JP2006220394A - 冷却貯蔵庫の排水蒸発装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 蒸発皿が局部的に高温となることを防止する。
【解決手段】 蒸発皿41の底面50の裏面に蒸発皿ヒータ60が貼り付けられ、後部領域52では底面50の幅方向に沿ってジグザグ状に配線され、各ヒータ線61間のピッチは、中央部が最大で両端に向かって小さくされる。前部領域51では、底面50の長さ方向に沿ってジグザグ状に配線され、ここでは6本のヒータ線61が等ピッチで、同ピッチdは後部領域52側の端部のピッチc(最小ピッチ)とほぼ同じとされる。前部領域51側の底面50の表面に、感温筒65が、前側から3本目のヒータ線61Bの真表に対応して密着装着される。感温筒65の配設箇所が早期に高温となり、同箇所が動作温度に達したところでヒータ60への通電が遮断されるのであるから、他の箇所の温度は、感温筒65の配設箇所付近の温度よりも低いかせいぜい同程度に留められる。
【選択図】 図4
Description
ここで一般的には、コードヒータは蒸発皿の底面のほぼ全面にわたって一定の間隔を開けて蛇行状に配線されるとともに、温度センサは同底面の端部に寄った位置に設けられる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、蒸発皿が局部的に高温となることを防止するところにある。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記蒸発皿の前記底面における前記温度センサの配設箇所付近以外の領域では、同領域の中央部に比べて端部の方が前記ヒータが密に配線されているところに特徴を有する。
温度センサの検知温度が所定値に達したら、ヒータへの通電が遮断される。蒸発皿に水が無い状態でヒータに通電された場合、温度センサの配設箇所付近ではヒータが密に配線されているから昇温速度を相対的に高くでき、他の箇所の昇温速度は、温度センサの配設箇所付近のそれと比べると、低いかせいぜい同程度に留められる。そして、早期に高温となる箇所が所定温度に達したところで、ヒータへの通電が遮断されるのであるから、蒸発皿の温度は全域にわたって温度センサの配設箇所付近の温度よりも低いかせいぜい同程度に留められる。
蒸発皿に水が貯留された状態において、ヒータで加熱されることにより水の蒸発が進んで水位が低下すると、温度センサが配設された傾斜面の上部位置が初めに昇温され、その検知によりヒータへの通電が遮断されるのであるから、それより下位の部分で過昇温することが確実に防止される。
<請求項3の発明>
温度センサの配設箇所付近以外の領域でも、熱が籠もりやすい中央部において端部側よりもヒータを粗く配線したから、同領域でもほぼ均等に温度上昇し、部分的な過昇温が防止される。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図5によって説明する。この実施形態では業務用の縦型冷蔵庫に適用した場合を例示しており、まず図1により冷蔵庫の全体構造を説明する。冷蔵庫本体10は前面開口の縦長の断熱箱体から構成されており、下面の四隅に立てられた脚11によって支持され、内部が貯蔵室12とされている。貯蔵室12の前面開口は、仕切枠13によって上下2つの開口部14に仕切られ、各開口部14には断熱扉15が揺動開閉可能に装着されている。
貯蔵室12の天井部分における窓孔23の下面側には、エアダクトを兼ねたドレンパン24が張設され、その上方に冷却器室25が形成されている。ドレンパン24の底面は、奥縁(図1の左側)に向けて下り勾配となるように形成され、手前側の領域に吸込口26が開口されているとともに、奥縁側には吹出口27が切り欠き形成されている。
除霜運転は、除霜ヒータ32に通電して加熱することで行われ、除霜水はドレンパン24で受けられたのち排水路33を流下し、後記するように冷蔵庫本体10の下面に装備された蒸発皿ユニット40で受けられるようになっている。
なお、背面壁10Aの上記した排水路33の側方には、蒸気通路35が下面から上面に開口して形成されている。
ケース42は、上面並びに前後両面が開口された少し深めの箱状に形成され、冷蔵庫本体10の奥行よりも少し短い長さ寸法と、同冷蔵庫本体10の横幅の数分の一の幅寸法を有している。なお、ケース42の底面における前端側の所定領域には切欠部45が形成されている。また、左右の側板46の上縁には、外向きに直角曲げされたフランジ47が形成されている。
蒸発皿41の前端面51A、後面板54及び左右の側面板55の上縁には、外向きのフランジ56が形成されている。このうち左右の側面板55のフランジ56は、その外方突出端が、下向きと外向きに二度直角曲げされ、上記したケース42のフランジ47上に重ねられる取付板57が形成されている。
(中央部の)ピッチa>(中間部の)ピッチb>(端部の)ピッチc
端部のピッチcは、中央部のピッチaの1/3程度である。
蒸発皿ヒータ60は上記のように配線されて、アルミ箔(図示せず)によって貼り付けられるようになっている。また、蒸発皿ヒータ60のリード線62は、冷蔵庫本体10の壁面内等を通って機械室17内の電装箱(図示せず)に装備された制御装置に接続されている。
なお、蒸発皿ヒータ60の途中位置、例えば一番手前のヒータ線61Aの途中に温度ヒューズを介設するとよい。
蓋板43の左右の側縁には、下向きに直角曲げされた側板69が形成され、両側板69の下縁から外向きにフランジ70が形成されている。なお、蓋板43の前端側には、ケース42側の切欠部45と対応して切欠部71が形成されている。
蒸発皿ヒータ60への通電制御は、除霜ヒータ32への通電をトリガとしてオンし、感温筒65が動作温度を検知してオフ信号を出したところでオフとなる。経時後、感温筒65の検知温度が動作温度を下回ってオン状態に復帰し、このとき除霜ヒータ32に対して未だ通電状態にあれば、蒸発皿ヒータ60も再度オンされ、一方、除霜ヒータ32への通電が既に遮断された状態にあれば、次の除霜運転の開始時において除霜ヒータ32へ通電されることに伴い、蒸発皿ヒータ60がオンするようになっている。
蒸発が進むと次第に水位が低下し、感温筒65の装着位置付近ではいわゆる空焚き状態となるため、次第に温度上昇する。そして、感温筒65が動作温度(115℃)を検知したところで、蒸発皿ヒータ60への通電がオフとなる。このとき、蒸発皿41の底面50の他の領域には排水が残っているため、同領域が危険温度まで過昇温するおそれはない。
この場合は、蒸発皿ヒータ60がオンされると、空の蒸発皿41が加熱されることになるため早期に昇温し、感温筒65が早期に動作温度を検知して蒸発皿ヒータ60がオフとなる。このとき除霜運転が終了して除霜ヒータ32の通電が遮断されない限りは、蒸発皿ヒータ60は再度オンされるため、蒸発皿41に排水が溜まっていない状態で蒸発皿ヒータ60のオン・オフが繰り返されることがある。
蒸発皿41の底面50における各箇所の温度は、同箇所に配線された蒸発皿ヒータ60の表面温度によってこれを擬制しており、過昇温の目安となる規定温度は、例えば「170℃」である。また、蒸発皿41に対する加熱の程度、すなわち排水の蒸発能力は、周囲温度や、蒸発皿ヒータ60への印可電圧の変動によって異なるから、低温低電圧条件[周囲温度:5℃、電圧:規定電圧(230V)の90%=207V])と、高温高電圧条件[周囲温度:43℃、電圧:規定電圧(230V)の110%=253V])の2条件のもとで行った。
また、後部領域52内でも、蒸発皿41の幅方向の中央位置「A」、中間位置「B」、端部位置「C」において最高温度に大きな差はなく、後部領域52全体、ひいては蒸発皿41の底面50の全域にわたって均等に昇温されることが確認できる。
なお、蒸発皿ヒータ60のオン・オフが繰り返された場合、上記した最高温度はサイクルの度に減少することも、確認されている。
感温筒65の配設箇所付近以外の領域、すなわち後部領域52でも、熱が籠もりやすい中央部において端部側よりも蒸発皿ヒータ60を粗く配線したから、同後部領域52でもほぼ均等に温度上昇し、部分的な過昇温がより確実に防止される。
図6は、本発明の実施形態2を示し、蒸発皿41Aの形状に変更が加えられている。実施形態2の蒸発皿41Aでは、同図(A)に示すように、後縁の所定領域が最も深く、蒸発皿41Aの底面50Aは、最深部から前縁に向かう全長にわたって、小角度(2〜3°程度)の上り勾配に形成されている。
そして、この蒸発皿41Aの底面50Aの裏面には、同図(B)に示すように、コードヒータからなる蒸発皿ヒータ60が、上記実施形態1と同じような形態で配線されている。すなわち底面50Aが、手前側の約1/4の前部領域51と、残りの約3/4の後部領域52とに便宜的に分けられ、蒸発皿ヒータ60は、後部領域52では蒸発皿41Aの幅方向(同図の上下方向)に沿ってジグザグ状に、また、前部領域51では、蒸発皿41Aの長さ方向に沿ってジグザグ状に、それぞれ実施形態1と同様の各ピッチで配線されている。
また、感温筒65は、蒸発皿41Aの幅の中央部から少し一側に寄った位置で、かつ前側から3本目のヒータ線61Bの真表に対応する位置において、同ヒータ線61Bに沿うような姿勢で内底面に密着して装着されている。
図7は、本発明の実施形態3を示す。この実施形態3では、サーモスタット感温筒65の取付姿勢に変更が加えられている。
例えば実施形態1では、排水が感温筒65に被った状態から次第に蒸発されて水位が低下する場合、感温筒65に水が溜まった状態となるおそれがある。そうすると感温筒65は、蒸発皿41の底面50の温度よりも低い温度を検知することになって、すなわち動作温度を検知するまでに遅れが生じ、蒸発皿ヒータ60をオフするタイミングが遅れて、過昇温する箇所が出るおそれがある。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)実施形態1において、後部領域側での蒸発皿ヒータのピッチを全体的にもう少し広く取れば、空の蒸発皿を加熱した場合における最高温度を、後部領域側全域においても、規定値以下に押さえることが可能である。
(2)上記実施形態では、蒸発皿の底面に傾斜面を設けた場合を例示したが、蒸発皿の底面は水平に形成されていてもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(3)温度センサとしては、上記実施形態に例示したサーモスタット感温筒に限らず、実際に温度値を検知するものであってもよく、その場合は、検知値が所定温度に達した場合に、蒸発皿ヒータをオフするように制御すればよい。
Claims (3)
- 除霜水等の排水を溜める蒸発皿の底面には、線状のヒータが間隔を開けて並んで配線される一方、前記底面の所定箇所には、同箇所付近の温度を検知する温度センサが設けられ、前記ヒータへ通電して貯留された前記排水を加熱することにより蒸発させ、前記温度センサによる検知温度に基づいて前記ヒータへの通電を制御するようにした冷却貯蔵庫の排水蒸発装置において、
前記蒸発皿の前記底面における前記温度センサの配設箇所付近では、他の箇所よりも前記ヒータが密に配線されていることを特徴とする冷却貯蔵庫の排水蒸発装置。 - 前記蒸発皿の前記底面の少なくとも一部には、他の箇所よりも高位となるように上り勾配となった傾斜面が形成され、この傾斜面の上部側の位置に前記温度センサが設けられていることを特徴とする請求項1記載の冷却貯蔵庫の排水蒸発装置。
- 前記蒸発皿の前記底面における前記温度センサの配設箇所付近以外の領域では、同領域の中央部に比べて端部の方が前記ヒータが密に配線されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷却貯蔵庫の排水蒸発装置。
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