤ、64,68 キャリア、67 ピニオンギヤ、70 ハイブリッドECU、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、87 車速センサ、90 ブレーキECU、91 ディスクブレーキ、92 ブレーキアクチュエータ、93 油圧回路、130 対ロータ電動機、132 インナーロータ、134 アウターロータ。

Claims (7)

  1. 回転軸に動力を出力可能な電動機と、
    変更可能な変速比をもって前記回転軸の動力を車輪の駆動軸に伝達する変速手段と、
    前記変速手段の変速比を設定し該設定された変速比となるよう前記変速手段を制御する変速制御手段と、
    少なくとも運転者のブレーキ操作に基づいて前記駆動軸の運動エネルギを電気エネルギに変換することにより前記駆動軸に回生制動力が付与されるよう前記電動機を制御する回生制動制御手段と、
    前記回生制動制御手段により前記回生制動力が前記駆動軸に付与されているときには前記変速制御手段による前記変速手段の変速比の変更を禁止し、前記回生制動制御手段による前記回生制動力の前記駆動軸への付与が終了するか又は終了する間際の過程にあるときには前記変速制御手段による前記変速手段の変速比の変更を許可する変速比変更許否決定手段と、
    を備えた自動車。
  2. 前記変速比変更許否決定手段は、前記電気エネルギが所定の僅少値以下であるときに前記変速手段の変速比の変更を許可する、
    請求項1に記載の自動車。
  3. 前記変速比変更許否決定手段は、車速が所定の低速領域に入るときに前記変速手段の変速比の変更を許可する、
    請求項1又は2に記載の自動車。
  4. 前記変速比変更許否決定手段は、運転者によるブレーキ操作が解除されたときに前記変速手段の変速比の変更を許可する、
    請求項1〜3のいずれかに記載の自動車。
  5. 前記変速比変更許否決定手段は、運転者によるブレーキペダルの踏み込みが所定の操作量以下のときに前記ブレーキ操作が解除されたと判定する、
    請求項4に記載の自動車。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の自動車であって、
    内燃機関と、
    前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力により前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、
    を備えた自動車。
  7. 回転軸に動力を出力可能な電動機と、変更可能な変速比をもって前記回転軸の動力を車輪の駆動軸に伝達する変速手段と、を備えた自動車の制御方法であって、
    少なくとも運転者のブレーキ操作に基づいて前記駆動軸の運動エネルギを電気エネルギに変換することにより生じる回生制動力が前記駆動軸に付与されているときには前記変速手段の変速比の変更を禁止し、前記回生制動力の前記駆動軸への付与が終了するか又は終了する間際の過程にあるときには前記変速手段の変速比の変更を許可する、
    自動車の制御方法。
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