JP2006221719A - Prml復号装置、prml復号方法、再生装置 - Google Patents

Prml復号装置、prml復号方法、再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 PRML復号装置にて設定される各基準レベルに対して再生信号値の分布にズレが生じてしまう場合にも正確な2値化を行うことができるようにする。
【解決手段】 例えば記録媒体に対して記録されることが規定されている所定の固定パターンデータに対し、採用されるPRのクラスで想定される符号間干渉を再現するように演算を施すことで、上記固定パターンデータをそのPRで想定される基準レベルで表現した理想値に変換する(基準レベル選択信号)。このような基準レベル選択信号により、実際に記録媒体から再生される固定パターンデータの再生信号の各値を基準レベルごとに振り分けることができる。基準レベルごとに振り分けられた再生信号値に基づいて基準レベルを調整すれば、再生信号値の分布に応じた基準レベルを生成することができ、これによって再生信号値の分布にずれが生じた場合にも正確な2値化を行うことが可能となる。
【選択図】図9

Description

本発明は、パーシャルレスポンス最尤(PRML)復号処理を行うためのPRML復号装置、及びPRML復号方法に関する。また、PRMLによる復号処理を行う再生装置に関する。
近年、光ディスクの記録情報の密度が高まるにつれて、アナログの2値信号を用いたビット検出では十分に小さなビットエラーレートが確保できないことが判明し、現在、特に高記録密度ディスクでは、ビット検出方法としてパーシャルレスポンス最尤(PRML:Partial Response Maximum Likelihood)検出とよばれる手法を用いるのが一般的となってきている。
周知のようにPRMLとは、パーシャルレスポンスという過程と最尤検出という技術を組み合わせた技術である。
パーシャルレスポンスとは、1ビットの入力に対して、1ビットよりも長く出力を返す過程、すなわち、出力を複数の入力値から決定する過程のことをいう。例えば光ディスクから記録データを再生する場合、特に高記録密度とされる場合には再生信号に符号間干渉が生じることが知られているが、PRではこのような符号間干渉を積極的に利用して2値化を行うようにされる。具体的に、符号間干渉が生じた再生信号としては、例えば連続する4ビットの情報ビットの入力に対してこれらを順に(1、2、2、1)を乗じて加算した信号として得られると想定するものがある。このような関係を利用して再生信号から記録データ(2値化データ)を復元する過程は、PR(1,2,2,1)と表現される。
また、最尤検出とは、2つの信号の間にユークリッド距離とよばれる距離を定義して、実際の再生信号と、想定されるビット系列から予想される再生信号(理想信号)との間の距離を調べて、その距離が最も近くなるようなビット系列を検出する方法である。なお、ここでユークリッド距離とは、同じ時刻での2つの信号の振幅差の二乗を全時刻にわたって加算した距離として定義される距離である。また、この距離を最小とするビット系列の探索にはビタビ検出を用いるようにされる。
なお、関連する先行文献として、例えば以下の特許文献にはこのようなPRML復号による2値化処理を行う構成が示されている。
特開平10−21651号公報
ここで、PRMLでは、再生信号に生じる符号間干渉は予測できるものであることを前提に復号動作が行われる。このために、PRML復号を行う場合には、記録媒体から実際に読み出される再生信号が、採用されるPRのクラスで想定される符号間干渉が生じたときの波形に近づくように波形等化処理を行うようにされるのが通常である。
この際、設定される波形等化特性は、基本的に(1+D)nにより表されるパーシャルレスポンス特性を基とした上で、記録媒体の信号記録密度や記録再生系の諸特性等に応じたものが設定されることになる。つまりは、この波形等化処理によって、PRML復号器に入力される再生信号が、想定される符号間干渉が生じたものにより近づくようにされている。
このように波形等化処理が為された再生信号は、所定間隔のサンプリングポイントでサンプリングされて、その値がPRML復号器に入力されて復号処理に用いられる。
この場合、サンプリングされた再生信号の値は、上記波形等化処理が施されたことで理想的にはそのPRのクラスで想定する各基準レベルのうちのいずれかの値を採るべきものとなる。但し、実際には再生信号に生じるノイズの影響により、当然のことながら再生信号の各値はPRML復号器にて設定される各基準レベルと完全に一致して得られるものとはならない。PRMLでは、このようなノイズ等による各基準レベルと再生信号の各値とのずれも想定した上での復号(2値化)を行うものである。
具体的にPRML復号では、通常、復号器に設定される各基準レベルに対して、再生信号からサンプリングされる各値が白色雑音のようなガウシアン分布を行うものとして想定している。つまりは、ノイズによる再生信号の各値の分布が、そのPRのクラスに応じて設定される各基準レベルを平均値としたような正規なものであれば、正常に2値化動作を行うことができる。
しかしながら、実際において再生信号の各値は、例えば記録媒体の固体ごとのバラツキ等によっては、復号器に設定される各基準レベルに対して正規分布しなくなる場合がある。
また、特に記録媒体に対して磁気記録を行う場合では、さらに磁気ヘッドでの漏れ磁界等によるアシンメトリによっても基準レベルと再生信号の各値の分布とにずれが生じてしまう場合がある。
このことを、次の図16(a)図16(b)を用いて説明する。
これら図16(a)(b)では、記録媒体からの再生信号をアイパターンによって示している。また、図中の基準レベルA〜基準レベルEは、PRML復号器にて2値化処理を行うために設定される各基準レベルの値を示している。
先ず、図16(a)は、所定のPRのクラスに応じた各基準レベルを平均値として、再生信号が正規分布して得られている場合の例を示している。すなわち、再生信号がPRMLで想定する理想的な状態で得られている場合の例を示すものである。
このように再生信号が理想的に得られる場合では、図のような所定のタイミングで再生信号の振幅レベルをサンプリングしていくと、再生信号は、そのPRで想定される各基準レベルを平均値として分布するものとなる。つまり、図中の右端部の分布度数に示されるように、再生信号値の各分布は、対応する基準レベルで最も度数が高くなるようにされている。
一方で、図16(b)では、想定した各基準レベルと再生信号値の各分布とにズレが生じてしまっている例を示している。
すなわち、図示されるようにしてこの場合は再生信号値の各分布の度数ピーク(つまりその値の平均値)が、それぞれ対応する基準レベルからずれてしまっており、想定した基準レベルと平均値とが一致していない状態となり、想定した基準レベルからみると分布が正規分布をしていない状態となっている。
ここで、上記のようにして復号器に設定される各基準レベルに対し、再生信号の値の各分布にずれが生じてしまった場合には、当然のことながらPRML復号器にて演算されるブランチメトリックの値に誤りが生じてしまう可能性がある。そして、このように2値化処理にあたって必要なブランチメトリックの値に誤りが生じれば、2値化信号にも誤りが生じて再生エラーレートの悪化につながることになる。
本発明は上記問題点に鑑み、PRML復号装置にて設定される各基準レベルに対する再生信号値の各分布にズレが生じてしまう場合にも正確な2値化を行うことができるようにすることを目的としている。
そして、この目的の達成のため、先ず本発明では、PRML復号装置としては以下のように構成することとした。
つまり、先ず、固定パターンデータを含むようにされたデータ信号を入力する入力手段と、上記入力手段により入力される上記データ信号について所定のパーシャルレスポンスのクラスに応じた波形等化処理を施す波形等化手段とを備える。
また、上記所定のパーシャルレスポンスのクラスに応じた各基準レベルデータが設定され、上記波形等化手段を介して入力される上記データ信号について上記基準レベルデータを用いたパーシャルレスポンス最尤復号処理を行うことで2値化データを生成するPRML復号手段を備える。
また、予め用意された上記固定パターンデータに対する所定演算を行うことで、上記固定パターンデータを上記所定のパーシャルレスポンスのクラスで想定される理想的な基準レベルデータで表現した理想レベル固定パターンデータに変換する変換手段を備える。
その上で、上記波形等化手段を介して入力される上記固定パターンデータの各値を、上記変換手段により得られた上記理想レベル固定パターンデータの各値と照らし合わせた結果に基づき、上記入力される固定パターンデータの各値を上記理想的な基準レベルデータの値ごとに振り分け、振り分けられた各値についてそれぞれ所定の統計処理を行った結果に基づき、上記PRML復号手段に設定される上記各基準レベルデータの値を調整する調整手段を備えるようにした。
また、本発明ではPRML復号方法として以下のようにすることとした。
すなわち、本発明のPRML復号方法は、固定パターンデータを含むようにされたデータ信号を入力する入力手段と、上記入力手段により入力される上記データ信号について所定のパーシャルレスポンスのクラスに応じた波形等化処理を施す波形等化手段と、上記所定のパーシャルレスポンスのクラスに応じた各基準レベルデータが設定され、上記波形等化手段を介して入力される上記データ信号について上記基準レベルデータを用いたパーシャルレスポンス最尤復号処理を行うことで2値化データを生成するPRML復号手段とを備えたPRML復号装置におけるPRML復号方法であって、
先ず、予め用意された上記固定パターンデータに対する所定演算を行うことで、上記固定パターンデータを上記所定のパーシャルレスポンスのクラスで想定される理想的な基準レベルデータで表現した理想レベル固定パターンデータに変換する変換手順を備える。
そして、上記波形等化手段を介して入力される上記固定パターンデータの各値を、上記変換手順により得た上記理想レベル固定パターンデータの各値と照らし合わせた結果に基づき、上記入力される固定パターンデータの各値を上記理想的な基準レベルデータの値ごとに振り分け、振り分けられた各値についてそれぞれ所定の統計処理を行った結果に基づき、上記PRML復号手段に設定される上記各基準レベルデータの値を調整する調整手順を備えるものである。
さらに、本発明では固定パターンデータを含むようにされたデータ信号が記録される記録媒体について少なくとも再生を行う再生装置として、以下のように構成することした。
つまり、先ず、上記記録媒体から上記データ信号を読み出す読出手段と、上記読出手段により読み出される上記データ信号について所定のパーシャルレスポンスのクラスに応じた波形等化処理を施す波形等化手段とを備える。
また、上記所定のパーシャルレスポンスのクラスに応じた各基準レベルデータが設定され、上記波形等化手段を介して入力される上記データ信号について上記基準レベルデータを用いたパーシャルレスポンス最尤復号処理を行うことで2値化データを生成するPRML復号手段を備える。
また、予め用意された上記固定パターンデータに対する所定演算を行うことで、上記固定パターンデータを上記所定のパーシャルレスポンスのクラスで想定される理想的な基準レベルデータで表現した理想レベル固定パターンデータに変換する変換手段を備える。
さらに、上記波形等化手段を介して入力される上記固定パターンデータの各値を、上記変換手段により得られた上記理想レベル固定パターンデータの各値と照らし合わせた結果に基づき、上記入力される固定パターンデータの各値を上記理想的な基準レベルデータの値ごとに振り分け、振り分けられた各値についてそれぞれ所定の統計処理を行った結果に基づき、上記PRML復号手段に設定される上記各基準レベルデータの値を調整する調整手段を備えるようにした。
上記本発明において、上記固定パターンデータとしては、例えば上記データ信号の記録再生について策定された規格書等により上記データ信号中に挿入すべきとして規定されている等、既知の固定パターンデータを想定している。すなわち、このような既知の固定パターンデータを基に、上記理想レベル固定パターンデータ(基準レベル選択信号)を生成することができる。
そして、上記のようにしてこの理想レベル固定パターンデータと、実際に入力される(再生される)上記固定パターンデータとを照らし合わせることで、再生される固定パターンデータの各値が、理想的な基準レベルのうちのどの値に相当するものであるかを把握することができ、これによって上記入力される固定パターンデータの各値を基準レベルごとに振り分けることができる。
その上で、このように振り分けられた各値について上記のように統計処理を行うことで、実際の入力信号(再生信号)の値の分布に応じて基準レベルを調整することができる。
このように本発明によれば、実際の入力信号(再生信号)の値の分布に応じて対応する各基準レベルの値を調整することができる。これによれば、例えば再生信号値の分布が想定される各基準レベルを平均値とした正規分布が得られない場合にも、PRML復号手段にて演算されるブランチメトリックの値の誤差を抑制することができ、これによって2値化出力としても誤りが抑制されて再生エラーレートの改善を有効に図ることができる。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。

<1.再生装置の概要説明>
*1−1.再生装置の構成*
*1−2.PRML復号方法*
*1−3.PRML復号ブロックの構成*
<2.非変調固定パターンデータを用いた調整>
*2−1.調整の概要*
*2−2.非変調固定パターンデータ*
*2−3.基準レベル調整のための構成及び動作*
<3.Pre−ambleデータを用いた調整>
*3−1.Pre−ambleデータ*
*3−2.DSV制御ビット*
*3−3.基準レベル調整のための構成及び動作*
<1.再生装置の概要説明>
*1−1.再生装置の構成*

図1は、本発明の実施の形態としてのPRML(Partial Response Maximum Likelihood:パーシャルレスポンス最尤)復号装置を備えて構成される、記録再生装置1の内部構成について示すブロック図である。
実施の形態の記録再生装置1は、図示するディスク100として、光磁気ディスクに対応して記録再生を行うことが可能なディスクドライブ装置として構成される。
なお、この図においては、特に本発明に係る動作を行う部分についてのみ示し、他の部分(例えばサーボ系やアドレス情報の検出系)については図示による説明を省略する。
先ず、ディスク100は、図示するスピンドルモータ27によって回転駆動された状態で、光ピックアップ(OP)2及び磁気ヘッド(OWH)26の動作によって情報の記録/再生/消去が行われる。
記録/再生/消去時の光ピックアップ2及び磁気ヘッド26の位置制御(シーク、トラッキングサーボ、スレッドサーボ)や、光ピックアップ2からのレーザ光のフォーカスサーボ、さらにはスピンドルモータ27の回転サーボは、図示しないサーボ系によって行われることになる。
図示するコントローラ15は、例えばマイクロコンピュータで構成され、当該記録再生装置1の全体制御を行う。
例えばコントローラ15は、後述するPRML復号化処理、および記録、再生、消去等の各モードの制御、並びにホストコンピュータ(Host)14との交信等の動作を行う。
また、特に実施の形態の場合、ディスク100についての再生が開始されるタイミングに応じて再生開始信号SPを後述するPRML復号ブロック9に対して供給するようにされる。
なお、コントローラ15の必要な各部への制御線は、図中の制御信号cntにより示している。
この図に示される記録再生装置1における記録系の構成及び動作は、次のようになる。
先ず、記録時において、ディスク100に対して記録すべきユーザデータは、図示するホストコンピュータ14からECC(Error Correcting Code)ブロック13に入力される。
ECCブロック13は、記録時にはホストコンピュータ14から供給されるユーザデータに対するエラー訂正符号付加を行い、また再生時には後述する1−7PPデコーダ11から供給される復号データについてのエラー検出・訂正処理を行うようにされる。
ECCブロック13にてエラー訂正符号を付加されたユーザデータは、図示する記録データ生成部16に対して供給される。
記録データ生成部16は、上記のようにしてECCブロック13から供給されるユーザデータに基づくエンコード処理を行って、符号語としてのRLL(1,7)(RLL:Run Length Limited)符号の一種である1−7PP(Parity preserve/prohibit)変調符号を生成する。そして、生成された1−7PP変調符号に対してNRZI(Non Return to Zero Inverse)変調を施して、ディスク100に対して記録すべき記録データを生成する。
なお、この記録データ生成部16の内部構成、及び詳細な動作については後述する。
上記記録データ生成部16にて生成された記録データは、磁気ヘッド26に対して供給され、これによってディスク100に対しては記録データに応じた磁界が印加される。
記録時においては、コントローラ15の制御に基づき、上述した光ピックアップ2から記録レーザパワーによるレーザ出力がなされる。そして、このような状態の下で、上記のようにして磁気ヘッド26により記録データに応じた磁界が印加されることで、ディスク100に対して記録データに応じた情報信号を記録することができる。
ここで、上述のようにして記録データ生成部16により生成される記録データは、1−7PP変調符号がNRZI変調されたものとなる。なお、PRML復号では、1−7PP変調符号をRLL(1−7)符号と称しても問題ない。
確認のために述べておくと、RLL(1、7)符号は、変調後の符号の’1’と’1’の間の’0’の最小数を「1」、最大数を「7」とする変調方式である。
また、NRZIは、符号’1’は反転、符号’0’は非反転とするものである
また、図1において、再生系の構成および動作は次のようになる。
光ピックアップ2は、スピンドルモータ27によって回転されているディスク100にレーザ光を照射し、それによって生じる戻り光を受光して、戻り光情報を生成する。なお詳述は避けるが、戻り光情報としては、再生データに相当する再生RF信号以外に、フォーカスエラー信号ならびにトラッキングエラー信号などがある。
RF信号は、図示する微分回路3を経由してマルチプレクサ(MUX)4に入力される経路と、この微分回路3を経由せずマルチプレクサ4に供給される経路の2つの分岐される。
ここで、実施の形態では、光磁気ディスクによるディスク100として2つの異なるタイプのディスクに対応するものとしている。一方のタイプのディスクは、上記微分回路3による帯域制限処理を要するものとされる。このため、装填されたディスク100のタイプの別に応じて、マルチプレクサ4が微分回路3を経由して得られたRF信号と微分回路3を経由しないRF信号とを切り換えて出力するようにされている。
マルチプレクサ4から出力されたRF信号は、図示するようにA/Dコンバータ5を経由してデジタルデータに変換された後、等化ブロック6に入力される。等化ブロック6は、入力されるRF信号について固定係数のタップ選択により波形等化を行う。なお、この等化ブロック6では、後述もするようにPRML復号ブロック9が行うPRML復号処理に適合する波形等化特性が得られるように上記係数の設定がなされている。
等化ブロック6により波形等化されたRF信号は、図示するAGC/DCコントロールブロック7に供給されて、振幅及び、直流成分を一定に保つ制御がなされる。
そして、このように制御されたRF信号は、デジタルPLL(Phase Locked Loop)ブロック8に入力される。デジタルPLLブロック8では、入力されるRF信号に基づいて補間RFデータのイネーブル信号を生成する(図示せず)。この図に示されるRF信号処理系(A/Dコンバータ5、等化ブロック6、AGC/DCコントロールブロック7、PRML復号ブロック9等)は、再生系のシステムクロック(図示せず)に基づき動作し、またPRML復号ブロック9より後段の各部は上記システムクロックと上記イネーブル信号に従うタイミングで動作する。
また、デジタルPLLブロック8は、例えばディスク100に記録される一定周波数の信号を利用して位相誤差を検出する構成とされ、この位相誤差の情報に基づいたRF信号の補間処理も行うようにされる。
上記デジタルPLLブロック8にて補間処理されたRF信号は、図示する補間RFデータIPRFとしてPRML復号ブロック9に対して供給される。
PRML復号ブロック9は、供給される補間RFデータIPRF(つまり再生信号値)に対し、PRMLによる復号処理を行うことで2値化データDDを得る。かかる2値化データDDとしての復号データは、上述したようにしてディスク100に対して記録される記録データに対する最尤復号系列である。従って、復号エラーが無い場合には、この2値化データDDは記録データと一致する。
なお、このPRML復号ブロック9の内部構成及び動作についても後述する。
そして、上記のようにして得られた2値化データDDは、NRZIデコーダ10によりNRZI復調されてRLL(1.7)符号とされる。このNRZI復調されたデータは、図示する1−7PPデコーダ11、及び同期回復&TG(Timing Generator)ブロック12に対して供給される。
なお、NRZIエンコーダ10内に記した「Hi-MD3 short」の記載は、Hi-MD3と呼ばれる規格によるディスク100からの再生の場合には、2値化データDDをこのNRZIエンコーダ10によるNRZI復調を行わずに1−7PPデコーダ11に供給することを意味している。
ここでいうHi-MD3規格のディスク100としては、先の微分回路3を介して再生信号が入力されるタイプのディスク100に該当する。つまり、この規格では、ディスク100に記録された1−7PP変調及びNRZI変調されたデータがPRML復号ブロック9にて復号された場合、2値化データDDとしてはRLL(1,7)符号列で得られるため、NRZIデコーダ10による復調処理は不要となるものである。
同期回復&TGブロック12は、供給されるビット列から、図示するRecording Frame同期パターン生成部21により後述するようにして挿入されるフレーム同期信号を検出して同期を回復すると共に、各種タイミング信号を生成するようにされる。また、必要に応じて内挿処理等も行うようにされている。
生成されたフレーム同期信号(sync)及び各種タイミング信号は必要な各部に対して供給される。
1−7PPデコーダ11は、上記のようにして供給されるビット列に対して復調処理を行う。そして、この1−7PPデコーダ11からの復調データは、上述したECCブロック13に供給されてエラー検出・訂正が行われた後、ホストコンピュータ14に対して送出される。
*1−2.PRML復号方法*

以下、図1に示したPRML復号ブロック9によって行われるPRML復号方法について説明する。
先ず、上述もしたように、図1に示した記録再生装置1においては、ブロック符号化において、”1”と”1”の間の”0”の数を制限するRLL(Run Length Limited)符号化方法が用いられている。
このようなRLL符号化方法と、上述したNRZIによる記録の手法との組合わせによって記録されたテータから再生される再生信号を復号するために、PRML復号方法を用いることができる。
RLL符号化方法は、記録密度の向上、および再生動作の安定性の確保という2つの観点から、符号化方法に要求される条件に対応できるものである。まず、上述したように、NRZIでは、符号’1’を各マークのエッジによって表現される極性の反転に対応させるものなので、符号’1’と’1’の間の’0’の数を多くする程、各マークl個当たりに含まれるビット(情報)数を多くすることができる。したがって、記録密度を大きくすることができる。
一方、再生系の動作タイミングを合わせるために必要なリードクロックは、上述したように、RF信号に基づいてデジタルPLLブロック8によって生成される。このため、記録データにおける符号’1’と’1’の間の’0’の数を多くすると、再生動作の際にデジタルPLLブロック8の動作が不安定となるので、再生動作全体が不安定なものとなる。
これら2つの条件を考慮すると、”1”と”1”の間の”0”の数は、多過ぎたり、少な過ぎたりしない、適切な範囲内に設定される必要がある。このような、記録データ中の”0”の数の設定に関して、RLL符号化方法が有効となる。
ところで、次の図2に示されるようにして、上述したRLL(1,7)符号化方法とNRZIの記録方法の組み合わせにおいては、記録データに基づいて生成される符号中の”1”と”1”の間に最低1個の”0”が含まれるので、最小反転幅(RLmin)が2となる。このような、最小反転幅が2となる符号化方法が用いられる場合に、符号間干渉およびノイズ等の影響を受けている再生信号から記録データを復号する方法として、後述するように、4値4状態(6値4状態)のPRML復号方法を適用することができる。
上述したように、RF信号には、等化ブロック6によって波形等化処理が施される。PRML復号の前段として行われるこのような波形等化処理には、符号間干渉を積極的に利用するパーシャルレスポンスの手法が用いられる。この際に用いられる波形等化特性は、一般に(1+D)nで表されるパーシャルレスポンス特性の内から、記録/再生系の線記録密度等を考慮して決められる。
上述したRLL(1,7)符号化方法とNRZIによる記録の組み合わせによって記録されたデータに対して、PR(1,2,1)を用いる波形等化処理は、4値4状態のPRML復号に対応したものとなる。
ここで、RLL(1,7)符号化方法とNRZIによる記録の組み合わせによって記録データが記録される場合、各時点kにおける記録データ(1,7PP変調符号)をa[k]、これに基づくNRZI変調出力(記録信号の値)をb[k]とすると、これら記録データと記録信号の値との関係は以下のように表される。

b[k]=mod2{a[k]+b[k−1]}・・・(1)
このような記録データの再生時に等化ブロック6によってなされる波形等化の特性を、パーシャルレスポンスのクラスがPR(1,2,1)とされた場合を例に説明する。但し、以下の説明においては、信号の振幅を規格化せずに、波形等化特性をPR(B,2A,B)とする。また、ノイズを考慮しない場合の再生信号の値(つまりそのPRのクラスで想定される理想的な再生信号の値)をc[k]と表記する。さらに、ノイズを含む実際の再生信号(すなわち、ディスク100から再生されて得られる再生信号:図1では補間RFデータIPRFの値となる)をz[k]と表記する。
PR(B,2A,B)は、ある時点kにおける再生信号の値に対して、時点kにおける振幅の寄与が振幅値の2A倍とされ、さらに前後の時点k−1およびk+1における振幅の寄与が各々の時点での信号の振幅のB倍とされるものである。したがって、再生信号の値の最大値は、時点k−l、k、k+1において何れもパルスが検出される場合である。このような場合には、再生信号の値の最大値は、以下のようになる。
B+2A+B=2A+2B
また、再生信号の値の最小値は「0」となる。但し、実際の取り扱いにおいては、c[k]として、DC成分のA+Bを差し引いた以下のようなものが用いられる。

c[k]=B×b(k−2)+2A×b(k−1)+B×b[k]−A−B・・・(2)

したがって、ノイズを考慮しない場合の再生信号c[k]は、A+B,A,−A,−A−Bの内の何れかの値をとることになる。
なお、これらA+B,A,−A,−A−Bの各値が、PR(B,2A,B)のクラスで想定される理想的な再生信号の値となるものであり、これらの各値に応じてPRML復号ブロック9にて設定される基準レベルの各値が設定されるべきものとなる。
ここで、一般に、再生信号の性質を示す手法のひとつとして、或る期間を単位として再生信号を多数重ね合わせたアイパターンを用いることが行われている。
上記のようなPR(B,2A,B)の下で波形等化処理された、実際の再生信号z[k]についてのアイパターンの一例は、図16(a)に示したものとなる。
なお、この図16(a)では上記したPR(B,2A,B)のクラスで想定される理想的な再生信号の値(A+B,A,−A,−A−B)を、基準レベルA〜基準レベルEとして示している。この場合、基準レベルAが「A+B」、基準レベルBが「A」、基準レベルDが「−A」、基準レベルEが「−A−B」に対応するものとする。また、基準レベルCは再生信号の最小値「0」に対応するものとする。
この図16(a)から、各サンプリングタイミングにおける再生信号値z[k]は、ノイズによるばらつきを有するが、ほぼ各基準レベル(つまりA+B,A,−A,−A−Bの各理想値)の内の何れかを中心として分布することが確認できる。すなわち、再生信号z値[k]は、図中右端の分布度数と示されるように、それぞれ対応する基準レベルで最も度数が高くなるようにされて、各基準レベル(理想値)を平均値とした正規分布が得られるようになる。
先の図1に示した等化ブロック6では、入力される再生信号(RF信号)について、このように再生信号値の各分布がそのPRのクラスで想定される各理想値を平均値として正規分布するようにその波形等化特性が設定されていることになる。
続いて、上記のようにして波形等化処理が施された再生信号(図1では補間RFデータIPRF)についてのPRML復号方法の概略は、次の「ステップ1」〜「ステップ3」に示すようにされる。
「ステップ1」・・・・符号化方法および記録媒体に対する記録方法等に基づいて、生じ得る全ての状態を特定する。
「ステップ2」・・・・ある時点における各状態を起点として、次の時点において生じ得る全ての状態遷移と、各状態遷移が生じるときの記録データa[k]および再生信号の値c[k]を特定する。
なお、「ステップ1」及び「ステップ2」の結果として特定された全ての状態および状態遷移と、各状態遷移が生じるときの{記録データの値a[k]/再生信号の値c[k]}を模式的に示すと、後に説明する図3に示されるような状態遷移図となる。そして、この状態遷移図に基づく復号動作を行うように、PRML復号ブロック9は構成されている。
「ステップ3」・・・上記ステップ1、ステップ2に示す状態遷移を前提として、記録媒体から各時点kにおいて再生される再生信号z[k](補間RFデータIPRF)に基づく最尤な状態遷移が選択される。
このような最尤な状態遷移の選択が行われる毎に、選択された状態遷移に対応して、記録データa[k]の値を復号値とすることによって、記録データに対応する2値化データを得ることができる。
以下、上述のステップ1〜ステップ3について説明する。
まずステップ1について説明する。
先ず説明に先立ち、ここで用いられる「状態」として、以下ではある時点kにおける状態について、時点k及びそれ以前のNRZI変調出力を用いて次のように定義する。
すなわち、n=b[k]、m=b[k−1]、l=b[k−2]のときの状態をSnmlと定義する。
このような定義によって、23=8個の状態があると考えられるが、上述したように、実際に生じ得る状態は符号化方法等に基づいて制限されることになる。
実施の形態で採用するRLL(1,7)符号として符号化された記録データ列a[k]においては、”1”と”1”の間に最低1個の”0”が含まれるので、2個以上の”1”が連続することがない。記録データ列a[k]に課されるこのような条件に基づいてNRZI変調出力b[k]について一定の条件が課され、その結果として生じ得る状態に制限が加えられる。
このような制限としては、具体的に次のようになる。上述したようにRLL(1,7)符号化によって生成される記録データ列中に、2個以上の”1”が連続するもの、すなわち以下のパターンはあり得ない。
a[k]=1,a[k−1]=1,a[k−2]=1 ・・・ (3)
a[k]=1,a[k−1]=1,a[k−2]=0 ・・・ (4)
a[k]=0,a[k−1]=1,a[k−2]=1 ・・・ (5)
記録データ列に課されるこのような条件に基づいて、上述の(1)式にしたがってb[k]について課される条件について検討すると、上記Snmlの定義において、S010およびS101の2個の状態は生じ得ないことがわかる。したがって、生じ得る状態は、23−2=6個である。
次に、ステップ2について説明する。ある時点jにおける状態を起点として、次の時点j+1において生じ得る状態を求めるためには、時点j+1における記録データの値a[j+1]が1となる場合、または0となる場合に分けて調べる必要がある。
ここでは、状態S000を例として説明する。上述の(1)式にしたがって、S000すなわちn=b[j]=0,m=b[j−1]=0,l=b[j−2]=0とNRZI変調される記録データとしては、以下の2個が考えられる。
a[j]=0、a[j−1]=0、a[j−2]=1・・・(6)
a[j]=0、a[j−1]=0、a[j−2]=0・・・(7)
・・・a[j+1]=1のとき
このとき、(1)式にしたがって、b[j+1]は以下のように計算できる。
b[j+1]=mod2{a[j+1]+b[j]}
=mod2{1+0}
=1 ・・・(8)
したがって、再生信号c[j]の値は、上述の(2)式にしたがって、次のように計算される。
c[j+1]={B×b[j+1]+2A×b[j]+B×b[j−1]−A−B
={B×1+2A×0+B×0}−A−B
=−A ・・・(9)
また、次の時点[j+1]での状態Snmlについては、n=b[j+1],m=b[j],l=b[j−1]である。そして、上述したようにb[j+1]=1,b[j]=0,b[j−1]=0となるので、次の時点、j+1における状態は、S100である。したがって、a[j+1]=1の場合には、S000→S100という遷移が生じることが特定できる。
・・・ a[j+1]=0のとき
このとき、(1)式にしたがって、b[j+1]は以下のように計算できる。
b[j+1]=mod2{a[j+1]+b[j]}
=mod2{0+0}
=0 ・・・(10)
したがって、再生信号c[j+1]の値は、上述の(2)式にしたがって、次のように計算される。
c[j+1]={B×b[j+1]+2A×bj]+B×b[j−1]}−A−B
={B×0+2A×0+B×0}−A−B
=−A−B ・・・(11)
また、次の時点j+1における状態Snmlについては、n=b[j+1],m=b[j],l=b[j−1]である。そして、上述したようにb[j+1]=0,b[j]=0,b[j−1]=0となるので、次の時点における状態は、S000である。したがって、a[j+1]=0の場合には、S000→S000という遷移が生じることが特定できる。
このようにして、時点jにおけるS000以外の各状態についても、それらを起点として次の時点j+1において生じ得る状態遷移と、そのような各状態遷移が生じるときの記録テータ値a[j+1]、及び再生信号値c[j+1]との対応を求めることができる。
上述したようにして、各状態について、それらを起点として生じ得る状態遷移と、各状態遷移が生じるときの記録データの値および再生信号の値との対応を求め、模式図として示したのが図3である。上述の時点jおよびj+1は、特別の時点ではない。したがって、上述したようにして求まる、生じ得る状態遷移とそれらに伴う記録データの値および再生信号の値との対応は、任意の時点において適用することができる。このため図3においては、任意の時点kにおいて生じる状態遷移に伴う記録データの値をa[k]と表記し、再生信号の値をc[k]と表記する。
図3において、状態遷移は矢印によって表される。また、各矢印に付した符号が{記録データ値a[k]/再生信号値c[k]}を示している。状態S000,S001,S111およびS110を起点とする状態遷移は、2通りあるのに対して、状態S011およびS100を起点として生じ得る遷移は1通りのみである。
さらに、図3においてS000とS001は、何れもa[k]=1に対しては、c[k]=−Aという値を取り、S100に遷移している。一方、a[k]=0に対しては、c[k]=−A−Bという値を取りS000に遷移している。
また、S111とS110も同様に、同じa[k+1]の値について同じc[k+1]の値を取り、且つ、同じ状態に遷移している。したがって、S000とS001をまとめてS00と表現し、S111とS110をまとめてS11と表現することができる。さらに、S011をS10とし、S100をS01と表現する。
このように状態遷移を整理して示したものが、次の図4である。
図4が、4値4状態のPRML復号(ビタビ復号)方法に用いられる状態遷移図である。
例えば4値4状態ビタビ復号方法等の4個の状熊を有する場合には、かかる4個の状態を2ビットで表現できるので、このような2ビットのデータを状態データ値として用いることができる。そこで、図4においては、それぞれ2ビットの状態データ値、00,01,11,10を用いて、各状態をS00,S01,S11,S10と表記する。
また図4に対応して、状態遷移を時間に沿って表現する形式として、図5に示すようなトレリス線図が用いられる。図5では、2個の時点間の遷移を示しているが、さらに多数の時点間の遷移を示すこともできる。
時間経過に伴い、順次右の時点に遷移していく様子が表現される。したがって、水平な矢印は、例えばS00→S00等のように同じ状態への遷移を表し、斜めの矢印は、例えばS01→S11等のように異なる状態への遷移を表すことになる。
上述したPRML復号方法の「ステップ3」、すなわち図4に示した状態遷移図を前提として、ノイズを含む実際の再生信号z[k]から最尤な状態遷移を選択する方法は次のようになる。
最尤な状態遷移を選択するためには、まず、ある時点kにおける状態について、その状態に至る過程において経由してきた複数時点間の状態遷移の尤度の和を計算し、さらに、計算された尤度の和を比較して、最尤の復号系列を選択することが必要である。このような尤度の和をパスメトリックと称する。
パスメトリックを計算するためには、まず、隣接する時点間の状態遷移の尤度(ブランチメトリックと称される)を計算することが必要となる。
具体的に、このようなブランチメトリックの計算は、上述の状態遷移図を参照して、再生信号z[k]の値に基づいて以下のようになされる。
まず、一般的な説明として、時点k−1において、状態Saである場合について考える。この時、PRML復号ブロック9に再生信号z[k]が入力された場合に、状態Sbへの状態遷移が生じる尤度(ブランチメトリック)が、次の式に従って計算される。なお、次式において、状態Saおよび状態Sbは、図4の状態遷移図に記載されている4個の状態の何れかとなるものである。

(z[k]−c(Sa,Sb))2 ・・・(12)

上式において、c(Sa,Sb)は、状態Saから状態Sbへの状態遷移について、図4の状態遷移図に記載されている再生信号の値である。すなわち、図4において、例えば状態遷移S0→S1について、−Aと算出されている値である。
つまり、上式(12)は、ノイズを含む実際の再生信号値z[k]と、ノイズを考慮せずに計算された再生信号c(Sa,Sb)の値の間のユークリッド距離となる。
この際、ノイズを考慮せずに計算された再生信号cとしては、先の図16のアイパターンの説明からも理解されるように、そのPRで想定される基準レベルの値となる。従って、上式(12)により示される、隣接する時点間の状態遷移の尤度、すなわちブランチメトリックは、再生信号値z[k]と、PRML復号ブロック9に設定される各基準レベルとの2乗差を演算することで求められるものである。
そして、上述もしたように、最尤な状態遷移を選択するためには、まず、ある時点kにおける状態について、その状態に至る過程において経由してきた複数時点間の状態遷移の尤度の和、つまりパスメトリックを計算することが必要となる。そして、このパスメトリックは、各隣接する状態遷移の尤度(=ブランチメトリック)の和として求められるものである。
従って、ある時点におけるパスメトリックは、その時点に至るまでのブランチメトリックの総和として定義される。
*1−3.PRML復号ブロックの構成*

図6は、図1に示したPRML復号ブロック9の内部構成を示したブロック図である。
このPRML復号ブロック9は、上記により説明したPRML復号方法に従って再生信号(補間RFデータIPRF)の2値化を行うように構成されている。
本実施の形態のPRML復号ブロックの構成としては、上記手法によりPRML復号動作を行うための構成として、ブランチメトリック演算ブロック30、ACS(加算・比較・選択)演算ブロック31、パスメモリブロック32が備えられている。
また、上記ブランチメトリック演算ブロック30に対して、ブランチメトリックを求めるにあたって必要となる各基準レベルデータA〜Xを設定するための構成として、図示する固定基準レベルデータ36、基準レベルデータ調整部35、及びマルチプレクサ33が備えられている。
ブランチメトリック演算ブロック30に対しては、先の図1に示したデジタルPLLブロック8からの補間RFデータIPRFが入力される。
また、ブランチメトリック演算ブロック30に対しては、後述するようにして固定基準レベルデータ36による固定の基準レベルデータA〜X、又は基準レベルデータ調整部35から出力される基準レベルデータA〜Xが設定される。
このブランチメトリック演算ブロック30では、上記のように入力される補間RFデータIPRFの値(再生信号値z〔k〕)と、設定された各基準レベルデータA〜Xとによって、実際の再生信号値z〔k〕と、生じうる各状態遷移で予想される理想的な再生信号値c〔k〕との間のユークリッド距離としてのブランチメトリックを演算する。
先にも説明したように、ブランチメトリックは、各基準レベルデータA〜Xと、入力される補間RFデータIPRFの値との2乗差を演算することで求めることができる。
このように計算されたそれぞれのブランチメトリックの値はACS演算ブロック31に供給される。
ACS演算ブロック31は、それぞれの状態遷移に応じたブランチメトリックを加算していくことで、先の図5に示したようなトレリス線図上のそれぞれのパスについてのパスメトリックを計算する。そして、このように計算されたパスメトリックの値を比較した結果に基づき、最尤なパスを選択する。
このようなACS演算ブロック31によるブランチメトリックに基づくパスメトリックの計算、及びパスメトリックの比較に基づく最尤なパスの選択は、図示するパスメモリブロック32内のメモリを用いて行われるが、このパスメモリブロック32は、上記ACS演算ブロック31による選択結果に基づいて残されたパスを記憶するようにされ、そのパスに対応した出力を行うことで、ディスク100に記録されたデータに対応する2値化データDDを得るようにされている。
このようにしてパスメメモリブロック32にて得られる2値化データDDは、PRML復号ブロック9の復号出力として、先の図1に示したNRZIエンコーダ10に対して供給される。
また、特に本実施の形態では、上記2値化データDDは基準レベルデータ調整部35に対しても分岐して供給されることになる。
なお、この基準レベルデータ調整部35には、図示するようにしてデジタルPLLブロック8からの補間RFデータIPRFが分岐して供給される。また、図1に示したコントローラ15からの再生開始信号SPも供給される。さらには、この基準レベルデータ調整部35内の所定部は、後述するようにして図1に示した記録データ生成部16内の所定部に対して接続されるようになっている。
この基準レベルデータ調整部35は、実際にディスク100から再生される再生信号(IPRF)に応じて調整した基準レベルデータA〜Xを生成してこれを出力する動作を行うが、基準レベルデータ調整部35の内部構成及び詳細な動作については後述する。
また、セレクト信号生成部34は、予め設定されたタイミングで、上記基準レベルデータ調整部35から出力される基準レベルデータA〜Xを選択するためのセレクト信号を、上記マルチプレクサ33に対して供給するようにされる。
なお、セレクト信号生成部34は、初期状態では固定基準レベルデータ36による基準レベルデータA〜Xを選択するセレクト信号の出力を行うようにされている。
<2.非変調固定パターンデータを用いた調整>
*2−1.調整の概要*

上述のようにしてPRMLによる復号の手法では、装置側に設定される各基準レベルデータと、実際に得られる再生信号の値とに基づいてブランチメトリックを演算し、このブランチメトリックの値から判別できる尤度の情報に基づいて2値化処理が行われるものとなる。
但し、このようなPRML復号手法を用いた2値化は、先にも述べたようにして、ノイズを含む再生信号が、そのPRのクラスで想定される各基準レベルに対して正規分布して得られることを前提としてる。
しかしながら、先の図16(b)にも示したようにして、実際としては、再生信号が各基準レベルに対して正規分布しなくなる可能性もある。
すなわち、この図16(b)に示されるようにして、再生信号の各値の分布度数のピーク(つまりその値の平均値)が、それぞれ対応する基準レベルからずれてしまっており、各基準レベルに対して正規分布していない状態となるものである。
このような基準レベルと再生信号の値の分布とのずれは、例えば記録媒体の固体ごとのバラツキ等に起因して発生することがわかっている。また、特に本実施の形態のようにして記録媒体に対して磁気記録を行う構成では、磁気ヘッドでの漏れ磁界等によるアシンメトリによってもずれが生じてしまう可能性がある。
そして、このように再生信号の値の分布にずれが生じてしまった場合には、当然のことながらPRML復号ブロック9内のブランチメトリック30にて演算されるブランチメトリックの値に誤りが生じてしまう。このように2値化処理にあたって必要なブランチメトリックの値に誤りが生じれば、これに基づき算出されるパスメトリックの値にも誤りが生じる可能性があり、これによって2値化信号にも誤りが生じて再生エラーレートの悪化につながってしまう虞がある。
そこで、本発明としては、このような再生信号の各値の分布の平均値と、想定される基準レベルとのずれを、実際に得られる再生信号の値に基づいて調整するものとしている。
そして、本実施の形態では、このようにして再生信号と基準レベルとのずれを調整するにあたり、予めディスク100に記録されることがわかっている固定のパターンデータを用いるものとしている。
すなわち、このようにディスク100に記録される既知の固定パターンデータを用いるものとすれば、この固定パターンデータを予め装置側で用意でき、この固定パターンデータと実際に再生された固定パターンデータとを照らし合わせることで、再生される固定パターンデータの各値が、想定される基準レベルのうちのどの値に相当するものかを把握できる。
そして、このように再生信号の各値がどの基準レベルに相当するかを把握できれば、各値を対応する基準レベルごとに振り分けることで、各基準レベルに対する実際の再生信号値の分布を把握できる。すなわち、例えば先の図16(b)で示されるような、各基準レベルA〜基準レベルEに対する実際の再生信号値の各分布のずれを把握することができる。
そこで、このように把握された各基準レベルごとの実際の再生信号値の分布に応じて、設定されるべき各基準レベルを調整する。つまり、例えば図16(b)の例では、ずれが生じた再生信号値の各分布のピークに各基準レベルを一致させるようにして調整するものである。このように、実際の再生信号に応じて基準レベルの値が調整されれば、再生信号値の各分布が想定されるものからずれてしまう場合にも、そのずれをキャンセルして適正な2値化処理を行うことが可能となる。
*2−2.非変調固定パターンデータ*

本実施の形態としては、上記のような固定パターンデータとして、先ず以下に説明するような非変調固定パターンデータを用いる。
ここで、例えばHi−MDと称される、現在普及している光磁気ディスクの規格で実施されているLSIでは、ディスク100に対するデータ信号の記録開始時に、DC成分抑圧の目的で非変調による固定パターンデータ(非変調固定パターン:DC Compressed fixed patternとも称される)を繰り返し記録するようにされたものがある。
具体的に、この非変調固定パターンデータは、例えば次の図7に示されるようにしてディスク100に対して記録される。
図7において、先ずディスク100へのデータ信号の記録開始に先立っては、図中レーザパワー切換信号により、図1に示した光ピックアップ2内のレーザダイオードのレーザパワーが再生パワーから記録パワーに切り換えられる。そして、その後、記録単位であるクラスタに同期したクラスタ同期信号をトリガーとして、所要の内部遅延後、変調データ(1−7PP変調&NRZI変調されたデータ)が記録される。
この変調データが記録される前、レーザパワーが再生パワーから記録パワーに切換えられた後の期間に非変調固定パターンデータが繰り返し記録される。
なお、変調データの記録終了時には適当なタイミングでレーザパワーは再生パワーに切りかえられる。この場合においても、実際には非変調固定パターンデータを繰返し記録することになるが本実施の形態とは直接的に関係しないので説明は省略する。
実際の記録再生装置1では、このような非変調固定パターンデータを、図1に示した記録データ生成部16内の非変調固定パターン生成部24にて生成するものとされる。つまり、この非変調固定パターン生成部24は、上記した変調データを生成する部分(後述するPre-ambleデータ生成部17、マルチプレクサ18、DSV制御部19、1−7PP変調部20、Recording Frame同期パターン生成部21、マルチプレクサ22、NRZI変調部23)とは別経路にて、非変調固定パターンデータを磁気ヘッド26に供給するようにされている。
この場合、上記した各部によって生成される変調データと、非変調固定パターン生成部24から出力される非変調固定パターンデータとが、図示するマルチプレクサ25に入力される。このマルチプレクサ25は、上記したレーザパワー切換信号に応じて非変調固定パターンデータを磁気ヘッド26に出力する。また、上記したクラスタ同期信号に応じて上記変調データを出力する。これによって先の図7に示したようにして、記録開始時における磁気ヘッドドライブ信号としては、記録パワーへの切り換え後所定期間は非変調固定パターンデータに基づくものとなり、その後に変調データに基づくものとなるようにされる。
*2−3.基準レベル調整のための構成及び動作*

本実施の形態では、上記のようにして非変調固定パターン生成部24にて生成することのできる非変調固定パターンデータを先の図6に示した基準レベルデータ調整部35に対して供給し、この基準レベルデータ調整部35において、上記のように生成される非変調固定パターンデータと、実際にディスク100から再生されて得られる非変調固定パターンデータとに基づいて基準レベルを調整する。
このように非変調固定パターンデータを用いた調整を行うための、基準レベルデータ調整部35の内部構成を次の図8に示す。
先ず、この図8においても、先の図1に示した記録データ生成部16内の非変調固定パターン生成部24が示されている。この非変調固定パターン生成部24にて生成される非変調固定パターンデータは、図示するようにしてこの基準レベルデータ調整部35に対しても分岐して供給されるようになっている。なお、非変調固定パターンデータの供給は、図示する制御部40からの非変調固定パターン生成部24への制御信号(enable_0)に応じて行われる。
供給される非変調固定パターンデータは、基準レベルデータ調整部35内における反転制御部41、反転制御部42のそれぞれに分岐して供給され、これら反転制御部41、反転制御部42を介した非変調固定パターンデータは、それぞれシフトレジスタ43、シフトレジスタ44に入力される。これらシフトレジスタ43、シフトレジスタ44の出力は、それぞれ比較器46、比較器47に入力される。
また、図示するシフトレジスタ45に対しては、図6に示したPRML復号ブロック9の復号出力である2値化データDDが入力される。このシフトレジスタ45の出力は、上記した比較器46と比較器47とに供給される。
比較器46の出力は不一致bit積算部48、比較器47の出力は不一致bit積算部49にそれぞれ入力される。さらに、これら不一致bit積算部48、不一致bit積算部49によるそれぞれの積算結果が制御部40に入力されるようになっている。
制御部40には、図1に示したコントローラ15からの再生開始信号SPが供給される。後述もするように制御部40はこの再生開始信号SPの供給に応じて各部を制御することで基準レベル調整のための動作を開始させる。また、この制御部40は、上記不一致bit積算部48、49から入力される積算値についての比較・選択や、各種タイミング信号、enable信号の生成、及び反転制御信号の生成を行うがこれについては後述する。
また、上記したシフトレジスタ44の値は、図示する乗算部50に対しても供給されるようになっている。
この乗算部50には、乗算器C0〜Cn-1が設けられており、これら乗算器C0〜Cn-1には録再生装置1で採用されるPRのクラスに応じたそれぞれの係数C0〜Cn-1が設定される。
そして、これら乗算器C0〜Cn-1の出力が、加算器51に供給され加算される。この加算器51の出力は、基準レベル選択信号として、図示するデマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)55とデマルチプレクサ(DEMUX_enabler)53とに分岐して供給される。
なお、上記乗算部50及び加算器51による動作についても後述する。
また、図示するタイミング調整_IPRF54には、先の図1に示したデジタルPLLブロック8からの補間RFデータIPRFが供給される。そして、このタイミング調整_IPRF54によっては、後述するように、タイミング調整された補間RFデータIPRFが上記デマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)55に対して供給される。
また、タイミング調整_enabler52は、制御部40からのenable_0信号をタイミング調整して上記したデマルチプレクサ(DEMUX_enabler)53に供給する。
上記したデマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)55は、上記タイミング調整_IPRF54から供給される補間RFデータIPRFを、上記加算器51からの基準レベル選択信号により指示される基準レベルごとに振り分ける。振り分けられた補間RFデータIPRFの各値は、それぞれ対応する統計処理回路56A〜統計処理回路56Xに供給されるようになっている。 これら統計処理回路56A〜統計処理回路56Xは、ブランチメトリック演算ブロック30にて設定される基準レベルの数に応じた個数設けられる。
また、上記したデマルチプレクサ(DEMUX_enabler)53は、上述のようにして加算器51から供給される基準レベル選択信号に応じ、この基準レベル選択信号によって選択される統計処理回路56に対してenable_0信号を供給する。
つまり、これによって各統計処理回路53A〜統計処理回路53Xは、上記デマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)55から対応する補間RFデータIPRFの値が入力されるのと同時に、上記デマルチプレクサ(DEMUX_enabler)53によりenableとされるようになっている。
統計処理回路(基準レベルA)56A〜統計処理回路(基準レベルX)56Xは、それぞれデマルチプレクサ(DEMUX_enabler)53によりenableとされることで、上記デマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)55から振り分けられて入力される新たな補間RFデータIPRFの値について統計処理(例えば移動平均処理)を行い、各々基準レベルA、基準レベルB・・・基準レベルXの値を調整する。
このように各統計処理回路56A〜56Xにて調整される各基準レベルA〜基準レベルXは、先の図6に示したマルチプレクサ33に供給されるようになっている。
後述するように、マルチプレクサ33に供給されるこれら各基準レベルA〜基準レベルXは、セレクト信号生成部34からのセレクト信号によって選択されてブランチメトリック演算ブロック30に対して設定されることになる。
続いて、上記基準レベルデータ調整部35の内部構成による動作を、図9のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS101においては、図6に示したブランチメトリック演算ブロック30に対して固定基準レベルデータ36を設定する。すなわち、初期状態においては基準レベルに関する情報を再生信号から得ていないので、ブランチメトリック演算ブロック30には固定基準レベルデータ36による各基準レベルが設定されている。
続くステップS102においては、非変調固定パターンデータについて、反転・非反転データをそれぞれ準備するようにされる。
ここで、先の図1に示したような記録再生装置1の構成では、記録系の構成と再生系の構成との関係等によってディスク100に記録される非変調固定パターンデータと実際に再生されてPRML復号ブロック9に入力される非変調固定パターンデータとの間に反転パターンが生じる可能性がある。
ここでは、このような反転パターンが生じた場合にも対応できるように、予め非反転による非変調固定パターンデータと反転による非変調固定パターンデータとの双方を準備しておくようにされている。
このステップS102に対応する動作は、図8に示した制御部40の制御に基づく非変調固定パターン生成部24、反転制御部41・42、シフトレジスタ43・44の各部の動作によって実現される。つまり、先ず制御部40は、図示する反転制御信号RC1、反転制御信号RC0のうち、何れか一方を反転を指示するレベルにより出力することで、反転制御部41、反転制御部42の何れか一方に反転制御を設定する。すなわち、上記レベルによる反転制御信号RCが供給された方の反転制御部では、反転データを生成するように設定され、反転制御信号RCとして他方のレベルが供給された反転制御部では非反転制御が設定されたことになる。
また、これと同時に制御部40は、enable_0信号及びenable_1信号をactiveにして、非変調固定パターン生成部24から非変調固定パターンデータを出力させると共に、反転制御部41、反転制御部42及びシフトレジスタ43、シフトレジスタ44をenableとする。これによってシフトレジスタ43、シフトレジスタ44の一方には反転による非変調固定パターンデータ、他方には非反転による非変調固定パターンデータがストアされる。制御部40は、シフトレジスタ43・44の全レジスタにデータがすべてストアされたところで非変調固定パターンデータ生成及びシフト動作をdisableとする。
なお、これら非変調固定パターンデータについての反転・非反転データの準備は、次の再生開始信号SPの供給前となるタイミングであれば任意のタイミングを設定することができる。
続くステップS103では、再生開始信号SPを待機する。これは、図8に示される制御部40が、図1に示したコントローラ15がディスク100についての再生の開始のタイミングと同期した再生開始信号SPを待機する状態に相当する。
そして、再生開始信号SPが供給された場合、次のステップS104において、PRML復号された2値化データDDと、準備した反転・非反転データのそれぞれを同時に比較する動作を行う。
ここで、このステップS104において、再生開始信号SPが供給されたということは、ディスク100からの再生が開始され、これによって再生信号についてのPRML復号ブロック9での復号動作が実行される。なお、ここで確認のために述べておくと、この時点での復号動作は、ステップS101にて設定された固定基準レベルデータ36に基づいて行われるものである。そして、このように復号動作が行われることによっては2値化データDDが出力されることになるが、この2値化データDDは、図8におけるシフトレジスタ45に入力されるようになっている。
そして、再生開始後、このようにシフトレジスタ45に対して入力されるデータとしては、先の図7の記録時の動作からも理解されるように非変調固定パターンデータが入力されることになる。
上記ステップS104の動作として、制御部40は、上記再生開始信号SPの供給に応じて再度enable_0信号・enable_1信号をactiveとする。これにより、シフトレジスタ43にストアされたデータが比較器46に、またシフトレジスタ44にストアされたデータが比較器47に対してそれぞれ入力される。
また、再生の開始に応じて上記のようにしてシフトレジスタ45に入力された2値化データDDも、それぞれ比較器46と比較器47とに入力される。これにより比較器46、比較器47では、それぞれシフトレジスタ43からの入力データと上記2値化データDD、シフトレジスタ44からの入力データと2値化データDDとをbit by bitで比較するようにされる。
さらに、上記比較器46からの出力について不一致bit積算部48が不一致bitを積算し、同様に比較器47からの出力について不一致bit積算部49が不一致bitを積算するようにされる。これら不一致bit積算部48、不一致bit積算部49の積算結果は制御部40に入力され、制御部40は不一致bit数が不一致bit数積算部48・49のどちらで設定閾値以下となるかを判定する。つまりは、これによって非変調固定パターンデータと2値化データDDとの同期がとれたか否かについての判定が行われると共に、同期がとれた方の入力が特定されることで、非変調固定パターンデータの極性を判定することができる。
ステップS105においては、上記した反転データ、非反転データの各々と2値化データDDとの比較に基づき、これら非反転データと反転データのいずれかと2値化データDDとのデータ一致があったか否かについて判別する。
ステップS105において、一致がなかったとされた場合は、後述するPre-ambleデータに基づく調整動作(図13、図14)に移行するようにされる。
一方、一致があったとされた場合は、ステップS106に進み、一致した方の極性を判定する。
上記説明から理解されるように、これらステップS105〜S106の判定は、上記した制御部40での不一致bit積算部48・49からの積算結果に基づく判定動作に相当する。
上記ステップS106において、非反転が判定された場合は、ステップS107において非反転による非変調固定パターンデータを準備する。また、反転が判定された場合はステップS108にて反転による非変調固定パターンデータを準備するようにされる。
上記ステップS106からこれらステップS107、S108への動作として、先ず制御部40は、判定された極性の情報に応じた反転制御信号RC0を反転制御部42に対して供給する。そして、これと同時にenable_0信号をactiveとすることで、非変調固定パターン生成部24による非変調固定パターンデータ生成及びシフトレジスタ44のシフト動作を開始させる。
これによりシフトレジスタ44には、判定された極性による非変調固定パターンデータがストアされる。
ステップS109では、準備した非変調固定パターンデータを、採用されるPRのクラスで想定される理想値に変換する動作を行う。
このステップS109の動作としては、上記のようにしてシフトレジスタ44にストアされた非変調固定パターンデータが、乗算部50内の乗算器C0〜Cn-1に入力されてそれぞれ係数C0〜Cn-1と乗算され、この乗算結果が加算器51に入力されて加算されることで行われる。
先にも説明したように、乗算器C0〜Cn-1のそれぞれには、記録再生装置1で採用されるPRのクラスに応じた係数C0〜Cn-1が設定される。
例えばPR(1,2,1)が採用される場合では、(C0, C1, C2, C3・・・Cn-2,Cn-1) = (0・・・, 0,1,2,1)が設定される。
また、例えばPR(1,−1) が採用される場合であれば、(C0, C1, C2, C3・・・Cn-2,Cn-1) = (0・・・, 0,0,+1,−1)が設定されるものとなる。
ここで、図15に、PR(1,2,1)が採用される場合での上記乗算部50及び加算器51により行われる理想値への変換動作の例を示す。
なお、ここではシフトレジスタ44からの入力データとして、{‥0,0,0,1,1,0,0,0,1,1,1,‥}が入力された場合の動作を示している。
このような入力データとされた場合、乗算部50及び加算器51の動作による出力としては、
{‥0x1+0x2+0x1,0x1+0x2+1x1,0x1+1x2+1x1,1x1+1x2+0x1,1x1+0x2+0x1,0x1+0x2+0x1‥}
={‥0,1,3,3,1,0‥}
が出力されるように構成される。これは先の理想的な再生信号c〔k〕として、{‥-2,-1,+1,+1,+1,-1,-2‥}に変換されるものである。
つまり、乗算部50と加算器51によっては、このように採用されるPRのクラスで想定される符号間干渉を再現するように、入力符号列について乗算及び加算が行われればよい。
ここで、そのPRのクラスで想定される理想値に変換したということは、この場合の固定パターンデータは、そのPRのクラスで想定される基準レベルの値で表現されたものとなる。ここでは、このように基準レベルの値で表現された固定パターンデータを理想レベル固定パターンデータとも呼ぶこととする。
続くステップS110では、再生されてくる補間RFデータIPRFの各値を、上記のように変換された理想値による非変調固定パターンデータに照らし合わせることで、補間RFデータIPRFの各値を基準レベルごとに振り分ける。
上記もしているように、ステップS109にて変換された非変調固定パターンデータは、そのPRで想定される基準レベルの値で表現されたデータとなっている。従ってこの理想値による非変調固定パターンデータの各値と、補間RFデータIPRFに得られる非変調固定パターンデータの各値とをbit by bitで照らし合わせていくことで、IPRFに得られる各値を各基準レベルごとに振り分けることができる。
つまり、このことから理想値に変換された非変調固定パターンデータは、補間RFデータIPRFに得られる各値を基準レベルごとに振り分けることのできる、基準レベル選択信号として機能するものとなる。
このようなステップS110の動作は、タイミング調整_IPRF54、デマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)55によって行われる。
つまり、タイミング調整_IPRF54からは、タイミング調整された補間RFデータIPRFが上記デマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)55に対して供給される。そして、このデマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)55には、上記加算器51から出力される理想値に変換された非変調固定パターンデータとしての、基準レベル選択信号も供給される。
デマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)55は、上記タイミング調整_IPRF54から供給される補間RFデータIPRFの各値を、このように加算器51から供給される基準レベル選択信号により選択される基準レベルごとに分配して出力する。分配された補間RFデータIPRFの各値は、図8においても示したようにそれぞれ対応する統計処理回路56A〜統計処理回路56Xに供給されるようになっている。
なお、ここで確認のために述べておくと、上記タイミング調整_IPRF54は、非変調固定パターンデータの理想値が生成されるタイミングよりも先行して得られている補間RFデータIPRFについて、デマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)55に入力されるタイミングを調整するものである。従ってこのタイミング調整_IPRF54としては、補間RFデータIPRFに得られる非変調固定パターンデータと、上記のように理想値に変換された非変調固定パターンデータとが同期するタイミングとなるようにタイミング調整を行うことになる。これによってデマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)55では、それぞれの非変調固定パターンデータ(基準レベル選択信号とIPRF)を上記のようにしてbit by bitで比較することができるようにされる。
続くステップS111においては、振り分けられた補間RFデータIPRFの各値ごとに統計処理を行う。この動作は、統計処理回路56A〜統計処理回路56Xが、それぞれデマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)55から分配されて入力されたIPRFの各値について統計処理(移動平均)を行う動作に相当する。
この場合、統計処理回路56A〜56Xは、タイミング調整_enabler52によってタイミング調整されたenable_0信号がデマルチプレクサ(DEMUX_enabler)53によって上記基準レベル選択信号に応じて分配されることによって、それぞれenableとされる。つまり、これによって統計処理回路56A〜56Xのそれぞれは、補間RFデータIPRFの対応する値の入力と同時にenableとなるようになっている。
この場合、enableとされた各統計処理回路56A〜56Xは、新たなIPRFの値の入力に応じて、例えば移動平均処理を行うように構成される。すなわち、各統計処理回路56A〜56Xでは、それぞれ分配されて入力される補間RFデータIPRFの各値について、それらの平均値を求める処理を行っていることになる。
ここで、このように統計処理回路56A〜56Xにてそれぞれ分配されたIPRFの各値について平均値を求める動作は、先の図16(b)において、再生信号(IPRF)の各値の分布の平均値(分布度数のピーク位置)を検出することに相当する。
この図16(b)を参照してわかるように、このように求められるIPRFの各値の分布の平均値が、それぞれの基準レベルとされれば、実際に得られている再生信号(IPRF)に応じた基準レベルを設定することができる。つまり、各統計処理回路56A〜56Xは、上記のようにして補間RFデータIPRFの各値の分布の平均値を求める処理を行っていることで、実際に得られている再生信号に応じた各基準レベルを生成することができるものである。
なお、このように統計処理回路56A〜56Xにて生成される各基準レベルデータA〜Xは、図6に示したブランチメトリック演算ブロック30に対して供給されてブランチメトリックの演算に用いられるべきものであるが、本実施の形態において、このように統計処理回路56A〜56Xにて生成される基準レベルデータをブランチメトリック演算ブロック30に対して設定するタイミングは、後述するようにしてPre−ambleデータに基づく調整が完了した後となる。
但し、後述するPre−ambleデータに基づく調整を行わないとした場合には、例えば非変調固定パターンデータ区間の終了に応じたタイミング等で、統計処理回路56A〜56Xにより生成された基準レベルデータA〜Xをブランチメトリック演算ブロック30に設定するものとすればよい。つまり、具体的には、例えば非変調固定パターンデータ区間の終了に応じたタイミングで、図6に示したセレクト信号生成部34によりマルチプレクサ33に対してセレクト信号を供給するように構成し、これによって基準レベルデータ調整部35からの基準レベルデータA〜Xがマルチプレクサ33を介してブランチメトリック演算ブロック30に設定されるようにすればよい。
また、本実施の形態においては、先の図8の構成にて統計処理回路56A〜56Xのそれぞれが基準レベル選択信号に応じてenableとされることからも理解されるように、各統計処理回路56A〜56Xが、デマルチプレクサ(DEMUX_enabler)53からのIPRFの1値の入力ごとに移動平均処理を行う例を挙げた。しかしながら、このように1値の入力ごとに移動平均を行う手法に代えて、それぞれの統計処理回路56は分配されて入力されてくるIPRFの値をバッファリングするようにし、例えば非変調固定パターンデータの再生が終了したタイミングなどの所要のタイミングで、これらバッファリングしたIPRFの各値(分布)について平均値を求める演算を行って基準レベルデータを生成することもできる。
さらに、本実施の形態では、各統計処理回路56が補間RFデータIPRFの各値についての平均値を求めるように構成したが、基準レベル設定のための統計処理は他にも多様に考えられる。
ここで、統計処理回路にて行われる基準レベル設定のための統計処理としては、実際の再生信号に応じた適切な基準レベルを設定するにあたっての重要な要素となる。本実施の形態では、先の図16の説明において、想定される各基準レベルを平均値として再生信号値が分布する場合が正規分布となるケースを例に挙げたが、例えば記録/再生系の構成等によっては、必ずしも平均値を中心とした分布が、想定したレベルを平均値とする正規分布になるとは限らない可能性がある。よって、各統計処理回路56にて行う統計処理としては、実際の記録/再生系の構成等の諸要素に基づいて想定される再生信号値の正規分布が得られる基準レベルに調整できる統計処理の手法が設定されればよく、ここで特に限定されるべきものではない。
上記のようにして本実施の形態によれば、ディスク100からの実際の再生信号値に応じて、PRML復号ブロック9(ブランチメトリック演算ブロック30)にて2値化処理を行うために設定される各基準レベルを調整することができる。
このようにして実際の再生信号値に応じて各基準レベルを調整できれば、ディスク100個々のバラツキ等によって想定される各基準レベルに対して再生信号値の分布にずれが生じる場合にも、ブランチメトリック演算ブロック30にて算出されるブランチメトリックに誤差が生じないようにすることができ、これによって2値化出力にも誤りを生じさせないようにすることができる。そして、これによれば、再生エラーレートの改善を有効に図ることができる。
また、本実施の形態において上記のような基準レベルの調整に用いる非変調固定パターンデータとしては、先の図7の説明からも理解されるように、予めディスク100に記録されるもとして規定されているデータである。つまり、本実施の形態としては、固定パターンデータとして特別に新たなデータをディスク100に対して記録するものではなく、よってディスク100の実質的な記録容量を犠牲にすることなく基準レベルの調整を行うことができる。
<3.Pre−ambleデータを用いた調整>
*3−1.Pre−ambleデータ*

上述のようにして、ディスク100に対して記録された固定パターンデータを用いた調整の1つとして、非変調固定パターンデータを用いた調整を行うことが可能である。
但し、これはあくまで、ディスク100に記録された非変調固定パターンデータと、記録再生装置1にて生成することのできる非変調固定パターンデータとが一致する場合を前提としたものである。
ここで、Hi−MDの規格において、上記のような非変調固定パターンデータとしては、これを記録するタイミング及びそのパターンについて特に規定はされていない。つまり、非変調固定パターンデータは、場合によっては記録されないこともあり得るもので、また記録される場合であっても記録再生装置1の各製造メーカによって異なっていることもある。従って、仮に同一の記録再生装置1にて記録再生を行う自己録再を行った場合には有効に基準レベルの調整を行うことができても、それ以外の場合では基準レベルの調整を行うことができなくなってしまう。
そこで本実施の形態としては、以下で説明するようにしてディスク100に記録される他の固定パターンデータを用いての基準レベルの調整も可能となるように構成している。
ここで、本実施の形態で例示しているHi−MDの規格では、ディスク100に記録されるべき固定パターンデータとして、Pre−ambleデータと呼ばれる固定データを規定している。つまり、このPre−ambleデータは、そのデータがHi−MDの規格書において規定されている。
従ってこのPre−ambleデータを用いて、先の非変調固定パターンデータを用いる場合と同様の調整動作を行うものとすれば、自己録再以外の場合にも有効に基準レベルの調整を行うことができると考えられる。
但し、実際において、このPre−ambleデータは、そのパターン自体は規格書で規定された固定データであっても、これが1−7PP変調されてディスク100に記録された時には、同一のパターンが得られなくなる場合が存在する。
これは、現状の記録再生装置1においては、変調データについてDC成分抑圧用のDSV(Digital Sum Value)制御ビットを挿入するように規定されていることによる。
*3−2.DSV制御ビット*

ここで、このようなDSV制御ビットについて、次の図10及び図11を参照して説明する。
先ず、図10は、1−7PP変調前の記録データのデータ構造を示している。
図示されるように、1−7PP変調前の記録データとしては、Recording Blockと呼ばれる単位内に、複数のRecording Frameと呼ばれる単位が存在する。このRecording Frameの各々の先頭には、所定長のsync codeが挿入されている。
そして、1つのRecording Block内において、先頭の10個のRecording Frameが、Pre−amble Fieldと称される。このPre−amble Fieldに対して、規格書で規定される固定データを格納するようにされている。この固定データのことを、ここでは「Pre−ambleデータ」と呼んでいる。
また、上記Pre−amble Fieldとしての10個のRecording Frameに対しては、Data Fieldと称される496個のRecording Frameが続く。このData Fieldには、ユーザデータが格納されるべきものとされている。
なお、図示されるように、この場合の1Data Sectorは、31個のRecording Frameから成るようにされる。従ってData Fieldは496/31より16個のData Sectorから成るようにされている。
さらに、Data Fieldの後には、例えば6つのRecording Frameから成るPost−amble Fieldと称される領域が続くようにされる。
図11は、図10に示されるRecording Frameのデータ構造を示している。
先ず、上述もしたようにRecording Frameの先頭には所定長のsync codeが挿入される。この場合sync codeは20ビットとされる。そして、上記sync codeに続けて、実データとしてのData bitが25ビット分挿入される。さらに、これに続けて1ビットによるDSV制御ビット(図中DSVbit)が挿入される。
以降は、45ビットによるData bitに続けて、同様に1ビットのDSV制御ビットが挿入されたパターンが27個繰り返される。
ここで、図示もされているように1Recording Frameは、それぞれ最後尾にDSV制御ビットが挿入された46ビットを単位として、28個の区間に区切られる。このように最後尾にDSV制御ビットが挿入された46ビットから成る区間を、dc-control unitと呼んでいる。
なお、上記それぞれのdc-control unitに挿入されるDSV制御ビットの値としては、この図に示される構造による記録データが1−7PP変調、及びNRZI変調されてディスク100に記録される際に、DC成分が抑制された最適な記録信号が得られるようにして決定される。
このようなDSV制御ビットの決定の手法としては種々提案されているが、具体的な例としては先に本出願人が提案した「特開2003−217239号公報」に記載の技術を挙げることができる。
ここで、上記のようなDSV制御ビットを挿入した記録データの生成は、図1に示した記録再生装置1では、記録データ生成部16内のPre−ambleデータ生成部17、マルチプレクサ18、DSV制御部19、1−7PP変調部20、Recording Frame同期パターン生成部21、マルチプレクサ22、NRZI変調部23によって行われる。
先ず、Pre−ambleデータ生成部17は、先に説明したPre−ambleデータとしての固定データを生成し、このPre−ambleデータをマルチプレクサ18に供給する。
Hi−MDの規格では、このPre−ambleデータ生成部17はスクランブルレジスタを用いることによって上記のようなPre−ambleデータを生成するようにされている。
また、先の図1においても説明したようにして、ホストコンピュータ14からは、ECCブロック13を介したユーザデータが記録データ生成部16に入力される。このユーザデータとしても、図示するようにして上記マルチプレクサ18に入力される。
マルチプレクサ18は、先の図10に示した1Recording Blockにおいて、Pre−amble Fieldの区間ではPre−ambleデータ生成部17からのPre−ambleデータが出力されるように選択し、以降のData Field区間ではECCブロック13からのユーザデータが出力されるように出力選択を行う。
DSV制御部19には、上記マルチプレクサ18からの出力が供給され、先の図11に示したRecording Frameにおいて、1dc-control unitごとにDSV制御ビットを挿入する。このようにして挿入されるDSV制御ビットの値は、後述するNRZI変調部23からの出力データに基づいて決定されるものとなるが、これについては後述する。
DSV制御部19の出力データは、1−7PP変調部20にて1−7PP変調符号に変換されてマルチプレクサ22に供給される。また、このマルチプレクサ22に対しては、Recording Frame同期パターン生成部21によって生成されるsync codeも供給される。
ここで、この図に示される構成から理解されるように、先の図10、図11にて示したRecording Frameに挿入される「sync code」は、実際には図11に示されるsync codeとなる位置に、上記Recording Frame同期パターン生成部21により生成される30modulation−bitsによる1−7PP変調符号によるパターンが1−7PP変調部20の出力データに対して挿入されることで得られるようになっている。
つまり、上記マルチプレクサ22は、このようにして1−7PP変調部20の出力データに対して、上記のようにして各Recording Frameの先頭となるタイミングで上記Recording Frame同期パターン生成部21からの出力データを挿入することで、結果的に図11に示したデータ構造が得られるようにされている。
マルチプレクサ22からの出力データはNRZI変調部23に供給され、先の図2において示したようなNRZI変調を施してこれをマルチプレクサ25に出力する。先にも説明したように、マルチプレクサ25では、非変調固定パターン生成部24からの非変調固定パターンデータの出力後に、NRZI変調部23からの出力データを磁気ヘッド26に対して出力するようにされる。これによってディスク100に対しては、非変調固定パターンデータが記録された後にNRZI変調部23からの出力データ(変調データ)が記録されるようになっている。
ここで、上述したようにDSV制御部19は、NRZI変調部23からの出力データに基づき、最適なDSV制御ビットの値を決定・挿入する動作を行うものとされる。このようなDSV制御ビットの決定・挿入のための動作の概要について述べておく。
先ず、DSV制御部19は、マルチプレクサ18からの出力データについて、それぞれDSV制御ビット’0’、DSV制御ビット’1’を挿入した2系統のデータをそれぞれ1−7PP変調部20に供給する。1−7PP変調部20では、これら2系統のデータ列について変調処理を施すようにされ、さらに変調されたこれら2系統のデータ列がNRZI変調部23に供給されてNRZI変調処理が施される。
このように1−7PP変調及びNRZI変調が施された2系統のデータは、フィードバックされるようにしてDSV制御部19に供給される。そして、これに応じDSV制御部19は、それぞれのデータ列についてDSVを求めるようにされる。DSVの値が小さい方がよりDC成分の少ないデータ列と判別できるので、この判別結果に応じたDSV制御ビットをディスク100に実際に記録されるデータに対して挿入することで、DC成分をより抑圧した変調データをディスク100に対して記録することができる。
なお、上記動作によると、1−7PP変調部20及びNRZI変調部23のそれぞれは、実際にはDSV制御ビット’1’と’0’とが挿入された2系統のデータについて変調処理を施すための2つのエンコーダを備える必要がある。さらには、このようなDSV制御ビット決定動作と並行して、ディスク100に対して記録されるべきデータの生成も行うようにされているので、さらにもう1つのエンコーダが必要となり、1−7PP変調部20及びNRZI変調部23には少なくとも3つのエンコーダが備えられることになる。
また、同様の理由から、DSV制御部19としても、DSV制御ビットの挿入系を少なくとも3つ備えるようにされることになる。
*3−3.基準レベル調整のための構成及び動作*

上記のようにして、ディスク100に対して記録されるデータとしては、DC成分抑圧用のDSV制御ビットが所定のデータ位置に挿入された後に1−7PP変調が施されたものとなる。
現状の規格においては、変調前の記録データならびにDSV制御ビットの挿入位置については規定されているが、そのアルゴリズムについては規定されていない。そのために採用されるアルゴリズムによっては、変調前に挿入されるDSVビットが異なるために変調後の記録パターンが全く異なってしまう可能性がある。
このようにして異なったパターンとされてしまっては、非変調固定パターンデータの場合のように予め用意した固定パターンデータをそのまま用いることはできないものとなってしまう。
そこで、本実施の形態では、ディスク100から再生されたデータから、記録時に挿入されたDSV制御ビットの値を判定するように構成する。
このように判定されたDSV制御ビットの値を挿入したPre−ambleデータについて1−7PP変調及びNRZI変調を行うことで、実際にディスク100に記録されているPre−ambleデータ(変調データ)を特定することができる。さらに、このように特定された変調後のPre−ambleデータについて、これを採用されるPRで想定される理想値に変換したデータを生成することで、先の非変調固定パターンデータの場合と同様にこれを補間RFデータIPRFと照らし合わせて振り分けを行ってそれぞれ統計処理を行い、再生信号値に応じた基準レベルデータの調整を行うことができる。
図12は、このようなPre−ambleデータを用いた基準レベル調整を行うための構成を示したブロック図である。
なお、この図において、図中一点鎖線で囲った部分は、図1に示される記録データ生成部16内における、特にDSV制御ビットの決定・挿入に係る部分の構成を共用している部分である。
なお、このような実施の形態の記録再生装置1が備えるDSV制御ビットの決定・挿入に係る部分の構成は、先の特許文献(特開2003−217239号公報)に記載の構成に則った場合のものである。
ここで、このような実施の形態の記録再生装置1が備える、上記特許文献に記載の構成に則った場合のDSV制御ビットの決定・挿入に係る部分の構成について、簡単に説明しておく。なお、確認のために述べておくと、この図12において一点鎖線で囲った部分の構成は、記録時におけるDSV制御ビットの決定・挿入に係る部分の構成の全てについて示しているものではなく、あくまで本実施の形態の基準レベルデータ調整のための構成が共用する部分についてのみ示しているものである。
記録時におけるDSV制御ビットの決定・挿入に係る部分の詳細な構成及び動作は、上記した特開2003−217239号公報に記載されているものと同様であるので詳しくは該文献を参照されたい。
先ず、上述もしたようにDSV制御ビットの決定・挿入のためには、図1に示した記録データ生成部16内の1−7PP変調部20、NRZI変調部23内には、実際にはそれぞれ3つのエンコーダが備えられるものとなる。この図12において、1−7PP変調部20が備える3つのエンコーダは1−7PPエンコーダ61A、61B、73として示されている。また、NRZI変調部23についてはNRZIエンコーダ63A、63B、75となる。
また、図1に示したDSV制御部19としても、DSV制御ビットを挿入(付加)する系を3つ備えるようにされている。図12では、図示するDSV bit”0”付加部70A、DSV bit”1”付加部70B、決定DSV bit付加部72がこれに相当する。
また、この図12において、図示するRecording Frame同期パターン挿入部62A、62B、74としては、図1に示したRecording Frame同期パターン生成部21によって生成されるRecording Frame同期パターンデータを、それぞれ上記3つの系のデータ列に対して挿入する部位となる。つまり、これらRecording Frame同期パターン挿入部62A、62B、74は、図1で示したマルチプレクサ22内に構成されるものとなる。
なお、図示はしていないが、実際の記録データ生成部16内のDSV制御ビット決定・挿入のための構成においては、図1にてDSV制御部19に対してマルチプレクサ18の出力が供給されていることからも理解されるように、上記DSV bit”0”付加部70A、DSV bit”1”付加部70B、決定DSV bit付加部72のそれぞれには、マルチプレクサ18からの出力が供給されることになる。
但し、本実施の形態の基準レベルデータの調整動作に限っては、Pre−ambleデータ生成部17からのPre−ambleデータに基づいた調整動作を行うので、ここではこれら各付加部70A、70B、72に対しては、図1及びこの図12に示されるPre−ambleデータ生成部17からの出力が供給されるラインのみを示す。
図12において、上記した[DSV bit”0”付加部70A→1−7PPエンコーダ61A→Recording Frame同期パターン挿入部62A→NRZIエンコーダ63A]は、上述したDSV制御ビット決定動作における、DSV制御ビット”0”を挿入した記録データ(変調データ)を生成する第1の系となる。
同様に、[DSV bit”1”付加部70B→1−7PPエンコーダ61B→Recording Frame同期パターン挿入部62B→NRZIエンコーダ63B]は、上述したDSV制御ビット決定動作における、DSV制御ビット”1”を挿入した記録データ(変調データ)を生成する第2の系となる。
実際の記録時におけるDSV制御ビット決定動作のための構成では、上記NRZIエンコーダ63A、NRZIエンコーダ63Bからのそれぞれの出力データ(変調データ)は、図1に示したDSV制御部19に対してフィードバックされてDSV演算に用いられるものとなる。
そして記録時において、DSV制御部19では、上記それぞれの系のDSV積算値に基づいて、最適なDSV制御ビットの値を、上記第1の系で挿入された”0”又は上記第2の系にて挿入された”1”の何れかに決定するが、このように決定された最適なDSV制御ビットの値が、図示は省略したが上記DSV制御部19から、この図12に示される決定DSV bit付加部72に供給されることになる。
この決定DSV bit付加部72に対しては、後述するタイミング調整部71を介して図示するPre−ambleデータ生成部17からのPre−ambleデータ(つまり図1のマルチプレクサ18からの出力データ)が供給される。そして決定DSV bit付加部72は、上記のように供給された決定DSV制御ビットを、タイミング調整部71から指示されるタイミングでマルチプレクサ18から供給されるデータに挿入する。
この決定DSV bit付加部72の後段に対しては、図示するようにして[1−7PPエンコーダ73→Recording Frame同期パターン挿入部74→NRZIエンコーダ75]が設けられる。これらは、ディスク100に対する記録時において、DSV制御部19にて決定されたDSV制御ビットを挿入して変調データを生成する第3の系となる。
つまりは、記録時においては、この第3の系の出力が図1に示されるマルチプレクサ25を介して磁気ヘッド26に供給されて実際にディスク100に対して記録されるものとなる。
なお、本実施の形態においては、後述もするようにこの第3の系をPre−ambleデータの理想値(基準レベル選択信号)を生成するための系として共用するものとしている。
そして、この図12に示されるDSV制御ビット決定・挿入のための構成において、特に上記した特許文献の構成を採用する場合は、図示する有効区切れ生成部69A、有効区切れ生成部69Bが備えられることになる。
ここで、先の図11の説明から理解されるように、DSV制御ビットは、各dc-control unitごとの最後尾に対して挿入される。そして、このように挿入されるDSV制御ビットの”0”と”1”の違いによって、その後の区間(Recording Frame)での変調データのパターンが異なるようにされるものである。
これによると、”0””1”を各々挿入した場合の変調データのDSV値の算出は、或る時点nで挿入すべきDSV制御ビットの位置(n番目のdc-control unitの最終ビット)から次に挿入すべきDSV制御ビットの直前のビット位置(n+1番目のdc-control unitの最終ビットの直前ビット)までを算出期間として行うことが考えられる。
但し、実際には、1−7PPエンコーダ61における1−7PP変調符号への変換では、入力データと変換符号との対応が予め変換テーブルに規定されており、従って入力データの並びによっては、必ずしも上記のように次に挿入すべきDSV制御ビットの直前のビット位置ビットが、変調の切れ目となるとは限らない。
もし仮に、変調の区切れ目が次のDSV制御ビットの挿入位置を含んだ場合、DSV値に影響を与えるため、実際のDSV値の算出は、上記のようなdc-control unitの最終ビットの直前ビットまでを算出期間として行うもとはならず、当該ビットの手前で且つ1−7PP変調の切れ目となるビット位置までを算出区間として行われることになる。ここでは、このようなDSV値算出区間を示すタイミングを有効区切れタイミングと呼んでいる。
図12に示される上記有効区切れ生成部69A、有効区切れ生成部69Bは、このような有効区切れタイミングを生成するために設けられている。
このため、これら有効区切れ生成部69A、有効区切れ生成部69Bには、それぞれ1−7PPエンコーダ69A、69Bから、上記ように変換テーブルの情報と入力データとから特定される変調の区切れ目を表す変調切れ目情報が入力される。また、1−7PPエンコーダ69A、69Bからは、入力データ中のdc-control unitごとのDSV bitの挿入位置を示すタイミング信号(つまり図11ではdc-control unitの区間を示すものである)が供給される。
そして有効区切れ生成部69A及び69Bでは、これら変調切れ目情報と、DSV bit挿入位置とから、上記有効区切れタイミング信号を生成する。
図示は省略したが、記録時においては、これら有効区切れ生成部69A及び69Bにて生成されたそれぞれの有効区切れタイミング_0信号、有効区切れタイミング_1信号が図1に示されるDSV制御部19に供給されて、それぞれ第1の系及び第2の系のDSV値算出区間の情報として用いられることになる。
つまり記録時において、DSV制御部19は、上述したDSV積算値の算出動作として、このようにそれぞれの有効区切れタイミング信号に応じた区間で各系のDSV積算値を算出し、これら2系統のDSV積算値がともに保持された直後のタイミング(判定タイミング)で、この保持されたDSV積算値を比較する。そして、よりDSV積算値の絶対値が少ない方の系のDSV制御ビットを挿入すべきDSV制御ビットとして決定するようにされている。
ここで、これまでの説明のようにして、この場合の構成では、記録時においてDSV制御ビット”0”、”1”を挿入したそれぞれの変調データを生成する2つ系(第1の系、第2の系)について、それぞれDSV積算値を算出し、その結果に基づいてDSV制御ビットの値を決定するものとしているが、このような構成とした場合、決定された方の系の各エンコーダ(1−7PPエンコーダ及びNRZIエンコーダ)のレジスタに保持されているデータ列はデータの連続性が保たれるものの、決定されなかった方の系の各エンコーダで保持されているデータ列は、異なるDSV制御ビットの挿入に基づくものであることから、データの連続性が保たれなくなってしまうことになる。
すなわち、DSV制御ビットの決定後において、決定されなかった方の系は、決定された方の系とは異なる符号列が保持されており、この符号列に対して新たな入力データに基づく変調データを続けてしまっては、DSV制御部19にて正確なDSV積算値を得ることができなくなってしまうものである。
そこで、上述の特許文献にも記載されているSwapと呼ばれる動作を行うようにされている。
このSwap動作は、決定されなかった方の系の各エンコーダのレジスタに保持されているデータ列の内容が、決定された方の系に保持されているデータ列の内容と同じとなるようにデータ内容の更新を行う動作を指す。すなわち、決定されなかった方の系で保持されるデータを決定された方の系で保持されているデータに一致させることで、決定されなかった方の系でのデータの連続性を確保することができるものである。
図示は省略したが、記録時におけるこのようなSwap動作は、DSV制御部19が、決定されたDSV制御ビットの値に基づいて対応する1−7PPエンコーダ61、NRZIエンコーダ63を制御することで実現される。
図12に示される構成において、記録時には、これまでに説明した各部の動作によって記録データに挿入されるべきDSV制御ビットの値が決定されている。
但し、上述もしたように、本実施の形態の基準レベルデータ調整動作としては、再生時において、このように記録データに挿入されたDSV制御ビットが”0”か”1”かを特定するように構成される必要がある。
そこで本実施の形態では、このように挿入されたDSV制御ビットの値を特定するために、記録時と同様にDSV制御ビット”0”と”1”とをそれぞれ挿入した変調データを生成する。そして、これら生成した2つの系の変調データと実際にディスク100から再生されPRML復号された2値化データDDとの一致を比較することで、記録データ(Pre−ambleデータ)に挿入されているDSV制御ビットの値を特定するように構成する。
本実施の形態としては、上記のようにして挿入DSV制御ビット”0”と”1”とを挿入した2つの系の変調データを生成するための構成として、先に説明した記録データ生成部16内に構成される第1の系と第2の系とを共用するようにしている。また、これと共に、これら第1の系と第2の系のそれぞれに対応して設けられている有効区切れ生成部69A、有効区切れ生成部69Bも共用するものとしている。
さらには、上記のように決定されたDSV制御ビットの値を挿入したPre−ambleデータに基づく理想値を得るにあたって必要となる変調系として、上記した第3の系を共用するものとしている。
但し、上記第1の系と第2の系について、NRZIエンコーダ63A・63Bは、ディスク100へのデータ記録時には必要となる部位であるが、再生時(基準レベルデータの調整時)においては必ずしも設けられる必要はない。
つまり、再生時において、これら第1の系と第2の系とで生成される変調データは、後述もするようにPRML復号ブロック9からの2値化データDDと比較されて何れかの一致が比較されるものとなる。
但し、採用されるPRのクラス等によっては、PRML復号ブロック9の復号データ(2値化データDD)として、1−7PP変調符号が得られる場合がある。このような場合は、当然のことながらNRZIによるデコードは不要となる。
例えば、先にも例示したようにHi−MD3と呼ばれる規格では、PR(1,−1)が採用されPRML復号ブロック9の復号出力は1−7PP符号の状態で得られる。一方、Hi−MD1と称される規格ではPR(1,2,1)が採用されてPRML復号ブロック9からの復号出力はNRZI変調データとなる。
このような事情から、本実施の形態の基準レベルデータ調整動作のみを行う場合に限っては、NRZIエンコーダ63A・63Bは必ずしも備えられる必要はないものとなる。
なお、以下では、PRML復号ブロック9からの復号出力がNRZI変調データで得られる場合で、これらNRZIエンコーダ63A・63Bが設けられるものとして説明を続ける。
なお、この場合も図中「Hi-MD3 short」の記載は、例えば上記したHi−MD3とHi−MD1との双方の規格によるディスク100に対応するとしてNRZIエンコーダ63A・63Bが設けられる場合に、Hi−MD3によるディスク100の再生時にはNRZIエンコーダ63A・63Bをパスして1−7PP変調データが後段に供給されるようにすればよいことを示している。
そして、上記のように図1の記録データ生成部16内の構成を共用した上で、本実施の形態の動作を実現するための構成として、先の図6に示した基準レベルデータ調整部35内に以下の構成を追加するものとしている。
先ず、基準レベルデータ調整部35内には、上述のようにしてDSV制御ビット”0”と”1”とをそれぞれ挿入した変調データと、実際にディスク100から再生されてPRML復号された2値化データDDとの一致を比較するための構成として、図示する反転制御部64A、反転制御部64B、シフトレジスタ65A、シフトレジスタ65B、シフトレジスタ66、比較器67A、比較器67B、不一致bit積算部68A、不一致bit積算部68Bが設けられる。
さらに、決定されたDSV制御ビットを挿入したPre−ambleデータを理想値に変換し、この理想値によるデータと再生されてくる補間RFデータIPRFとに基づいて各基準レベルデータを調整するための構成として、図示する反転制御部64C、シフトレジスタ76、乗算部77、加算器78、タイミング調整_enabler79、デマルチプレクサ(DEMUX_enabler)80、タイミング調整_IPRF81、デマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)82と共に、先の図8に示した統計処理回路(基準レベルA)56A〜統計処理回路(基準レベルX)56Xを備えている。
その上で、この図12に示される各部に対する制御を行って本実施の形態としての動作を実現する制御部60とが設けられている。
この図において、先ず上記した記録データ生成部16内の第1の系と第2の系との出力データは、それぞれ反転制御部64A、反転制御部64Bに供給されるようになっている。これら反転制御部64A、反転制御部64Bの出力はそれぞれシフトレジスタ65A、シフトレジスタ65Bに対して供給される。
さらに、PRML復号ブロック9からの出力データである2値化データDDがシフトレジスタ66に供給される。
上記比較器67Aには上記シフトレジスタ65Aからの出力と上記シフトレジスタ66からの出力データが供給されるようになっている。また、他方の比較器67Bに対しては、上記シフトレジスタ65Bからの出力と上記シフトレジスタ66からの出力が供給されるようになっている。
不一致bit積算部68A、不一致bit積算部68Bには、それぞれ比較器67A、比較器67Bからの出力が供給される。そして、これら不一致bit積算部68A、不一致bit積算部68Bの積算結果は制御部60に入力されるようになっている。
制御部60には、図1に示したコントローラ15からの再生開始信号SPが入力される。
また、制御部60には、有効区切れ生成部69A及び有効区切れ生成部69Bのそれぞれから有効区切れタイミング_0信号と有効区切れタイミング_1信号も入力される。
また、制御部60からは、上記した反転制御部64A、反転制御部64Bに対しそれぞれ反転制御信号RC0と反転制御信号RC1とが供給されるようになっている。さらには、反転制御信RC2が、反転制御部64Cに供給される。
また、1−7PPエンコーダ61A・61B、Recording Frame同期パターン挿入部62A・62B、NRZIエンコーダ63A・63B、シフトレジスタ65A・65Bの各部には、enable_A信号と、後述するようにして制御部60が生成するSwap信号とが供給される。
また、上記enable_A信号は、DSV bit”0”付加部70A、DSV bit”1”付加部70B、Pre−ambleデータ生成部17、タイミング調整部71に対しても供給されている。
さらに、1−7PPエンコーダ61A・61B、Recording Frame同期パターン挿入部62A・62B、NRZIエンコーダ63A・63B、決定DSV bit付加部72の各部に対しては、後述するようにして制御部60が判定する判定DSV bitの値が供給されるようになっている。
タイミング調整部71は、Pre−ambleデータ生成部17から供給されるPre−ambleデータを、タイミング調整後、決定DSV bit付加部72に供給するようにされる。また、このタイミング調整部71からは、図示するenable_B信号が、上述した第3の系としての決定DSV bit付加部72、1−7PPエンコーダ73、Recording Frame同期パターン挿入部74の各部と、図示するシフトレジスタ76、タイミング調整_enabler79に対して供給されるようになっている。
シフトレジスタ76に対しては、上記第3の系から生成される変調データが供給される。つまり、第3の系からの出力データは、図示するようにして反転制御部64Cを介してシフトレジスタ76に供給される。そして、このシフトレジスタ76の出力データは、乗算部77に対して供給されるようになっている。
上記乗算部77、加算器78、タイミング調整_enabler79、デマルチプレクサ(DEMUX_enabler)80、タイミング調整_IPRF81、デマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)82は、先の図8におけるシフトレジスタ44、乗算部50、加算器51、タイミング調整_enabler52、デマルチプレクサ(DEMUX_enabler)53、タイミング調整_IPRF54、デマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)54と同様の接続形態により接続され、また各部は図8の場合と同様の動作を行うように構成されている。
つまり、この場合も上記乗算部77内の各乗算器C0〜Cn-1には記録再生装置1にて採用されるPRのクラスに応じた係数C0〜Cn-1が設定され、これら乗算器C0〜Cn-1が上記シフトレジスタ76からの入力データについて乗算を行い、さらに加算器78はこれらの乗算結果について加算処理を行うことで基準レベル選択信号を生成する。
そして、デマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)82は、タイミング調整_IPRF80によりタイミング調整された補間RFデータIPRFについて、上記加算器78からの上記基準レベル選択信号に基づいた振り分けを行うことで、IPRFの各値を基準レベルごとに分配する動作を行う。
このデマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)82からの分配出力が、先の図8にも示した統計処理回路(基準レベルA)56A〜統計処理回路(基準レベルX)56Xに対してそれぞれ入力されるようになっている。
また、タイミング調整_enabler79は、上記のようにしてタイミング調整部71から供給されるenable_B信号をタイミング調整後、上記したデマルチプレクサ(DEMUX_enabler)80に供給する。デマルチプレクサ(DEMUX_enabler)80は、上記タイミング調整_enabler79から供給されるenable_Bを上記加算器78からの基準レベル選択信号に応じて、統計処理回路56A〜56Xのうちの対応する統計処理回路56に対して供給する。
これによって統計処理回路56A〜56Xのそれぞれは、この場合もIPRFの値の新たな入力に対して統計処理を行って対応する基準レベルデータを調整するようにされている。
ここで、上記図12に示される構成のようにして、先の図8にも示した各統計処理回路56A〜56Xに対して、Pre−ambleデータとしての補間RFデータIPRFの各値が振り分けられて入力されるということは、これら統計処理回路56A〜56Xは、Pre−ambleデータ区間で得られるIPRFの各値についても統計処理を行うようにされているということになる。
つまりは、非変調固定パターンデータが一致した場合においては、非変調固定パターンデータとPre−ambleデータの双方の入力に基づく統計処理を行うようにされているものである。
続いて、図12に示される構成によって実現されるPre−ambleデータに基づく基準レベルデータの調整動作について、次の図13、図14のフローチャートを参照して説明する。
先ず、先の図9のフローチャートの説明からも理解されるように、この図13、図14に示される動作としては、図9ステップS105にて非変調固定パターンデータの一致なしと判別された場合、または非変調固定パターンデータに基づく基準レベルデータの調整が行われた(ステップS111)の後に行われるべき動作となる。つまりは、非変調固定パターンデータ区間の終了後に行われるべき動作となる。
ここで確認のために述べておくと、非変調固定パターンデータ区間が終了した際には、先の図7にて示されるような1−7PP変調及びNRZI変調された変調データ区間として、図10に示したPre−amble FIELD区間が続くものである。従って、この図13に示される動作に移行してきたタイミングでは、ディスク100からPre−ambleデータの再生される直前のタイミングとなる。
先ず、図13に示されるステップS201では、Pre−ambleデータについて、1−7PP変調及びNRZI変調したデータを生成するようにされる。
このステップS201の動作としては、図12に示した制御部60が、先の図1に示したコントローラ15からの再生開始信号SPの供給に応じてenable_A信号をactiveし、これによってPre−ambleデータ生成部17、1−7PPエンコーダ61A・61B、Recording Frame同期パターン挿入部62A・62B、NRZIエンコーダ63A・63Bが動作を開始して、第1の系及び第2の系のデータパターンを生成する動作に相当する。
ここで、先の図11のデータ構造から、dc-control unitではその最後尾にてDSV制御ビットが付加される。このため、ここで生成される変調データの最初の部分(つまり最初のdc-control unitのDSV制御ビット挿入位置の直前までの部分)までは、DSV bit付加部70A・70Bによる動作は行われない。
そして、このことからも理解されるように、上記変調データの最初の部分については、第1の系、及び第2の系によって同じ変調データが生成されることになる。なお、正確にはこれら2つの系の変調データが同じパターンとなるのは、最初の有効区切れタイミングまでとなる。
なお、このステップS201の動作において、先に述べたようにしてPRML復号ブロック9の復号出力が1−7PP符号で得られる場合は、NRZI変調は省略することができる。
ステップS202においては、上記のように生成したPre−ambleデータの反転データ、非反転データをそれぞれ準備する。
ここで、この場合としても、上記のようにして反転/非反転を考慮するのは、先の非変調固定パターンデータの場合と同様に記録系と再生系の関係から反転パターンが生じる可能性があることを見越してのことである。また、特にPre−ambleデータを用いる場合では、記録時にNRZI変調が施されるので、記録開始時でのNRZI変調部23の初期状態によってもこのような反転パターンが生じうる可能性があり、これも考慮しなければならないからである。
そして、上記もしているように、最初のDSV制御ビット挿入までのデータ区間(最初の有効区切れタイミングまで)では、双方は同じパターンデータとなる。このことから先の図8に示した非変調固定パターンデータについての反転・非反転の判定と同様に、この場合も反転・非反転について判定を行うことができるものである。
ステップS202の動作としては、制御部60が上記のようにしてenable_A信号をactiveとする動作により、シフトレジスタ65A・65Bがenableとされ、また、制御部60が反転制御信号RC0又は反転制御信号RC0により、反転制御部65A、反転制御部65Bの何れか一方に反転制御を設定することで実現される。
このような動作が行われることで、シフトレジスタ65A・65Bには、一方に反転による変調データ、他方に非反転による変調データがストアされる。
なお、ステップS202において、制御部60は、上記の極性判定が可能な最初の有効区切れタイミングまでの変調データがシフトレジスタ65A/・65Bにストアできるように、図12に示した有効区切れ生成部69A・69Bから供給される有効区切れタイミング_0信号、有効区切れタイミング_1信号に応じてenable_A信号を一度disableとするようにされる。
先にも述べたように、有効区切れタイミングとはdc-control unitの最後に位置するDSV制御ビットが1−7PPエンコーダ61に入力される直前で、データ列の変換区切れ目となるより遅い方のタイミングである。
そして、ステップS203において、Pre−ambleデータ(Pre−amble Field)の入力が開始されたとする。
すると、ステップS204では、ディスク100から再生されたPre−ambleデータに基づく2値化データDDと、上記のように生成した反転・非反転データとのそれぞれを同時に比較する動作を行う。
ステップS204において、上記のようにPre−amble Fieldの再生が開始されることによっては、PRML復号ブロック9における復号動作が行われてPre−ambleデータに基づく2値化データDDが得られる。この2値化データDDが、図12に示したようにしてシフトレジスタ66に入力される。
比較器67Aは、上述のようにしてシフトレジスタ65Aにストアされた変調データと、上記シフトレジスタ66に入力された2値化データDDとが入力され、これらのデータについて比較を行うようにされる。
また、比較器67Bは、上述のようにしてシフトレジスタ65Bにストアされた変調データと、上記シフトレジスタ66に入力された2値化データDDとが入力され、これらのデータについて比較を行うようにされる。
そして、これら比較器67A、比較器67Bの比較結果が不一致bit積算部68A、不一致bit積算部68Bに入力され、これら不一致bit積算部68A、不一致bit積算部68Bにて演算される不一致bitについての積算結果が制御部60に入力される。
制御部60は、これら不一致bit数が不一致bit数積算部68A・68Bのどちらで設定閾値以下となるかを判定する。つまりは、これによって同期がとれた方の入力が特定されることで、再生されるデータの極性を判定することができる。
ステップS205においては、上記した反転データ、非反転データの各々と2値化データDDとの比較に基づき、これら非反転データと反転データのいずれに2値化データDDとのデータ一致があったか否かについて判別する。
上記説明から理解されるように、このステップS205の判定は、上記した制御部60での不一致bit積算部68A・68Bからの積算結果に基づく判定動作に相当する。
このステップS205において、非反転が判定された場合は、Pre−ambleデータについて非反転制御を設定するようにされる(ステップS206)。また、反転が判定された場合はPre−ambleデータについて反転制御を設定するようにされる(ステップS207)。
これらステップS206、ステップS207の動作として、制御部60は、判定された極性の情報に応じた反転制御信号RC0、RC1を、反転制御部64A、反転制御部64Bに対して出力する。さらに、制御部60は、同様に反転された極性に応じた反転制御信号RC2を、反転制御部64Cに対しても供給する。
これにより図12にて説明した第1の系、第2の系、第3の系において、判定された極性による変調データを生成するように制御を行うことができる。
続くステップS208では、次の有効区切れ期間について、Pre−ambleデータにDSV制御ビット”0””1”を挿入した変調データを生成する。
ここで、上記有効区切れ期間とは、各有効区切れタイミング間の期間を指す。このステップS208の動作として先ず制御部60は、有効区切れ生成部69A、有効区切れ生成部69Bからの有効区切れタイミング_0信号、有効区切れタイミング_1信号により示される有効区切れタイミングで、再度enable_A信号をactiveとする。
これに応じ、Pre−ambleデータ生成部17と共に、第1の系、第2の系においてそれぞれ[DSV bit”0”付加部70A、1−7PPエンコーダ61A、Recording Frame同期パターン挿入部62A、NRZIエンコーダ63A]、[DSV bit”1”付加部70B、1−7PPエンコーダ61B、Recording Frame同期パターン挿入部62B、NRZIエンコーダ63B]が動作を開始して、これら第1の系、及び第2の系においてDSV制御ビット”0””1”を挿入した変調データがそれぞれ生成される。
また、上記enable_A信号がactiveとされることでシフトレジスタ65A・65Bもenableとされるので、上記第1の系及び第2の系にて生成された変調データは、それぞれ反転制御部64A、64Bを介してこれらシフトレジスタ65A・65Bにストアされる。
なお、この場合の有効区切れ生成部69A、69Bにて生成されるそれぞれの有効区切れタイミング_0信号、有効区切れタイミング_1信号は、後述するswap動作によりそれぞれタイミングが一致した信号となるようにされる。
このため、このステップS208において上記制御部60がenable_A信号をactiveとするタイミングは1つのタイミングに統一できる。
そして、ステップS209では、変調された挿入DSVビット”0”、”1”のデータと、2値化データDDとを比較する動作が行われる。
つまり、この時点においては、シフトレジスタ66に対しても次の有効区切れ期間に対応した2値化データDDが入力されてくる。そして、上記のようにしてシフトレジスタ65Aにストアされた挿入DSVビット”0”の変調データは、比較器67Aに入力される。
また、この比較器67Aには、上記シフトレジスタ66からの2値化データも入力される。
これによって、この比較器67Aでは、当該有効区切れ期間での挿入DSVビット”0”の変調データと2値化データDDとが比較される。
同様にして、シフトレジスタ65Bとシフトレジスタ66の間では、比較器67Bにより、当該有効区切れ期間での挿入DSVビット”1”による変調データと2値化データDDとの比較が行われることになる。
そして、これら比較器67A、67Bの比較結果は、先にも説明したように不一致bit積算部68A、不一致bit積算部68Bに対して入力されて不一致bitについての積算値が演算される。さらに、これらの積算値が制御部60に入力される。
続いて、図14に示されるステップS210では、挿入DSVビット”0”による変調データと、挿入DSVビット”1”による変調データのどちらが一致したかについての判定を行う。
つまり、制御部60は、不一致bit積算部68A、不一致bit積算部68Bの積算値についてどちらが所定閾値以下となったかを判定することで、挿入DSVビット”0”系列、挿入DSVビット”1”系列のどちらが2値化データDDと一致したかを判定する。
ここで、挿入されたDSV制御ビットの値が判定されたことに応じて、本実施の形態としても先の特許文献にも記載されるswap動作を行う
本実施の形態で行われるSwap動作としても、判定されなかった方のDSVビットを挿入した変調データを生成していた方の系に保持されるデータ状態を、判定された方の系のデータ状態と一致させる動作を言う。
つまり、このようにすることで、この場合も記録時と同様に、判定されなかった方の系で保持されるデータの連続性を確保することができる。そして、この場合には、データの連続性が確保できることで、挿入DSVビット”0””1”の判定を正しく行うことができるようになる。
この場合のSwap動作として、挿入DSVビット”0”系列の方が一致したと判定した場合は、挿入DSVビット”0”系列の状態に基づくSwap動作を行う(ステップS211)。このため、制御部60は、図12に示されるSwap信号を、挿入DSVビット”1”系列となる[1−7PPエンコーダ61B、Recording Frame同期パターン挿入部62B、NRZIエンコーダ63B、シフトレジスタ65B]に供給して、これらのレジスタで保持されるデータの状態が、判定された挿入DSVビット”0”系列の各部のレジスタで保持されているデータ状態と同じとなるようにSwap動作を行う。
一方、挿入DSVビット”1”系列の方が一致したと判定した場合は、挿入DSVビット”1”系列の状態に基づくSwap動作を行う(ステップS212)。つまり、制御部60は、Swap信号を挿入DSVビット”0”系列となる[1−7PPエンコーダ61A、Recording Frame同期パターン挿入部62A、NRZIエンコーダ63A、シフトレジスタ65A]に供給して、これら各部のレジスタで保持されるデータ状態が挿入DSVビット”1”系列の各部で保持されているデータ状態となるようにSwap動作を行う。
そして、このようなSwap動作に続いては、判定結果に応じたDSV制御ビットを挿入したPre−ambleデータを1−7PP変調及びNRZI変調し、さらにこの変調データを採用されるPRで想定される理想値に変換する動作が行われる。
つまり、挿入されたDSV制御ビットが”0”であったとされた場合は、DSV制御ビット”0”を挿入したPre−ambleデータについて変調データの生成及び理想値への変換を行う(ステップS213)。
また、挿入されたDSV制御ビットが”1”であったとされた場合は、DSV制御ビット”1”を挿入したPre−ambleデータについて変調データの生成及び理想値への変換を行う(ステップS214)。
ステップS213の動作としては、先ず制御部60が、図12に示した判定DSV bit信号により、決定DSV bit付加部72に対して”0”を指示する。
ここで、図12に示されるタイミング調整部71は、Pre−ambleデータ生成部17で生成されるPre−ambleデータのデータ列と、上記のように制御部60にて挿入DSVビットが判定されるタイミングとの間でタイミング調整を行っている。すなわち、これによって決定DSV bit付加部72では、Pre−ambleデータ生成部71から供給されるデータ列中の、今回の判定対象となった有効区切れ期間内の適正な位置に、上記のように指示されたDSV制御ビット”0”を挿入することができるようにされている。
また、上記タイミング調整部72は、上記したタイミング調整に応じたタイミングで、第3の系としての[1−7PPエンコーダ73、Recording Frame同期パターン挿入部74、NRZIエンコーダ75]、及びシフトレジスタ76、及びタイミング調整_enabler79に供給されるenable_B信号をactiveとする。これによって決定DSV bit付加部72にてDSV制御ビットが挿入されたPre−ambleデータは、第3の系にて変調され、図示する反転制御部64Cを介してシフトレジスタ76に入力される。なお、このとき、反転制御部64Cでは先のステップS206又はS207により判定された極性が設定されているので、再生信号に応じた極性が設定されていることになる。
そして、シフトレジスタ76に入力された変調データは、乗算部77内の乗算器C0〜Cn-1に入力されてそれぞれ係数C0〜Cn-1と乗算され、この乗算結果が加算器78に入力されて加算されて、採用されるPRのクラスで想定される理想値に変換される。
上記乗算部77及び加算器78による理想値への変換動作は、先に説明した乗算部50及び加算器51による動作と同様となるのでここでの説明は省略する。
一方、ステップS214の動作としては、制御部60が、判定DSV bit信号により決定DSV bit付加部72に対して”1”を指示する。なお、以降の変調データの生成及び理想値への変換動作についてはステップS213にて説明したものと同様となるので説明は省略する。
続くステップS215では、再生されてくる補間RFデータIPRFの各値を、上記のように変換された理想値によるPre−ambleデータに照らし合わせることで、補間RFデータIPRFの各値を基準レベルごとに振り分ける動作を行う。
このステップS215の動作は、先の図9におけるステップS110と同様となる。
つまり、タイミング調整_IPRF81からは、タイミング調整された補間RFデータIPRFがデマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)82に対して供給される。そして、このデマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)82には、上記加算器78から出力される理想値に変換された非変調固定パターンデータとしての、基準レベル選択信号も供給される。
これによってデマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)82は、上記タイミング調整_IPRF81から供給される補間RFデータIPRFの各値を、基準レベル選択信号により選択される基準レベルごとに分配して出力するようにされる。この場合も分配された補間RFデータIPRFの各値は、それぞれ対応する統計処理回路56A〜統計処理回路56Xに供給されるものとなる。
なお、上記タイミング調整_IPRF81としても、補間RFデータIPRFと理想値に変換された変調データとが同期するタイミングとなるようにタイミング調整を行うようにされ、これによってデマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)82ではIPRFと理想値(基準レベル選択信号)とについてbit by bitでの比較が可能となるようにされている。
そして、ステップS216では、振り分けられた補間RFデータIPRFの各値ごとに統計処理を行う。この動作としても、先の図9にて説明したものと同様となる。つまり、統計処理回路56A〜統計処理回路56Xが、それぞれデマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)から分配されて入力されたIPRFの各値について統計処理(移動平均)を行うものである。
この場合、図12に示すタイミング調整_enabler79は、上記したステップS213(又はS214)においてタイミング調整部72によりactiveとされたenable_B信号を、入力される補間RFデータIPRFとの間でタイミング調整を行ってデマルチプレクサ(DEMUX_enabler)80に供給する。
そして、統計処理回路56A〜56Xは、このようにタイミング調整_enabler79によってタイミング調整されたenable_B信号が、上記デマルチプレクサ(DEMUX_enabler)80によって上記基準レベル選択信号に応じて分配されることによって選択的にenableとされ、これによってこの場合も統計処理回路56A〜56Xのそれぞれは、上記デマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)82からの補間RFデータIPRFの対応する値の入力と同時にenableとなるようになっている。
先の図9においても説明したように、enableとされた各統計処理回路56A〜56Xは、新たなIPRFの値の入力に応じて移動平均処理を行うように構成される。すなわち、それぞれ入力される補間RFデータIPRFの各値についてそれらの平均値を求める処理を行っていることに相当する。
ここで、確認のために述べておくと、各統計処理回路56A〜56Xは、先の図9にて説明した動作からも理解されるように、非変調固定パターン生成部24にて生成された非変調固定パターンデータとディスク100から再生された非変調固定パターンデータとが一致する場合には、この非変調固定パターンデータに基づいての移動平均処理を既に行っているものとなる。
そして、この非変調固定パターンデータに基づく統計処理後には、上記により説明したPre−ambleデータに基づいての統計処理も行うことになる。
これによれば、各統計処理回路56A〜56Xは、非変調固定パターンデータが一致した場合には非変調固定パターンデータ区間とPre−ambleデータ区間(Pre−amble Field区間)とにわたって、再生信号に応じた調整動作を行うことができるようになる。このように比較的長い期間にわたって再生信号(補間RFデータIPRF)に応じた調整が為されることで、生成される各基準レベルデータA〜Xとしては、より信頼性の高いの値とすることができる。
続くステップS217においては、調整動作が終了したか否かについて判別される。
この場合、Pre−ambleデータに基づく調整は、例えばPre−ambleデータ区間(図10にて示したPre−amble Field)のおよそ半分程度の時点で調整動作を終了するものとしている。従って、それまでは調整動作が継続されることになる。
すなわち、この調整終了時点までは、図12に示した各部の動作が継続されることで、先の図13に示されるステップS208に戻り、次の有効区切れ区間について挿入DSVビット”0””1”のそれぞれの系列と2値化データDDとの比較、判定を始めとしたステップS208〜ステップS215までの動作が繰り返し実行されることになる。
つまり、これによって有効区切れ期間ごとに、[挿入DSVビットの判定、判定DSVビットを挿入した変調データの生成及び理想値(基準レベル選択信号)への変換、基準レベル選択信号に基づく補間RFデータIPRFの各値の振り分け及び統計処理(各基準レベルデータの調整)]が繰り返し行われるものとなる。
そして、調整動作が終了したとされた場合は、各統計処理回路56A〜56Xの統計処理結果(各基準レベルデータ)を、ブランチメトリック演算ブロック30に対して設定する動作が行われる(ステップS218)。
各統計処理回路56A〜56Xにより調整された基準レベルデータA〜Xは、先にも説明したように先の図6にて示したマルチプレクサ33に対して供給されるようになっている。同じ図6に示されるセレクト信号生成部34は、予め、上記のようなPre−ambleデータ区間のおよそ半分程度となるタイミングで、マルチプレクサ33に対して各統計処理回路56A〜56Xからの出力を選択させるためのセレクト信号を出力するように構成されている。
これによって、統計処理回路56A〜56Xのそれぞれの統計処理結果としての基準レベルデータA〜Xが、ブランチメトリック演算ブロック30に対して設定されることになる。
なお、ここでは、Pre−ambleデータ区間の半分程度の期間にわたって基準レベルデータの調整を行うものとしたが、これはあくまでも一例を示したに過ぎない。
例えば、Pre−ambleデータ区間の最後まで調整を行うとすれば、その分長い期間にわたって再生信号に応じた基準レベルデータの調整を行うことができる。すなわち、これによってさらに信頼性の高い基準レベルデータを設定することができる。
但し、実際にはPre−ambleデータ区間に続く実データの領域の再生は、Pre−amble領域内で検出されたFrame同期パターンに影響されるので、調整区間(つまり調整されてない固定の基準レベルデータを用いた2値化が行われる区間ともなる)を長くすると、実データ領域での再生に悪影響を与える可能性はある。
或いは、基準レベルデータの調整期間は、このようにデータ区間により定める以外にも、各統計処理回路56で得られる各基準レベルの値が、予め定められた或る範囲内の値に収束するまでとすることも考えられる。つまり、各統計処理回路56の移動平均処理により、各基準レベルが或る範囲に収束した場合、これら基準レベルは再生信号値の各分布の平均値付近の値となっていると考えられるので、これによって実際の再生信号に応じた適正な基準レベルに調整されたと推定し、調整動作を終了するものである。
このような動作とする場合、例えば各統計処理回路56から出力される各基準レベルごとに判定回路を設け、各判定回路では入力される基準レベルの値が上記のように予め定められた範囲内に収束したかを判定し、その結果を図6に示したセレクト信号生成部34に対して供給するように構成する。その上で、セレクト信号生成部34としては、これら判定回路からの結果が全て肯定結果となることに応じ、マルチプレクサ33に対して各統計処理回路56A〜56Xからの出力を選択させるためのセレクト信号を出力するように構成すればよい。
以上のようにして、本実施の形態では、既知の固定パターンデータとしてのPre−ambleデータが、DSV制御ビットが挿入された後に変調されるものであった場合にも、挿入されたDSV制御ビットを判定することができる。そして、この判定されたDSV制御ビットを挿入したPre−ambleデータを生成し、この変調データを理想値に変換して基準レベル選択信号を生成することで、この基準レベル選択信号に基づいてディスク100から再生されるPre−ambleデータを各基準レベルごとに振り分けることができる。さらに、このように基準レベルごとに振り分けられた各値について移動平均処理(統計処理)が行われることで、ディスク100からの再生信号に応じた適正な基準レベルデータに調整することができる。
このようにして、Pre−ambleデータに基づく基準レベルデータの調整動作を行うことができれば、ディスク100に記録されている非変調固定パターンデータが記録再生装置1側で生成できる(予め用意できる)パターンと異なるものであった場合にも、再生信号に応じて各基準レベルデータを調整することが可能となり、これによってブランチメトリック演算ブロック30に対して適正な基準レベルデータを設定することができる。
このようにブランチメトリック演算ブロック30に設定される基準レベルデータが適正なものとされれば、PRML復号による2値化処理に用いられるブランチメトリックの値の誤差も抑制され、これによってPRML復号ブロック9の復号出力としての2値化データDDのエラーレートも改善することができる。
また、Pre−ambleデータとしても、先の非変調固定パターンデータと同様にディスク100に対して記録されることが規定されている固定パターンデータである。よって、この場合もディスク100に対して特別な固定パターンデータを別途記録することなしに、基準レベルデータの調整を行うことができる。すなわち、ディスク100の実質的な記録容量を犠牲とせずに基準レベルデータの調整を行うことができる。
さらには、先の図12の構成を参照してわかるように、Pre−ambleデータに基づく調整において、挿入DSVビット”0”系列(第1の系)、挿入DSVビット”1”系列(第2の系)、及び決定DSV bitを挿入した変調データの生成系(第3の系)の構成は、記録時に必要とされる構成を共用することができる(図12中一点鎖線内参照)。よって、ディスク100に対する記録が可能な記録再生装置に本発明を適用する場合は、その分追加部品を少なくすることができる。
ここで、本発明としては、これまでに説明した実施の形態に限定されるものではない。 例えば、本実施の形態では、本発明が記録媒体に対する記録及び再生を行う記録再生装置に適用される例を挙げたが、再生のみを行う再生装置に対して適用することも可能である。
但し、これまでの説明のようにして非変調固定パターンデータ及びRre-ambleデータの双方に基づく調整動作が可能となるように構成する場合、先の図12の構成からも明らかなように、実際には記録系の構成を用いる構成となる。
一方、非変調固定パターンデータのみに基づく調整を行うとした場合では、特に記録系の追加構成は不要であるので、再生装置には好適である。
また、本実施の形態では、記録媒体からの再生信号についてPRML復号を行う場合に本発明を適用する場合を例示したが、ネットワーク、又は衛星等の所要の通信媒体を介して受信されるデータ信号について復号する受信装置に対しても好適に適用できる。
また、先の図13〜図14にて示したPre−ambleデータに基づく調整動作において、本実施の形態ではディスク100から再生されるPre−ambleデータと装置側で生成したPre−ambleデータとの同期状態が確保されることを前提として説明したが、例えばこれらのデータの同期がはずれた場合には、同期がはずれたRecording Frameに続くRecording Frameにおいて、DSVビット”0””1”系列と2値化データDDとの比較を行えばよい。この場合、Pre−ambleデータ生成部17において、上記続くRecording Frameの先頭におけるスクランブルレジスタの値は、前もって演算した物をテーブルとして持っておきその値をスクランブルレジスタにロードすることによりPre−ambleデータ生成部17の状態を上記続くRecording Frameの初期状態とする事ができる。
また、各統計処理回路56A〜56Xにおける統計処理動作として、本実施の形態においては、基準レベル選択信号に応じて対応する統計処理回路がenableとされて、各統計処理回路は1値入力ごとに移動平均処理を行うものとした。
しかし、他の方法として、各統計処理回路56は1値の入力ごとに動作させるのではなく、入力される全ての値を保持できるように構成し、調整動作の終了タイミングでこれら保持された複数の値について統計処理(平均値算出処理)を行って基準レベルデータを生成するように構成することもできる。
また、これまでで説明した実施の形態では、基準レベルデータの調整処理を実行するタイミングについて特に言及はしなかったが、例えば装填されるディスク100ごとに行うことで、ディスク100の固体ごとのバラツキに起因する再生信号のずれに応じた適切な基準レベルデータに調整することができる。
また、同一のディスク100についても再生開始ごと等の所要のタイミングで複数回実行すれば、各統計処理回路56ではその分長い期間の再生信号に応じた基準レベルデータに調整できるので、その分信頼性の高い基準レベルデータに調整することができる。
また、本発明としては、再生信号に基づいて調整した基準レベルデータを設定することで、再生信号値と想定される各基準レベルとのずれをキャンセルすることがその本質としてある。
実施の形態では、このような再生信号値と各基準レベルとのずれのキャンセル手法として、基準レベル側を再生信号に応じて調整するものとしているが、逆にPRML復号ブロック内に設定される基準レベルは想定される値で固定として、PRML復号ブロックに入力される再生信号(補間RFデータIPRF)側が、設定される基準レベルに応じた値となるように等化器の係数を設定することも可能である。つまりは、図16(b)の例で言えば、再生信号値の各分布を、固定による各基準レベルを平均値とするように適応等化させることで、同様の結果を得るようにするものである。
なおこのような等化器の係数の設定方法についての詳細はここでは省略するが、適応等化のアルゴリズムが各種発案されているのでそれらを参照されたい。
本発明の実施の形態としての再生装置の内部構成を示すブロック図である。 RLL(1,7)符号化方法における最小磁化反転幅の説明図である。 PRML復号における状態遷移の過程の説明図である。 PRML復号における状態遷移の過程の説明図である。 PRML復号におけるトレリス線図の説明図である。 実施の形態の再生装置が備えるPRML復号装置の内部構成を示すブロック図である。 記録データに対する非変調固定パターンデータの挿入例について説明するための図である。 実施の形態のPRML復号装置が備える基準レベルデータ調整部の内部構成として、主に非変調固定パターンデータに基づく調整を行う部分の構成を示したブロック図である。 実施の形態の基準レベデータ調整動作として、非変調固定パターンデータに基づく調整動作について説明するためのフローチャートである。 記録媒体への記録データのデータ構造について説明するための図である。 同じく、記録媒体への記録データのデータ構造について説明するための図である。 実施の形態のPRML復号装置が備える基準レベルデータ調整部の内部構成として、主にPre−ambleデータに基づく調整を行う部分の構成を示したブロック図である。 実施の形態の基準レベデータ調整動作として、Pre−ambleデータに基づく調整動作について説明するためのフローチャートである。 同じく、実施の形態の基準レベデータ調整動作として、Pre−ambleデータに基づく調整動作について説明するためのフローチャートである。 採用されるPRのクラスで想定される理想値への変換動作の一例について説明するための図である。 再生信号値が各基準レベルに対して正規分布している場合の例と、再生信号値の分布と各基準レベルとにずれが生じた場合の例について説明するための図である。
符号の説明
1 記録再生装置、9 PRML復号装置、16 記録データ生成部、17 Pre−ambleデータ生成部、20 1−7PP変調部、21 Recording Frame同期パターン生成部、23 NRZI変調部、24 非変調固定パターン生成部、30 ブランチメトリック演算ブロック、31 ACS(加算・比較・選択)演算ブロック、32 パスメモリブロック、33 マルチプレクサ、34 セレクト信号生成部、35 基準レベルデータ調整部、36 固定基準レベルデータ、40 制御部、41,42 反転制御部、43,44,47 シフトレジスタ、46,47 比較器、48,49 不一致bit積算部、50 乗算部、C0〜Cn-1 乗算器、51 加算器(基準レベル選択信号生成)、52 タイミング調整_enabler、53 デマルチプレクサ(DEMUX_enabler)、54 タイミング調整_IPRF、55 デマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)、56A〜56X 統計処理回路、60 制御部、61A,61B,73 1−7PPエンコーダ、62A,62B,74 Recording Frame同期パターン挿入部、63A,63B,75 NRZIエンコーダ、64A,64B,64C 反転制御部、65A,65B,66 シフトレジスタ、67A,67B 比較器、68A,68B 不一致bit積算部、69A,69B 有効区切れ生成部、70A DSV bit”0”付加部、70B DSV bit”1”付加部、71 タイミング調整部、72 決定DSV bit付加部、76 シフトレジスタ、77 乗算部、78 加算器(基準レベル選択信号生成)、79 タイミング調整_enabler、80 デマルチプレクサ(DEMUX_enabler)、81 タイミング調整_IPRF、82 デマルチプレクサ(DEMUX_IPRF)

Claims (10)

  1. 固定パターンデータを含むようにされたデータ信号を入力する入力手段と、
    上記入力手段により入力される上記データ信号について所定のパーシャルレスポンスのクラスに応じた波形等化処理を施す波形等化手段と、
    上記所定のパーシャルレスポンスのクラスに応じた各基準レベルデータが設定され、上記波形等化手段を介して入力される上記データ信号について上記基準レベルデータを用いたパーシャルレスポンス最尤復号処理を行うことで2値化データを生成するPRML復号手段と、
    予め用意された上記固定パターンデータに対する所定演算を行うことで、上記固定パターンデータを上記所定のパーシャルレスポンスのクラスで想定される理想的な基準レベルデータで表現した理想レベル固定パターンデータに変換する変換手段と、
    上記波形等化手段を介して入力される上記固定パターンデータの各値を、上記変換手段により得られた上記理想レベル固定パターンデータの各値と照らし合わせた結果に基づき、上記入力される固定パターンデータの各値を上記理想的な基準レベルデータの値ごとに振り分け、振り分けられた各値についてそれぞれ所定の統計処理を行った結果に基づき、上記PRML復号手段に設定される上記各基準レベルデータの値を調整する調整手段と、
    を備えることを特徴とするPRML復号装置。
  2. 上記調整手段は、
    上記所定の統計処理として、上記振り分けられた各値の平均値を求めるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のPRML復号装置。
  3. 固定パターンデータを含むようにされたデータ信号を入力する入力手段と、上記入力手段により入力される上記データ信号について所定のパーシャルレスポンスのクラスに応じた波形等化処理を施す波形等化手段と、上記所定のパーシャルレスポンスのクラスに応じた各基準レベルデータが設定され、上記波形等化手段を介して入力される上記データ信号について上記基準レベルデータを用いたパーシャルレスポンス最尤復号処理を行うことで2値化データを生成するPRML復号手段とを備えたPRML復号装置におけるPRML復号方法として、
    予め用意された上記固定パターンデータに対する所定演算を行うことで、上記固定パターンデータを上記所定のパーシャルレスポンスのクラスで想定される理想的な基準レベルデータで表現した理想レベル固定パターンデータに変換する変換手順と、
    上記波形等化手段を介して入力される上記固定パターンデータの各値を、上記変換手順により得た上記理想レベル固定パターンデータの各値と照らし合わせた結果に基づき、上記入力される固定パターンデータの各値を上記理想的な基準レベルデータの値ごとに振り分け、振り分けられた各値についてそれぞれ所定の統計処理を行った結果に基づき、上記PRML復号手段に設定される上記各基準レベルデータの値を調整する調整手順と、
    を備えることを特徴とするPRML復号方法。
  4. 固定パターンデータを含むようにされたデータ信号が記録される記録媒体について少なくとも再生を行う再生装置として、
    上記記録媒体から上記データ信号を読み出す読出手段と、
    上記読出手段により読み出される上記データ信号について所定のパーシャルレスポンスのクラスに応じた波形等化処理を施す波形等化手段と、
    上記所定のパーシャルレスポンスのクラスに応じた各基準レベルデータが設定され、上記波形等化手段を介して入力される上記データ信号について上記基準レベルデータを用いたパーシャルレスポンス最尤復号処理を行うことで2値化データを生成するPRML復号手段と、
    予め用意された上記固定パターンデータに対する所定演算を行うことで、上記固定パターンデータを上記所定のパーシャルレスポンスのクラスで想定される理想的な基準レベルデータで表現した理想レベル固定パターンデータに変換する変換手段と、
    上記波形等化手段を介して入力される上記固定パターンデータの各値を、上記変換手段により得られた上記理想レベル固定パターンデータの各値と照らし合わせた結果に基づき、上記入力される固定パターンデータの各値を上記理想的な基準レベルデータの値ごとに振り分け、振り分けられた各値についてそれぞれ所定の統計処理を行った結果に基づき、上記PRML復号手段に設定される上記各基準レベルデータの値を調整する調整手段と、
    を少なくとも備えることを特徴とする再生装置。
  5. 上記調整手段は、
    上記所定の統計処理として、上記振り分けられた各値の平均値を求めるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項4に記載の再生装置。
  6. 上記記録媒体に対して記録される上記固定パターンデータは、
    上記記録媒体へのデータ信号の記録開始直前に挿入される非変調による固定パターンデータとされることを特徴とする請求項4に記載の再生装置。
  7. 上記記録媒体に対して記録される上記固定パターンデータは、所定の固定パターンデータに対して所要の変調処理を施した変調固定パターンデータとされ、
    上記変換手段は、
    予め用意される上記所定の固定パターンデータに対して上記所要の変調処理を施した後に上記所定演算を行うことで、上記理想レベル固定パターンデータを得るように構成される、
    ことを特徴とする請求項4に記載の再生装置。
  8. 上記記録媒体に対して記録される上記固定パターンデータは、所定の固定パターンデータの所定のデータ位置に対して直流成分抑圧用のDSV制御ビットを挿入した後に、所要の変調処理が施されたDSV・変調固定パターンデータとされ、
    上記変換手段は、
    予め用意される上記所定の固定パターンデータに対して上記DSV制御ビットの一方の値を挿入して上記所要の変調処理を施した生成DSV・変調固定パターンデータと、他方の値を挿入して上記変調処理を施した生成DSV・変調固定パターンデータの双方を生成すると共に、
    これら生成DSV・変調固定パターンデータと、上記読出手段により上記記録媒体から読み出され上記PRML復号手段にて復号されて得られる復号DSV・変調固定パターンとを比較した結果に基づき、上記復号DSV・変調固定パターンデータに挿入されたDSV制御ビットを判定し、この判定したDSV制御ビットを挿入して生成した生成DSV・変調固定パターンデータについて上記所定演算を行うことで、上記理想レベル固定パターンデータを生成するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項4に記載の再生装置。
  9. 上記固定パターンデータとして、
    上記記録媒体には、上記記録媒体へのデータ信号の記録開始直前に挿入される非変調固定パターンデータと、所定の固定パターンデータについて、所定のデータ位置に対し直流成分抑圧用のDSV制御ビットを挿入した後に所要の変調処理を施したDSV・変調固定パターンデータとの双方が記録され、
    上記変換手段には、
    予め用意される上記非変調固定パターンデータに対して上記所定演算を行って第1の上記理想レベル固定パターンデータを生成する第1の生成手段と、
    予め用意される上記所定の固定パターンデータに対して指定された値による上記DSV制御ビットを挿入して上記変調処理を施して生成した生成DSV・変調固定パターンデータについて、上記所定演算を行って第2の上記理想レベル固定パターンデータを生成する第2の生成手段とが備えられると共に、
    さらに、
    上記予め用意される非変調固定パターンデータと、上記PRML復号手段から出力される2値化データとを比較する第1の比較手段と、
    上記第1の比較手段による比較結果から上記2値化データ中に上記非変調固定パターンデータと一致するデータが得られた場合に、上記第1の生成手段で生成される上記第1の理想レベル固定パターンデータが、上記調整手段にて上記波形等化手段を介して入力される非変調固定パターンデータに照らし合わすべきデータとして供給されるように制御を行う第1の制御手段とが備えられ、
    また、さらに、
    上記予め用意される所定の固定パターンデータに対して上記DSV制御ビットの一方の値を挿入して上記変調処理を施した生成DSV・変調固定パターンデータと、他方の値を挿入して上記変調処理を施した生成DSV・変調固定パターンデータとを生成し、これら2つの生成DSV・変調固定パターンデータのそれぞれと、上記PRML復号手段から出力される2値化データとを比較する第2の比較手段と、
    上記第2の比較手段による比較結果に基づき、上記2値化データと上記2つの生成DSV・変調固定パターンデータの何れかとの一致を判定することにより、上記記録媒体に記録される上記DSV・変調固定パターンデータに挿入された挿入DSV制御ビットの値を判定すると共に、この判定した挿入DSV制御ビットの値を上記第2の生成手段に対して指定することで、上記第2の生成手段によって当該DSV制御ビットの挿入に基づく上記第2の理想レベル固定パターンデータを生成させて、当該第2の理想レベル固定パターンデータが上記調整手段にて上記波形等化手段を介して入力されるDSV・変調固定パターンデータに照らし合わされるべきデータとして供給されるように制御を行う第2の制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の再生装置。
  10. 上記変換手段は、
    予め用意される上記固定パターンデータの反転データと非反転データとを生成し、これら反転/非反転による上記固定パターンデータと、上記読出手段により上記記録媒体から読み出され上記PRML復号手段にて復号されて得られる復号固定パターンデータとを比較した結果に基づき、上記記録媒体から読み出される上記固定パターンデータについての極性を判定し、この判定した極性による上記理想レベル固定パターンデータを生成するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項4に記載の再生装置。
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