以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1および図2には、本発明の一実施形態に係る遊技機としてのパチンコ遊技機1が示されている。このパチンコ遊技機1は、ハウジングを形成する遊技機本体としての本体枠1aを有している。本体枠1a内には、遊技を制御するための主制御回路30および副制御回路40(後述する)や払出・発射制御回路(後述する)等から成る制御装置が組み込まれている。また、本体枠1aには、前面扉2Aと、皿パネル(皿ユニット)2Bとが開閉可能に取り付けられている。前面扉2Aのガラス2aの内側には、パチンコ遊技機1の遊技領域を構成する遊技盤3(図3参照)が本体枠1aに取り付けられて配置されており、この遊技盤3の面上に各種入賞領域が配設されている(後述する)。なお、図1は、前面扉2Aおよび皿パネル2Bが閉じられている状態を、図2は、前面扉2Aおよび皿パネル2Bが開放されている状態を示している。
また、遊技盤3の下方には、賞球または貸し球として払い出される遊技球(弾球;パチンコ球)を溜めるための受け皿としての上皿21が設けられており、上皿21に排出された遊技球は後述する所定の球供給経路を通じて皿パネル2Bの裏面側に設けられた発射装置82(図3および図13等参照)に供給される。
また、上皿21の下方には、灰皿20と、上皿21が遊技球で一杯となったときに溢れ出た遊技球を排出するための排出口22と、排出口22から排出された遊技球を貯留するための受け皿としての下皿23と、遊技球を遊技領域に向けて発射させる発射操作を行なうための発射ハンドル24とが設けられている。
また、本体枠1aの上側には左右に位置してスピーカ25L、25Rが設けられており、このスピーカ25L,25RからはBGMおよび効果音等が出力されるようになっている。
図3は、遊技盤3の具体的な構成例を示している。図示のように、遊技盤3の略中央には、遊技状態を決定するための識別情報としての識別図柄(特別図柄;普通図柄)の変動表示および演出アニメーションを含む表示を行なう図柄表示領域4が設けられている。この図柄表示領域4は、画像信号入力に基づいて識別図柄の変動表示および演出アニメーションを含む表示を主に行なう領域であり、具体的には、後述の始動入賞口6に遊技球が入賞(「始動入賞」という)することにより識別図柄の変動表示を開始する。
なお、図柄表示領域4は、本実施形態では液晶表示装置によって構成されているが、例えば、CRT(陰極線管)、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンス等によって構成されても良く、また、電気的表示装置ではなく、図柄を外周面上に描いた機械的な回転リール、模型等の動作物を含む他の機械的装置であっても良い。
また、パチンコ遊技機1では、識別図柄の変動表示が所定の表示態様で停止すると、「大当たり」となり、遊技者にとって有利な「特定遊技状態」(大当たり遊技状態)に移行するようになっている。大当たりとなる所定の停止態様は、例えば、図柄表示領域(液晶表示装置)4の左側に停止した識別図柄、図柄表示領域4の中央に停止した識別図柄、および、図柄表示領域4の右側に停止した識別図柄の3つがいずれも同一態様の図柄の場合で揃った停止態様(例えば図3に示される停止態様)である。また、大当たりとなる停止態様(以下、大当たり停止態様という)を構成する識別図柄の種類に応じて、前記「大当たり」が「確変大当たり」と「通常大当たり」とに区別される。
「確変大当たり」は、所定の確率変動遊技状態移行条件が成立したとき、すなわち、「確変図柄」が揃った「特定停止態様」となったときに発生する。また、「確変大当たり」となった場合は、「大当たり遊技状態」が終了した後の一般遊技状態において、大当たりの発生確率が高い状態(確率変動遊技状態)となる。他方、「通常大当たり」は、所定の変動短縮遊技状態移行条件が成立したとき、すなわち、「通常図柄」が揃った「非特定停止態様」となったときに発生する。「通常大当たり」となった場合は、「大当たり遊技状態」が終了した後の一般遊技状態において、大当たりの発生確率に変動はない。なお、このような一連の遊技状態の制御は、後述する遊技状態移行決定手段としての主制御回路30によって行なわれる。
また、図柄表示領域4の下方には、スタートチャッカーと呼ばれる始動入賞口6を構成する普通電動役物5が設けられている。普通電動役物5は、始動入賞口6へ入賞しやすい第1状態と始動入賞口6に入賞しにくい第2状態とに変換可能な可動片6aを有する入賞装置(所謂「チューリップ」)である。なお、この可動片6aが閉じた第2状態であっても、遊技球が1個程度入賞可能である。そして、遊技球が始動入賞口6に入賞すると、例えば5個の賞球が払い出される。
また、図柄表示領域4の左右には普通図柄作動用ゲート7が設けられており、この普通図柄作動用ゲート7に遊技球が通過すると、図柄表示領域4によって普通図柄表示用の「○、×」の画像が交互に点灯されるようになっており、所定時間経過後、「○」の画像のみが点灯されると、普通電動役物5が第1状態に変換される。
普通電動役物5の下方には、遊技者にとって有利な「開状態」と遊技者にとって不利な「閉状態」に変換可能な扉開閉式の変動入賞装置からなるアタッカーと呼ばれる大入賞口8が設けられている。大入賞口8は、図柄表示領域4での特別図柄の変動表示が大当たり停止態様で停止したときに、所定時間だけ開状態に維持される。
そして、この大入賞口8に遊技球が入賞すると所定個数(例えば15個)の賞球が払い出されるように定められている。前述の「特定遊技状態」とは、この大入賞口8が開状態となった遊技状態をいい、この特定遊技状態中は、大入賞口8への10球入賞あるいは30秒経過まで開状態が連続する遊技(以下、「大当たり遊技」という)を、15回(ラウンド)行なえるようになっている。ここで、1回目の大当たり遊技を「第1ラウンド」と称し、2回目以降の大当たり遊技も同様に、「第2ラウンド」、「第3ラウンド」......と称する。なお、大当たり遊技が1ラウンド終了した後、次のラウンドを行うためには、一般的にV入賞口に遊技球が入賞する「V入賞」という所定の条件を満たす必要がある。
ここで、大入賞口8は複数の入賞口で構成され、V入賞は、その複数の入賞口のうちのV入賞口に遊技球が入賞した場合で、このV入賞の成立条件となるV入賞口は、通常、大入賞口8の端に設けられる。また、大入賞口8の下方には、アウト球を回収するアウト口9が設けられている。
また、遊技盤3の左側にはレール10が設置されている。遊技盤3の裏面側に設けられた発射装置82から発射された遊技球は、このレール10に沿って上昇移動し、遊技領域に打ち込まれる。
図柄表示領域4の右側には4つの普通図柄記憶LED12が設けられており、図柄表示領域4の両側には保留球記憶LED13a〜13dが設けられている。普通図柄記憶LED12は、普通図柄の変動中に普通図柄作動用ゲート7への遊技球通過がある度に1個ずつ点灯し、その時点での図柄表示領域4の普通図柄表示用の「○、×」の交互の点灯可能回数(4回を限度とする)を遊技者に知らせるものであり、5回目以降の通過はカウントされず無効となる。
図柄表示領域4の左右上下には、左風車14および右風車15が設けられており、この左風車14および右風車15は遊技球の流下経路を変更するとともに、遊技球が衝突したときに回転して遊技性を増大させる機能を果している。
また、始動入賞口6の左右側には、それぞれ入賞球があると10個の賞球を払出すように定められた一般入賞口16,17,18,19が設けられている。
また、図1に示されるように、遊技盤3の周囲のハウジング上には、遊技状態に応じて光による演出を行なう装飾用のランプ26が設けられている。
図4は、本体枠1aの右下部(図2参照)に設けられた発射ハンドル24、この発射ハンドル24の操作に応じて駆動される発射装置(例えば発射ソレノイド)82、球送り装置110の構造を示している。なお、図4の(a)はこれらの構造の平面図、図4の(b)はこれらの構造の正面図をそれぞれ示している。また、図5は、発射ハンドル24の一部拡大斜視図を示している。
図4および図5に示されるように、球送り装置110は、上皿21から供給される遊技球を発射装置82の前方の発射位置に送り出す。また、発射装置82は、球送り装置110から送り出されてきた遊技球を打撃するハンマーと、このハンマーを駆動する励磁コイルとを備えており、発射位置に待機する遊技球を遊技盤3の遊技領域へ向けて発射する。
発射操作部を構成する発射ハンドル24は、発射装置82の右側方手前側に設けられたハンドルベース112に取り付けられており、ハンドルベース112に固定された後方把手部材24aと、この後方把手部材24aに回動可能に設けられた発射レバー24bと、発射レバー24bを介して後方把手部材24aに固定された前方把手部材24cとを備えて構成されている。図5に明確に示されるように、発射レバー24bには、遊技者による回動操作を補助する指掛け部115a,115b,115cが形成されている。
なお、発射装置82および球送り装置110はいずれも、遊技者による発射レバー24bの操作に応じて駆動される。具体的には、遊技者が発射レバー24bに手を触れると、それがタッチセンサ等から成る発射ハンドル操作検出部157(図13参照)によって検知され、払出・発射制御回路102(図13参照)を介して発射装置82および球送り装置110が駆動される。すなわち、本実施形態において、発射ハンドル操作検出部157は、発射装置82による遊技球の発射を引き起こすための所定の操作を検知する操作検知手段を構成している。
図6〜図8に明確に示されるように、発射装置82の左側方には、遊技球Bを発射位置に保持する球保持部116が設けられている。この球保持部116は、図7に明確に示されるように、上側板状体116aと下側板状体116bとから構成されており、上側板状体116aの右端部には下方に向けて突出した突片123が形成され、下側板状体116bには溝部121が形成されている。また、球保持部116の左端側には、発射装置82によって発射された遊技球Bを遊技盤3の遊技領域へと案内する発射通路117が設けられている。
前述した球送り装置110は、発射通路117および球保持部116の手前側方に取り付けられており、上皿21に貯留された遊技球Bは、遊技者による発射ハンドル24の操作に連動し、球供給経路の一部を形成する球送り装置110の右側中央部の開口119を介して、発射位置である球保持部116に送り出される。球保持部116に送り出された遊技球Bは、その下方両脇が溝部121により保持されるとともに、その上方が突片123に係止されることにより、球保持部116の端部に保持される。
なお、図8に明確に示されるように、発射通路117の途中には、発射装置82によって遊技球が発射されたことを検知する光センサや磁気センサ等から成る発射球検出部(発射検知手段)158が設けられている。この発射球検出部158は、前記発射ハンドル操作検出部157と共に、本体枠1a側に設けられており、上皿21から発射装置82を経て遊技盤3の遊技領域へと打ち出し供給される遊技球の供給状態の異常を検知する検知手段を構成する(これについては後述する)。
図9および図10には、下皿23の構造が具体的に示されている。これらの図から分かるように、下皿23の底面には、下皿23から遊技球を抜き去るための球抜き穴140が設けられている。図では、球抜き穴140が1つだけ設けられているが、複数設けられていても構わない。また、下皿23には、球抜き穴140を開閉するための開閉手段としての開閉プレート163が設けられている。この開閉プレート163は、図10に明確に示されるように、下皿23の底面に形成された空洞部S1内に動作可能に配設されている。なお、開閉プレート163の前端部は、下皿23の側壁部23aに形成された細長いスリット170を通じて前方に突出しており、遊技者が把持して操作するための球抜きレバー142を形成している。
また、開閉プレート163は、下皿23に配設された付勢バネ149により、球抜き穴140を閉じる方向に常時付勢されている。また、球抜きレバー142は、付勢バネ149の付勢力に抗して或いは付勢バネ149の付勢力により、球抜き穴140を完全に開く開位置(図9の(b)に示される位置)と球抜き穴140を完全に閉じる閉位置(図9の(a)に示される位置)との間で細長いスリット170に沿って移動できる。すなわち、遊技者が球抜きレバー142を付勢バネ149の付勢力に抗して図9の(b)に示される矢印A方向に動かすと、開閉プレート163によって球抜き穴140が開放され、下皿23に貯留された遊技球を下皿23から抜き出す(排出)ことができる。一方、図9の(b)に示される状態(開位置)で遊技者が球抜きレバー142から手を離すと、付勢バネ149の付勢力(復元力)により球抜きレバー142が図9の(a)に示される矢印B方向に移動し、開閉プレート163によって球抜き穴140が閉じられる。
また、本実施形態において、開閉プレート163は、球抜きレバー142を介した手動操作以外に、球抜きモータ150によっても自動開閉されるようになっている。具体的には、図9の(c)に示されるように、球抜きモータ150の回転軸150aが開閉プレート163の基端部に連結されており、回転軸150aの回転により開閉プレート163を前記開位置と前記閉位置との間で回動させることができるようになっている。なお、球抜きモータ150の駆動は後述するサブCPU41によって制御されるようになっている。
また、下皿23には、球抜き穴140を通過する遊技球を検知する検知手段としての球抜きセンサ154(図13参照)が設けられている。この球抜きセンサ154によって検知される遊技球の個数は、後述するサブCPU41に内蔵されたカウンタによって計測され、また、その計測値(球抜き穴140を通過する遊技球の個数)は、上皿21の側壁部21aに設けられた表示手段としての遊技球数表示部151に表示されるようになっている。
なお、遊技球数表示部151に表示される計測値は、開放された球抜き穴140が開閉プレート163によって閉じられた際、すなわち、球抜きレバー142が閉位置に位置された際にリセットされるようになっている(これについては後述する)。そのため、下皿23には、開閉プレート163または球抜きレバー142の閉位置を検知する球抜きレバーセンサ155(図13参照)が設けられている。この球抜きレバーセンサ155としては、例えば、球抜きレバー142または開閉プレート163が閉位置に位置した状態で球抜きレバー142または開閉プレート163と当接することにより機械的に作動するリミットスイッチや、光センサ等の光学的な検知手段等を挙げることができる。
また、本実施形態では、後述するように、球抜き穴140を通過する遊技球の個数が所定の設定値に達すると、球抜きモータ150が駆動され、開閉プレート163によって球抜き穴140が自動的に閉じられるようになっているが、前記設定値を遊技者が任意に設定できるように、前面扉2Aの操作パネル180には、球抜き個数設定部(球抜き個数設定手段)156がスイッチの形態で設けられている(図1参照)。
また、図10に明確に示されるように、上皿21の側壁部21a内に形成された空洞部S2には、上皿21を振動させて上皿21に貯留された遊技球の球詰まり等を解消させる振動手段としての振動子152が配設されている。この振動子152は、複数の振動態様を有しており、後述するように、上皿21から発射装置82を経て遊技盤3の遊技領域へと打ち出し供給される遊技球の供給状態の異常が発射球検出部158および発射ハンドル操作検出部157によって検知された際に駆動されて上皿21を振動させるようになっている。
なお、振動子152は、モータやソレノイドを用いて上皿21を振動させるものであっても良く、あるいは、スピーカからの音出力を用いて上皿21を振動させるものであっても良い。
ところで、下皿23が遊技球で満杯状態になると、遊技者は、一般に、遊技球を下皿23から球受容体としての球箱(いわゆるドル箱)に移し替える。この場合、前述したように、球抜きレバー142を操作して球抜き穴140を開口させ、球抜き穴140を通じて下皿23の遊技球を前記球箱に移し替える。しかしながら、球箱が下皿23から遊技球を受けとることができる球受け入れ位置すなわち下皿23の真下の位置に位置されていない状態で球抜きレバー142を開位置へと操作してしまうと、下皿23の遊技球が遊技場の床面等にこぼれ落ちてしまうことになる。そのため、本実施形態では、そのような事態を回避するべく、図11に示されるように、球箱170が前記球受け入れ位置に位置されていることを検知する検知手段としての球箱検出部153が設けられている。具体的には、この球箱検出部153は、本体枠1aの下端部前面に設けられたプッシュスイッチによって構成されており、球箱170が下皿23の真下の球受け入れ位置に配置されると、球箱170の背面170aによって押圧され、開閉プレート163の開動作を許容する信号を形成するようになっている。
無論、球箱検出部153は、このような機械的に作動するプッシュスイッチに限らず、例えば図12に示されるような光センサによって構成されていても構わない。すなわち、図12に示される球箱検出部153は、発光部153aと受光部153bとから成り、球箱170が下皿23の真下の球受け入れ位置に配置されて発光部153aから受光部153bへの光が遮られることにより、開閉プレート163の開動作を許容する信号を形成するようになっている。
図13には、パチンコ遊技機1の制御部の具体的構成が示されている。図示のように、パチンコ遊技機1の遊技動作は、主制御手段としての主制御回路30により制御される。主制御回路30は、演算処理装置としてのCPU(以下、「メインCPU」という)31と、読み出し専用の記憶手段としてのROM(以下、「メインROM」という)32と、読み書き可能な記憶手段としてのRAM(以下、「メインRAM」という。)33とを主たる構成要素として構成され、これらは一つの回路基板上に配置される。
メインRAM33としては、ダイナミック型メモリ(DRAM)が用いられる。主制御回路30に接続された各種センサからの入力信号は、この主制御回路30内のメインCPU31に入力され、メインCPU31は、入力信号に応じた処理をメインROM32に格納されている制御プログラムに従って実行する。
さらに、主制御回路30は、全体の遊技制御処理プログラムを定期的(例えば2ms毎)に実行するためのリセット信号を発生する(これを「割込発生」という)図示しないリセット用クロックパルス発生回路と、電源が投入されたときに回路についての初期処理を実行するための初期リセット信号を発生する初期リセット回路35とを備えている。
この主制御回路30には、信号入力手段として、例えば、大入賞口8に設けられたV入賞口に遊技球が入賞したことを検出するV・カウントスイッチ28Sと、大入賞口8のV入賞口を除いた特定入賞口に入賞した遊技球の数を計数するカウントスイッチ29Sと、一般入賞口16,17,18,19に入賞した遊技球を検出する一般入賞球スイッチ16S〜19Sと、普通図柄作動用ゲート7を通過した遊技球を検出する通過ゲートスイッチ7Sと、始動入賞口6に入賞した遊技球を検出する始動入賞口スイッチ6Sとが接続され、また、信号出力手段として、例えば、普通電動役物5に設けられ且つ可動片6aの変換動作を制御する始動口ソレノイド5aと、大入賞口8を開閉するための大入賞口ソレノイド8bと、大入賞口8に入賞する遊技球をV入賞口または特定の入賞口の何れかに振り分けて入賞させるシーソーソレノイド8aと、主制御回路30および遊技球を払い出す払出装置(遊技球払い出し手段)105を制御する払出・発射制御回路102にバックアップされているデータを消去するためのバックアップクリアスイッチ100とが接続されている。
このような構成では、例えば、始動入賞口スイッチ6Sからの信号がI/Oポート98を介して主制御回路30に入力されると、メインCPU31は、その入力信号を始動記憶数としてメインRAM33に累積的に記憶し、大当たりの有無等の判定処理を行なう。そして、それらの判定結果に基づいて生成された図柄表示領域4の表示に関する制御指令(以下、「コマンド」という)を、後述の副制御回路40に向けて送信する。
メインROM32には、図柄表示領域4の表示に関する各種の決定に必要なデータが格納されている。例えば、図柄表示領域4で行われる図柄変動の停止結果を大当たりとするか否かを判定する際に参照される「大当たり判定テーブル」、図柄変動の停止結果が外れのときにリーチを発生させるか否かを判定する際に参照される「リーチ判定テーブル」、特別図柄の最終的な停止態様である確定停止態様を決定する際に参照される「停止図柄決定テーブル」、そして、演出パターン(演出表示パターン)を選択する際に参照される「演出パターン選択テーブル」等がメインROM32に格納されている。
メインCPU32では、各種の乱数カウンタの更新処理を定期的に行ない、始動入賞時には、メインCPU32は、これら乱数カウンタのカウント値(以下、「乱数値」という)を読み出し、メインRAM33内に形成される所定の記憶領域に格納する。ここに格納された乱数値は、主制御回路30において行われる各種の判定等に用いられる。
前記「大当たり判定テーブル」は、図柄変動の停止結果を大当たりとするか否かの判定に用いられ、メインCPU31は、この判定の際に取り出した大当たり判定用乱数カウンタの値(「大当たり判定用乱数値」という)をこの大当たり判定テーブルに設定された数値範囲と照合し、上記の判定を行なう。
ここで、「大当たり判定用乱数カウンタ」は、メインCPU31内に形成され、”0〜315”の範囲内で定期的に更新される。一例として前記「大当たり判定テーブル」では、外れの判定となる大当たり判定用乱数値の数値範囲は”0〜6”または”8〜315”で、大当たりの判定となる大当たり判定用乱数値の数値範囲は”7”である。また、確変中に大当たり判定となる大当たり判定用乱数値は”7”、”57”、”117”、”217”、”297”の5つである。
また、メインCPU32は、始動入賞口6に遊技球が入賞したとき、始動入賞口スイッチ6Sが遊技球を検出すると、上述した大当たり判定の際に取り出した大当たり判定用乱数値をメインRAM33の保留球記憶領域に記憶するようになっており、このメインRAM33の保留球記憶領域には最大で4個の大当たり判定乱数値が保留球として記憶される。
そして、現在行われている特別図柄変動遊技が終了すると、メインRAM33に記憶された大当たり判定用乱数値に応じて次の新たな特別図柄変動遊技が保留球の記憶個数分だけ行われ、この遊技は保留球が消化されるまで継続される。
また、保留球記憶領域に保留球が記憶されたときに4個の保留球記憶LED13a〜13dのうち保留球の記憶個数に応じた分だけ点灯される。例えば、保留球LEDは、保留球記憶領域に1つの大当たり判定用乱数値が記憶されたときには、左側の保留球記憶LED13aのみが表示され、記憶領域に記憶される大当たり判定用乱数値が増えるに連れて左側から右側の保留球記憶領域LEDが順次に点灯される。
そして、現在行われている特別図柄変動遊技が終了すると、変動中の大当たり判定用乱数値が削除され、次に記憶された大当たり判定用乱数値が用いられるとともに点灯中の保留球記憶LED13のうち右側の保留球記憶LED13が消灯され、この動作は保留球が無くなるまで継続される。そして、変動中の特別図柄に対応する大当たり判定用乱数値がメインROM32に格納された大当たり判定用テーブルの大当たり乱数値と一致すれば、大当たりとなる。
ここで、メインRAM33に記憶される保留球は4個を上限としており、4個の保留球が記憶されて保留球LEDが全点灯しているときに、以後いくら始動球入賞が発生しても保留球として記憶されずに、それに基づいて大当たり判定も行われない。
また、パチンコ遊技機1は、主制御回路30とは別の一つの回路基板上に配置された副制御手段としての副制御回路40を備えている。この副制御回路40は、主制御回路30と同様に、CPU(以下、「サブCPU」という)41と、ROM(以下、「サブROM」という)42と、RAM(以下、「ワークRAM」という)43とを主たる構成要素として構成される。
サブCPU41は、画像表示制御手段を構成しており、主制御回路30に設けられたシリアル通信用IC(コマンド出力ポート)50および副制御回路40に設けられたコマンド入力ポート99を介して主制御回路30から送信されたコマンドに応じて、図柄表示領域(液晶表示装置)4での図柄変動および演出アニメーションを含んだ表示制御を行なう。また、サブCPU41では、図柄表示領域4の表示制御の他に主制御回路30から送信されたコマンドに応じたスピーカ25L,25Rからの音声出力制御と前面扉2および遊技盤3に配置される枠LED、盤面上LED等の発光体(ランプ26)の動作制御についても行なう。
主制御回路30から送信されたコマンドに応じた処理を実行する具体的手段として、副制御回路40は、図柄表示領域(液晶表示装置)4を制御するための画像制御回路45と、スピーカ25L,25Rを制御するための音声制御回路46と、ランプ26を制御するためのランプ制御回路部47とを備える。
画像制御回路45は、サブCPU41からの指令に基いて液晶画面に表示すべき画像データを生成し、この画像データの表示制御を実行するための手段で構成される。
具体的には、画像制御回路45は、画像データを生成するためのドットデータを格納する画像データROM、サブCPU41で設定されたパラメータに応じて前記画像データROM内のドットデータを読み込み表示すべき画像データを生成するVDP(Video
Display Processor)、VDPで生成された画像データをRGB信号に変換するD/Aコンバータおよび図柄制御プログラムが異常な処理ルーチンに入ったときにリセット信号を発生する初期リセット回路(いずれも図示せず)を備える。
音声制御回路46は、音源IC、増幅用回路(アンプ)および音声データROMを備え、音声発生手段としてのスピーカ25L,25RにBGMおよび効果音からなる音声信号を出力する。
また、サブCPU41には、更に、前述した球抜きモータ150と、遊技球数表示部151と、振動子152とがそれぞれ電気的に接続されている。
なお、コマンド入力ポート99には、主制御回路30以外に、前述した球箱検出部153と、球抜きセンサ154と、球抜きレバーセンサ155と、球抜き個数設定部156と、発射ハンドル操作検出部157と、発射球検出部158とがそれぞれ電気的に接続されている。また、発射ハンドル操作検出部157は更に発射装置82を制御する払出・発射制御回路102にも電気的に接続されている。
次に、図14〜図17に示すフローチャートに基づいて、主制御回路30で行なわれる制御処理の手順を説明する。
図14は、主制御回路30で行なわれるメイン処理を示している。このメイン処理では、まず、ステップ10において、メインCPU31は、パチンコ遊技機1における各種設定を、前回電源断となった際の設定に復帰するか、もしくは初期化する。ステップS12において、メインCPU31は、後述する特別図柄制御処理を実行した後、ステップS16において、普通図柄制御処理を行ない、その後、ステップS18において、ハズレ図柄、初期値、乱数、演出用乱数を更新する乱数更新処理を行なう。
図15は、所定の周期(例えば2msec)で図14のメイン処理に割り込むように実行されるシステムタイマ割込処理を示している。このシステムタイマ割込処理では、まず、ステップS20において、メインCPU31は、大当たり判定用乱数値等の値を更新する。その後、ステップS21において、メインCPU31は、スイッチ入力検出処理を行なう。具体的には、V・カウントスイッチ28S、カウントスイッチ29S、始動入賞口スイッチ6S、一般入賞口スイッチ16S〜19S等により入力された入力信号を検出する。続いて、ステップS22において、メインCPU31は、変動表示されている普通図柄や特別図柄の残り変動表示時間、開状態にある始動口6や大入賞口8の残り開放時間等を更新する。そして、ステップS23において、メインCPU31は、始動口6や大入賞口8を駆動するソレノイド等を駆動する信号を出力する。その後、ステップS24において、メインCPU31は、識別図柄の停止図柄を指示する識別図柄指定コマンド、セットした識別図柄の変動表示パターン(演出表示パターン)等を指示する変動表示パターン指定コマンドを副制御回路40に出力する。続いて、ステップS25において、メインCPU31は、遊技球が入球した入賞口の種類(一般入賞口16〜19や大入賞口8等)に応じて、所定の遊技球を賞球として払い出すように指示するコマンドを払出・発射制御回路102に出力する。
次に、図14のステップS12における「特別図柄制御処理」について、図16を参照しながら説明する。なお、図16において、ステップS102からステップS110の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する遊技制御フラグを示し、その遊技制御フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行される。
最初に、図14に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS101)。この処理において、メインCPU31は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS102に処理を移す。
なお、後述するステップS102からステップS110において、メインCPU31は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS102からステップS110における処理のいずれかを実行可能にするものである。
ステップS102においては、図17を用いて後述する特別図柄記憶チェック処理を実行する。この処理において、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、始動記憶数カウンタのチェックを行ない、始動記憶数カウンタが0でない場合に、大当たり判定、導出識別情報、識別情報の演出表示パターン等の決定を行なう。また、メインCPU31は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。
ステップS103においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定表示待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。
ステップS104においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定表示待ち時間が経過した場合に、大当たりか否かを判断する。メインCPU31は、大当たりである場合に、大当たり開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当たり開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当たり開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS105の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU31は、大当たりではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。
ステップS105においては、大当たり開始インターバル管理処理を実行する。メインCPU31は、制御状態フラグが大当たり開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当たり開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口8を開放させるために、メインROM32から読み出されたデータに基づいて、メインRAM33に位置付けられた変数を更新する。メインCPU31は、大入賞口8の開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口時間タイマにセットする。
ステップS106においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理では、メインCPU31は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを1増加するように記憶更新する。メインCPU31は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU31は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口時間タイマにセットする。
ステップS107においては、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU31は制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが10以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口時間タイマが0である)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU31は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口8を閉鎖させるために、メインRAM33に位置付けられた変数を更新する。メインCPU31は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU31は、大入賞口内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。
ステップS108においては、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理において、メインCPU31は制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口における特定領域を遊技球が通過しなかったという条件、大入賞口開放回数カウンタが15以上である(最終ラウンドである)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU31は、いずれかの条件を満たした場合に、大当たり終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当たり終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当たり終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS109の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU31は、いずれの条件も満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU31は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。
ステップS109においては、大当たり終了インターバル処理を実行する。この処理においては、メインCPU31は、制御状態フラグが大当たり終了インターバルを示す値(07)であり、大当たり終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。メインCPU31は、所定の確率変動条件を満たした場合に、大当たり確率を変動させるために、高確率フラグをセットする。なお、「所定の確率変動条件」は、例えば特別図柄0から9のうち、いずれかの奇数の特別図柄が3つそろった状態で大当たりしていることである。
ステップS110においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、始動記憶数カウンタを1減少するように記憶更新する。メインCPU31は、次回の変動表示を行うために、始動入賞口8への入賞時に抽出され、所定の始動記憶領域に記憶された大当たり判定用乱数値、大当たり図柄決定用乱数値の各乱数値を順次シフトさせる。
次に、図16のステップS102における「特別図柄記憶チェック処理」について、図17を参照しながら説明する。
まず、ステップS200において、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かを確認する。また、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合には、ステップS202の処理に移り、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)でない場合には、特別図柄制御処理における処理を終了する。
ステップS202において、メインCPU31は、始動記憶の数(保留個数)が“0”であるか否かを確認する。また、メインCPU31は、始動記憶の数が“0”である場合にはステップS206の処理に移り、始動記憶の数が“0”でない場合にはステップS204の処理に移る。
ステップS206において、メインCPU31は、デモ演出表示を実行するように指示するデモ演出コマンドを生成し、セットする。なお、このデモ演出コマンドは、遊技状態が客待ち状態(特別図柄の変動表示の動作が行なわれておらず、大当たり遊技も行なわれておらず、始動記憶がない状態)の場合に、生成される。
ステップS204において、メインCPU31は、特別図柄変動表示時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットする。その後、ステップS208において、メインCPU31は、始動記憶に含まれる大当たり判定用乱数値に基づいて大当たり判定を行なう。続いて、ステップ210において、メインCPU31は、大当たり判定の結果が遊技状態を大当たり遊技状態に移行させるものであるか否かを確認する(したがって、メインCPU31は、払出装置105からの払い出しによる遊技球の獲得が可能な第1の遊技状態(一般遊技状態)から、この第1の遊技状態よりも相対的に多い数の遊技球の獲得が可能な第2の遊技状態(大当たり遊技状態)へ移行させるか否かを決定する遊技状態移行決定手段を構成している)。また、メインCPU31は、大当たり判定の結果が遊技状態を大当たり遊技状態に移行させるものである場合には、ステップS212の処理に移り、大当たり判定の結果が遊技状態を大当たり遊技状態に移行させるものでない場合には、ステップS214の処理に移る。
ステップS214において、メインCPU31は、所定の乱数値に基づいて、はずれ図柄を決定する。具体的には、メインCPU31は、リーチ判定用の乱数から抽出された乱数値に基づいて、特別図柄の変動表示においてリーチ(リーチ変動表示等)を実行するか否かを決定する。また、メインCPU31は、特別図柄の変動表示においてリーチ(リーチ変動表示等)を実行する場合には、リーチ図柄決定用の乱数から抽出された乱数値に基づいて「左」および「右」の図柄を決定し、中はずれ図柄決定用の乱数から抽出された乱数値に基づいて、「中」の図柄を決定する。更に、メインCPU31は、特別図柄の変動表示においてリーチを実行しない場合には、「左」・「中」・「右」にそれぞれ対応するはずれ図柄決定用の乱数から抽出された乱数値に基づいて、「左」・「中」・「右」の図柄を決定する。
ステップS212において、メインCPU31は、始動記憶に含まれる大当たり図柄決定用乱数値に基づいて大当たり図柄(「左」・「中」・「右」)を決定する。その後、ステップS216において、メインCPU31は、大当たり図柄およびハズレ図柄の演出表示パターンの決定処理を行なう。具体的には、メインCPU31は、乱数発生器により、0〜99の範囲で発生した乱数のうち、一の乱数値を抽出する。そして、メインCPU31は、抽出した乱数値と変動表示パターン選択テーブルとを比較して、大当たり図柄およびハズレ図柄の変動表示パターンを決定する。
ステップS216が終了すると、メインCPU31は、ステップS218において、ステップS216で決定された変動表示パターンに対応する変動表示時間を待ち時間タイマにセットする。続いて、メインCPU31は、ステップS220において、今回の特別図柄の変動表示に用いられた乱数値等を所定の記憶領域から消去する。
次に、図18〜図23に示されるフローチャートに基づいて、副制御回路40で行なわれる制御処理の手順を説明する。
副制御回路40では、主制御回路30から送られてくる所定のコマンドに基づいて、図18に示される「メイン処理」が行なわれる。この「メイン処理」では、まず、例えば電源の立ち上げに伴って初期化処理が行なわれる(ステップS300)。この初期化処理が成されると、続いて、後述するコマンド解析処理において必要となる乱数を更新する乱数更新処理が行なわれる(ステップS301)。そして、この乱数更新処理が行なわれると、続いて、コマンド解析処理が行なわれる(ステップS302)。
一般に、副制御回路40では、図19に示されるコマンド受信割込処理に示されるように、主制御回路30から受けたコマンドを割り込みで一度格納しておき、前記コマンド解析処理において、格納されていたコマンドを読み込んでその対応するデータをセットする。具体的には、図19に示されるように、まず、ステップ400において、サブCPU41は、レジスタに格納されている情報を待機させる。続いて、ステップ401において、サブCPU41は、主制御回路30から入力されたコマンドを受信バッファに格納する。そして、ステップ402において、サブCPU41は、ステップS400で待機させた情報をレジスタに復帰させる。
前述したように、副制御回路40にコマンドを送信する主制御回路30では、例えば、始動入賞口6に遊技球が入ると、大当たり判定用乱数値を抽出し、これに基づいて大当たり判定を行ない、判定結果に基づいて表示結果(特別図柄の組み合わせ)を決定する。また、主制御回路30は、この表示結果に基づいて、メインROM32に格納された前記「変動表示パターン選択テーブル」を参照して変動表示パターンを決定し、決定した変動表示パターンを前記表示結果と共に所定のコマンド(識別図柄指定コマンドおよび変動表示パターン指定コマンド)として副制御回路40へ送信する。副制御回路40は、これらのコマンドを受信すると、ステップS302のコマンド解析処理において、受信したコマンドに対応する特別図柄表示データおよび変動表示データを所定の作業領域にセットする。なお、本実施形態において、前記変動表示データは、テーブルの形態でサブROM42に記憶されている。
コマンド解析処理が終了すると、続いて、表示制御処理(図18のステップS303)、音声制御処理(図18のステップS304)、ランプ制御処理(図18のステップS305)が行なわれる。前記表示制御処理では、サブCPU41および画像制御回路45による制御の下、コマンド解析処理でセットされたデータに基づく画像描画処理すなわち変動表示パターン(演出表示パターン)の表示が液晶表示装置4で行なわれる。また、前記音声制御処理では、サブCPU41および音声制御回路46による制御の下、変動表示パターンに対応する効果音の演出がスピーカ25L,25Rで行なわれる。更に、前記ランプ制御処理では、サブCPU41およびランプ制御回路47による制御の下、変動表示パターンに対応する光の演出がランプ26で行なわれる。そして、これらのステップ303,304,305が終了すると、図20を参照して後述する上皿駆動処理(ステップS306)および図21〜23を参照して後述する球抜き制御処理(ステップS307)が行なわれ、その後、ステップS301の乱数更新処理へと再び戻る。
図20には、図18のステップS306で行なわれる上皿駆動処理の詳細が示されている。この上皿駆動処理では、まず、ステップS500において、サブCPU41は、発射装置82による遊技球の発射を引き起こすための所定の操作(具体的には、遊技者が発射レバー24bに手を触れたかどうか)が操作検知手段としての発射ハンドル操作検出部157によって検知されたか否かを判断する。この判断がNOの場合には上皿駆動処理が終了し、YESの場合にはステップS501へ移行する。
ステップS501において、サブCPU41は、発射装置82によって遊技球が発射されたことが発射球検出部158によって検知されたか否かを判断する。この判断がYESの場合には、遊技球が正常に供給されているとみなされ、上皿駆動処理が終了する。また、ステップS501における判断がNOの場合には、発射ハンドル操作検出部157によって遊技者の発射操作が検知されているにもかかわらず発射球検出部158によって遊技球の発射が検知されていないことから、遊技球の供給状態が異常であるとみなされ、ステップS502へ移行する。
ステップS502において、サブCPU41は、内蔵されたタイマを使用して、時間計測処理を行なう。具体的には、サブCPU41は、発射ハンドル操作検出部157によって遊技者の発射操作が検知され且つ発射球検出部158によって遊技球の発射が検知されていない状態の持続時間を計測する(すなわち、サブCPU41は、持続時間計測手段として機能する)。続いて、サブCPU41は、このようにして計測される持続時間に基づいて、振動子152の複数の振動態様のうちの1つを決定(選択)する振動態様決定処理(ステップS503)を行なった後、決定された振動態様に基づいて振動子152を駆動させる上皿振動制御処理(ステップS504)を行なう。すなわち、サブCPU41は、持続時間に基づいて複数の振動態様の中から1つの振動態様を選択する振動態様選択手段として機能するとともに、選択された振動態様に基づいて振動子を駆動させる駆動制御手段として機能する。
一例として、本実施形態では、計測される前記持続時間が所定の閾時間を経過した後に振動子152が駆動されるとともに、発射ハンドル操作検出部157によって遊技者の発射操作が検知され且つ発射球検出部158によって遊技球の発射が検知されていない状態の間、計測される前記持続時間に基づいて振動子152の振動態様が段階的に変化される。
具体的には、図24の振動態様決定テーブルに示されるように、計測される持続時間が0(秒)〜5(秒)である場合には(すなわち、閾時間となる5秒を経過するまでは)振動子152が駆動されず、持続時間が5秒に達した時点で振動子152が第1の振動態様(V ER1)で駆動される。この第1の振動態様(V_ER1)での振動は5秒間続けられる。無論、この間に発射球検出部158によって遊技球の発射が検知されるなど検知状態に何らかの変化が生じた場合には、持続時間の計測が終了され、振動子152の駆動も停止されるが、10秒を経過した(持続時間が10秒に達した)時点で依然として検知状態に何ら変化が生じない場合には、続いて、第2の振動態様(V ER2)で振動子152が駆動される。この第2の振動態様(V ER2)での振動も5秒間続けられ、15秒を経過した(持続時間が15秒に達した)時点で検知状態に何ら変化が生じない場合、続いて、第3の振動態様(V ER3)で振動子152が駆動される。そして、最終的に20秒を経過した時点で検知状態に何ら変化が生じない場合には、振動態様が第4の振動態様(V ER4)へと変化する。そして、この第4の振動態様(V ER4)での振動は、発射ハンドル操作検出部157によって遊技者の発射操作が検知されなくなるか、あるいは、発射球検出部158によって遊技球の発射が検知されるようになるまで続けられる。
図25には、図24に示される各振動態様の具体的な一例が示されている。なお、図24中の振動S1,S2,S2に対応する振動状態は、図26に示されている。
図25に示される例において、第1の振動態様(V ER1)は、一定の小さな振動(S1)が5秒間続く振動態様である(図25の(a)参照)。また、第2の振動態様(V ER2)は、一定の中程度の振動(S2)が5秒間続く振動態様であり(図25の(b)参照)、第3の振動態様(V ER3)は、一定の大きな振動(S3)が5秒間続く振動態様である(図25の(c)参照)。そして、第4の振動態様(V ER4)は、大きな振動(S3)が5秒毎に1秒間停止する断続的な振動サイクルが繰り返される振動態様である。
以上のように、本実施形態において、振動子152は、発射ハンドル操作検出部157によって遊技者の発射操作が検知され且つ発射球検出部158によって遊技球の発射が検知されていないことを前提条件に、この前提条件が成立した後、所定の時間が経過した後に駆動されるようになっているが、前記前提条件が成立した時点で直ちに駆動されても良い。
また、以上のような振動制御は、振動制御手段(制御手段)として機能するサブCPUによって行なわれることは言うまでもない。また、図24に示されるような「振動態様決定テーブル」はサブROM42に予め記憶されている。また、振動子152の振動態様としては、振動の強さや振動の間隔以外に、振動の周期や振動の波形等が異なる様々な態様を挙げることができる。また、本実施形態では、振動子152の駆動がサブCPU41によって制御されているが、サブCPUを介すことなく振動子152がセンサからの信号によって直接に駆動されても構わない。
また、本実施形態では、計測された前記持続時間が所定の閾時間に達した際にその旨が報知されるようになっている。具体的には、図24に示されるように、前記持続時間が20秒(所定の閾時間)に達した時点で、すなわち、第4の振動態様(V ER4)に切り換わった時点で、液晶表示装置4に所定の警告(例えば、この現状を遊技場の店員に知らせるように遊技者に促す警告)が表示されるようになっている。すなわち、液晶表示装置4は、サブCPU41と共に、計測された持続時間が所定の閾時間に達したことを報知する持続時間報知手段を構成している。
なお、このような警告は、液晶表示装置4によって視覚的に行なわれる以外に、スピーカ25L,25Rにより聴覚的に行なわれても良く、また、ランプ26を用いて行なわれても良い。また、駆動時間計測手段としてのサブCPU41が振動子152の駆動時間を計測し、この計測された駆動時間が所定の閾時間に達した際にその旨を駆動時間報知手段としての液晶表示装置4等が報知しても良い。
図21には、図18のステップS307で行なわれる球抜き制御処理の詳細が示されている。この球抜き制御処理では、まず、ステップS600において、図22を参照して後述する「球抜き開放制御処理」が行なわれ、続いて、ステップS601において、図23を参照して後述する「球抜き閉鎖制御処理」が行なわれる。
図22に示されるように、前記「球抜き開放制御処理」では、まず、ステップS700において、大当たりコマンドを受信したか否かが判断される。すなわち、サブCPU41は、遊技状態移行決定手段としてのメインCPUで行なわれる大当たり判定処理(図17のステップS208参照)により大当たり遊技状態へ移行した旨を示すコマンドが受信されたか否か、更に言い換えると、開閉手段としての開閉プレート163を開放させるための開放条件が成立した(第2の遊技状態としての「大当たり遊技状態」への移行が決定された)か否かを判断する(したがって、サブCPU41は、開放条件が成立したか否かを判定する開放条件判定手段として機能する)。この判断がYESの場合には、ステップS704の球抜き開放処理が行なわれる。すなわち、制御手段としてのサブCPU41は、球抜きモータ150を駆動制御して、開閉プレート163を開放させる。これにより、球抜き穴140が開口し、下皿23の遊技球が球抜き穴140を通じて下皿23の真下にある球箱170内へと抜き出される(図9の(b)および図11等参照)。
一方、ステップS700における判断がNOの場合には、ステップS701へ移行される。このステップS701において、サブCPU41は、払い出しコマンド(払出装置105により遊技球が上皿21に対して払い出されたことを示すコマンド)を受信したか否かを判断する。この判断がYESの場合にはステップS702に移行し、NOの場合には球抜き開放処理が終了する。
ステップS702において、サブCPU41は、払出装置105から払い出される遊技球の数を累積的に計測する計測手段として機能し、払い出し遊技球数を計算する払出し遊技球数計算処理を行なう(具体的には、例えばサブCPU41に内蔵されたカウンタによって計測される)。続いて、サブCPU41は、ステップS702において計測された遊技球の数が所定の第1の閾値に達したか否か(開閉手段としての開閉プレート163を開放させるための開放条件が成立したか否か)を判断する(ステップS703)。特に、本実施形態においては、「第1の閾値」が下皿23における遊技球の貯留可能限界数(例えば250個)に設定されている。ステップS702における判断がYESの場合には、前述したステップS704の球抜き開放処理が行なわれ、NOの場合には球抜き開放処理が終了する。
図23には、図21のステップS601で行なわれる球抜き閉鎖制御処理の詳細が示されている。この球抜き閉鎖制御処理では、まず、ステップS800において、球抜きレバーセンサ(閉鎖スイッチ)155による検知が成されたか否かが判断される。すなわち、サブCPU41は、開閉プレート163および球抜きレバー142が閉位置に位置されて球抜き穴140が閉じられているか否かを、球抜きレバーセンサ155からの検知信号により判断する。この判断がYESの場合には、ステップS809に移行し、遊技球数表示部151に表示された計測値がゼロにリセットされ且つ球抜き個数設定部156で設定された設定値がゼロにリセットされる「設定個数・払出し個数初期化処理」が行なわれる。無論、このようなリセット処理は、リセット手段として機能するサブCPU41により行なわれる。
一方、ステップS800における判断がNOである場合には、ステップS801に移行し、球箱検出部(箱スイッチ)153による検知が成されたか否かが判断される。すなわち、ステップS801において、サブCPU41は、球箱170が下皿23の真下の球受け入れ位置に位置されているか否かを判断する。この判断がNOの場合には、ステップS808へ移行し、球抜き閉鎖処理が行なわれる。すなわち、制御手段としてのサブCPU41は、球抜きモータ150を駆動制御して、開閉プレート163を閉位置に移動させる。これにより、球抜き穴140が閉じ、下皿23の遊技球が遊技場の床面等にこぼれ落ちることが防止される(例えば、図9の(a)および図12等参照)。
一方、ステップS801における判断がYESの場合には、ステップS802に移行し、球抜きセンサ(下皿スイッチ)154による検知が成されたか否かが判断される。すなわち、ステップS802において、サブCPU41は、下皿23から球抜き穴140を通じて遊技球が抜け落ちているか否かを判断する。この判断がNOの場合には、ステップS805へ移行し、YESの場合にはステップS803へ移行する。
ステップS803において、サブCPU41は、球抜きセンサ154によって検知される遊技球の個数を計測する計測手段として機能し、下皿23から抜け出る遊技球数を計算する下皿遊技球数計算処理を行なう(具体的には、例えばサブCPU41に内蔵されたカウンタによって計測される)。続いて、サブCPU41は、ステップS803において計測された遊技球の数が球抜き個数設定部156で設定された設定値に達したか否かを判断する(ステップS804)。この判断がYESの場合には、前述したステップS808の球抜き閉鎖処理が行なわれ、NOの場合にはステップS805に移行する。
ステップS805において、サブCPU41は、払い出しコマンド(払出装置105により遊技球が上皿21に対して払い出されたことを示すコマンド)を受信したか否かを判断する。この判断がYESの場合にはステップS806に移行し、NOの場合には球抜き閉鎖処理が終了する。
ステップS806において、サブCPU41は、払出装置105から払い出される遊技球の数を累積的に計測する計測手段として機能し、払い出し遊技球数を計算する払出し遊技球数計算処理を行なう(具体的には、例えばサブCPU41に内蔵されたカウンタによって計測される)。続いて、サブCPU41は、ステップS806において計測された遊技球の数が第1の閾値よりも大きい第2の閾値に達したか否かを判断する(ステップS807)。特に、本実施形態において、「第2の閾値」は、球箱170の貯留可能限界数(例えば2000個)となるように設定されている。ステップS806における判断がYESの場合には、前述したステップS808の球抜き閉鎖処理が行なわれ、NOの場合には球抜き閉鎖処理が終了する。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ遊技機1においては、サブCPU41によって計測される遊技球の個数が所定の設定値に達した時点で開閉プレート163により球抜き穴140が自動的に閉じられるため、下皿23から例えば球箱170へ遊技球を移し替える場合、操作者は、従来のように計測表示等に合わせて球抜きレバー142等の操作手段を手動操作して開閉プレート163を閉じる必要がなく、設定された特定の個数の遊技球を正確且つ簡単に移し替えることができる。これは、特に、大量の遊技球が払い出される「大当たり」状態となった場合に有益である。すなわち、開閉プレート163の開閉を手動で行わなければならない従来においては、大量の遊技球が払い出される場合、遊技球の移し替え操作(球抜きレバー142の手動操作)を何度も繰り返し行なわなければならず、そのため、せっかくの大当たり演出等を楽しむことができなくなる場合があるが、本実施形態の構成によれば、移し替えられる遊技球の個数が所定の設定値に達した時点で球抜き穴140が自動的に閉じられるため、大当たり演出に集中することができる。
また、本実施形態では、前記設定値を任意に設定可能な球抜き個数設定部156が設けられているため、遊技者は、所望の個数の遊技球を受け皿から正確且つ簡単に移し替えることができる。
また、本実施形態では、サブCPU41によって計測される遊技球の個数を表示する遊技球数表示部151が設けられているため、下皿23から移し替えられた遊技球の個数を簡単に把握することができる。
また、本実施形態では、開閉プレート163の閉動作に連動してサブCPU41による計測値が自動的にリセットされるため、遊技球の移し替えの度に計測値をいちいちリセットする必要がなく(すなわち、そのためのリセットボタン等を別個に設けないで済む)、遊技球の移し替え操作の操作性が良好となる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは言うまでもない。例えば、前述した実施形態では、前記開放条件が遊技機側で設定されていたが、前記開放条件が遊技者によって設定されても良く、あるいは、所定の遊技状態等に関連付けられた各種の開放条件が予め設定されていても良い。また、所定のプログラムによって開放条件が変えられても良い。また、前述した実施形態では、各種のセンサや駆動装置151〜158が副制御回路40側に関連付けられているが、主制御回路30側に関連付けられていても良い(主制御回路30によって検知および駆動制御されても良い)。また、前述した実施形態では、上皿21と下皿23とが個別に設けられているが、下皿23を省き、上皿21が下皿23の機能を兼ね備えていても良い。