JP2006221955A - 燃料電池のセパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池のセパレータにおいて、冷却媒体の圧力損失を低減し、効率良く燃料電池を冷却することを目的とする。
【解決手段】セパレータ25は、カソード対向プレート22アノード対向プレート23と中間プレート24とを備える。中間プレート24は、独立した複数個の第1の貫通部と、独立した第2の貫通部とをそなえる。複数の第1の貫通部は、発電領域DAを横断し両端が発電領域DAの外側に至る。第2の貫通部は、複数個の第1の貫通部の端部に近接して配置されている。カソード対向プレート22およびアノード対向プレート23は、第2の貫通部と第1の貫通部の端部とを含む領域と重なり合う第3の貫通部を備える。第2の貫通部と第3の貫通部と第1の貫通部の端部とによって冷却媒体マニホールドが形成され、第1の貫通部によって冷却媒体マニホールドと連通する冷却媒体流路65が形成される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、燃料電池のセパレータに関し、特に冷却媒体の給排に関する。
燃料電池、例えば、固体高分子型燃料電池は、電解質膜を挟んで対峙する2つの電極(酸素極と燃料極)に、水素を含有する燃料ガスと酸素を含有する酸化ガスとをそれぞれ供給することにより、電気化学反応が行なわれ、物質の持つ化学エネルギを直接電気エネルギに変換する。かかる燃料電池の主要な構造として、略平板状の膜電極接合体(MEA:Membrane-Electrode Assembly )およびセパレータを積層して、積層方向に締結する、いわゆるスタック構造のものが開発されている。
ところで、燃料電池は、上述の電気化学反応において発生した熱エネルギーや構成材料の電気抵抗によって発熱する。発熱による温度上昇は、燃料電池の性能を低下させる場合がある。例えば、固体高分子型燃料電池においては、電解質膜に含まれる水分量が温度上昇と共に減少し、ドライアップと呼ばれる不具合を招く場合がある。このため、燃料電池の性能向上のために、燃料電池を効率良く冷却することが求められる。
ここで、燃料電池のセパレータとして、アノード側のプレートと、カソード側のプレートと、両プレートに挟まれた中間プレートとから構成された3層構造を有するものが知られている(特許文献1)。この3層構造のセパレータでは、4角形のセパレータの2つの対角部分にセパレータを貫通する冷却媒体供給マニホールドと排出マニホールドを設けている。そして、中間プレートに燃料電池の発電領域を蛇行すると共に、両端が供給マニホールドおよび排出マニホールドにそれぞれ連通する一本の冷却媒体流路を設けている。
特開2004−6104号公報
しかしながら、上記従来の技術では、一本の冷却媒体流路を蛇行させており、また、マニホールド面積が狭いため、冷却媒体の圧力損失が増大し、冷却効率が悪化するという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、燃料電池のセパレータにおいて、冷却媒体の圧力損失を低減し、効率良く燃料電池を冷却することを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するために本発明の第1の態様は、膜電極接合体のカソード側との対向面を有するカソード対向プレートと、膜電極接合体のアノード側との対向面を有するアノード対向プレートと、前記アノード対向プレートと前記カソード対向プレートとに挟持される中間プレートとを備える燃料電池のセパレータを提供する。本発明の第1の態様に係るセパレータは、前記中間プレートは、前記膜電極接合体に対応する発電領域を横断し、端部が前記発電領域の外側に至ると共に、間隔をおいて並設されるそれぞれ独立した複数個の冷却媒体流路形成部であって、少なくとも前記端部を含む部分が厚さ方向に貫通する第1の貫通部である複数個の冷却媒体流路形成部と、厚さ方向に貫通し、前記発電領域の外側において複数個の前記第1の貫通部の端部に近接して配置される第2の貫通部と、を備え、前記カソード対向プレートおよび前記アノード対向プレートは、それぞれに、厚さ方向に貫通する第3の貫通部であって、前記第2の貫通部と複数個の前記第1の貫通部の端部とを含む前記中間プレートの領域に重なり合う第3の貫通部を備え、前記第3の貫通部と前記第2の貫通部と前記第1の貫通部の端部とによって、前記セパレータを貫通する冷却媒体マニホールドが形成され、前記冷却媒体流路形成部によって、前記アノード対向プレートと前記カソード対向プレートとの間に、前記冷却媒体マニホールドと連通する冷却媒体流路が形成されることを特徴とする。
本発明の第1の態様に係るセパレータは、複数本の冷却媒体流路を有するので冷却媒体の圧力損失を低減できる。さらに、第2の貫通部を設けることにより冷却媒体マニホールドにおける貫通面積を増大するので、より冷却媒体の圧力損失を低減できる。さらに、複数本の冷却媒体流路は、それぞれ独立した貫通部により形成されるので、複数本の冷却媒体流路を有するにも関わらず、中間プレートが2以上の部品に分離することがなく、組み立てが容易である。従って、本セパレータは、作製が容易であり、かつ、効率の良い冷却を実現可能である。
本発明の第1の態様に係るセパレータにおいて、前記冷却媒体流路形成部は、全部が前記第1の貫通部であっても良い。こうすれば、これらの冷却系は、3枚のプレートをそれぞれ厚さ方向に貫通する貫通部のみから構成されるので、さらに、作製が容易になる。
本発明の第1の態様に係るセパレータにおいて、前記冷却媒体流路形成部は、前記端部を含む一部が前記第1の貫通部であり、他の部分が厚さ方向に貫通せず底面を有する有底溝部であっても良い。冷却媒体流路形成部の一部を有底溝部にすることにより、セパレータの剛性を高めることができる。
本発明の第1の態様に係るセパレータにおいて、前記冷却媒体マニホールドは、冷却媒体が供給される冷却媒体供給マニホールドであり、前記第1の貫通部の端部は、前記冷却媒体流路の上流側に対応する端部であっても良く、前記冷却媒体マニホールドは、冷却媒体を排出する冷却媒体排出マニホールドであり、前記第1の貫通部の端部は、前記冷却媒体流路の下流側に対応する端部であっても良い。すなわち、上述の構造は、冷却媒体流路の供給側に適用しても良く、排出側に適用しても良い。もちろん、供給側と排出側の両側に適用しても良い。
本発明の第2の態様は、膜電極接合体のカソード側との対向面を有するカソード対向プレートと、膜電極接合体のアノード側との対向面を有するアノード対向プレートと、前記アノード対向プレートと前記カソード対向プレートとに挟持される中間プレートとを備える燃料電池のセパレータを提供する。本発明の第2の態様に係るセパレータは、前記カソード対向プレートと前記アノード対向プレートと前記中間プレートを厚さ方向に貫通する冷却媒体供給マニホールドと冷却媒体排出マニホールドとを備え、前記中間プレートは、一端が前記冷却媒体供給マニホールドと連通し他端が前記冷却媒体排出マニホールドと連通すると共に、前記膜電極接合体に対応する発電領域を横断する冷却媒体流路を形成する冷却媒体流路形成部であって、少なくとも一部は厚さ方向に貫通せず底面を有する有底溝部である冷却媒体流路形成部を複数個備えることを特徴とする。
本発明の第2の態様に係るセパレータは、複数本の冷却媒体流路を有するので冷却媒体の圧力損失を低減できる。さらに、冷却媒体流路は、少なくとも一部が有底溝部により形成されているので、複数本の冷却媒体流路を有するにも関わらず、中間プレートが2以上の部品に分離することがない。かつ、冷却媒体供給マニホールド内にリブ等を配置する必要がないので、貫通面積が増大し冷却媒体の圧力損失をさらに低減できる。したがって、本セパレータは、組み立てが容易で、かつ、効率の良い冷却を実現可能である。
本発明の第2の態様に係るセパレータにおいて、前記冷却媒体流路形成部は、全部が前記有底溝部であっても良く、一部が前記有底溝部であり、他の部分が厚さ方向に貫通する貫通部であっても良い。
本発明の第2の態様に係るセパレータにおいて、前記中間プレートの前記有底溝部の開口側の面が、前記アノード対向プレートと対向し、前記中間プレートの前記有底溝部の底面側の面が、前記カソード対向プレートと対向しても良い。こうすれば、カソード対向プレートと膜電極接合体間の接触性、導電性が向上し、燃料電池反応を律速するカソード側反応を促進することができる。
本発明の第2の態様に係るセパレータにおいて、前記中間プレートの前記有底溝部の開口側の面が、前記カソード対向プレートと対向し、前記中間プレートの前記有底溝部の底面側の面が、前記アノード対向プレートと対向しても良い。こうすれば、冷却媒体流路は、アノード対向プレートよりカソード対向プレートに近く配置されるので、発熱量の多いカソード側の冷却能をアノード側より大きくすることができる。
以下、本発明に係るセパレータについて、図面を参照しつつ、実施例に基づいて説明する。
A.第1実施例
・燃料電池およびセパレータの構成:
図1〜図3を参照して、実施例に係るセパレータおよび実施例に係るセパレータを用いて構成される燃料電池の概略構成について説明する。図1は、第1実施例に係るセパレータを用いて構成される燃料電池の外観構成を示す説明図である。図2は、第1実施例に係る燃料電池を構成するモジュールの概略構成を示す説明図である。図3は、第1実施例に係るセパレータの各構成部品およびシール一体型膜電極接合体(以下、膜電極接合体をMEA(Membrane-Electrode Assembly )ともいう。)の平面図である。
燃料電池10は、比較的小型で発電効率に優れる固体高分子型燃料電池である。燃料電池10は、モジュール20と、エンドプレート30と、テンションプレート31と、インシュレータ33と、ターミナル34とを備えている。モジュール20は、インシュレータ33およびターミナル34を挟んで、2枚のエンドプレート30によって挟持される。すなわち、燃料電池10は、モジュール20が、複数個積層された層状構造を有している。また、テンションプレート31がボルト32によって各エンドプレート30に結合されることによって、各モジュール20は、積層方向に所定の圧縮力で締結される。
燃料電池10には、電池反応に供される反応ガス(燃料ガスと酸化ガス)と、燃料電池10を冷却する冷却媒体が供給される。簡単に説明すると、燃料電池10のアノードには、高圧水素を貯蔵した水素タンク210から、配管250を介して、燃料ガスとしての水素が供給される。水素タンク210の代わりに、アルコール、炭化水素などを原料とする改質反応によって水素を生成しても良い。配管250には、水素の供給を調整するため、シャットバルブ220および調圧バルブ230が配置されている。燃料電池10のアノードから排出された水素は、配管260を介して配管250に戻され、再び燃料電池10に循環される。配管260上には、循環のための循環ポンプ240が配置されている。
燃料電池10のカソードには、エアポンプ310から、配管350を介して、酸化ガスとしての空気が供給される。燃料電池10のカソードから排出された空気は、配管360を介して大気中に放出される。燃料電池10には、さらに、ラジエータ420から、配管450を介して、冷却媒体が供給される。冷却媒体としては、水、エチレングリコール等の不凍水、空気等を用いることができる。燃料電池10から排出された冷却媒体は、配管460を介して、ラジエータ420に送られ、再び燃料電池10に循環される。配管460上には、循環のための循環ポンプ410が配置されている。
モジュール20は、図2に示すように、セパレータ25とシール一体型MEA21を交互に積層して構成される。
セパレータ25は、図2に示すように、シール一体型MEA21のカソード側に対向するカソード対向プレート22と、アノード側に対向するアノード対向プレート23と、カソード対向プレート22とアノード対向プレート23とに挟持される中間プレート24とを備えている。これらの3枚のプレートは重ね合わせて、ホットプレスすることにより接合されている。
ここで、セパレータ25において、燃料電池10を構成する際に、MEAに対応する領域、すなわち、MEAと対向して発電が行われる領域を発電領域と呼ぶこととする。図3において、カソード対向プレート22、アノード対向プレート23、中間プレート24の略中央部に点線で示した領域は、発電領域DAを示している。
カソード対向プレート22は、略四角形の金属製の薄板である。金属製の薄板は、高耐食性材料によって構成されている。例えば、チタン、チタン合金(チタン−パラジウム合金等)、SUS(ステンレス)板の表面に腐食防止のためのメッキを施したもの等を用いることができる。カソード対向プレート22は、図3(a)に示すように、MEAのカソード側と対向する発電領域DAが平面であり、酸化ガス流路は形成されていない。ここで、略四角形である発電領域の図3における上側の辺を第1の辺S1とし、第1の辺S1と向かい合う辺を第2の辺S2とする。さらに、第1の辺S1と隣接する左側の辺を第3の辺S3とし、第3の辺S3と向かい合う辺を第4の辺S4とする。これらの辺の呼び名は、後述するアノード対向プレート23における発電領域DAおよび中間プレート24における発電領域DAについても同様とする。
カソード対向プレート22は、複数個の酸化ガス供給孔225と、複数個の酸化ガス排出孔226とを有している。複数個の酸化ガス供給孔225は、発電領域DAの第1の辺S1に対応する端部に、第1の辺S1の全長に亘って、並んで配置されている。複数個の酸化ガス排出孔226は、発電領域DAの酸化ガス供給孔225とは反対側の端部、つまり、本実施例では発電領域DAの第2の辺S2に対応する端部に、第2の辺S2の全長に亘って、並んで配置されている。
カソード対向プレート22は、さらに、発電領域DAを囲む外側の領域(以下、外周部という。)において、セパレータ25を構成する際に各種マニホールドを形成する燃料ガス供給マニホールド形成部221aと、燃料ガス排出マニホールド形成部221bと、酸化ガス供給マニホールド形成部222aと、酸化ガス排出マニホールド形成部222bと、冷却媒体供給マニホールド形成部223aと、冷却媒体排出マニホールド形成部223bとを有している。これらの各種マニホールド形成部、酸化ガス供給孔225、酸化ガス排出孔226は、全てカソード対向プレート22を厚さ方向に貫通する貫通部として形成される。カソード対向プレート22は、これらの貫通部以外には特に構造を有していない平板である。カソード対向プレート22は、略四角形の金属薄板に打ち抜き加工を施すだけで作製される。
アノード対向プレート23は、カソード対向プレート22と同じ大きさの略四角形の金属製の薄板である。材料もカソード対向プレート22と同じ高耐食性材料を用いることができる。アノード対向プレート23は、図3(b)に示すように、カソード対向プレート22同様、MEAのアノード側と対向する発電領域DAが平面であり、燃料ガス流路は形成されていない。アノード対向プレート23は、複数個の燃料ガス供給孔237と、複数個の燃料ガス排出孔238とを有している。複数個の燃料ガス供給孔237は、発電領域DAの第3の辺に対応する端部の上側の部分に、並んで配置されている。複数個の燃料ガス排出孔238は、発電領域DAの第4の辺に対応する端部の下側の部分に、並んで配置されている。
アノード対向プレート23は、さらに、カソード対向プレート22と同じ位置に、燃料ガス供給マニホールド形成部231aと、燃料ガス排出マニホールド形成部231bと、酸化ガス供給マニホールド形成部232aと、酸化ガス排出マニホールド形成部232bと、冷却媒体供給マニホールド形成部233aと、冷却媒体排出マニホールド形成部233bとを有している。これらの各種マニホールド形成部、燃料ガス供給孔237、燃料ガス排出孔238は、全てアノード対向プレート23を厚さ方向に貫通する貫通部として形成される。アノード対向プレート23は、これらの貫通部以外には特に構造を有していない平板である。アノード対向プレート23は、カソード対向プレート22と同様に、略四角形の金属薄板に打ち抜き加工を施すだけで作製される。
ここで、カソード対向プレート22における冷却媒体供給マニホールド形成部223a、冷却媒体排出マニホールド形成部223b、および、アノード対向プレート23における冷却媒体供給マニホールド形成部233a、冷却媒体排出マニホールド形成部233bは、特許請求の範囲における第3の貫通部に相当する。
中間プレート24は、カソード対向プレート22およびアノード対向プレート23と同じ大きさの略四角形の金属製の薄板である。材料もカソード対向プレート22およびアノード対向プレート23と同じものを用いることができる。中間プレート24は、図3(c)に示すように、カソード対向プレート22およびアノード対向プレート23と同じ位置に、燃料ガス供給マニホールド形成部241aと、燃料ガス排出マニホールド形成部241bと、酸化ガス供給マニホールド形成部242aと、酸化ガス排出マニホールド形成部242bとを有している。
中間プレート24には、図3(c)に示すように、酸化ガス供給マニホールド形成部242aと一端が連通し、他端が発電領域DAの第1の辺S1に対応する端部に至る長孔である酸化ガス供給流路形成部245が複数個並んで形成されている。酸化ガス供給流路形成部245は、3つのプレートを接合したとき(以下、接合時という。)に、カソード対向プレート22の酸化ガス供給孔225と1対1で対応するように、酸化ガス供給孔225と同数個形成されている。
中間プレート24は、図3(c)に示すように、酸化ガス排出マニホールド形成部242bと一端が連通し、他端が発電領域DAの第2の辺S2に対応する端部に至る長孔である酸化ガス排出流路形成部246が複数個並んで形成されている。酸化ガス供給流路形成部245は、接合時にカソード対向プレート22の酸化ガス排出孔226と1対1で対応するように、酸化ガス排出孔226と同数個形成されている。
中間プレート24は、さらに、上述した酸化ガス供給流路形成部245および酸化ガス排出流路形成部246と同様の構造を有する要素として、一端が燃料ガス供給マニホールド形成部241aに連通し他端が発電領域DAの第3の辺S3に対応する端部に至る燃料ガス供給流路形成部247と、一端が燃料ガス排出マニホールド形成部241bと連通し他端が発電領域DAの第4の辺S4に対応する端部に至る燃料ガス排出流路形成部248とを、それぞれ複数個備えている。
中間プレート24は、さらに、図3(c)に示すように、厚さ方向に貫通する貫通部である複数個の冷却媒体流路形成部243cを有している。冷却媒体流路形成部243cは、発電領域DAの第3の辺S3に対応する端部から第4の辺S4に対応する端部まで横断する長孔形状を有しており、その両端は、発電領域DAの外側に至っている。複数個の冷却媒体流路形成部243cは、それぞれ独立した貫通部であり、図3(c)に示すように、第3の辺S3および第4の辺S4における所定範囲Rに亘って、所定間隔をあけて並設されている。所定範囲Rは、好ましくは第3の辺S3および第4の辺S4の全長の50%以上に設定され、さらに好ましくは70%以上に設定される。互いに隣接する冷却媒体流路形成部243c間のリブ部分は、燃料電池10を構成した際に、セパレータ25を挟んで隣接する2つの膜電極接合体を電気的に接続する機能(電子の流路としての機能)を果たす。
中間プレート24は、さらに、図3(c)に示すように、複数の冷却媒体流路形成部243cの図3における左側の端部に沿うように近接して、冷却媒体供給マニホールド形成部243aが配置されている。冷却媒体供給マニホールド形成部243aは、厚さ方向に貫通する独立した貫通部である。冷却媒体供給マニホールド形成部234aは、冷却媒体流路形成部243cに対応して、上述した所定範囲Rに亘って形成されている。同様に、中間プレート24は、複数の冷却媒体流路形成部243cの図3における右側の端部に沿うように近接して、冷却媒体排出マニホールド形成部243bが配置されている。冷却媒体排出マニホールド形成部243bは、厚さ方向に貫通する独立した貫通部である。冷却媒体排出マニホールド形成部243bは、冷却媒体供給マニホールド形成部243aと同様に、冷却媒体流路形成部243cに対応して、上述した所定範囲Rに亘って形成されている。
中間プレート24における上述した各種マニホールド形成部と、各種流路形成部は、全て中間プレート24を厚さ方向に貫通する貫通部として形成され、これらの貫通部以外の部分は、未加工のままの平板である。従って、中間プレート24は、カソード対向プレート22およびアノード対向プレート23と同様に、略四角形の金属薄板に打ち抜き加工を施すだけで作製される。
なお、上述した冷却媒体流路形成部243cは、特許請求の範囲における第1の貫通部に相当する。冷却媒体供給マニホールド形成部243aおよび冷却媒体排出マニホールド形成部243bは、特許請求の範囲における第2の貫通部に相当する。
シール一体型MEA21は、図3(d)に示すように、MEAとMEAの外周縁部に接合されたシール部50を備えている。MEAは、図2に示すように、イオン交換膜からなる電解質膜211と、電解質膜211の一方の面に配置された触媒層からなる電極(例えば、アノード、図示せず)と、電解質膜211の他方の面に配置された触媒層からなる電極(例えば、カソード、図示せず)と、各触媒層のセパレータ対向面に配置された拡散層212とを備えている。
シール部50は、例えば、シリコンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム等の樹脂材料が用いられる。シール部50は、金型のキャビティにMEAの外周端部を臨ませて、樹脂材料を射出成形することによって作製される。こうすることで、膜電極接合体21とシール部50とが隙間なく接合され、酸化ガスと燃料ガスが接合部から漏れ出すことを防止できる。シール部50は、カソード対向プレート22、アノード対向プレート23と同様に、酸化ガス供給マニホールド形成部501a、酸化ガス排出マニホールド形成部501b、燃料ガス供給マニホールド形成部502a、燃料ガス排出マニホールド形成部502b、冷却媒体供給マニホールド形成部503a、冷却媒体排出マニホールド形成部503bを有している。シール部50は、図2に示すように、燃料電池10を構成する際に、一方の面に当接する一のセパレータ25と他方の面に当接するセパレータ25との間をシール線SLにてシールしている。シール部50は、図3(d)に示すように、MEAの外周すなわち燃料電池10の発電領域DAの外周と、各マニホールドの外周を囲むようにシールしている。図3(d)では、図を見やすくするため、シール部50のセパレータ25と当接部を結ぶシール線SLのみを示している。
図4〜図6を参照して、セパレータ25に形成される各種流路およびマニホールドの構成について説明する。図4は、第1実施例に係るセパレータとシール一体型MEAを重ねた様子を示す平面図および断面図である。図5は、図4におけるB−B断面を示す断面図である。図6は、図4におけるD−D断面およびE−E断面を示す断面図である。また、上述した図2は、図4におけるA−A断面に対応している。
セパレータ25には、図4(a)においてハッチングで示すように、厚さ方向に貫通する各種反応ガスマニホールドが形成される。すなわち、上述したカソード対向プレート22、アノード対向プレート23、中間プレート24にそれぞれに形成された燃料ガス供給マニホールド形成部221a、燃料ガス供給マニホールド形成部231a、燃料ガス供給マニホールド形成部241aとによって、燃料ガス供給マニホールドが形成される。セパレータ25には、同様にして、燃料ガス排出マニホールド、酸化ガス供給マニホールド、酸化ガス排出マニホールドがそれぞれ形成される。
セパレータ25には、さらに、カソード対向プレート22、アノード対向プレート23、中間プレート24にそれぞれ形成された冷却媒体供給マニホールド形成部223a、233a、243aと、中間プレートにおける複数個の冷却媒体流路形成部243cの左側の端部とによって、図4(a)におけるハッチング部分がセパレータ25を貫通する冷却媒体供給マニホールドが形成される。図4(a)に示すように、カソード対向プレート22およびアノード対向プレート23に形成された冷却媒体供給マニホールド形成部223a、233aは、中間プレートに形成された冷却媒体供給マニホールド形成部243aより左右の巾が広い。そして、カソード対向プレート22およびアノード対向プレート23に形成された冷却媒体供給マニホールド形成部223a、233aは、中間プレート24において冷却媒体供給マニホールド形成部243aが形成された領域と接合時に重なり合う領域に加えて、中間プレート24において冷却媒体流路形成部243cの左側の端部に対応する領域と接合時に重なり合う領域に亘って形成されていることが解る。より具体的には、冷却媒体供給マニホールド形成部223a、233aの左端、上端、下端は、中間プレート24における冷却媒体供給マニホールド形成部243aの左端、上端、下端とそれぞれ一致する位置に形成されている。そして、冷却媒体供給マニホールド形成部223a、233aの右端は、中間プレート24における冷却媒体流路形成部243cの左端より右側に位置している。こうすることによって、冷却媒体供給マニホールドに供給された冷却媒体が、各冷却媒体流路に分配されるようになっている。
同様に、セパレータ25には、さらに、カソード対向プレート22、アノード対向プレート23、中間プレート24にそれぞれ形成された冷却媒体排出マニホールド形成部223b、233b、243bと、中間プレートにおける複数個の冷却媒体流路形成部243cの右側の端部とによって、図4(a)におけるハッチング部分がセパレータ25を貫通する冷却媒体排出マニホールドが形成される。冷却媒体排出マニホールドは、上述した冷却媒体供給マニホールドと左右対称の構造を有している。
さらに、断面の構成も交えて説明していく。まず各反応ガス(酸化ガスおよび燃料ガス)の流路について簡単に説明する。セパレータ25には、図4および図5に示すように、中間プレート24に形成された酸化ガス供給流路形成部245と、アノード対向プレート23における中間プレート24との当接面23aと、カソード対向プレート22における中間プレート24との当接面22aとによって、酸化ガス供給流路63が形成される。酸化ガス供給流路63は、一端が酸化ガス供給マニホールドと連通し、他端がカソード対向プレート22に形成された酸化ガス供給孔225と連通している。同様の構造によって、セパレータ25には、酸化ガス排出流路64が形成される。酸化ガス排出流路64は、一端が酸化ガス排出マニホールドと連通し、他端がカソード対向プレート22に形成された酸化ガス排出孔226と連通している(図5参照)。
図示は省略するが、図4(a)におけるC−C断面およびC'−C'断面は、図4に示すB−B断面と、同様の構造を有している。すなわち、セパレータ25には、図4(a)に示すC−C部において、上述した酸化ガス供給流路63と同様にして、燃料ガス供給マニホールドと燃料ガス供給孔237とを連通する燃料ガス供給流路61が形成される。そして、図4(a)におけるC'−C'部において、上述した酸化ガス排出流路64と同様にして、燃料ガス排出マニホールドと燃料ガス排出孔238とを連通する燃料ガス排出流路62が形成される。
次に冷却媒体の流路について説明する。セパレータ25には、図4および図6(b)に示すように、冷却媒体流路形成部243cと、アノード対向プレート23における中間プレート24との当接面23aと、カソード対向プレート22における中間プレート24との当接面22aとによって、冷却媒体流路65が形成される。冷却媒体流路65は、一端が冷却媒体供給マニホールドと連通し他端が冷却媒体排出マニホールドと連通している。ここで、中間プレートにおける冷却媒体供給マニホールド形成部243aは、形成される冷却媒体供給マニホールドの貫通部面積をなるべく広く確保して、冷却媒体の圧力損失を低減する機能を有するものである。このため、冷却媒体供給マニホールド形成部243aと冷却媒体流路形成部243cの端部との間にあるリブLB(図6(b)に示す断面図上で、冷却媒体供給マニホールド中にあるリブ)の巾は、強度が確保できる限り、極力細くすることが好ましい。すなわち、中間プレート24において、複数の冷却媒体流路形成部243cの左側の端部と冷却媒体供給マニホールド形成部243aとは、できる限り近接していることが好ましい。同様に、複数の冷却媒体流路形成部243cの右側の端部と冷却媒体排出マニホールド形成部243bとは、できる限り近接していることが好ましい。
ここで、図4(a)に示すように、冷却媒体供給マニホールドおよび冷却媒体排出マニホールドは、シール線SLで示すシール部50とセパレータ25との当接部のうち燃料電池10の発電領域DAの外周を囲む当接部(以下、発電領域外周シール部という。)の外側に位置している。そして、両マニホールドに連通する冷却媒体流路65は、発電領域DAを横断している。従って、冷却媒体流路65は、発電領域外周シール部をセパレータ25の内部からトンネルしている。図4(b)は、発電領域外周シール部上におけるセパレータ25およびシール一体型MEA21の切断面(図4(a)におけるsl2−sl2断面)を示している。図4(b)に示すように、この断面は、冷却媒体流路65が形成されている部分(空間部)と、緻密部Sとが交互に並んでいる。このように冷却媒体流路65を複数本に分けて緻密部Sを設けることによって、緻密部Sが支持体となり、シール圧によるカソード対向プレート22およびアノード対向プレート23の変形を抑制している。
なお、燃料ガス供給流路61、燃料ガス排出流路62、酸化ガス供給流路63、酸化ガス排出流路64も、同様に複数本に分けられて、発電領域外周シール部をセパレータ25の内部からトンネルしている。これによって、図4(b)および図4(c)に示すように、冷却媒体流路65と同様に、各流路間に緻密部Sが設けられている。
・燃料電池の動作:
同じく、図4〜図6を参照して、第1実施例に係るセパレータおよび第1実施例に係るセパレータを用いて構成される燃料電池10の動作について説明する。
燃料電池10に供給された酸化ガスは、図5において矢印で示すように、酸化ガス供給マニホールド−酸化ガス供給流路63−酸化ガス供給孔225という複数の経路を通って、カソード側の拡散層212に供給され、カソードにおいて電気化学反応に供される。その後、酸化ガスは、酸化ガス排出孔226−酸化ガス排出流路64−酸化ガス排出マニホールドを通って外部に排出される。
酸化ガスと同様にして、燃料電池10に供給された燃料ガスは、燃料ガス供給マニホールド−燃料ガス供給流路61−燃料ガス供給孔237という経路(上述した燃料ガス供給経路)を通って、アノード側の拡散層212に供給され、アノードにおいて電気化学反応に供される。その後、燃料ガスは、酸化ガスと同様にして、燃料ガス排出孔238−燃料ガス排出流路62−燃料ガス排出マニホールドを通って外部に排出される。
燃料電池10に供給された冷却媒体は、図6において矢印で示すように、まず、冷却媒体供給マニホールドに供給される。そして、冷却媒体供給マニホールド内に臨む冷却媒体流路65の端部から冷却媒体流路65内に流れ込む。冷却媒体流路65を流れる冷却媒体は、冷却媒体排出マニホールド内に臨む冷却媒体流路65の端部から冷却媒体排出マニホールドに排出される。そして、冷却媒体は、冷却媒体排出マニホールドからセパレータ25の外部に排出される。冷却媒体は、主として冷却媒体流路65内を流動中に燃料電池10の熱エネルギーを吸収して燃料電池10を冷却する。
以上説明した本実施例に係るセパレータ25は、複数本の冷却媒体流路65を有するので、冷却媒体流路が1つである場合と比較して冷却媒体の圧力損失を低減できる。また、1つの冷却媒体流路を蛇行させて発電領域全体を冷却する場合と比較して、短い冷却媒体流路65を複数用いる分、効率良く燃料電池10を冷却できる。すなわち、冷却媒体は、冷却媒体流路を流れる間に熱エネルギーを吸収して温度が上昇し、冷却媒体流路の下流側ほど、冷却性能が悪化する。このため、1つの長い冷却媒体流路を用いると、特に下流側の冷却性能が大きく悪化してしまう。
さらに、中間プレート24において、冷却媒体流路形成部243c以外に独立した貫通部として酸化ガス供給マニホールド形成部242aおよび酸化ガス排出マニホールド形成部242bを設け、冷却媒体供給マニホールドおよび冷却媒体排出マニホールドにおける貫通面積を増大させているで、より冷却媒体の圧力損失を低減できる。かつ、中間プレート24は、複数個の部品に分離することがないので、セパレータ25の組み立てが容易である。さらに、中間プレート24は、厚さ方向に貫通する貫通部のみを有する平板であるので、容易で生産性の高い加工法(例えば、打ち抜き加工)のみで作製することができる。この結果、本実施例に係るセパレータ25は、作製が容易であり、かつ、効率の良い冷却を実現できる。
理解の容易のため、図7を参照して、中間プレート24において独立した酸化ガス供給マニホールド形成部242aおよび酸化ガス排出マニホールド形成部242bを設けないセパレータ25を比較例として示す。図7は、比較例に係るセパレータ25の平面図である。酸化ガス供給マニホールド形成部242aおよび酸化ガス排出マニホールド形成部242bが形成されていない場合、図7に示すように隣接する冷却媒体流路形成部243c間のリブRBが酸化ガス供給マニホールドおよび酸化ガス排出マニホールドを横断する。この結果、酸化ガス供給マニホールドおよび酸化ガス排出マニホールドの貫通部(図7においてハッチングされた部分)の面積が減少してしまう。仮に、リブRBのうち、酸化ガス供給マニホールドを横断する部分をなくしてしまうと、リブRBは、中間プレート24は、リブ部分と、その他の部分とに分離してしまうことが解る。
また、発電領域DAの第3の辺S3および第4の辺S4の比較的広い所定範囲Rに亘って複数個の冷却媒体流路65を配置しているため、燃料ガス供給孔237や燃料ガス供給マニホールドが配置される範囲が狭くなっているが、これは、以下の理由から問題にはならない。燃料ガスである水素は、酸化ガスである空気中における酸素と比較して拡散速度が速い(拡散速度は、拡散係数および濃度勾配に主として依存する。水素は拡散係数が酸素の約4倍である。また、燃料ガスは、純水素(水素濃度約100%)を用いるのに対し、酸化ガスは空気(酸素濃度約20%)を用いる。このため、酸化ガス中の酸素の拡散速度は、燃料ガス中の水素と比較してかなり低いことがわかる。)。このため、発電領域DAの一辺の一部に燃料ガス供給孔237を形成すれば、十分に電池反応に必要な水素が供給可能である(燃料電池の電気化学反応は、酸素分子の拡散速度が遅いため、一般的に、カソードの3相界面における反応(2H+2e+(1/2)O→HO)に律速される。)。
・第1実施例の変形例:
上記第1実施例は、中間プレート24における冷却媒体流路形成部243cは、全部が厚さ方向に貫通する貫通部によって形成されているが、端部(マニホールドを形成する部分)以外の部分を、適宜、厚さ方向に貫通せず底面を有する有底溝部によって形成しても良い。こうすれば、中間プレート24の剛性が向上する。有底溝部は、例えば、ハーフエッチング加工によって形成することができる。
B.第2実施例:
図8および図9を参照して、第2実施例に係るセパレータ25について説明する。図8は、第2実施例に係るセパレータおよび中間プレートの平面図である。図9は、図8におけるF−F断面およびG−G断面を示す断面図である。なお、第2実施例に係るセパレータ25については、第1実施例に係るセパレータ25と共通の構成については、その説明を省略し、第1実施例に係るセパレータ25と異なる構成についてのみ説明する。
第2実施例に係るセパレータ25は、第1実施例に係るセパレータ25と同様に、3枚のプレート(カソード対向プレート22、アノード対向プレート23、中間プレート24)を接合して構成される。第2実施例に係るカソード対向プレート22およびアノード対向プレート23は、第1実施例に係るカソード対向プレート22およびアノード対向プレート23と同じであるので説明を省略する。
第2実施例に係る中間プレート24は、第1実施例に係る中間プレート24と同様に、冷却媒体供給マニホールド形成部243aおよび冷却媒体排出マニホールド形成部243bが形成されている。ただし、第2実施例において、冷却媒体供給マニホールド形成部243aは、図8(a)に示すように、第1実施例と異なり、カソード対向プレート22およびアノード対向プレート23における冷却媒体供給マニホールド形成部223a、233aと同じ位置および大きさを有している。
第2実施例に係る中間プレート24は、第1実施例に係る中間プレート24と同様に、発電領域DAを横断する複数の冷却媒体流路形成部243cを有している。ただし、第2実施例において、冷却媒体流路形成部243cは、厚さ方向に貫通せず底面を有する有底溝部HEとして形成される(図8(a)におけるa−a断面図参照)。そして、各冷却媒体流路形成部243cは、一端が冷却媒体供給マニホールド形成部243aと連通し、他端が冷却媒体排出マニホールド形成部243bと連通している。冷却媒体流路形成部243cは、例えば、ハーフエッチング加工により形成される。第2実施例に係る中間プレート24の他の構成は、第1実施例と同じであるので説明を省略する。
図9(b)に示すように、第2実施例に係るセパレータ25には、中間プレート24に形成された冷却媒体流路形成部243cと、アノード対向プレート23における中間プレート24との当接面23aとによって、冷却媒体流路65が形成される。冷却媒体流路65は、両端が冷却媒体供給マニホールドと冷却媒体排出マニホールドとに、それぞれ連通している。従って、冷却媒体は、図9(b)において矢印で示すように、セパレータ25内を流動し燃料電池10を冷却する。
ここで、中間プレート24は、有底溝部HEの開口側(溝が形成されている側)がアノード対向プレート23と対向し、有底溝部HEの底面側(フラットな側)がカソード対向プレート22と対向している。こうすれば、フラットな面をカソード対向プレート22と対向させることにより、燃料電池10を構成する際にセパレータ25とMEAのカソード側との接触性および導電性を向上することできる。燃料電池の電気化学反応は、上述のとおり、カソードの3相界面における反応(2H+2e+(1/2)O→HO)に律速されるため、カソード側の接触性および導電性を向上させカソード反応を促進すると、電池性能が向上する。
第2実施例に係るセパレータは、図8(b)および図9に示すように、冷却媒体供給マニホールドおよび冷却媒体排出マニホールド内にリブが全く存在しないので、これらのマニホールドの貫通部面積が第1実施例以上に増大する。このため、冷却媒体の圧力損失を低減できる。さらに、有底溝部HEによって冷却媒体流路形成部243cが形成されているので、中間プレート24が2以上の部分に分離することもない。
さらに、有底溝部HEによって、冷却媒体流路形成部243が組み付け時等に変形して形成される冷却媒体流路65が閉塞したりすることを抑制できる。これによって、冷却媒体流路65を自由な配置で形成することができる。例えば、貫通部により流路を形成する場合より、より細くまたはより長い冷却媒体流路65を形成することも可能となる。
・第2実施例の変形例:
図10および図11を参照して、第2実施例の変形例に係るセパレータ25について説明する。図10は、本変形例に係るセパレータおよび中間プレートの平面図である。図11は、図10におけるH−H断面およびI−I断面を示す断面図である。
上述した第2実施例に係る中間プレート24においては、冷却媒体流路形成部243cの全部を有底溝部HEとして形成したが、図10(a)に示すように冷却媒体流路形成部243cの一部を有底溝部HEとして形成し、一部を貫通部HRとして形成しても良い。本変形性に係る中間プレート24の冷却媒体流路形成部243cは、例えば、貫通部HRを打ち抜き加工によって形成した後、有底溝部HEをハーフエッチング加工することによって形成される。
本変形例においても、図10(b)および図11に示すように、冷却媒体供給マニホールドおよび冷却媒体排出マニホールド内にリブが全く存在しない。また、一部が有底溝部HEで形成されているので、中間プレート24が2以上の部分に分離することもない。従って、上述した第2実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
本変形例に係る中間プレート24においては、冷却媒体流路形成部243cの両端部および中央部を有底溝部HEとしているが、もちろん、両端部だけを有底溝部HEしても良いし、変形防止のため、さらに、有底溝部HEを増やしても良い。
上述した第2実施例係る中間プレート24は、有底溝部HEの開口側(溝が形成されている側)がアノード対向プレート23と対向し、有底溝部HEの底面側(フラットな側)がカソード対向プレート22と対向しているが、これとは逆に、有底溝部HEの開口側(溝が形成されている側)がカソード対向プレート22と対向し、有底溝部HEの底面側(フラットな側)がアノード対向プレート23と対向しても良い。こうすれば、形成される冷却媒体流路65がアノードよりカソードに近く形成されるので、より発熱量の多いカソードに対する冷却能をアノードに対する冷却能より大きくすることができる。
以上、本発明の実施例および変形例について説明したが、本発明はこれらの実施例および変形例になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様での実施が可能である。
第1実施例に係るセパレータを用いて構成される燃料電池の外観構成を示す説明図。 第1実施例に係る燃料電池を構成するモジュールの概略構成を示す説明図。 第1実施例に係るセパレータの各構成部品およびシール一体型MEAの平面図。 第1実施例に係るセパレータとシール一体型MEAを重ねた様子を示す平面図および断面図。 図4におけるB−B断面を示す断面図。 図4におけるD−D断面およびE−E断面を示す断面図。 比較例に係るセパレータの平面図 第2実施例に係るセパレータおよび中間プレートの平面図。 図8におけるF−F断面およびG−G断面を示す断面図。 第2実施例の変形例に係るセパレータおよび中間プレートの平面図。 図10におけるH−H断面およびI−I断面を示す断面図。
符号の説明
10...燃料電池
20...モジュール
21...シール一体型MEA
211...電解質膜
212...拡散層
22...カソード対向プレート
221a...燃料ガス供給マニホールド形成部
221b...燃料ガス排出マニホールド形成部
222a...酸化ガス供給マニホールド形成部
222b...酸化ガス排出マニホールド形成部
223a...冷却媒体供給マニホールド形成部
223b...冷却媒体排出マニホールド形成部
225...酸化ガス供給孔
226...酸化ガス排出孔
23...アノード対向プレート
231a...燃料ガス供給マニホールド形成部
231b...燃料ガス排出マニホールド形成部
232a...酸化ガス供給マニホールド形成部
232b...酸化ガス排出マニホールド形成部
233a...冷却媒体供給マニホールド形成部
233b...冷却媒体排出マニホールド形成部
237...燃料ガス供給孔
238...燃料ガス排出孔
24...中間プレート
241a...燃料ガス供給マニホールド形成部
241b...燃料ガス排出マニホールド形成部
242a...酸化ガス供給マニホールド形成部
242b...酸化ガス排出マニホールド形成部
243a...冷却媒体供給マニホールド形成部
243b...冷却媒体排出マニホールド形成部
243c...冷却媒体流路形成部
25...セパレータ
30...エンドプレート
31...テンションプレート
32...ボルト
33...インシュレータ
34...ターミナル
50...シール部
501a...酸化ガス供給マニホールド形成部
501b...酸化ガス排出マニホールド形成部
502a...燃料ガス供給マニホールド形成部
502b...燃料ガス排出マニホールド形成部
503a...冷却媒体供給マニホールド形成部
503b...冷却媒体排出マニホールド形成部
61...燃料ガス供給流路
62...燃料ガス排出流路
63...酸化ガス供給流路
64...酸化ガス排出流路
65...冷却媒体流路
210...水素タンク
220...シャットバルブ
230...調圧バルブ
240、410...循環ポンプ
250、260、350、360、450、460...配管
310...エアポンプ
420...ラジエータ
SL...シール線
DA...発電領域
RB...リブ

Claims (10)

  1. 膜電極接合体のカソード側との対向面を有するカソード対向プレートと、膜電極接合体のアノード側との対向面を有するアノード対向プレートと、前記アノード対向プレートと前記カソード対向プレートとに挟持される中間プレートとを備える燃料電池のセパレータであって、
    前記中間プレートは、
    前記膜電極接合体に対応する発電領域を横断し、端部が前記発電領域の外側に至ると共に、間隔をおいて並設されるそれぞれ独立した複数個の冷却媒体流路形成部であって、少なくとも前記端部を含む部分が厚さ方向に貫通する第1の貫通部である複数個の冷却媒体流路形成部と、
    厚さ方向に貫通し、前記発電領域の外側において複数個の前記第1の貫通部の端部に近接して配置される第2の貫通部と、
    を備え、
    前記カソード対向プレートおよび前記アノード対向プレートは、それぞれに、
    厚さ方向に貫通する第3の貫通部であって、前記第2の貫通部と複数個の前記第1の貫通部の端部とを含む前記中間プレートの領域に重なり合う第3の貫通部
    を備え、
    前記第3の貫通部と前記第2の貫通部と前記第1の貫通部の端部とによって、前記セパレータを貫通する冷却媒体マニホールドが形成され、
    前記冷却媒体流路形成部によって、前記アノード対向プレートと前記カソード対向プレートとの間に、前記冷却媒体マニホールドと連通する冷却媒体流路が形成されるセパレータ。
  2. 請求項1に記載のセパレータにおいて、
    前記冷却媒体流路形成部は、全部が前記第1の貫通部であるセパレータ。
  3. 請求項1に記載のセパレータにおいて、
    前記冷却媒体流路形成部は、前記端部を含む一部が前記第1の貫通部であり、他の部分が厚さ方向に貫通せず底面を有する有底溝部であるセパレータ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のセパレータにおいて、
    前記冷却媒体マニホールドは、
    冷却媒体が供給される冷却媒体供給マニホールドであり、
    前記第1の貫通部の端部は、前記冷却媒体流路の上流側に対応する端部であるセパレータ。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のセパレータにおいて、
    前記冷却媒体マニホールドは、
    冷却媒体を排出する冷却媒体排出マニホールドであり、
    前記第1の貫通部の端部は、前記冷却媒体流路の下流側に対応する端部であるセパレータ。
  6. 膜電極接合体のカソード側との対向面を有するカソード対向プレートと、膜電極接合体のアノード側との対向面を有するアノード対向プレートと、前記アノード対向プレートと前記カソード対向プレートとに挟持される中間プレートとを備える燃料電池のセパレータであって、
    前記カソード対向プレートと前記アノード対向プレートと前記中間プレートを厚さ方向に貫通する冷却媒体供給マニホールドと冷却媒体排出マニホールドとを備え、
    前記中間プレートは、
    一端が前記冷却媒体供給マニホールドと連通し他端が前記冷却媒体排出マニホールドと連通すると共に、前記膜電極接合体に対応する発電領域を横断する冷却媒体流路を形成する冷却媒体流路形成部であって、少なくとも一部は厚さ方向に貫通せず底面を有する有底溝部である冷却媒体流路形成部を複数個備えるセパレータ。
  7. 請求項6に記載のセパレータにおいて、
    前記冷却媒体流路形成部は、全部が前記有底溝部であるセパレータ。
  8. 請求項6に記載のセパレータにおいて、
    前記冷却媒体流路形成部は、一部が前記有底溝部であり、他の部分が厚さ方向に貫通する貫通部であるセパレータ。
  9. 請求項6ないし請求項8のいずれかに記載のセパレータにおいて、
    前記中間プレートの前記有底溝部の開口側の面が、前記アノード対向プレートと対向し、
    前記中間プレートの前記有底溝部の底面側の面が、前記カソード対向プレートと対向するセパレータ。
  10. 請求項6ないし請求項8のいずれかに記載のセパレータにおいて、
    前記中間プレートの前記有底溝部の開口側の面が、前記カソード対向プレートと対向し、
    前記中間プレートの前記有底溝部の底面側の面が、前記アノード対向プレートと対向するセパレータ。
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