JP2006223912A - 蛍光管の口金部の切断方法および装置 - Google Patents

蛍光管の口金部の切断方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 蛍光管の口金部近傍をきれいにかつ迅速に切断する方法および装置を提供する。
【解決手段】 環状型蛍光管15の口金部15a近傍を把持して環状型蛍光管15を回転させながら前記回転軌道の外側に配置したレーザ装置3から環状型蛍光管15の口金近部傍にそのほぼ全周に亘ってレーザビームを照射することによって環状型蛍光管15の口金部近傍を切断する。
また、レーザビームの焦点位置を、環状型蛍光管15が回転したときに生ずる切断部の偏心幅の中心に設定する。
【選択図】 図1

Description

蛍光管のリサイクル処理の一工程として蛍光管の口金部近傍を切断する方法及び装置に関する。
現在、効率の良い照明灯として広く使用されている蛍光管(蛍光放電管)は、円筒状ガラス管の内面に蛍光粉を塗布している。
蛍光管のガラス管に使用されているガラスは高品質であり、リサイクル処理すれば上質なガラスとして再利用可能である。
しかし、前述したように、ガラス管の内面には蛍光粉が塗布されており、又、この蛍光粉には微量ではあるが、封入した水銀が付着している。これらが塗布・付着した状態のままでは、ガラス管をリサイクル使用することはできない。
従って、廃蛍光管をリサイクル処理する場合には、蛍光粉の除去を行う必要がある。
そこで、蛍光管のガラス管内面に塗布された蛍光粉を迅速且つ確実に除去することができる蛍光管の蛍光粉除去装置として以下のものが提案されている。
少なくとも口金部分が切断除去された蛍光管のガラス管内面に圧縮気体と共に研掃材を吹き付けて、ガラス管内面に塗布された蛍光粉を剥離するブラスト処理手段と、ブラスト処理手段によって剥離された蛍光粉とブラスト処理手段で用いた研掃材とを分離する分離手段と、を具備することを特徴とする蛍光粉除去装置(特許文献1)。
上記の特許文献1においては、口金部分が切断除去されることが前提となっているが、特許文献1においては、口金部分の切断に関しては口金切断機により切断すると記載されているのみであり、その詳細については記載されていない。
他方、蛍光管の口金部の切断に関して、例えばガラス管部と口金部よりなる廃環状蛍光灯の口金部を連続的に切断する装置が提案されている(特許文献2参照)。
特許文献2においては、周囲を特殊加工した市販のダイヤモンドカッター等を使用すると記載されている。
特開2004−57957号公報 特開平11−151479号公報
特許文献1に記載されているように、ガラス管内面に塗布された蛍光粉を剥離するためにブラスト処理を行うが、このブラスト処理は蛍光管のガラス部における口金部近傍(本明細書において単に「蛍光管の口金部近傍」という。)を切断し、この切断した部分から圧縮空気と共に研掃材を吹込む。このため、ガラス切断面(以下、単に「切断面」という。)が平滑であることが要求される。なぜなら、断面が平滑でなく凹凸があった場合には、圧縮空気を吹き付ける際に空気が隙間から漏れてしまうからである。
ところが、特許文献1に示されるように蛍光管の口金部近傍をカッターによって切断すると、切断面が凹凸になってしまい、また切断面が割れてしまうことが多々ある。切断面の割れは、環状型蛍光管製造時に加える曲げ応力に起因する残留応力が原因とも考えられる。
このような切断面の凹凸や割れの発生を極力抑えるためには、カッターの押し付け速度を遅くして切断する必要があるが、それでは処理効率が極めて悪くなる。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、環状型蛍光管の口金部近傍をきれいにかつ迅速に切断する方法および装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、発明者は口金部近傍をレーザによって切断することを考えた。しかしながら、例えば蛍光管を固定しておいて、レーザビームを一方向のみから照射して切断しようとすると、切断が進むにつれて融けたガラスが冷却されて再び固化して付着しまう。そのため、この融着を防止するために、融けたガラスをエアーで吹き飛ばすことが考えられるが、蛍光管が中空であることから、吹き飛ばすためのエアーが中空管の中に逃げてしまって吹き飛ばしがうまくできない。
そこで、発明者は蛍光管に対して一方向のみからレーザビームを照射するのではなく、全周方向から照射するにはいかにすべきかについて鋭意検討を重ねて、本発明を完成するに至ったものである。
(1)本発明に係る蛍光管の口金部の切断方法は、蛍光管を回転させながら前記蛍光管の口金部近傍にそのほぼ全周に亘ってレーザビームを照射することによって蛍光管の口金近傍を切断することを特徴とするものである。
(2)また、環状型蛍光管の口金部の切断方法であって、環状型蛍光管の口金部近傍を把持して該環状型蛍光管を回転させながら前記回転軌道の外側に配置したレーザ装置から前記環状型蛍光管の口金部近傍にそのほぼ全周に亘ってレーザビームを照射することによって環状型蛍光管の口金近傍を切断することを特徴とするものである。
(3)また、上記(2)に記載のものにおいて、レーザビームの焦点位置を環状型蛍光管が回転したときに生ずる切断部の偏心幅の中心に設定したことを特徴とするものである。
(4)本発明に係る蛍光管の口金部切断装置は、蛍光管を回転する把持回転手段と、該蛍光管の口金部近傍にそのほぼ全周に亘ってレーザビームを照射するレーザ装置と、を備えたことを特徴とするものである。
(5)また、環状型蛍光管の口金部切断装置であって、環状型蛍光管の口金部近傍を把持して、把持された環状型蛍光管を回転する把持回転手段と、環状型蛍光管の回転軌道の外側に配置されて、該環状型蛍光管の口金部近傍にそのほぼ全周に亘ってレーザビームを照射するレーザ装置と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明においては、蛍光管を回転させながら前記蛍光管の口金部近傍にそのほぼ全周に亘ってレーザビームを照射することによって蛍光管の口金近傍を切断するようにしたので、蛍光管を一方向ではなく全周方向から切断でき、融着の問題が生ぜず、切断面を平滑にできると共に低エネルギービームによる迅速な切断が実現できる。
また、環状型蛍光管の口金部近傍を把持して該環状型蛍光管を回転させながら前記回転軌道の外側に配置したレーザ装置から前記環状型蛍光管の口金部近傍にそのほぼ全周に亘ってレーザビームを照射するようにしたので、環状型蛍光管を一方向ではなく全周方向から切断でき、融着の問題が生ぜず、かつ切断面を平滑にできると共に低エネルギービームによる迅速な切断が実現できる。
[実施の形態1]
図1は本発明の一実施の形態に係る環状型蛍光管の口金部切断装置の説明図、図2は図1における矢印Aの方向から見た図であり、図1の一部(後述の把持機構)をより詳細に説明する詳細説明図である。
まず、図1、図2に基づいて環状型蛍光管の口金部切断装置を説明する。
本実施の形態に係る環状型蛍光管の口金部切断装置1は、図1、2に示すように、レーザ装置3と、環状型蛍光管を回転可能に把持する把持機構5とから構成される。
レーザ装置3はフレームからなる架台7に設置されてレーザビームを発振させるレーザ発振ユニット9、レーザ発振ユニット9から発振されたレーザビームの方向を屈折させる屈折ミラーおよび長焦点レンズを有するレーザ屈折ユニット11を備えている。
なお、レーザ装置3は図1において紙面直交方向に所定の間隔を離して2台設置されている。
レーザ発振ユニット9から発振されたレーザビームはレーザ屈折ユニット11によって下方に方向が変えられて長焦点レンズ12(図3参照)を介してレーザ照射口13から把持機構5に把持された環状型蛍光管15に向けて照射される。このとき、レーザ装置3が2台設けられているので、図2に示すように、環状型蛍光管15における口金部15aの両端近傍に向けて2本のレーザビーム16が照射される。
環状型蛍光管15を把持する把持機構5は、図2に示すように、環状型蛍光管15における口金部15aの両端部近傍を両側から把持する把持部17と、把持部17に設けられた軸部19と、軸部19を回転可能に支持する支持部21を備えている。支持部21は架台7に上下方向の高さ調整可能に設置されており、把持部17に把持された環状型蛍光管15と長焦点レンズ12との距離を調整できるようになっている。
また、把持部17の一方の軸部19には減速機23を介してモータ25の回転軸が連結されている。
したがって、モータ25を駆動させることで、把持部17に把持された環状型蛍光管15を軸部19の軸線回りに回転させることができる。
把持部17に環状型蛍光管15を把持した状態では、図2に示すように、軸部19の軸線18が環状型蛍光管15の中心線20の接線と一致している。これによって、環状型蛍光管15を上下にずれることなく回転させることができる。
次に、レーザ屈折ユニット11に設置された長焦点レンズと把持部17に把持された環状型蛍光管15との位置関係について、図3および図3の一部拡大図である図4に基づいて説明する。
図3に示すように、レーザビーム16が照射されるのは環状型蛍光管15における口金部15aの両端部近傍であり、環状型蛍光管15が湾曲していることから、環状型蛍光管15が回転すると、環状型蛍光管15における切断部の上下位置が変化する。すなわち、環状型蛍光管15の内周側が上側にある図3のAの状態のときに最も上位にあり、環状型蛍光管15における外周側が上側にあるBの状態のときに最も下位にある。つまり、環状型蛍光管15における切断位置は、環状側蛍光管15が回転することで、図4に示すように、上下方向にLだけ変位する。
したがって、仮に図3におけるAの状態のときにレーザビームの焦点を切断位置に合わせたとすれば、Bの状態では焦点からLだけずれた位置が切断位置となってしまい、焦点からのずれが大きい。このため、焦点が最もずれた状態での切断を可能にするために回転速度を遅くする必要があり、切断速度が遅くなってしまう。
そこで、本実施形態においては、図4に示すように、上下方向のずれの幅(偏芯幅)の中心に焦点位置がくるように調整している。このように調整すれば、最大の偏芯でも1/2Lであり、焦点のずれの最大値を最も小さくすることができ、切断速度を速くすることができるからである。
上記のように構成された環状型蛍光管の口金部切断装置を用いて環状蛍光管15の口金部15aを切断する動作について説明する。
上述したように、環状型蛍光管15を把持機構5に把持して、レーザを照射すると共にモータ25を駆動して環状型蛍光管15を回転させる。これによって、環状蛍光管15の口金部15aの両端部近傍が2本のレーザビームによって全周方向から同時に切断される。このとき、レーザ装置3は長焦点レンズ12を用いてレーザ照射口13が環状型蛍光管15の回転軌道の外側に配置されているので、環状型蛍光管15の回転を阻むものは何もない。
もっとも、環状型蛍光管15の回転軌道の外側からレーザビームを照射しているので、図3におけるAの位置にあるときには、レーザビームが環状型蛍光管15に遮られ、口金部15a両端近傍の切断部にレーザビームを照射できない部位ができる。例えば、図5に示すように、蛍光管の外周がφ29の場合では、レーザビームを照射できない部位は約1.5mmとなる。
しかしながら、発明者の実験によると、上記のようなレーザビームを照射できない部位が存在しても、照射できない部位の前後に照射されたレーザビームの熱によって切り残しとなることなく切断が完了できることを確認している。
上記のように、本実施の形態によれば、環状型蛍光管15の口金部15aの両端近傍を全周方向からレーザで切断でき、低いレーザ出力(例えば、50kW以下)でかつ迅速な切断が可能となる。しかも、長焦点レンズを用いて、レーザ照射口を環状型蛍光管15の回転軌道の外側に配置しているので、環状型蛍光管15を回転させたときに障害となるものがなく、複雑な構造にする必要がない。
なお、上記の実施の形態においては、レーザ発振ユニットを2台用いる例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば1台のパルス式のレーザ発振機を用いて環状型蛍光管15の口金部15aの両端近傍を交互に瞬時に切り替えながら切断するようにしてもよい。
また、上記の実施形態においては、上下方向のずれの幅(偏芯幅)の中心に焦点位置がくるように調整して切断速度を可及的に速くする例を示した。
この点、環状型蛍光管の回転に伴う切断位置のズレに起因する上述の問題を解決する方法として、上述の方法に加えて、焦点距離を長くして焦点深度を深くする方法を採れば、さらに切断速度を速くすることができる。
さらに、上記の実施の形態においては環状型蛍光管の口金部の切断を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、直管は勿論、その他の異形蛍光管についてもこれらを回転させながらほぼ全周に亘ってレーザビームを照射することで、一方向からレーザビームを照射する場合に比較して低エネルギーのレーザビームで、かつ融着の問題を生ずることなく、切断面を平滑にした迅速な切断が実現できる。
本発明の一実施の形態に係る状型蛍光管の口金部切断装置の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る状型蛍光管の口金部切断装置の把持機構の説明図である。 本発明の一実施の形態におけるレーザビームの焦点位置の説明図である。 図3の一部拡大図である。 本発明の一実施の形態における動作の説明図である。
符号の説明
1 環状型蛍光管の口金部切断装置
3 レーザ装置
5 把持機構
9 レーザ発振ユニット
11 レーザ屈折ユニット
15 環状型蛍光管
16 レーザビーム
17 把持部
23 減速機
25 モータ

Claims (5)

  1. 蛍光管を回転させながら前記蛍光管の口金部近傍にそのほぼ全周に亘ってレーザビームを照射することによって蛍光管の口金近傍を切断することを特徴とする蛍光管の口金部の切断方法。
  2. 環状型蛍光管の口金部の切断方法であって、環状型蛍光管の口金部近傍を把持して該環状型蛍光管を回転させながら前記回転軌道の外側に配置したレーザ装置から前記環状型蛍光管の口金部近傍にそのほぼ全周に亘ってレーザビームを照射することによって環状型蛍光管の口金近傍を切断することを特徴とする蛍光管の口金部の切断方法。
  3. レーザビームの焦点位置を、環状型蛍光管が回転したときに生ずる切断部の偏心幅の中心に設定したことを特徴とする請求項2に記載の蛍光管の口金部の切断方法。
  4. 蛍光管を回転する把持回転手段と、該蛍光管の口金部近傍にそのほぼ全周に亘ってレーザビームを照射するレーザ装置と、を備えたことを特徴とする蛍光管の口金部切断装置。
  5. 環状型蛍光管の口金部の切断装置であって、環状型蛍光管の口金部近傍を把持して、把持された環状型蛍光管を回転する把持回転手段と、環状型蛍光管の回転軌道の外側に配置されて、該環状型蛍光管の口金部近傍にそのほぼ全周に亘ってレーザビームを照射するレーザ装置と、を備えたことを特徴とする蛍光管の口金部切断装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102009002615A1 (de) * 2009-04-24 2010-10-28 Robert Bosch Gmbh Verfahren zum Lösen von miteinander verbundenen Bauteilen
CN102658426A (zh) * 2012-05-11 2012-09-12 中国第一汽车股份有限公司 发动机与变速箱间传动器柔性盘总成激光焊接方法
WO2012150422A1 (fr) * 2011-05-05 2012-11-08 Veolia Proprete Procede de deconstruction d'ecrans plats a cristaux liquides et lampes de retro-eclairage

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