JP2006226000A - 改良土における固化材の配合方法および改良土における固化材と助剤の配合方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】土質材料と固化材との異なる配合比の供試体を作製し、一軸圧縮強さと固化材添加率との相関関係を求める。各供試体のときほぐしたものを締め固め、該締め固め供試体のコーン指数・空気間隙率・透水係数・有効粘着力・有効内部摩擦角のうちの一つ以上を求め、該締め固め供試体の一軸圧縮強さと締め固めエネルギとの相関関係も求め、これらのうちの一つ以上を参照し、設定締め固めエネルギに対応した一軸圧縮強さを当該締め固め供試体の一軸圧縮強さと締め固めエネルギとの相関関係から選定し、かつ、一軸圧縮強さに対応する固化材添加率を上記供試体の一軸圧縮強さと固化材添加率との相関関係から選定する。
【選択図】なし
Description
(1) 礫=粒径2mm超
透水性が大きい。活性が弱い。水をほとんど保持しない。
(2) 粗砂=粒径0.425〜2.0mm
土壌の骨格形成に寄与する。粒子間孔隙が大きい。通気や排水を促進する。
(3) 細砂=粒径0.075〜0.425mm
各粒子が分離する。粘着性や凝集性がない。
(4) シルト(微砂)=粒径0.005〜0.075mm
粗い部分が骨格的役割をし、細かい部分が物理化学的反応に寄与する。粘着性はないが凝集性がわずかにある。
(5) 粘土=粒径0.005mm未満
表面積が大きい。水の表面吸着やイオン交換などの物理化学反応に寄与する。粘着性や凝集性が大きい。
(1) 改良土としての条件を満足させる上で重要なデータを供試体で事前に求めておき、それに基づく所定量の固化材を土質材料に添加して所要特性の改良土をつくる。この場合の土質材料に対する固化材は、所要の改良土特性を確保するため、事前に求めておいたデータに基づいて正確に添加される。したがって必要とする特性との関係で信頼性の高い改良土が得られる。
(2) 必要最小限の固化材添加量で所要の改良土特性を満たすことができるから、固化材の無駄が生じない。それがコストにも反映するから、改良土を安価で合理的に製造することができる。
(3) 二以上の複数特性をもつ各種の改良土について、特性値の異なるものを固化材の添加量に依存してつくることができる。したがって特性面からみた最低の条件を満たすものはもちろんのこと、より高特性の改良土も固化材の調製で簡単に製造することができる。これはまた、用途に応じた特性をもつ改良土が簡単に得られるということでもある。
(4) 土質材料のコンシステンシー指数に応じて粉体状の固化材を使用したりスラリ状の固化材を使用したりするから、性質や状態が異なる各種の土質材料についても無理なく所要の改良土に仕上げることができる。
(5) 改良土の仕様が定まりさえすれば、現地(現場)に即応した現場生産やヤード等でのストック可能な生産など、いずれの場でも実施できる。したがって改良土を製造する上でのフレキシビリティが高い。
(6) 高額を費やして捨土処分せざる得なかった不良土なども高品質の有用物に改良することができ、そうしたものが有価物にもなる。これは一方で不良土処分をなくし、他方においてはマイナスからプラスへの転換で有価物資源を獲得することになるから、環境負荷の軽減効果や経済面での価値が大きい。
(7) 固化材を土質材料に添加して混合処理するだけであるから、改良土を製造する上での設備負担が軽く、運転エネルギも少なくてすむ。したがってイニシャルコスト・ランニングコストをいずれも低く抑えることができる。
(8) 多種多様の土質材料について、1回の処理で強度や特性を過不足なく改良するのは難しい。ちなみに強度不足の場合は固化材を追加しながら土質材料を再処理しなければならず、強度過剰の場合は固化材の無駄な使用分が多くなる。とくにカッティングブレードで改良土のときほぐしを行う場合などは強度不足をきたしやすい傾向にある。このような場合、固化材の添加で改良された後の土質材料(改良土)に強度向上用の助剤を添加することで強度の不足分が補償される。これはまた、先行処理(固化材添加)における強度設定の緩和やそれにともなう処理作業の簡易化につながり、固化材の過剰使用の防止にもつながるから、改良土を製造する上で有利な手段となる。もちろん助剤については、固化材よりも安価のものを使用することでコストプッシュ要因が回避できる。
土質材料については、現場から採取した溜池堆積泥土(池底堆積泥土)および/またはこれを模して作製したものを用いる。固化材としてはセメント系の「高炉セメントB種」を用いる。この固化材を用いる理由の一つは、高炉水砕スラグによる潜在水硬性が期待でき、六価クロム溶出量が基準値以下になるからである。
(1) 配合試験に先立ち、あらかじめ泥土を十分に攪拌して泥土の湿潤密度、含水比を測定する。池底堆積泥土については物理・化学特性試験の結果からつぎのことがいえる。強熱減量16.6%の結果から有機物がかなり多く含まれていると判断される。自然含水比が約300%と極めて大きい理由は含有有機物に起因していると考えられる。地盤材料としては有機質粘土に分類される。他のため池泥土の自然含水比が12〜240%の範囲にあるのに対し、池底堆積泥土の含水比約300%はかなり大きい。粘土分は65.9%でシルト分の約2倍含有しており、すべて細粒分(0.074mm以下)である。自然含水比約300%を塑性限界(53.7%)まで含水比を低下させることは容易でない。重金属の溶出は、平成3年)環境庁告示46号の各項目に関していずれも環境基準値を満足しており問題はないと考える。
(2) 土質材料に対する固化材添加率は上記泥土の乾燥質量に対して外割りで50〜200%とし、W/C=1としたセメントスラリーを所定量添加し、ハンドミキサーで約5分間攪拌混合する。このときの切り返しは2回である。これで固化材添加率の異なる供試体用の初期改良土を三種類つくる。
(3) 直径5cm×高さ12.5cmのアクリル樹脂製モールドに、供試体用の改良土を入れる。
(4) 気泡が入り込まないようにしてモールドをコンクリート床面に50回叩きつける。
(5) モールドの上端面を合成樹脂製のラップ(wrapping film)で密封し、温度20℃、湿度95%の恒温室で初期改良土を7日間養生する。
7日間の養生を終えた後の初期改良土すなわち材令7日の供試体をそれぞれモールドから脱型して取り出し、JIS−A−1216に準拠して一軸圧縮試験を行い、湿潤密度・含水比・乾燥密度・一軸圧縮強さを測定する。
公知や周知の技術内容を参照し、指標となる初期改良強度(qu7)を設定する。ここではそれぞれの供試体に対して、qu7=125kN/m2、qu7=246kN/m2、qu7=369kN/m2とする。
それぞれ供試体について、一軸圧縮強さと固化材添加率の関係からqu7=125kN/m2、qu7=246kN/m2、qu7=369kN/m2に対応する固化材添加率を決定する。
各供試体をストレートエッジでときほぐし、これをときほぐし土とする。ときほぐし土の最大粒径は、締め固め密度や作製した供試体の強度特性に有意なばらつきを生じさせないようにするためモールド径の1/5以下とする。粒径範囲については、初期改良土の一軸圧縮強さと満足すべき透水係数とを勘案して以下のように設定する。
qu7=125kN/m2の初期改良土→目標粒径 0〜9.5mm(刃金土)
qu7=246kN/m2の初期改良土→目標粒径4.75〜9.5mm(鞘土)
qu7=369kN/m2の初期改良土→目標粒径4.75〜9.5mm(抱土)
ときほぐした初期改良土を直径5cm×高さ10cmの鉄製二つ割り型モールド内に二層に分けて入れた後、各層に対し、1.525kgのランマーを高さ20cmから落下させてこれを締め固める。締め固め回数は、各供試体とも0回/層、1回/層、3回/層、6回/層(これらの締め固めエネルギEcはそれぞれ0kJ/m3、31kJ/m3、92kJ/m3、183kJ/m3)で、測定項目は湿潤密度・含水比・乾燥密度である。標準締め固め試験(JIS−A−1210)の突き固め方法Aと同じ締め固めエネルギは、上記モールドを用いた場合にEc=550kJ/m3(締め固め回数18回/層)となる。
ときほぐした初期改良土を上記と同様の鉄製二つ割り型のモールド内に二層に分けて入れ、上記締め固めと同様の手段で突き固める。突き固め(締め固め)回数や突き固め(締め固め)エネルギEcも上記締め固めと同様である。締め固めたそれぞれの改良土について、JIS−A−1228に準拠してコーン指数試験を行う。これは限られた試料の中で種々の試験を行わなければならないため、モールド寸法は上述した直径5cm×高さ10cmとする。JIS−A−1228で使用する直径10cm×高さ12.73cmモールドと直径5cm×高さ10cmモールド(鉄製二つ割り型)については、コーン指数(qc)の相関性を事前に確認しておき、それを補正する。測定項目は湿潤密度・含水比・乾燥密度である。
ときほぐした供試体(材令7日目の改良土)を直径10cm×高さ12.73cmのモールドに二層に分けて入れ、これを静的に圧縮して5cmの試料高さにする。このとき直径10cm×高さ5cmの供試体に対しては、上記締め固め時(締め固め回数0回/層、1回/層、3回/層、6回/層)の湿潤密度となるように圧縮力を調整する。供試体の材令は上記の7日であるが、透水試験にかけるものは材令28日以降のものとする。透水試験方法はJIS−A−1218に準拠し、想定される透水係数の大きさに応じて定水位・変水位を使い分ける。
上記と同様にしてときほぐし土を締め固め、それを上記コーン指数試験と同様にして直径5cm×高さ10cmの鉄製二つ割り型のモールド内に二層に分けて入れ、各層ごと、1.525kgのランマーを高さ20cmから落下させて突き固める。突き固め回数も段落0022と同様で、各供試体とも0回/層、1回/層、3回/層、6回/層(締め固めエネルギEcは、それぞれ0kJ/m3、31kJ/m3、92kJ/m3、183kJ/m3)である。ここでも供試体の材令は7日であるが、透水試験は材令28日以降のものとする。試験はJIS−0523、土の圧密非排水・間隙水圧測定・三軸圧縮試験方法に準拠して行う。試験条件はつぎのとおりである。
(1) 供試体について、二重負圧法で飽和させ、さらに100kN/m2の背圧(バックプレッシャ)を加えて飽和させる。供試体側面にはドレーンペーパーを巻き、圧密時の排水をよくする。
(2) 供試体の飽和状態の確認は、B値=0.95以上(B値=間隙水圧の増加分/拘束圧の増加分)とする。
(3) 供試体に対する等方圧密応力は、25kN/m2、50N/m2、100kN/m2とする。
(4) 間隙水圧消散後、供試体の剪断速度は0.1%/分とする。
図1・図2に示された破砕機は、破砕室21の直径が約1m、破砕用ブレード41の段数が1〜6段、破砕用ブレード41の本数が(6段)×(8本/段)=48本/max、破砕用ブレード41の回転数が0〜1200rpmというものである。各ブレード41は両刃の剣のような形状をしており、その両刃の部分にストレートのナイフエッジ42を有する。このほか図1・図2において、11は支持台、12は台座、13は架構物、15は電動機(モータ)、16は伝動系、17は伝動系16の原動プーリ、18は伝動系16の従動プーリ、19は伝動系16のベルト、22は破砕室21の入口、23は破砕室21の出口、31・32は上下一対の軸受、33はステー、35は回転軸、36は回転軸35に設けられた吹出口、37はカッティングブレード41の取付部、38は温風ないし熱風を供給するための気体供給系の配管、51はカッティングブレード41を回転軸35に取り付けるための連結具、61は処理対象物(改良土)の搬入系(ベルトコンベア)、62はときほぐし物の搬出系(ベルトコンベア)をそれぞれ示す。
(01)式 P1=10×ρtn×P2(kg/m3)
(02)式 P3=P2×(1+wn/100)
=(1+wn/100)×P1/(10×ρtn)
(03)式 Wc=1000×ρd×P3/(100+P3)(kg/m3)
上記式中、ρtnは泥土の湿潤密度(g/cm3)、wnは泥土の含水比(%)、ρdは改良土の乾燥密度(g/cm3)である。
1m×1m×1m×ρtn(t/m3)×1000=1000ρtn(kg)
P1の定義より下記の式を導くことができる。
P1=1000×ρtn×(P2/100)=10×ρtn×P2
P3の定義より下記の式を導くことができる。
P3=P2×(1+wn/100)=(1+wn/100)×P2
=(1+wn/100)×P1/(10×ρtn)
したがってP3は下記(04)式のようになる。
(04)式 P3=100×Wc/Ws
ρd=(Ws+Wc)/V=(Ws+Wc)/(1×1×1)=Ws+Wc
上記Wsについては(04)式から下記式が導き出せる。
Ws=100×Wc/P3
さらにWcは、ρdに関する下記の式から下記(05)式のようになる。
ρd=(100×Wc/P3)+Wc=Wc×(100+P3)/P3
(05)式 Wc=ρd×P3×1000/(100+P3)(kg)
(1) 固化材添加率の増加にともない一軸圧縮強さは大きくなるが、泥土が有機物を多く含有しているため一般の粘性土に比べて一軸圧縮強さは小さい。
(2) 固化材添加率150〜200%の範囲で一軸圧縮強さにややバラツキがみられるものの相関性は良いと判断される。
(3) 指標となる強度qu7=125kN/m2、qu7=246kN/m2、qu7=369kN/m2に対応する固化材添加率P3はそれぞれP3=105%、P3=145%、P3=175%である。
(1) ストレートエッジでときほぐした各試料は、刃金土:最大粒径19.0mm、抱土:最大粒径19.0mm、鞘土:最大粒径19.0mmである。
(2) 設定強度がqu7=125kN/m2であるときほぐし土については、目標粒径範囲を0〜9.5mmとしたため、qu7=246kN/m2やqu7=369kN/m2のときほぐし土よりも粒径4.75mm以下の通過質量百分率が大きくなっている。
(1) 初期改良土の一軸圧縮強さの増加にともない、コーン指数が大きくなる。
(2) 締め固めエネルギEcが、Ec=0kJ/m3、Ec=31kJ/m3、Ec=92kJ/m3、Ec=183kJ/m3と増加するにともない直線の勾配は大きくなるが、当該エネルギがEc=550kJ/m3に達するとやや小さくなる。目視観察では550kJ/m3のときのときほぐし土の状態はこね返しが認められる。
(1) 初期改良土の強度が大きければ、小さい締め固めエネルギでもqc7=500kN/m2を満足できる。しかし強度が小さいときは、締め固めエネルギを大きくする必要がともなう。
(2) qc7=500kN/m2を満足する最小の初期改良土の強度は、概ねqu7=170kN/m2と判断される。
(1) 締め固めエネルギの増加とともに空気間隙率は小さくなる。締め固めエネルギが同じでも初期改良土の一軸圧縮強さの大きさによって空気間隙率が異なる。
(2) 各試料は、締め固めエネルギが大きくなると粒子破砕が起こるため空気間隙率は2〜3%に漸近すると考えられる。
(3) 盛土の安定性に係わる締め固め度について、これを粒子破砕する泥岩盛土材料と同じように考えると、空気間隙率はVa<15%(非特許文献38)となる。したがって、初期改良土の一軸圧縮強さが125KN/m2の場合は締め固めエネルギEcがEc=30kJ/m3以上となり、初期改良土の一軸圧縮強さが246KN/m2の場合は締め固めエネルギEcがEc=76kJ/m3以上となり、初期改良土の一軸圧縮強さが369KN/m2の場合は締め固めエネルギEcがEc=110kJ/m3以上必要となる。その結果を示したのが表4である。
(1) 締め固めエネルギが小さいときは初期改良土一軸圧縮強さの大きさにかかわらず透水係数は1〜2×10−3cm/sであるが、締め固めエネルギが増加すると急激に透水係数が小さくなり遮水性が増す。
(2) 初期改良土の一軸圧縮強さの大きさによって曲線が異なる。
(3) 締め固めエネルギが大きくなると、透水係数は4×10−6cm/s程度に漸近する傾向が認められる。この現象は、粒子破砕に起因していると考えられる
(4) 図10の曲線ごとに透水係数k=1×10-3cm/s、透水係数k=1×10-4cm/s、透水係数k=1×10-5cm/sを満足させる締め固めエネルギ示すと、表6のとおりである。
(1) 有効内部摩擦角φ’はφ’=30〜40°の範囲にあり、ときほぐさないセメント安定処理土に関する文献(非特許文献40)や非特許文献2と同様に一定の傾向が認められる。(2) 初期改良土の一軸圧縮強さに係わらず、ほぼ必要な有効内部摩擦角φ’が得られていると判断される。
(1) 有効粘着力c’は初期改良土の一軸圧縮強さの増加にともない大きくなる傾向が認められる(非特許文献2、40)。
(2) 初期改良土の一軸圧縮強さqu7について、qu7=125kN/m2のときのEc=31kJ/m3、Ec=92kJ/m3、Ec=183kJ/m3では、必要な有効粘着力c’が得られていない。
(3) 有効粘着力c’=20kN/m2と各締め固めエネルギEc(kJ/m3)が交わる一軸圧縮強さを示すと、表8のとおりである。
(1) 粒径加積曲線を表すところのタルボット式は下記(06)式のとおりであり、これについては指数nが0.25〜0.5の範囲にあるとき最も良く締固まる粒度分布を示すといわれている。タルボット式で指数nが小さくなると細粒分は大きくなり、指数nが大きくなると細粒分は小さくなる(非特許文献39)。
(06)式 P=(d/Dmax)n×100(%)
上記式中、Pは材料の通過質量百分率(%)、dは材料のある粒径(mm)、Dmaxは材料の最大粒径(mm)、nは指数である。
(2) 破砕機におけるブレード41の回転数の増加にともない、タルボット式の指数nが小さくなっている。また、初期改良土の強度が大きくなると、タルボット式の指数nが小さくなる傾向を示す。
(3) 破砕機は、回転数とブレード段数および本数とを変化させることによって、任意の粒度分布のときほぐし土の製造が可能と判断される。また、改良土中に硬い石や礫が入っていても、ブレード41がフレキシブルに動作するので、運転には支障をきたすことがないと考える。
(4) 破砕機で改良土をときほぐす場合の留意点としては、エッジ型ブレードを用いてこね返さないこと、回転数を適切な範囲に選定すること、最大粒径を小さくしたいときブレードの段数を増すのがよいことなどがあげられる。
(1) 各盛土材料で必要とされる設計数値を満足させる初期改良土の一軸圧縮強さについては、図15において、ときほぐし締め固め土のコーン指数qu7=500kN/m2以上が得られる範囲と透水係数kと空気間隙率Vaとの三要件を満足させる範囲から求めることとなる。
(2) 剪断強度定数については、ときほぐし締め固め土のコーン指数がqu7=500kN/m2以上を満足させる範囲であれば、有効粘着力c’や有効内部摩擦角φ’を共に満足させることができる。すなわちコーン指数について、これを満足しさえすれば剪断強度定数は満足できる。
(3) コーン指数qu7=500kN/m2、透水係数k、剪断強度定数c’、φ’、空気間隙率Vaを満足させる初期改良土の一軸圧縮強さqu7とそのときの締め固めエネルギEcについて、これらを求めた結果は以下のとおりである。
刃金土の場合→ qu7=170kN/m2 Ec=183kJ/m3
抱土の場合→ qu7=210kN/m2 Ec=105kJ/m3
鞘土の場合→ qu7=250kN/m2 Ec= 80kJ/m3
(4) 図4の固化材(セメント)添加率と初期改良土の一軸圧縮強さの関係から、各盛土材料に必要な固化材添加率P3(%)は以下のようになる。
刃金土の場合→ P3=120%
抱土の場合→ P3=135%
鞘土の場合→ P3=148%
(5) P1(単位kg/m3)とP2(単位百分率%)とWc(単位kg/m3)とを求めた結果を表10に示す。これらP1、P2、Wcは既述のとおりで、P1は湿潤自然状態の泥土1m3に対して外割りで添加する固化材(セメント)の質量、P2は改良する泥土の湿潤質量に対して外割り添加する固化材(セメント)質量の比、Wcは乾燥した改良土の1m3当たりの固化材(セメント)添加量である。なお、Wc(kg/m3)を求めるために用いた初期改良土の乾燥密度は、刃金土0.50t/m3、抱土0.51t/m3、鞘土0.52t/m3である。
(1) 表層部分から採取した供試用泥土のため、これへの固化材(セメント)添加量がきわめて多くなっている。ため池に堆積する泥土は、位置的にも(非特許文献31)深度的にも含水比や粒度組成が異なるため、平均的な含水比、粒度組成を調査して室内配合試験を行うことが重要である。
(2) 固化材(たとえばセメント)添加量を低減させるためには、紛体添加または「水:セメント」の比[W/C]を小さくすることや、qu28/qu7≒1.5の関係を利用して養生期間を長くとること(たとえば前年)度にセメント系固化材で改良し、次年)度にときほぐして盛土するなど2期に分けた施工をすること)が望ましい。
Ic=(WL−W)/(WL−WP)=(WL−W)/IP
WL:液性限界
WP:塑性限界
W :自然含水比または与えられた含水比
IP:塑性指数
71 改良土
72 土粒子
73 固化材粒子
Claims (3)
- 土質材料と固化材とを主原料とする供試体について、土質材料と固化材との配合比が異なる複数の供試体を作製するとともに作製した供試体の一軸圧縮強さと固化材添加率との相関関係を求めること、および、各供試体のときほぐしたものをそれぞれ締め固め、該締め固め供試体におけるコーン指数・空気間隙率・透水係数・有効粘着力・有効内部摩擦角のうちの一つ以上を求めるとともに該締め固め供試体の一軸圧縮強さと締め固めエネルギとの相関関係も求めること、および、設定した締め固めエネルギで締め固めることによりコーン指数・空気間隙率・透水係数・有効粘着力・有効内部摩擦角のうちの一つ以上が目標どおりに仕上がるところの改良土をつくるとき、その選択した項目の目標値に等しい上記締め固め供試体のコーン指数・空気間隙率・透水係数・有効粘着力・有効内部摩擦角のうちの一つ以上を参照して、設定締め固めエネルギに対応した一軸圧縮強さを当該締め固め供試体の一軸圧縮強さと締め固めエネルギとの相関関係から選定し、かつ、この選定した一軸圧縮強さに対応する固化材添加率を上記供試体の一軸圧縮強さと固化材添加率との相関関係から選定すること、および、選定した固化材添加率に基づいて所定量の固化材を土質材料に添加することを特徴とする改良土における固化材の配合方法。
- 土質材料のコンシステンシー指数が−0.46以下のとき粉体状固化材を土質材料に添加し、土質材料のコンシステンシー指数が−0.46以上のとき[水/固化材=1]のスラリ状固化材を土質材料に添加する請求項1記載の改良土における固化材の配合方法。
- 請求項1または2記載の方法で得られた改良土に強度向上用の助剤を添加することを特徴とする改良土における固化材と助剤の配合方法。
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