JP2004079845A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボート保持溝とウエハの擦れによるパーティクル発生を防止する。
【解決手段】複数枚のウエハ1を一括して処理する処理室14と、処理室14において複数枚のウエハ1を複数条の保持溝25の保持面25によってそれぞれ保持するボート21と、処理室14のウエハ1群を過熱するヒータユニット30とを備えているCVD装置において、保持面26のエッジ部に曲率半径が1mm以上のR面取り部27を形成する。
【効果】ウエハの反りが発生してもウエハの被保持面に保持面のエッジが擦れることがないため、ウエハに被着された被膜が剥離するのを防止でき、パーティクルの発生を防止できる。
【選択図】 図1
【解決手段】複数枚のウエハ1を一括して処理する処理室14と、処理室14において複数枚のウエハ1を複数条の保持溝25の保持面25によってそれぞれ保持するボート21と、処理室14のウエハ1群を過熱するヒータユニット30とを備えているCVD装置において、保持面26のエッジ部に曲率半径が1mm以上のR面取り部27を形成する。
【効果】ウエハの反りが発生してもウエハの被保持面に保持面のエッジが擦れることがないため、ウエハに被着された被膜が剥離するのを防止でき、パーティクルの発生を防止できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板処理装置、特に、半導体集積回路装置(以下、ICという。)の製造方法に使用される基板処理装置であって、半導体素子を含む集積回路が作り込まれる半導体ウエハ(以下、ウエハという。)を処理する基板処理装置に関し、例えば、ウエハにドープドポリシリコン(Doped−Poly Si )膜やノンドープドポリシリコン(NonDoped−Poly Si)膜や窒化シリコン(Si3 N4 )膜や酸化シリコン(SiOx)膜を堆積(デポジション)させる熱CVD装置に利用して有効なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ICの製造方法においては、ウエハにドープドポリシリコン膜やノンドープドポリシリコン膜や窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等のCVD膜を形成するのにバッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置が、広く使用されている。バッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置(以下、CVD装置という。)は、ウエハが搬入されるインナチューブおよびインナチューブを取り囲むアウタチューブから構成されて縦形に設置されたプロセスチューブと、プロセスチューブによって形成された処理室に成膜ガス等を供給するガス供給管と、処理室を真空排気する排気管と、プロセスチューブ外に敷設されて処理室を加熱するヒータユニットと、複数枚のウエハを複数段の保持溝によって保持して処理室に対して搬入搬出するボートとを備えており、複数枚のウエハがボートによって垂直方向に整列されて保持された状態で、予熱された処理室に下端の炉口から搬入(ボートローディング)され、処理室に成膜ガスがガス供給管から供給されるとともに、処理室が所定の熱処理温度にヒータユニットによって加熱されることにより、ウエハの上にCVD膜が堆積するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記したCVD装置において、ウエハが予熱された処理室にボートローディングされる際には、ウエハの温度がヒータに近い側である周辺部から上昇し遠い側である中央部が遅れて上昇することによるウエハ面内の温度差と、ウエハの自重との関係により、ウエハは凹形状に反ることが知られている。このウエハの反りに伴って、ボートのウエハ保持溝の保持面とウエハの下面における周辺部の被保持面とが擦れ合うため、前の工程で既にウエハの下面に被着された被膜が剥離される。剥離された被膜はパーティクルとなって保持溝の保持面から溢れ落ちて、直下のウエハにおけるICが作り込まれる面である上面に付着するため、ICの製造方法の歩留りを低下させる原因になる。
【0004】
本発明の目的は、基板の被保持面からのパーティクルの発生を防止することができる基板処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る基板処理装置は、基板を処理する処理室と、この処理室において前記基板を保持する基板支持具と、前記処理室の前記基板を加熱するヒータとを備えている基板処理装置において、
前記基板支持具の前記基板保持面のエッジ部に曲率半径が1mm以上のR面取り部が形成されていることを特徴とする。
【0006】
前記した手段によれば、基板支持具の基板保持面のエッジ部にR面取り部が形成されていることにより、基板の反りが発生しても基板の被保持面に基板支持具の基板保持面のエッジが擦れることがないため、基板の被膜が剥離するのを防止することができる。したがって、基板の被膜の剥離によるパーティクルの発生を未然に防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0008】
本実施の形態において、図1に示されているように、本発明に係る基板処理装置はCVD装置(バッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置)として構成されている。図1に示されたCVD装置は中心線が垂直になるように縦に配されて固定的に支持された縦形のプロセスチューブ11を備えており、プロセスチューブ11はインナチューブ12とアウタチューブ13とから構成されている。インナチューブ12は石英ガラスまたは炭化シリコン(SiC)が使用されて円筒形状に一体成形され、アウタチューブ13は石英ガラスまたは炭化シリコン(SiC)が使用されて円筒形状に一体成形されている。インナチューブ12は上下両端が開口した円筒形状に形成されており、インナチューブ12の筒中空部は基板支持具としてのボートによって垂直方向に整列した状態に保持された複数枚のウエハが搬入される処理室14を形成している。インナチューブ12の下端開口は被処理基板としてのウエハを出し入れするための炉口15を構成している。したがって、インナチューブ12の内径は取り扱うウエハの最大外径よりも大きくなるように設定されている。アウタチューブ13は内径がインナチューブ12の外径よりも大きく上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されており、インナチューブ12にその外側を取り囲むように同心円に被せられている。インナチューブ12の下端とアウタチューブ13の下端との間は円形リング形状に形成されたマニホールド16によって気密封止されており、マニホールド16がCVD装置の筐体31によって支持されることにより、プロセスチューブ11は垂直に据え付けられている。
【0009】
マニホールド16の側壁の上部には真空ポンプ等からなる排気装置(図示せず)に接続された排気管17が接続されており、排気管17はインナチューブ12とアウタチューブ13との間に形成された隙間からなる排気路18に連通した状態になっている。排気路18はインナチューブ12とアウタチューブ13との隙間によって横断面形状が一定幅の円形リング形状に構成されており、排気管17はマニホールド16に接続されているため、排気路18の最下端部に配置された状態になっている。マニホールド16の側壁の下部にはガス供給管19がインナチューブ12の炉口15に連通するように接続されており、ガス供給管19には成膜ガスや不活性ガスの供給源(図示せず)が接続されるようになっている。ガス供給管19によって炉口15に供給されたガスは、インナチューブ12の処理室14を流通して排気路18を通って排気管17によって排気される。マニホールド16の下端面には処理室14を閉塞するシールキャップ20が下側から当接されるようになっている。シールキャップ20はマニホールド16の外径と略等しい円盤形状に形成されており、プロセスチューブ11の外部に設備されたエレベータ(図示せず)によって垂直方向に昇降されるように構成されている。
【0010】
シールキャップ20の中心線上には被処理基板としてのウエハ1を保持するためのボート21が垂直に立脚されて支持されるようになっている。ボート21は全体的に炭化シリコンが使用されて構成されており、上下で一対の端板22、23と、両端板22、23間に架設されて垂直に配設された複数本(図示例では三本)の保持部材24とを備えている。各保持部材24には多数条の保持溝25が長手方向に等間隔に配されて互いに対向して開口するように刻設されており、図2に示されているように、各保持溝25の上向き面から構成された保持面26の外周縁辺(エッジ)にはR面取り部27が施されている。R面取り部27の曲率半径は後述する実験結果に基づいて、1mm以上に設定されている。ウエハ1は複数本の保持部材24相互間の同一の段の保持溝25に外周部を挿入されて、その下面における周辺部を保持面26によって受けられることによって保持される。各保持溝25によってそれぞれ保持された状態において、複数枚のウエハ1はボート21に水平にかつ互いに中心を揃えて整列させた状態になる。
【0011】
アウタチューブ13の外部にはプロセスチューブ11内を加熱するヒータユニット30が、アウタチューブ13の周囲を包囲するように同心円に設備されており、ヒータユニット30はプロセスチューブ11内を全体にわたって均一または予め設定された温度分布に加熱するように構成されている。ヒータユニット30はCVD装置の筐体31に支持されることにより垂直に据え付けられた状態になっている。
【0012】
次に、前記構成に係るCVD装置を使用したICの製造方法の熱処理(CVD法による成膜)工程を説明する。
【0013】
図1に示されているように、複数枚のウエハ1を整列させて保持したボート21はシールキャップ20の上にウエハ1群が並んだ方向が垂直になる状態で載置されて、エレベータによって差し上げられてインナチューブ12の炉口15から処理室14にボートローディングされて行き、シールキャップ20に支持されたままの状態で処理室14に存置される。この際、処理室14は熱処理温度よりも低く熱処理温度に上昇させ易い入炉温度(例えば、300〜600℃)に維持されている。また、ウエハ1の表面には例えばドープドポリシリコン膜等の膜2が前の成膜工程において被着されている。このドープドポリシリコン膜等の膜2は比較的に脆いために剥離し易い。
【0014】
シールキャップ20が上限に達して炉口15を気密シールした状態になると、処理室14の内部が所定の真空度(数十〜数万Pa)に排気管17によって排気され、処理室14が所定の熱処理温度(例えば、500〜800℃)にヒータユニット30によって昇温される。なお、熱処理温度と入炉温度が等しい場合は、昇温を省略することができる。次いで、処理ガス32が処理室14にガス供給管19によって供給される。供給された処理ガス32はインナチューブ12の処理室14を上昇し、上端開口からインナチューブ12とアウタチューブ13との隙間によって形成された排気路18に流出して排気管17から排気される。
【0015】
予め設定された熱処理時間が経過すると、シールキャップ20が下降されて処理室14の炉口15が開口されるとともに、ボート21に保持された状態でウエハ1群が炉口15からプロセスチューブ11の外部に搬出(ボートアンローディング)される。
【0016】
以上の熱処理工程において、ウエハ1が入炉温度に維持された処理室12にボートローディングされる際には、ウエハ1の温度はユニットヒータ30に近い側である周辺部から上昇し遠い側である中央部が遅れて上昇する状態になり、このウエハ1の面内の温度差とウエハ1の自重との関係により、ウエハ1は凹形状(中央部が下がり周辺部が上がった形状)に反る現象が起こる。このウエハ1の反りに伴って、ボート21の保持溝25の保持面26とウエハ1の下面における周辺部の被保持面とが擦れ合うため、前の工程で被着された脆弱なドープドポリシリコン膜等の膜2が剥離される危険性が発生する。剥離されたドープドポリシリコン膜等の膜2はパーティクルとなって保持溝25の保持面26から溢れ落ちて、直下のウエハ1におけるICが作り込まれる面である上面に付着するため、ICの製造方法の歩留りを低下させる原因になる。
【0017】
しかし、本実施の形態においては、保持溝25の保持面26のエッジ部にR面取り部27が形成されていることにより、ウエハ1の反りが発生しても、ウエハ1の被保持面が保持面26のエッジに擦れることがないため、前の工程でウエハ1に被着された脆弱なドープドポリシリコン膜等の膜が剥離するのを防止することができる。その結果、ドープドポリシリコン膜等の膜2の剥離によるパーティクルの発生を未然に防止することができるため、パーティクルの発生によるICの製造方法の歩留りの低下を防止することができる。
【0018】
図3はR面取り部の曲率半径とパーティクルの増加量との関係を示すグラフである。図3において、縦軸にはウエハに付着した0.18μmのパーティクルの個数が取られており、横軸には曲率半径の異なる面取り部がそれぞれ取られている。各面取り部における棒Tはボートのトップ部におけるウエハに付着したパーティクルの個数を示し、棒Cはボートのセンタ部におけるウエハに付着したパーティクルの個数を示し、棒Bはボートのボトム部におけるウエハに付着したパーティクルの個数を示している。なお、実験条件は各場合相互において同一であり、前述した熱処理工程に準じている。また、ボートは炭化シリコン製のものを使用した。また、ウエハには直径300mmのウエハが使用された。
【0019】
図3によれば、保持面のR面取り部の曲率半径が1mm以上になると、トップ部、センタ部およびボトム部のいずれの場合もパーティクルの個数が少なくなる(5個を下回る)ことが理解される。したがって、保持面26のR面取り部27の曲率半径は1mm以上に設定するのが好ましい。但し、R面取り部27の曲率半径を過度に大きく設定すると、保持面26のウエハ1を保持するための有効保持面積が小さくなり、ウエハ1に反りが発生すると、ウエハ1が保持面26から滑り落ちる危惧が発生するため、保持面26のR面取り部27の曲率半径はその危惧を回避可能な値(例えば、2mm)以下に設定する必要がある。なお、上記傾向は、特に、炭化シリコン製のボートを用いた場合に顕著となることが、この実験により確認されている。
【0020】
前記した実施の形態によれば、次の効果が得られる。
【0021】
1) 保持溝の保持面のエッジ部にR面取り部を形成することにより、ウエハの反りが発生しても、ウエハの被保持面が保持面のエッジに擦れるのを回避することができるため、前の工程でウエハに被着された脆弱なドープドポリシリコン膜等の膜が剥離するのを防止することができる。
【0022】
2) 前の工程でウエハに被着された膳弱なドープドポリシリコン膜等の膜の剥離を防止することにより、ドープドポリシリコン膜等の膜の剥離によるパーティクルの発生を未然に防止することができるため、パーティクルの発生によるICの製造方法の歩留りの低下を防止することができる。
【0023】
3) 保持面のR面取り部の曲率半径を1mm以上に設定することにより、トップ部、センタ部およびボトム部のいずれの位置においてもパーティクルの個数を減少させることができるため、ボートの全長にわたってパーティクルの発生を確実に防止することができる。
【0024】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0025】
例えば、CVD装置はアウタチューブとインナチューブとからなるプロセスチューブを備えたバッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置に限らず、アウタチューブだけのプロセスチューブを備えたものや、横形ホットウオール形減圧CVD装置、さらには、枚葉式CVD装置等の他のCVD装置であってもよい。
【0026】
さらに、基板処理装置はCVD装置に限らず、酸化や拡散だけでなくイオン打ち込み後のキャリア活性化や平坦化のためのリフローおよびアニール等の熱処理(thermal treatment )を施す熱処理装置(furnace )等の基板処理装置全般に適用することができる。
【0027】
前記実施の形態ではウエハに処理が施される場合について説明したが、処理対象はホトマスクやプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスクおよび磁気ディスク等であってもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板の被保持面からのパーティクルの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるCVD装置を示しており、(a)は正面断面図、(b)は(a)のb部の拡大断面図である。
【図2】ボートの保持溝を示す斜視図である。
【図3】R面取り部の曲率半径とパーティクルの増加量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…ウエハ(基板)、2…ドープドポリシリコン膜等の膜、11…プロセスチューブ、12…インナチューブ、13…アウタチューブ、14…処理室、15…炉口、16…マニホールド、17…排気管、18…排気路、19…ガス供給管、20…シールキャップ、21…ボート、22、23…端板、24…保持部材、25…保持溝、26…保持面、27…R面取り部、30…ヒータユニット、31…筐体、32…処理ガス。
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板処理装置、特に、半導体集積回路装置(以下、ICという。)の製造方法に使用される基板処理装置であって、半導体素子を含む集積回路が作り込まれる半導体ウエハ(以下、ウエハという。)を処理する基板処理装置に関し、例えば、ウエハにドープドポリシリコン(Doped−Poly Si )膜やノンドープドポリシリコン(NonDoped−Poly Si)膜や窒化シリコン(Si3 N4 )膜や酸化シリコン(SiOx)膜を堆積(デポジション)させる熱CVD装置に利用して有効なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ICの製造方法においては、ウエハにドープドポリシリコン膜やノンドープドポリシリコン膜や窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等のCVD膜を形成するのにバッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置が、広く使用されている。バッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置(以下、CVD装置という。)は、ウエハが搬入されるインナチューブおよびインナチューブを取り囲むアウタチューブから構成されて縦形に設置されたプロセスチューブと、プロセスチューブによって形成された処理室に成膜ガス等を供給するガス供給管と、処理室を真空排気する排気管と、プロセスチューブ外に敷設されて処理室を加熱するヒータユニットと、複数枚のウエハを複数段の保持溝によって保持して処理室に対して搬入搬出するボートとを備えており、複数枚のウエハがボートによって垂直方向に整列されて保持された状態で、予熱された処理室に下端の炉口から搬入(ボートローディング)され、処理室に成膜ガスがガス供給管から供給されるとともに、処理室が所定の熱処理温度にヒータユニットによって加熱されることにより、ウエハの上にCVD膜が堆積するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記したCVD装置において、ウエハが予熱された処理室にボートローディングされる際には、ウエハの温度がヒータに近い側である周辺部から上昇し遠い側である中央部が遅れて上昇することによるウエハ面内の温度差と、ウエハの自重との関係により、ウエハは凹形状に反ることが知られている。このウエハの反りに伴って、ボートのウエハ保持溝の保持面とウエハの下面における周辺部の被保持面とが擦れ合うため、前の工程で既にウエハの下面に被着された被膜が剥離される。剥離された被膜はパーティクルとなって保持溝の保持面から溢れ落ちて、直下のウエハにおけるICが作り込まれる面である上面に付着するため、ICの製造方法の歩留りを低下させる原因になる。
【0004】
本発明の目的は、基板の被保持面からのパーティクルの発生を防止することができる基板処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る基板処理装置は、基板を処理する処理室と、この処理室において前記基板を保持する基板支持具と、前記処理室の前記基板を加熱するヒータとを備えている基板処理装置において、
前記基板支持具の前記基板保持面のエッジ部に曲率半径が1mm以上のR面取り部が形成されていることを特徴とする。
【0006】
前記した手段によれば、基板支持具の基板保持面のエッジ部にR面取り部が形成されていることにより、基板の反りが発生しても基板の被保持面に基板支持具の基板保持面のエッジが擦れることがないため、基板の被膜が剥離するのを防止することができる。したがって、基板の被膜の剥離によるパーティクルの発生を未然に防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0008】
本実施の形態において、図1に示されているように、本発明に係る基板処理装置はCVD装置(バッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置)として構成されている。図1に示されたCVD装置は中心線が垂直になるように縦に配されて固定的に支持された縦形のプロセスチューブ11を備えており、プロセスチューブ11はインナチューブ12とアウタチューブ13とから構成されている。インナチューブ12は石英ガラスまたは炭化シリコン(SiC)が使用されて円筒形状に一体成形され、アウタチューブ13は石英ガラスまたは炭化シリコン(SiC)が使用されて円筒形状に一体成形されている。インナチューブ12は上下両端が開口した円筒形状に形成されており、インナチューブ12の筒中空部は基板支持具としてのボートによって垂直方向に整列した状態に保持された複数枚のウエハが搬入される処理室14を形成している。インナチューブ12の下端開口は被処理基板としてのウエハを出し入れするための炉口15を構成している。したがって、インナチューブ12の内径は取り扱うウエハの最大外径よりも大きくなるように設定されている。アウタチューブ13は内径がインナチューブ12の外径よりも大きく上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されており、インナチューブ12にその外側を取り囲むように同心円に被せられている。インナチューブ12の下端とアウタチューブ13の下端との間は円形リング形状に形成されたマニホールド16によって気密封止されており、マニホールド16がCVD装置の筐体31によって支持されることにより、プロセスチューブ11は垂直に据え付けられている。
【0009】
マニホールド16の側壁の上部には真空ポンプ等からなる排気装置(図示せず)に接続された排気管17が接続されており、排気管17はインナチューブ12とアウタチューブ13との間に形成された隙間からなる排気路18に連通した状態になっている。排気路18はインナチューブ12とアウタチューブ13との隙間によって横断面形状が一定幅の円形リング形状に構成されており、排気管17はマニホールド16に接続されているため、排気路18の最下端部に配置された状態になっている。マニホールド16の側壁の下部にはガス供給管19がインナチューブ12の炉口15に連通するように接続されており、ガス供給管19には成膜ガスや不活性ガスの供給源(図示せず)が接続されるようになっている。ガス供給管19によって炉口15に供給されたガスは、インナチューブ12の処理室14を流通して排気路18を通って排気管17によって排気される。マニホールド16の下端面には処理室14を閉塞するシールキャップ20が下側から当接されるようになっている。シールキャップ20はマニホールド16の外径と略等しい円盤形状に形成されており、プロセスチューブ11の外部に設備されたエレベータ(図示せず)によって垂直方向に昇降されるように構成されている。
【0010】
シールキャップ20の中心線上には被処理基板としてのウエハ1を保持するためのボート21が垂直に立脚されて支持されるようになっている。ボート21は全体的に炭化シリコンが使用されて構成されており、上下で一対の端板22、23と、両端板22、23間に架設されて垂直に配設された複数本(図示例では三本)の保持部材24とを備えている。各保持部材24には多数条の保持溝25が長手方向に等間隔に配されて互いに対向して開口するように刻設されており、図2に示されているように、各保持溝25の上向き面から構成された保持面26の外周縁辺(エッジ)にはR面取り部27が施されている。R面取り部27の曲率半径は後述する実験結果に基づいて、1mm以上に設定されている。ウエハ1は複数本の保持部材24相互間の同一の段の保持溝25に外周部を挿入されて、その下面における周辺部を保持面26によって受けられることによって保持される。各保持溝25によってそれぞれ保持された状態において、複数枚のウエハ1はボート21に水平にかつ互いに中心を揃えて整列させた状態になる。
【0011】
アウタチューブ13の外部にはプロセスチューブ11内を加熱するヒータユニット30が、アウタチューブ13の周囲を包囲するように同心円に設備されており、ヒータユニット30はプロセスチューブ11内を全体にわたって均一または予め設定された温度分布に加熱するように構成されている。ヒータユニット30はCVD装置の筐体31に支持されることにより垂直に据え付けられた状態になっている。
【0012】
次に、前記構成に係るCVD装置を使用したICの製造方法の熱処理(CVD法による成膜)工程を説明する。
【0013】
図1に示されているように、複数枚のウエハ1を整列させて保持したボート21はシールキャップ20の上にウエハ1群が並んだ方向が垂直になる状態で載置されて、エレベータによって差し上げられてインナチューブ12の炉口15から処理室14にボートローディングされて行き、シールキャップ20に支持されたままの状態で処理室14に存置される。この際、処理室14は熱処理温度よりも低く熱処理温度に上昇させ易い入炉温度(例えば、300〜600℃)に維持されている。また、ウエハ1の表面には例えばドープドポリシリコン膜等の膜2が前の成膜工程において被着されている。このドープドポリシリコン膜等の膜2は比較的に脆いために剥離し易い。
【0014】
シールキャップ20が上限に達して炉口15を気密シールした状態になると、処理室14の内部が所定の真空度(数十〜数万Pa)に排気管17によって排気され、処理室14が所定の熱処理温度(例えば、500〜800℃)にヒータユニット30によって昇温される。なお、熱処理温度と入炉温度が等しい場合は、昇温を省略することができる。次いで、処理ガス32が処理室14にガス供給管19によって供給される。供給された処理ガス32はインナチューブ12の処理室14を上昇し、上端開口からインナチューブ12とアウタチューブ13との隙間によって形成された排気路18に流出して排気管17から排気される。
【0015】
予め設定された熱処理時間が経過すると、シールキャップ20が下降されて処理室14の炉口15が開口されるとともに、ボート21に保持された状態でウエハ1群が炉口15からプロセスチューブ11の外部に搬出(ボートアンローディング)される。
【0016】
以上の熱処理工程において、ウエハ1が入炉温度に維持された処理室12にボートローディングされる際には、ウエハ1の温度はユニットヒータ30に近い側である周辺部から上昇し遠い側である中央部が遅れて上昇する状態になり、このウエハ1の面内の温度差とウエハ1の自重との関係により、ウエハ1は凹形状(中央部が下がり周辺部が上がった形状)に反る現象が起こる。このウエハ1の反りに伴って、ボート21の保持溝25の保持面26とウエハ1の下面における周辺部の被保持面とが擦れ合うため、前の工程で被着された脆弱なドープドポリシリコン膜等の膜2が剥離される危険性が発生する。剥離されたドープドポリシリコン膜等の膜2はパーティクルとなって保持溝25の保持面26から溢れ落ちて、直下のウエハ1におけるICが作り込まれる面である上面に付着するため、ICの製造方法の歩留りを低下させる原因になる。
【0017】
しかし、本実施の形態においては、保持溝25の保持面26のエッジ部にR面取り部27が形成されていることにより、ウエハ1の反りが発生しても、ウエハ1の被保持面が保持面26のエッジに擦れることがないため、前の工程でウエハ1に被着された脆弱なドープドポリシリコン膜等の膜が剥離するのを防止することができる。その結果、ドープドポリシリコン膜等の膜2の剥離によるパーティクルの発生を未然に防止することができるため、パーティクルの発生によるICの製造方法の歩留りの低下を防止することができる。
【0018】
図3はR面取り部の曲率半径とパーティクルの増加量との関係を示すグラフである。図3において、縦軸にはウエハに付着した0.18μmのパーティクルの個数が取られており、横軸には曲率半径の異なる面取り部がそれぞれ取られている。各面取り部における棒Tはボートのトップ部におけるウエハに付着したパーティクルの個数を示し、棒Cはボートのセンタ部におけるウエハに付着したパーティクルの個数を示し、棒Bはボートのボトム部におけるウエハに付着したパーティクルの個数を示している。なお、実験条件は各場合相互において同一であり、前述した熱処理工程に準じている。また、ボートは炭化シリコン製のものを使用した。また、ウエハには直径300mmのウエハが使用された。
【0019】
図3によれば、保持面のR面取り部の曲率半径が1mm以上になると、トップ部、センタ部およびボトム部のいずれの場合もパーティクルの個数が少なくなる(5個を下回る)ことが理解される。したがって、保持面26のR面取り部27の曲率半径は1mm以上に設定するのが好ましい。但し、R面取り部27の曲率半径を過度に大きく設定すると、保持面26のウエハ1を保持するための有効保持面積が小さくなり、ウエハ1に反りが発生すると、ウエハ1が保持面26から滑り落ちる危惧が発生するため、保持面26のR面取り部27の曲率半径はその危惧を回避可能な値(例えば、2mm)以下に設定する必要がある。なお、上記傾向は、特に、炭化シリコン製のボートを用いた場合に顕著となることが、この実験により確認されている。
【0020】
前記した実施の形態によれば、次の効果が得られる。
【0021】
1) 保持溝の保持面のエッジ部にR面取り部を形成することにより、ウエハの反りが発生しても、ウエハの被保持面が保持面のエッジに擦れるのを回避することができるため、前の工程でウエハに被着された脆弱なドープドポリシリコン膜等の膜が剥離するのを防止することができる。
【0022】
2) 前の工程でウエハに被着された膳弱なドープドポリシリコン膜等の膜の剥離を防止することにより、ドープドポリシリコン膜等の膜の剥離によるパーティクルの発生を未然に防止することができるため、パーティクルの発生によるICの製造方法の歩留りの低下を防止することができる。
【0023】
3) 保持面のR面取り部の曲率半径を1mm以上に設定することにより、トップ部、センタ部およびボトム部のいずれの位置においてもパーティクルの個数を減少させることができるため、ボートの全長にわたってパーティクルの発生を確実に防止することができる。
【0024】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0025】
例えば、CVD装置はアウタチューブとインナチューブとからなるプロセスチューブを備えたバッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置に限らず、アウタチューブだけのプロセスチューブを備えたものや、横形ホットウオール形減圧CVD装置、さらには、枚葉式CVD装置等の他のCVD装置であってもよい。
【0026】
さらに、基板処理装置はCVD装置に限らず、酸化や拡散だけでなくイオン打ち込み後のキャリア活性化や平坦化のためのリフローおよびアニール等の熱処理(thermal treatment )を施す熱処理装置(furnace )等の基板処理装置全般に適用することができる。
【0027】
前記実施の形態ではウエハに処理が施される場合について説明したが、処理対象はホトマスクやプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスクおよび磁気ディスク等であってもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板の被保持面からのパーティクルの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるCVD装置を示しており、(a)は正面断面図、(b)は(a)のb部の拡大断面図である。
【図2】ボートの保持溝を示す斜視図である。
【図3】R面取り部の曲率半径とパーティクルの増加量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…ウエハ(基板)、2…ドープドポリシリコン膜等の膜、11…プロセスチューブ、12…インナチューブ、13…アウタチューブ、14…処理室、15…炉口、16…マニホールド、17…排気管、18…排気路、19…ガス供給管、20…シールキャップ、21…ボート、22、23…端板、24…保持部材、25…保持溝、26…保持面、27…R面取り部、30…ヒータユニット、31…筐体、32…処理ガス。
Claims (2)
- 基板を処理する処理室と、この処理室において前記基板を保持する基板支持具と、前記処理室の前記基板を加熱するヒータとを備えている基板処理装置において、
前記基板支持具の前記基板保持面のエッジ部に曲率半径が1mm以上のR面取り部が形成されていることを特徴とする基板処理装置。 - 前記基板支持具は炭化シリコンが使用されて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
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JP2002239387A JP2004079845A (ja) | 2002-08-20 | 2002-08-20 | 基板処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004079845A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006339396A (ja) * | 2005-06-02 | 2006-12-14 | Kwansei Gakuin | イオン注入アニール方法、半導体素子の製造方法、及び半導体素子 |
JP2008277781A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-11-13 | Covalent Materials Corp | 縦型ウエハボート |
-
2002
- 2002-08-20 JP JP2002239387A patent/JP2004079845A/ja active Pending
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