JP2006222140A - 熱拡散炉及び半導体用基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱拡散炉10は、炉心管11と、周囲から炉心管を加熱するヒーター12と、炉心管の炉口112近傍に嵌挿され炉口112近傍の炉心管11の内壁を保護する炉心管壁保護管15とを有する。このような熱拡散炉10では、キャリアガス中の過剰不純物は炉口112近傍において炉心管壁保護管15の内側表面に堆積して炉心管壁保護管15の表面で結晶化し、炉心管11の本体にはほとんど不純物が付着しない。従って、炉心管11本体の過剰不純物の結晶化による破損や劣化を防ぐことができ、炉心管11の寿命を延ばすことができる。なお炉心管壁保護管15は炉心管11に嵌挿されているだけなので、破損した場合の交換も容易に行え、熱拡散炉10における生産性を低下させることは無い。
【選択図】 図1
Description
このような半導体デバイスの製造工程におけるウエーハへの不純物の導入方法の1つとして、熱拡散法がある。熱拡散法では、アンチモン(Sb)、リン(P)あるいはボロン(B)等の不純物を、高精度に温度制御された高温雰囲気中(例えばアンチモン(Sb)をウエーハに導入する場合には1200℃程度)においてキャリアガスにより半導体基板上に輸送し、ウエハー内へ拡散させる。
図6に示す熱拡散炉90は、石英製の炉心管91及び炉心管91を加熱するためのヒーター92を有する。炉心管91の一方の端部付近は拡散対象の不純物Xを配置する領域となっており、炉心管91のその端部には、キャリアガスを炉心管91内に導入するガス供給口911が設けられている。炉心管91の他方の端部には、ウエーハWを出し入れする開口(炉口)912が設けられており、拡散処理対象の複数のウエーハWが載置されたボート93が図示せぬフォークにより支持され、この炉口912を介して炉心管91に出し入れされる。また、炉口912には、排気口961が形成されたシャッター96が設けられており、さらに炉口912の外部には、炉心管91からのガスを排気するためのスカベンジャー97が設けられている。
また、本発明の他の目的は、炉心管の寿命の長い熱拡散炉を用いて高い生産性で低コストに半導体用基板を製造する半導体用基板の製造方法を提供することにある。
好適には、炉心管壁保護管は、炉心管の炉口近傍であって、加熱装置により加熱が行われない区間を含むように、換言すれば炉心管の加熱装置により加熱される領域の炉口側の端部から炉口までの区間を含むように、前記炉心管の内部に配置される。
なお、炉心管本体の代わりに炉心管壁保護管を交換する必要があるが、炉心管壁保護管は炉心管本体に嵌挿されているだけの部材であり、破損した場合の交換も容易に行える。従って、炉心管壁保護管が破損したことによる生産性の低下やコストの増加は、炉心管本体が破損した場合の生産性の低下やコストの増加と比較して著しく少ないものである。
また、炉心管の寿命の長い熱拡散炉を用いて高い生産性で低コストに半導体用基板を製造する半導体用基板の製造方法を提供することができる。
図1は本実施形態の熱拡散炉の構成を模式的に示す図である。
また、図2は本発明に係る炉心管壁保護管の構造を示す図であり、図3は図1に示す熱拡散炉の炉口付近の構成を詳細に示す図であり、図4はスカベンジャーの構造を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の熱拡散炉10は横型の熱拡散炉であって、炉心管11、ヒーター(加熱装置)12、ボート13、炉心管壁保護管15、シャッター16及びスカベンジャー17を有する。
炉心管壁保護管15の外径は、炉心管壁保護管15の外周面と炉心管11の内壁との間の空間(隙間)がなるべく小さくなるように、炉心管11の内径に近いサイズとするのが好ましいが、一方で、炉心管壁保護管15を炉心管11の内壁に接触させずに炉心管11に嵌挿でき、さらに加熱により炉心管壁保護管15や炉心管11に膨張等の形状変化が生じても炉心管壁保護管15と炉心管11とが機械的に干渉することの無い程度の遊び(間隙)も必要である。従って、例えば図3に示すように、炉心管11の内径よりも若干小さい程度の外径とするのが好適である。
但し、たとえ炉心管壁保護管15が領域Rの全範囲を含むような長さでなくとも(それより短くても)、炉口112近傍の最も不純物が堆積(付着)し結晶化し易い領域に、ある程度の長さで配置されていれば、炉心管壁保護管15の役目は十分に達成できる。そのような構成でもよい。
スカベンジャー17は、炉心管11の炉口112外部に配置された排気室であり、側面の1つがシャッター16を介して炉心管11の炉口112に接続されている。この接続部においてシャッター16が開放されている時には、炉心管11の炉内空間がスカベンジャー17に対して開放された状態となる。また、熱拡散処理中とでシャッター16が閉まっている時には、排気口161を介して炉心管11内のガスがスカベンジャー17に排出される。
また、スカベンジャー17の炉心管11との接続面に対向する面には、ドア(オートドア)173(図4参照。図1には図示せず)が設けられており、炉心管11にボート13を出し入れする際に開放される。
ここでは、シリコン単結晶ウエーハWにアンチモン(Sb)を拡散させて、ウエーハW上にn型拡散層を形成する処理を例示して熱拡散炉10における熱拡散処理を説明する。
まず、熱拡散炉10のガス供給口111側の端部近傍の領域に、拡散源Xたる三酸化アンチモン(Sb2O3)を投入する。
また、アンチモン(Sb)を拡散させる所定枚数(複数)のシリコン単結晶ウエーハWをボート13上に載置し、図示せぬフォーク等により支持、搬送して、炉心管11内に投入する。
三酸化アンチモン(Sb2O3)は、600℃程度で昇華しガス化するので、これに合わせて炉心管11のガス供給口111より例えば窒素ガス等のキャリアガスを供給する。その結果、アンチモン(厳密には三酸化アンチモン(Sb2O3))を含む不純物ガスが、炉心管11の中心付近のボート13方向に流され、順次炉心管11の炉内全域に充満する。すなわち、炉心管11の炉内がアンチモンを含むガス雰囲気とされる。順次供給される不純物ガスに対応して、余剰なガスが排気口161からスカベンジャー17に排出され、さらに排気シャッター171及び排気管172を介して熱拡散炉10外に排出される。
この時、温度と時間を高精度に制御することにより、ウエーハW中に所望の不純物分布の層を精度よく形成することができる。
炉心管壁保護管15に付着、堆積した不純物(例えば、種々のアンチモン酸化物)は、炉心管壁保護管15の石英と反応して結晶化する。そして、熱拡散処理を繰り返すにつれて、炉心管壁保護管15に堆積し結晶化した不純物に起因して炉心管壁保護管15にひびや割れが生じる可能性が高くなる。
そこで熱拡散炉10においては、炉心管壁保護管15にひびや割れが生じる可能性が高くなったら、あるいは、実際に炉心管壁保護管15に破損が生じてしまったら、炉心管壁保護管15を新しい保護管に交換する。これにより、炉心管11の交換を必要とせずに継続的に熱拡散炉10による熱拡散処理を行うことができる。
また、このような効果により、製造される半導体用基板あるいは半導体デバイスの製造コストを低減することができる。
図5は、熱拡散炉10の炉心管11の寿命を示すグラフである。
図5は、A炉〜D炉の4つの熱拡散炉の炉心管本体の寿命(処理バッチ数)及び保護管を用いない場合の平均の炉心管の寿命(処理バッチ数)を示す図であり、各々、その寿命中における保護管無しでの処理バッチ数、1個目の保護管を装着しての処理バッチ数及び2個目の保護管を装着しての処理バッチ数を明示したものである。
A炉、B炉及びD炉は、当初は保護管を装着しないで処理を行った後、途中から保護管を装着して処理を行った炉である。D炉においては、1個目の保護管を装着して運用している間に炉心管が寿命となっているが、A炉及びB炉においては、2個目の保護管を装着して運用している際に炉心管が寿命となっている。図示のごとく、これらいずれの炉においても、全く保護管を装着せずに運用した場合と比較して、炉心管の寿命は延びている。特に、B炉については、300回のバッチ処理を行えており、全く保護管を装着しない場合と比較して寿命が1.5倍に延びている。これらの結果から、保護管の装着は炉心管の寿命の延長に有効であることがわかる。
なお、C炉の炉心管の寿命は、炉心管の割れによるものではなく、炉心管の内部天井から付着物が突出してきた(たれてきた)ために、大径のウエーハWの処理が不可能になったことが原因である。従って、C炉のように当初より保護管を装着して運用することにより、不純物の結晶化に起因して炉心管の寿命が短くなるという問題については、実際的に問題とならない状態に克服できたと言える。
11,91…炉心管
111,911…ガス供給口
112,912…炉口
12,92…ヒーター
13,93…ボート
15…炉心管壁保護管
16,96…シャッター
161…排気口
17,97…スカベンジャー
171…排気シャッター
172…排気管
173…オートドア
W…ウエーハ
X…不純物
Claims (3)
- 処理対象の基板を収容する炉心管と、
前記炉心管の周囲から当該炉心管の内部を加熱する加熱装置と、
前記炉心管の炉口近傍に嵌挿された管状部材であって、当該炉口近傍の前記炉心管の内壁を保護する炉心管壁保護管と
を有することを特徴とする熱拡散炉。 - 前記炉心管壁保護管は、前記炉心管の前記炉口近傍の前記加熱装置により加熱が行われない区間を少なくとも含むように前記炉心管の内部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の熱拡散炉。
- 基板を収容する炉心管と、前記炉心管の周囲から当該炉心管の内部を加熱する加熱装置と、前記炉心管の炉口近傍に嵌挿された管状部材であって当該炉口近傍の前記炉心管の内壁を保護する炉心管壁保護管とを有する熱拡散炉に基板を投入し、当該基板に所望の不純物の熱拡散を行う工程を含むことを特徴とする半導体用基板の製造方法。
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JP2005031857A JP2006222140A (ja) | 2005-02-08 | 2005-02-08 | 熱拡散炉及び半導体用基板の製造方法 |
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JP2006222140A true JP2006222140A (ja) | 2006-08-24 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012174838A (ja) * | 2011-02-21 | 2012-09-10 | Sankei Engineering:Kk | 成膜方法及び成膜装置 |
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2005
- 2005-02-08 JP JP2005031857A patent/JP2006222140A/ja active Pending
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