JP2006223169A - 粘度安定組成物用添加剤 - Google Patents

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Abstract

【発明の課題】食品等をゲル化させることなく高粘度においても粘度を安定させ、かつ、工業的に容易に製造することができる粘度安定組成物用添加剤を提供する。
【解決手段】ナトリウム塩の存在下で大麦ベータファイバーを用いることにより、製造工程の最終段階までは粘度は高くならず、取扱いが容易で簡便な設備で済み、しかし最終段階においては高粘度を実現するという、相反するような課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘度安定組成物用添加剤に関し、特に、食品の粘度を安定させて得られる粘度安定食品及び当該食品を調製するための組成物、さらにその組成物用の添加剤に関する。さらに詳細には、本発明は、調味料、ソース、惣菜、タレ等飲食可能な食品を、ゲル化させることなく高粘度にし、かつ粘度を安定させて得られる粘度安定食品及び当該粘度安定食品を調製するための組成物、さらにその粘度の安定のための組成物用の添加剤に関する。
また、本発明は、食品の粘度安定方法に関する。さらに、詳細には、本発明は、調味料、ソース、惣菜、タレ等飲食可能な食品を、ゲル化させることなく、高粘度においても粘度を安定させることができる方法に関する。
従来から、食塩を含む食品の粘度を安定させるために、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、タマリンドシードガム、カラギナン、ジェランガムなどが用いられている。
これらを含む食物繊維は、通常粉末等の固体状で市販等されており、これらを食品中に粉末などの固体の状態で溶かすことができれば、求める粘度が容易に得られる。しかしながら、一般に食物繊維は、塩類の存在下で粘度が低下することが知られている。キサンタンガムは食塩の添加で、1.3〜1.6倍粘度が上昇することが報告されている(例えば、非特許文献1参照)が、粘度の過上昇は最終食品の粘性、風味などの調整がむずかしく、適度な粘度付与が必要であり、目的の食品に適した応用技術が必要であった。
一方、近年、食物繊維、あるいはベータファイバーなどを、整腸作用などの機能性を付与するために食品に添加する場合、1回の摂取で3〜10gの範囲で、添加量としては1%(質量、以下、同じ)以上の添加を行うことがあり、最適な粘度を求める技術の開発が十分ではなかった。
たとえば、1%以上の高濃度の食物繊維などを、食品中にもともと水分が少ない場合、或いは水分はあっても固体(粉末など)状の食物繊維の溶解を妨げる成分(例えば、アルコールや高い塩濃度など)が存在する場合等において、食品中に固体の状態で溶かすと、不溶性の粒子、いわいる「ままこ」が生じやすく、目的の粘度を得ることが困難である。
このような場合、食物繊維をあらかじめ水に溶かして水溶液として、あるいは水とともに食品へ添加する方法、即ち、食物繊維の溶液を別に調製して添加する方法が考えられるが、食塩が存在下している食品では、高粘度の粘性を有する食品を工業的に容易に製造することは困難であった。
一方、取り扱いを容易にするためにさらに食物繊維や食塩の濃度を下げて粘度を下げると、最終的に望む粘性や粘度が得られない、つまり、食品に含まれる粘度安定性成分による溶液の粘度によって食品中における最終的に得られる粘度が制限されることとなる。
ベータグルカンの定義にあるジェランガムは、たれ、ドレッシング、つゆ、飲料、ゾル状食品など、4〜10%の範囲にある食塩の存在下で、低粘度で大根おろしが分散安定化することが公開されているが、大根おろしの分散性だけの応用であり、汎用性が低いのが現状である。(例えば、特許文献1参照)
また、スナックなどの調味食品の表面に、ベータグルカンの定義にあるジェランガムを用い、味のついた海苔やゴマなどの素材を付着させるために、0.01〜1.5質量%の範囲の陽イオンと併用することでゲル化することが公開されているが、陽イオンとの相互作用性を確認しておらず、水分の少ない高濃度でのグルカンの高分子による付着性の評価にしか過ぎないのが現状である(例えば、特許文献2参照)。
さらに、キサンタンガムやグァーガムを漬物などの高塩度食品に用いられる場合、短期間には粘度低下や離水などの案件は起こりにくいことが報告されているが、食塩による塩析やグアーガムの微生物による分解により品質の劣化が起こりやすく、相乗効果を期待できないのが現状である(例えば、特許文献3参照)。
特願平10−244489号公報 特願平6−257902号公報 特開昭52−120157号公報 大橋司郎、SAN−EI NEWS No.137(1977)
かかる事情から、高濃度の食物繊維を、ナトリウム塩が含まれる溶液に用いた場合、高粘度の食品を工業的に容易に製造できる方法は従来なく、解決手段が求められていた。
本発明は、かかる事情に鑑みて、開発されたもので、食物繊維を溶液に用いる場合、食品をゲル化させることなく高粘度においても粘度を安定させ、かつ、工業的に容易に製造することができる食品添加剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、製造工程の最終段階までは粘度は高くならず、取扱いが容易で簡便な設備で済み、しかし最終段階においては高粘度を実現するという、相反するような課題を解決し、高粘度の食品を工業的に容易に製造することができる食品添加剤を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、従来から、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねていたところ、ナトリウム塩の存在下で大麦ベータファイバーを用いることにより、ゲル化することなく粘度が安定化し、かつ適度な粘性液体が得られることを見いだした。
そして、粘度安定の対象とする食品に最終的に大麦ベータファイバーと最適濃度のナトリウム塩とが存在することで、従来になかった、ゲル化することなくきわめて高い粘度を実現することを見いだした。
さらに、ナトリウム塩の存在下であり、かつ特定比率の条件下で大麦ベータファイバーを用いることにより、ゲル化することなく非常に粘度が安定し、かつ適度な粘性の液体が得られることを見いだし、粘度の安定の対象とする食品等の組成物に最終的に大麦ベータファイバーとナトリウム塩とが存在することで、従来になかった、ゲル化することなく粘度の安定な溶液の調整方法を実現することを確認し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記に掲げるものである:
項1.ナトリウム塩と大麦ベータファイバーを含むことを特徴とする粘度安定組成物用添加剤。
項2.大麦ベータファイバー3質量部に対し、ナトリウム塩1〜20質量部の割合で配合したことを特徴とする項1記載の粘度安定組成物用添加剤。
項3.ナトリウム塩が食塩である項1乃至2記載の粘度安定組成物用添加剤。
項4.ナトリウム塩と大麦ベータファイバーとを共存させることを特徴とする食品の粘度安定方法。
項5.食塩と大麦ベータファイバーとを共存させることを特徴とする食品の粘度安定方法。
項6.ナトリウム塩と大麦ベータファイバーとを共存させることにより調製される粘度安定食品。
項7.食塩と大麦ベータファイバーとを共存させることにより調製される粘度安定食品。
項8.ナトリウム塩と大麦ベータファイバーとを共存させることにより調製される粘度安定食品組成物。
項9.食塩と大麦ベータファイバーとを共存させることにより調製される粘度安定食品組成物。
本発明は、ナトリウム塩の存在下で使用される、大麦ベータファイバーを含むことを特徴とする粘度安定組成物用添加剤、特に粘度安定食品組成物用添加剤に関する。さらに本発明は、ナトリウム塩と大麦ベータファイバーとを共存させることにより調製される粘度安定食品又は粘度安定食品組成物に関する。
本発明は、ナトリウム塩と大麦ベータファイバーとを共存させることを特徴とする食品の粘度安定方法にも関する。
詳細には、本発明は、調味料、ソース、惣菜、タレ等飲食可能な食品を、ゲル化させることなく高粘度においても粘度を安定して調製される粘度安定食品及び当該粘度安定食品を調製するための組成物、その粘度の安定のための組成物用の添加剤に関する。
さらに、調味料、ソース、惣菜、タレ等飲食可能な食品を、ゲル化させることなく粘度を安定させるための方法に関する。
本発明で用いる大麦ベータファイバーは、大麦を原料とし、酵素アミラーゼを用いて低分子の糖質あるいは穀物に存在するグリコーゲン由来の糖質を除去して分画し、煮沸加熱後に耐熱性酵素アミラーゼでさらに精製し、分子量を調整し、エタノール抽出と乾燥によって得たものであり、例えば、カーギル社から提供された大麦ベータファイバーを用いることができる。
一般に、大麦ベータファイバーは大麦種子の胚乳細胞壁を構成する成分として穀類種子に分布しており、食物繊維として整腸作用などが期待されている素材である。ベータファイバー(またはベータグルカンという)の構造はβ−1,3−D−グルコピラノース結合およびβ−1,4−D−グルコピラノース結合を主成分とするグルコースの重合体であるが、この重合体を抽出するための用いる方法は多様であり、その製造方法によって性質が異なることが知られている。
従来、大麦ベータファイバーは、これまで粘度安定剤などの安定剤としても食物繊維としても使用されていないし、当業者においても、たいして特長もなく使用する価値がないものと見られてきた。
また、本発明で用いるナトリウム塩は、食塩(塩化ナトリウム)が好適である。由来は海水、岩塩などがあり、その基原は問わない。食塩以外で本発明に用いるナトリウム塩としては、L−アスコルビン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、カゼインナトリウム、5‘−グアニル酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、L−グルタミン酸ナトリウム、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、DL−酒石酸ナトリウム、L―酒石酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、パントテン酸ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、フマル酸一ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸三ナトリウムなど、ナトリウム塩等があげられ、その1種または2種以上を使用してもよい。上記ナトリウム塩も、その基原は問わない。また、クエン酸などの酸類と水酸化ナトリウムなどのアルカリ性ナトリウム塩を中和させ、生成した中和塩を用いてもよい。
キサンタンガムまたはジェランガムとナトリウム塩との併用で、高い粘度が得られることは知られていた(国崎直道、佐野征男、食品多糖類、p145、幸書房、2001)ものの、この事実からは、キサンタンガムまたはジェランガムの代わりに大麦ベータファイバーを用いた場合も、粘度が高くなることが推測できるのみである。
即ち、大麦ベータファイバーが食物繊維として従来になかった粘度の安定化を、ゲル化させることなく正味の粘度安定化効果として実現できることは、想像とは正反対であり、全く考えられなかった現象である。本発明はかかる予想外の知見に基づきなされたものである。
本発明に係る粘度安定組成物用添加剤は、ナトリウム塩の存在下で使用される、大麦ベータファイバーを含むことを特徴とする粘度安定組成物用添加剤である。
さらに、本発明に係る粘度安定組成物用添加剤は、ナトリウム塩及び大麦ベータファイバーを含むことを特徴とする粘度安定組成物用添加剤であり、特に粘度安定食品組成物用添加物であることが好ましい。
本発明のナトリウム塩及び大麦ベータファイバーの使用量は、イオン交換水を用いた、大麦ベータファイバーとナトリウム塩の純粋な水溶液の系では、大麦ベータファイバー 0.01〜5質量%、ナトリウム塩 1〜20質量%で粘度安定効果が見られ、その配合比率は大麦ベータファイバー 3に対し、ナトリウム塩 1〜10の配合比率が好ましく、より好ましくは大麦ベータファイバー 3に対し、ナトリウム塩 2〜10の配合比率がより好ましい。
上記のように、大麦ベータファイバーとナトリウム塩各々の濃度範囲が示されるが、適用する食品によっては、糖濃度や配合成分等が異なり、大麦ベータファイバーとナトリウム塩との配合割合は、応用事例ごとに適切に決定されるものである。
即ち、大麦ベータファイバーとナトリウム塩との組合せによって、ゲル化しない範囲で有効な粘度が得られるよう、当業者は適宜調節し得るものであり、上記の濃度範囲に制限されるものではない。
また、使用されるpHについてもは特に制限はなく、食品の種類や目的等によって、適宜選択・調整され得るものであるが、一般には、pH2〜8が好ましく、pH3〜7がより好ましい。
本発明に係る食品の粘度安定方法は、食品に、最終的に大麦ベータファイバーとナトリウム塩とを共存させ、ゲル化させることなく粘度安定効果を発揮させるものであればよい。即ち、大麦ベータファイバーとナトリウム塩とを、食品又はその製造過程のものに、ゲル化しない範囲で有効な粘度が得られるよう配合すればよく、添加の時期、順序に特に制限はない。
好ましい方法としては、大麦ベータファイバー及びナトリウム塩を溶液として予め調製しておいて、又は水と共に食品に添加する方法が挙げられる。より好ましい方法としては、大麦ベータファイバー溶液及びナトリウム塩の溶液を別々に調製しておいて、食品に添加する方法が挙げられる。この場合、大麦ベータファイバー及びナトリウム塩を食品中に存在させることにより、相乗作用によって食物繊維として要求される粘度を達成するが、各々の溶液は粘度が低く取り扱いが容易となる。
上記溶液の粘度は、溶液の状態においてゲル化しない粘度であれば、とくに限定されない。
本発明の粘度安定組成物用添加剤は、ナトリウム塩と大麦ベータファイバーを含有するものであればよく、これらの混合物をそのまま用いるか、あるいは、これら以外の成分として希釈剤、担体またはその他の添加物を含有していてもよい。
希釈剤または担体としては、本発明の効果を妨げないものであれば特に制限されず、例えばシュクロース、グルコース、デキストリン、澱粉類、サイクロデキストリン、トレハロース、乳糖、マルトース、水飴、液糖などの糖類;エタノール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類;ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール等の糖アルコール類;カラギナン、ローカストビーンガム、ペクチン、プルラン等の多糖類;または水を挙げることができる。また添加剤としては、抗酸化剤、キレート剤等の助剤、香料、香辛料抽出物、防腐剤などを挙げることができる。
本発明の粘度安定組成物用添加剤はその形態を特に制限するものではなく、例えば粉末状、顆粒状、錠剤状などの固体状;液状、乳液状等の溶液状;またはペースト状等の半固体状などの、任意の形態に調製することができる。
本発明の粘度安定組成物用添加剤は様々な粘度安定食品等に広く適応することができ、例えば飲食物、化粧品、医薬品、医薬部外品、飼料等をあげることができる。
なお、粘度安定食品とは、製造段階を問わず、いずれかの段階においてゲル化させることなく、所望の粘度を安定に呈するものをいう。
また、粘度安定食品組成物とは、例えば、粘度安定食品の原料がセットとなったものであって、家庭においてそれら材料を混合し、適宜水、砂糖等を加えてもよく、加熱、冷蔵する等して最終的な食品を得るようなものをいう。
本発明が対象とする飲食物としては、例えば乳酸菌調味料、果汁入り調味料、野菜入り調味料、野菜・果実混合風味付け調味料、粉末調味料、香辛料調味料、液体調味料、濃縮調味料、旨み調味料、みりんなどの調味料類;お好み焼き調味、たこ焼き調味等冷凍加工品、惣菜類;コンソメスープ、ポタージュスープ等のスープ類;浅漬け、醤油漬け、塩漬け、味噌漬け、粕漬け、麹漬け、糠漬け、酢漬け、芥子漬、もろみ漬け、梅漬け、福神漬、しば漬、生姜漬、梅酢漬け等の漬物類;セパレートドレッシング、ノンオイルドレッシング、ケチャップ、たれ、ソースなどのソース類;ホイップクリーム等の酪農・油脂製品類;等の種々の加工食品を挙げることができる。好ましくは調味料、惣菜、ソース及びスープ類である。
本発明の食品は、製造の任意の工程で本発明の粘度安定組成物用添加剤を配合することを除けば、各種飲食物の慣用の製造方法に従って製造することができる。粘度安定組成物用添加剤の配合方法やその順番に特にも制限はない。
本発明が対象とする化粧品としてはスキン化粧料(ローション、乳液、クリームなど)、口紅、日焼け止め化粧品、メークアップ化粧品等を;医薬品としては各種錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチ剤、うがい薬等を;医薬部外品としては歯磨き剤、口中清涼剤、口臭予防剤等を;また飼料としてはキャットフードやドッグフード等の各種ペットフード、観賞魚若しくは養殖魚の餌等を一例として挙げることができるが、これらに制限されるものではない。
これらの化粧品、医薬品、医薬部外品または飼料などの各種製品は、それら製造の任意の工程で本発明の粘度安定組成物用添加剤を配合することを除けば、各種製品の慣用方法に従って製造することができる。化粧品、医薬品、医薬部外品または飼料に対する粘度安定組成物用添加剤の配合時期も特に制限されない。
本発明によると、食物繊維を溶液に用いる場合、食品をゲル化させることなく高粘度においても粘度を安定させ、かつ、工業的に容易に製造することができる食品添加剤を提供することができる。
また、本発明によると、製造工程の最終段階までは粘度は高くならず、取扱いが容易で簡便な設備で済み、しかし最終段階においては高粘度を実現するという、相反するような課題を解決し、高粘度の食品を工業的に容易に製造することができる食品添加剤を提供するができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、特に記載のない限り「%」とは「質量%」を、「部」とは、「質量部」を意味するものとする。
実験例1
大麦ベータファイバー(カーギル社製)の添加量3%の添加で、食塩の添加量0〜10%と併用し、表1の配合割合で混合し、水にて全量100%とし、85℃で15分間加熱し溶解させた。その後、冷却水槽(5℃)で冷却し、室温(25℃)での粘度を測定した結果を表1に示す。粘度測定はビスコメーターTVB-10(Toki Sangyo社製)を用いて測定した。
Figure 2006223169
併用をしない溶液、即ち、大麦ベータファイバー3%の溶液及び食塩1〜10%の溶液のそれぞれについても粘度を測定した結果、大麦ベータファイバー単品に比べ、約1.1〜1.4倍の粘度を示し、シュドプラスチック粘性の安定な水溶液を得た。このことは、幅広い食塩濃度の範囲で、安定な粘度を付与することができることがわかる。
つまり、単独で用いた場合の粘度値は、約500mPa・s前後の値であったが、食塩を併用することによって相乗作用により400〜700mPa・s付近の粘度が得られていることがわかる。また、これらの溶液は一切ゲル化が認められなかった。
実施例1 コーンクリームスープ
バター50部を小麦粉(薄力粉)50部を加え、ルーを作り、これに牛乳400部を加える。さらに水1300部を加えて、ルーをのばし、スイートコーン260部、食塩12部、砂糖18部、旨み調味料9部、大麦ベータファイバー(カーギル社製)7部を加えて加熱しながら、煮詰める。
煮詰めたスープ150部をレトルト袋に充填し、115℃15分間殺菌する。得られたコーンクリームスープは、粘度1400mPa・sとなり、粘度低下のない、口当たりのよいスープを得ることができた。
実施例2 デミグラソース
牛脂35部と小麦粉35部を炒め、褐色のルーを調製する。また、にんじんペースト190部、タマネギペースト160部、にんにくペースト3部、タイム末1.5部、ローレル末0.8部、黒コショウ粉末1部に水700部を加え、沸騰1時間加熱し、布にてろ過する。このろ液をルーに添加し、L−グルタミン酸ナトリウムを含む旨み調味料80部とトマトピューレ250部を加え、大麦ベータファイバー(カーギル社製)25部を攪拌しながら加え、赤ワイン15部を加えて全量1000部とし、レトルト袋に100部充填し、121℃20分間のレトルト殺菌を行う。
上記デミグラソース100部に、サラダ油3で炒めたミンチ肉(牛豚合挽き)30部とタマネギのみじん切り40部の混合物に砂糖6部と食塩3部を混ぜ、全量で160部としたとき、大麦ベータファイバー2.5%と食塩濃度1.875%となり、適度な粘度(800mPa・s)のデミグラソースを得ることができた。
本発明によると、製造工程の最終段階までは粘度は高くならず、取扱いが容易で簡便な設備で済み、しかし最終段階においては高粘度を実現するという、相反するような課題を解決し、高粘度の食品を工業的に容易に製造することができる粘度安定組成物用添加剤を提供することができる。

Claims (6)

  1. ナトリウム塩と大麦ベータファイバーを含むことを特徴とする粘度安定組成物用添加剤。
  2. 大麦ベータファイバー3質量部に対し、ナトリウム塩1〜20質量部の割合で配合したことを特徴とする請求項1記載の粘度安定組成物用添加剤。
  3. ナトリウム塩が食塩である請求項1乃至2記載の粘度安定組成物用添加剤。
  4. ナトリウム塩と大麦ベータファイバーとを共存させることを特徴とする食品の粘度安定方法。
  5. ナトリウム塩と大麦ベータファイバーとを共存させることにより調製される粘度安定食品。
  6. ナトリウム塩と大麦ベータファイバーとを共存させることにより調製される粘度安定食品組成物。

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