JP2006225902A - ドアクローザ - Google Patents
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Abstract
【課題】 人がドアを開ける場合に時間的に遅れることなく閉扉力を減少させた状態となって、軽い力でドアを開けることができるドアクローザを提供する。
【解決手段】 閉扉力発生手段と、閉扉力を増減させる閉扉力調節手段と、ドアの開閉状態、及び閉扉力の増減状態を検知する検出手段と、前記閉扉力調節手段を作動させるための制御信号を形成する制御手段であって、閉扉力を減少させた状態でドアが開いたときには所定時間経過後に閉扉力を増大させる信号を発生し、ドアが閉じられたときには、閉扉力を減少させる信号を発生する制御手段と、を備えたドアクローザとする。ドアが閉じられた状態において予めドアクローザの閉扉力を減少させるため、人がドアを開ける場合において、時間的に遅れることなく閉扉力を減少させた状態となり、軽い力でドアを開けることができる。
【選択図】 図4
【解決手段】 閉扉力発生手段と、閉扉力を増減させる閉扉力調節手段と、ドアの開閉状態、及び閉扉力の増減状態を検知する検出手段と、前記閉扉力調節手段を作動させるための制御信号を形成する制御手段であって、閉扉力を減少させた状態でドアが開いたときには所定時間経過後に閉扉力を増大させる信号を発生し、ドアが閉じられたときには、閉扉力を減少させる信号を発生する制御手段と、を備えたドアクローザとする。ドアが閉じられた状態において予めドアクローザの閉扉力を減少させるため、人がドアを開ける場合において、時間的に遅れることなく閉扉力を減少させた状態となり、軽い力でドアを開けることができる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、開扉を容易にするドアクローザに関する。
ドアクローザは、出入口に設けられたドアとドアを支持する固定側との間に設けられており、ドアを自動的に閉扉させるために用いられる。ドアクローザはドアを閉じる方向の力(閉扉力)を発生させて、自動的にドアを閉じる。
ところが、ドアクローザによる閉扉力は、人がドアを開ける場合においても働くため、抵抗となる。そのためドアを開ける人が「扉が重い」と感じることがある。特に老人や身体障害者など力の弱い人が自分でドアを開ける場合、ドアクローザの閉扉力によってドアが開けられず、大変苦労することがある。
そのため、例えば特許文献1に開示された発明のように、人の出入りの情報に関連して、ドアクローザのドアを閉じる方向に働くバネ力を減少させ、ドアを開けるときのドアクローザによる抵抗を減少させるドアクローザが知られている。
前記従来のドアクローザによれば、人の出入りに関する情報は検出手段としてのセンサーで検知される。センサーで検知された人の出入りに関する情報は制御手段に入力される。情報が入力されてから、前記制御手段は閉扉力調節手段を作動させる。前記閉扉力調節手段のうち駆動手段としてのソレノイドは、閉扉力発生手段としてのバネを所定量だけ強制的に圧縮させる。これによってドアと連動するピストンは、前記バネが圧縮された所定量を移動する間はバネの反発力を受けずにドアの開き方向に移動することが可能となる。このため、閉扉力を減少させ、ドアを開ける場合の抵抗を減少させることができる。
特開2000−54723
しかし、前記従来のドアクローザでは、人の出入りの情報に関連して、ドアクローザの閉扉力を調節する。従って、閉扉力の調節を開始するのは、人の出入りの情報が検出手段に検知された後である。閉扉力の調節を開始してから閉扉力を減少させるまでにはある程度の時間を要する。このため、前記従来のドアクローザでは、人が出入りする場合に閉扉力が減少するまでには時間的な遅れがある。この時間的な遅れにより、人がドアを開く動作を行なう時点においても未だ閉扉力の減少が完了しておらず、ドアクローザの閉扉力が抵抗となる問題がある。
また、前記従来のドアクローザでは、閉扉力を減少させる閉扉力調節手段にソレノイド等の駆動手段を用いている。前記駆動手段の出力を増大させたり、駆動手段の反応時間を短縮することにより、閉扉力を減少させる場合の時間的な遅れを短縮させることが可能ではある。しかし、駆動手段の出力を増大させたり、駆動手段の反応時間を短縮させることにより、駆動手段が大型化する。駆動手段の大型化は、ドアクローザの大型化を惹起する問題がある。更に、駆動手段が高価となるため、ドアクローザのコストアップを惹起する問題もある。
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであって、人がドアを開ける場合において、時間的に遅れることなく閉扉力を減少させた状態となって、軽い力でドアを開けることができるドアクローザを提供することを第1の目的とする。
また、駆動手段を大型化させることなく、軽い力でドアを開けることができるドアクローザを安価に提供することを第2の目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
ドアを閉める閉扉力を発生させる閉扉力発生手段と、
前記閉扉力発生手段による閉扉力を増減させる閉扉力調節手段と、
ドアの開閉状態、及び閉扉力の増減状態を検知する検出手段と、
前記検出手段の検知信号を1つの入力とし前記閉扉力調節手段を作動させるための制御信号を形成する制御手段であって、
閉扉力を減少させた状態でドアが開いたとき所定時間経過後に前記閉扉力調節手段を作動させて閉扉力を増大させる信号を発生し、
閉扉力が増大したとき閉扉力調節手段を停止させる信号を発生し、
ドアが閉じられたとき閉扉力調節手段を作動させて閉扉力を減少させる信号を発生し、
閉扉力が減少したとき閉扉力調節手段を停止させる信号を発生する制御手段とを有することとした。
ドアを閉める閉扉力を発生させる閉扉力発生手段と、
前記閉扉力発生手段による閉扉力を増減させる閉扉力調節手段と、
ドアの開閉状態、及び閉扉力の増減状態を検知する検出手段と、
前記検出手段の検知信号を1つの入力とし前記閉扉力調節手段を作動させるための制御信号を形成する制御手段であって、
閉扉力を減少させた状態でドアが開いたとき所定時間経過後に前記閉扉力調節手段を作動させて閉扉力を増大させる信号を発生し、
閉扉力が増大したとき閉扉力調節手段を停止させる信号を発生し、
ドアが閉じられたとき閉扉力調節手段を作動させて閉扉力を減少させる信号を発生し、
閉扉力が減少したとき閉扉力調節手段を停止させる信号を発生する制御手段とを有することとした。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、
前記閉扉力発生手段は、閉扉力を発生させるコイルバネを有し、
前記閉扉力調節手段は、前記コイルバネに対する進退によって付勢力を調節する押動体を有し、
前記制御手段は、閉扉力を減少させた状態でドアが開いたとき所定時間経過後に前記コイルバネに対して前記押動体を作動させることによって閉扉力を増大させる信号を発生し、
閉扉力が増大したとき押動体を停止させる信号を発生し、
ドアが閉じられたとき押動体を作動させて閉扉力を減少させる信号を発生し、
閉扉力が減少したとき押動体を停止させる信号を発生することとした。
前記閉扉力発生手段は、閉扉力を発生させるコイルバネを有し、
前記閉扉力調節手段は、前記コイルバネに対する進退によって付勢力を調節する押動体を有し、
前記制御手段は、閉扉力を減少させた状態でドアが開いたとき所定時間経過後に前記コイルバネに対して前記押動体を作動させることによって閉扉力を増大させる信号を発生し、
閉扉力が増大したとき押動体を停止させる信号を発生し、
ドアが閉じられたとき押動体を作動させて閉扉力を減少させる信号を発生し、
閉扉力が減少したとき押動体を停止させる信号を発生することとした。
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載のドアクローザにおいて、
前記閉扉力発生手段は、閉扉力を発生させるコイルバネを有し、
前記閉扉力調節手段は、前記コイルバネに対する進退によって付勢力を調節する押動体と、駆動軸部の正逆回転により前記押動体を進退させるモーターとを有し、
前記制御手段は、閉扉力を減少させた状態でドアが開いたとき所定時間経過後に前記モーターを作動させて前記コイルバネに対して前記押動体を作動させることによって閉扉力を増大させる信号を発生し、
閉扉力が増大したときモーターを停止させる信号を発生し、
ドアが閉じられたときモーターを作動させて閉扉力を減少させる信号を発生し、
閉扉力が減少したときモーターを停止させる信号を発生することとした。
前記閉扉力発生手段は、閉扉力を発生させるコイルバネを有し、
前記閉扉力調節手段は、前記コイルバネに対する進退によって付勢力を調節する押動体と、駆動軸部の正逆回転により前記押動体を進退させるモーターとを有し、
前記制御手段は、閉扉力を減少させた状態でドアが開いたとき所定時間経過後に前記モーターを作動させて前記コイルバネに対して前記押動体を作動させることによって閉扉力を増大させる信号を発生し、
閉扉力が増大したときモーターを停止させる信号を発生し、
ドアが閉じられたときモーターを作動させて閉扉力を減少させる信号を発生し、
閉扉力が減少したときモーターを停止させる信号を発生することとした。
(作用)
従って、請求項1に記載の発明では、ドアが閉じられた状態では、閉扉力調節手段によって予めドアクローザの閉扉力を減少させている。この状態でドアが開かれると、「ドアが開かれた」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。
ここで、「ドアが開かれた」状態とは、ドアが完全に開いた状態だけでなく、ドアが僅かに開いた状態から完全に開いた状態までの途中の状態も含む。
「ドアが開かれた」状態の検知信号が入力されてから所定時間経過後に制御手段は閉扉力調節手段に対して「閉扉力を増大させる」信号を発生し、閉扉力調節手段が閉扉力を増大させるべく作動する。前記所定時間は人が出入り出来る程度の時間とすることが好ましい。
閉扉力調節手段が作動して閉扉力が増大すると、ドアが自動的に閉じられる。
閉扉力が増大すると、「閉扉力が増大した」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。「閉扉力が増大した」状態の検知信号が入力されると制御手段は閉扉力調節手段に対して「閉扉力調節手段を停止させる」信号を発生し、閉扉力調節手段が停止する。
ドアが閉じられると、「ドアが閉じられた」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。「ドアが閉じられた」状態の検知信号が入力されると制御手段は閉扉力調節手段に対して「閉扉力を減少させる」信号を発生し、閉扉力調節手段が閉扉力を減少させるべく作動する。
閉扉力が減少すると、「閉扉力が減少した」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。「閉扉力が減少した」状態の検知信号が入力されると制御手段は「閉扉力調節手段を停止させる」信号を発生し、閉扉力調節手段が停止する。
ここで、「閉扉力が減少した」とは、閉扉力が残存する状態及び閉扉力が完全に喪失した状態の両方を含む。
従って、請求項1に記載の発明では、ドアが閉じられた状態では、閉扉力調節手段によって予めドアクローザの閉扉力を減少させている。この状態でドアが開かれると、「ドアが開かれた」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。
ここで、「ドアが開かれた」状態とは、ドアが完全に開いた状態だけでなく、ドアが僅かに開いた状態から完全に開いた状態までの途中の状態も含む。
「ドアが開かれた」状態の検知信号が入力されてから所定時間経過後に制御手段は閉扉力調節手段に対して「閉扉力を増大させる」信号を発生し、閉扉力調節手段が閉扉力を増大させるべく作動する。前記所定時間は人が出入り出来る程度の時間とすることが好ましい。
閉扉力調節手段が作動して閉扉力が増大すると、ドアが自動的に閉じられる。
閉扉力が増大すると、「閉扉力が増大した」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。「閉扉力が増大した」状態の検知信号が入力されると制御手段は閉扉力調節手段に対して「閉扉力調節手段を停止させる」信号を発生し、閉扉力調節手段が停止する。
ドアが閉じられると、「ドアが閉じられた」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。「ドアが閉じられた」状態の検知信号が入力されると制御手段は閉扉力調節手段に対して「閉扉力を減少させる」信号を発生し、閉扉力調節手段が閉扉力を減少させるべく作動する。
閉扉力が減少すると、「閉扉力が減少した」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。「閉扉力が減少した」状態の検知信号が入力されると制御手段は「閉扉力調節手段を停止させる」信号を発生し、閉扉力調節手段が停止する。
ここで、「閉扉力が減少した」とは、閉扉力が残存する状態及び閉扉力が完全に喪失した状態の両方を含む。
請求項2に記載の発明では、ドアが閉じられた状態では、閉扉力調節手段の押動体がコイルバネの付勢力を減少させた位置にあることによって予めドアクローザの閉扉力を減少させている。この状態でドアが開かれると、「ドアが開かれた」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。
「ドアが開かれた」状態の検知信号が入力されてから所定時間経過後に制御手段は閉扉力調節手段に対して「閉扉力を増大させる」信号を発生し、押動体が閉扉力を増大させるべく作動する。
押動体が作動してコイルバネの付勢力が増大し、閉扉力が増大すると、ドアが自動的に閉じられる。
閉扉力が増大すると、「閉扉力が増大した」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。「閉扉力が増大した」状態の検知信号が入力されると制御手段は閉扉力調節手段に対して「閉扉力調節手段を停止させる」信号を発生し、押動体が停止する。
ドアが閉じられると、「ドアが閉じられた」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。「ドアが閉じられた」状態の検知信号が入力されると制御手段は閉扉力調節手段に対して「閉扉力を減少させる」信号を発生し、押動体がコイルバネの付勢力を減少させるべく作動する。
閉扉力が減少すると、「閉扉力が減少した」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。「閉扉力が減少した」状態の検知信号が入力されると制御手段は「閉扉力調節手段を停止させる」信号を発生し、押動体が停止する。
「ドアが開かれた」状態の検知信号が入力されてから所定時間経過後に制御手段は閉扉力調節手段に対して「閉扉力を増大させる」信号を発生し、押動体が閉扉力を増大させるべく作動する。
押動体が作動してコイルバネの付勢力が増大し、閉扉力が増大すると、ドアが自動的に閉じられる。
閉扉力が増大すると、「閉扉力が増大した」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。「閉扉力が増大した」状態の検知信号が入力されると制御手段は閉扉力調節手段に対して「閉扉力調節手段を停止させる」信号を発生し、押動体が停止する。
ドアが閉じられると、「ドアが閉じられた」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。「ドアが閉じられた」状態の検知信号が入力されると制御手段は閉扉力調節手段に対して「閉扉力を減少させる」信号を発生し、押動体がコイルバネの付勢力を減少させるべく作動する。
閉扉力が減少すると、「閉扉力が減少した」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。「閉扉力が減少した」状態の検知信号が入力されると制御手段は「閉扉力調節手段を停止させる」信号を発生し、押動体が停止する。
請求項3に記載の発明では、ドアが閉じられた状態では、閉扉力調節手段の押動体がコイルバネの付勢力を減少させた位置にあることによって予めドアクローザの閉扉力を減少させている。この状態でドアが開かれると、「ドアが開かれた」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力される。
「ドアが開かれた」状態の検知信号が入力されてから所定時間経過後に制御手段は閉扉力調節手段に対して「閉扉力を増大させる」信号を発生し、モーターが閉扉力を増大させるべく作動する。
モーターが作動してコイルバネの付勢力が増大し、閉扉力が増大すると、ドアが自動的に閉じられる。
閉扉力が増大すると、「閉扉力が増大した」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。「閉扉力が増大した」状態の検知信号が入力されると制御手段は閉扉力調節手段に対して「閉扉力調節手段を停止させる」信号を発生し、モーターが停止する。
ドアが閉じられると、「ドアが閉じられた」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。「ドアが閉じられた」状態の検知信号が入力されると制御手段は閉扉力調節手段に対して「閉扉力を減少させる」信号を発生し、モーターがコイルバネの付勢力を減少させるべく作動する。
閉扉力が減少すると、「閉扉力が減少した」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。「閉扉力が減少した」状態の検知信号が入力されると制御手段は「閉扉力調節手段を停止させる」信号を発生し、モーターが停止する。
「ドアが開かれた」状態の検知信号が入力されてから所定時間経過後に制御手段は閉扉力調節手段に対して「閉扉力を増大させる」信号を発生し、モーターが閉扉力を増大させるべく作動する。
モーターが作動してコイルバネの付勢力が増大し、閉扉力が増大すると、ドアが自動的に閉じられる。
閉扉力が増大すると、「閉扉力が増大した」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。「閉扉力が増大した」状態の検知信号が入力されると制御手段は閉扉力調節手段に対して「閉扉力調節手段を停止させる」信号を発生し、モーターが停止する。
ドアが閉じられると、「ドアが閉じられた」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。「ドアが閉じられた」状態の検知信号が入力されると制御手段は閉扉力調節手段に対して「閉扉力を減少させる」信号を発生し、モーターがコイルバネの付勢力を減少させるべく作動する。
閉扉力が減少すると、「閉扉力が減少した」状態を検出手段が検知し、制御手段に入力する。「閉扉力が減少した」状態の検知信号が入力されると制御手段は「閉扉力調節手段を停止させる」信号を発生し、モーターが停止する。
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、ドアが閉じられた状態において、閉扉力調節手段によって予めドアクローザの閉扉力を減少させている。このため、人がドアを開ける場合において、時間的に遅れることなく閉扉力を減少させた状態となっており、軽い力でドアを開けることができる。
また、予めドアクローザの閉扉力を減少させるため、出力の小さい小型の駆動手段を用いて閉扉力を減少させることができる。このため、駆動手段を大型化させることなく、軽い力でドアを開けることができるドアクローザを安価に提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、ドアが閉じられた状態において、閉扉力調節手段の押動体がコイルバネの付勢力を減少させた位置にあることによって予めドアクローザの閉扉力を減少させている。このため、人がドアを開ける場合において、時間的に遅れることなく閉扉力を減少させた状態となっており、軽い力でドアを開けることができる。
また、予めドアクローザの閉扉力を減少させるため、出力の小さい小型の駆動手段を用いて閉扉力を減少させることができる。よって、駆動手段を大型化させることなく、軽い力でドアを開けることができるドアクローザを安価に提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、ドアが閉じられた状態において、閉扉力調節手段の押動体がコイルバネの付勢力を減少させた位置にあることによって予めドアクローザの閉扉力を減少させている。このため、人がドアを開ける場合において、時間的に遅れることなく閉扉力を減少させた状態となっており、軽い力でドアを開けることができる。
また、予めドアクローザの閉扉力を減少させるため、出力の小さい小型のモーターを用いて閉扉力を減少させることができる。よって、駆動手段を大型化させることなく、軽い力でドアを開けることができるドアクローザを安価に提供することができる。
本発明を具体化した実施例について図1から図7に従って説明する。
本発明の実施例に係るドアクローザ1は閉扉力発生手段、閉扉力調節手段、検出手段及び制御手段を有する。
前記閉扉力発生手段は、シリンダー2、アーム7、ピストン3及びコイルバネ6を有する。前記シリンダー2は、出入口に設けられたドアAに取り付けられる部材である。図1に示すように、前記アーム7はドアAに取り付けられて、ドアAと固定側Bとを連結する部材である。アーム7はドアAを閉める方向に付勢される。アーム7はアーム7に立設された主軸71によってシリンダー2に対して回転自在に支持される。
図4に示すように、前記ピストン3は、シリンダー2内に進退自在に収容される。前記ピストン3にはラック31が設けられる。ピストン3に形成されているラック31と前記アーム7の主軸71に形成されているピニオン72とが噛み合わされる。ピニオン72とラック31とが噛み合わされていることにより、ピストン3をシリンダー2内で進退させると、ラック31、ピニオン72及び主軸71を介して前記アーム7が正逆方向に回転する。またピストン3に付勢力を付与すると前記アーム7に付勢力が発生する。
図4に示すように、前記コイルバネ6は前記シリンダー2内に収容されている。前記コイルバネ6は、前記ピストン3に当接してピストン3と連動するアーム7に閉扉力を発生させる部材である。
前記閉扉力調節手段は、押動体4、回転軸部5及び駆動手段を有している。閉扉力調節手段は閉扉力発生手段による閉扉力を増減させる手段である。図4に示すように、前記押動体4は、前記コイルバネ6に対して進退してコイルバネ6を圧縮または自然長の状態とし、コイルバネ6による付勢力を調節する部材である。押動体4は前記シリンダー2内に収容される。収容される位置は、押動体4と前記ピストン3とで前記コイルバネ6を挟持する位置である。押動体4は、図4に示すように、自然長の状態となったコイルバネ6から離隔する位置と、図6に示すように、コイルバネ6を圧縮した状態とする位置との間で進退自在である。尚、図示は省略するが、前記押動体4の側壁部には軸方向に沿う案内溝部が形成される。前記案内溝部はシリンダー2の内壁に突設された案内凸部と摺動自在に係合する。押動体4はシリンダー2内で軸方向に摺動自在であり、軸回り方向の回転は前記案内凸部によって規制される。押動体4には軸方向に雌ネジ41が形成される。
前記回転軸部5は、前記押動体4を進退させる部材である。回転軸部5の外周面には前記押動体4に形成された雌ネジ41に対応する雄ネジ51が形成される。図4に示すように、回転軸部5の雄ネジ51と押動体4の雌ネジ41とが螺合する。回転軸部5の一端部はスラストベアリング52によって回転自在に支持されており、シリンダー2の外部に突出している。回転軸部5を軸回りに正逆方向に回転させることにより、回転軸部5に螺合する押動体4がシリンダー2内で進退する。尚、本実施例における回転軸部5の回転方向の正逆は、押動体4でコイルバネ6を圧縮する方向の回転を正回転とし、コイルバネ6を自然長にする方向の回転を逆回転として以下説明する。
前記駆動手段としてのモーター8は、前記回転軸部5を正逆方向に回転させて前記押動体4を進退させるものである。前記モーター8の駆動軸部81は、正逆方向に回転させることが可能である。駆動軸部81は、前記回転軸部5と接続される。
尚、シリンダー2内とピストン3内には、制動油が充填されている。制動油はシリンダー2及びピストン3に形成された油道を通ることにより、ピストン3の動きを制動する。シリンダー2及びピストン3に油道を形成して、ピストン3の動き、すなわちドアAの閉じ動作を制動する構成は従来公知の構成を用いているため、詳細な説明は省略する。
前記検出手段は、ドアAの開閉状態、及び閉扉力の増減状態を検知するものである。検出手段としてのセンサーは、従来公知のセンサーを用いる。本実施例では磁力により2つの部材の接近と離隔を検知できるセンサーを用いる。検出手段としての第1センサー91は、ドアAの開閉状態を検知する。第1センサー91は、図1に示すように、シリンダー2の外側とアーム7に取り付けられる。第1センサー91は、ドアAの開閉状態を検知するための情報として、前記シリンダー2に対するアーム7の位置を検知する。ドアAが閉じられた状態におけるアーム7とシリンダー2の位置関係と、ドアAが開かれた状態におけるアーム7とシリンダー2の位置関係とを検知する。
検出手段としての第2センサー92と第3センサー93は、閉扉力の増減状態を検知する。第2センサー92と第3センサー93は、閉扉力の増減状態を検知するための情報として、前記シリンダー2に対する押動体4の位置を検知する。第2センサー92、第3センサー93は図1に示すようにシリンダー2の外側と押動体4とに取り付けられる。第2センサー92はコイルバネ6を圧縮した状態となるべき位置に押動体4が存在するか否かを検知する。第3センサー93はコイルバネ6が自然長となるべき位置に押動体4が存在するか否かを検知する。
制御手段は、図2に示すように前記第1センサー91、第2センサー92、第3センサー93の各センサーからの検知信号を入力として前記閉扉力調節手段を作動させるための制御信号を形成する部分である。本実施例では制御信号はモーター8を正回転、逆回転及び停止させる信号である。制御信号は、モーター8を駆動させる駆動回路を介して前記閉扉力調節手段のモーター8に供給される。また、制御手段はタイマー手段を有している。タイマー手段はドアAが開かれると作動して、所定時間経過後にモーター8を正回転させる信号を形成する。前記所定時間は調節することが可能である。
制御手段は、閉扉力が減少した状態において、第1センサー91によるドアAが開かれた状態の検知信号が入力されることにより、タイマー手段が作動し、所定時間経過後に前記モーター8を正回転させる信号をモーター8に供給する。
制御手段は、モーター8が正回転して押動体4がコイルバネ6を圧縮している状態において、第2センサー92による閉扉力が増大した状態の検知信号が制御手段に入力されることにより、前記モーター8の正回転を停止させる信号をモーター8に供給する。
制御手段は、閉扉力が増大した状態において、第1センサー91によるドアAが閉じられた状態の検知信号が制御手段に入力されることにより、前記モーター8を逆回転させる信号をモーター8に供給する。
制御手段は、モーター8が逆回転して押動体4がコイルバネ6から離れる方向に移動している状態において、第3センサー93による閉扉力が減少した状態の検知信号が制御手段に入力されることにより、前記モーター8の逆回転を停止させる信号をモーター8に供給する。
前記制御手段による制御を図3のフローチャートに基づいて説明する。制御プロセスのスタートにより、ドアAが開いた状態であるか、が判定される。ドアAが開いた状態となれば、タイマー手段が作動する。所定時間経過後にモーター8を正回転させる。次にモーター8が正回転している状態において、閉扉力が増大した状態であるか、が判定される。閉扉力が増大した状態となれば、モーター8を停止する。次に、閉扉力が増大した状態においてドアAが閉じた状態であるか、が判定される。ドアAが閉じた状態となれば、モーター8を逆回転させる。次にモーター8が逆回転している状態において、閉扉力が減少した状態であるか、が判定される。閉扉力が減少した状態となれば、モーター8を停止する。
次に、本実施例のドアクローザ1の作用について説明する。
まず、図4に示すように、ドアAが閉じられた状態では、ピストン3が図示左端にあり、予めドアクローザ1の閉扉力を減少させている。これは、前回ドアAが開閉された後で、閉扉力調節手段によって閉扉力を減少させているためである。コイルバネ6は自然長の状態であり、押動体4は図示右端にある。押動体4とコイルバネ6との間には所定距離の間隔が確保されている。この間隔は、ドアAが閉じられた状態から人が通過可能な程度にドアAが開かれる状態までのピストン3のストロークに略等しいものとする。
図5に示すように、ドアAが開かれると、ピストン3が図示右方に移動する。アーム7はシリンダー2に対して回転し、「ドアAが開かれた」状態を第1センサー91が検知する。「ドアAが開かれた」状態の検知信号は制御手段に入力される。コイルバネ6はピストン3によって自然長の状態のまま図示右方に移動し、右端が押動体4に当接する。
前記のように「ドアAが開かれた」状態の検知信号が制御手段に入力されることにより、タイマー手段が作動し、所定時間経過後に制御手段はモーター8を正回転させる信号を発生する。「モーター8を正回転させる」信号はモーター8を駆動させる駆動回路を介してモーター8に供給される。これにより、モーター8は閉扉力を増大させるべく正回転する。
図6に示すように、モーター8が正回転すると押動体4が左方に移動してコイルバネ6を圧縮し、閉扉力が増大する。コイルバネ6の付勢力により、ピストン3が図示左方に移動する。これによりドアクローザ1は閉扉力を発生し、ドアAは自動で閉じられる。押動体4が所定の位置まで移動してコイルバネ6を圧縮し、閉扉力が増大した状態となると、「閉扉力が増大した」状態を第2センサー92が検知する。「閉扉力が増大した」状態の検知信号は制御手段に入力される。
前記のように「閉扉力が増大した」状態の検知信号が入力されると制御手段はモーター8の正回転を停止させる信号を発生する。「モーター8の正回転を停止させる」信号はモーター8を駆動させる駆動回路を介してモーター8に供給され、モーター8が停止する。
閉扉力が増大して閉扉力によりドアAが閉じられると、「ドアAが閉じられた」状態を第1センサー91が検知する。「ドアAが閉じられた」状態の検知信号は制御手段に入力される。「ドアAが閉じられた」状態の検知信号が入力されると制御手段はモーター8を逆回転させる信号を発生する。「モーター8を逆回転させる」信号はモーター8を駆動させる駆動回路を介してモーター8に供給される。図7に示すように、モーター8は閉扉力を減少させるべく逆回転する。モーター8が逆回転すると押動体4は図示右方に移動する。コイルバネ6は自然長に戻り、閉扉力は減少する。
モーター8が逆回転して押動体4が所定位置まで戻ることにより、閉扉力が減少すると、「閉扉力が減少した」状態を第3センサー93が検知する。「閉扉力が減少した」状態の検知信号は制御手段に入力される。「閉扉力が減少した」との検知信号が入力されると制御手段はモーター8の逆回転を停止させる信号を発生する。「モーター8の逆回転を停止させる」信号はモーター8を駆動させる駆動回路を介してモーター8に供給される。これにより、モーター8は逆回転を停止する。
本実施例に係るドアクローザ1によれば、以下の効果を有する。
ドアAが閉じられた状態において、押動体4がコイルバネ6の付勢力を減少させた位置にあることによって予めドアクローザ1の閉扉力を減少させている。このため、人がドアAを開ける場合において、時間的に遅れることなく閉扉力を減少させた状態となっており、軽い力でドアAを開けることができる。
人の出入りの情報が検知されてから閉扉力を減少させる場合、モーターやソレノイド等の駆動手段を用いて閉扉力を迅速に減少させるためには、倍力機構を用いずに大きな出力の駆動手段を用いなければならない。しかし、本実施例のように予めドアクローザ1の閉扉力を減少させておく場合には、押動体4の雌ネジ41と回転軸部5の雄ネジ51のような倍力機構を用いて閉扉力を減少させることができる。従って出力の小さい小型のモーター8を使用できる。よって駆動手段を大型化させることなく、軽い力でドアAを開けることができるドアクローザを安価に提供することができる。
出力の小さい駆動手段を用いることができるため、消費電力を抑え、騒音を低下させることができる。
尚、本発明に係るドアクローザは実施例に限定されない。例えば、押動体をコイルバネに対して進退させる手段としては、他の公知の手段を用いることができる。また、検知手段は従来公知のセンサーを使用することができる。
1 ドアクローザ
2 シリンダー
3 ピストン
31 ラック
4 押動体
41 雌ネジ
5 回転軸部
51 雄ネジ
52 スラストベアリング
6 コイルバネ
7 アーム
71 主軸
72 ピニオン
8 モーター
81 駆動軸部
91 第1センサー
92 第2センサー
93 第3センサー
A ドア
B 固定側
2 シリンダー
3 ピストン
31 ラック
4 押動体
41 雌ネジ
5 回転軸部
51 雄ネジ
52 スラストベアリング
6 コイルバネ
7 アーム
71 主軸
72 ピニオン
8 モーター
81 駆動軸部
91 第1センサー
92 第2センサー
93 第3センサー
A ドア
B 固定側
Claims (3)
- ドアを閉める閉扉力を発生させる閉扉力発生手段と、
前記閉扉力発生手段による閉扉力を増減させる閉扉力調節手段と、
ドアの開閉状態、及び閉扉力の増減状態を検知する検出手段と、
前記検出手段の検知信号を1つの入力とし前記閉扉力調節手段を作動させるための制御信号を形成する制御手段であって、
閉扉力を減少させた状態でドアが開いたとき所定時間経過後に前記閉扉力調節手段を作動させて閉扉力を増大させる信号を発生し、
閉扉力が増大したとき閉扉力調節手段を停止させる信号を発生し、
ドアが閉じられたとき閉扉力調節手段を作動させて閉扉力を減少させる信号を発生し、
閉扉力が減少したとき閉扉力調節手段を停止させる信号を発生する制御手段と、
を有することを特徴とするドアクローザ。 - 請求項1に記載のドアクローザにおいて、
前記閉扉力発生手段は、閉扉力を発生させるコイルバネを有し、
前記閉扉力調節手段は、前記コイルバネに対する進退によって付勢力を調節する押動体を有し、
前記制御手段は、閉扉力を減少させた状態でドアが開いたとき所定時間経過後に前記コイルバネに対して前記押動体を作動させることによって閉扉力を増大させる信号を発生し、
閉扉力が増大したとき押動体を停止させる信号を発生し、
ドアが閉じられたとき押動体を作動させて閉扉力を減少させる信号を発生し、
閉扉力が減少したとき押動体を停止させる信号を発生する、
ことを特徴とするドアクローザ。 - 請求項1に記載のドアクローザにおいて、
前記閉扉力発生手段は、閉扉力を発生させるコイルバネを有し、
前記閉扉力調節手段は、前記コイルバネに対する進退によって付勢力を調節する押動体と、駆動軸部の正逆回転により前記押動体を進退させるモーターとを有し、
前記制御手段は、閉扉力を減少させた状態でドアが開いたとき所定時間経過後に前記モーターを作動させて前記コイルバネに対して前記押動体を作動させることによって閉扉力を増大させる信号を発生し、
閉扉力が増大したときモーターを停止させる信号を発生し、
ドアが閉じられたときモーターを作動させて閉扉力を減少させる信号を発生し、
閉扉力が減少したときモーターを停止させる信号を発生する、
ことを特徴とするドアクローザ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005038618A JP2006225902A (ja) | 2005-02-16 | 2005-02-16 | ドアクローザ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005038618A JP2006225902A (ja) | 2005-02-16 | 2005-02-16 | ドアクローザ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006225902A true JP2006225902A (ja) | 2006-08-31 |
Family
ID=36987501
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005038618A Pending JP2006225902A (ja) | 2005-02-16 | 2005-02-16 | ドアクローザ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006225902A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016108912A (ja) * | 2014-12-10 | 2016-06-20 | 日本ドアーチエック製造株式会社 | ドアクローザ |
JP2017160710A (ja) * | 2016-03-10 | 2017-09-14 | エバグリーンシステムズ株式会社 | 開き戸駆動装置 |
JP2017218785A (ja) * | 2016-06-07 | 2017-12-14 | 日本ドアーチエック製造株式会社 | ドアクローザ |
-
2005
- 2005-02-16 JP JP2005038618A patent/JP2006225902A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016108912A (ja) * | 2014-12-10 | 2016-06-20 | 日本ドアーチエック製造株式会社 | ドアクローザ |
JP2017160710A (ja) * | 2016-03-10 | 2017-09-14 | エバグリーンシステムズ株式会社 | 開き戸駆動装置 |
JP2017218785A (ja) * | 2016-06-07 | 2017-12-14 | 日本ドアーチエック製造株式会社 | ドアクローザ |
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