JP2006226116A - 気体圧縮機 - Google Patents

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JP2006226116A JP2005037063A JP2005037063A JP2006226116A JP 2006226116 A JP2006226116 A JP 2006226116A JP 2005037063 A JP2005037063 A JP 2005037063A JP 2005037063 A JP2005037063 A JP 2005037063A JP 2006226116 A JP2006226116 A JP 2006226116A
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Abstract

【課題】 ベーン先端に強い反力を受ける回転領域でベーン先端の摩耗をより効果的に抑制し、耐久性の向上を図り得る気体圧縮機を提供する。
【解決手段】 ハウジング11内に収容された圧縮機構14は、シリンダ16と、そのシリンダ室17内に回転可能に配置されたロータ19と、該ロータに形成されたベーン溝25内に保持され、該ベーン溝の底部に形成された背圧室27に案内される潤滑油の圧力を背圧として受けるベーン26とを有し、該ベーンがシリンダ16の周壁28へ向けて押圧されてシリンダ室17内を摺動する。ベーン26には、シリンダ室17の周壁28へ向けて開放する端部を有する油案内路45が設けられ、ベーン26がシリンダ室17の周壁28から最も強い反力を受ける回転位置の近傍で、背圧室27に導入される潤滑油圧力よりも高い圧力の潤滑油が油案内路45に案内される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷凍機及び空気調和装置等に冷媒圧縮機として組み込むのに好適な気体圧縮機に関する。
従来のこの種の気体圧縮機に、同芯型ベーンロータリ式気体圧縮機がある(例えば、特許文献1参照。)。このベーンロータリ式圧縮機の圧縮機構は、楕円形の横断面形状を有するシリンダ室を規定するシリンダと、該シリンダ内に回転可能に配置されたロータとを備える。ロータには複数のベーン溝が形成され、この各ベーン溝には、シリンダ室内を複数の圧縮室に区画するベーンが突出可能に保持されている。各ベーンは、ベーン溝内に供給される油圧を背圧として、シリンダの周壁に向けての押圧力を受けた状態でロータの回転に伴ってシリンダ室の壁面を摺動する。このベーンの摺動により、シリンダ室内の前記圧縮室の容積が増減し、この容積の増減に伴い、各圧縮室に気体が吸入され、吸入された気体が圧縮されて気体圧縮機外に排出される。
また、前記圧縮室から高圧室に排出された気体圧力で加圧された潤滑油はロータの軸受で適正に減圧を受けた後、ベーン溝の前記背圧室に案内される。したがって、べーン溝内に保持されたベーンは、ロータが回転すると、適正に減圧された背圧室内の潤滑油の圧力を受けることにより、シリンダ周壁に過度に押圧されることなく、前記したようにシリンダ周壁上を摺動する。
また、前記特許文献1に記載の発明によれば、ベーン先端とシリンダ周壁との摺動抵抗の低減を図ることによってベーンの摺動を円滑になすべく、ベーンには、該ベーンに背圧を与える背圧室の潤滑油をシリンダ周壁に向けて案内する油案内路が形成され、該油案内路の先端開口からベーン先端とシリンダ周壁との間に潤滑油が供給される。
特開平9−72290号公報(図4参照)
ベーン先端の摩耗を効果的に抑制するには、該ベーン先端と該先端が摺動するシリンダ周壁との間の潤滑性を高めることが考えられ、そのために、前記油案内路を経てベーン先端から前記シリンダ周壁に向けて供給される潤滑油の供給量を増大することが考えられる。
しかしながら、従来の前記気体圧縮機では、ベーン先端からの潤滑油の供給量の増大を図るために、単に、背圧室の油圧を高く設定すると、この背圧の上昇に伴ってベーンがシリンダ周壁から受ける反力も増大することから、逆に、ベーンのシリンダ周壁上の円滑な摺動が妨げられるという問題が生じる。特に、圧縮室の圧力が最も高まる回転位置の近傍では、ベーンはシリンダ周壁から最も強い反力を受けることから、この強い反力を受ける所定の回転領域でベーン先端とシリンダ周壁との摩擦力が増大すると、ベーンの摩耗が促進されて耐久性が低下する虞がある。
そこで、本発明の目的は、ベーン先端にシリンダ周壁から強い反力を受ける回転領域でベーン先端を円滑に摺動させることにより、ベーンの摩耗をより効果的に抑制し、これにより耐久性の向上を図り得る気体圧縮機を提供することにある。
本発明は、吸入ポートおよび吐出ポートを有するハウジングと、該ハウジング内に収容され、前記吸入ポートを経て吸入した気体を圧縮し、圧縮された気体を前記吐出ポートから前記ハウジング外に排出すべく動作する圧縮機構とを備え、該圧縮機構が、シリンダ室を規定するシリンダと、前記シリンダ室内に回転可能に配置されたロータと、該ロータに形成されたベーン溝内に保持され、前記シリンダ室内で前記ベーン溝の底部に形成された背圧室に案内される潤滑油の圧力を背圧として受け、前記シリンダの周壁へ向けて押圧された状態で前記ロータの回転に伴って前記シリンダ室内を摺動することにより、該シリンダ室を容量の増減する圧縮室に区画するベーンとを有する気体圧縮機であって、前記ベーンには、前記シリンダ室の前記周壁へ向けて開放する端部を有する油案内路が設けられ、前記ベーンが前記シリンダ室の周壁から最も強い反力を受ける回転位置の近傍にあるとき、前記背圧室に導入される潤滑油圧力よりも高圧の潤滑油が前記ベーンの前記油案内路に案内されることを特徴とする。
本発明に係る前記気体圧縮機では、ベーンの先端に端部を開放する油案内路に案内される潤滑油は、ベーンの背圧室のそれよりも高い圧力を有することから、ベーン背圧を高めることなく、ベーン先端から該ベーン先端が摺動するシリンダ周壁へ向けて供給される潤滑油の供給の増大を図ることができる。しかも、ベーンがシリンダ周壁から最も強い反力を受ける回転位置の近傍で、前記ベーンとシリンダ周壁との間に、両者間の摩耗の低減を図るに充分な量の潤滑油を供給することができるので、ベーン先端の摩耗を確実に防止し、耐久性の向上を図ることが可能となり、また気体圧縮機の動力効率の向上を図り、エネルギー効率の向上を図ることが可能となる。
前記油案内路は、前記端部を前記ベーンの先端に開放させることが望ましく、これにより、背圧室の潤滑油よりも高い圧力の潤滑油をベーンの先端から確実にシリンダ室の周壁へ向けて供給することができる。
前記油案内路の例えば他端を前記シリンダ室の端壁に沿って摺動するベーンの側面に開放させることができる。この場合、シリンダには、潤滑油供給路を形成し、ベーンがシリンダ周壁から最も強い反力を受ける回転位置にあるとき背圧室の潤滑油よりも高圧の潤滑油を前記潤滑油供給路を経て前記ベーンの油案内路に供給することができる。そのために、前記潤滑油供給路は、ベーンがシリンダ周壁から最も強い反力を受ける回転位置にあるとき該ベーンの側面に開放する開口に連通すべく、前記端壁で前記シリンダ室内に開放するように形成される。
前記ハウジング内に吐出ポートに連通して形成されかつ下部に油貯めが形成された高圧室を形成することができ、圧縮機構で圧縮された気体を、この高圧室を経て吐出ポートに導くことができる。この場合、油貯め内の潤滑油の一部をロータの回転軸を受ける軸受け面を経ることにより減圧し、この減圧後の潤滑油をベーンの背圧として前記背圧室に導くことができ、また、油貯め内の潤滑油の他の一部を軸受け面を経ることなく、したがって、減圧することなく、前記潤滑油供給路に案内することができる。
油案内路をベーンの両側面でそれぞれ開放させることができ、この場合、前記油案内路に潤滑油を供給する潤滑油供給路は、シリンダの両端壁に対をなして形成することにより、潤滑油をベーンの油案内路に該ベーンの両側から供給することができる。
本発明に係る気体圧縮機は、炭酸ガスを被圧縮気体とする気体圧縮機に適用することができる。
本発明によれば、前記したように、ベーンの背圧室のそれよりも高い圧力を有する潤滑油をベーンの先端に端部を開放する油案内路に案内することにより、ベーン背圧を高めることなく、ベーン先端が摺動するシリンダ周壁へ向けて確実に潤滑油を供給することができるので、ベーンとシリンダ周壁との間に両者間の摩耗の低減を図るに充分な量の潤滑油を供給することができ、これにより、ベーン先端の摩耗を確実に防止し、耐久性の向上を図ることが可能となると共に、気体圧縮機の動力効率の向上を図り、エネルギー効率の向上を図ることが可能となる。
本発明を図示の実施例に沿って以下に詳細に説明する。
本発明に係る気体圧縮機は、例えば建物に設置され、ガスエンジンの駆動力によって作動されることから、GHP(ガスヒートポンプ)と称される空気調和装置に適用され、空気調和装置の構成要素である従来よく知られた凝縮器、膨張弁及び蒸発器等と共に、冷却サイクルのための冷媒循環経路が構成される。
本発明に係る気体圧縮機10は、図1に示すように、一端開放の筒状ハウジング本体11aと、該筒状ハウジング本体の前記開放端を閉じるフロントハウジング部材11bとからなる全体に円筒状のハウジング11を備える。
フロントハウジング部材11bには、前記蒸発器に接続される吸入ポート12が設けられ、該吸入ポートには、圧縮すべき例えば炭酸ガスのような冷媒ガスの逆流を防止する逆止弁13が配置されている。また、フロントハウジング部材11bによって前記開放端を閉鎖されるハウジング本体11a内には、圧縮機構14が収容されている。圧縮機構14は、後述するように、ガスエンジン(図示せず)の回転駆動力によって作動され、この作動により、吸入ポート12の逆止弁13を経て前記蒸発器から取り入れた冷媒ガスを圧縮する。ハウジング本体11aには、圧縮された冷媒ガスを前記凝縮器へ吐出すべく該凝縮器に接続される吐出ポート15が設けられている。
圧縮機構14は、図示の例では、従来よく知られた同芯型のベーンロータリ式の圧縮機構である。冷媒ガスを圧縮するための圧縮機構14は、両端開放のシリンダ部材16aと該シリンダ部材の各開放端を気密的に閉鎖する平板状のフロントサイドブロック16b及びリアサイドブロック16cとで構成されるシリンダ16を備え、該シリンダによってシリンダ室17が規定されている。
シリンダ室17は、図2に示すように、その横断面が楕円形をなす。このシリンダ室17内には、回転軸18(18a、18b)を有する円柱状のロータ19が収容されている。回転軸18(18a、18b)は、図1に示すように、フロントサイドブロック16b及びリアサイドブロック16cの各ボス部の内周面で形成された各滑り軸受け面20(20a、20b)により、回転可能に支承されている。
回転軸18aは、その先端をフロントハウジング部材11bの筒状端部21内に突出させて配置されている。筒状端部21には、前記ガスエンジンにより駆動される循環駆動ベルト(図示せず)を受けるプーリ22が軸受23を介して回転可能に支持されている。回転軸18aは、その先端部に設けられた電磁クラッチ24を介してプーリ22に断続可能に結合される。従って、電磁クラッチ24への通電によって、回転軸18aはプーリ22と一体的に回転され、これによりロータ19が一方向へ駆動回転される。
ロータ19には、図2に示すように、その外周面に開放するベーン溝25が形成されている。各ベーン溝25内には、ベーン26がロータ19の外方へ突出可能に収容されている。各ベーン26は、各ベーン溝25の底部に形成された背圧室27に供給される潤滑油の圧力を背圧として受ける。この背圧により、各ベーン26は、シリンダ室17の周壁28へ向けての偏倚力を受け、該周壁に先端26aが当接する。各背圧室27およびベーン溝25は、各サイドブロック16bおよび16cに当接するロータ19の両端に開放する。
シリンダ室17は、ロータ19に保持されたベーン26によってロータ19の周方向へ区画されることにより、各圧縮室17aに分割されている。各圧縮室17aは、ロータ19の回転に伴って、その容積の増大および減少を繰り返す。
シリンダ室17の短径Xの近傍には、各圧縮室17aに冷媒を吸入するための一対の吸入口29及び各圧縮室17aで圧縮された冷媒を該圧縮室から吐出するための一対の吐出口30がそれぞれ形成されている。シリンダ室17の短径Xを間にして、ロータ19の回転方向(図2では時計方向)の側へ偏倚した位置にはシリンダ室17の径方向に整列して各吸入口29が配置され、ロータ19の回転方向と逆方向(図2では反時計方向)の側へ偏倚した位置には各吐出口30がシリンダ室17の径方向に整列して配置されている。各吐出口30には、圧縮室17aから排出される冷媒の逆流を阻止する従来よく知られた吐出弁(図示せず)が設けられている。各吐出口30は、前記吐出弁を経て、図1に示すように、リアサイドブロック16cに設けられた従来よく知られた油分離器31に連通する。
再び図1を参照するに、吸入ポート12は、該吸入ポートが形成されたフロントハウジング部材11bとフロントサイドブロック16bとの間に形成された吸入室32を経て、圧縮機構14の前記した吸入口29(図2参照)に連通する。したがって、ロータ19の回転に伴い、吸入行程で、吸入ポート12から吸入口29を経て圧縮室17aに冷媒が吸入され、吸入された冷媒は、圧縮行程で圧縮される。この圧縮された冷媒は、ロータ19の回転に伴い、吐出行程で、各吐出口30および該吐出口に連通する連通路33(いずれも図2参照)を経て油分離器31に案内され、該油分離器を経て高圧室34に排出される。
油分離器31は、ハウジング本体11aと圧縮機構14のリアサイドブロック16cとの間に規定された高圧室34内に配置されている。油分離器31は、従来よく知られているように、吐出口30から連通路33を経て高圧室34に排出される冷媒から該冷媒中の潤滑油を分離する。潤滑油が分離された冷媒は、高圧室34から該高圧室に連通する吐出ポート15を経て前記凝縮器に供給される。冷媒から分離された潤滑油は、高圧室34の底部に形成された油貯め35に回収される。
油貯め35内の潤滑油は、高圧室34内の高い圧力により、図1に示すように、リアサイドブロック16cに形成され、下端が油貯め35に開放しかつリアサイドブロック16cの直径方向へ伸長する直線油通路36に案内される。この直線油通路36は、図4(a)および図4(b)に示すように、リアサイドブロック16cに形成された軸受部であるボス部の軸受け面20bに伸び、該軸受け面を取り巻いて形成された環状溝37を経て前記ボス部の上方に達する。直線油通路36に案内された高圧の潤滑油の一部は、軸受け面20bに供給され、軸受け面20b上の回転軸18bの回転を円滑に保持する。この潤滑油は、軸受け面20bと回転軸18bとの間を経ることにより高圧から中圧に減圧された後、シリンダ室17の一方の端壁を規定するリアサイドブロック16cの内面に形成された凹所38から各背圧室27に供給される。
また、直線油通路36に案内される高圧の潤滑油は、シリンダ部材16aに形成されかつ直線油通路36に連通する水平油通路39に案内される。この水平油通路39は、図1に示すように、フロントサイドブロック16bに形成された傾斜油通路40(40a、40b)に連通する。傾斜油通路40は、図5(a)および図5(b)に示すように、軸受け面20aの中心線を通る水平面に関して面対称的に形成された第1の傾斜油通路部分40aおよび第2の傾斜油通路部分40bを有し、第1の傾斜油通路部分40aは、その下端で水平油通路39に連通し、その上端で回転軸18aを受ける軸受け面20aを取り巻いて形成された環状溝41に連なり、該環状溝を経て第2の傾斜油通路部分40bに連通する。
直線油通路36から傾斜油通路40に案内された高圧の潤滑油の一部は、軸受け面20aに供給され、軸受け面20a上の回転軸18aの回転を円滑に保持する。この潤滑油は、軸受け面20aと回転軸18aとの間を経ることにより、高圧から中圧に減圧された後、シリンダ室17の他方の端壁を規定するフロントサイドブロック16bの内面に形成された凹所42から各背圧室27に供給される。
フロントハウジング部材11bの筒状端部21の近傍には、大気側への冷媒ガスおよび潤滑油の漏れを防止するための従来よく知られたシール機構43が設けられている。
前記したように、各サイドブロック16b、16cの各凹所42、38から、ロータ19に形成された各背圧室27にロータ19の両側より中圧の潤滑油が供給されることから、ロータ19に保持された各ベーン26は、この背圧室27の中圧の油圧を背圧として受ける。したがって、ロータ19が回転すると、ベーン26は、図1に示したように、ベーン溝25の案内を受け、その先端26aをシリンダ室17の周壁28に当接させた状態でロータ19の回転に伴って周壁28上を摺動する。このベーン26の摺動により、図6に示すように、ベーン26の先端26aには、周壁28からの反力F1が作用する。
図7は、ロータ19の回転に伴うベーン26に作用する反力F1の変化を示すグラフである。図7に示すグラフの横軸は、図2に示す短径Xを基点とするロータ19の回転角(度)を示し、縦軸はその回転角にあるベーン26に作用する反力たるF1荷重(N/mm)を示す。このグラフの特性線44によれば、110度の近傍の回転角で最も高い反力F1が作用する。したがって、この角度位置近傍の所定の角度範囲(図示の例では、ほぼ100度から110度の間の回転領域)およびこれと180度の角度関係を有する対称的な所定の角度範囲にベーン26があるとき、周壁28から最も強い摺動抵抗を受けていると考えられる。
この摺動抵抗の低減のために、図3(a)〜図3(c)に示すように、各ベーン26には、油案内路45が形成されている。油案内路45は、ベーン26の中央部を横方向に貫通して形成された横案内路部分45aと、該横案内路部分の中央部から先端26aに伸び、該先端で開放する縦案内路部分45bとを有する。ベーン26の両側に開放する横案内路部分45aの両端には、縦長の長穴溝45cが形成されている。
また、各ベーン26の油案内路45に高圧の潤滑油を供給するために、シリンダ室17の端壁を規定するフロントサイドブロック16bおよびリアサイドブロック16cのそれぞれに、潤滑油供給路が形成されている。
リアサイドブロック16cには、図4(a)および図4(b)に示すように、一対の潤滑油供給路46がリアサイドブロック16cの中心点に関して互いに点対称の関係となるように形成されている。各潤滑油供給路46は、図4(a)に示すように、それぞれ直線油通路36からこれとほぼ直角な関係で該直線通路より離れる方向へ伸長するように、リアサイドブロック16cの内面に形成された傾斜溝部46aと、該傾斜溝部の先端に連なり傾斜溝部46aからこれに角度的に伸びる先端溝部46bとを有する「へ」の字状の溝で構成されている。
この潤滑油供給路46のうち、傾斜溝部46aはロータ19の一方の端面が摺動することにより、該端面によって溝の開放部が封止され、図2に示すように、ロータ19のベーン溝25内を摺動するベーン26の油案内路45の一方の開口すなわち長穴溝45cが傾斜溝部46aに重なり合うことはなく、これにより長穴溝45cが直接的に傾斜溝部46aに接続されることはない。
他方、傾斜溝部46aの先端から伸びる先端溝部46bは、ロータ19の前記一方の端面が摺動することにより、傾斜溝部46aと同様に封止されているが、ベーン26が前記した所定の角度範囲にあるとき、このベーン26に設けられた油案内路45の一方の長穴溝45cに重なり合うことから、このとき、先端溝部46bおよび油案内路45が連通する。
また、フロントサイドブロック16bには、図5(a)および図5(b)に示すように、リアサイドブロック16cにおけると同様な一対の「へ」の字状の潤滑油供給路47が互いに点対称の関係となるように形成されている。この潤滑油供給路47のうち、傾斜溝部47aはロータ19の他方の端面が摺動することにより、該端面によって溝の開放部が封止され、図2に示すように、ロータ19のベーン溝25内を摺動するベーン26の油案内路45の他方の開口すなわち他方の長穴溝45cが傾斜溝部47aに重なり合うことはなく、両者が直接的に接続されることはない。また、傾斜溝部47aの先端から伸びる先端溝部47bは、ロータ19の前記他方の端面が摺動することにより、傾斜溝部47aと同様に封止されているが、ベーン26が前記した所定の角度範囲にあるとき、このベーン26に設けられた油案内路45の前記他方の長穴溝45cが連通する。
各直線油通路36および傾斜油通路40には、前記したように、滑り軸受面20(20a、20b)で減圧されない高圧の潤滑油が案内されていることから、ロータ19に設けられたベーン26がロータ19の回転に伴って前記した所定の回転領域に至ると、該ベーンに形成された油案内路45の横案内路部分45aに、該横案内路部分の両端から直線油通路36および傾斜油通路40を経て、減圧されない高圧の潤滑油が導かれ、この高圧の潤滑油は油案内路45の縦案内路部分45bからベーン26の先端26aに対向するシリンダ室17の周壁28に向けて噴出する。
前記したベーン26の所定の回転領域では、圧縮室17aは吐出行程への移行直前であり、この圧縮室17aの圧力も最大値に近づくが、油案内路45には、減圧されない高圧の潤滑油が導かれることから、周壁28へ向けて確実に噴出され、該周壁とベーン26の先端26aとの間で両者の摩擦を確実に低減させる。
その結果、ベーン26に作用する背圧室27の圧力を高めることなく、したがってベーン26がシリンダ室17の周壁28から受ける反力F1の増大を招くことなく、該周壁とベーン26の先端26aとの間の摩擦の低減を図るに十分な量の潤滑油を両者間に供給することができるので、ベーン26の摩耗を効果的に防止することができ、ベーン26および該ベーンを備える気体圧縮機10の耐久性の向上を図ることができる。
油案内路45の横案内路部分45aの端部に形成された長穴溝45cは、ベーン26が前記した所定の角度領域の摺動時にベーン溝25内を摺動するが、このときのベーン溝25内の摺動に拘わらず、各潤滑油供給路46、47の先端溝部46b、47bから油案内路45へ潤滑油の案内を円滑になす作用を担う。
ベーン26の油案内路45に、その両端から高圧潤滑油を供給する例を示したが、油案内路45の一端を閉鎖し、他端から油案内路45に高圧潤滑油を供給することができる。
また、GHPの例に沿って本発明を説明したが、これに限らず本発明を車載用冷媒圧縮機の気体圧縮機に適用することができる。
本発明に係る気体圧縮機の実施例を示す縦断面図である。 図1に示す線II-IIに沿って得られた断面図である。 本発明に係るベーンを示し、図3(a)はその平面図であり、図3(b)は図3(a)に示した線IIIb−IIIbに沿って得られた断面図であり、図3(c)は端面図である。 図1に示したシリンダのリアサイドブロックを示し、図4(a)は図1の線IVa−IVaに沿って得られた端面図であり、図4(b)は図4(a)に示された線IVb−IVbに沿って得られた断面図である。 図1に示したシリンダのフロントサイドブロックを示し、図5(a)は図1の線Va−Vaに沿って得られた端面図であり、図5(b)は図5(a)に示された線Vb−Vbに沿って得られた断面図である。 ベーンがシリンダ周壁から受ける反力を模式的に示す説明図である。 ベーンがシリンダから受ける反力をロータの回転角との関係で示すグラフである。
符号の説明
10 気体圧縮機
11 ハウジング
12 吸入ポート
14 圧縮機構
15 吐出ポート
16 シリンダ
17 シリンダ室
17a 圧縮室
18(18a、18b) 回転軸
19 ロータ
20(20a、20b) 軸受け面
25 ベーン溝
26 ベーン
26a ベーンの先端
27 背圧室
28 周壁
34 高圧室
35 油貯め
36 (潤滑油供給路)直線油通路
39 (潤滑油供給路)水平油通路
40 (潤滑油供給路)傾斜油通路
45 油案内路
45c(油案内路の開口)長穴溝

Claims (5)

  1. 吸入ポートおよび吐出ポートを有するハウジングと、該ハウジング内に収容され、前記吸入ポートを経て吸入した気体を圧縮し、圧縮された気体を前記吐出ポートから前記ハウジング外に排出すべく動作する圧縮機構とを備え、該圧縮機構が、シリンダ室を規定するシリンダと、前記シリンダ室内に回転可能に配置されたロータと、該ロータに形成されたベーン溝内に保持され、前記シリンダ室内で前記ベーン溝の底部に形成された背圧室に案内される潤滑油の圧力を背圧として受け、前記シリンダの周壁へ向けて押圧された状態で前記ロータの回転に伴って前記シリンダ室内を摺動することにより、該シリンダ室を容量の増減する圧縮室に区画するベーンとを有する気体圧縮機であって、
    前記ベーンには、前記シリンダ室の前記周壁へ向けて開放する端部を有する油案内路が設けられ、前記ベーンが前記シリンダ室の周壁から最も強い反力を受ける回転位置の近傍にあるとき、前記背圧室に導入される潤滑油圧力よりも高圧の潤滑油が前記ベーンの前記油案内路に案内されることを特徴とする気体圧縮機。
  2. 前記油案内路は、前記端部を前記ベーンの先端に開放し、前記ベーンの先端から前記背圧室の潤滑油よりも高い圧力の潤滑油が前記シリンダ室の周壁へ向けて供給される請求項1に記載の気体圧縮機。
  3. 前記油案内路は、また前記シリンダ室の端壁に沿って摺動する前記ベーンの側面に開放する開口を有し、前記シリンダには、前記ベーンが前記シリンダ周壁から最も強い反力を受ける回転位置にあるとき前記油案内路の前記ベーンの側面に開放する前記開口に連通すべく前記端壁で前記シリンダ室内に開放する潤滑油供給路が形成されており、該潤滑油供給路を経て前記油案内路に前記背圧室の潤滑油よりも高い圧力の潤滑油が案内される請求項2に記載の気体圧縮機。
  4. 前記ハウジング内には前記吐出ポートに連通して形成されかつ下部に油貯めが形成された高圧室が形成され、前記圧縮機構で圧縮された気体は前記高圧室を経て前記吐出ポートに導かれ、前記油貯め内の潤滑油の一部は前記ロータの回転軸を受けるべく前記シリンダに形成された軸受け面を経ることにより減圧されて前記ベーンの背圧として前記背圧室に導かれ、前記油貯め内の潤滑油の他の一部は、前記軸受け面を経ることなく前記潤滑油供給路に案内される請求項3に記載の気体圧縮機。
  5. 炭酸ガスを被圧縮気体とする気体圧縮機である請求項3に記載の気体圧縮機。
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